(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131479
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041751
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
(72)【発明者】
【氏名】山川 秀一
(72)【発明者】
【氏名】金川 勉
(72)【発明者】
【氏名】木戸 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】内村 研太
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA28
2C333CA29
2C333CA56
2C333CA74
2C333CA77
2C333EA04
2C333EA10
(57)【要約】
【課題】遊技に対する興趣を向上させること。
【解決手段】実行画像H0の表示態様には、白色の表示態様と、白色の表示態様よりも当り期待度が高い青色又は緑色の表示態様と、白色の表示態様、青色又は緑色の表示態様よりも当り期待度が高い赤色又は虹色の表示態様と、が含まれる。実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示された場合、当該実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0が保持される場合がある。保持された実行画像H0の表示態様は、所定のタイミングにおいて青色又は緑色の表示態様から赤色又は虹色の表示態様に変化する場合がある。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
当り抽選を行う当り抽選手段と、を備え、
前記表示手段では、特別表示領域に当り抽選で当りとなる当り期待度を示唆する特別画像を表示可能であり、
前記特別画像の表示態様には、第1態様と、前記第1態様よりも前記当り期待度が高い第2態様と、前記第1態様及び前記第2態様よりも前記当り期待度が高い第3態様と、が含まれ、
前記表示手段では、前記特別表示領域に前記特別画像が前記第2態様で表示された場合、当該特別画像が前記第2態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持される場合があり、
保持された前記特別画像の表示態様は、前記所定のタイミングにおいて前記第2態様から前記第3態様に変化する場合がある遊技機。
【請求項2】
前記表示手段では、リーチ演出を実行可能であり、
前記所定のタイミングは、前記特別変動ゲームの実行中において前記リーチ演出を開始可能なタイミングよりも前のタイミングである請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記リーチ演出には、通常リーチ演出と、前記通常リーチ演出よりも前記当り期待度が高い特別リーチ演出と、があり、
前記特別画像が保持された後、前記特別変動ゲームの実行中に前記特別リーチ演出が実行され、
前記表示手段では、前記特定変動ゲームが終了した後に実行される前記特別変動ゲームの実行中における前記所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持されたとき、前記所定のタイミングにおいて前記特別画像の表示態様が、前記第2態様から前記第3態様に変化する場合及び前記第2態様から前記第3態様に変化しない場合の何れにおいても、前記所定のタイミングから前記特別リーチ演出が開始される前までの期間において前記特別画像が継続して表示される請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、当り抽選結果に基づいて変動ゲームが実行されるとともに、当該変動ゲームに関連して様々な画像が表示される。例えば、特許文献1の遊技機は、変動ゲームの実行中に表示された装飾図柄の画像を、その後に実行される連続する複数の変動ゲームにおいても再度表示させることにより、当りとなることを遊技者に期待させる演出を実行可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、連続する複数の変動ゲームにおいて同じ画像を表示することにより当りとなることを遊技者に期待させるに際して、さらに工夫を凝らすことによって、遊技に対する興趣を向上させることが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、画像を表示する表示手段と、当り抽選を行う当り抽選手段と、を備え、前記表示手段では、特別表示領域に当り抽選で当りとなる当り期待度を示唆する特別画像を表示可能であり、前記特別画像の表示態様には、第1態様と、前記第1態様よりも前記当り期待度が高い第2態様と、前記第1態様及び前記第2態様よりも前記当り期待度が高い第3態様と、が含まれ、前記表示手段では、前記特別表示領域に前記特別画像が前記第2態様で表示された場合、当該特別画像が前記第2態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持される場合があり、保持された前記特別画像の表示態様は、前記所定のタイミングにおいて前記第2態様から前記第3態様に変化する場合があることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記表示手段では、リーチ演出を実行可能であり、前記所定のタイミングは、前記特別変動ゲームの実行中において前記リーチ演出を開始可能なタイミングよりも前のタイミングであるようにしてもよい。
【0007】
上記遊技機について、前記リーチ演出には、通常リーチ演出と、前記通常リーチ演出よりも前記当り期待度が高い特別リーチ演出と、があり、前記特別画像が保持された後、前記特別変動ゲームの実行中に前記特別リーチ演出が実行され、前記表示手段では、前記特定変動ゲームが終了した後に実行される前記特別変動ゲームの実行中における前記所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持されたとき、前記所定のタイミングにおいて前記特別画像の表示態様が、前記第2態様から前記第3態様に変化する場合及び前記第2態様から前記第3態様に変化しない場合の何れにおいても、前記所定のタイミングから前記特別リーチ演出が開始される前までの期間において前記特別画像が継続して表示されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】実行画像及び保留画像を表示する表示領域のレイアウトを示す図である。
【
図5】実行画像及び保留画像の特殊表示態様の種類を示す図である。
【
図6】(a)~(d)は、ホールド分岐演出の演出態様を示す図である。
【
図7】ホールド分岐演出の演出パターンを示す図である。
【
図8】ホールド分岐演出及びホールド演出の一例を示すタイミングチャートである。
【
図9】ホールド分岐演出の一例を示すタイミングチャートである。
【
図10】ホールド分岐演出及びホールド演出の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を備える。搭載枠11bには、枠窓口11cが形成されている。搭載枠11bには、遊技領域YBaを有する遊技盤YBが組み付けられる。搭載枠11bは、枠窓口11cを封止する保護ガラス(不図示)を備える。遊技盤YBの遊技領域YBaは、保護ガラスによって覆われる。
【0011】
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。例えば、発射ハンドルHDは、搭載枠11bのうち右下部分に設けられる。パチンコ遊技機10では、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技球が遊技領域YBaに向けて発射される。
【0012】
パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。例えば、スピーカSPは、搭載枠11bの前面に設けられる。スピーカSPは、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。
【0013】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。例えば、装飾ランプLAは、搭載枠11bの前面に設けられる。装飾ランプLAは、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。
【0014】
遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技盤YBは、枠窓口11cを介して、遊技領域YBaが視認可能となるように、搭載枠11bに組み付けられている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されている。
【0015】
パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示装置として、第1特別図柄表示装置19a、及び第2特別図柄表示装置19bを備える。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が停止表示される。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示装置19aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示装置19bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「停止表示」とは、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄と、が少なくともある。特別図柄には、小当り表示結果としての小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選(以下、特別当り抽選と示す)にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。特別当り抽選は、当り抽選の一例である。
【0016】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示装置として、第1特別保留表示装置19c、及び第2特別保留表示装置19dを備える。第1特別保留表示装置19cは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示装置19dは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。一例として、第1特別保留数、及び第2特別保留数の上限値は、それぞれ4である。
【0017】
遊技盤YBは、普通図柄表示装置19eを備える。普通図柄表示装置19eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が導出される。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選(以下、普通当り抽選と示す)に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示装置19fを備える。普通保留表示装置19fは、保留条件が成立したが、開始条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数(普通保留数)を特定可能な情報を表示する。
【0018】
パチンコ遊技機10は、画像を表示する表示手段の一例としての演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示領域Rを有する。画像表示領域Rは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、表示窓口YBbを介して、画像表示領域Rを視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。
【0019】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)が表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄EZが変動表示され、最終的に演出図柄EZの組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄EZ(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄EZをそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0020】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄EZが同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部の列の演出図柄EZが他列の演出図柄EZとは異なる図柄組合せである。このように、パチンコ遊技機10には、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、がある。以下の説明では、特別ゲームと、演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0021】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいてリーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列(一例として、左図柄列、及び右図柄列)において、同一の演出図柄EZが停止表示されており、且つ、他の図柄列(一例として、中図柄列)において、演出図柄EZが引き続き変動表示されている状態である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出(以下、NR演出と示す)と、NR演出が実行された後に発展する演出であって、NR演出に比して変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される期待度(以下、大当り期待度と示す)が高いスーパーリーチ演出(以下、SR演出と示す)と、がある。NR演出は、通常リーチ演出の一例である。SR演出は、特別リーチ演出の一例である。
【0022】
パチンコ遊技機10は、第1始動口12を備える。第1始動口12は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(
図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2始動口13を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(
図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口13へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動口13へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材13aを備える。閉状態は、遊技球が第2始動口13へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材13aを動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(
