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  • 特開-隙間ステップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131499
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】隙間ステップ
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/08 20060101AFI20240920BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E04G5/08 Z
E04G5/00 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041795
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】390019688
【氏名又は名称】株式会社シンニッタン
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】清宮一之
(72)【発明者】
【氏名】早瀬信一
(72)【発明者】
【氏名】近藤祥生
(57)【要約】
【課題】足場踏板間の隙間を塞ぐようにした複数の隙間ステップを重ね合わせることにより、各隙間の大きさに対応することが可能となる経済的に資する隙間ステップを提供するものである。
【解決手段】矩形板状ステップ本体の一方縁端部は、両隅部より中央寄りの当該縁端部から突出する矩形状フラップ部が曲成する折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部の両隅部に足場の横材に対し上方から嵌脱自在に係止されるフック部が突設されることを特徴とする足場踏板間の隙間を塞ぐようにした隙間ステップにおいて、矩形板状ステップ本体の縁端部の全幅が相違する二つ以上のステップ本体を組み合わせて使用することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場踏板間の隙間を塞ぐようにした隙間ステップにおいて、矩形板状ステップ本体の一方縁端部は、当該縁端部両隅部より中央寄りの当該縁端部から突出する矩形状フラップ部が曲成する折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部の両隅部に足場の横材に対し上方から嵌脱自在に係止されるフック部が突設されることを特徴とする隙間ステップ。
【請求項2】
矩形板状ステップ本体の縁端部の全幅が相違する二つ以上のステップ本体を組み合わせて使用することを特徴とする請求項1に記載される隙間ステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足場の横材に架設される足場踏板間の隙間を塞ぐための隙間ステップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建造物の建築のために足場を形成するに際しては、所用数所要間隔を保って対向させた建枠のそれぞれの間に、足場踏板を水平状態に架設することが知られており、建枠のコーナー部などにおいて足場踏板間に隙間が生じた場合、かかる隙間を塞ぐために矩形状板を隙間ステップと称して適宜使用していた。
【0003】
さて、足場踏板間に生ずる隙間は、建造物の構造や使用する足場踏板のサイズにより一定ではなく、一つの寸法の隙間ステップによってはかかる隙間を完全に塞ぐことは困難であったため、作業者が落下しない程度の隙間は放置することもあったが、作業器具などの落下による重大事故の発生可能性は看過できない問題であった。
【0004】
しかしながら、従来の足場踏板間の隙間を塞ぐ隙間ステップの基本的構成は、先行技術文献のように矩形状ステップ本体の一方縁端部の両隅にフック部が設けられた構成や、矩形状ステップ本体の一方縁端部が全長亘り曲成し折り曲げ部を形成し、当該一方縁端部の両隅部にフック部が突設されるものであったため(図7参照)、隙間に応じて複数の隙間ステップを重ね合わせて調整することができず、隙間内に並列に架設可能なサイズのみ使用することを余儀なくされた。
【0005】
また、隙間ステップの寸法のバリエーションを増やすことはコスト上の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-138435公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであって、複数の隙間ステップを重ね合わせることにより、各隙間の大きさに対応することが可能となる経済的に資する隙間ステップを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、請求項1に記載のように、足場踏板間の隙間を塞ぐようにした隙間ステップにおいて、矩形板状ステップ本体の一方縁端部は、当該縁端部両隅部より中央寄りの当該縁端部から突出する矩形状フラップ部が曲成する折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部の両隅部に足場の横材に対し上方から嵌脱自在に係止されるフック部が突設されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明は、請求項2に記載のように、矩形板状ステップ本体の一方縁端部は、両隅部より中央寄りの当該縁端部から突出する矩形状フラップ部が曲成する折り曲げ部が設けられ、当該折り曲げ部の