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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131576
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】電源装置および固体電解コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240920BHJP
   H01G 9/048 20060101ALI20240920BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H01G9/048 F
H01G9/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041925
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸二
(72)【発明者】
【氏名】鯉江 周作
(72)【発明者】
【氏名】倉貫 健司
(72)【発明者】
【氏名】根来 昇
(72)【発明者】
【氏名】半田 浩之
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730EE59
5H730EE61
5H730FD01
5H730ZZ12
5H730ZZ15
(57)【要約】
【課題】小型かつ高効率でノイズの少ない電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置100は、スイッチングレギュレータ110と、固体電解コンデンサ10と、を備え、負荷回路130,140に直流電圧を入力する。固体電解コンデンサ10は、それぞれが陽極体および陰極部を有し、陰極部の両端から陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子17と、陰極部に電気的に接続される陰極端子と、を有する。各コンデンサ素子における2つの突出部は、互いに電気的に導通している。一方の陽極端子17は、スイッチングレギュレータ110の出力端子112に直流的に接続される。他方の陽極端子17は、負荷回路130,140の入力端子130a,140aに直流的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を出力するスイッチングレギュレータと、
前記スイッチングレギュレータの前記直流電圧を平滑化する固体電解コンデンサと、
を備え、
前記固体電解コンデンサにより平滑化された直流電圧を負荷回路に入力するように構成された電源装置であって、
前記固体電解コンデンサは、
それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、
前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、
前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、
を有し、
各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、
一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、
他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される、電源装置。
【請求項2】
前記負荷回路は、アナログ負荷回路である、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記陰極端子は、
前記外装樹脂から露出する実装面部と、
前記実装面部に連続して立ち上がり、各前記陰極部の側面に電気的に接続される側壁部と、
を有する、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項4】
各前記陰極部は、第1幅を有する第1部分と、前記第1幅よりも小さな第2幅を有する第2部分と、を有し、
前記陰極端子は、前記陰極部の前記第2部分の側面に電気的に接続される側壁部を有する、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項5】
前記固体電解コンデンサは、前記陰極部に電気的に接続された陰極箔をさらに有し、
前記陽極体の前記突出部の端面は、前記陽極端子に電気的に接続され、
前記陰極箔の端面は、前記陰極端子に電気的に接続される、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項6】
前記スイッチングレギュレータの前記直流電圧を平滑化するデカップリングコンデンサをさらに備え、
前記デカップリングコンデンサにより平滑化された直流電圧をデジタル負荷回路に入力するように構成される、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項7】
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記負荷回路に対応する電圧値と、前記デジタル負荷回路に対応する電圧値とに基づいて制御される、請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
前記固体電解コンデンサの前記陽極端子とグランドとの間に設けられたデカップリングコンデンサをさらに備える、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項9】
前記負荷回路は、複数設けられており、
前記固体電解コンデンサは、各前記負荷回路に対して少なくとも1つずつ設けられる、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項10】
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記複数の負荷回路に対応する複数の電圧値に基づいて制御される、請求項9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記固体電解コンデンサと前記負荷回路との間で検知される電圧値に基づいて制御される、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項12】
前記固体電解コンデンサの容量値は、80μF以上である、請求項1または2に記載の電源装置。
【請求項13】
スイッチングレギュレータから出力された直流電圧を平滑化して負荷回路に入力する固体電解コンデンサであって、
それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、
前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、
前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、
を備え、
各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、
一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、
