(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131562
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法
(51)【国際特許分類】
B65D 88/12 20060101AFI20240920BHJP
B64D 9/00 20060101ALI20240920BHJP
B65D 90/02 20190101ALI20240920BHJP
F25D 23/06 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
B65D88/12 B
B64D9/00
B65D90/02 B
F25D23/06 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041906
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000187208
【氏名又は名称】昭和飛行機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】並木 覚太郎
(72)【発明者】
【氏名】川村 健太
(72)【発明者】
【氏名】富田 勇一
【テーマコード(参考)】
3E170
3L102
【Fターム(参考)】
3E170AA25
3E170AB30
3E170DA09
3E170LA06
3E170NA05
3L102JA06
3L102LC01
3L102MA01
(57)【要約】
【課題】第1に、断熱ボックスの容積を、最大限大きくすることが可能で、第2に、しかもこれが簡単容易に実現される、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法を提案する。
【解決手段】この断熱ボックスの組み込み方法は、航空機の貨物室に搭載される航空コンテナ1内に、断熱ボックスを組み込む。そして、断熱ボックスを構成する各面の断熱パネルCを、航空コンテナ1内に運び入れて、組付けて行くことにより、断熱ボックスが組み立てられる。各面の断熱パネルCは、航空コンテナ1の正面出入口11から、運び入れ可能な寸法設定よりなる。そして個々に順次、正面出入口11から航空コンテナ1内に運び入れると共に、個々に順次、航空コンテナ1内にて組付けて行くことにより、航空コンテナ1内で、その縦,横,奥行にほぼ準じた、断熱ボックスが組み立てられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の貨物室に搭載される航空コンテナ内に、断熱ボックスを組み込む方法であって、予め準備された、該断熱ボックスを構成する各面の断熱パネルを、該航空コンテナ内に運び入れて、組付けて行くことにより、
該航空コンテナ内で該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法。
【請求項2】
請求項1において、各面の該断熱パネルは、該航空コンテナの正面出入口から、運び入れ可能な寸法設定よりなり、個々に順次、該正面出入口から該航空コンテナ内に運び入れると共に、個々に順次、該航空コンテナ内にて組付けて行くことにより、
該航空コンテナ内で、該航空コンテナ内の縦,横,奥行にほぼ準じた箱状をなす、該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法。
【請求項3】
請求項2において、まず、該断熱パネルのフロアパネルを運び入れて、該航空コンテナの床面上に組付け、次に、背面パネルを運び入れて、該フロアパネルの後端上に組付け、
それから、左右側面パネルをそれぞれ運び入れて、該フロアパネルの左右端上および該背面パネルの左右端にそれぞれ組付け、そして、トップパネルを運び入れて、該背面パネルの上端上および該左右側面パネルの上端上に組付けた後、
ドアパネルを、該フロアパネルの前端上,該左右側面パネルの前端,該トップパネルの前端下に、組付けることにより、
該航空コンテナ内で、該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法。
【請求項4】
請求項2において、該航空コンテナは、床面,背面,左右側面,天井面と、該正面出入口を閉鎖可能なドアとで、構成されており、
まず、該断熱パネルのフロアパネルを運び入れて、該床面に組付け、次に、背面パネルを運び入れて、該背面に組付け、それから、左右側面パネルをそれぞれ運び入れて、該左右側面にそれぞれ組付け、そして、トップパネルを運び入れて、該天井面に組付けた後、