図2参照)。普通可変部材13aは、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口14を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口14へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口14へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材14aを備える。閉状態は、遊技球が大入賞口14へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材14aを動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(
図2参照)。特別可変部材14aは、特別図柄の当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口14へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(
図2参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球がカウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0025】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート17を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート17を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(
図2参照)。パチンコ遊技機10は、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0026】
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行する演出装置であるとともに、演出装置群DEを構成する(
図2参照)。演出装置群DEは、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0027】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口13への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載している。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動、及び非作動)を組み合わせて構成される。
【0028】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。このため、高確率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0029】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、第2始動口13への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口13への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの開始条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0030】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2制御は、普通当り抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2制御は、低入球率状態では、普通当り抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の確率にて普通当り抽選を行う制御であってもよい。第3制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材13aの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材13aの開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材13aの1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0031】
次に、時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へ移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。即ち、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。なお、本実施形態において、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動となる。
【0032】
本実施形態において、遊技状態には、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態の3つがある。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。また、遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0033】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0034】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球すること、又は予め定めた上限時間が経過することにより終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0035】
パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態が制御される。一例として、特定図柄には、大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまでの間にわたって第1有利状態に制御することが定められている。通常図柄には、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、第2有利状態に制御することが定められている。これに限らず、大入賞口14に入賞した遊技球が特定領域(所謂、Vゾーン)を通過したことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第1有利状態に制御し、特定領域を通過しなかったことを条件として、大当り遊技の終了後の遊技状態を第2有利状態に制御する構成であってもよい。
【0036】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、を備える。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0037】
主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、CPU41と、ROM42と、RWM43と、乱数生成回路44とを備える。CPU41は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM42は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM42は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。
【0038】
図3に示すように、変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、NR演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せが導出される変動パターンHP2と、NR演出を行った後、SR演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せが導出される変動パターンHP4とがある。はずれリーチ変動パターンには、演出ゲームにおいて、NR演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンHP3と、NR演出を行った後、SR演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンHP5とがある。また、はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの図柄組合せが導出される変動パターンHP1がある。RWM43は、CPU41の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM43が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路44は、ハードウェア乱数を生成する。
【0039】
主基板40は、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4と接続される。CPU41は、各センサSE1~SE4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、複数の表示部19a~19fと接続される。CPU41は、複数の表示部19a~19fの表示内容を制御可能である。主基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU41は、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。
【0040】
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、CPU51と、ROM52と、RWM53と、を備える。CPU51は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM52は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。一例として、RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。
【0041】
副基板50は、演出表示装置EHと接続される。CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続される。CPU51は、スピーカSPの出力内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLAと接続される。CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。
【0042】
次に、CPU41が行う各種の処理について説明する。
CPU41は、所定の制御周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
【0043】
特別図柄入力処理について説明する。
CPU41は、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口12へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口12へ入球した場合、CPU41は、RWM43に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、CPU41は、第1特別保留数を1加算して更新する。CPU41は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0044】
次に、CPU41は、乱数生成回路44が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRWM43に記憶させる。例えば、乱数は、特別当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報をRWM43に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0045】
CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、第1始動口12へ遊技球が入球していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口13へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口13へ入球している場合、CPU41は、RWM43に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、CPU41は、第2特別保留数を1加算して更新する。CPU41は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示装置19dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0046】
次に、CPU41は、主基板40内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRWM43に記憶させる。CPU41は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報をRWM43に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、第2始動口13へ遊技球が入球していない場合、及び、第2特別保留数が上限数未満ではない場合、CPU41は、特別図柄入力処理を終了する。
【0047】
特別図柄入力処理においてCPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報をRWM43に記憶させた場合、コマンド設定処理を行う。コマンド設定処理は、特別図柄入力処理に含まれる処理である。
【0048】
コマンド設定処理においてCPU41は、取得した当り乱数に対応する数値が、後述する特別当り抽選に当選する大当り値であるか、特別当り抽選に当選しないはずれ値であるかを判定する。次に、CPU41は、大当り値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、大当り変動パターンの中から選択される大当り変動パターンを特定する。そして、CPU41は、特定した内容をもとに制御コマンドとしての大当り先読みコマンドを出力バッファに格納する。大当り先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した当り乱数に対応する数値が大当り値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される大当り変動パターンを示す情報と、を特定可能である。
【0049】