他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される、固体電解コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置および固体電解コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低ノイズの直流電圧を出力する電源装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の電源装置は、直流電圧を出力するスイッチングレギュレータと、スイッチングレギュレータの直流電圧からノイズ成分を除去するリニアレギュレータとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-253001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リニアレギュレータは、その動作原理上、制御素子において熱損失が発生する。また、リニアレギュレータは、その前段および後段に、デカップリング用のコンデンサを設ける必要がある。そのため、特許文献1の電源装置には、効率やサイズの観点で改善の余地がある。このような状況において、本開示は、小型かつ高効率でノイズの少ない電源装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る一局面は、電源装置に関する。当該電源装置は、直流電圧を出力するスイッチングレギュレータと、前記スイッチングレギュレータの前記直流電圧を平滑化する固体電解コンデンサと、を備え、前記固体電解コンデンサにより平滑化された直流電圧を負荷回路に入力するように構成された電源装置であって、前記固体電解コンデンサは、それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、を有し、各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される。
【0006】
本開示に係る別の一局面は、固体電解コンデンサに関する。当該固体電解コンデンサは、スイッチングレギュレータから出力された直流電圧を平滑化して負荷回路に入力する固体電解コンデンサであって、それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、を備え、各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、小型かつ高効率でノイズの少ない電源装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示に係る電源装置の一例を示す回路ブロック図である。
図2】実施形態1の固体電解コンデンサを模式的に示す側面透視図である。
図3】コンデンサ素子を模式的に示す側面断面図である。
図4】複数のコンデンサ素子と陰極端子を模式的に示す斜視図である。
図5】固体電解コンデンサの等価回路図である。
図6】実施形態2の固体電解コンデンサを模式的に示す側面透視図である。
図7】コンデンサ素子を模式的に示す斜視図である。
図8】実施形態3の固体電解コンデンサを模式的に示す断面図である。
図9図8のIX-IX断面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係る電源装置および固体電解コンデンサの実施形態について例を挙げて以下に説明する。しかしながら、本開示は以下に説明する例に限定されない。以下の説明では、具体的な数値や材料を例示する場合があるが、本開示の効果が得られる限り、他の数値や材料を適用してもよい。
【0010】
本開示に係る電源装置は、ノイズ要求の厳しい種々の負荷回路(例えば、アナログ信号を取り扱うアナログ負荷回路)の電源装置として好適に使用可能である。なお、本開示に係る電源装置を、ノイズ要求がさほど厳しくない負荷回路(例えば、デジタル信号を取り扱うデジタル負荷回路)の電源装置としても使用できることは言うまでもない。本開示に係る電源装置は、スイッチングレギュレータと、本開示に係る固体電解コンデンサとを備え、負荷回路に平滑化された直流電圧を入力するように構成される。
【0011】
スイッチングレギュレータは、直流電圧を出力する。スイッチングレギュレータは、入力される直流電圧を、一対のスイッチング素子を有するレグで降圧して出力してもよい。レグが有するスイッチング素子は、MOSFETであってもよいし、バイポーラトランジスタであってもよい。各スイッチング素子がMOSFETである場合、上側アームを構成するMOSFETは、NチャネルMOSFETまたはPチャネルMOSFETであってもよく、下側アームを構成するMOSFETは、NチャネルMOSFETであってもよい。各スイッチング素子がバイポーラトランジスタである場合、上側アームを構成するバイポーラトランジスタは、NPNバイポーラトランジスタまたはPNPバイポーラトランジスタであってもよく、下側アームを構成するバイポーラトランジスタは、NPNバイポーラトランジスタであってもよい。
【0012】
スイッチングレギュレータは、上記一対のスイッチング素子の間の接続点に一方の端子が接続されるチョークコイルを有してもよい。チョークコイルの他方の端子は、スイッチングレギュレータの出力端子を構成してもよい。
【0013】
スイッチングレギュレータは、負荷回路への入力電圧(あるいは、固体電解コンデンサへの入力電圧)に基づいて、一対のスイッチング素子をオンオフ制御する制御部を有してもよい。制御部は、当該入力電圧(または、当該入力電圧の分圧電圧)と所定の基準電圧との比較結果に基づいて、一対のスイッチング素子をオンオフ制御してもよい。電圧比較を行うための電圧比較部は、アナログ回路で構成されてもよいし、デジタル回路で構成されてもよい。前者の場合、基準電圧を出力するための基準電圧回路が必要になるが、後者の場合、電圧比較をデジタル演算回路で行うため、そのような基準電圧回路は不要となる。制御部は、各スイッチング素子をオンオフ制御するためのドライブ回路を含んでもよい。スイッチングレギュレータは、電圧比較に際してスイッチングレギュレータへの入力電圧の情報を加味するための入力電圧検知部を有してもよい。
【0014】
スイッチングレギュレータでは、一対のスイッチング素子のオンオフ動作時に、スパイク電圧が発生し、それがノイズ成分として、スイッチングレギュレータが出力する直流電圧に重畳する。スイッチングレギュレータの出力端子(例えば、チョークコイルの他方の端子)は、固体電解コンデンサの一方の陽極端子(後述)に直流的に接続される。そのため、スイッチングレギュレータが出力するノイズ成分を含む直流電圧は、固体電解コンデンサの一方の陽極端子に入力される。
【0015】
本明細書において、一の端子(例えば、固体電解コンデンサの一方の陽極端子)と別の端子(例えば、スイッチングレギュレータの出力端子)とが「直流的に接続される」とは、両端子が配線により直接的に接続される場合のみでなく、両端子の間に直流抵抗が小さい回路素子(例えば、インダクタ)を挿入する場合をも含む。
【0016】
固体電解コンデンサは、スイッチングレギュレータの直流電圧を平滑化する。固体電解コンデンサは、当該直流電圧を、その平均値を維持して平滑化してもよい。固体電解コンデンサは、3端子型または4端子型の固体電解コンデンサであってもよい。前者の場合、3つの端子には、2つの陽極端子と1つの陰極端子が含まれてもよく、後者の場合、4つの端子には、2つの陽極端子と2つの陰極端子が含まれてもよい。
【0017】
固体電解コンデンサは、複数のコンデンサ素子と、2つの陽極端子と、陰極端子と、外装樹脂とを有する。なお、陽極端子は2つ以上であればよく、陰極端子は1つ以上であればよい。
【0018】
