(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131512
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】温水供給システム
(51)【国際特許分類】
F24D 3/00 20220101AFI20240920BHJP
F24H 9/16 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/14 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/288 20220101ALI20240920BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
F24D3/00 E
F24D3/00 A
F24H9/16 Z
F24H15/14
F24H15/288
F24H15/269
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041828
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】滝島 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 匠
(72)【発明者】
【氏名】杉山 拓哉
【テーマコード(参考)】
3L070
【Fターム(参考)】
3L070AA02
3L070BB03
3L070BC02
3L070BC21
3L070BC32
3L070DE09
(57)【要約】
【課題】温水流路内のスケールを除去し易い温水供給システムを提供する。
【解決手段】水を加熱して温水を生成する温水生成部2及び床暖房端末3に接続された温水流路4と、温水流路4において温水を通流させる温水供給部11と、スケールの除去が可能なクリーニング液を貯留するタンク27と、タンク27及び温水流路4に接続されたクリーニング液流路28と、クリーニング液をタンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給して温水流路4に通流させるスケール除去部34とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱して温水を生成する温水生成部及び床暖房端末に接続された温水流路と、
前記温水流路において温水を通流させる温水供給部と、
スケールの除去が可能なクリーニング液を貯留するタンクと、
前記タンク及び前記温水流路に接続されたクリーニング液流路と、
前記クリーニング液を前記タンクから前記クリーニング液流路を通じて前記温水流路に供給して前記温水流路に通流させるスケール除去部とを備えた温水供給システム。
【請求項2】
前記スケール除去部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記温水流路に前記クリーニング液を通流させるべく前記スケール除去部を制御するスケール除去制御を定期的に実行するように構成されている請求項1に記載の温水供給システム。
【請求項3】
前記温水流路に水を流入させる水流入部と、
前記クリーニング液や前記温水を前記温水流路から排出する排出部と、
前記スケール除去部、前記水流入部、及び、前記排出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記温水流路に前記クリーニング液を通流させるべく前記スケール除去部を制御するスケール除去制御と、
前記スケール除去制御の後に実行する制御であって、前記温水流路の前記クリーニング液を前記排出部から排出させた後、前記温水流路に水を流入させて前記温水流路に前記水を通流させた後に当該水を前記排出部から排出させるべく、前記水流入部及び前記排出部を制御するクリーニング液排出制御とを実行可能に構成されている請求項1に記載の温水供給システム。
【請求項4】
前記排出部は、前記温水流路内に空気を流入可能に構成され、
前記制御部は、前記スケール除去制御において、前記排出部から流入させた空気と前記タンクから流入させた前記クリーニング液とを前記温水流路に通流させるべく前記スケール除去部と前記排出部とを制御するように構成されている請求項3に記載の温水供給システム。
【請求項5】
前記クリーニング液は、クエン酸を利用した水溶液である請求項1から4の何れか一項に記載の温水供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を加熱して温水を生成する温水生成部及び床暖房端末に接続された温水流路と、前記温水流路において温水を通流させる温水供給部とを備えた温水供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水を加熱して温水を生成する温水生成部(熱源機40)及び床暖房端末(床暖房パネル10)に接続された温水流路(温水回路30)と、温水流路において温水を通流させる温水供給部(ポンプ42)とを備えた温水供給システムが示されている。このような温水供給システムにおいて、温水生成部や床暖房端末のヘッダーが真鍮で構成されており、真鍮が脱亜鉛して水酸化亜鉛が発生することでその水酸化亜鉛がスケールとして温水流路内に流れる場合がある。このように、温水流路内にスケールが流れると、温水流路内の高温の部位や流れが止まりやすい部位でスケールが詰まり、床暖房端末への温水の供給が滞る可能性がある。特に、シーズンオフの間は温水流路内を温水が流れないため、温水流路内でスケールが詰まり易くなる。