一方、CPU41は、はずれ値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、はずれ変動パターン及びはずれリーチ変動パターンからなる変動パターン群の中から選択される変動パターンを特定する。そして、CPU41は、特定した内容をもとに制御コマンドとしてのはずれ先読みコマンドを出力バッファに格納する。はずれ先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した当り乱数に対応する数値がはずれ値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される変動パターンを示す情報と、を特定可能である。
【0050】
出力バッファに格納された大当り先読みコマンド、又ははずれ先読みコマンドは、次周期以降の出力処理にて副基板50のCPU51へ出力される。本実施形態のコマンド設定処理は、第1特別ゲームを対象として行い、第2特別ゲームを対象としては行わない。大当り先読みコマンド又ははずれ先読みコマンドを設定したCPU41は、前述した特別図柄入力処理において第2特別ゲームに関する処理を行う。以下の説明において、大当り先読みコマンドとはずれ先読みコマンドを区別することなく説明する場合は、「先読みコマンド」と記載する。本実施形態のコマンド設定処理では、CPU41と第1始動センサSE1によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される変動ゲーム(第1特別ゲーム)の変動内容(変動時間を含む)を示す変動パターンが特定されることになる。
【0051】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
CPU41は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU41は、大当り遊技中ではなく、かつ、特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する。CPU41は、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU41は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、CPU41は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1特別保留数が零である場合、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、CPU41は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU41は、第1特別保留数を1減算して更新する。CPU41は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示装置19cを制御する。CPU41は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRWM43から取得する。CPU41は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの特別当り抽選(大当り判定)を行う。CPU41は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて特別当り抽選を行う。特別当り抽選を行うCPU41は、当り抽選手段の一例である。
【0053】
大当りに当選した場合、CPU41は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU41は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
大当りに当選しなかった場合、CPU41は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU41は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。CPU41は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチありのはずれリーチ変動パターン、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する。その後、CPU41は、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態では、はずれ変動パターンを決定するか、はずれリーチ変動パターンを決定するかによって演出ゲームでリーチ演出を実行するか決定されているが、リーチ演出を実行するか否かの判定を行い、その判定結果に応じてはずれリーチ変動パターン又ははずれ変動ゲームの何れかを決定するようにしてもよい。
【0055】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、CPU41は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU41は、第2特別保留数の減算、特別当り抽選、及び、特別当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0056】
CPU41は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを副基板50へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0057】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU41は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、CPU41は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示装置19aを制御する。また、CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副基板50へ出力する。
【0058】
CPU41は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置19bを制御する。また、CPU41は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副基板50へ出力する。
【0059】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU41は、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU41は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU41は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0060】
最初に、CPU41は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、CPU41は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。CPU41は、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU41は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU41は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50へ出力する。
【0061】
CPU41は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU41は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンドと示す)を副基板50へ出力する構成であってもよい。
【0062】
確率状態を移行させる確率移行処理について説明する。
CPU41は、特定図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RWM43に高確フラグを記憶させる。つまり、CPU41は、高確率状態に制御する。一方、CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RWM43に高確フラグを記憶させない。つまり、CPU41は、低確率状態に制御する。CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグが記憶されているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU41は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0063】
入球率状態及び変動時間状態を移行させる入球率移行処理について説明する。
CPU41は、特定図柄に基づく大当り遊技及び通常図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RWM43に作動フラグを記憶させる。つまり、CPU41は、高入球率状態、且つ短変動時間状態に制御する。CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RWM43に記憶されている作動フラグを消去する。つまり、CPU41は、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態、且つ長変動時間状態に制御する。CPU41は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが記憶されているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU41は、大当り遊技中、低入球率状態、且つ長変動時間状態に制御する。なお、CPU41は、遊技状態(確率状態、入球率状態、及び変動時間状態)を移行させた場合に、移行後の遊技状態を特定可能な制御コマンドを副基板50へ出力する。
【0064】
次に、副基板50のCPU51が実行する各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU51は、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置群DEを制御する。CPU51は、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置群DEを制御する。
【0065】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを含む演出装置群DEを制御する。一例として、CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0066】
また、CPU51は、リーチ演出を実行する条件(以下、リーチ条件と示す)が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、大当り変動パターン又ははずれリーチ変動パターンが決定されることによって成立する。CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄EZをリーチの演出図柄EZとして決定する。CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0067】
CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各演出図柄EZの変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御して演出ゲームを開始させる。CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。CPU51は、演出ゲームの実行中、各種の演出を実行するように、演出装置群DEを制御可能である。CPU51は、入力した変動開始コマンドからNR演出が実行される変動パターンを特定した場合、演出ゲームを開始させてから所定のタイミングでNR演出を実行させるように演出装置群DEを制御する。CPU51は、入力した変動開始コマンドからSR演出が実行される変動パターンを特定した場合、演出ゲームが開始されてから所定のタイミングでSR演出を実行するように演出装置群DEを制御する。
【0068】
そして、CPU51は、演出ゲームを開始させた後、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを導出させる。なお、CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを導出させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0069】
次に、演出表示装置EHの画像表示領域Rにおいて実行画像H0及び保留画像H1~H4を表示するときの画面レイアウトについて説明する。
図4に示すように、画像表示領域Rでは、図中に白抜き矢印で示すように演出図柄EZを変動表示させる演出ゲームが表示される。画像表示領域Rの下方には、保留中の特別ゲームに対応する演出ゲームの数に関する保留画像H1~H4を表示する領域として、保留表示領域HR1~HR4が左から右へとこの順番で並ぶように設定されている。保留表示領域HR1には、1番目(最先)に保留された特別ゲーム(保留数=1)を示す保留画像H1が表示される。保留表示領域HR2には、2番目に保留された特別ゲーム(保留数=2)を示す保留画像H2が表示される。保留表示領域HR3には、3番目に保留された特別ゲーム(保留数=3)を示す保留画像H3が表示される。保留表示領域HR4には、4番目(最後)に保留された特別ゲーム(保留数=4)を示す保留画像H4が表示される。つまり、保留表示領域HR1~HR4は、それぞれ保留数=1~4の特別ゲームと各別に対応する。保留画像H1~H4は、通常状態であるときには、第1特別ゲームの保留数に対応して表示される。一方、保留画像H1~H4は、第1有利状態及び第2有利状態であるときには、第2特別ゲームの保留数に対応して表示される。保留画像H1~H4は、一例として円形の形状である。
【0070】
保留表示領域HR1~HR4の左方には、実行中の演出ゲームに関する実行画像H0を表示する領域として、実行表示領域HR0が設定されている。例えば、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが新たに保留されて保留数=4となり、保留表示領域HR4に保留画像H4が表示された場合、当該保留画像H4は、先に保留されている特別ゲームが開始される毎に、保留表示領域HR4→HR3→HR2→HR1の順に移動するように表示される。そして、特別ゲームの開始条件の成立によって特別ゲームが開始(消化)される場合、保留表示領域HR1に表示されている保留画像H1は、保留表示領域HR1から実行表示領域HR0へ移動することにより実行画像H0として表示される。即ち、実行画像H0の形状も、保留画像H1~H4と同様に、円形となる。なお、保留画像H1が保留表示領域HR1から実行表示領域HR0へ移動する際、保留画像H1の面積が拡大することにより、実行画像H0の面積は、保留画像H1の面積よりも大きくなる。このように、実行画像H0は、演出図柄EZとは異なる画像であって、変動ゲームの実行中に実行表示領域HR0に表示されている。実行画像H0は、特別画像の一例である。
【0071】
