(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131493
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G05B23/02 301N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041773
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】志熊 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 正則
(72)【発明者】
【氏名】加茂 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】植木 求
(72)【発明者】
【氏名】中原 克二
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223BA02
3C223CC02
3C223DD01
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF15
3C223FF16
3C223FF24
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】プラント機器の状態を監視する監視精度を向上させることができる。
【解決手段】プラントに配置されるプラント機器の状態を監視するための監視システムは、プラント機器の運転状態に関する運転パラメータを含む運転関連データを測定可能な運転関連データ測定装置と、プラント機器の点検結果に関する点検パラメータを含む点検関連データを保存可能な点検関連データ保存装置と、運転関連データ測定装置および点検関連データ保存装置のそれぞれと通信ネットワークを介して接続されるサーバであって、運転関連データ測定装置から運転関連データを取得する運転関連データ取得部、点検関連データ保存装置から点検関連データを取得する点検関連データ取得部、および運転パラメータ及び点検パラメータのそれぞれを同期させた時系列で表示装置に表示させる表示部を含むサーバと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントに配置されるプラント機器の状態を監視するための監視システムであって、
前記プラント機器の運転状態に関する運転パラメータを含む運転関連データを測定可能な運転関連データ測定装置と、
前記プラント機器の点検結果に関する点検パラメータを含む点検関連データを保存可能な点検関連データ保存装置と、
前記運転関連データ測定装置および前記点検関連データ保存装置のそれぞれと通信ネットワークを介して接続されるサーバであって、前記運転関連データ測定装置から前記運転関連データを取得する運転関連データ取得部、前記点検関連データ保存装置から前記点検関連データを取得する点検関連データ取得部、および前記運転パラメータ及び前記点検パラメータのそれぞれを同期させた時系列で表示装置に表示させる表示部を含むサーバと、を備える、
監視システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記運転パラメータを縦軸とし時間を横軸とする運転グラフ、および前記点検パラメータを縦軸とし前記運転グラフの横軸と同じ時間を横軸とする点検グラフのそれぞれを前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記運転グラフおよび前記点検グラフのそれぞれを互いに横軸を揃えて縦方向に沿って並んで前記表示装置に表示させる、
請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記表示部は、時間ごとの前記運転パラメータおよび前記点検パラメータのそれぞれを示すテーブルを前記表示装置に表示させる、
請求項1から3の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記点検関連データ保存装置と通信ネットワークを介して接続される端末をさらに備え、
前記端末は、前記点検関連データを入力可能な入力アプリケーションを含み、
前記点検関連データ保存装置は、前記入力アプリケーションに入力された前記点検関連データを取得して保存する、
請求項1から3の何れか一項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記プラント機器は、通風機、油噴燃ポンプ、給水ポンプ、または冷却水ポンプのうちの何れか1つを含む、
請求項1から3の何れか一項に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラントに配置されるプラント機器の状態を監視するための監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業員は、様々な種類のセンサの測定値を確認することによりプラント機器の状態を監視している(プラント機器の保守点検を行っている)。あるセンサでは、測定値が通信ネットワークを介して電気的に送信可能に構成されていないことがある。これに対して、特許文献1には、デジタルに表示される測定値(点検関連データ)を撮像し、この撮像画像から点検関連データを自動的に読み取る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、あるセンサとは別のセンサでは、通信ネットワークを介して測定値を電気的に送信可能に構成されている。