複数のコンデンサ素子は、それぞれが陽極体と、陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部とを有し、陰極部の互いに対向する両端からそれぞれ陽極体の一部が突出している。以下、陽極体のうち陰極部の両端から突出した部分を突出部ともいう。複数のコンデンサ素子は、互いに積層される。各コンデンサ素子において、陽極体の2つの突出部は、互いに電気的に導通している。各コンデンサ素子は、陽極体と陰極部との間に設けられ、両者を電気的に絶縁する絶縁部をさらに有してもよい。絶縁部は、例えば、絶縁テープや絶縁樹脂で構成されてもよい。
【0019】
陽極体は、弁作用金属で構成されてもよい。陽極体を構成する弁作用金属としては、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンなどが挙げられる。陽極体は、弁作用金属の箔であってもよいし、弁作用金属粒子の焼結体であってもよい。積層方向において隣り合う陽極体は、互いに電気的に接続されていてもよい。
【0020】
誘電体層は、陽極体の表面の少なくとも一部を覆ってもよい。誘電体層は、陽極体の表面に陽極酸化などの液相法や、蒸着、原子層堆積法などの気相法などにより形成された酸化物(例えば、酸化アルミニウム)で構成されてもよい。誘電体層は、少なくとも、陽極体と陰極部との間に介在するように形成される。
【0021】
陰極部は、誘電体層の表面の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、固体電解質層の表面の少なくとも一部を覆う陰極層とを有してもよい。積層方向において隣り合う陰極部は、互いに電気的に接続されていてもよい。固体電解質層は、導電性高分子を含んでもよい。固体電解質層は、必要に応じて、さらに、ドーパントを含んでもよい。
【0022】
導電性高分子としては、固体電解コンデンサに使用される公知のもの、例えば、π共役系導電性高分子などが使用できる。導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフラン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、およびポリチオフェンビニレンを基本骨格とする高分子が挙げられる。これらのうち、ポリピロール、ポリチオフェン、またはポリアニリンを基本骨格とする高分子が好ましい。上記の高分子には、単独重合体、二種以上のモノマーの共重合体、およびこれらの誘導体(置換基を有する置換体など)も含まれる。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。導電性高分子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
ドーパントとしては、例えば、低分子アニオンおよびポリアニオンからなる群より選択される少なくとも一種が使用される。低分子アニオンとしては、例えば、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硼酸イオン、有機スルホン酸イオン、カルボン酸イオンなどが挙げられるが、特に制限されない。有機スルホン酸イオンを生成するドーパントとしては、例えば、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびナフタレンスルホン酸などが挙げられる。ポリアニオンとしては、例えば、高分子タイプのポリスルホン酸および高分子タイプのポリカルボン酸などが挙げられる。高分子タイプのポリスルホン酸としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、およびポリメタクリルスルホン酸などが挙げられる。高分子タイプのポリカルボン酸としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸などが挙げられる。ポリアニオンには、ポリエステルスルホン酸、およびフェノールスルホン酸ノボラック樹脂なども含まれる。しかし、ポリアニオンは、これらに制限されるものではない。
【0024】
固体電解質層は、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、および導電性高分子以外の公知の導電性材料を含んでもよい。このような導電性材料としては、例えば、二酸化マンガンなどの導電性無機材料、およびTCNQ錯塩からなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
【0025】
陰極層は、固体電解質層の表面に形成されたカーボン層と、カーボン層の表面に形成された導電体層とで構成されてもよい。導電体層は、銀ペーストで構成されてもよい。銀ペーストとしては、例えば、銀粒子と樹脂成分(バインダ樹脂)とを含む組成物を用い得る。樹脂成分としては、熱可塑性樹脂を用いることもできるが、イミド系樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0026】
2つの陽極端子は、陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される。換言すると、一方の陽極端子(第1陽極端子)は、陰極部の一端から突出する突出部に電気的に接続され、他方の陽極端子(第2陽極端子)は、陰極部の他端から突出する突出部に電気的に接続される。なお、第1陽極端子および第2陽極端子は、それぞれが2つ以上に分割されていてもよい。陽極端子は、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金で構成されてもよく、メッキ処理がなされていてもよい。第1および第2陽極端子は、複数のコンデンサ素子の各陽極体の2つの突出部に電気的に接続されてもよい。陽極端子は、かしめ固定によって突出部に電気的に接続されてもよいし、溶接(例えば、レーザ溶接または抵抗溶接)によって突出部に電気的に接続されてもよい。
【0027】
陰極端子は、陰極部に電気的に接続される。陰極端子は、複数のコンデンサ素子の各陰極部に電気的に接続されてもよい。陰極端子は、導電性接着剤を介して、陰極部に電気的に接続されてもよい。陰極端子は、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金で構成されてもよく、メッキ処理がなされていてもよい。陰極端子の構成材料は、陽極端子の構成材料と同じでも異なってもよい。陰極端子は、2つ以上に分割されていてもよい。
【0028】
外装樹脂は、複数のコンデンサ素子、陽極端子、および陰極端子を、陽極端子および陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する。陽極端子および陰極端子の各々の露出部は、固体電解コンデンサの外部端子として機能する。外装樹脂は、絶縁性の樹脂材料で構成されてもよい。外装樹脂は、例えばエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂の硬化物であってもよく、必要に応じて、フィラーを含んでもよい。
【0029】
このような構成の固体電解コンデンサによると、一方の陽極端子に入力されたノイズ成分を含む直流電圧は、積層された複数のコンデンサ素子を通過する間にそのノイズ成分が十分に除去される。固体電解コンデンサの他方の陽極端子は、負荷回路の入力端子に直流的に接続される。そのため、固体電解コンデンサの他方の陽極端子から出力されるノイズ成分が除去された直流電圧(あるいは、固体電解コンデンサにより平滑化された直流電圧)は、負荷回路に入力され、その駆動電力として利用される。このように、本開示に係る固体電解コンデンサは、スイッチングレギュレータから出力された直流電圧を平滑化して負荷回路に入力する。
【0030】
負荷回路は、例えば、ローノイズアンプであってもよいし、A/Dコンバータであってもよい。負荷回路は、GHz帯の周波数(例えば、1GHz以上、または20GHz以上の周波数)で動作する負荷回路であってもよい。負荷回路は、数十μVオーダーの電圧レベルの信号を入力信号として扱うローノイズアンプであってもよい。