両隅部に足場の横材に対し上方から嵌脱自在に係止されるフック部が突設されることを特徴とする足場踏板間の隙間を塞ぐようにした隙間ステップにおいて、矩形板状ステップ本体の縁端部の全幅が相違する二つ以上のステップ本体を組み合わせて使用することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明は請求項1および請求項2に記載のような構成を採用したことから、足場踏板間に生じた隙間の大きさに対応して複数の隙間ステップを重ね合わせて調整配置することが可能となり、かつ、複数の特定サイズの隙間ステップを有効に利用できる経済的に資する隙間ステップを提供することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の隙間ステップの一実施例を示す平面図である。
図2】本発明の隙間ステップの一実施例を示す正面図である。
図3】本発明の隙間ステップの一実施例を示す背面図である。
図4】本発明の隙間ステップの一実施例を示す側面図である。
図5】本発明の隙間ステップの一実施例を示す平面図である。
図6】本発明の隙間ステップを重ね合わせた状態を示す平面図である。
図7】従来の隙間ステップの基本的構成を示す平面図である。
図8】従来の隙間ステップの基本的構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る隙間ステップに関して詳細に説明する。
【0014】
本発明に係る隙間ステップのステップ本体Sの基本的構成は、全体形状が平面視において矩形状に形成されており、鋼板等の薄板から構成されるものである。
【0015】
ステップ本体Sは、図示のように、その基本的構成において各寸法を実施態様とするものであり、例えば、図1の実施例においては、短辺350mm、長辺410mmの長方形状となり、図4の実施例においては、短辺240mm、長辺410mmの長方形状となる。
【0016】
ステップ本体Sの一方縁端部(図1のAの側)には、当該縁端部両隅部より中央寄りの当該縁端部から突出する矩形状フラップ部が曲成する折り曲げ部1が設けられている。
【0017】
すなわち、矩形状フラップ部を折り曲げない状態においては、ステップ本体Sの全体形状は平面視凸形の略六角形状となり、矩形状フラップ部を縁端部に沿って折り曲げることにより長方形状となる。
【0018】
かかる折り曲げ部1はステップ本体Sの側壁部として機能し、隙間ステップの強度に資するものである。
【0019】
ステップ本体Sの一方縁端部における折り曲げ部1の両隅部には、長手方向に突設する二つのフック部Hが設けられている。
【0020】
フック部Hは、足場の横材Pに対し上方から嵌脱自在に係止するために、例えば断面形状C状に形成される。
【0021】
ステップ本体Sは、例えば、実施例においては、2.3mmの厚みを有する鋼板を採用するが、上述のとおり、一定長さを備える折り曲げ部1や表面のパンチング加工などにより、足場踏板間の隙間を塞ぐ隙間ステップの強度として何ら問題はないものである。
【0022】
なお、ステップ本体Sには、一方の縁端部のみにフック部Hが設けられているが、フック部Hが突設される側の一方縁端部と対向する他方の縁端部には、例えば、実施例のように、下方方向(配置状態での足場踏板方向)へ緩やかに折り曲がる傾斜片(実施例においては、傾斜角13度)を備えることが、作業者の躓きなどを防止する観点から望ましい構成である。
【0023】
本発明に係る隙間ステップの特徴的構成は、上述のとおり、ステップ本体Sの一方縁端部において採用した各構成、すなわち、従来例のように折り曲げ部をステップ本体の一方縁端部全幅に亘り形成することなく、ステップ本体Sの一方縁端部の両隅部を除いた中央寄りの箇所に一定幅の折り曲げ部1を設ける構成であり、かつ、当該折り曲げ部1の両隅部からフック部Hを突設した構成にある。
【0024】
本発明に係る隙間ステップは、かかる特徴的な構成を採用することにより、ステップ本体の強度を維持したまま、折り曲げ部やフック部が干渉しないステップ本体Sの両フック部Hより外側の面に、他の隙間ステップを重ね合わせるスペースを確保することが可能となる。
【0025】
例えば、図1に示した実施例においては、全長350mmの一方縁端部に222mmの折り曲げ部を備えるため、フック部の外側からの幅56mmとステップ本体の全長とを乗じたスペースに、本発明に係る隙間ステップと同様の構成を有する他の隙間ステップを重ね合わせることが可能となる。
【0026】
また、例えば、図4に示した実施例においては、全長240mmの一方縁端部に112mmの折り曲げ部を備えるため、フック部の外側からの幅56mmとステップ本体の全長とを乗じたスペースに、本発明に係る隙間ステップと同様の構成を有する他の隙間ステップを重ね合わせることが可能となる。
【0027】
したがって、図6に示した実施例のように、上記のスペースにおいて各隙間ステップを重ね合わせることが可能となり、両隙間ステップの重ね代OLを調整することにより、足場踏板間に生じた隙間に柔軟に対応することが可能となる。
【0028】
すなわち、足場踏板間の隙間の長さに対応するために多数の寸法からなる隙間ステップを用意する必要はなく、例えば、図1図4の実施例での2つの寸法からなる隙間ステップを組み合わせることにより適宜隙間を塞ぐことが可能となり、部材作成コストが顕著に低減することとなる。
【0029】
【符号の説明】
【0030】
1 折り曲げ部
S ステップ本体
H フック部
OL 重ね代

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8