なお、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが保留されているときであっても、SR演出の実行中は、保留画像H1~H4が表示されない。同様に、特別ゲームの実行中であっても、SR演出の実行中は、実行画像H0が表示されない。即ち、SR演出が実行される特別ゲームの実行中には、当該特別ゲームが開始されてからSR演出が開始される前までの期間において、実行画像H0及び保留画像H1~H4が表示される。一方、SR演出が実行されない特別ゲームの実行中は、当該特別ゲームが開始されてから終了するまで、実行画像H0及び保留画像H1~H4が表示される。
【0072】
保留画像H1~H4の表示態様には、白色の表示態様と、白色以外の表示態様である特殊表示態様と、がある。保留画像H1~H4は、白色の表示態様及び特殊表示態様のうち何れの表示態様で表示される場合においても、保留画像H1~H4に対応する特別ゲームが保留されたタイミングから各種の表示態様で表示される。パチンコ遊技機10では、演出表示装置EHに表示される保留画像H1~H4のうち何れか1つを特殊表示態様で表示させることによって、保留画像H1~H4に対応する特別ゲームの大当り期待度及び当該特別ゲームの実行中に実行される演出ゲームの演出内容を示唆する保留先読み演出を実行可能である。本実施形態では、通常状態において第1特別ゲームを対象として保留先読み演出が実行される。
【0073】
保留画像H1~H4の特殊表示態様について説明する。
図5に示すように、保留画像H1~H4の特殊表示態様には、保留画像H1~H4が表示される色が異なる4種類の表示態様がある。そして、保留画像H1~H4の表示態様の種類により示唆される大当り期待度及び演出内容が異なる。青色の表示態様は、白色の表示態様よりも大当り期待度が高いことを示唆する表示態様であるとともに、演出ゲームにおいてNR演出又はSR演出が実行されることを示唆する表示態様である。緑色の表示態様は、白色及び青色の表示態様よりも大当り期待度が高いことを示唆する表示態様であるとともに、青色の表示態様と同様に、演出ゲームにおいてNR演出又はSR演出が実行されることを示唆する表示態様である。赤色の表示態様は、白色、青色、及び緑色の表示態様よりも大当り期待度が高いことを示唆する表示態様であるとともに、演出ゲームにおいてSR演出が実行されることを示唆する表示態様である。虹色の表示態様は、白色、青色、緑色、赤色の表示態様よりも大当り期待度が高いことを示唆する表示態様であるとともに、演出ゲームにおいて大当りとなる図柄組合せが導出されることを示唆する表示態様である。
【0074】
前述のように、本実施形態では、特別ゲームの開始条件の成立によって特別ゲームが開始(消化)される場合、保留画像H1が実行表示領域HR0へ移動することにより実行画像H0として表示される。このため、本実施形態では、実行画像H0は、特別ゲームの開始条件が成立する直前の保留画像H1の表示態様と同じ表示態様で表示される。即ち、実行画像H0の表示態様にも、保留画像H1~H4の表示態様と同様に、白色、青色、緑色、赤色、及び虹色の表示態様がある。そして、実行画像H0の表示態様により、実行画像H0に対応する特別ゲームの大当り期待度及び当該特別ゲームの実行中に実行される演出ゲームの演出内容が示唆される。なお、本実施形態では、保留画像H1~H4が表示されてから、当該保留画像H1~H4が実行画像H0として表示されるまでの過程において、保留画像H1~H4の表示態様が変化することはない。実行画像H0の表示態様のうち、白色の表示態様は、第1態様の一例であり、青色の表示態様及び緑色の表示態様は、第2態様の一例である。また、実行画像H0の表示態様のうち、赤色の表示態様及び虹色の表示態様は、第3態様の一例である。
【0075】
保留先読み演出が実行されることにより保留画像H1が特殊表示態様で表示された状況で特別ゲームの開始条件が成立した場合、実行画像H0も特別ゲームの開始条件が成立する直前の保留画像H1と同じ特殊表示態様で表示される。本実施形態では、実行画像H0の表示態様により、実行画像H0に対応する特別ゲームの大当り期待度及び当該特別ゲームの実行中に実行される演出ゲームの演出内容が示唆される。
【0076】
保留表示処理について説明する。
保留表示処理は、通常状態において、先読みコマンドの入力を契機としてCPU51が行う処理であって、保留画像H1~H4を表示するための処理である。CPU51は、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数に対応するRWM53の記憶領域に先読みコマンドの値を記憶させる。RWM53には、第1特別保留数=1に対応する記憶領域、第1特別保留数=2に対応する記憶領域、第1特別保留数=3に対応する記憶領域、及び第1特別保留数=4に対応する記憶領域が設定されている。RWM53には、実行中の第1特別ゲームに対応する記憶領域が設定されている。以下の説明では、実行中の特別ゲームに対応する記憶領域を第1特別保留数=0に対応する記憶領域と示す。例えば、CPU51は、第1特別保留数=3を特定可能な先読みコマンドを入力すると、当該コマンド値を、特定可能な第1特別保留数=3に対応する記憶領域に記憶させる。
【0077】
CPU51は、先読みコマンドを入力すると、RWM53に特殊表示フラグが記憶されているか判定する。特殊表示フラグは、実行画像H0、及び保留画像H1~H4のうち、何れかの画像が特殊表示態様で表示されているときにRWM53に記憶されるフラグである。RWM53に特殊表示フラグが記憶されている場合、CPU51は、入力した先読みコマンドから特定可能な変動パターンの種類に関係なく、表示される保留画像の表示態様として白色の表示態様を決定する。
【0078】
RWM53に特殊表示フラグが記憶されていない場合、CPU51は、入力した先読みコマンドから第1特別ゲームの変動パターンを特定する。CPU51は、特定した変動パターンに基づいて入力した先読みコマンドから特定される第1特別保留数に対応する保留表示領域に表示させる保留画像の表示態様を決定するとともに、当該決定した表示態様で保留画像を表示させる。このとき、CPU51は、特定した変動パターンの種類によって、異なるテーブルから保留画像の表示態様を決定する。
【0079】
CPU51は、通常はずれとなる変動パターンHP1を特定した場合、第1変動テーブルから保留画像の表示態様を決定する。第1変動テーブルは、保留画像の表示態様として白色の表示態様が決定されるテーブルである。つまり、CPU51は、入力した先読みコマンドから変動パターンHP1を特定した場合、保留先読み演出を実行させないことを決定する。
【0080】
CPU51は、NR演出が実行される変動パターンHP2,HP3の何れかを特定した場合、所定の乱数を用いた抽選により、第2変動テーブルから保留画像の表示態様を決定する。第2変動テーブルは、保留画像の表示態様として白色、青色、緑色、及び虹色のうち何れかの表示態様が決定されるテーブルである。第2変動テーブルは、特定した変動パターンが変動パターンHP2(大当り)であるか、変動パターンHP3(はずれ)であるかにより、各表示態様に対応した乱数の振り分け値が異なり、白色<青色<緑色<虹色の順に大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。なお、第2変動テーブルは、特定した変動パターンが変動パターンHP3である場合には、虹色の表示態様に対応した振り分け値が0となるように乱数が振り分けられている。
【0081】
同様に、CPU51は、SR演出が実行される変動パターンHP4,HP5の何れかを特定した場合、所定の乱数を用いた抽選により、第3変動テーブルから保留画像の表示態様を決定する。第3変動テーブルは、保留画像の表示態様として白色、青色、緑色、赤色、及び虹色のうち何れかの表示態様が決定されるテーブルである。第3変動テーブルは、特定した変動パターンが変動パターンHP4(大当り)であるか、変動パターンHP5(はずれ)であるかにより、各表示態様に対応した乱数の振り分け値が異なり、白色<青色<緑色<赤色<虹色の順に大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。なお、第3変動テーブルは、特定した変動パターンが変動パターンHP5である場合には、虹色の表示態様に対応した振り分け値が0となるように乱数が振り分けられている。
【0082】
次に、CPU51は、先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数に対応するRWM53の記憶領域に対して、決定した保留画像の表示態様を特定可能な値を記憶させる。以下の説明では、第1特別保留数に対応する記憶領域に記憶される保留画像の表示態様を特定可能な値を「保留特定値」と示す。CPU51は、第1特別保留数に対応して記憶された保留特定値を参照することにより、保留表示領域HR1~HR4に表示させる保留画像H1~H4の表示態様を把握する。そして、CPU51は、保留表示領域HR1~HR4のうち、先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数に対応する保留表示領域に、上記のように決定した表示態様で保留画像を表示するように、演出表示装置EHを制御する。CPU51がこのような処理を実行することにより、保留先読み演出が実行される場合のほうが、保留先読み演出が実行されない場合よりも大当り期待度が高くなることを認識させ得る。また、CPU51は、特殊表示態様で保留画像を表示させた場合、特殊表示フラグをRWM53に記憶させる。
【0083】
CPU51は、第1特別ゲームの変動開始コマンドを入力すると、RWM53において、第1特別保留数=1に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶させる。CPU51は、第1特別保留数=2に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第1特別保留数=1に対応する記憶領域に記憶させる。CPU51は、第1特別保留数=3に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第2特別保留数=2に対応する記憶領域に記憶させる。CPU51は、第1特別保留数=4に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を、第1特別保留数=3に対応する記憶領域に記憶させる。このとき、CPU51は、第1特別保留数=4に対応する記憶領域に記憶されている先読みコマンドの値、及び保留特定値を消去する。
【0084】
次に、パチンコ遊技機10におけるホールド演出について説明する。
パチンコ遊技機10では、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示され、かつ当該実行画像H0が表示されたときに開始された変動ゲームが変動パターンHP3(NR演出(はずれ))に基づく変動ゲームであるとき、当該変動ゲームの終了後にも特殊表示態様で表示された実行画像H0が保持されるホールド演出を実行可能である。本明細書では、「画像が保持される」と表現した場合、連続する複数の変動ゲームが実行される期間に亘って同一の表示態様で画像が継続して表示されることを意味する。以下の説明では、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示され、かつ当該実行画像H0が表示されたときに開始される変動パターンHP3に基づく変動ゲームを「特定変動ゲーム」と示す。
【0085】
ホールド演出は、特定変動ゲームが開始されるときに所定条件が成立した状況において、所定の乱数を用いた抽選により実行可能な演出である。所定条件は、特定変動ゲームが開始されたときに保留されている1又は複数の変動ゲームにおいて、SR演出が実行される変動パターンHP4又は変動パターンHP5に基づく変動ゲームが含まれることにより成立する条件である。以下の説明では、特定変動ゲームが開始されたときに保留されている1又は複数の変動ゲームにおいて、変動パターンHP4又は変動パターンHP5に基づく1の変動ゲームが含まれる場合、当該変動ゲームを「特別変動ゲーム」と示す。なお、特定変動ゲームが開始されたときに変動パターンHP4又は変動パターンHP5に基づく変動ゲームが複数保留されている場合には、当該複数保留されている変動ゲームのうち最先に実行される変動ゲームを「特別変動ゲーム」と示す。即ち、特別変動ゲームは、特定変動ゲームが開始されるときに保留されている変動ゲームであって、特定変動ゲームの1回後~4回後のうち何れかにおいて実行される変動ゲームである。
【0086】
ホールド演出が実行されると、青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0は、当該実行画像H0が表示されたときから、特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持される。所定のタイミングは、特別変動ゲームの実行中においてリーチ演出(NR演出)を開始可能なタイミングよりも前の予め定めたタイミングである。パチンコ遊技機10では、ホールド演出が実行されることにより、特定変動ゲームの実行中に加え、特定変動ゲームが終了した後にも、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまでの期間において開始される変動ゲームの実行中に、NR演出又はSR演出が実行されることが示唆される。そして、ホールド演出が実行される場合、実行画像H0は、当該実行画像H0が表示されたときに開始される特別ゲームの後に実行される変動パターンHP4又変動パターンHP5に基づく特別ゲームの大当り期待度及び当該特別ゲームの実行中に実行される演出ゲームの演出内容を示唆することになる。一方、ホールド演出が実行されない場合、実行画像H0は、当該実行画像H0が表示されたときに開始される特別ゲームの大当り期待度及び当該特別ゲームの実行中に実行される演出ゲームの演出内容を示唆することになる。
【0087】
更に、パチンコ遊技機10では、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持されたとき、当該所定のタイミングで、実行画像H0の表示態様が、表示中の実行画像H0の表示態様よりも大当り期待度が高い表示態様に変化する場合がある。例えば、特定変動ゲームが開始されたときに、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示されるとともに、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持された場合、所定のタイミングで実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様から赤色の表示態様に変化する場合がある。
【0088】
次に、特定変動ゲームの実行中に実行されるホールド分岐演出について説明する。
ホールド分岐演出は、特定変動ゲームの実行中におけるNR演出の実行中において実行される演出である。即ち、ホールド分岐演出は、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示されたときに開始された変動ゲームが変動パターンHP3に基づく変動ゲームであるとき、NR演出の実行中に実行される演出である。ホールド分岐演出には、成功演出結果と、失敗演出結果とがある。そして、ホールド分岐演出において成功演出結果となった場合に、ホールド演出が実行されることを特定可能となる。即ち、ホールド分岐演出は、ホールド演出が実行されるか否かを遊技者に把握させることが可能な演出である。ホールド分岐演出は、特定演出の一例である。ホールド分岐演出の成功演出結果は、第1結果の一例であって、ホールド分岐演出の失敗演出結果は、第2結果の一例である。