作業員は、あるセンサの測定値(点検関連データ)だけでなく別のセンサの測定値(運転関連データ)も確認している。この場合、両方の測定値を互いに照らし合わせることで監視精度を向上させることができる。しかしながら、特許文献1には、両方の測定値を互いに照らし合わせることについて開示も示唆もされていない。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、プラント機器の状態を監視する監視精度を向上可能な監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る監視システムは、プラントに配置されるプラント機器の状態を監視するための監視システムであって、前記プラント機器の運転状態に関する運転パラメータを含む運転関連データを測定可能な運転関連データ測定装置と、前記プラント機器の点検結果に関する点検パラメータを含む点検関連データを保存可能な点検関連データ保存装置と、前記運転関連データ測定装置および前記点検関連データ保存装置のそれぞれと通信ネットワークを介して接続されるサーバであって、前記運転関連データ測定装置から前記運転関連データを取得する運転関連データ取得部、前記点検関連データ保存装置から前記点検関連データを取得する点検関連データ取得部、および前記運転パラメータ及び前記点検パラメータのそれぞれを同期させた時系列で表示装置に表示させる表示部を含むサーバと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の監視システムによれば、プラント機器の状態を監視する監視精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】発電プラントの構成の一例を概略的に示す図である。
【
図2】一実施形態に係る監視システムの構成を概略的に示す図である。
【
図3】一実施形態に係る表示部が表示装置に表示する表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態による監視システムについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本開示に係る監視システムは、プラントに配置されるプラント機器の状態を監視する。プラントは、特に限定されず、例えば、発電プラントである。プラント機器は、プラントに配置され、且つ状態の監視が必要な監視対象であれば、特に限定されない。本開示では、監視システムが発電プラントに配置される通風機の状態を監視する場合を例にして説明する。
【0011】
図1は、発電プラント100の構成の一例を概略的に示す図である。
図1に例示するように、発電プラント100は、燃料X1を燃焼することで蒸気X2を発生させるボイラ102と、ボイラ102が発生させた蒸気X2によって回転する蒸気タービン104と、蒸気タービン104の回転軸に連結され蒸気タービン104の回転力を動力として発電する発電機106と、を含む。発電プラント100は、ボイラ102に燃焼用空気X3を供給するための通風機108をさらに含む。尚、通風機108は、ボイラ102に設けられる不図示のバーナに燃焼用空気X3を一次空気として供給してもよいし、燃料X1が燃焼される燃焼室に燃焼用空気X3を二次空気として供給してもよい。
【0012】
<監視システム>
(構成)
図2は、一実施形態に係る監視システム1の構成を概略的に示す図である。この監視システム1は、発電プラント100(プラント)に配置される通風機108(プラント機器)の状態を監視する。
図2に例示するように、監視システム1は、運転関連データ測定装置2と、点検関連データ保存装置4と、サーバ6と、を含む。
【0013】
運転関連データ測定装置2は、通風機108の運転状態に関する運転パラメータを含む運転関連データを測定可能に構成されている。この運転関連データは、発電プラント100の運転中に常時、通信ネットワーク5を介して自動で取得される。運転パラメータは、発電プラント100の運転状態、通風機108の運転状態や性能の何れかを示す測定値を含む。一実施形態では、運転関連データ測定装置2は、発電機106の出力値を測定する出力センサ2A(2)と、ボイラ102に供給される燃焼用空気X3の流量を測定する空気流量センサ2B(2)と、通風機108のファンの電流値を測定するファン電流値センサ2C(2)と、を含む。このように、一実施形態では、通風機108の運転関連データは、通風機108から直接測定される測定値に加え、通風機108以外の装置から測定される測定値も含む。尚、幾つかの実施形態では、プラント機器の運転関連データは、プラント機器又はプラント機器以外の装置の何れか一方から測定される。
【0014】
運転関連データ測定装置2は、サーバ6と通信ネットワーク5を介して接続されている。通信ネットワーク5は、例えばインターネットであって、運転関連データ測定装置2とサーバ6とは、インターネットを介して、互いに情報のやり取りが可能となっている。このため、運転関連データ測定装置2は、運転関連データをサーバ6に送信する。尚、運転関連データ測定装置2とサーバ6とが互いに情報のやり取りが可能であるならば、通信ネットワーク5はインターネットに限定されない。
【0015】
点検関連データ保存装置4は、通風機108の点検結果に関する点検パラメータを含む点検関連データを保存可能である。この点検関連データは、点検員が数値を読むまたは任意のタイミングで通信ネットワーク5を介して手動で取得される。点検パラメータは、発電プラント100の状態や通風機108の状態の何れかを評価するための測定値を含む。一実施形態では、
