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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131502
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】画像監視装置、及び画像監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20240920BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240920BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240920BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H04N23/52
H04N23/63 310
G06T7/00 650Z
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041798
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】釣部 智行
【テーマコード(参考)】
5C122
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA06
5C122EA09
5C122FA06
5C122FB03
5C122FH03
5C122FH11
5C122FH14
5C122FH16
5C122FK35
5C122HA75
5C122HA84
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB06
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB18
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5L096BA04
5L096DA03
5L096FA52
5L096FA66
5L096GA19
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】車載カメラのレンズに汚れが付着していることの誤通知を抑制することができる画像監視装置、及び画像監視方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る画像監視装置は、第1取得部と、第2取得部と、通知部とを備える。前記第1取得部は、撮像部が撮像した車両の外部の画像を取得する。前記第2取得部は、前記画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報を取得する。前記通知部は、前記画像と、前記距離情報とに基づいて、前記構造物までの距離が閾値以上の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知する。前記通知部は、前記距離情報が示す前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部が撮像した車両の外部の画像を取得する第1取得部と、
前記画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報を取得する第2取得部と、
前記画像と、前記距離情報とに基づいて、前記構造物までの距離が閾値以上の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知する通知部と、
を備え、
前記通知部は、前記距離情報が示す前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
画像監視装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記画像において各画素の輝度値の差が小さい領域である平坦領域の割合が閾値以上であり、且つ前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
請求項1に記載の画像監視装置。
【請求項3】
前記通知部は、複数のブロックを有する前記画像において隣接する画素間の差が閾値以上となるエッジを有するブロックの数が閾値未満であり、且つ前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
請求項1に記載の画像監視装置。
【請求項4】
撮像部が撮像した車両の外部の画像を取得する第1取得ステップと、
前記画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報を取得する第2取得ステップと、
前記画像と、前記距離情報とに基づいて、前記構造物までの距離が閾値以上の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知する通知ステップと、
を含み、
前記通知ステップでは、前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
画像監視方法。
【請求項5】
前記通知ステップでは、前記画像において各画素の輝度値の差が小さい領域である平坦領域の割合が閾値以上であり、且つ前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
請求項4に記載の画像監視方法。
【請求項6】
前記通知ステップでは、複数のブロックを有する前記画像において隣接する画素間の差が閾値以上となるエッジを有するブロックの数が閾値未満であり、且つ前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない、