【0003】
そして、引用文献2には、パイプ部分25で発生したスケールを除去する方法が示されているが、パイプ部分25内のスケールを除去する場合には貯槽20,21を設置して消火栓27と貯槽20,21とを接続する必要があるため、スケールの除去作業が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-066059号公報
【特許文献2】特表平8-509908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、温水流路内のスケールを除去し易い温水供給システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、水を加熱して温水を生成する温水生成部及び床暖房端末に接続された温水流路と、
前記温水流路において温水を通流させる温水供給部と、
スケールの除去が可能なクリーニング液を貯留するタンクと、
前記タンク及び前記温水流路に接続されたクリーニング液流路と、
前記クリーニング液を前記タンクから前記クリーニング液流路を通じて前記温水流路に供給して前記温水流路に通流させるスケール除去部とを備えた点にある。
【0007】
本構成によれば、温水生成部で生成された温水を温水供給部によって温水流路を通じて床暖房端末に供給することができながら、スケール除去部によってタンクのクリーニング液をクリーニング液流路を通じて温水流路に通流させて温水流路内のスケールを除去することができる。よって、スケールを除去するのに必要な設備を別途に設置する作業を省くことができ、スケールの除去を容易に行うことができる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記スケール除去部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記温水流路に前記クリーニング液を通流させるべく前記スケール除去部を制御するスケール除去制御を定期的に実行するように構成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、制御部によってスケール除去制御が定期的に実行されるため、スケールが発生し易いシーズンオフでも自動的にスケールの除去を行うことができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、前記温水流路に水を流入させる水流入部と、
前記クリーニング液や前記温水を前記温水流路から排出する排出部と、
前記スケール除去部、前記水流入部、及び、前記排出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記温水流路に前記クリーニング液を通流させるべく前記スケール除去部を制御するスケール除去制御と、
前記スケール除去制御の後に実行する制御であって、前記温水流路の前記クリーニング液を前記排出部から排出させた後、前記温水流路に水を流入させて前記温水流路に前記水を通流させた後に当該水を前記排出部から排出させるべく、前記水流入部及び前記排出部を制御するクリーニング液排出制御とを実行可能に構成されている点にある。
【0011】
本構成によれば、スケール除去制御を実行して温水流路のスケールを除去した後、クリーニング液除去制御を実行することで温水流路内のクリーニング液を排出させると共に温水流路内を水によって洗浄することができるため、クリーニング液による流路の劣化を抑制することができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記排出部は、前記温水流路内に空気を流入可能に構成され、
前記制御部は、前記スケール除去制御において、前記排出部から流入させた空気と前記タンクから流入させた前記クリーニング液とを前記温水流路に通流させるべく前記スケール除去部と前記排出部とを制御するように構成されている点にある。
【0013】
本構成によれば、クリーニング液を空気とともに温水流路を通流させることで温水流路内を流れる温水に空気攪拌を生じさせることができるためスケールの除去が行い易くなる。また、排出部で空気の流入を行っているため、空気を流入させる専用の部分を別途備えた場合に比べて構成の簡素化を図ることができる。
【0014】
本発明の第5特徴構成は、前記クリーニング液は、クエン酸を利用した水溶液である点にある。
【0015】
本構成によれば、クリーニング液をクエン酸を利用した水溶液とすることでクリーニング液によってスケールを溶かして除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の温水供給システムの概略構成図
【
図2】第1実施形態の温水供給システムの制御ブロック図
【
図3】第1実施形態の温水強襲システムの制御のフローチャート
【
図4】第1実施形態のスケール除去制御のフローチャート
【
図5】第2実施形態の温水供給システムの概略構成図
【
図6】第2実施形態の温水供給システムの制御ブロック図
【
図7】第2実施形態の温水強襲システムの制御のフローチャート
【
図8】第2実施形態のスケール除去制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