図2に例示するように、点検関連データ保存装置4は、点検関連データを記憶する記憶部10を含む。
【0016】
記憶部10に点検関連データを記憶させる方法の一例について説明する。一実施形態では、
図2に例示するように、監視システム1は、点検関連データ保存装置4と通信ネットワーク5を介して接続される端末8をさらに含む。端末8は、例えば、タブレットであって、点検関連データを入力可能なプログラムである入力アプリケーション14がインストールされている。通風機108の点検結果(点検関連データ)は、作業員によって入力アプリケーション14に入力される。端末8は、入力アプリケーション14に入力された点検関連データを点検関連データ保存装置4に送信する。点検関連データ保存装置4は、端末8から送信された点検関連データを記憶部10に記憶する。このように、点検関連データ保存装置4は、入力アプリケーション14に入力された点検関連データを取得して保存する。よって、一実施形態では、入力アプリケーション14がインストールされている端末8を準備することで、作業員に点検関連データを点検関連データ保存装置4に保存させることができる。
【0017】
尚、記憶部10は、点検関連データ以外の情報を記憶するように構成されてもよく、例えば、通風機108の点検内容を記憶する。そして、入力アプリケーション14が通風機108の点検内容を記憶部10から取得して端末8に表示させることで、作業員は、端末8を介して、通風機108の点検内容を確認することができる。このため、点検精度の低下を抑制することができる。記憶部10は、任意の方法で通風機108の点検内容を記憶するように構成され、例えば、所定の様式で点検要領が入力されている電子情報を読み込むことで通風機108の点検内容を記憶する。
【0018】
一実施形態では、通風機108の点検関連データは、通風機108の本体の振動の大きさ、及び通風機108の本体の温度を含む。点検関連データを測定するセンサは、測定対象に常設されていてもよいし、作業員によって測定対象まで持ち運ばれるものであってもよい。作業員は、センサの測定値(点検パラメータ)を読み取り、端末8の入力アプリケーション14に入力する。
【0019】
サーバ6は、運転関連データ測定装置2および点検関連データ保存装置4のそれぞれと通信ネットワーク5を介して接続される。サーバ6は、電子制御装置などのコンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。サーバ6は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、サーバ6が備える各機能部を実現する。
図2を参照して、サーバ6の各機能部について説明する。幾つかの実施形態では、サーバ6は、クラウド環境に設けられたクラウドサーバである。
【0020】
図2に例示するように、サーバ6は、運転関連データ測定装置2から運転関連データを取得する運転関連データ取得部20と、点検関連データ保存装置4から点検関連データを取得する点検関連データ取得部22と、運転パラメータ及び点検パラメータのそれぞれを同期させた時系列で表示装置50に表示させる表示部24と、を含む。表示装置50は、運転パラメータ及び点検パラメータのそれぞれを表示可能に構成されるのであれば特に限定されず、例えば、発電プラント100の管理室内に設けられるモニタであってもよいし、端末8であってもよい。尚、一実施形態では、サーバ6は、点検関連データ保存装置4と別体に設けられているが、本開示はこの形態に限定されない。サーバ6は、点検関連データ保存装置4と一体に設けられてもよい。
【0021】
図3は、一実施形態に係る表示部24が表示装置50に表示する表示内容の一例を示す図である。一実施形態では、
図3に例示するように、表示部24は、運転パラメータを縦軸とし時間を横軸とする運転グラフ30を表示装置50に表示させる。さらに、この表示部24は、点検パラメータを縦軸とし運転グラフ30の横軸と同じ時間を横軸とする点検グラフ40を表示装置50に表示させる。
【0022】
図3に例示する形態では、運転グラフ30は、発電機106の出力値を縦軸とする第1の運転グラフ30A(30)、ボイラ102に供給される燃焼用空気X3の流量を縦軸とする第2の運転グラフ30B(30)、および通風機108のファンの電流値を縦軸とする第3の運転グラフ30C(30)を含む。点検グラフ40は、通風機108の本体の振動の大きさを縦軸とする第1の点検グラフ40A(40)、および通風機108の本体の温度を縦軸とする第2の点検グラフ40B(40)を含む。
【0023】
一実施形態では、
図3に例示するように、表示部24は、運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれを互いに横軸を揃えて縦方向に沿って並んで表示装置50に表示させる。具体的には、第1の運転グラフ30A、第2の運転グラフ30B、第3の運転グラフ30C、第1の点検グラフ40A、および第2の点検グラフ40Bのそれぞれは、横軸が同一の時間帯であり、且つ日にち単位でプロットした測定値(運転パラメータ、点検パラメータ)を直線でつないだ折れ線グラフである。そして、これら折れ線グラフ30A、30B、30C、40A、40Bのそれぞれは、横軸の長さが統一されており、且つ表示装置50の表示内容の横方向において横軸の位置が互いに同じである。これら折れ線グラフ30A、30B、30C、40A、40Bは、互いに異なる色で表示されている。尚、本開示において、縦方向は縦軸が延びる方向であって、横方向は横軸が延びる方向である。