ドアパネルを、該フロアパネルの前端上,該左右側面パネルの前端,該トップパネルの前端下に、組付けることにより、該航空コンテナ内で、該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法。
【請求項5】
請求項3又は4において、該フロアパネル,該トップパネルは、該航空コンテナ内の床面より僅かに小の寸法設定よりなり、
該左右側面パネルは、該航空コンテナ内の高さ,奥行より僅かに小の寸法設定よりなり、該背面パネル,該ドアパネルは、該航空コンテナの正面出入口に、ほぼ見合った寸法設定よりなること、を特徴とする、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法、に関する。すなわち、航空機の貨物室に搭載される航空コンテナ内に、断熱ボックスを組み込む方法に、関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
航空機において、荷物や貨物の輸送は、次のように行われている。以下、航空機の代表例として、旅客機について説明する。
すなわち、
図3,
図4に示したように、荷物や貨物は、航空コンテナ1に積込まれ、荷物や貨物を積込んだ航空コンテナ1が、旅客機2の貨物室3に搭載されて、航空輸送される。
図中4は、空港で航空コンテナ1を搬送する専用のキャリアカー、5は、旅客機2へと輸送するベルトローダー車である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
このような航空コンテナ1としては、例えば、次の特許文献1,2中に示されたものが、挙げられる。
【特許文献1】特開平8-244878号公報
【特許文献2】特開2019-162890号公報
【0004】
《従来技術》
このような航空コンテナ1に積込まれる荷物や貨物には、保温,保冷を要するものが多々ある。
その場合には、断熱ボックスが代表的に用いられている。すなわち、航空コンテナ1内に、断熱パネル製の断熱ボックスを組み込むと共に、断熱ボックス内に荷物や貨物を積込むことにより、その保温,保冷を図っていた。
【0005】
図2の(3)図は、このような断熱ボックスの従来例を示す。従来、断熱ボックスAは、航空コンテナ1外で組み立てられてから、→航空コンテナ1内へと運び込まれることにより、→航空コンテナ1内に組み込まれていた。
航空コンテナ1内に組み込まれた断熱ボックスAは、箱状を形成する各断熱パネルが、それぞれ対応する航空コンテナ1の各面に対し、内側から対応位置している。
因に、航空コンテナ1の各面は、
図3の(1)図に示したように、床面6,背面7,左側面8,右側面9,天井面10と、正面出入口11のドア12とで、構成されている。図中13は正面片である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来技術については、次の問題が課題となっていた。断熱ボックスAの容積が限定される、という問題が指摘されていた。
すなわち断熱ボックスAは、前述したように従来、外部で組み立てられてから、→航空コンテナ1内へと運び込まれることにより、→航空コンテナ1内に組み込まれていた。そして運び込みは、正面出入口11から行われていた。
このように、組み立てられてから運び込まれるので、断熱ボックスAは、縦,横,奥行の外形寸法が、航空コンテナ1の正面出入口11を通過可能,運び入れ可能な寸法に、制限されていた。
従って、組み込まれた断熱ボックスAは、縦,横,奥行寸法が、航空コンテナ1内の縦,横,奥行寸法より、かなり小の箱状となっていた。
もって、断熱ボックスAの容積が、航空コンテナ1の容積に比し小となり、その分、積込める荷物や貨物の量も小となっていた。そこで、航空コンテナ1の容積が活用されない、という指摘があった。
【0007】
《本発明について》
本発明の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、断熱ボックスの容積を、最大限大きくすることが可能であり、第2に、しかもこれが簡単容易に実現される、航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法は、航空機の貨物室に搭載される航空コンテナ内に、断熱ボックスを組み込む方法に関する。
そして予め準備された、該断熱ボックスを構成する各面の断熱パネルを、該航空コンテナ内に運び入れて、組付けて行くことにより、該航空コンテナ内で該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする。