請求項4に記載の画像監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像監視装置、及び画像監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両は、車載カメラが撮像した画像に基づいて把握した車両の周囲の状況に応じた各種処理を実行する。車載カメラのレンズが汚れている場合、車両は、車両の周囲の状況を把握することができない。そこで、車載カメラが撮像した画像に基づいて、車載カメラのレンズに汚れが付着しているか否かを判定する技術が知られている。このような技術では、車載カメラが撮像した画像に含まれる輝度値が平坦なブロックの数、つまり輝度値が平坦な領域の広さに基づいて、レンズに汚れが付着しているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6731645号公報
【特許文献2】特許第6936070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車載カメラが撮像した画像には、レンズに汚れが付着していなくても、輝度値が平坦な領域が形成される場合がある。この場合、画像監視装置は、レンズに汚れが付着していると誤って通知してしまうことがある。
【0005】
本開示は、車載カメラのレンズに汚れが付着しているとの誤った通知を抑制することができる画像監視装置、及び画像監視方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る画像監視装置は、第1取得部と、第2取得部と、通知部とを備える。前記第1取得部は、撮像部が撮像した車両の外部の画像を取得する。前記第2取得部は、前記画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報を取得する。前記通知部は、前記画像と、前記距離情報とに基づいて、前記構造物までの距離が閾値以上の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知する。また、前記通知部は、前記距離情報が示す前記構造物までの距離が閾値未満の場合に、前記撮像部のレンズに汚れが付着していることを通知しない。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る画像監視装置によれば、車載カメラのレンズに汚れが付着していることの誤通知を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る車載装置を備える車両の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る車両の運転席の近傍の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る車載カメラのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る画像処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、車載カメラに汚れが付着した状態で撮像された撮像画像の一例を示す図である。
図6図6は、平坦領域の割合と構造物までの距離との関係の一例を示すグラフである。
図7図7は、第1の実施形態に係る車載カメラが実行する汚れ通知処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態に係る画像処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9図9は、外側領域と中央領域との一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る車載カメラが実行する汚れ通知処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第2の実施形態に係る車載カメラが実行するエッジ抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像監視装置の実施形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車載装置100を備える車両1の一例を示す図である。図1に示すように、車両1は、車体12と、車体12に所定方向に沿って配置された2対の車輪13とを備える。2対の車輪13は、1対のフロントタイヤ13f及び1対のリアタイヤ13rを備える。
【0011】
なお、図1に示す車両1は4つの車輪13を備えるが、車輪13の数はこれに限定されるものではない。例えば、車両1は、2輪車であっても良い。
【0012】
車体12は、車輪13に結合され、車輪13によって移動可能である。この場合、2対の車輪13が配置される所定方向が車両1の走行方向となる。車両1は、不図示のギヤの切り替え等により前進または後退することができる。また、車両1は、操舵により右左折することもできる。
【0013】
また、車体12は、フロントタイヤ13f側の端部である前端部Fと、リアタイヤ13r側の端部である後端部Rを有する。車体12は上面視で略矩形をしており、略矩形状の4つの角部を端部と呼ぶ場合もある。また、図1では図示を省略するが、車両1は、表示装置、スピーカ、および操作部を備える。
【0014】
車体12の前端部Fの下端付近及び後端部Rの下端付近には1対のバンパー14が設けられている。1対のバンパー14のうち、フロントバンパー14fは車体12の下端部付近の前面全体と側面の一部を覆う。1対のバンパー14のうち、リアバンパー14rは車体12の下端部付近の後面全体と側面の一部を覆う。
【0015】
車体12の所定の端部には、超音波等の音波の送受波を行う送受波部15f,15rが配置される。例えば、フロントバンパー14fには1つ以上の送受波部15fが配置され、リアバンパー14rには1つ以上の送受波部15rが配置される。以下、送受波部15f,15rを特に区別しない場合には、単に送受波部15という。また、送受波部15の数および位置は、図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、左右の側方に送受波部15を備えても良い。
【0016】
本実施形態においては、超音波を使用したソナーを送受波部15の一例とするが、送受波部15は、電磁波を送受波するレーダーであっても良い。あるいは、車両1は、ソナーとレーダーの両方を備えても良い。また、送受波部15を単にセンサと称しても良い。
