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  • 特開-押釦構造および電子機器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131501
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】押釦構造および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20240920BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01H13/14 B
H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041797
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保坂 健太
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS09H
5G206AS09J
5G206AS11H
5G206AS11J
5G206CS04H
5G206CS04J
5G206DS01H
5G206DS01J
5G206DS11H
5G206DS13J
5G206GS18
5G206RS02
(57)【要約】
【課題】破損を防ぐこと。
【解決手段】押釦構造10は、スイッチ5Aを前側から臨む開口部3Eを有するパネル部3Dと、パネル部3Dの開口部3Eを塞ぐようにパネル部3Dに二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部4Aと、パネル部3Dの前側の一部に被さるようにボタン部4Aの前側に取り付けられるキートップ4Bと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを前側から臨む開口部を有するパネル部と、
前記パネル部の開口部を塞ぐように前記パネル部に二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部と、
前記パネル部の前側の一部に被さるように前記ボタン部の前側に取り付けられるキートップと、
を備える、押釦構造。
【請求項2】
前記ボタン部は、前側に突出する段部が形成され、
前記キートップは、前記段部により前記パネル部の前面との間に隙間が設けられる、
請求項1に記載の押釦構造。
【請求項3】
前記スイッチの周囲に光源が設けられ、
前記キートップが光透過性の部材からなり、
前記光源を前側から臨むように前記ボタン部に形成された貫通穴と、
前記貫通穴に前側から挿入し係合するように前記キートップに形成された係止爪と、
を備える、請求項1または2に記載の押釦構造。
【請求項4】
前記ボタン部は、遮光性の部材からなる、
請求項3に記載の押釦構造。
【請求項5】
スイッチを前側から臨む開口部を有するパネル部と、
前記パネル部の開口部を塞ぐように前記パネル部に二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部と、
前記パネル部の前側の一部に被さるように前記ボタン部の前側に取り付けられるキートップと、
を備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押釦構造および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている押釦スイッチ装置は、タクトスイッチが装着された回路基板を収容するケースと、ケースに表裏を貫通する仕切り溝で区画されて細幅かつ薄肉の弾性変形可能な連結部でケースに連結して形成されてタクトスイッチと当接可能に設けられたキートップ部材と、ケースとキートップ部材の裏面に仕切り溝の開口を閉塞するように固着されたシート状のカバー部材と、を有し、ケース、キートップ部材およびカバー部材を二色成形により成形したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-1677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した押釦スイッチ装置は、キートップ部材の押し込み量を規制する手段がないため、キートップ部材を支持する連結部およびカバー部材が多数の押し込みによって破損するおそれがある。
【0005】
本発明は、破損を防ぐことのできる押釦構造および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の押釦構造は、スイッチを前側から臨む開口部を有するパネル部と、前記パネル部の開口部を塞ぐように前記パネル部に二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部と、前記パネル部の前側の一部に被さるように前記ボタン部の前側に取り付けられるキートップと、を備える。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様の電子機器は、スイッチを前側から臨む開口部を有するパネル部と、前記パネル部の開口部を塞ぐように前記パネル部に二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部と、前記パネル部の前側の一部に被さるように前記ボタン部の前側に取り付けられるキートップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、キートップが押し込み時にパネルと当接することでキートップの押し込み量が規制されるため、弾性部材からなるボタン部の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電子機器を示す正面図である。