【0031】
ここで、本開示に係る電源回路が備える固体電解コンデンサは、従来のリニアレギュレータが必要とする前段側および後段側のデカップリングコンデンサに相当する内部構造を有する。具体的に、当該固体電解コンデンサは、一方の陽極端子から他方の陽極端子に至る伝送線路内に、無数のLCローパスフィルタが等価的に構成された内部構造を有し、これを一方の陽極端子の側から見ると、従来の前段側のデカップリングコンデンサと同様のノイズキャンセル機能を発揮する素子と捉えることができ、これを他方の陽極端子の側から見ると、従来の後段側のデカップリングコンデンサと同様のノイズキャンセル機能を発揮する素子と捉えることができる。このため、スイッチングレギュレータと負荷回路との間に当該固体電解コンデンサを設けることで、リニアレギュレータに前段側および後段側のデカップリングコンデンサを加えた従来の回路構成を、1つの固体電解コンデンサで代替することができ、電源回路の小型化を図ることができる。
【0032】
また、本開示に係る電源回路が備える固体電解コンデンサは、上述のLCローパスフィルタを等価的に無数に有する内部構造により、その入力電圧と出力電圧との間に電位差が生じない。このため、電圧降下に伴う熱損失が実質的に生じず、従来のリニアレギュレータに比べて高効率な動作が可能となり、ひいては電源回路の効率が向上される。
【0033】
さらに、本開示に係る電源回路が備える固体電解コンデンサは、高域での周波数特性に優れるといった利点を有する。具体的に、当該固体電解コンデンサは、低域から100MHz程度の高域にわたって、周波数の上昇に伴ってノイズ除去性能が向上することが特性評価により確認されている。一方、従来のリニアレギュレータは、1MHz程度を超えると、そのノイズ除去性能が顕著に低下する。そして、スイッチングレギュレータのスイッチング周波数は、近年、1MHz程度を超えようとしており、従来のリニアレギュレータではスイッチングレギュレータから生じるノイズ成分の除去が難しくなってきている。この点、本開示の固体電解コンデンサは、上述のように高域での周波数特性に優れるため、スイッチング周波数の高いスイッチングレギュレータから生じるノイズ成分を十分に除去することができる。
【0034】
なお、当該固体電解コンデンサは、一方の陽極端子と他方の陽極端子とを入れ替えて用いることも可能である。例えば、本開示に係る電源装置の構成を前提として、スイッチングレギュレータの出力端子と固体電解コンデンサの他方の陽極端子とを直流的に接続すると共に、負荷回路の入力端子と固体電解コンデンサの一方の陽極端子とを直流的に接続することも可能である。この場合にも、当該固体電解コンデンサは、上記と同様の機能を発揮し得る。
【0035】
負荷回路は、アナログ負荷回路であってもよい。アナログ負荷回路は、アナログ信号を取り扱うためにノイズ要求が厳しい。このようなアナログ負荷回路も、上述の固体電解コンデンサを備えた本開示に係る電源装置によれば、これを安定的に動作させることが可能となる。なお、負荷回路は、デジタル負荷回路であってもよい。
【0036】
陰極端子は、外装樹脂から露出する実装面部と、実装面部に連続して立ち上がり、各陰極部の側面に電気的に接続される側壁部と、を有してもよい。この場合、実装面部と側壁部とは、互いに一体に形成される。実装面部は、これに最も近いコンデンサ素子の陰極部に電気的に接続されてもよい。側壁部は、導電性接着剤を介して、各陰極部の側面に電気的に接続されてもよい。このような側壁部が存在することで、陰極端子の抵抗成分およびインダクタンス成分に由来するインピーダンスが低減され、固体電解コンデンサのノイズフィルタ特性が改善され得る。また、側壁部は、実装面部と一体に形成されているため、例えば所定のフレーム原反に曲げ加工を施すことで、実装面部と側壁部を有する陰極端子を容易に作製することができる。したがって、固体電解コンデンサの良好なノイズフィルタ特性と製造容易性を両立することができる。
【0037】
各陰極部は、第1幅を有する第1部分と、第1幅よりも小さな第2幅を有する第2部分と、を有してもよい。陰極端子は、陰極部の第2部分の側面に電気的に接続される側壁部を有してもよい。側壁部は、各陰極部の第2部分の側面に電気的に接続されてもよい。側壁部は、導電性接着剤を介して、陰極部の第2部分の側面に電気的に接続されてもよい。このような側壁部が存在することで、陰極端子の抵抗成分およびインダクタンス成分に由来するインピーダンスが低減され、固体電解コンデンサのノイズフィルタ特性が改善され得る。したがって、幅狭部を構成する第2部分と、第2部分の側面に電気的に接続される側壁部とによって、固体電解コンデンサのノイズフィルタ特性を改善することができる。
【0038】
固体電解コンデンサは、陰極部に電気的に接続された陰極箔をさらに有してもよい。陽極体の突出部の端面は、陽極端子に電気的に接続されてもよい。陰極箔の端面は、陰極端子に電気的に接続されてもよい。突出部の端面と陽極端子との間には、めっき層が介在してもしなくてもよい。陰極箔の端面と陰極端子との間には、めっき層が介在してもしなくてもよい。この構成によると、陽極端子と陽極体との間のインダクタンス成分や、陰極端子と陰極箔との間のインダクタンス成分に由来するインピーダンスが低減され、固体電解コンデンサのノイズフィルタ特性が改善され得る。
【0039】
電源装置は、スイッチングレギュレータの直流電圧を平滑化するデカップリングコンデンサをさらに備えてもよい。電源装置は、デカップリングコンデンサにより平滑化された直流電圧をデジタル負荷回路に入力するように構成されてもよい。デカップリングコンデンサは、スイッチングレギュレータの出力端子に対して、固体電解コンデンサと並列に接続されてもよい。この構成によると、1つのスイッチングレギュレータで負荷回路とデジタル負荷回路の両方を安定的に動作させることができる。スイッチングレギュレータとデジタル負荷回路との間には、上述のタイプの固体電解コンデンサが設けられなくてもよい。デジタル負荷回路は、負荷回路よりも大きな電流が流れるタイプの回路であってもよい。デジタル負荷回路は、例えば、CPUやGPUなどの演算回路であってもよい。デカップリングコンデンサは、1つ以上設けられていればよく、その数は特に限定されない。複数のデカップリングコンデンサを設ける場合、各デカップリングコンデンサの容量値は互いに同じでも異なってもよい。デジタル負荷回路は、比較的大きな電流を扱う場合にそれ自体がノイズ源となり得るが、デジタル負荷回路から負荷回路に至る経路には固体電解コンデンサが存在する。そのため、デジタル負荷回路が生じるノイズは、当該固体電解コンデンサで減衰されて負荷回路に影響しにくい。
【0040】
スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、負荷回路に対応する電圧値と、デジタル負荷回路に対応する電圧値とに基づいて制御されてもよい。負荷回路に対応する電圧値は、当該負荷回路に対応する固体電解コンデンサの一方の陽極端子における電圧値であってもよいし、当該固体電解コンデンサの他方の陽極端子における電圧値であってもよいし、当該負荷回路の入力端子における電圧値であってもよい。デジタル負荷回路に対応する電圧値は、スイッチングレギュレータとデカップリングコンデンサとの間における電圧値であってもよいし、当該デジタル負荷回路の入力端子における電圧値であってもよい。負荷回路およびデジタル負荷回路は、それぞれ正常に動作するための電圧範囲が規定されている。本構成の制御では、スイッチングレギュレータが出力する直流電圧が、各回路におけるそのような電圧範囲内に収まるように制御されてもよい。これにより、1つのスイッチングレギュレータで負荷回路とデジタル負荷回路の両方をより一層安定的に動作させることができる。