【0017】
送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の構造物を検出する。また、送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の構造物と車両1との距離を計測する。
【0018】
また、車両1は、車両1の前方を撮影する第1の車載カメラ16a、車両1の後方を撮影する第2の車載カメラ16b、車両1の左側方を撮影する第3の車載カメラ16c、および車両1の右側方を撮影する第4の車載カメラを備える。第4の車載カメラは図示を省略する。
【0019】
以下、第1の車載カメラ16a、第2の車載カメラ16b、第3の車載カメラ16c、および第4の車載カメラを特に区別しない場合には単に車載カメラ16という。車載カメラ16の位置及び数は図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、また、第1の車載カメラ16aおよび第2の車載カメラ16bの2台のみを備えても良い。あるいは、車両1は、上述の例の他に、さらに他の車載カメラを有しても良い。
【0020】
車載カメラ16は、車両1の周囲の映像を撮影可能であり、例えば、カラー画像を撮影するカメラである。なお、車載カメラ16が撮影する画像データは、動画でも良いし、静止画でも良い。また、車載カメラ16は、車両1に内蔵されたカメラであっても良いし、車両1に後付けされたドライブレコーダーのカメラ等であっても良い。車載カメラ16は、撮像部の一例である。
【0021】
また、車両1には、車載装置100が搭載される。車載装置100は、車両1に搭載可能な情報処理装置であり、例えば、車両1の内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit)である。あるいは、車載装置100は、車両1のダッシュボード付近に設置された外付けの装置であっても良い。なお、車載装置100はカーナビゲーション装置等を兼ねても良い。
【0022】
次に、本実施形態の車両1の運転席130a近傍の構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る車両1の運転席130aの近傍の構成の一例を示す図である。
【0023】
図2に示すように、車両1は運転席130a、および助手席130bを備える。また、運転席130aの前方にはフロントガラス180、ダッシュボード190、ステアリングホイール140、表示装置120、および操作ボタン141が設けられる。
【0024】
表示装置120は、車両1のダッシュボード190に設けられたディスプレイである。表示装置120は、一例として、図2に示すようにダッシュボード190の中央に位置する。表示装置120は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置120は、タッチパネルを兼ねても良い。表示装置120は、本実施形態における表示部の一例である。
【0025】
また、ステアリングホイール140は、運転席130aの正面に設けられ、ドライバ(運転者)によって操作可能である。ステアリングホイール140の回転角度、つまり操舵角は、操舵輪であるフロントタイヤ13fの向きの変化と電気的または機械的に連動する。なお、操舵輪はリアタイヤ13rでも良いし、フロントタイヤ13fとリアタイヤ13rの両方が操舵輪であっても良い。
【0026】
操作ボタン141は、ユーザによる操作を受け付け可能なボタンである。なお、本実施形態においてユーザは、例えば車両1の運転者である。なお、操作ボタン141の位置は図2に示す例に限定されるものでなく、例えばステアリングホイール140に設けられても良い。操作ボタン141は、本実施形態における操作部の一例である。また、表示装置120がタッチパネルを兼ねる場合は、表示装置120が操作部の一例であっても良い。また、不図示のタブレット端末、スマートフォン、リモートコントローラ、または電子キー等の、車両1の外部から車両1に対して信号を送信可能な操作端末を、操作部の一例としても良い。
【0027】
次に、本実施形態の車載カメラ16のハードウェア構成について説明する。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係る車載カメラ16のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、車載カメラ16は、レンズ161、撮像素子162、洗浄部163、映像信号処理部164、露光制御部165、画像処理部166、及び画像メモリ167を備える。
【0029】
レンズ161は、透明の材料により形成される。そして、レンズ161は、入射した光を発散又は集束する。
【0030】
撮像素子162は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などのイメージセンサである。撮像素子162は、レンズ161を通過した光を受光し、映像信号に変換する。
【0031】
洗浄部163は、水などをレンズ161に噴射することにより、レンズ161に付着した汚れを洗浄する装置である。
【0032】
映像信号処理部164は、撮像素子162から出力された映像信号に基づいて、撮像画像を生成する。露光制御部165は、映像信号処理部164により生成される撮像画像の明るさを制御する。すなわち、映像信号処理部164は、露光制御部165により制御された明るさの撮像画像を生成する。例えば、露光制御部165は、撮像画像が暗い場合に、撮像画像の明るさを上げる。一方、露光制御部165は、撮像画像が明るい場合に、撮像画像の明るさを下げる。
【0033】
画像処理部166は、映像信号処理部164により生成された撮像画像に対して各種画像処理を実行する。画像メモリ167は、画像処理部166の主記憶装置である。画像メモリ167は、画像処理部166による画像処理のワーキングメモリとして使用される。
【0034】
