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  • 特開-情報収集システム 図1
  • 特開-情報収集システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131485
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報収集システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041760
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷川 颯
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181MC04
5H181MC15
5H181MC16
5H181MC19
5H181MC22
(57)【要約】
【課題】データ量の少ない位置で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い位置で収集する情報のデータ量を抑制させることができる情報収集システムを提供する。
【解決手段】情報収集システムは、情報収集装置と、サーバと、を備えた情報収集システムであって、サーバは、車両の位置に関連付けて記憶された情報が蓄積されたデータベースと、データベースに蓄積された情報のデータ量を位置ごとに計算する蓄積データ量計算部と、を備え、情報収集装置は、車両の現在位置を取得する位置情報取得部と、蓄積データ量計算部から、現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得する蓄積データ量取得部と、蓄積データ量取得部が取得した現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置が収集する情報のデータ量を決定するデータ量決定部と、を備え、情報収集装置は、データ量決定部で決定されたデータ量の情報を収集する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された情報収集装置と、前記情報収集装置と相互に通信可能なサーバと、を備えた情報収集システムであって、
前記サーバは、
前記車両の位置に関連付けて記憶された情報が蓄積されたデータベースと、
前記データベースに蓄積された前記車両の位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を前記位置ごとに計算する蓄積データ量計算部と、
を備え、
前記情報収集装置は、
前記車両の現在位置を取得する位置情報取得部と、
前記蓄積データ量計算部から、前記現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得する蓄積データ量取得部と、
前記蓄積データ量取得部が取得した前記現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、前記情報収集装置が収集する情報のデータ量を決定するデータ量決定部と、
を備え、
前記情報収集装置は、前記データ量決定部で決定されたデータ量の情報を収集する情報収集システム。
【請求項2】
前記データベースには、前記車両の走行経路に関連付けて記憶された情報が蓄積され、
前記蓄積データ量計算部は、前記車両の走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を前記走行経路ごとに計算する一方、
前記情報収集装置は、前記現在位置から前記車両の予定走行経路を取得する走行経路情報取得部を備え、
前記蓄積データ量取得部は、前記蓄積データ量計算部から前記予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得し、
前記データ量決定部は、前記予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、前記情報収集装置が収集する情報のデータ量を決定する、
請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記情報収集装置は、
車両に搭載されたセンサで取得された情報を前記データベースに蓄積可能な情報に処理する情報処理部を備え、
前記データ量決定部が前記データ量の増加を決定した場合に、前記情報処理部は、前記情報の解像度を上げる一方、前記データ量の抑制を決定した場合に、前記情報処理部は、前記情報の解像度を下げる、請求項1又は2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記データ量決定部は、前記蓄積データ量取得部が取得した前記データ量が予め定められた閾値に満たない場合に、前記データ量の増加を決定し、前記閾値以下の場合に、前記データ量の抑制を決定する、請求項3に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記情報処理部で処理された情報を、前記現在位置と関連付けて前記サーバに送信する処理情報送信部を備えた請求項3に記載の情報収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の車両と、サーバとを含んで構成されるシステムが開示されている。