本発明に係る温水供給システムの第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、温水供給システム1は、水を加熱して温水を生成する温水生成部としての熱源機2と、熱源機2及び床暖房端末3に接続された温水流路4とを備えており、熱源機2で生成された温水が温水流路4を通して床暖房端末3に供給されるように構成されている。
また、
図1及び
図2に示すように、温水供給システム1は、熱源機2の運転を制御する制御装置6と、床暖房端末3に対応して備えられて制御装置6と通信可能なリモコン7とを備えている。
【0018】
図1に示すように、熱源機2は、熱源機2内において温水が流れる熱源機内流路9と、熱源機内流路9における温水を貯留する大気開放式の膨張タンク10と、熱源機内流路9及びそれに接続された温水流路4を通じて床暖房端末3に温水を循環供給させるための循環ポンプ11と、熱源機内流路9を通流する温水をバーナ12の燃焼により加熱させる熱交換器13と、バーナ12に燃焼用空気を供給するファン14を備えている。バーナ12に燃料ガスを供給する燃料供給路35には、燃料ガスの供給を断続する燃料ガス開閉弁36と、燃料ガスの供給量を調整する燃料ガス調整弁37とが備えられている。尚、循環ポンプ11が、温水流路4において温水を通流させる温水供給部に相当する。
【0019】
膨張タンク10には、貯留している温水の液面レベルの上限として設定された上限レベルを検出する上限センサ16及び下限として設定された下限レベルを検出する下限センサ17が備えられている。また、膨張タンク10には、水を補給するための給水路18が接続され、その給水路18には、補給水電磁弁19が備えられている。
【0020】
温水流路4は、温水往き流路4Aと温水戻り流路4Bとから構成されている。
熱源機内流路9の温水往き側が、熱源機往き側ヘッダー21によって温水往き流路4Aに接続され、熱源機内流路9の温水戻り側が、熱源機戻り側ヘッダー22によって温水戻り流路4Bに接続されている。また、床暖房端末3に備えられている端末内流路(図示せず)の温水往き側が、端末往き側ヘッダー23によって温水往き流路4Aに接続され、端末内流路の温水戻り側が、端末戻り側ヘッダー24によって温水戻り流路4Bに接続されている。このように、温水流路4は、熱源機2の熱源機内流路9及び床暖房端末3の端末内流路(図示せず)に接続されることにより温水が循環する流路となっている。熱源機往き側ヘッダー21、熱源機戻り側ヘッダー22、端末往き側ヘッダー23、及び、端末戻り側ヘッダー24には、真鍮製のヘッダーが用いられている。
【0021】
温水供給システム1は、スケールの除去が可能なクリーニング液を貯留するタンクとしてのクリーニング液タンク27と、クリーニング液タンク27及び温水流路4に接続されたクリーニング液流路28と、クリーニング液をクリーニング液タンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給して温水流路4に通流させるスケール除去部34とを備えている。本実施形態では、クリーニング液は、酸性の水溶液、具体的には、クエン酸を利用した水溶液である。クリーニング液タンク27は、定期的且つ自動的なクリーニング液の供給が行えるように温水供給システム1に常設されている。
【0022】
クリーニング液流路28は、クリーニング液タンク27に接続されている。また、クリーニング液流路28は、温水流路4の温水往き流路4Aに接続されている。クリーニング液流路28には、クリーニング液タンク27のクリーニング液をクリーニング液流路28を通して温水流路4に供給するための供給ポンプ31が備えられている。尚、図示は省略するが、クリーニング液流路28には、温水流路4からクリーニング液タンク27への温水の逆流を防ぐための逆止弁が備えられている。
【0023】
制御装置6は、熱交換器13によって温水を加熱する加熱状態にて温水流路4を通して温水を床暖房端末3に供給するべく、ファン14、燃料ガス開閉弁36及び燃料ガス調整弁37を制御する床暖房制御を実行する。
床暖房制御では、ファン14を作動させると共に燃料ガス開閉弁36および燃料ガス調整弁37を開弁させてバーナ12の燃焼を開始し、循環ポンプ11を作動させることで、熱交換器13により加熱した温水を床暖房端末3に対して供給する。そして、床暖房制御を終了するときには、燃料ガス開閉弁36および燃料ガス調整弁37を閉弁させると共にファン14の作動を停止させてバーナ12の燃焼を停止したのち、循環ポンプ11の作動を停止させて、温水の床暖房端末3に対する供給を停止する。
この床暖房制御は、リモコン7によって床暖房操作が行われることで実行され、リモコン7によって床暖房停止操作が行われることで終了する。
【0024】
また、制御装置6は、熱交換器13によって温水を加熱しない非加熱状態にて温水を温水流路4に通流させるべく、循環ポンプ11を制御するエア抜き制御を実行する。
エア抜き制御では、バーナ12を燃焼させずに循環ポンプ11を作動させることで、熱交換器13によって加熱していない温水を温水流路4に通流させることで、温水流路4の途中に備えられている膨張タンク10においてエア抜きを行い、循環ポンプ11を作動させてから設定時間(例えば、5~10分)が経過すると循環ポンプ11の作動を停止させて、エア抜き制御を終了する。このエア抜き制御は、エア抜き制御のために予め設定されているエア抜き用設定期間毎に実行される。
【0025】