【0009】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法では、請求項1において、各面の該断熱パネルは、該航空コンテナの正面出入口から、運び入れ可能な寸法設定よりなる。
そして個々に順次、該正面出入り口から該航空コンテナ内に運び入れると共に、個々に順次、該航空コンテナ内にて組付けて行く。
もって該航空コンテナ内で、該航空コンテナ内の縦,横,奥行にほぼ準じた箱状をなす該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする。
【0010】
請求項3については、次のとおり。
請求項3の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法では、請求項2において、まず、該断熱パネルのフロアパネルを運び入れて、該航空コンテナの床面上に組付ける。
次に、背面パネルを運び入れて、該フロアパネルの後端上に組付ける。それから、左右側面パネルをそれぞれ運び入れて、該フロアパネルの左右端上および該背面パネルの左右端にそれぞれ組付ける。
そして、トップパネルを運び入れて、該背面パネルの上端上および該左右側面パネルの上端上に組付ける。それからドアパネルを、該フロアパネルの前端上,該左右側面パネルの前端,該トップパネルの前端下に、組付ける。
もって、該航空コンテナ内で、該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする。
【0011】
請求項4については、次のとおり。
請求項4の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法では、請求項2において、該航空コンテナは、床面,背面,左右側面,天井面と、該正面出入口である該開口を閉鎖可能なドアとで、構成されている。
そしてまず、該断熱パネルのフロアパネルを運び入れて、該床面に組付ける。次に、背面パネルを運び入れて、該背面に組付ける。それから、左右側面パネルをそれぞれ運び入れて、該左右側面にそれぞれ組付ける。
そして、トップパネルを運び入れて、該天井面に組付ける。それからドアパネルを、該フロアパネルの前端上,該左右側面パネルの前端,該トップパネルの前端下に、組付ける。
もって、該航空コンテナ内で、該断熱ボックスが組み立てられること、を特徴とする。
【0012】
請求項5については、次のとおり。
請求項5の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法では、請求項3又は4において、該フロアパネル,該トップパネルは、該航空コンテナ内の床面より僅かに小の寸法設定よりなる。
該左右側面パネルは、該航空コンテナ内の高さ,奥行より僅かに小の寸法設定よりなる。該背面パネル,該ドアパネルは、該航空コンテナの正面出入口に、ほぼ見合った寸法設定よりなること、を特徴とする。
【0013】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)本発明は、航空コンテナ内に断熱ボックスを組み込む方法、に関する。
(2)そして、断熱ボックスを構成する各面の断熱パネルを、個々に順次、航空コンテナ内に運び入れ,組付けて,組み立てることを、特徴とする。
(3)断熱ボックスの各面の断熱パネルは、フロアパネル,背面パネル,左右側面パネル,トップパネル,ドアパネル、等よりなる。そして、これらは各々、航空コンテナの床面,背面,左右側面,天井面,正面出入口やドア、等に対応する。
(4)又、各面の断熱パネルは、航空コンテナの正面出入口から、運び込み可能な寸法設定よりなる。
(5)更に、これら各面の断熱パネルは、航空コンテナの対応する各面に対し、僅かに小か、ほぼ見合った寸法設定よりなる。
(6)本発明の実施例1は、各断熱パネル相互間の組付けを主とする。もって断熱ボックスが、航空コンテナ内で航空コンテナに対しほぼ独立して、隣接,対峙,併設状態で組み込まれる。
(7)本発明の実施例2は、航空コンテナ各面への組付けを主とする。もって断面ボックスが、航空コンテナ内に添着,内嵌状態で組み込まれる。
(8)さてそこで、本発明によると、航空コンテナ内の縦,横,奥行にほぼ準じた断熱ボックスを、組み込むことが可能となる。
(9)従って、断熱ボックスの容積を、航空コンテナの容積より僅かに小程度と、最大限大きくすることが可能となる。
(10)しかもこれは、前述したように運び入れ,組付け,組み立て等の簡単なステップを辿って、容易に実現される。