【0041】
電源回路は、固体電解コンデンサの陽極端子とグランドとの間に設けられたデカップリングコンデンサをさらに備えてもよい。この構成によると、負荷回路に伝わるノイズ成分を、さらに低減することが可能となる。デカップリングコンデンサの容量値は、固体電解コンデンサの容量値よりも大きくても小さくてもよい。ここで、負荷回路から固体電解コンデンサを見たとき、負荷回路の入力端子における電圧値の揺れに対して、当該固体電解コンデンサは一般的な2端子型のコンデンサと同等に作用する。つまり、負荷回路に電流が流れ込むときに、固体電解コンデンサのみでは上記電圧値の揺れを抑えきれない場合がある。そのような場合、固体電解コンデンサと容量の異なるデカップリングコンデンサ(特に、負荷回路の動作周波数に近い自己共振周波数を有するデカップリングコンデンサ)を設けることで、当該電圧値の揺れを抑制することができる。デカップリングコンデンサの一方の端子は、固体電解コンデンサの他方の陽極端子(あるいは、負荷回路の入力端子)に直流的に接続されてもよい。デカップリングコンデンサの他方の端子は、接地されてもよい。なお、スイッチングレギュレータの出力端子と直流的に接続された陽極端子とグランドとの間にデカップリングコンデンサを設ける場合、当該デカップリングコンデンサは、スイッチングレギュレータからのノイズを除去する機能を主に有する。一方、負荷回路の入力端子と直流的に接続された陽極端子とグランドとの間にデカップリングコンデンサを設ける場合、当該デカップリングコンデンサは、ノイズ除去機能に加えて、負荷回路の入力端子における電圧値の揺れを抑える機能を有する。
【0042】
負荷回路は、複数設けられていてもよい。固体電解コンデンサは、各負荷回路に対して少なくとも1つずつ設けられてもよい。複数の負荷回路は、動作周波数が互いに同じでも異なってもよい。特に後者の場合は、各負荷回路間におけるノイズが問題となり得る。しかし、この構成では、各負荷回路に対して少なくとも1つの固体電解コンデンサが設けられるので、一の負荷回路からノイズが生じることがあっても、当該ノイズが他の負荷回路に伝わるまでの経路中に少なくとも2つの固体電解コンデンサが存在する。そのため、複数の負荷回路の間でノイズが伝わり合うのを抑制することができ、各負荷回路の安定動作を実現することができる。
【0043】
スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、複数の負荷回路に対応する複数の電圧値に基づいて制御されてもよい。負荷回路に対応する電圧値は、当該負荷回路に対応する固体電解コンデンサの一方の陽極端子における電圧値であってもよいし、当該固体電解コンデンサの他方の陽極端子における電圧値であってもよいし、当該負荷回路の入力端子における電圧値であってもよい。各負荷回路は、それぞれ正常に動作するための電圧範囲が規定されている。本構成の制御では、スイッチングレギュレータが出力する直流電圧が、各負荷回路におけるそのような電圧範囲内に収まるように制御されてもよい。これにより、1つのスイッチングレギュレータで複数の負荷回路をより一層安定的に動作させることができる。
【0044】
スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、固体電解コンデンサと負荷回路との間で検知される電圧値に基づいて制御されてもよい。当該電圧値(すなわち、固体電解コンデンサの後段で検知される電圧値)は、固体電解コンデンサの前段で検知される電圧値よりも含まれるノイズ成分が少ない。そのため、そのようなノイズ成分が少ない電圧値に基づいてスイッチングレギュレータの直流電圧を制御することで、当該制御をより一層安定させることができる。また、固体電解コンデンサと負荷回路との間にデカップリングコンデンサが設けられる場合、スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、当該デカップリングコンデンサと負荷回路との間(すなわち、当該デカップリングコンデンサの後段)で検知される電圧値に基づいて制御されることが好ましい。
【0045】
固体電解コンデンサの容量値は、80μF以上であってもよい。当該容量値が80μF以上である場合、十分なノイズ低減効果を得ることができる。なお、スイッチングレギュレータのスイッチング周波数がMHz帯である場合、固体電解コンデンサの容量値が大きいほど、そのノイズ低減効果は高まる傾向にある。従来のリニアレギュレータの前段および後段に設けられるデカップリング用のコンデンサの容量値は、20μF程度であることが多く、80μF以上の容量値を有する本構成の固体電解コンデンサによると、従来に比べてノイズ低減効果が大きく向上し得る。
【0046】
電源装置は、スイッチングレギュレータの直流電圧を平滑化するデカップリングコンデンサと、デカップリングコンデンサにより平滑化された直流電圧が入力されるデジタル負荷回路と、をさらに備えてもよい。負荷回路は、複数設けられていてもよい。固体電解コンデンサは、各負荷回路に対して少なくとも1つずつ設けられてもよい。スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、複数の負荷回路に対応する複数の電圧値と、デジタル負荷回路に対応する電圧値とに基づいて制御されてもよい。この構成によると、1つのスイッチングレギュレータで複数の負荷回路とデジタル負荷回路の両方をより一層安定的に動作させることができる。
【0047】
以上のように、本開示によれば、所定の構造を有する固体電解コンデンサを用いることで、小型かつ高効率でノイズの少ない電源装置を提供することができる。さらに、本開示によれば、スイッチングレギュレータのスイッチング周波数が上昇しても、そのノイズ成分を十分に除去可能な電源装置を提供することができる。
【0048】
以下では、本開示に係る電源装置および固体電解コンデンサの一例について、図面を参照して具体的に説明する。以下で説明する一例の電源装置および固体電解コンデンサの構成要素には、上述した構成要素を適用できる。以下で説明する一例の電源装置および固体電解コンデンサの構成要素は、上述した記載に基づいて変更できる。また、以下で説明する事項を、上記の実施形態に適用してもよい。以下で説明する一例の電源装置および固体電解コンデンサの構成要素のうち、本開示に係る電源装置および固体電解コンデンサに必須ではない構成要素は省略してもよい。なお、以下で示す図は模式的なものであり、実際の部材の形状や数を正確に反映するものではない。
【0049】
《実施形態1》
本開示の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態の電源装置100は、スイッチングレギュレータ110と、第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bと、第1~第3デカップリングコンデンサ120A~120Cとを備える。電源装置100は、第1および第2負荷回路130,140とデジタル負荷回路150との各々に直流電圧(あるいは、直流電力)を入力するように構成される。第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bは、それぞれ固体電解コンデンサの一例である。第1および第2負荷回路130,140は、それぞれ負荷回路の一例である。なお、各図において、第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bを、符号10で示すこともある。
【0050】