【0024】
図3に例示する形態では、運転グラフ30の真下に点検グラフ40が表示されている。表示装置50の表示内容の縦方向において、上から順に第1の運転グラフ30A、第2の運転グラフ30B、第3の運転グラフ30C、第1の点検グラフ40A、及び第2の点検グラフ40Bが並んでいる。また、
図3に例示するように、第2の点検グラフ40Bには、通風機108の本体の温度の上限値が点線で示されている。
【0025】
一実施形態では、
図3に例示するように、表示部24は、時間ごとの運転パラメータおよび点検パラメータのそれぞれを示すテーブル60を表示装置50に表示させる。具体的には、テーブル60には、設備の名称、機器の名称、測定値の名称を示す項目、測定値の単位、および日にち単位の測定値が出力されている。テーブル60には、上から順に第1の運転グラフ30Aの出力値、第2の運転グラフ30Bの流量、第3の運転グラフ30Cの電流値、第1の点検グラフ40Aの振動値、及び第2の点検グラフ40Bの温度が並んでいる。テーブル60は、運転グラフ30よりも上方に配置されている。
【0026】
(作用・効果)
一実施形態に係る監視システム1の作用・効果について説明する。一実施形態によれば、運転パラメータを含む運転関連データおよび点検パラメータを含む点検関連データのそれぞれが同期された時系列で表示装置50に表示される。このため、作業員は、表示装置50を介して、運転関連データと点検関連データとを互いに照らし合わせて確認できる。具体的に説明すると、
図3に例示するように、第1の時間帯t1では、発電機106の出力値が下げられており、この出力値の低下に伴い、燃焼用空気X3の流量、及び通風機108のファンの電流値が低下している。そして、通風機108の本体の振動が大きくなり、且つ通風機108の本体の温度が高くなっている。つまり、運転関連データの変化と連動して、点検関連データが変動しており、作業員は通風機108が正常に稼働していると評価できる。一方で、第2の時間帯t2では、発電機106の出力値、燃焼用空気X3の流量、及び通風機108のファンの電流値の変化がない、又は非常に小さいにも関わらず、通風機108の本体の振動が大きくなり、且つ通風機108の本体の温度が高くなっている。つまり、点検関連データが運転関連データとは無関係に変動しており、作業員は通風機108に対して注意が必要と評価できる。このように、運転関連データと点検関連データとを互いに照らし合わせて確認することで、通風機108の状態を監視する監視精度を向上させることができる。
【0027】
測定値(運転パラメータや点検パラメータ)が判定基準を満たしている場合、通風機108の状態の評価を誤る虞がある。
図3に例示するように、通風機108の本体の温度は、第2の時間帯t2では、上限値よりも低くなっており、判定基準を満たしている。このため、点検関連データだけを確認していると、通風機108が正常に稼働していると評価される虞がある。しかしながら、一実施形態によれば、上述したように、作業員は、表示装置50を介して、通風機108の本体の温度と発電機106の出力値などとを照らし合わせて確認できるので、通風機108に対して注意が必要と評価することができる。
【0028】
一実施形態によれば、
図3に例示して説明したように、運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれが互いに同じ時間を横軸として表示装置50に表示される。このため、作業員は、表示装置50を介して、同一の時間における運転関連データと点検関連データとの照らし合わせを行うことができる。尚、一実施形態では、運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれは、横軸の長さが統一されていたが、本開示はこの形態に限定されない。運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれは、横軸の長さが互いに異なっていてもよい。運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれは、表示装置50の表示内容の横方向における横軸の位置が互いにずれていてもよい(つまり、運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれは、横方向に沿って並んでいてもよい)。
【0029】
一実施形態によれば、
図3に例示して説明したように、運転グラフ30および点検グラフ40のそれぞれが互いに横軸を揃えて縦方向に沿って並んでいる。このため、同一の時間帯における運転パラメータおよび点検パラメータのそれぞれを速やかに確認することができる。
【0030】
一実施形態によれば、
図3に例示して説明したように、テーブル60が表示装置50に表示されている。このため、作業員は、表示装置50を介して、具体的な運転パラメータおよび点検パラメータのそれぞれを速やかに確認することができる。
【0031】
ところで、本開示では、監視システム1が通風機108の状態を監視する場合について説明したが、本開示は、監視対象(プラント機器)を通風機108に限定するものではない。幾つかの実施形態では、プラント機器は、油噴燃ポンプ、給水ポンプ、または冷却水ポンプである。
【0032】