かかるシステムでは、複数の車両のそれぞれは、自車両の周辺の周辺情報を検知する検知手段と、前記サーバとの通信手段と、を有し、サーバは、複数の車両それぞれから周辺情報を収集する収集手段と、収集手段にて収集した周辺情報を保持する保持手段と、保持手段にて保持した周辺情報を複数の車両のうちのいずれかの車両に提供する提供手段とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/106704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたシステムでは、データ量の少ない位置では、一つの情報の重要度が高く、一つの情報が誤っていると、誤った情報が車両に提供される虞が大きい。一方、データ量の多い位置では、一つの情報の重要度が低く、一つの情報が誤っていても、誤った情報が車両に提供される虞は小さく、むしろ、情報の収集、及び情報の収集に効率化が求められる。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、データ量の少ない位置で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い位置で収集する情報のデータ量を抑制させることができる情報収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る情報収集システムは、車両に搭載された情報収集装置と、前記情報収集装置と相互に通信可能なサーバと、を備えた情報収集システムであって、前記サーバは、前記車両の位置に関連付けて記憶された情報が蓄積されたデータベースと、前記データベースに蓄積された前記車両の位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を前記位置ごとに計算する蓄積データ量計算部と、を備え、前記情報収集装置は、前記車両の現在位置を取得する位置情報取得部と、前記蓄積データ量計算部から、前記現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得する蓄積データ量取得部と、前記蓄積データ量取得部が取得した前記現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、前記情報収集装置が収集する情報のデータ量を決定するデータ量決定部と、を備え、前記情報収集装置は、前記データ量決定部で決定されたデータ量の情報を収集する。
【0007】
上記(1)の構成によれば、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置が収集する情報のデータ量が決定され、決定されたデータ量の情報を情報収集装置が収集する。これにより、情報収集装置は、データ量の少ない位置で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い位置で収集する情報のデータ量を抑制させることができる。
【0008】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記データベースには、前記車両の走行経路に関連付けて記憶された情報が蓄積され、前記蓄積データ量計算部は、前記車両の走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を前記走行経路ごとに計算する一方、前記情報収集装置は、前記現在位置から前記車両の予定走行経路を取得する走行経路情報取得部を備え、前記蓄積データ量取得部は、前記蓄積データ量計算部から前記予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得し、前記データ量決定部は、前記予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、前記情報収集装置が収集する情報のデータ量を決定する。
【0009】
上記(2)の構成によれば、車両の予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置が収集する情報のデータ量が決定され、決定されたデータ量の情報を情報収集装置が収集する。これにより、情報収集装置は、データ量の少ない走行経路で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い走行経路で収集する情報のデータ量を抑制させることができる。
【0010】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記情報収集装置は、車両に搭載されたセンサで取得された情報を前記データベースに蓄積可能な情報に処理する情報処理部を備え、前記データ量決定部が前記データ量の増加を決定した場合に、前記情報処理部は、前記情報の解像度を上げる一方、前記データ量の抑制を決定した場合に、前記情報処理部は、前記情報の解像度を下げる。
【0011】
上記(3)の構成によれば、データ量決定部がデータ量の増加を決定した場合に、情報処理部は、情報の解像度を上げる一方、データ量の抑制を決定した場合に、情報処理部は、情報の解像度を下げるので、情報収集装置は、データ量の少ない情報のデータ量の増加を促進させる一方、データ量の多い情報のデータ量の増加を抑制させることができる。