スイッチングレギュレータ110は、その入力端子111に入力される直流電圧を降圧して出力端子112から出力する。スイッチングレギュレータ110は、一対のスイッチング素子113と、基準電圧部114と、第1~第3電圧検知部115A~115Cと、入力電圧検知部116と、電圧比較部117と、制御部118と、チョークコイル119とを備える。
【0051】
一対のスイッチング素子113は、それぞれNチャネルMOSFETで構成される。上側アームを構成するスイッチング素子113のドレインは、スイッチングレギュレータ110の入力端子111に電気的に接続され、当該MOSFETのソースは、下側アームを構成するスイッチング素子113のドレインに電気的に接続される。下側アームを構成するスイッチング素子113のソースは、接地されている。
【0052】
基準電圧部114は、所定の基準電圧を出力する。出力された基準電圧は、電圧比較部117に入力される。なお、基準電圧部114は、電圧比較部117がアナログ回路で構成される場合に設けられればよく、電圧比較部117がデジタル回路で構成される場合には不要である。
【0053】
第1電圧検知部115Aは、第1負荷回路130に入力される電圧VCC1を検知する。検知された電圧VCC1の信号は、電圧比較部117に入力される。電圧VCC1は、負荷回路に対応する電圧値の一例である。
【0054】
第2電圧検知部115Bは、第2負荷回路140に入力される電圧VCC2を検知する。検知された電圧VCC2の信号は、電圧比較部117に入力される。電圧VCC2は、負荷回路に対応する電圧値の一例である。
【0055】
第3電圧検知部115Cは、デジタル負荷回路150に入力される電圧VDDを検知する。検知された電圧VDDの信号は、電圧比較部117に入力される。電圧VDDは、デジタル回路に対応する電圧値の一例である。
【0056】
入力電圧検知部116は、スイッチングレギュレータ110に入力される電圧VINを検知する。検知された電圧VINの信号は、電圧比較部117に入力される。
【0057】
電圧比較部117は、基準電圧部114から入力された基準電圧と、電圧VCC1、電圧VCC2、および電圧VDDとを比較し、当該比較結果の信号を制御部118に送る。電圧比較部117の動作は、電圧VINに基づいて調節されてもよい。
【0058】
制御部118は、一対のスイッチング素子113を、両者が交互にオンオフするように制御する。制御部118は、電圧比較部117から受けた比較結果の信号に基づいて、スイッチングレギュレータ110の出力電圧が所望レベルになるように一対のスイッチング素子113をオンオフ制御する。制御部118は、各スイッチング素子113のゲート電圧を昇降させることで、各スイッチング素子113をオンオフ制御してもよい。
【0059】
チョークコイル119は、一対のスイッチング素子113の間の接続点に一方の端子が接続され、かつ他方の端子がスイッチングレギュレータ110の出力端子112を構成する。チョークコイル119は、一対のスイッチング素子113のオンオフ制御により生成される矩形波電圧を平滑化する機能を有する。チョークコイル119の他方の端子(スイッチングレギュレータ110の出力端子112)は、第1固体電解コンデンサ10Aの一方の陽極端子17と、第2固体電解コンデンサ10Bの一方の陽極端子17と、デジタル負荷回路150の入力端子150aとに直流的に接続される。
【0060】
第1固体電解コンデンサ10Aは、スイッチングレギュレータ110の直流電圧を平滑化する。第1固体電解コンデンサ10Aの容量値は、80μF以上であることが好ましい。第1固体電解コンデンサ10Aは、図2図4に示すように、複数(この例では、3つ)のコンデンサ素子11と、2つの陽極端子17と、陰極端子18と、外装樹脂19とを備える。なお、図2では、後述の側壁部18bを二点鎖線で示してある。
【0061】
複数のコンデンサ素子11は、それぞれが陽極体12と、陽極体12の表面に誘電体層14を介して形成された陰極部13とを有し、陰極部13の互いに対向する両端(図2における左右端)からそれぞれ陽極体12の一部が突出している。以下、陽極体12のうち陰極部13の両端から突出した部分を突出部12aともいう。複数のコンデンサ素子11は、互いに積層される。各コンデンサ素子11において、陽極体12の2つの突出部12aは、互いに電気的に導通している。各コンデンサ素子11は、陽極体12と陰極部13との間に設けられ、両者を電気的に絶縁する絶縁部15をさらに有する。
【0062】
陽極体12は、弁作用金属(この例では、アルミニウム)の箔で構成されるが、これに限られるものではない。積層方向において隣り合う陽極体12は、互いに電気的に接続される。よって、全ての陽極体12が互いに電気的に接続される。
【0063】
誘電体層14は、陽極体12の表面の少なくとも一部を覆う。誘電体層14は、粗面化処理を施した陽極体12の表面に形成された酸化物(この例では、酸化アルミニウム)で構成されるが、これに限られるものではない。
【0064】
陰極部13は、誘電体層14の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、固体電解質層の表面の少なくとも一部を覆う陰極層とを有する。積層方向において隣り合う陰極部13は、導電性ペースト16を介して、互いに電気的に接続される。よって、全ての陰極部13が互いに電気的に接続される。固体電解質層は、導電性高分子およびドーパントを含む。
【0065】
陰極層は、固体電解質層の表面に形成されたカーボン層と、カーボン層の表面に形成された導電体層とで構成される。導電体層は、銀ペーストで構成されてもよい。
【0066】
2つの陽極端子17は、陽極体12の2つの突出部12aにそれぞれ電気的に接続される。陽極端子17は、銅合金で構成されるが、これに限られるものではない。陽極端子17は、かしめ固定によって突出部12aに電気的に接続される。なお、かしめ固定に代えてまたは加えて、陽極端子17が突出部12aに溶接されていてもよい。
【0067】
陰極端子18は、例えば導電性接着剤を介して、陰極部13に電気的に接続される。陰極端子18は、銅合金で構成されるが、これに限られるものではない。陰極端子18の構成材料は、陽極端子17の構成材料と同じである。
【0068】
外装樹脂19は、複数のコンデンサ素子11、陽極端子17、および陰極端子18を、陽極端子17および陰極端子18の各々の一部が露出するように被覆する。陽極端子17および陰極端子18の各々の露出部は、第1固体電解コンデンサ10Aの外部端子として機能する。外装樹脂19は、フィラーを含む絶縁性の樹脂材料で構成される。
【0069】
上記陰極端子18は、外装樹脂19から露出する実装面部18aと、実装面部18aに連続して立ち上がり、各陰極部13の側面に電気的に接続される側壁部18bとを有する。実装面部18aは、これに最も近い(図2における最も下側の)コンデンサ素子11の陰極部13に電気的に接続される。側壁部18bは、不図示の導電性接着剤を介して、各陰極部13の側面に電気的に接続される。
【0070】
陰極端子18は、各陰極部13の両方の側面(図2における紙面手前側および奥側の側面)にそれぞれ電気的に接続される2つ以上の側壁部18bを有することが好ましい。
【0071】
第1固体電解コンデンサ10Aの一方の陽極端子17は、スイッチングレギュレータ110の出力端子112に直流的に接続される。第1固体電解コンデンサ10Aの他方の陽極端子17は、第1負荷回路130の入力端子130aに直流的に接続される。第1固体電解コンデンサ10Aの陰極端子は、接地される。
【0072】