【0089】
図6(a)~(d)に示すように、ホールド分岐演出は、「HOLD」の文字列で構成されたホールド画像HGが、実行画像H0と重なった状態で表示されるか否かにより、成功演出結果又は失敗演出結果となる演出である。
図6(a)~(d)には、ホールド分岐演出の一例を示す。
図6(a)には、特定変動ゲームの実行中においてNR演出が実行されている状況を示す。このとき、実行画像H0は、青色の表示態様で表示されている。その後、
図6(b)に示すように、NR演出が開始されてから所定時間が経過したタイミングで、画像表示領域Rにホールド画像HGが表示されるとともに、ホールド画像HGが実行表示領域HR0に向かって移動する演出が実行される。
【0090】
図6(c)に示すように、ホールド分岐演出が成功演出結果となった場合には、実行表示領域HR0に向かって移動したホールド画像HGが実行画像H0と重なった状態で表示される。このとき、ホールド画像HGは、実行画像H0よりも前のレイヤに表示されることにより、実行画像H0の一部が視認できなくなるが、実行画像H0の表示態様は引き続き特定可能となる。以下の説明では、ホールド画像HGと実行画像H0とが重なった状態で表示された画像をホールド継続画像と示す。ホールド継続画像は、所定画像の一例である。そして、ホールド継続画像が表示されることにより、ホールド分岐演出が成功演出結果となったことを特定可能となる。ホールド継続画像は、特別変動ゲームの1回前の変動ゲームが終了するまで継続して表示される。上述のように、特別変動ゲームは、特定変動ゲームの1回後~4回後のうち何れかにおいて実行される変動ゲームである。このため、ホールド継続画像は、特定変動ゲーム、特定変動ゲームの1回後の変動ゲーム、特定変動ゲームの2回後の変動ゲーム、及び特定変動ゲームの3回後の変動ゲームのうち、何れかの変動ゲームが終了するまで継続して表示される。このように、ホールド継続画像は、特定変動ゲームが終了するまで継続して表示される場合と、特定変動ゲームが終了した後にも継続して表示される場合とがある。
【0091】
図6(d)に示すように、ホールド分岐演出が失敗演出結果となった場合には、実行表示領域HR0に向かって移動したホールド画像HGが、実行画像H0に重なった状態になる前に消去される。即ち、ホールド継続画像が表示されない。このように、ホールド分岐演出では、ホールド画像HGが実行表示領域HR0に向かって移動するとともに、ホールド分岐演出が成功演出結果となった場合には、ホールド画像HGと実行画像H0とが重なった状態で表示される。このため、ホールド分岐演出は、当該ホールド分岐演出の結果が、成功演出結果となる可能性があることを示唆する演出であるといえる。そして、このようなホールド分岐演出が特定変動ゲームの実行中におけるNR演出の実行中に実行されることにより、特定変動ゲームが終了する前にホールド演出が実行されるか否かが特定可能となる。
【0092】
CPU51がホールド演出及びホールド分岐演出を実行させるためのホールド演出処理について説明する。
CPU51は、第1特別ゲームの変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定可能な変動パターンを特定するとともに、RWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶された保留特定値を参照することにより、実行画像H0の表示態様を特定する。
【0093】
入力した変動開始コマンドから変動パターンHP3を特定するとともに、実行画像H0の表示態様が青色の表示態様又は緑色の表示態様であることを特定した場合、CPU51は、ホールド分岐演出を実行することを決定する。なお、CPU51は、入力した変動開始コマンドから変動パターンHP3を特定しなかった場合、及び実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様であることを特定しなかった場合には、ホールド分岐演出を実行しないことを決定する。
【0094】
ホールド分岐演出を実行することを決定した場合、CPU51は、RWM53の第1特別保留数=1~4の各保留数に対応する記憶領域(以下、これらの記憶領域を総称して保留記憶領域と示す)に記憶されている先読みコマンドの値を参照する。そして、CPU51は、保留記憶領域に変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されているかを判定する。保留記憶領域に変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されている場合、CPU51は、当該先読みコマンドの値が記憶されている記憶領域に対応する第1特別保留数を特定可能な値をRWM53の変動カウンタに記憶させる。更に、変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値から特定される変動パターン(変動パターンHP4又は変動パターンHP5の何れか)を特定可能な値を、特別変動ゲームの変動パターン情報としてRWM53に記憶させる。一例として、第1特別保留数=1に対応する記憶領域に変動パターンHP4を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されている場合、CPU51は、変動カウンタに「1」を記憶させるとともに、特別変動ゲームの変動パターン情報として変動パターンHP4を特定可能な値を記憶させる。
【0095】
なお、保留記憶領域に、変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が複数記憶されている場合、CPU51は、当該先読みコマンドの値が記憶されている複数の記憶領域のうち、変動ゲームが最先に実行される記憶領域に対応する第1特別保留数を特定可能な値を変動カウンタに記憶させる。更に、CPU51は、変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されている複数の記憶領域のうち、変動ゲームが最先に実行される記憶領域に記憶された先読みコマンドの値から特定される変動パターンを特定可能な値を、特別変動ゲームの変動パターン情報としてRWM53に記憶させる。一例として、第1特別保留数=2に対応する記憶領域に変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶され、かつ第1特別保留数=4に対応する記憶領域に変動パターンHP4を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されているとする。このとき、CPU51は、変動カウンタに「2」を記憶させるとともに、特別変動ゲームの変動パターン情報として変動パターンHP5を特定可能な値を記憶させる。
【0096】
更に、保留記憶領域に変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されている場合、CPU51は、ホールド演出を実行可能な状態であることを特定可能な情報としてホールド可能情報をRWM53に記憶させる。一方、保留記憶領域に変動パターンHP4又は変動パターンHP5を特定可能な先読みコマンドの値が記憶されていない場合、CPU51は、ホールド可能情報をRWM53に記憶させない。
【0097】
CPU51がこのような処理を実行することにより、パチンコ遊技機10では、特定変動ゲームが開始されたときに保留されている1又は複数の変動ゲームにおいて、SR演出が実行される変動パターンHP4又は変動パターンHP5に基づく変動ゲームが含まれるか否か(所定条件が成立するか否か)を特定可能である。
【0098】
次に、CPU51は、RWM53に記憶されるホールド可能情報、特別変動ゲームの変動パターン情報、及び変動カウンタの値に基づいて、ホールド演出の実行可否を決定する。RWM53にホールド可能情報が記憶されていない場合、CPU51は、ホールド演出を実行させないことを決定する。一方、RWM53にホールド可能情報が記憶されている場合、CPU51は、特別変動ゲームの変動パターン情報から特定可能な変動パターン(以下、特別変動パターンと示す)、及び変動カウンタの値に基づいて、所定の乱数を用いた抽選によりホールド演出の実行可否を決定する。
【0099】
具体的に、CPU51は、変動カウンタの値が2~4のうちの何れかの場合のほうが1の場合よりも、特別変動パターンが、大当りの変動パターンであるときの実行割合とはずれの変動パターンであるときの実行割合の合算割合に占める、大当りの変動パターンであるときの実行割合が高くなるようにホールド演出の実行可否を決定する。CPU51がこのような処理を実行することにより、パチンコ遊技機10では、特別変動ゲームが特定変動ゲームの2~4回後の変動ゲームである場合のほうが、特別変動ゲームが特定変動ゲームの1回後の変動ゲームである場合よりも、ホールド演出が実行された場合の大当り期待度が相対的に高くなる。換言すると、特定変動ゲームが実行された後に保持された実行画像H0が、特定変動ゲームの2回後~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときのほうが、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときよりも相対的に大当り期待度が高くなる。ホールド演出の実行を決定しなかった場合、CPU51は、変動カウンタの値を0にする。
【0100】
ホールド演出の実行可否を決定した場合、CPU51は、ホールド演出の実行可否の決定結果に基づいて、ホールド分岐演出の演出パターンを決定する。
図7に示すように、ホールド分岐演出の演出パターンには、演出パターンEP1~EP8の複数種類の演出パターンが規定されている。演出パターンEP1は、ホールド分岐演出で失敗演出結果となる演出パターンである。一方、演出パターンEP2~EP8は、ホールド分岐演出で成功演出結果となる演出パターンである。
【0101】
演出パターンEP2~EP5は、保持される実行画像H0の表示態様が青色の表示態様であるときに決定可能な演出パターンであるとともに、演出パターンの種類によって特別変動ゲームの実行中の所定のタイミングよりも後に表示される実行画像H0の最終の表示態様が異なるように規定されている。同様に、演出パターンEP6~EP8は、保持される実行画像H0の表示態様が緑色の表示態様であるときに決定可能な演出パターンであるとともに、演出パターンの種類によって特別変動ゲームの実行中の所定のタイミングよりも後に表示される実行画像H0の最終の表示態様が異なるように規定されている。
【0102】
一例として、演出パターンEP2は、保持される実行画像H0の表示態様が青色の表示態様であるときに決定可能な演出パターンであるとともに、特別変動ゲームの実行中の所定のタイミングよりも後に表示される実行画像H0の最終の表示態様も青色の表示態様となる演出パターンである。一例として、演出パターンEP7は、保持される実行画像H0の表示態様が緑色の表示態様であるときに決定可能な演出パターンであるとともに、特別変動ゲームの実行中の所定のタイミングよりも後に表示される実行画像H0の最終の表示態様が赤色の表示態様となる演出パターンである。
【0103】
CPU51は、ホールド演出が実行されないことを決定した場合と、ホールド演出が実行されることを決定した場合とで、異なるテーブルによりホールド分岐演出の演出パターンを決定する。また、CPU51は、ホールド演出が実行されることを決定した場合、RWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶されている保留特定値から特定した表示態様が、青色の表示態様であるか緑色の表示態様であるかにより、異なるテーブルによりホールド分岐演出の演出パターンを決定する。
【0104】
CPU51は、ホールド演出が実行されないことを決定した場合、第1演出テーブルからホールド分岐演出の演出パターンを決定する。第1演出テーブルは、演出パターンEP1が決定されるテーブルである。つまり、CPU51は、ホールド演出が実行されないことを決定した場合、失敗演出結果となる演出パターンを決定する。
【0105】
一方、CPU51は、ホールド演出が実行されることを決定し、かつRWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶されている保留特定値から特定した表示態様が青色の表示態様である場合、特別変動パターンに基づいて、所定の乱数を用いた抽選により、第2演出テーブルからホールド分岐演出の演出パターンを決定する。第2演出テーブルは、ホールド分岐演出の演出パターンとして、演出パターンEP2~EP5のうち何れかの演出パターンが決定されるテーブルである。第2演出テーブルは、特別変動パターンが大当りの変動パターンであるかはずれの変動パターンであるかにより、各演出パターンに対応した乱数の振り分け値が異なり、実行画像H0の最終の表示態様が青色<緑色<赤色<虹色の順に特別変動ゲームの大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。なお、第2演出テーブルは、特別変動パターンがはずれの変動パターンである場合には、虹色の表示態様に対応した振り分け値が0となるように乱数が振り分けられている。
【0106】
また、CPU51は、ホールド演出が実行されることを決定し、かつRWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶されている保留特定値から特定した表示態様が緑色の表示態様である場合、特別変動パターンに基づいて、所定の乱数を用いた抽選により、第3演出テーブルからホールド分岐演出の演出パターンを決定する。第3演出テーブルは、ホールド分岐演出の演出パターンとして、演出パターンEP6~EP8のうち何れかの演出パターンが決定されるテーブルである。第3演出テーブルは、特別変動パターンが大当りの変動パターンであるかはずれの変動パターンであるかにより、各演出パターンに対応した乱数の振り分け値が異なり、実行画像H0の最終の表示態様が緑色<赤色<虹色の順に特別変動ゲームの大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。なお、第3演出テーブルは、特別変動パターンがはずれの変動パターンである場合には、虹色の表示態様に対応した振り分け値が0となるように乱数が振り分けられている。
【0107】
ホールド分岐演出を実行させることを決定するとともに、ホールド分岐演出の演出パターンを決定した場合、CPU51は、NR演出が開始されてから所定時間が経過したタイミングで決定した演出パターンに基づいてホールド分岐演出を実行させるように演出表示装置EHを制御する。特にCPU51は、成功演出結果となるホールド分岐演出の演出パターンを決定した場合、ホールド分岐演出の実行中における予め定めたタイミングでホールド画像HGが実行画像H0に重なった状態で表示されるように演出表示装置EHを制御する。
【0108】
更に、ホールド演出の実行を決定した場合、CPU51は、特定変動ゲームが終了した後、変動開始コマンドを入力する毎にRWM53に記憶された変動カウンタの値を1減算する。CPU51は、減算した変動カウンタの値が0になることにより、特別変動ゲームが開始されることを特定可能になるとともに、特別変動ゲームが開始されてからの経過時間を計数することにより予め定めた時間が経過したときに特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングとなったことを特定可能となる。