【発明の効果】
【0014】
《第1の効果》
第1に、断熱ボックスの容積を、最大限大きくすることが可能である。
本発明の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法は、各面の断熱パネルを、航空コンテナ内に運び入れ,組付けて、断熱ボックスを組み立てることを、特徴とする。
そこで、航空コンテナ内の縦,横,奥行にほぼ準じた箱状をなす断熱ボックスを、航空コンテナ内に組み込むことが可能となる。
もって、断熱ボックスの容積を最大限大きくでき、航空コンテナの容積に近付け、ほぼ準じたものとすることが可能となる。
前述したこの種従来例の断熱ボックスに比し、断熱ボックスの容積が増加し、その分、積込める荷物や貨物の量も増加し、航空コンテナの容量が最大限活用されるようになる。
【0015】
《第2の効果》
第2に、しかもこれは、簡単容易に実現される。
本発明の航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法は、各面の断熱パネルを、個々に順次、航空コンテナ内に運び入れ,組付けて行くことにより、航空コンテナ内で断熱ボックスを組み立てることを、特徴とする。
このように、簡単なステップを辿ることにより、前述したように容積大の断熱ボックスを、容易に航空コンテナ内に組み込むことができる。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る航空コンテナ内への断熱ボックスの組み込み方法について、発明を実施するための形態の説明に供し、斜視図である。そして(1)図は、航空コンテナを示し、(2)図は、断熱ボックスの各断熱パネルを示す。
【
図2】(1)図,(2)図は、同発明を実施するための形態の説明に供し、斜視図である。そして(1)図は、断熱パネルが組付けられた航空コンテナ、(2)図は、ドアパネルも組付けられた航空コンテナを示す。 (3)図は、従来例の説明に供し、断熱ボックスの斜視図である。
【
図3】(1)図は、航空コンテナの外観斜視図である。(2)図は、空港における航空機への航空コンテナの搬入状況を示す、斜視説明図である。
【
図4】空港における航空機への航空コンテナの搬入状況を示す、写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
《航空コンテナ1について》
まず、航空コンテナ1について、一般的に説明する。
図3の(2)図,
図4に示したように、航空輸送される荷物や貨物は、規格化された航空コンテナ1に、積込まれる。そして、荷物や貨物を積んだ航空コンテナ1が、旅客機2の貨物室3に搭載されて、航空輸送される。
図1~
図3の(1)図に示したように、航空コンテナ1は、床面6,背面7,左側面8,右側面9,天井面10,正面出入口11のドア12,正面片13、等を備えている。航空コンテナ1内には、断熱ボックスAが組み込まれている。
【0018】
このような航空コンテナ1について、更に詳述する。航空コンテナ1は、旅客機2の貨物室(カーゴルーム)3について、その内部曲線形状に合わせた形をなすと共に、その室内高さを有効利用する高さ設定よりなる。もって規格化,商品化され、汎用品として使用されており、本発明は、このような既存の航空コンテナ1を対象とする。
そして航空コンテナ1は、
図1の(1)図,
図3の(1)図等に示したように、アルミ材製等の密閉構造の箱状をなし、骨組の各コーナーフレーム間に、各面の面板が取付けられている。
もって各面の面板にて、床面6,背面7,左側面8,右側面9,天井面10,正面片13等が、形成されている。又、正面出入口11が、上下開閉式のドア12にて閉鎖可能となっている。
そして、この航空コンテナ1は、
図2の(1)図,(2)図等に示したように、内部に断熱パネルC製の断熱ボックスAが組み込まれた、保温,保冷コンテナよりなる。
このような、航空コンテナ1に積込まれる荷物や貨物としては、医薬品が代表的であるが、各種食品,その他も考えられる。
航空コンテナ1の一般的説明については、以上のとおり。
【0019】
《本発明の概要》
以下、本発明について説明する。まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明に係る、航空コンテナ1内への断熱ボックスBの組み込み方法は、旅客機2等の
航空機の貨物室に搭載される航空コンテナ1内に、断熱ボックスBを組み込む方法に関する。