図2図2は、図1におけるA-A線拡大断面図である。
図3図3は、図1におけるB-B線拡大断面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す正面視分解斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す背面視分解斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す正面視一部裁断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0011】
図1は、本実施形態に係る電子機器を示す正面図である。
【0012】
本実施形態に係る電子機器1は、車両の内部に搭載される、例えば、AV(Audio Visual)一体型のカーナビゲーション装置である。
【0013】
ここで、以下の説明において、正面とは、オペレータが視る面であって、各図で示す電子機器1の前側に相当する。カーナビゲーション装置の場合は、車内前方に配置されるため、車内の後方に向く側が前側(正面)となる。また、本実施形態において、電子機器1および押釦構造10を説明するうえで、前側から視た状態を基準にして、上側、下側、右側、左側とし、前側の反対側を後側(背面側)とする。
【0014】
実施形態の電子機器1は、表示部2と、正面パネル3と、操作部4と、回路基板5と、を有する。
【0015】
表示部2は、矩形状に形成され、正面に表示を行う表示面2Aを有している。表示部2は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイが含まれる。なお、表示部2は、表示面2Aがタッチパネルとして構成されていてもよい。
【0016】
正面パネル3は、表示部2の周りを囲むように、矩形状に形成されている。正面パネル3は、表示部2の周りを囲む矩形状の枠部3Aと、枠部3Aの内側において表示部2の表示面2Aを開放する矩形状の窓部3Bと、を有する。
【0017】
操作部4は、正面パネル3の下側であって、正面パネル3の前側において左右方向に複数並んで配置される。操作部4は、本実施形態の押釦構造10の一部を構成する。
【0018】
回路基板5は、正面パネル3の下側であって、正面パネル3の後側において左右方向に沿って配置される。回路基板5は、本実施形態の押釦構造10の一部を構成する。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す断面図であって、図1におけるA-A線拡大断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す断面図であって、図1におけるB-B線拡大断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す正面視分解斜視図である。図5は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す背面視分解斜視図である。図6は、本発明の実施形態に係る押釦構造を示す正面視一部裁断斜視図である。
【0020】
本実施形態の押釦構造10は、図1に示すように、正面パネル3の下側に配置される。押釦構造10は、図2および図3に示すように、正面パネル3の下側に配置されたパネル部3Dと、操作部4と、回路基板5と、を含む。
【0021】
パネル部3Dは、図2に示すように、正面パネル3の下側において前側に突出した箱状に形成されたケース部3Cの前側を塞ぐように板状に形成される。ケース部3Cは、パネル部3Dで塞がれた前側において、パネル部3Dを囲むように前端縁3Caを有する。言い換えると、パネル部3Dは、ケース部3Cの前端縁3Caよりも後側に凹んで設けられる。パネル部3Dは、各操作部4が配置される部分に開口部3Eが形成される。開口部3Eは、図4に示すように、上下左右にて矩形状に形成され、図2図3および図6に示すように、パネル部3Dを前後方向に貫通して設けられる。このパネル部3Dの各開口部3Eは、操作部4が設けられる。
【0022】
回路基板5は、図2図3図5および図6に示すように、パネル部3Dの後側であってケース部3Cの内部に配置される。回路基板5は、前後に板面を向け、左右に沿って長く形成される。回路基板5は、図3および図6に示すように、前側に向く面にスイッチ5Aと光源5Bが実装される。
【0023】
スイッチ5Aは、タクトスイッチなどのスイッチ素子である。スイッチ5Aは、パネル部3Dに形成された開口部3Eを介して前側から臨める位置に設けられる。実施形態では、スイッチ5Aは、前側からみて開口部3Eの上下左右の中央に配置される。スイッチ5Aは、前側から後側に押されることで動作する。従って、スイッチ5Aは、開口部3Eに設けられる操作部4のオペレータによる操作で動作する。スイッチ5Aは、1つの開口部3Eに対して1つに限らず、複数配置されていてもよい。