画像処理部166は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、画像処理を制御する。例えば、画像処理部166は、プロセッサ166A、RAM(Random Access Memory)166B、メモリ166C、及びI/O(Input/Output)インタフェース166Dを備える。
【0035】
プロセッサ166Aは、例えば、コンピュータプログラムを実行可能なCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ166Aは、CPUに限定されない。例えば、プロセッサ166Aは、DSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、他のプロセッサであってもよい。
【0036】
RAM166Bは、キャッシュまたはバッファなどとして使用される揮発性メモリである。メモリ166Cは、例えば、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。プロセッサ166Aは、特定のコンピュータプログラムをメモリ166Cから読み出してRAM166Bに展開することによって、各種機能を実現する。
【0037】
I/Oインタフェース166Dは、画像処理部166の入出力を制御する。例えば、I/Oインタフェース166Dは、映像信号処理部164、画像メモリ167との入出力を実行する。また、I/Oインタフェース166Dは、送受波部15、及び車載装置100との通信を実行する。
【0038】
画像処理部166は、I/Oインタフェース166Dを介して、送受波部15と接続される。画像処理部166は、送受波部15から距離情報を受信する。距離情報は、送受波部15により計測された構造物までの距離を示す情報である。
【0039】
なお、洗浄部163は、車載カメラ16と一体に形成されずに、独立した装置であってもよい。また、画像処理部166及び画像メモリ167は、車載カメラ16に限らず、車載装置100に設けられていても良いし、独立した装置であってもよいし、他の装置に組み込まれていても良い。
【0040】
次に、第1の実施形態に係る画像処理部166が有する機能について説明する。
【0041】
図4は、第1の実施形態に係る画像処理部166の機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理部166のプロセッサ166Aは、特定のコンピュータプログラムをメモリ166Cから読み出してRAM166Bに展開することによって、各種機能を実現する。更に詳しくは、画像処理部166は、画像取得部1661、距離情報取得部1662、平坦領域抽出部1663、汚れ検出部1664、汚れ通知部1665、及び洗浄制御部1666を備える。
【0042】
画像取得部1661は、車載カメラ16が撮像した車両1の外部の撮像画像を取得する。画像取得部1661は、第1取得部の一例である。更に詳しくは、画像取得部1661は、映像信号処理部164から撮像画像を取得する。例えば、画像取得部1661は、任意のフレームレートで撮影された撮像画像を取得する。
【0043】
距離情報取得部1662は、送受波部15により計測された車両1から構造物までの距離を示す距離情報を取得する。ここで、送受波部15の距離を計測する範囲は、車載カメラ16の撮像範囲と全部又は一部が同じである。そのため、距離情報取得部1662は、車載カメラ16が撮像した撮像画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報を取得する。距離情報取得部1662は、第2取得部の一例である。
【0044】
平坦領域抽出部1663は、画像取得部1661により取得された撮像画像から平坦ブロックを抽出する。平坦ブロックとは、撮像画像を複数のブロックに分割した場合に、各画素の輝度値の差が小さく、輝度値のばらつきが平坦なブロックである。言い換えると、平坦ブロックとは、最大輝度度と最小輝度度との差が第1閾値未満のブロックである。そして、一又は複数の平坦ブロックは、各画素の輝度値の差が小さく、輝度値のばらつきが平坦な領域である平坦領域を撮像画像上に形成する。
【0045】
ここで、図を用いて詳細に説明する。図5は、車載カメラ16に汚れが付着した状態で撮像された撮像画像の一例を示す図である。撮像画像は、非有効領域G11と、有効領域G12とを有する。非有効領域G11は、撮像素子162の検知領域ではあるが、車載カメラ16の筐体などにより遮られるため撮像されない領域である。有効領域G12は、レンズ161を介して入射した光により撮像した領域である。図5に示すように、車載カメラ16のレンズ161に泥などの汚れが付着したことにより汚れ領域G13が形成された場合、撮像素子162は、レンズ161に付着した濃度の濃い汚れにより可視光を受光できなくなる。そのため、撮像画像は、汚れが付着した部分の輝度値が低くなる。すなわち、汚れが付着した部分のブロックは、各画素の輝度値の差が小さい平坦ブロックになる。
【0046】
汚れ検出部1664は、車載カメラ16が撮像した撮像画像と距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。さらに詳しくは、汚れ検出部1664は、車載カメラ16が撮像した撮像画像に含まれる平坦領域に基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。すなわち、汚れ検出部1664は、車載カメラ16が撮像した撮像画像に含まれる平坦領域の広さが第2閾値以上の場合に、汚れを検出する。なお、第2閾値は、平方ミリメートルなどのように広さを示す値であってもよいし、平坦ブロックの個数を示す値であってもよいし、有効領域G12における平坦領域の割合を示す値であってもよい。
【0047】
ところで、駐車場の壁などの構造物に車両1が接近した場合、車載カメラ16は、撮像画像には構造物を描画する。例えば、描画された構造物がコンクリートの壁場合、撮像画像における構造物の領域は、平坦領域となることがある。この場合、汚れ検出部1664は、汚れにより平坦領域が形成されているのか、構造物により平坦領域が形成されているのかを識別する必要がある。