そして、予め準備された、断熱ボックスBを構成する各面の断熱パネルCを、個々に順次、正面出入口11から航空コンテナ1内に運び入れると共に、個々に順次、航空コンテナ1内にて組付けて行く。もって、航空コンテナ1内で断熱ボックスBが、組み立てられる。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について詳述する。
【0020】
《断熱パネルCについて》
まず、
図1を参照して、断熱パネルCについて説明する。
断熱ボックスBを構成する断熱パネルCとしては、発泡ウレタン,その他の発泡材,真空断熱材等,熱伝道率の低い材料が使用される。もって、航空コンテナ1に積込まれた荷物や貨物を保温、保冷する。
各面の断熱パネルCは、次の各パネルよりなり、それぞれ、航空コンテナ1の各面に対応する。
すなわち、断熱ボックスBのフロアパネル14は、航空コンテナ1の床面6に対応し、背面パネル15が背面7に、左側面パネル16が左側面8に、右側面パネル17が右側面9に、トップパネル18が天井面10に、ドアパネル19が正面出入口11やドア12に、それぞれ対応する。
【0021】
断熱パネルCの寸法設定については、次のとおり。
まず、断熱ボックスBの各面の断熱パネルCは、航空コンテナ1の正面出入口11から、運び入れ可能な寸法設定よりなる。
すなわち、断熱パネルCのフロアパネル14,背面パネル15,左側面パネル16,右側面パネル17,トップパネル18,ドアパネル19等は、いずれも航空コンテナ1の正面出入口11から運び入れ可能な、縦,横,奥行の寸法設定よりなる。なお運び入れは、水平のみならず、傾斜させても可能であることを前提とする。
更に、フロアパネル14,トップパネル18は、航空コンテナ1内の床面6より僅かに小の縦,横の寸法設定よりなる。左右側面パネル16,17は、航空コンテナ1内の高さ,奥行より僅かに小の縦,横の寸法設定よりなる。
背面パネル15,ドアパネル19は、航空コンテナ1の正面出入口11に、ほぼ見合った縦,横の寸法設定よりなる。背面パネル15は僅かにより大、ドアパネル19は僅かにより小の寸法設定よりなる。
断熱パネルCについては、以上のとおり。
【0022】
《実施例1》
本発明の実施例1について、
図1の(1)図,(2)図,
図2の(1)図,(2)図等を参照して、説明する。
実施例1に係る航空コンテナ1内への断熱ボックスBの組み込み方法は、次のステップ(イ)~(ト)を辿る。
運び入れと組付けのステップ(イ)~(ト)を、個々に順次辿ることにより、航空コンテナ1内に断熱ボックスBが、航空コンテナ1に対しほぼ独立して隣接,対峙,併設された状態で、組み込まれる。
【0023】
すなわち、(イ)まず、フロアパネル14を運び入れて、航空コンテナ1の床面6上に、組付ける。
(ロ)次に、背面パネル15を運び入れて、上述により運び入れ,組付けられていたフロアパネル14の後端上に、組付ける。
(ハ)それから、左右側面パネル16,17をそれぞれ運び入れて、上述により運び入れ,組付けられていたフロアパネル14の左右端上および背面パネル15の左右端に、それぞれ組付ける。
(ニ)そして、トップパネル18を運び入れて、上述により運び入れ,組付けられていた背面パネル15の上端上および左右側面パネル16,17の上端上に、組付ける。
(ホ)しかる後、ドアパネル19を、上述により運び入れ,組付けられていたフロアパネル14の前端上で,左右側面パネル16,17の前端,かつトップパネル18の前端下に、組付ける。
(ヘ)もって、航空コンテナ1内で断熱ボックスBが、組み立てられる。
(ト)このようなステップ(イ)~(ヘ)を辿ることにより、断熱パネルCの相互間組付けを主としつつ、断熱ボックスBの組み込みが完成する。
【0024】
なお、断熱パネルCの組付けには、公知の各種部材を使用する。例えば、断熱パネルCの組付け対象箇所の端部について、まず、組付け用の溝体を外嵌,固定する。
そして、断熱パネルC相互間の組付けは、相互の該溝体間を取付け,固定する。又、航空コンテナ1面との組付けは、該溝体を航空コンテナ1面に対し取付け,固定する。その他、各種の組付け方法が考えられる。
実施例1については、以上のとおり。
【0025】
《実施例2》
本発明の実施例2について、
図1の(1)図,(2)図,
図2の(1)図,(2)図等を参照して、説明する。
実施例2に係る航空コンテナ1内への断熱ボックスBの組み込み方法は、次のステップ(イ’)~(ト’)を辿る。
運び入れと組付けのステップ(イ’)~(ト’)を、個々に順次辿ることにより、航空コンテナ1内に断熱ボックスBが、添着して内嵌された状態で、組み込まれる。
【0026】