図5に、第1固体電解コンデンサ10Aの等価回路を示す。なお、この等価回路図では、陰極端子18に相当する素子記号を省略してある。同図に示すように、各陽極端子17は、インダクタンス成分と抵抗成分を有する。また、各コンデンサ素子11は、陽極体12に対応するインダクタンス成分と、当該インダクタンス成分の両側に位置する容量成分とを有する。この等価回路図からわかるように、第1固体電解コンデンサ10Aは、複数のコンデンサ素子11に対応するインダクタンス成分が並列に結合されており、その合成インダクタンス(すなわち、固体電解コンデンサ10Aの等価直列インダクタンス)が小さい。また、第1固体電解コンデンサ10Aは、複数のコンデンサ素子11に対応する容量成分が並列に結合されており、その合成容量(すなわち、第1固体電解コンデンサ10Aの容量値)が大きい。
【0073】
第2固体電解コンデンサ10Bは、第1固体電解コンデンサ10Aと同じ構成や機能を有するため、その構成や機能に関する説明を省略する。第2固体電解コンデンサ10Bの一方の陽極端子17は、スイッチングレギュレータ110の出力端子112に直流的に接続される。第2固体電解コンデンサ10Bの他方の陽極端子17は、第2負荷回路140の入力端子140aに直流的に接続される。第2固体電解コンデンサ10Bの陰極端子18は、接地される。
【0074】
図1に戻り、第1デカップリングコンデンサ120Aは、第1固体電解コンデンサ10Aと第1負荷回路130との間に設けられる。第1デカップリングコンデンサ120Aは、2端子型のコンデンサで構成され、一方の端子が第1固体電解コンデンサ10Aの他方の陽極端子17と直流的に接続され、かつ他方の端子が接地される。換言すると、第1デカップリングコンデンサ120Aは、第1固体電解コンデンサ10Aの他方の陽極端子17とグランドとの間に設けられる。第1デカップリングコンデンサ120Aは、第1固体電解コンデンサ10Aによって除去しきれないノイズ成分を減衰させる。
【0075】
第2デカップリングコンデンサ120Bは、第2固体電解コンデンサ10Bと第2負荷回路140との間に設けられる。第2デカップリングコンデンサ120Bは、2端子型のコンデンサで構成され、一方の端子が第2固体電解コンデンサ10Bの他方の陽極端子17に直流的に接続され、かつ他方の端子が接地される。換言すると、第2デカップリングコンデンサ120Bは、第2固体電解コンデンサ10Bの他方の陽極端子17とグランドとの間に設けられる。第2デカップリングコンデンサ120Bは、第2固体電解コンデンサ10Bによって除去しきれないノイズ成分を減衰させる。
【0076】
ここで、第1デカップリングコンデンサ120Aに代えてまたは加えて、第1固体電解コンデンサ10Aとスイッチングレギュレータ110との間に、スイッチングレギュレータ110の出力電圧を平滑化するための第4デカップリングコンデンサ(図示せず)が設けられてもよい。また、第2デカップリングコンデンサ120Bに代えてまたは加えて、第2固体電解コンデンサ10Bとスイッチングレギュレータ110との間に、スイッチングレギュレータ110の出力電圧を平滑化するための第5デカップリングコンデンサ(図示せず)が設けられてもよい。
【0077】
第3デカップリングコンデンサ120Cは、スイッチングレギュレータ110とデジタル負荷回路150との間に設けられる。第3デカップリングコンデンサ120Cは、2端子型のコンデンサで構成され、一方の端子がスイッチングレギュレータ110の出力端子112に直流的に接続され、他方の端子が接地される。換言すると、第3デカップリングコンデンサ120Cは、スイッチングレギュレータ110の出力端子112とグランドとの間に設けられる。第3デカップリングコンデンサ120Cは、スイッチングレギュレータ110の直流電圧を平滑化する。
【0078】
第1負荷回路130は、第1固体電解コンデンサ10Aと第1デカップリングコンデンサ120Aにより平滑化された直流電圧が入力され、当該直流電圧によって所望の動作を行う。第1負荷回路130の入力端子130aは、第1固体電解コンデンサ10Aの他方の陽極端子17に直流的に接続される。本実施形態の第1負荷回路130は、アナログ負荷回路の一例であるローノイズアンプで構成されるが、これに限られるものではない。
【0079】
第2負荷回路140は、第2固体電解コンデンサ10Bと第2デカップリングコンデンサ120Bにより平滑化された直流電圧が入力され、当該直流電圧によって所望の動作を行う。第2負荷回路140の入力端子140aは、第2固体電解コンデンサ10Bの他方の陽極端子17に直流的に接続される。本実施形態の第2負荷回路140は、アナログ負荷回路の一例であるA/Dコンバータで構成されるが、これに限られるものではない。
【0080】
デジタル負荷回路150は、第3デカップリングコンデンサ120Cにより平滑化された直流電圧され、当該直流電圧によって所望の動作を行う。デジタル負荷回路150の入力端子150aは、スイッチングレギュレータ110の出力端子112に直流的に接続される。デジタル負荷回路150は、ハイ電位とロー電位との間で動作するためにS/N比が大きく、第1および第2負荷回路130,140よりもノイズ要求が厳しくない。そのため、デジタル負荷回路150とスイッチングレギュレータ110の間には、第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bに相当する回路素子を設ける必要がない。本実施形態のデジタル負荷回路150は、演算回路で構成されるが、これに限られるものではない。
【0081】
《実施形態2》
本開示の実施形態2について説明する。本実施形態の電源装置100は、第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bの構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
【0082】
図6および図7に示すように、本実施形態の第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bは、各陰極部13が、第1幅を有する第1部分13aと、第1幅よりも小さな第2幅を有する第2部分13bとを備える。第2部分13bは、陰極部13の長手方向(2つの突出部12aを結ぶ方向)において、陰極部13の中央に配置されることが好ましい。第1部分13aは、陰極部13の長手方向において第2部分13bを挟むように2つ設けられてもよい。
【0083】
第1幅をW1とし、かつ第2幅をW2として、W2/W1≦0.95が成り立つことが好ましく、0.5≦W2/W1≦0.95が成り立つことがさらに好ましい。
【0084】
各コンデンサ素子11の両方の側面には、第2部分13bに対応する凹部11aが形成されていることが好ましい。凹部11aの形状は、複数のコンデンサ素子11の積層方向から見て、矩形状あるいは台形状(特に、コンデンサ素子11の幅方向中央に向かうにつれて幅狭になる台形状)であることが好ましい。凹部11aには、側壁部18bが収容されていてもよい。なお、図7には、矩形状の凹部11aが形成されたコンデンサ素子11を示してある。
【0085】
なお、図示を省略するが、陰極端子18は、実装面部18aに連続して立ち上がり、各陰極部13の第1部分13aの側面に電気的に接続される追加的な側壁部をさらに有してもよい。追加的な側壁部の幅は、側壁部18bの幅よりも小さくてもよいし、大きくてもよいし、側壁部18bの幅と同じであってもよい。
【0086】
《実施形態3》
本開示の実施形態3について説明する。本実施形態の電源装置100は、第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bの構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
【0087】