また、制御装置6は、クリーニング液をクリーニング液タンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給して温水流路4に通流させるべく、供給ポンプ31及び循環ポンプ11を制御するスケール除去制御を実行する。尚、供給ポンプ31及び循環ポンプ11が、クリーニング液をクリーニング液タンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給して温水流路4に通流させるスケール除去部34に相当する。また、制御装置6は、スケール除去部34を制御する制御部に相当する。
【0026】
スケール除去制御では、クリーニング液供給処理と、このクリーニング液供給処理の後に連続して行う処理であるクリーニング液循環処理とを実行する。クリーニング液供給処理では、供給ポンプ31を作動させることで、設定量のクリーニング液をクリーニング液タンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給させる。クリーニング液循環処理では、循環ポンプ11を作動させて湯水とともにクリーニング液を温水流路4に通流させ、設定時間(例えば、5~10分)が経過すると循環ポンプ11の作動を停止させる。
【0027】
このスケール除去制御は、スケール除去制御のために予め設定されているスケール除去用設定期間毎に実行される。つまり、制御装置6は、温水流路4にクリーニング液を通流させるべくスケール除去部34を制御するスケール除去制御を定期的に実行するように構成されている。また、このスケール除去制御は、リモコン7によってスケール除去操作が行われることでも実行される。
【0028】
また、スケール除去制御におけるクリーニング液循環処理では、バーナ12を燃焼させずに循環ポンプ11を作動させ、温水流路4に供給したクリーニング液を温水と共に温水流路4を通流させることで、クリーニング液と温水との混合液を温水往き流路4A、端末内流路(図示せず)、温水戻り流路4B、熱源機内流路9、温水往き流路4Aの順に循環させており、このように循環させる際に熱源機内流路9の膨張タンク10においてエア抜きが行われる。本実施形態では、スケール除去制御にはエア抜き制御が含まれている。尚、エア抜き制御のために予め設定されている設定期間と、スケール除去制御のために予め設定されている設定期間とが同じ期間に設定されることになる。
【0029】
次に、
図3及び
図4のフローチャートに基づいて制御装置6による制御について説明を加える。
図3に示すように、リモコン7によって床暖房操作が行われた場合(ステップ#11でYesの場合)に、床暖房制御を実行(ステップ#12)し、床暖房制御の実行中にリモコン7によって床暖房停止操作が行われることで床暖房制御が終了する。そして、床暖房制御が行われていない場合(ステップ#11でNoの場合)において、前回スケール除去制御を実行してから設定期間が経過することでエア抜きタイミング(スケール除去タイミング)が訪れた場合(ステップ#13でYesの場合)は、スケール除去制御を実行(ステップ#14)し、エア抜きタイミング(スケール除去タイミング)が訪れていない場合(ステップ#13でNoの場合)でも、リモコン7によってスケール除去操作が行われた場合(ステップ#15でYesの場合)は、スケール除去制御が実行される(ステップ#14)。
図4に示すように、スケール除去制御では、クリーニング液供給処理を実行(ステップ#21)してクリーニング液を温水流路4に供給した後、クリーニング液循環処理を実行する(ステップ#22)ことで温水流路4においてクリーニング液を循環させてスケールの除去を行う。
【0030】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る温水供給システムの第2実施形態を図面に基づいて説明する。
第2実施形態の説明においては、主に第1実施形態と異なる構成を説明し、第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0031】
図5及び
図6に示すように、温水流路4に水を流入させる水流入部44と、クリーニング液や湯水を温水流路4から排出する排出部45とを備えている。
水流入部44は、給水路18や補給水電磁弁19によって構成されており、水を膨張タンク10に供給することで熱源機内流路9を介して温水流路4に流入させるように構成されている。
排出部45は、温水流路4に接続された排出路39と、その排出路39に備えられた排出弁40とを備えて構成されており、排出弁40を開弁させた状態で循環ポンプ11を作動させることで温水流路4内の温水やクリーニング液を排出路39から排出されるように構成されている。
【0032】
また、排出部45は、温水流路4内に空気を流入可能に構成されている。説明を加えると、排出部45には、排出弁40として、第1排出弁40Aと、この第1排出弁40Aより排出側に備えられた第2排出弁40Bとが備えられていると共に、排出路39における第1排出弁40Aと第2排出弁40Bとの間にコンプレッサ等の空気供給部41が備えられている。そして、排出部45は、空気供給部41を停止させた状態で第1排出弁40A及び第2排出弁40Bを開弁させることで上述の如く温水流路4内の温水やクリーニング液を排出路39から排出することができ、第1排出弁40Aを開弁させ且つ第2排出弁40Bを閉弁させた状態で空気供給部41を作動させることで、排出路39を通して温水流路4内に空気を流入させるように構成されており、この排出部45は、温水流路4内に空気を流入させる流入部としても機能している。
【0033】