【0109】
ホールド演出の実行を決定した場合、CPU51は、特定変動ゲームが開始されたときの表示態様で特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで継続して実行画像H0を表示させるように演出表示装置EHを制御する。更に、CPU51は、特別変動ゲームが開始されてからの経過時間を計数することによりSR演出が開始されるタイミングを特定する。その上で、CPU51は、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングからSR演出が開始される前までの期間において、決定したホールド分岐演出の演出パターンにより規定された最終の表示態様で実行画像H0を表示させるように演出表示装置EHを制御する。なお、CPU51は、ホールド演出の実行を決定しなかった場合、特定変動ゲームが終了したタイミングで実行画像H0を消去するとともに、特定変動ゲームの次の変動ゲームの変動開始コマンドを入力したタイミングで新たに実行画像H0を表示させるように演出表示装置EHを制御する。
【0110】
また、CPU51は、ホールド演出の実行を決定した場合、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、変動開始コマンドを入力した場合であっても、第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶されている保留特定値を更新せずに、先読みコマンドの値を更新する。そして、CPU51は、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングにおいて、ホールド分岐演出の演出パターンにより規定された最終の表示態様を特定可能な保留特定値を、RWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域に記憶させる。CPU51がこのような処理を実行することにより、ホールド演出が実行される場合であっても、特定変動ゲームが開始されてから特別変動ゲームの実行中におけるSR演出が開始される前までの期間において、RWM53の第1特別保留数=0に対応する記憶領域には、表示されている実行画像H0の表示態様を特定可能な保留特定値が記憶される。
【0111】
また、CPU51は、成功演出結果となるホールド分岐演出の演出パターンを決定した場合、ホールド継続画像を特別変動ゲームが開始されるタイミングまで継続して表示させるように演出表示装置EHを制御する。更に、CPU51は、特別変動ゲームが終了すると、RWM53に記憶された特別変動ゲームの変動パターン情報及びホールド可能情報を消去する。
【0112】
次に、CPU51が実行する特殊表示フラグクリア処理について説明する。
変動終了コマンドを入力した場合、CPU51は、RWM53に特殊表示フラグが記憶されているか判定する。特殊表示フラグが記憶されている場合、CPU51は、変動カウンタの値が0より大きい値であるか判定する。変動カウンタには、ホールド演出が実行される場合に、ホールド分岐演出を実行させることが決定されたときから、特別変動ゲームが開始されるときまで、0より大きい値が記憶されることになる。よって、CPU51は、変動終了コマンドを入力したときに変動カウンタの値が0より大きい値であることを特定した場合に、ホールド演出が実行される場合において、ホールド分岐演出の実行が決定された後から、特別変動ゲームが終了するまでの期間であることを特定可能となる。そして、変動終了コマンドを入力したときに変動カウンタの値が0より大きい値ではない場合、CPU51は、特殊表示フラグを消去する。一方、変動終了コマンドを入力したときに変動カウンタの値が0より大きい値である場合、CPU51は、特殊表示フラグを消去しない。CPU51がこのような処理を実行することにより、ホールド演出が実行される場合において、ホールド分岐演出の実行が決定された後から、特別変動ゲームが終了するまでの期間においては、CPU51が先読みコマンドを入力した場合であっても、保留先読み演出が実行されないことになる。
【0113】
次に、
図8~
図10を参照して、ホールド分岐演出及びホールド演出が実行される場合の演出態様の一例について説明する。最初に、
図8を参照して、ホールド演出の実行が決定されることにより、特定変動ゲームの実行中から特定変動ゲームの1回後の特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持されるとともに、所定のタイミングで実行画像H0の表示態様が変化しない場合の一例について説明する。
【0114】
図8に示すように、時点T01において変動パターンHP3(NR演出(はずれ))に基づく変動ゲーム(特定変動ゲーム)が開始される。変動ゲームの実行中は、実行表示領域HR0において、実行画像H0が青色の表示態様で表示されている。その後、時点T02においてNR演出が開始された後、当該NR演出が開始されてから所定時間が経過した時点T03において、ホールド分岐演出が開始される。ホールド分岐演出は、演出パターンEP2に基づいて実行されることにより、時点T04において成功演出結果となる。このとき、ホールド画像HGが、実行画像H0と重なった状態で表示される。即ち、ホールド継続画像が表示されることにより、ホールド演出が実行されることが特定可能となる。ホールド分岐演出は、特定変動ゲームが終了する前の時点T04に終了する。そして、ホールド分岐演出が終了した後にも、特定変動ゲームが終了する時点T05までホールド継続画像が表示される。
【0115】
時点T05において、変動パターンHP5に基づく変動ゲーム(特別変動ゲーム)が開始されると、ホールド画像HGは非表示となる一方で、実行画像H0は保持される。即ち、ホールド継続画像は表示されなくなる。このとき、特定変動ゲームの実行中において保留表示領域HR1に表示されていた保留画像H1が実行表示領域HR0へ移動せずに、特定変動ゲームの実行中に表示されていた実行画像H0が継続して表示されることになる。そして、変動ゲームが開始されてから、予め定めた時間が経過した所定のタイミング(時点T06)となった場合でも、実行画像H0は、青色の表示態様を維持する。その後、青色の表示態様で表示された実行画像H0は、SR演出が開始される前の時点T07まで表示された後、時点T07~T08のSR演出が実行される期間では非表示になる。そして、次の変動ゲームが開始されると、新たに実行画像H0が表示される。
【0116】
次に、
図9を参照して、ホールド演出の実行が決定されずに、ホールド分岐演出が実行される場合の一例について説明する。以下、上述の説明と重複する部分については、説明を省略する。
【0117】
図9に示すように、ホールド演出の実行が決定されない場合であっても、変動開始時に青色(又は緑色)の表示態様で実行画像H0が表示されたときには、特定変動ゲームの実行中におけるNR演出が開始されてから所定時間が経過した時点T13において、ホールド分岐演出が開始される。ホールド分岐演出は、演出パターンEP1に基づいて実行されることにより、失敗演出結果となる。このとき、ホールド分岐演出が終了する時点T14において、ホールド継続画像は表示されない。青色の表示態様で表示された実行画像H0は、特定変動ゲームが終了する時点T15において非表示となる。そして、次の変動ゲームが開始されると、新たに実行画像H0が表示される。
【0118】
次に、
図10を参照して、ホールド演出の実行が決定されることにより、特定変動ゲームの実行中から特定変動ゲームの2回後の特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持されるとともに、所定のタイミングで実行画像H0の表示態様が変化する場合の一例について説明する。
【0119】
図10に示すように、時点T21において特定変動ゲームが開始されると、緑色の表示態様で実行画像H0が表示される。その後、時点T23においてホールド分岐演出が開始される。ホールド分岐演出は、演出パターンEP7に基づいて実行されることにより、成功演出結果となる。時点T24においてホールド継続画像の表示が開始される。
【0120】
時点T25において、特定変動ゲームが終了するとともに、特定変動ゲームの1回後の変動ゲームとして、変動パターンHP1(通常はずれ)に基づく変動ゲームが開始される。このとき、ホールド継続画像(実行画像H0及びホールド画像HG)は、保持される。
【0121】
その後、時点T26において、変動パターンHP5に基づく変動ゲーム(特別変動ゲーム)が開始されると、ホールド画像HGは非表示となる一方で、実行画像H0は保持される。即ち、ホールド継続画像は表示されなくなる。そして、変動ゲームが開始してから、予め定めた時間が経過した所定のタイミング(時点T27)となったとき、実行画像H0の表示態様は、緑色の表示態様から赤色の表示態様へと変化する。このように、保持された実行画像H0の表示態様は、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングにおいて緑色(又は青色)の表示態様から、赤色(又は虹色)の表示態様に変化する場合がある。その後、赤色の表示態様で表示された実行画像H0は、SR演出が開始される前の時点T28まで表示された後、時点T28~T29のSR演出が実行される期間では非表示になる。そして、次の変動ゲームが開始されると、新たに実行画像H0が表示される。
【0122】
このように、演出表示装置EHでは、実行表示領域HR0に実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示された場合、特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0が保持される場合がある。特定変動ゲームの実行中には、リーチ演出(NR演出)が実行されるため、実行画像H0は、リーチ演出が実行された後に保持されることになる。また、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングでは、実行画像H0の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがある。そして、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングより後には、SR演出が実行される。
【0123】
また、演出表示装置EHでは、ホールド分岐演出の結果が成功演出結果となった場合には、ホールド演出が実行されることにより、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、実行画像H0が保持される。一方、ホールド分岐演出の結果が失敗演出結果となった場合には、ホールド演出が実行されないことにより、特定変動ゲームが終了した後、実行画像H0が非表示になる。
【0124】
本実施形態の効果について説明する。
(1)大当り期待度を示唆する実行画像H0を対象として、変動ゲームが開始されたときに、実行画像H0が白色の表示態様よりも大当り期待度が高い青色又は緑色の表示態様で表示された場合にホールド演出を実行可能にした。一般に、ホールド演出が実行されない場合、変動ゲームが開始されたときに、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示されたとしても、開始された変動ゲームが終了した時点で実行画像H0が非表示になるとともに遊技者の期待感は喪失される。これに対し、ホールド演出が実行されることにより、開始された変動ゲーム(特定変動ゲーム)が終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0が保持される場合がある。このため、ホールド演出が実行された場合には、実行画像H0の表示態様から抱き得る期待感を、開始された変動ゲームの実行中だけでなく、当該変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで継続させることができる。そして、例えば、演出図柄のように画像単体では大当り期待度を示唆しない画像を対象とした場合に比して、連続する複数の変動ゲームにおいて同じ画像を表示させる演出効果を高めることができる。よって、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0125】
(2)実行画像H0は、演出図柄EZとは異なる画像であって、変動ゲームの実行中に実行表示領域HR0に表示される画像であるから、変動ゲームの実行中は、変動表示される演出図柄EZに注目させつつも、演出図柄EZとは別の実行画像H0の表示態様から大当り期待度及び演出内容を推測させることができる。
【0126】
(3)特定変動ゲームの実行中にリーチ演出(NR演出)が実行された後に、実行画像H0が保持されうる。よって、リーチ演出ではずれとなった後に、実行画像H0が保持された場合には、リーチ演出がはずれとなったことにより落胆した遊技者の気分を再度高揚させることができるとともに、特別変動ゲームが終了するまで大当りとなることを継続して期待させることができる。
【0127】
(4)リーチ演出には、NR演出と、NR演出よりも大当り期待度が高いSR演出とがある。そして、実行画像H0が保持された後には、特別変動ゲームの実行中にSR演出が実行される。よって、実行画像H0が保持されることにより、特別変動ゲームの実行中にSR演出が実行されることを把握させることができるとともに、SR演出において大当りの図柄組合せが導出されることを期待させることができる。
【0128】
(5)特別変動ゲームは、特定変動ゲームが開始されるときに保留されている変動ゲームであって、特定変動ゲームの1回後~4回後のうち何れかにおいて実行される変動ゲームである。このため、例えば、特定変動ゲームが開始されるときに複数の変動ゲームが保留されているとともに、特定変動ゲームの終了後に青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0が保持された場合、特定変動ゲームが開始されるときに保留されていた複数の変動ゲームのうちの何れかが大当りとなることを期待させることができる。そして、特定変動ゲームの終了後に実行画像H0が保持されたときには、特定変動ゲームが開始されるときに保留されていた複数の変動ゲームのうちの何れの変動ゲームが大当りとなる可能性が高いのかを想像させる楽しみを提供することができる。
【0129】
(6)実行画像H0は、特定変動ゲームの2回後~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときのほうが、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときよりも相対的に大当り期待度が高い。このため、特定変動ゲームの2回後~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持された場合には、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持された場合に比して、大当りとなる期待感を更に高揚させることができる。そして、実行画像H0が保持された場合、特定変動ゲームの2回後に実行される変動ゲームにおける所定のタイミングまで実行画像H0が保持されるか否かに特に注目させることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0130】