図8および図9に示すように、本実施形態の第1および第2固体電解コンデンサ10A,10Bは、陰極部13に電気的に接続される陰極箔21と、2つの陽極端子17と、2つの陰極端子18とを備える。
【0088】
陰極箔21は、複数(この例では、4つ)設けられ、積層方向において隣り合うコンデンサ素子11の間に介在する。各陰極箔21は、陽極体12の長手方向(2つの突出部12aを結ぶ方向)と直交する方向に延びている。陰極箔21は、例えば、アルミニウム箔、銅箔、弁作用金属または弁作用金属を含む合金で形成された金属箔で構成されてもよい。必要に応じて、陰極箔21の表面が粗面化されてもよい。陰極箔21と陰極部13との間には、導電性を有する接着層(図示せず)が介在してもよい。接着層には、例えば、導電性接着剤が用いられる。接着層は、例えば、銀を含む。
【0089】
2つの陽極端子17は、角張ったU字状に形成され、互いに対向して配置される。一方の陽極端子17には、不図示のめっき層を介して、陽極体12の一方の突出部12aの端面12bが電気的に接続される。他方の陽極端子17には、不図示のめっき層を介して、陽極体12の他方の突出部12aの端面12bが電気的に接続される。一方の陽極端子17は、スイッチングレギュレータ110の出力端子112に電気的に接続される。他方の陽極端子17は、第1または第2負荷回路130,140の入力端子130a,140aに電気的に接続される。
【0090】
2つの陰極端子18は、角張ったU字状に形成され、互いに対向して配置される。一方の陰極端子18には、不図示のめっき層を介して、陰極箔21の一方の端面21aが電気的に接続される。他方の陰極端子18には、不図示のめっき層を介して、陰極箔21の他方の端面21aが電気的に接続される。2つの陰極端子18は、接地される。
【0091】
《付記》
以上の実施形態の記載により、下記の技術が開示される。
(技術1)
直流電圧を出力するスイッチングレギュレータと、
前記スイッチングレギュレータの前記直流電圧を平滑化する固体電解コンデンサと、
を備え、
前記固体電解コンデンサにより平滑化された直流電圧を負荷回路に入力するように構成された電源装置であって、
前記固体電解コンデンサは、
それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、
前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、
前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、
を有し、
各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、
一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、
他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される、電源装置。
(技術2)
前記負荷回路は、アナログ負荷回路である、技術1に記載の電源装置。
(技術3)
前記陰極端子は、
前記外装樹脂から露出する実装面部と、
前記実装面部に連続して立ち上がり、各前記陰極部の側面に電気的に接続される側壁部と、
を有する、技術1または2に記載の電源装置。
(技術4)
各前記陰極部は、第1幅を有する第1部分と、前記第1幅よりも小さな第2幅を有する第2部分と、を有し、
前記陰極端子は、前記陰極部の前記第2部分の側面に電気的に接続される側壁部を有する、技術1または2に記載の電源装置。
(技術5)
前記固体電解コンデンサは、前記陰極部に電気的に接続された陰極箔をさらに有し、
前記陽極体の前記突出部の端面は、前記陽極端子に電気的に接続され、
前記陰極箔の端面は、前記陰極端子に電気的に接続される、技術1または2に記載の電源装置。
(技術6)
前記スイッチングレギュレータの前記直流電圧を平滑化するデカップリングコンデンサをさらに備え、
前記デカップリングコンデンサにより平滑化された直流電圧をデジタル負荷回路に入力するように構成される、技術1~5のいずれか1つに記載の電源装置。
(技術7)
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記負荷回路に対応する電圧値と、前記デジタル負荷回路に対応する電圧値とに基づいて制御される、技術6に記載の電源装置。
(技術8)
前記固体電解コンデンサの前記陽極端子とグランドとの間に設けられたデカップリングコンデンサをさらに備える、技術1~7のいずれか1つに記載の電源装置。
(技術9)
前記負荷回路は、複数設けられており、
前記固体電解コンデンサは、各前記負荷回路に対して少なくとも1つずつ設けられる、技術1~8のいずれか1つに記載の電源装置。
(技術10)
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記複数の負荷回路に対応する複数の電圧値に基づいて制御される、技術9に記載の電源装置。
(技術11)
前記スイッチングレギュレータが出力する直流電圧は、前記固体電解コンデンサと前記負荷回路との間で検知される電圧値に基づいて制御される、技術1~10のいずれか1つに記載の電源装置。
(技術12)
前記固体電解コンデンサの容量値は、80μF以上である、請求項1~11のいずれか1つに記載の電源装置。
(技術13)
スイッチングレギュレータから出力された直流電圧を平滑化して負荷回路に入力する固体電解コンデンサであって、
それぞれが陽極体および前記陽極体の表面に誘電体層を介して形成された陰極部を有し、前記陰極部の両端から前記陽極体の一部が突出し、かつ互いに積層された複数のコンデンサ素子と、
前記陽極体の2つの突出部にそれぞれ電気的に接続される2つの陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続される陰極端子と、
前記複数のコンデンサ素子、前記陽極端子、および前記陰極端子を、前記陽極端子および前記陰極端子の各々の一部が露出するように被覆する外装樹脂と、
を備え、
各前記コンデンサ素子における前記2つの突出部は、互いに電気的に導通しており、
一方の前記陽極端子は、前記スイッチングレギュレータの出力端子に直流的に接続され、
他方の前記陽極端子は、前記負荷回路の入力端子に直流的に接続される、固体電解コンデンサ。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本開示は、電源装置および固体電解コンデンサに利用できる。
【符号の説明】
【0093】
10,10A,10B:第1および第2固体電解コンデンサ(固体電解コンデンサ)
11:コンデンサ素子
11a:凹部
12:陽極体
12a:突出部
12b:端面
13:陰極部
13a:第1部分
13b:第2部分
14:誘電体層
15:絶縁部
16:導電性ペースト
17:陽極端子
18:陰極端子
18a:実装面部
18b:側壁部
19:外装樹脂
21:陰極箔
21a:端面
100:電源装置
110:スイッチングレギュレータ
111:入力端子
112:出力端子
113:スイッチング素子
114:基準電圧部
115A:第1電圧検知部
115B:第2電圧検知部
115C:第3電圧検知部
116:入力電圧検知部
117:電圧比較部
118:制御部
119:チョークコイル
120A:第1デカップリングコンデンサ
120B:第2デカップリングコンデンサ
120C:第3デカップリングコンデンサ
130:第1負荷回路(負荷回路)
130a:入力端子
140:第2負荷回路(負荷回路)
140a:入力端子
150:デジタル負荷回路
150a:入力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9