【0024】
光源5Bは、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子である。光源5Bは、スイッチ5Aの周囲に配置され、スイッチ5Aと同様に、パネル部3Dに形成された開口部3Eを介して前側から臨める位置に設けられる。光源5Bは、開口部3Eに向けて前側に光を照射する。光源5Bは、その数に限定はないが、実施形態では、スイッチ5Aの左右に1個ずつ設けられる。
【0025】
操作部4は、図2から図4および図6に示すように、パネル部3Dに形成された開口部3Eに係り設けられる。操作部4は、ボタン部4Aとキートップ4Bを有する。
【0026】
ボタン部4Aは、エラストマーなどの弾性部材からなる。ボタン部4Aは、例えば、黒色に着色された遮光性の部材からなる。ボタン部4Aは、パネル部3Dの開口部3Eに設けられる。ボタン部4Aは、開口部3Eを塞ぐようにパネル部3Dに二色成形によって固着される。ボタン部4Aは、開口部3Eの内縁3Eaの形状に合わせて上下左右にて矩形の板状に形成され、開口部3Eの内縁3Eaに二色成形によって固着される。
【0027】
ボタン部4Aは、外周部4Aaと、段部4Abと、貫通穴4Acと、を有する。
【0028】
外周部4Aaは、パネル部3Dの開口部3Eに固着される部分であって、開口部3Eの内縁3Eaに合わせた枠状に形成される。外周部4Aaは、図2および図3に示すように、その厚さW1がパネル部3Dの厚さ(開口部3Eの内縁3Eaの厚さ)W0と同等に形成され、その外縁が開口部3Eの内縁3Eaに固着される。従って、外周部4Aaは、その前面がパネル部3Dの前面と面一に配置される。
【0029】
段部4Abは、ボタン部4Aの外周部4Aaよりも前側に突出して形成される。段部4Abは、外周部4Aaを周りにしたボタン部4Aの上下左右の中央に設けられ、上下左右にて矩形に形成される。段部4Abは、図2および図3に示すように、外周部4Aaの厚さW1を合わせて厚さW1よりも大きい厚さW2に形成される。これにより、ボタン部4Aは、その前側において段部4Abと外周部4Aaとで段差を有する。段部4Abは、その前側に向く面(前面)が平坦に形成される。
【0030】
貫通穴4Acは、段部4Abの範囲内においてボタン部4Aを前後で貫通する穴である。貫通穴4Acは、図3に示すように、スイッチ5Aの前側から外れた位置であって、光源5Bの前側に対応して配置される。従って、貫通穴4Acは、光源5Bを前側から臨むように形成される。即ち、光源5Bは、貫通穴4Acを介して前側から臨める位置にある。実施形態では、光源5Bがパネル部3Dの1つの開口部3Eに対して2個設けられており、貫通穴4Acは、各光源5Bに対応して1つのボタン部4Aに対して左右に2個設けられる。貫通穴4Acは、上下左右にて矩形に形成される。
【0031】
キートップ4Bは、ボタン部4Aよりも硬質の部材で形成される。キートップ4Bは、例えば、樹脂材で形成される。キートップ4Bは、光透過性を有する部材からなる。キートップ4Bは、図2から図6に示すように、上下左右にて矩形の板状に形成され、ボタン部4Aの前側に取り付けられる。キートップ4Bは、ボタン部4Aおよびパネル部3Dの開口部3Eよりも大きい矩形に形成され、少なくとも一部がパネル部3Dの前側に被さるようにボタン部4Aの前側に取り付けられる。実施形態では、キートップ4Bは、左右両側がパネル部3Dの前側に被さるようにボタン部4Aの前側に取り付けられる。
【0032】
キートップ4Bは、図3図5および図6に示すように、係止爪4Baを有する。係止爪4Baは、キートップ4Bの後側に延びて形成される。係止爪4Baは、一対が並んで設けられ、先端部においてそれぞれ相反する方向に突出する爪が形成される。実施形態では、係止爪4Baは、一対が左右に並んで設けられ、左側の係止爪4Baの先端部に左側に突出する爪が形成され、右側の係止爪4Baの先端部に右側に突出する爪が形成される。係止爪4Baは、ボタン部4Aの貫通穴4Acに前側から挿入され、当該貫通穴4Acの後側の縁に爪が係止する。実施形態では、貫通穴4Acがボタン部4Aに左右2個設けられており、各貫通穴4Acにそれぞれ係止爪4Baが挿入され、左側の係止爪4Baの爪が左側の貫通穴4Acの左縁に係止し、右側の係止爪4Baの爪が右側の貫通穴4Acの右縁に係止する。このようにキートップ4Bは、ボタン部4Aの前側に取り付けられる。なお、係止爪4Baは導光部材であってもよい。
【0033】
キートップ4Bは、図2図3および図6に示すように、ボタン部4Aの前側に取り付けられた形態で、ボタン部4Aの前側全体を覆う。キートップ4Bは、ボタン部4Aの前側に取り付けられた形態で、パネル部3Dの前側の一部に被さる。キートップ4Bは、ボタン部4Aの前側に取り付けられた形態で、ボタン部4Aの段部4Abによって、ボタン部4Aの外周部4Aaおよびパネル部3Dの前面との間に隙間4Cが設けられる。隙間4Cは、実施形態では、段部4Abの厚さW2と外周部4Aaの厚さW1(パネル部3Dの厚さW0)との差Sとして設けられる。
【0034】
キートップ4Bは、ケース部3Cの前端縁3Caの上下左右の内側であって、前端縁3Caよりも後側に配置される。従って、キートップ4Bは、ケース部3Cの前端縁3Caで上下左右が囲まれ、前端縁3Caの後側に奥まって配置される。
【0035】