【0012】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記データ量決定部は、前記蓄積データ量取得部が取得した前記データ量が予め定められた閾値に満たない場合に、前記データ量の増加を決定し、前記閾値以下の場合に、前記データ量の抑制を決定する。
【0013】
上記(4)の構成によれば、蓄積データ量取得部が取得したデータ量が予め定められた閾値に満たない場合に、データ量の増加を決定し、閾値以下の場合に、データ量の抑制を決定するので、データ量の少ない情報のデータ量の増加を促進する一方、データ量の多い情報のデータ量の増加量が抑制される。
【0014】
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記情報処理部で処理された情報を、前記現在位置と関連付けて前記サーバに送信する処理情報送信部を備える。
【0015】
上記(5)の構成によれば、情報処理部で処理された情報を、車両の現在位置と関連付けてサーバに送信するので、情報処理部で処理された情報を車両の現在位置に関連付けてデータベースに蓄積することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、データ量の少ない位置で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い位置で収集する情報のデータ量を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る情報収集システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2図1に示した情報収集システムの動作を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0019】
[情報収集システムの構成]
図1は、実施形態に係る情報収集システム1の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、実施形態に係る情報収集システム1は、車両に搭載された情報収集装置2と、情報収集装置2と相互に通信可能なサーバ3と、を備えた情報収集システムである。車両側には、サーバ3が繋がれたネットワークと通信を行う通信装置4が設けられ、サーバ側には、車両が繋がれたネットワークと通信を行う通信装置5が設けられる。車両側に設けられる通信装置4は、情報収集装置2に設けられた通信制御部21によって制御され、例えば、モバイルネットワーク(5G,4G,3G)又はWiFi(登録商標)を用いて基地局やルータに接続される。サーバ側に設けられる通信装置5は、サーバ3に設けられた通信制御部31によって制御され、例えば、Ethernetに接続される。
【0020】
サーバ3は、上述した通信制御部31のほか、データベース32及び蓄積データ量計算部33を備えている。データベース32には、車両の位置に関連付けて記憶された情報が蓄積されている。車両の位置に関連付けて記憶された情報は、例えば、撮像装置によって検出された路面の凹凸であるが、これに限られるものではない。車両の位置に関連付けて記憶されたデータ量は、その位置を通過した車両の台数によって左右され、その位置を通過した車両の台数が多ければ情報量が多くなり、情報のデータ量も多くなる一方、車両の台数が少なければ情報量が少なくなり、情報のデータ量も少なくなる。蓄積データ量計算部33は、データベース32に蓄積された車両の位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を車両の位置ごとに計算する。
【0021】
データベース32には、車両の走行経路に関連付けて記憶された情報が蓄積されてもよいが、必須ではない。また、蓄積データ量計算部33は、車両の走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を走行経路ごとに計算してもよいが、必須ではない。
【0022】
情報収集装置2は、上述した通信制御部21のほか、位置情報取得部22、蓄積データ量取得部23、及びデータ量決定部24を備えている。
【0023】
位置情報取得部22は、車両の現在位置を取得する。位置情報取得部22は、例えば、衛星測位システム(GNSS(Global Navigation Satellite System),GPS(Global Positioning System))、Bluetooth(登録商標)、WiFi、又はモバイルネットワークを用いて位置を取得する。尚、Bluetooth(登録商標)、及びWiFiは、予め位置が特定された通信相手との通信による測位であり、モバイルネットワークは、基地局の位置に基づいた測位である。位置情報取得部22は、例えば、車両の現在位置の緯度及び経度によって特定する。また、位置情報取得部22が取得する車両の現在位置は、車両が走行することによって逐次更新される。
【0024】
蓄積データ量取得部23は、蓄積データ量計算部33から、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得する。車両の現在位置は、上述した位置情報取得部22によって取得された車両の現在位置であり、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量は、車両が走行することによって逐次更新される。
【0025】