そして、制御装置6は、温水流路4にクリーニング液を通流させるべくスケール除去部34を制御するスケール除去制御と、スケール除去制御の後に実行する制御であって、温水流路4のクリーニング液を排出部45から排出させた後、温水流路4に水を流入させて温水流路4に水を通流させた後に当該水を排出部45から排出させるべく、水流入部44及び排出部45を制御するクリーニング液排出制御とを実行可能に構成されている。
また、制御装置6は、スケール除去制御において、排出部45から流入させた空気とクリーニング液タンク27から流入させたクリーニング液とを温水流路4に通流させるべくスケール除去部34と排出部45とを制御するように構成されている。
尚、制御装置6は、スケール除去部34、水流入部44、及び、排出部45を制御する制御部に相当する。
【0034】
スケール除去制御では、クリーニング液供給処理と、このクリーニング液供給処理の後に連続して行う処理であるエア挿入循環処理とを実行する。クリーニング液供給処理では、供給ポンプ31を作動させることで、設定量のクリーニング液をクリーニング液タンク27からクリーニング液流路28を通じて温水流路4に供給させる。
エア挿入循環処理では、排出部45から温水流路4に空気を流入させながら循環ポンプ11を作動させて湯水とともにクリーニング液を温水流路4に通流させ、クリーニング運転用設定時間(例えば、5~10分)が経過すると循環ポンプ11の作動を停止させる。
【0035】
クリーニング液排出制御では、真水排出処理と真水循環処理と真水供給処理とを実行する。
真水排出処理では、排出弁40を開弁させたのちに循環ポンプ11を作動させて、温水流路4内のクリーニング液を温水と共に排出部45から排水し、下限センサ17によって下限レベルの水位が検出されると排出弁40を閉弁させる。
真水循環処理では、上述のように排出弁40を閉弁させた状態で循環ポンプ11を作動させて循環させ、清浄用設定時間(例えば、5~10分)経過すると循環ポンプ11の作動を停止させる。
真水供給処理では、循環ポンプ11を停止させた状態で給水路18から膨張タンク10に水を供給し、上限センサ16によって上限レベルの水位が検出されると水の供給を停止させる。
クリーニング排出制御では、上述の真水供給処理と真水循環処理と真水排出処理とを設定回数(例えば、3回)繰り返し実行することで、温水流路4内のクリーニング液の濃度を低下させている。
【0036】
次に、
図7及び
図8のフローチャートに基づいて制御装置6による制御について説明を加える。
図7に示すように、リモコン7によって床暖房操作が行われた場合(ステップ#31でYesの場合)に、床暖房制御を実行(ステップ#32)し、床暖房制御の実行中にリモコン7によって床暖房停止操作が行われることで床暖房制御が終了する。そして、床暖房制御が行われていない場合(ステップ#31でNoの場合)において、前回スケール除去制御を実行してから設定期間が経過することでエア抜きタイミング(スケール除去タイミング)が訪れた場合(ステップ#33でYesの場合)は、スケール除去制御を実行する(ステップ#34)。
図8に示すように、スケール除去制御では、クリーニング液供給処理を実行(ステップ#41)してクリーニング液を温水流路4に供給した後、エア挿入循環処理を実行する(ステップ#42)ことでクリーニング液を空気とともに温水流路4を循環させてスケールの除去を行う。
そして、クリーニング液排出処理(ステップ#43)を実行した後、真水供給処理(ステップ#44)、真水循環処理(ステップ#45)、真水排出処理(ステップ#46)を繰り返し実行(ステップ#47でNoの場合)し、これらの処理を設定回数実行(ステップ#47でYesの場合)して水によって温水流路4内、熱源機内流路9内、端末内流路を浄化させた後、真水供給処理を実行して設定量まで水を貯留する(ステップ#48)。
【0037】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0038】
(1)上記第1及び第2実施形態では、スケール除去制御を実行することでエア抜き制御を実行したこととしたが、スケール除去制御をエア抜き制御とは別に実行するようにしてもよい。
【0039】
(2)上記第2実施形態において、スケール除去制御(クリーニング液供給処理及びエア挿入循環処理)を実行した後にクリーニング液排出制御を実行したが、スケール除去制御の後にクリーニング液排出制御を実行しなくてもよい。また、上記第1実施形態において、スケール除去制御(クリーニング液供給処理及びクリーニング液循環処理)を実行した後にクリーニング液排出制御を実行してもよい。
【0040】
(3)第2実施形態では、排出部45を、温水流路4内に空気を流入させる流入部としても機能させたが、排出部45とは別に温水流路4内に空気を流入させる流入部を備えてもよい。
【0041】
(4)上記実施形態では、クリーニング液を、クエン酸を利用した水溶液としたが、クリーニング液を、スルファミン酸やリン酸を利用した水溶液としてもよく、クリーニング液の成分は、発生したスケールに応じた水溶液を用いればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 温水供給システム
2 熱源機(温水生成部)
3 床暖房端末
4 温水流路
6 制御装置(制御部)
11 循環ポンプ(温水供給部)
27 クリーニング液タンク(タンク)
28 クリーニング液流路
34 スケール除去部
44 水流入部
45 排出部