このように構成された押釦構造10は、図2および図3において、前側からキートップ4Bが押されると、弾性部材であるボタン部4Aが後側に弾性変形してスイッチ5Aを押す。スイッチ5Aが押し終わり、キートップ4Bが離されると、ボタン部4Aの弾性反力によってキートップ4Bが基の位置に戻る。
【0036】
このように、実施形態の押釦構造10は、スイッチ5Aを前側から臨む開口部3Eを有するパネル部3Dと、パネル部3Dの開口部3Eを塞ぐようにパネル部3Dに二色成形によって固着された弾性部材からなるボタン部4Aと、パネル部3Dの前側の一部に被さるようにボタン部4Aの前側に取り付けられるキートップ4Bと、を備える。
【0037】
従って、この押釦構造10によれば、キートップ4Bを前側から後側に押すことでボタン部4Aが後側に弾性変形しスイッチ5Aを押すことができる。この際、押釦構造10は、キートップ4Bがパネル部3Dの前側の一部に被さるようにオーバーハングして設けられているため、キートップ4Bが後側に移動する範囲が規制される。これにより、押釦構造10は、必要以上にボタン部4Aが変形することを抑えられることから、ボタン部4Aの破損を防止できる。
【0038】
また、この押釦構造10によれば、ボタン部4Aのみの弾性によってキートップ4Bの姿勢制御を行う。これにより、一般の押釦構造では、キートップの姿勢制御をおこなうために弾性部材からなるクッション部材を用いることがあるが、この押釦構造10は、クッション部材を不要にでき、部品点数を低減して構造を簡素化し、部品コストを低減できる。さらに、押釦構造10は、ボタン部4Aがパネル部3Dの開口部3Eを塞ぐようにパネル部3Dに二色成形によって固着されているため、開口部3Eを介してスイッチ5Aのあるパネル部3Dの後側への防塵性および防滴性を向上できる。さらに、押釦構造10は、ボタン部4Aがパネル部3Dの開口部3Eを塞ぐようにパネル部3Dに二色成形によって固着され、このボタン部4Aにキートップ4Bが取り付けられる構成のため、構造の薄型化を実現できる。
【0039】
また、実施形態の押釦構造10では、キートップ4Bがボタン部4Aおよび開口部3Eの全体を覆うように構成されている。従って、この押釦構造10は、パネル部3Dの前側に表れる部材がキートップ4Bのみとなるため、見栄えが良く、意匠性を向上できる。
例えば、上述した特許文献1の押釦スイッチ装置は、ケースの表側にキートップ部材を構成する仕切り溝や連結部が見える構造であるため、見栄えが悪く意匠性が低い。さらに、押釦構造10は、キートップ4Bがボタン部4Aおよび開口部3Eの全体を覆うため、キートップ4Bの押す場所を変えても、不用意にキートップ4Bが傾くことが無く、操作の感触を一定にできる。
【0040】
また、実施形態の押釦構造10では、ボタン部4Aは、前側に突出する段部4Abが形成され、キートップ4Bは、段部4Abによりパネル部3Dの前面との間に隙間4Cが設けられる。
【0041】
従って、この押釦構造10は、キートップ4Bとパネル部3Dの前面との間に隙間4Cが設けられるため、当該隙間4Cによる操作のストロークを生じさせる。これにより、押釦構造10は、隙間4Cとキートップ4Bのオーバーハングによってキートップ4Bの押し込み量を規定でき、操作感を向上できる。しかも、押釦構造10は、キートップ4Bと他の部材が接触や離隔することで発生するラトル音を、キートップ4Bが弾性部材からなるボタン部4Aを介することでパネル部3Dやスイッチ5Aなどの他の部材に接触せず、かつ隙間4Cがあることで防止できる。
【0042】
また、実施形態の押釦構造10では、スイッチ5Aの周囲に光源5Bが設けられ、キートップ4Bが光透過性の部材からなり、光源5Bを前側から臨むようにボタン部4Aに形成された貫通穴4Acと、貫通穴4Acに前側から挿入し係合するようにキートップ4Bに形成された係止爪4Baと、を備える。
【0043】
従って、この押釦構造10は、図3に示すように、光源5Bから照射された光を貫通穴4Acを介してキートップ4Bに透過させることで、キートップ4Bを光らせることができる。さらに、この押釦構造10は、図3に示すように、光源5Bから照射された光を係止爪4Baを導光部材としてキートップ4Bに導光させることで、キートップ4Bを光らせることができる。また、キートップ4Bが係止爪4Baと、ボタン部4Aの貫通穴4Acとの係止によってボタン部4Aに取り付けられるため、キートップ4Bがボタン部4Aからずれて容易に外れることを防止できる。
【0044】
また、実施形態の押釦構造10では、ボタン部4Aは、遮光性の部材からなる。
【0045】
従って、この押釦構造10は、キートップ4Bに透過させたくない不要な光をボタン部4Aで遮り、光の漏れを防止できる。
【0046】
また、上記の押釦構造10を電子機器1に備えれば、押釦構造10の効果を有する電子機器1が得られる。
【0047】
なお、上述したボタン部4Aは、その前側において段部4Abと外周部4Aaとで段差を有するとしたが、段差ではなく外周に向かうにつれ厚さが薄くなる傾斜を有する構造でもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 電子機器
3D パネル部
3E 開口部
4A ボタン部
4Ab 段部
4Ac 貫通穴
4B キートップ
4Ba 係止爪
4C 隙間
5A スイッチ
5B 光源
10 押釦構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6