データ量決定部24は、蓄積データ量取得部23が取得した車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置2が収集する情報のデータ量を決定する。データ量決定部24は、例えば、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量が予め定められた閾値に満たない場合に、データ量の増加を決定し、情報のデータ量が閾値以下の場合に、データ量の抑制を決定する。したがって、例えば、車両の通過台数が少ない地点は、情報のデータ量が少なく、データ量が閾値に満たないので、データ量の増加が決定され、車両の通過台数が多い地点は、情報のデータ量が多く、データ量が閾値以上となるので、データ量の抑制が決定される。
【0026】
情報収集装置2は、車両の現在位置から車両の予定走行経路を取得する走行経路情報取得部25を備えてもよいが、必須ではない。走行経路情報取得部25は、車両と目的地又は指定された出発地と目的地を結ぶ経路を取得する。走行経路情報取得部25は、走行経路情報取得部25に設けられた地図情報にのみ基づいて経路を取得してもよいが、サーバ3に出発地と目的地を送信することで、サーバ3で経路を取得し、その情報を走行経路情報取得部25が取得してもよい。また、蓄積データ量取得部23は、蓄積データ量計算部33から予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得し、データ量決定部24は、予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置2が収集する情報のデータ量を決定するものとしてもよいが、必須ではない。
【0027】
情報収集装置2は、データ量決定部24で決定されたデータ量の情報を収集する。
【0028】
情報収集装置2は、車両に搭載されたセンサ26で取得された情報をデータベース32に蓄積可能な情報であって、データ量決定部24で決定されたデータ量の情報に処理する情報処理部27を備えている。
【0029】
車両に搭載されるセンサ26は、例えば、撮像装置、加速度センサ、速度センサ、温度センサ、車輪速センサ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、又は超音波センサである。車両に搭載されたセンサ26は、情報取得部28に接続され、情報取得部28が車両に搭載されたセンサ26から情報を取得する。
【0030】
情報処理部27では、例えば、情報取得部28が撮像装置から取得した画像を用いて道路上の物体を検出し、情報取得部28が加速度センサから取得した上下方向の振動を用いて路面の凹凸を検出する。
【0031】
例えば、上述したデータ量決定部24がデータ量の増加を決定した場合に、情報処理部27が情報の解像度を上げる一方、データ量の抑制を決定した場合に、情報処理部27が情報の解像度を下げることで、情報収集装置2が決定されたデータ量の情報を収集する。例えば、情報取得部28が撮像装置から取得した画像から道路上の物体を検出する路上物体検出において、ニューラルネットワークを用いる場合には、事前定義された推論モデルの畳込み層の数を増加させることで、情報の解像度を上げる一方、推論モデルの畳込み層の数を減少させることで、情報の解像度を下げる。また、決定木を多重化したランダムフォレストを用いる場合には、決定木の深さや数を増やすことで、情報の解像度を上げる一方、決定木の深さや数を少なくすることで、情報の解像度を下げる。
【0032】
情報収集装置2は、情報処理部27で処理された情報を、車両の現在位置と関連付けてサーバ3に送信する処理情報送信部29を備えている。処理情報送信部29は、情報処理部27で処理された情報を、車両の走行位置と関連付けてサーバ3に送信してもよいが、必須ではない。
【0033】
[情報収集システムの動作]
図2は、図1に示した情報収集システム1の動作を概略的に示すフローチャートである。図2に示すように、実施形態1に係る情報収集システム1では、まず、位置情報取得部22が車両の現在位置を取得する(ステップS1)。上述したように、車両の現在位置は、例えば、緯度及び経度によって特定される。車両の現在位置を取得すると、蓄積データ量取得部23が、蓄積データ量計算部33から、車両の現在位置に関連づけて記憶された情報のデータ量を取得する(ステップS2)。情報のデータ量は、蓄積データ量計算部33において計算され、例えば、蓄積データ量取得部23から送信された車両の現在位置、及びデータベース32に蓄積された車両の位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて計算される。
【0034】
蓄積データ量取得部23が情報のデータ量を取得すると、データ量決定部24が、情報収集装置2が収集する情報のデータ量を決定する(ステップS3)。上述したように、例えば、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量が予め定められた閾値に満たない場合に、データ量の増加を決定し、情報のデータ量が閾値以下の場合に、データ量の抑制を決定する。情報収集装置2が収集する情報のデータ量が決定すると、情報収集装置2は、決定されたデータ量の情報を収集する(ステップS4)。上述したように、例えば、データ量決定部24がデータ量の増加を決定した場合に、情報処理部27が情報の解像度を上げる一方、データ量の抑制を決定した場合に、情報処理部27が情報の解像度を下げることで、情報収集装置2が決定されたデータ量の情報を収集する。