【0048】
そこで、汚れ検出部1664は、画像取得部1661により取得された撮像画像と、距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。構造物により平坦領域が撮像画像に形成されている場合、構造物は、車両1から第3閾値までの距離に配置されている。
【0049】
ここで、図6は、平坦領域の割合と構造物までの距離との関係の一例を示すグラフである。図6の横軸は、車両1から構造物までの距離を示す。図6の縦軸は、画像取得部1661により取得された撮像画像に含まれる平坦領域の割合を示す。コンクリートの壁面などの輝度値の差が少ない構造物を車載カメラ16が撮像した場合、図6に示すグラフのように平坦領域は、車両1から構造物までの距離が短くなる従い、広くなる。すなわち、図6に示すグラフのように平坦領域は、第1場面、第2場面、第3場面と車両1が構造物に近づくに従い、広くなる。このことによって平坦領域の割合が多くなる。
【0050】
このため、汚れ検出部1664は、距離情報に基づいて、第3閾値までの範囲内に構造物があるか否かを判定する。そして、汚れ検出部1664は、第3閾値までの範囲内に構造物が有る場合に、撮像画像に描画された平坦領域は構造物であると判定する。すなわち、汚れ検出部1664は、撮像画像に描画された平坦領域は汚れではないと判定する。一方、汚れ検出部1664は、第3閾値までの範囲内に構造物が無い場合に、撮像画像に描画された平坦領域は汚れであると判定する。
【0051】
汚れ検出部1664は、車載カメラ16に付着した汚れの検出結果を汚れ通知フラグに設定する。汚れ検出部1664は、撮像画像から第2閾値以上の平坦領域を検出し、且つ構造物までの距離が第3閾値以上の場合に、汚れ通知フラグを有効する。一方、汚れ検出部1664は、撮像画像から第2閾値以上の平坦領域を検出し、且つ構造物までの距離が第3閾値未満の場合に、汚れ通知フラグを無効する。
【0052】
汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグに基づいて、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。すなわち、汚れ通知部1665は、画像取得部1661により取得された撮像画像と、距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、構造物までの距離が第3閾値以上の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。そして、汚れ通知部1665は、距離情報が示す構造物までの距離が第3閾値未満の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。汚れ通知部1665は、通知部の一例である。
【0053】
さらに詳しくは、汚れ通知部1665は、撮像画像の有効領域G12において、各画素の輝度値の差が小さい領域である平坦領域が第2閾値以上であり、且つ構造物までの距離が第3閾値以上の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。一方、汚れ通知部1665は、撮像画像の有効領域G12において、各画素の輝度値の差が小さい領域である平坦領域が第2閾値以上であり、且つ構造物までの距離が第3閾値未満の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。
【0054】
例えば、汚れ通知部1665は、表示装置120などに車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。なお、汚れ通知部1665は、表示装置120に限らず、音声により通知してもよいし、LEDなどを発光させることにより通知してもよいし、他の方法により通知してもよい。
【0055】
洗浄制御部1666は、洗浄部163を制御して車載カメラ16のレンズ161を洗浄する。例えば、汚れ通知部1665は、汚れが付着していることが汚れ検出部1664により検出された場合に、レンズ161に汚れが付着していることを表示装置120に表示させる。これに伴い、運転者等の操作者は、操作ボタン141や表示装置120が兼ねるタッチパネルを使用して、洗浄部163に洗浄させる操作を入力する。そして、洗浄制御部1666は、洗浄部163に洗浄させる操作を受け付けた場合に、洗浄部163にレンズ161を洗浄させる。
【0056】
次に、車載カメラ16が実行する汚れ通知処理の流れについて説明する。
【0057】
図7は、第1の実施形態に係る車載カメラ16が実行する汚れ通知処理の一例を示すフローチャートである。汚れ通知処理は、汚れが付着したことを通知する処理である。
【0058】
距離情報取得部1662は、車両1から構造物までの距離を示す距離情報を取得する(ステップS1)。
【0059】
平坦領域抽出部1663は、平坦ブロック数の変数を初期化する(ステップS2)。
【0060】
露光制御部165は、車載カメラ16による撮影される撮像画像の明るさを調整する(ステップS3)。
【0061】
画像取得部1661は、車載カメラ16により撮像された撮像画像を取得する(ステップS4)。
【0062】
平坦領域抽出部1663は、撮像画像に含まれる各ブロックの最大輝度値と最小輝度値とを取得する(ステップS5)。
【0063】
平坦領域抽出部1663は、最大輝度値と最小輝度値とに基づいて、判定対象のブロックが平坦ブロックであるか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、平坦領域抽出部1663は、最大輝度値と最小輝度値との差が第1閾値未満の場合に平坦ブロックであると判定する。一方、平坦領域抽出部1663は、最大輝度値と最小輝度値との差が第1閾値以上の場合に平坦ブロックではないと判定する。
【0064】
最大輝度値と最小輝度値との差が第1閾値以上の場合に(ステップS6;No)、平坦領域抽出部1663は、ステップS8に移行する。
【0065】
最大輝度値と最小輝度値との差が第1閾値未満の場合に(ステップS6;Yes)、平坦領域抽出部1663は、平坦ブロックの数をカウントアップする(ステップS7)。