すなわち、(イ’)まず、フロアパネル14を運び入れて、航空コンテナ1の床面6上に、組付ける。
(ロ’)次に、背面パネル15を運び入れて、航空コンテナ1の背面7に、組付ける。
(ハ’)それから、左右側面パネル16,17をそれぞれ運び入れて、航空コンテナ1の左右側面8,9に、それぞれ組付ける。
(ニ’)そして、トップパネル18を運び入れて、航空コンテナ1の天井面10に、組付ける。
(ホ’)しかる後、ドアパネル19を、上述により運び入れ,組付けられていたフロアパネル14の前端上で,左右側面パネル16,17の前端,かつトップパネル18の前端下に、組付ける。
(ヘ’)もって、航空コンテナ1内で断熱ボックスBが、組み立てられる。
(ト’)このようなステップ(イ’)~(ヘ’)を辿ることにより、断熱パネルCの航空コンテナ1各面への組付けを主としつつ、断熱ボックスBの組み込みが完成する。
なお、組付け用の部材については、実施例1で説明した所に準じる。
実施例2については、以上のとおり。
【0027】
《作用等》
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)本発明の航空コンテナ1内への断熱ボックスBの組み込み方法は、旅客機2等の航空機の貨物室3に搭載される航空コンテナ1内に、断熱ボックスBを、組み込む方法に関する(
図3,
図4を参照)。
【0028】
(2)そして、断熱ボックスBを構成する各面の断熱パネルCを、個々に順次、航空コンテナ1内に正面出入口11から運び入れて、航空コンテナ1内で組付けて行く(
図1を参照)。
本発明は、このようなステップを辿ることにより、航空コンテナ1内部で断熱ボックスBの組み立てが成立する。すなわち、航空コンテナ1内でボックス形状が成立し、断熱ボックスBが組み立てられて、組み込まれることを特徴とする(
図2の(1)図,(2)図を参照)。
【0029】
(3)そして、断熱ボックスBを構成する各面の断熱パネルCは、フロアパネル14,背面パネル15,左側面パネル16,右側面パネル17,トップパネル18,ドアパネル19、等よりなる。
もって、このような各面の断熱パネルCは、それぞれが、航空コンテナ1の各面に対応する。航空コンテナ1の床面6,背面7,左側面8,右側面9,天井面10,正面出入口11やドア12、等に対応する(
図2の(1)図,(2)図を参照)。
【0030】
(4)又、このような各面の断熱パネルCは、それぞれ、航空コンテナ1の正面出入口11から、運び入れ可能な寸法設定よりなる。
【0031】
(5)更に、フロアパネル14,トップパネル18は、それぞれ、航空コンテナ1の床面6より、僅かに小の寸法設定よりなる。左右側面パネル16,17は、航空コンテナ1内の高さ,奥行より、僅かに小の寸法設定よりなる。
背面パネル15,ドアパネル19は、それぞれ、航空コンテナ1の正面出入口11に、ほぼ見合った寸法設定よりなる。
【0032】
(6)ところで、前述した本発明の実施例1は、各断熱パネルCの相互間組付けを、主とする。もって、航空コンテナ1内において断熱ボックスBが、ほぼ独立して隣接,対峙,併設された状態で、組み込まれる。
【0033】
(7)これに対し、前述した本発明の実施例2は、各断熱パネルCの航空コンテナ1各面への組付けを、主とする。もって、航空コンテナ1内に断熱ボックスBが、添着して内嵌された状態で、組み込まれる。
【0034】
(8)さてそこで、本発明の航空コンテナ1内への断熱ボックスBの組み込み方法によると、航空コンテナ1内の縦,横,奥行にほぼ準じ、僅かに小の縦,横,奥行の箱状をなす断熱ボックスBを、組み込むことが可能となる。
【0035】
(9)従って、本発明によると、断熱ボックスBの容積を、最大限大きくすることが可能となる。航空コンテナ1の容積に近付けることが、可能となる。僅かに小の容積とすることが、可能となる。
【0036】
(10)しかもこれは、各面の断熱パネルCを、個々に順次、航空コンテナ1内に運び入れ,組付けて,組み立てることにより、実現される。本発明は、このような簡単なステップを辿ることにより、断熱ボックスBの容積最大化を実現する。
本発明の作用等については、以上のとおり。
【符号の説明】
【0037】
A 断熱ボックス(従来例)
B 断熱ボックス(本発明)
C 断熱パネル
1 航空コンテナ
2 旅客機
3 貨物室
4 キャリアカー
5 ベルトローダー車
6 床面
7 背面
8 左側面
9 右側面
10 天井面
11 正面出入口
12 ドア
13 正面片
14 フロアパネル
15 背面パネル
16 左側面パネル
17 右側面パネル
18 トップパネル
19 ドアパネル