(7)特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持された場合、所定のタイミングで実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様から、当該表示態様よりも大当り期待度が高い赤色又は虹色の表示態様に変化する場合がある。よって、所定のタイミングで実行画像H0の表示態様が変化するか否かに注目させることができるとともに、大当り期待度が高い表示態様に変化することを期待させることができる。
【0131】
(8)特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングは、特別変動ゲームの実行中においてリーチ演出を開始可能なタイミングよりも前のタイミングである。よって、実行画像H0が保持された場合、特別変動ゲームの実行中は、リーチ演出が実行される前の所定のタイミングにおける実行画像H0の表示態様から大当り期待度を推測させた上で、所定のタイミングよりも後に実行されるリーチ演出を楽しませることができる。
【0132】
(9)特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングにおいて、実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様から、赤色又は虹色の表示態様に変化する場合と変化しない場合の何れにおいても、所定のタイミングからSR演出が実行される前までの期間において実行画像H0が継続して表示される。よって、所定のタイミングにおける実行画像H0の表示態様によらず、所定のタイミングからSR演出が実行される前までの期間において、実行画像H0の表示態様から大当り期待度を予測させることができる。その上で、SR演出が開始された後には、当該SR演出が開始される前の実行画像H0の表示態様が何れの特殊表示態様であったとしても、実行画像H0に気を取られることなく、SRリーチ演出を楽しませることができる。
【0133】
(10)ホールド分岐演出は、当該ホールド分岐演出の結果が成功演出結果となる可能性があることを示唆する演出である。このため、ホールド分岐演出が実行された場合には、特定変動ゲームの後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、実行画像H0が保持される状況が生じ得ることを遊技者に把握させることができる。よって、変動ゲームの実行中にホールド分岐演出が実行されるか否かに注目させることができる。そして、ホールド分岐演出において成功演出結果となった場合には、特別ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持される一方で、失敗演出結果となった場合には、特定変動ゲームが終了した後、実行画像H0が非表示になる。よって、ホールド分岐演出で成功演出結果となることを期待させることができるとともに、成功演出結果となったときには、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、実行画像H0が保持されることを確定的に把握させることができるため、遊技者の期待感を高揚させることができる。
【0134】
(11)ホールド分岐演出は、特定変動ゲームが終了する前に終了する。その上で、ホールド分岐演出の結果が成功演出結果となった場合、当該成功演出結果となったことを特定可能なホールド継続画像が、ホールド分岐演出の終了後から特別変動ゲームの1回前の変動ゲームが終了するまで表示される。このため、例えば、遊技者がホールド分岐演出の結果を見逃した場合であっても、ホールド分岐演出の結果が成功演出結果となった場合には、ホールド分岐演出の終了後から特別変動ゲームの1回前の変動ゲームが終了するまでホールド継続画像の表示を確認することにより、成功演出結果となったことを把握させることができる。そして、ホールド継続画像は、特定変動ゲームが終了するまでは表示されることになる。よって、ホールド継続画像が表示されない場合に比して、特定変動ゲームが終了する前に、当該特定変動ゲームの終了後にも実行画像H0が保持されることを把握させ易くすることができる。その結果、特定変動ゲームが終了する前に、特定変動ゲームの後に実行される特別変動ゲームが大当りとなることを期待させることができるため、特定変動ゲームが大当りとならずに終了したときに遊技者が落胆することを抑制できる。
【0135】
(12)ホールド継続画像は、特別変動ゲームの1回前の変動ゲームが終了するまで継続して表示される。つまり、表示されたホールド継続画像が非表示になることにより、特別変動ゲームが開始されたことを遊技者は特定可能となる。よって、特別変動ゲームが開始されるタイミングを遊技者に把握させることができるため、特別変動ゲームに特に注目させることができる。
【0136】
(13)実行画像H0が保持されている状況では、保留画像H1~H4が特殊表示態様で表示されない。よって実行画像H0が保持されている状況において保留画像H1~H4が特殊表示態様で表示されうる場合に比して、保持されている実行画像H0に注目させ易くすることができる。
【0137】
(14)特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングで、実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様から赤色又は虹色の表示態様に変化する場合がある。よって、保留先読み演出が実行されたときに、保留画像が青色又は緑色の表示態様で表示された場合であっても、保留画像が実行画像H0として表示された後にホールド演出が実行されることにより、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングで、実行画像H0の表示態様が赤色又は虹色の表示態様に変化することを期待させることができる。
【0138】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0139】
・上記実施形態における実行画像H0及び保留画像H1~H4により示唆される期待度は、大当り期待度であったが、大当り期待度及び小当り期待度の合算の期待度としてもよいし、小当りの期待度としてもよい。
【0140】
・上記実施形態において、SR演出は、NR演出よりも大当り期待度が高いリーチ演出であったが、SR演出は、NR演出よりも大当り期待度及び小当り期待度の合算の期待度が高いリーチ演出であってもよく、小当り期待度が高いリーチ演出であってもよい。
【0141】
・実行画像H0が保持された場合、特定変動ゲームの2~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときのほうが、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときよりも大当り期待度が高くなったが、これに限らない。特定変動ゲームの2~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときのほうが、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときよりも大当り期待度及び小当り期待度の合算の期待度が高くなるようにしてもよい。また、特定変動ゲームの2~4回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときのほうが、特定変動ゲームの1回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるときよりも小当り期待度が高くなるようにしてもよい。
【0142】
・実行画像H0が保持された後、特別変動ゲームの実行中にSR演出が実行されない場合があってもよい。この場合、例えば、所定条件は、特定変動ゲームが開始されたときに保留されている1又は複数の変動ゲームにおいて、NR演出が実行される変動パターンHP2,HP3、及びSR演出が実行される変動パターンHP4,HP5のうち、何れかの変動パターンに基づく変動ゲームが含まれることにより成立する条件であるとよい。そして、例えば、特別変動ゲームの実行中にSR演出が実行されない場合には、青色又は緑色の表示態様で保持された実行画像H0の表示態様が所定のタイミングで変化しないようにするとよい。更に、特別変動ゲームの実行中にSR演出が実行されない場合であっても、NR演出が実行されるようにするとよい。これによれば、実行画像H0が保持されることにより、特別変動ゲームの実行中にNR演出が実行されることを把握させつつ、SR演出が実行されることまでは把握できないものの、SR演出が実行される可能性があることを把握させることができる。そして、所定のタイミングにおいて実行画像H0の表示態様が変化したときにSR演出が実行されることを把握可能となるため、所定のタイミングにおいて実行画像H0の表示態様が変化するか否かに更に注目させることができる。
【0143】
・実行画像H0及び保留画像H1~H4の特殊表示態様は、
図5に示す4種類が規定されていたが、これに限らない。例えば、
図5に示す4種類の特殊表示態様に加えて点滅の表示態様があってもよい。この場合、点滅の表示態様は、白色の表示態様よりも当り期待度が高い表示態様であって、青色の表示態様よりも当り期待度が低い表示態様であるとよい。また、点滅の表示態様は、第2態様に含まれる表示態様であるとよい。また、例えば、特殊表示態様には、
図5に示す4種類の特殊表示態様のうち、1又は複数の一部の表示態様が含まれていなくてもよい。例えば、特殊表示態様には、青色の表示態様が含まれていなくてもよく、緑色の表示態様が含まれていなくてもよい。また、例えば、特殊表示態様には、青色の表示態様及び虹色の表示態様が含まれていなくてもよい。
【0144】
・実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示された場合、実行画像H0が表示されたときに開始された変動ゲームの実行中に、NR演出又はSR演出が実行されない場合があってもよい。つまり、実行画像H0及び保留画像H1~H4の第2態様は、第1態様よりも大当り期待度が高い表示態様であって、実行画像H0が表示されたときに開始される変動ゲームの実行中にリーチ演出が実行される場合と、実行されない場合とがあることを示唆する表示態様であってもよい。この場合、変動パターンHP1~HP5に基づく変動ゲームの実行中に、第2態様で実行画像H0が表示されうるようにするとよい。そして、変動パターンHP1及び変動パターンHP3に基づく変動ゲームが開始されるときに第2態様で実行画像H0が表示された場合であっても、変動ゲームの終了後に実行画像H0が保持されうるようにすることにより、上記実施形態と同様にホールド演出が実行されるようにするとよい。つまり、実行画像H0が第2態様で表示されたときに開始される特定変動ゲームにおいて、リーチ演出が実行される場合、及びリーチ演出が実行されない場合の何れであっても、実行画像H0が保持される場合があってもよい。これによれば、特定変動ゲームの実行中にリーチ演出が実行されるか否かによらず、実行画像H0が保持されることを期待させることができる。この場合、変動パターンHP1に基づく変動ゲームの実行中においても、予め定めた期間においてホールド分岐演出を実行可能にするとよい。また、本変更例のように、変動パターンHP1に基づく変動ゲームの終了後に実行画像H0が保持されうるようにした上で、変動パターンHP3に基づく変動ゲームの終了後には、実行画像H0が保持されないようにしてもよい。つまり、リーチ演出が実行された後には、実行画像H0が保持されないようにしてもよい。
【0145】
・実行画像H0が特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持された場合、特別変動ゲームの実行中にリーチ演出が実行される場合とリーチ演出が実行されない場合と、があってもよい。この場合、特定変動ゲームが開始されるときに、所定条件が成立した状況であるか否かによらず、ホールド演出の実行の可否が決定されるとよい。更に、上記変更例と同様に、実行画像H0及び保留画像H1~H4の第2態様は、第1態様よりも大当り期待度が高い表示態様であって、実行画像H0が表示されたときに開始される変動ゲームの実行中にリーチ演出が実行される場合と、実行されない場合とがあることを示唆する表示態様であるとよい。
【0146】
・実行画像H0が特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持された場合、特別変動ゲームの実行中にNR演出又はSR演出が実行されるようにしてもよい。この場合、所定条件は、特定変動ゲームが開始されたときに保留されている1又は複数の変動ゲームにおいて、変動パターンHP2~HP5に基づく変動ゲームが含まれることにより成立する条件であるとよい。
【0147】
・上記実施形態のように、変動ゲームの実行中には、演出図柄EZの「変動表示」と「停止表示」が実行されることを前提として、特別ゲームの開始条件が成立したときに開始される変動ゲームにおいて、演出図柄EZの変動表示が複数回実行された後に演出図柄が停止表示されるようにしてもよい。この場合、複数回の演出図柄EZの変動表示のうち、最終回の変動表示においてリーチ演出が実行されるようにしてもよい。また、最終回の変動表示に加えて又は代えて、例えば、初回の変動表示、及び初回の変動表示と最終回の変動表示の間に実行される変動表示など、最終回の変動表示の前に実行される変動表示においてリーチ演出が実行されるようにしてもよい。
【0148】
・ホールド分岐演出の演出態様は、上記実施形態のような演出態様に限らない。例えば、ホールド分岐演出の演出態様は、ホールド画像HGが実行表示領域HR0とは異なる画像表示領域Rの特定位置に表示されることを示唆する演出であってもよい。そして、成功演出結果となった場合には、ホールド画像HGが特定位置に表示される一方で、失敗演出結果となった場合には、ホールド画像HGが画像表示領域Rに表示されないようにしてもよい。この場合、成功演出結果となったときに特定位置に表示されたホールド画像HGが、ホールド継続画像として表示されるとよい。この場合、ホールド分岐演出において成功演出結果となった場合、ホールド画像HGは、実行画像H0と重なった状態で表示されないこととなる。つまり、ホールド継続画像が表示されている間も、実行画像H0の全部が視認可能となる。
【0149】
・ホールド継続画像が非表示になるタイミングは、特定変動ゲームの終了後であれば、任意のタイミングであってもよい。例えば、特定変動ゲームが終了した後、所定時間が経過するまで表示されるようにしてもよい。このように、ホールド継続画像は、ホールド分岐演出の終了後から少なくとも特定変動ゲームが終了するまで表示されるようにしてもよい。本変更例によっても、上記実施形態と同様に、ホールド継続画像が表示されない場合に比して、特定変動ゲームが終了する前に、当該特定変動ゲームの終了後にも実行画像H0が保持されることを把握させ易くすることができる。その結果、特定変動ゲームが終了する前に、特定変動ゲームの後に実行される特別変動ゲームが大当りとなることを期待させることができるため、特定変動ゲームが大当りとならずに終了したときに遊技者が落胆することを抑制できる。
【0150】