【0066】
汚れ検出部1664は、画像取得部1661により取得された撮像画像の有効領域G12内の全てのブロックに対して、平坦ブロックであるか否かの判定を実行したか否かを判定する(ステップS8)。有効領域G12内の全てのブロックに対して判定を実行していない場合に(ステップS8;No)、平坦領域抽出部1663は、ステップS5に移行して未だ判定していないブロックを判定する。
【0067】
汚れ検出部1664は、有効領域G12の平坦領域が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。汚れ検出部1664は、平坦領域が第2閾値未満の場合に、汚れが付着していないと判定する。
【0068】
平坦ブロック数が第2閾値未満の場合に(ステップS9;Yes)、汚れ検出部1664は、汚れ通知フラグを無効に設定する(ステップS10)。そして、汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグが無効に設定されている場合に、汚れが付着していることを通知しない。
【0069】
平坦ブロック数が第2閾値以上の場合に(ステップS9;No)、汚れ検出部1664は、距離情報に基づいて、構造物までの距離が第3閾値未満であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0070】
構造物までの距離が第3閾値以上の場合に(ステップS11;No)、汚れ検出部1664は、汚れ通知フラグを有効に設定する(ステップS12)。そして、汚れ検出部1664は、汚れ通知フラグが有効に設定されている場合に、車載カメラ16に汚れが付着していることを通知する。
【0071】
構造物までの距離が第3閾値未満の場合に(ステップS11;Yes)、汚れ検出部1664は、汚れ通知フラグが無効に設定済みであるか否かを判定する(ステップS13)。言い換えると、汚れ検出部1664は、前回の処理において、汚れ通知フラグが無効に設定されているか否かを判定する。
【0072】
汚れ通知フラグが無効に設定済みの場合に(ステップS13;Yes)、汚れ検出部1664は、ステップS10に移行して、汚れ通知フラグの無効を維持する。汚れ通知フラグが無効に設定されていない場合に(ステップS13;No)、汚れ検出部1664は、ステップS12に移行して、汚れ通知フラグの有効に設定する。
【0073】
汚れ検出部1664は、車載カメラ16から汚れを検出する処理を終了する終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS14)。例えば、汚れ検出部1664は、汚れを検出する処理を終了する操作や、車両1のエンジン停止などの事前に定められた条件が満たされた場合に、終了条件が満たされたと判定する。
【0074】
終了条件が満たされていない場合に(ステップS14;No)、汚れ検出部1664は、ステップS1に移行して、処理を継続する。
【0075】
終了条件が満たされた場合に(ステップS14;Yes)、車載カメラ16は、汚れ通知処理を終了する。
【0076】
以上のように、第1の実施形態に係る車載カメラ16は、車載カメラ16が撮像した車両1の外部の撮像画像と、撮像画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報とを取得する。そして、車載カメラ16は、撮像画像に含まれる平坦領域が第2閾値以上であっても、距離情報が示す構造物までの距離が第3閾値未満の場合には、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。これにより、車載カメラ16は、駐車場のコンクリート壁面を撮像したことにより平坦領域が検出された場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着しているとの誤った通知を抑制することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る車載カメラ16の画像処理部166aは、撮像画像から抽出されるエッジに基づいて、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。
【0078】
ここで、道路には、車線を区分するための境界線や、走行方向と対向車線の境界を示す中央線や、駐車位置を示す線などの各種線が引かれている。また、道路には、自動車や、歩行者や、建物などの様々な物体が有る。そのため、車載カメラ16は、様々な線や物体が描画された撮像画像を撮像する。そのため、撮像画像は、物体や線のエッジが含まれる。
【0079】
ところが、車載カメラ16に汚れが付着した場合、車載カメラ16は、汚れに遮蔽されるため、物体や線を撮像しない。そのため、撮像画像は、物体や線のエッジが含まれなくなる。そこで、画像処理部166aは、エッジに基づいて、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着しているか否かを判定する。
【0080】
図8は、第2の実施形態に係る画像処理部166aの機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理部166aは、画像取得部1661、距離情報取得部1662、エッジ抽出部1667、汚れ検出部1664a、汚れ通知部1665、及び洗浄制御部1666を備える。
【0081】
エッジ抽出部1667は、撮像画像から、物体や道路に引かれた線のエッジを抽出する。さらに詳しくは、エッジ抽出部1667は、複数の抽出領域ごとに、エッジを抽出する。例えば、エッジ抽出部1667は、有効領域G12に外側領域G14と中央領域G15とを抽出領域として設定する。
【0082】
図9は、外側領域G14と中央領域G15との一例を示す図である。エッジ抽出部1667は、図9に示すように、外側領域G14と中央領域G15とを設定する。そして、エッジ抽出部1667は、外側領域G14と中央領域G15とのそれぞれの各ブロックにおいてエッジ強度を算出する。エッジ強度は、隣接する画素間の差の強度である。さらに詳しくは、エッジ強度は、隣接する画素間の色の差の強度であってもよいし、隣接する画素間の輝度の差の強度であってもよいし、隣接する画素間の色及び輝度の差の強度であってもよい。