プラント機器が油噴燃ポンプである場合、運転パラメータは油流量、油流量調節弁の開度、油圧力、およびポンプ駆動用モーターの電流値を含み、点検パラメータは吸込圧力、吐出圧力、油噴燃ポンプ本体の振動、および油噴燃ポンプ本体の温度を含む。プラント機器が給水ポンプである場合、運転パラメータは給水流量設定値、給水流量、給水圧力、および給水流量調節弁の開度を含み、点検パラメータは吸込圧力、吐出圧力、給水ポンプ本体の振動、および給水ポンプ本体の温度を含む。プラント機器が冷却水ポンプである場合、運転パラメータは冷却水ポンプ電流値、冷却水ポンプ電圧値、冷却水ポンプ出口冷却水温度、冷却水ポンプインバータ出力値、および冷却水ポンプインバータ周波数を含み、点検パラメータは吸込圧力、吐出圧力、冷却水ポンプ本体の振動、および冷却水ポンプ本体の温度を含む。
【0033】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0034】
[1]本開示に係る監視システム(1)は、
プラント(100)に配置されるプラント機器(108)の状態を監視するための監視システムであって、
前記プラント機器の運転状態に関する運転パラメータを含む運転関連データを測定可能な運転関連データ測定装置(2)と、
前記プラント機器の点検結果に関する点検パラメータを含む点検関連データを保存可能な点検関連データ保存装置(4)と、
前記運転関連データ測定装置および前記点検関連データ保存装置のそれぞれと通信ネットワーク(5)を介して接続されるサーバ(6)であって、前記運転関連データ測定装置から前記運転関連データを取得する運転関連データ取得部(20)、前記点検関連データ保存装置から前記点検関連データを取得する点検関連データ取得部(22)、および前記運転パラメータ及び前記点検パラメータのそれぞれを同期させた時系列で表示装置(50)に表示させる表示部(24)を含むサーバと、を備える。
【0035】
上記[1]に記載の構成によれば、運転パラメータを含む運転関連データおよび点検パラメータを含む点検関連データのそれぞれが同期された時系列で表示装置に表示される。このため、作業員は、表示装置を介して、運転関連データと点検関連データとを互いに照らし合わせて確認できるので、プラント機器の状態を監視する監視精度を向上させることができる。
【0036】
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記表示部は、前記運転パラメータを縦軸とし時間を横軸とする運転グラフ(30)、および前記点検パラメータを縦軸とし前記運転グラフの横軸と同じ時間を横軸とする点検グラフ(40)のそれぞれを前記表示装置に表示させる。
【0037】
上記[2]に記載の構成によれば、運転グラフおよび点検グラフのそれぞれが互いに同じ時間を横軸として表示装置に表示される。このため、作業員は、表示装置を介して、容易に運転関連データと点検関連データとの照らし合わせを行うことができる。
【0038】
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の構成において、
前記表示部は、前記運転グラフおよび前記点検グラフのそれぞれを互いに横軸を揃えて縦方向に沿って並んで前記表示装置に表示させる。
【0039】
上記[3]に記載の構成によれば、同一の時間帯における運転パラメータおよび点検パラメータのそれぞれを速やかに確認することができる。
【0040】
[4]幾つかの実施形態では、上記[1]から[3]の何れか1つに記載の構成において、
前記表示部は、時間ごとの前記運転パラメータおよび前記点検パラメータのそれぞれを示すテーブル(60)を前記表示装置に表示させる。
【0041】
上記[4]に記載の構成によれば、具体的な運転パラメータおよび点検パラメータのそれぞれの値を速やかに確認することができる。
【0042】
[5]幾つかの実施形態では、上記[1]から[4]の何れか1つに記載の構成において、
前記点検関連データ保存装置と通信ネットワークを介して接続される端末(8)をさらに備え、
前記端末は、前記点検関連データを入力可能な入力アプリケーション(14)を含み、
前記点検関連データ保存装置は、前記入力アプリケーションに入力された前記点検関連データを取得して保存する。
【0043】
上記[5]に記載の構成によれば、端末を準備することで点検関連データを点検関連データ保存装置に保存させることができる。
【0044】
[6]幾つかの実施形態では、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成において、
前記プラント機器は、通風機、油噴燃ポンプ、給水ポンプ、または冷却水ポンプのうちの何れか1つを含む。
【0045】
上記[6]に記載の構成によれば、通風機、油噴燃ポンプ、給水ポンプ、または冷却水ポンプの状態を監視する監視精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 監視システム
2 運転関連データ測定装置
2A 出力センサ
2B 空気流量センサ
2C ファン電流値センサ
4 運転関連データ保存装置
5 通信ネットワーク
6 サーバ
8 端末
10 記憶部
14 入力アプリケーション
20 運転関連データ取得部
22 点検関連データ取得部
24 表示部
30 運転グラフ
30A 第1の運転グラフ
30B 第2の運転グラフ
30C 第3の運転グラフ
40 点検グラフ
40A 第1の点検グラフ
40B 第2の点検グラフ
50 表示装置
60 テーブル
100 発電プラント
102 ボイラ
104 蒸気タービン
106 発電機
108 通風機
X1 燃料
X2 蒸気
X3 燃焼用空気
t1 第1の時間帯
t2 第2の時間帯