・実行画像H0が特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持される場合であって、特別変動ゲームが特定変動ゲームの2回後の変動ゲームである場合、特定変動ゲームの1回後に実行される変動ゲームの実行中においても、予め定めたタイミングでホールド分岐演出が実行されるようにしてもよい。この場合、特定変動ゲームの1回後の変動ゲームで実行されるホールド分岐演出は、特定変動ゲームの実行中に実行されるホールド分岐演出と同様に、成功演出結果となるようにするとよい。また、複数回実行されるホールド分岐演出の何れにおいても、ホールド継続画像は、ホールド分岐演出が実行される変動ゲームが終了するタイミングで非表示になるようにするとよい。
【0151】
・パチンコ遊技機10は、複数種類の演出モードを有していてもよい。この場合、演出モードの種類により、変動ゲームの実行中に演出表示装置EHに表示される背景画像及びスピーカSPから出力される音声の一方又は両方が異なるように構成されていてもよい。そして、演出モードの種類により、実行画像H0及び保留画像H1~H4の形状が異なっていてもよい。また、演出モードの種類により、ホールド分岐演出及びホールド演出が実行される演出モードと、ホールド分岐演出及びホールド演出が実行されない演出モードとがあってもよい。
【0152】
・上記実施形態において、ホールド演出が実行されるときに、ホールド分岐演出が実行されないようにしてもよい。この場合、実行画像H0が青色又は緑色の表示態様で表示された後、特定変動ゲームが終了したときに実行画像H0が非表示になるか否かにより、特定変動ゲームの1回後の変動ゲームが開始された後にも実行画像H0が保持されるか否かを特定可能となる。
【0153】
・上記実施形態において、実行画像H0は、特定変動ゲームの1回後~4回後に実行される変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されうるが、これに限らない。実行画像H0は、特定変動ゲームの1回後~3回後に実行される変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されうるようにしてもよく、特定変動ゲームの1回後又は2回後に実行される変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで保持されるようにしてもよい。
【0154】
・実行画像H0が保持されている状況において、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された後、電力供給が再開された場合には、実行画像H0が表示されないようにしてもよい。つまり、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された後、電力供給が再開された場合には、実行画像H0が保持されなくなってもよい。そして、電力供給が再開された後、最初に変動ゲームが開始されるときに新たに実行画像H0が表示されるようにしてもよい。この場合、CPU51が変動開始コマンドを入力したときに、新たに実行画像H0を表示させるように演出表示装置EHを制御するとよい。或いは、電力供給が再開された後、特別変動ゲームの次の変動ゲームが開始されるときに新たに実行画像H0が表示されるようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機10がバックアップ電源を有するとともに、RWM53に記憶されている変動カウンタの値を電力供給が遮断された場合にバックアップされるように構成するとよい。そして、電力供給が再開された後には、CPU51が変動開始コマンドを入力する毎にバックアップされた変動カウンタの値を1減算するとともに、変動カウンタの値が0になった場合、次の変動ゲームの変動開始コマンドを入力したときに、新たに実行画像H0を表示させるように演出表示装置EHを制御するとよい。
【0155】
・実行画像H0が保持された場合に限らず、SR演出の実行中は、実行画像H0が表示されないようにしてもよい。一方、実行画像H0が保持された場合、及び保持されなかった場合の何れであっても、SR演出の実行中においても実行画像H0が表示されるようにしてもよい。なお、SR演出の実行中において実行画像H0が表示される場合、SR演出の実行中における予め定めたタイミングで、実行画像H0の表示態様が、表示中の実行画像H0の表示態様よりも大当り期待度が高い表示態様に変化可能であるように構成されていてもよい。
【0156】
・SR演出の実行中は、保留画像H1~H4が表示されるようにしてもよく、表示されないようにしてもよい。
・SR演出が開始されるときに実行画像H0が非表示になり、SR演出が終了した後、当該SR演出が実行された変動ゲームが終了する前に、非表示になった実行画像H0が再表示されるようにしてもよい。そして、SR演出が実行された変動ゲームが終了したタイミングで、再表示された実行画像H0が非表示になるようにしてもよい。
【0157】
・特別ゲームが開始される毎に、保留画像が表示領域HR4→HR3→HR2→HR1→HR0の順に移動する際に、保留画像が移動したタイミングで、当該保留画像の表示態様が、移動前の保留画像の表示態様よりも大当り期待度が高い表示態様に変化する場合があってもよい。
【0158】
・上記実施形態に加えて、又は代えて、実行画像H0が赤色又は虹色の表示態様で表示された場合に、当該実行画像H0が表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとして、特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、実行画像H0が保持されるようにしてもよい。この場合、実行画像H0が保持されるときには、上記実施形態と同様に、特定変動ゲームの実行中にSR演出が実行されずに、NR演出の実行中にホールド分岐演出が実行されるようにしてもよい。また、赤色の表示態様で表示された実行画像H0が保持された場合には、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングにおいて、実行画像H0の表示態様が赤色の表示態様から虹色の表示態様に変化する場合と、変化しない場合があってもよい。
【0159】
・実行画像H0及び保留画像H1~H4の複数種類の表示態様は、表示態様の種類によって表示される画像の色が異なっているが、これに限らず、表示態様の種類によって表示される画像の形状が異なっていてもよい。
【0160】
・特定変動ゲームの2回後の特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持される場合、特定変動ゲームの1回後の変動ゲームの実行中には、特定変動ゲームの2回後に実行される特別変動ゲームの実行中に実行されるリーチ演出よりも大当り期待度が低いリーチ演出が実行される場合があってもよい。例えば、特定変動ゲームの2回後の特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで実行画像H0が保持される場合、特定変動ゲームの1回後の変動ゲームの実行中に、NR演出が実行される場合があってもよい。
【0161】
・変動パターンHP3(NR演出(はずれ))に基づく変動ゲームが開始されたときに実行画像H0が白色の表示態様で表示された後、当該変動ゲームの実行中におけるNR演出が開始される前の特定のタイミングで、実行画像H0の表示態様が、白色の表示態様から特殊表示態様に変化する場合があるようにしてもよい。この場合、変動パターンHP3に基づく変動ゲームが開始されるときに、特定のタイミングで実行画像H0の表示態様が何れの特殊表示態様に変化するかが決定されているとよい。そして、特定のタイミングで実行画像H0の表示態様が青色又は緑色の表示態様に変化する変動パターンHP3に基づく変動ゲームを特定変動ゲームとして、上記実施形態と同様にホールド分岐演出及びホールド演出が実行されるようにしてもよい。
【0162】
・連続して複数の変動ゲームが実行される場合、1の変動ゲームが終了してから、次の変動ゲームが開始されるまでの間に、所定のインターバル期間を設けてもよい。この場合、1の変動ゲームが開始されたときに表示された実行画像H0が、次の変動ゲームが開始された後にも保持されることにより、所定のインターバル期間においても保持されることになる。
【0163】
・例えば、特定変動ゲームが開始されるときに複数の変動ゲームが保留されている状況であって、特定変動ゲームの1回後に実行される変動ゲームがリーチ演出が実行されない変動ゲーム(変動パターンHP1に基づく変動ゲーム)であり、特定変動ゲームの2回後に実行される変動ゲームがSR演出が実行される変動ゲームであるとする。このような状況であることを前提に、特定変動ゲームの1回後に実行される変動ゲームを特別変動ゲームとして、当該特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、青色又は緑色の表示態様で表示された実行画像H0が保持されるようにしてもよい。その上で、所定のタイミングでは、実行画像H0の表示態様が赤色又は虹色の表示態様に変化する場合があるようにしてもよい。そして、所定のタイミングにおいて実行画像H0の表示態様が変化したか否かによらず、特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングから、特別変動ゲームの1回後(特定変動ゲームの2回後)に実行される変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、再度実行画像H0が保持されるようにしてもよい。
【0164】
・特別変動ゲームが特定変動ゲームの1回後の変動ゲームである場合と、特別変動ゲームが特定変動ゲームの2~4回後の変動ゲームである場合とで、相対的な大当り期待度が同じであってもよい。
【0165】
・上記実施形態に加えて、又は代えて、第1有利状態及び第2有利状態のうち何れか一方又は両方において第2特別ゲームを対象として保留先読み演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1有利状態及び第2有利状態においても、ホールド演出及びホールド分岐演出が実行されるようにしてもよい。
【0166】
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域(所謂「Vゾーン」)を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0167】
・特別当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与されるようにしてもよい。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、通常状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0168】
・パチンコ遊技機10は、遊技媒体の一例である遊技球を機内部で循環させる循環式のパチンコ遊技機であってもよい。この場合に、遊技者の持ち球は、パチンコ遊技機10において、電子的に管理されるとよい。
【0169】
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0170】
・パチンコ遊技機10は、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に、演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部又は全部の基板を同一の基板としてもよい。また、CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0171】
・パチンコ遊技機10は、主基板40の機能と副基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。CPU41は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0172】
・大当りの種類は、適宜変更してもよい。例えば、大当り遊技におけるラウンド遊技の上限回数、大入賞口14が開状態となる上限時間、及び大入賞口14の開放態様(開放パターン)のうち一部又は全部を異ならせてもよい。
【0173】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口12,13への遊技球の入球順序に従って実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。
・第1特別保留数及び第2特別保留数の上限数は、適宜変更してもよい。また、第1特別保留数の上限数と、第2特別保留数の上限数とは、異なる数であってもよい。
【0174】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)画像を表示する表示手段と、当り抽選を行う当り抽選手段と、を備え、前記表示手段では、特別表示領域に当り抽選で当りとなる当り期待度を示唆する特別画像を表示可能であり、前記特別画像の表示態様には、第1態様と、前記第1態様よりも前記当り期待度が高い第2態様と、が含まれ、前記表示手段では、前記特別表示領域に前記特別画像が前記第2態様で表示された場合、当該特別画像が前記第2態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持される場合がある遊技機。
【0175】
(ロ)画像を表示する表示手段と、当り抽選を行う当り抽選手段と、を備え、前記表示手段では、特別表示領域に当り抽選で当りとなる当り期待度を示唆する特別画像を表示可能であり、前記特別画像の表示態様には、第1態様と、前記第1態様よりも前記当り期待度が高い第2態様と、が含まれ、前記表示手段では、前記特別表示領域に前記特別画像が前記第2態様で表示された場合、当該特別画像が前記第2態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームの1回後又は2回後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持される場合がある遊技機。
【0176】
(ハ)画像を表示する表示手段と、当り抽選を行う当り抽選手段と、を備え、前記表示手段では、特別表示領域に当り抽選で当りとなる当り期待度を示唆する特別画像を表示可能であり、前記特別画像の表示態様には、第1態様と、前記第1態様よりも前記当り期待度が高い第2態様と、が含まれ、前記表示手段では、前記特別表示領域に前記特別画像が前記第2態様で表示された場合、当該特別画像が前記第2態様で表示されたときに開始される変動ゲームを特定変動ゲームとしたとき、当該特定変動ゲームが終了した後に実行される特別変動ゲームの実行中における所定のタイミングまで、前記特別表示領域において前記第2態様で表示された前記特別画像が保持される場合があり、前記表示手段では、リーチ演出を実行可能であり、前記リーチ演出には、通常リーチ演出と、前記通常リーチ演出よりも当り期待度が高い特別リーチ演出と、があり、前記特別画像が保持された後、前記特別変動ゲームの実行中に前記特別リーチ演出が実行される場合がある遊技機。
【符号の説明】
【0177】
10…パチンコ遊技機 40…主基板 41…CPU 42…ROM 43…RWM 44…乱数生成回路 50…副基板 51…CPU 52…ROM 53…RWM DE…演出装置群 EH…演出表示装置 EP1~EP8…演出パターン EZ…演出図柄 H0…実行画像 H1~H4…保留画像 HG…ホールド画像 HR0…実行表示領域 HR1~HR4…保留表示領域 HP1~HP5…変動パターン LA…装飾ランプ R…画像表示領域 SP…スピーカ