【0083】
また、エッジ抽出部1667は、中央領域G15から第4閾値以上のエッジ強度を有するブロックであるエッジブロックを計数する。また、エッジ抽出部1667は、外側領域G14から第5閾値以上のエッジ強度を有するブロックであるエッジブロックを計数する。なお、第4閾値と第5閾値とは、異なる値であってもよいし、同一の値であってもよい。
【0084】
なお、図9に示す中央領域G15及び外側領域G14は、一例であって異なる形状を有していてもよい。さらに、エッジ抽出部1667は、中央領域G15及び外側領域G14の両方に限らず、何れか一方を撮像画像に設定してもよい。さらに、エッジ抽出部1667は、中央領域G15及び外側領域G14の2つの領域に限らず、3つ以上の領域を撮像画像に設定してもよい。
【0085】
汚れ検出部1664aは、エッジ抽出部1667による抽出結果と、距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。さらに詳しくは、汚れ検出部1664aは、抽出領域ごとのエッジブロックの計数結果に基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。
【0086】
ところが、駐車場の壁などの構造物に車両1が接近した場合、車載カメラ16は、構造物を描画するため、撮像画像にはエッジが含まれなくなる。そのため、車載カメラ16は、エッジ抽出部1667による抽出結果と、距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出する。
【0087】
さらに詳しくは、汚れ検出部1664aは、複数の抽出領域において第6閾値以上のエッジブロックの抽出領域が無い場合、つまり外側領域G14及び中央領域G15の両方から第6閾値以上のエッジブロックが抽出されない場合に、距離情報が示す構造物までの距離が第3閾値以上の場合に、車載カメラ16に汚れが付着していると判定する。この場合に、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグに有効を設定する。
【0088】
一方、汚れ検出部1664aは、複数の抽出領域において第6閾値以上のエッジブロックの抽出領域が無い場合、つまり外側領域G14及び中央領域G15の両方から第6閾値以上のエッジブロックが抽出されない場合に、距離情報が示す構造物までの距離が第3閾値未満の場合に、車載カメラ16に汚れが付着していないと判定する。この場合に、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグに無効を設定する。
【0089】
なお、汚れ検出部1664aは、車両1の走行速度と、エッジ抽出部1667による抽出結果と、距離情報取得部1662により取得された距離情報とに基づいて、車載カメラ16に付着した汚れを検出してもよい。車両1が高速で走行している場合、一つの撮像画像を撮像する間に撮像素子162に当たる光が変化するため、撮像画像が乱れることがある。この場合に、エッジ抽出部1667は、撮像画像からエッジを抽出することが困難になる。そこで、エッジ抽出部1667は、車両1の走行速度が閾値未満であることを条件に、車載カメラ16に付着した汚れを検出してもよい。
【0090】
汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグに基づいて、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。
【0091】
さらに詳しくは、汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグに有効が設定されている場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。すなわち、汚れ通知部1665は、複数のブロックを有する撮像画像において隣接する画素間の差が閾値以上となるエッジを有するエッジブロックの数が第6閾値以上であり、且つ構造物までの距離が第3閾値以上の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。
【0092】
一方、汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグに無効が設定されている場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。すなわち、汚れ通知部1665は、複数のブロックを有する撮像画像において隣接する画素間の差が閾値以上となるエッジを有するエッジブロックの数が第6閾値未満であり、且つ構造物までの距離が第3閾値未満の場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。
【0093】
次に、車載カメラ16が実行する汚れ通知処理の流れについて説明する。
【0094】
図10は、第2の実施形態に係る車載カメラ16が実行する汚れ通知処理の一例を示すフローチャートである。
【0095】
距離情報取得部1662は、車両1から構造物までの距離を示す距離情報を取得する(ステップS21)。
【0096】
露光制御部165は、車載カメラ16の明るさを調整する(ステップS22)。
【0097】
画像取得部1661は、車載カメラ16により撮像された撮像画像を取得する(ステップS23)。
【0098】
エッジ抽出部1667は、図11に示すエッジ抽出処理を実行する(ステップS24)。
【0099】
汚れ検出部1664aは、何れかの抽出領域のエッジブロック数が第6閾値以上であるか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、汚れ検出部1664aは、中央領域G15のエッジブロック数が第6閾値未満、且つ外側領域G14のエッジブロック数が第6閾値未満であるか否かを判定する。