【0035】
情報収集装置2が決定されたデータ量の情報を収集すると、データ処理部で処理された情報を車両の現在位置と関連付けてサーバ3に送信する(ステップS5)。サーバ3に送信された情報は車両の位置と関連付けて記憶され、データベース32に蓄積される。
【0036】
走行経路情報取得部25が車両の予定走行経路を取得し、蓄積データ量取得部23が、蓄積データ量計算部33から予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得してもよい。この場合に、データ量決定部24は、予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置2が収集する情報のデータ量を決定し、データ処理部で処理された情報を車両の走行経路と関連付けてサーバ3に送信する。この場合に、サーバ3に送信された情報は車両の走行経路と関連付けて記憶され、データベース32に蓄積される。
【0037】
尚、現在位置の取得(ステップS1)から収集するデータ量の決定(ステップS3)までの間に、情報取得部28がセンサ26から情報を取得している(並列に進行している)が、情報取得部28におけるセンサ情報の取得頻度が現在位置の取得やデータ量の取得(ステップS2)よりも高い頻度で実施する必要がある場合には、直前で取得された最新の位置情報やデータ量に基づいてデータ量を決定してもよい。また、情報処理部27における処理が情報取得部28がセンサ26から情報を取得するよりも時間がかかることが想定される情報収集システムでは、一連のステップ(S1~S5)を並列して実行してもよい。また、予定走行経路が予め確定している場合には、車両の位置に関連付けて記憶された情報のデータ量を情報収集装置2の内部に一時的に保存してもよい。
【0038】
[情報収集システムの効果]
実施形態に係る情報収集システム1によれば、車両の現在位置に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置2が収集する情報のデータ量が決定され、決定されたデータ量の情報を情報収集装置2が収集する。これにより、情報収集装置2は、データ量の少ない位置で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い位置で収集する情報のデータ量を抑制させることができる。
【0039】
データ量決定部24がデータ量の増加を決定した場合に、情報処理部27は、情報の解像度を上げる一方、データ量の抑制を決定した場合に、情報処理部27は、情報の解像度を下げるので、情報収集装置2は、データ量の少ない情報のデータ量の増加を促進させる一方、データ量の多い情報のデータ量の増加を抑制させることができる。
【0040】
蓄積データ量取得部23が取得したデータ量が予め定められた閾値に満たない場合に、データ量の増加を決定し、閾値以下の場合に、データ量の抑制を決定するので、データ量の少ない情報のデータ量の増加を促進する一方、データ量の多い情報のデータ量の増加量が抑制される。
【0041】
情報処理部27で処理された情報を、車両の現在位置と関連付けてサーバ3に送信するので、情報処理部27で処理された情報を車両の現在位置に関連付けてデータベース32に蓄積することができる。
【0042】
データベース32に、車両の走行経路に関連付けて記憶された情報が蓄積され、蓄積データ量計算部33で車両の走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を走行経路ごとに計算する一方、車両の現在位置から車両の予定走行経路を取得する走行経路情報取得部25を備え、蓄積データ量取得部23が、蓄積データ量計算部33から予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量を取得し、データ量決定部24が、予定走行経路に関連付けて記憶された情報のデータ量に基づいて、情報収集装置2が収集する情報のデータ量を決定する場合には、決定されたデータ量の情報を情報収集装置2が収集する。これにより、情報収集装置2は、データ量の少ない走行経路で収集する情報のデータ量を増加させる一方、データ量の多い走行経路で収集する情報のデータ量を抑制させることができる。
【0043】
上述したセンサ26及び情報取得部28を車両に設ける一方、位置情報取得部22、蓄積データ量取得部23、情報処理部27、及び処理情報送信部29を乗員の携帯端末に設け、情報取得部28と情報処理部27との間を送受信可能に接続してもよい。この場合に、BluetoothやWiFiに準拠した通信を用いてもよいし、USB(Universal Serial Bus)に準拠したケーブルで接続してもよい。
【0044】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態を含む。
【符号の説明】
【0045】
1 情報収集システム
2 情報収集装置
21 通信制御部
22 位置情報取得部
23 蓄積データ量取得部
24 データ量決定部
25 走行経路情報取得部
26 センサ
27 情報処理部
28 情報取得部
29 処理情報送信部
3 サーバ
31 通信制御部
32 データベース
33 蓄積データ量計算部
4,5 通信装置
図1
図2