【0100】
何れかの抽出領域のエッジブロック数が第6閾値以上の場合に(ステップS25;Yes)、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグを無効に設定する(ステップS26)。そして、汚れ通知部1665は、汚れ通知フラグが無効に設定されている場合に、汚れが付着していることを通知しない。
【0101】
エッジブロック数が第6閾値未満の場合に(ステップS25;No)、汚れ検出部1664aは、距離情報に基づいて、構造物までの距離が第3閾値未満であるか否かを判定する(ステップS27)。
【0102】
構造物までの距離が第3閾値以上の場合に(ステップS27;No)、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグを有効に設定する(ステップS28)。そして、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグが有効に設定されている場合に、車載カメラ16に汚れが付着していることを通知する。
【0103】
構造物までの距離が第3閾値未満の場合に(ステップS27;Yes)、汚れ検出部1664aは、汚れ通知フラグが無効に設定済みであるか否かを判定する(ステップS29)。言い換えると、汚れ検出部1664aは、前回の処理において、汚れ通知フラグが無効に設定されているか否かを判定する。
【0104】
汚れ通知フラグが無効に設定済みの場合に(ステップS29;Yes)、汚れ検出部1664aは、ステップS26に移行して、汚れ通知フラグの無効を維持する。汚れ通知フラグが無効に設定されていない場合に(ステップS29;No)、汚れ検出部1664aは、ステップS28に移行して、汚れ通知フラグの有効に設定する。
【0105】
汚れ検出部1664aは、車載カメラ16から汚れを検出する処理を終了する終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS30)。例えば、汚れ検出部1664aは、汚れを検出する処理を終了する操作や、車両1のエンジン停止などの事前に定められた条件が満たされた場合に、終了条件が満たされたと判定する。
【0106】
終了条件が満たされていない場合に(ステップS30;No)、汚れ検出部1664aは、ステップS21に移行して、処理を継続する。
【0107】
終了条件が満たされた場合に(ステップS30;Yes)、車載カメラ16は、汚れ通知処理を終了する。
【0108】
次に、車載カメラ16が実行するエッジ抽出処理の流れについて説明する。
【0109】
図11は、第2の実施形態に係る車載カメラ16が実行するエッジ抽出処理の一例を示すフローチャートである。エッジ抽出処理は、ステップS24において実行される処理である。
【0110】
エッジ抽出部1667は、中央領域G15内の各ブロックのエッジ強度を算出する(ステップS41)。
【0111】
エッジ抽出部1667は、中央領域G15内において、エッジ強度が第4閾値以上のブロックであるエッジブロックを計数する(ステップS42)。
【0112】
エッジ抽出部1667は、外側領域G14内の各ブロックのエッジ強度を算出する(ステップS43)。
【0113】
エッジ抽出部1667は、外側領域G14内において、エッジ強度が第5閾値以上のブロックであるエッジブロックを計数する(ステップS44)。
【0114】
以上により、車載カメラ16は、エッジ抽出処理を終了する。
【0115】
以上のように、第2の実施形態に係る車載カメラ16は、車載カメラ16が撮像した車両1の外部の撮像画像と、撮像画像に含まれる構造物までの距離を示す距離情報とを取得する。そして、車載カメラ16は、撮像画像に含まれる構造物や線のエッジを閾値以上抽出できない場合であっても、距離情報が示す構造物までの距離が閾値以上の場合には、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知しない。これにより、車載カメラ16は、駐車場のコンクリート壁面を撮像したために構造物や線が含まれておらず、エッジを検出しない場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着しているとの誤った通知を抑制することができる。
【0116】
以上のように、第1の実施形態では、車載カメラ16が画像取得部1661、距離情報取得部1662、平坦領域抽出部1663、汚れ検出部1664、汚れ通知部1665、及び洗浄制御部1666を有すると説明した。また、第2の実施形態では、車載カメラ16が画像取得部1661、距離情報取得部1662、エッジ抽出部1667、汚れ検出部1664a、汚れ通知部1665、及び洗浄制御部1666を有すると説明した。しかしながら、画像取得部1661、距離情報取得部1662、平坦領域抽出部1663、汚れ検出部1664、1664a、汚れ通知部1665、洗浄制御部1666、及びエッジ抽出部1667は、車載カメラ16に限らず、車載装置100が有していても良いし、他の装置が有していてもよい。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 車両
15、15f、15r 送受波部
16 車載カメラ
16a 第1の車載カメラ
16b 第2の車載カメラ
16c 第3の車載カメラ
120 表示装置
141 操作ボタン
161 レンズ
162 撮像素子
163 洗浄部
164 映像信号処理部
165 露光制御部
166、166a 画像処理部
167 画像メモリ
166A プロセッサ
166B RAM(Random Access Memory)
166C メモリ
166D I/O(Input/Output)インタフェース
1661 画像取得部
1662 距離情報取得部
1663 平坦領域抽出部
1664、1664a 汚れ検出部
1665 汚れ通知部
1666 洗浄制御部
1667 エッジ抽出部
G11 非有効領域
G12 有効領域
G13 汚れ領域
G14 外側領域
G15 中央領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11