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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131588
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】マッサージ器の保持ホルダ
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A61H23/02 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041948
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】595084807
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】近本 健作
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA03
4C074AA04
4C074AA05
4C074BB05
4C074CC01
4C074GG01
4C074GG11
(57)【要約】
【課題】手持ち式のマッサージ器を直接手に持って使用するのではマッサージヘッドを押し当てにくい被マッサージ部位にマッサージヘッドを押し当てることができる、マッサージ器の保持ホルダを提供する。
【解決手段】第1方向に延びる柱状の本体部21と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる突出部22と、前記突出部の先端部に往復振動可能に設けられるマッサージヘッドと、を備えた手持ち式のマッサージ器2の保持ホルダ1は、前記本体部21が装着されるとともに、前記第1方向に延びる周壁部11を有するホルダ本体10と、前記周壁部11の両側に設けられる把持部材30と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる柱状の本体部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる突出部と、前記突出部の先端部に往復振動可能に設けられるマッサージヘッドと、を備えた手持ち式のマッサージ器の保持ホルダであって、
前記本体部が装着されるとともに、第1方向に延びる周壁部を有するホルダ本体と、
前記周壁部の両側に設けられる把持部材と、を備えた
マッサージ器の保持ホルダ。
【請求項2】
前記ホルダ本体は、前記周壁部から外方突出状の支持部を備え、
前記把持部材は、可撓性を有するとともに、前記支持部から突出状に配置されている請求項1に記載のマッサージ器の保持ホルダ。
【請求項3】
前記マッサージ器の前記突出部は、前記本体部の一端側から突出し、
前記周壁部は前記本体部のうち突出部近傍部分を保持すると共に、前記周壁部に前記本体部が挿通状に装着される請求項1または請求項2に記載のマッサージ器の保持ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ器の保持ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人体の筋肉に対して振動によるマッサージを行う手持ち式のマッサージ器(筋膜リリースガン)が開示されている。このマッサージ器は、駆動部が収納される上下方向に延びる柱状の本体部と、本体部の長手方向に直交する方向に突出後退するマッサージヘッドとを有する。この種のマッサージ器は、使用者が本体部を直接手で把持し、マッサージヘッドを使用者の腕や足等の被マッサージ部位に押し当てた状態で振動させて使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案第3236067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、手持ち式のマッサージ器を直接把持して使用する際、背中等の被施術(マッサージ)部位にマッサージヘッドを押し当てにくい場合がある。
【0005】
本発明は、手持ち式のマッサージ器を直接手に持って使用するのではマッサージヘッド(以下、ヘッドと呼ぶ場合もある)を押し当てにくい被施術部位にもマッサージ容易に押し当てることができる、マッサージ器の保持ホルダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1方向に延びる柱状の本体部と、前記第1方向に直交する第2方向に延びる突出部と、突出部の先端に往復振動可能に設けられるマッサージヘッドと、を備えた手持ち式のマッサージ器の保持ホルダであって、前記本体部が装着されるとともに、前記第1方向に延びる周壁部を有するホルダ本体と、前記周壁部の両側に設けられる把持部材と、を備えたマッサージ器の保持ホルダを提供する。
【0007】
本発明の一態様によれば、例えば、マッサージ器を背中に使用する際、マッサージ器をホルダ本体に装着し、マッサージ器を背負うようにして両側の保持部材を使用者の前方に引くと、マッサージ器のマッサージヘッド(以下、ヘッドと呼ぶ場合もある)を背中に押し当てることができる。これにより、マッサージ器を直接手に把持して使用するのではヘッドを押し当てにくい背中等の被施術(マッサージ)部位をマッサージできる。
【0008】
前記ホルダ本体は、前記周壁部から外方突出状の支持部を備え、前記把持部材は、可撓性を有するとともに、前記支持部から突出状に配置されていてもよい。
【0009】
本構成によれば、把持部材が支持部に沿ってガイドされるので、マッサージ器を背負うようにして使用者の背中側に配置した場合に生じ得る、可撓性の把持部材のねじれ等を抑制できる。例えば、把持部材が剛体で構成される場合よりも体側部に沿わせやすく、保持ホルダをコンパクトに構成することができ、運搬性・携帯性が向上する。
【0010】
前記マッサージ器の前記突出部は、前記本体部の一端側から突出し、前記周壁部は前記本体部のうち突出部近傍部分を保持すると共に、前記周壁部に前記本体部が挿通状に装着されてもよい。
【0011】
本構成によれば、マッサージ器を背負うように使用する準備の際、マッサージ器の本体部の他端部と、ヘッド先端とを使用者の背中に当接させることでマッサージ器の準備姿勢を安定させることができる。言い換えると、本体部の一端部が他端部よりも背中から離間する方向に傾いた後傾状態でマッサージ器を安定させることができるので、ヘッドのみを背中に当接させた準備姿勢に比べて、ヘッドを所望の被施術部位に移動させやすい。
【0012】
マッサージ器の使用状態では、把持部材を使用者の前方に向かって引くだけで、マッサージ器の他端部が使用者の背中から離間し、ヘッドを背中に押し付けた状態が得られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマッサージ器の保持ホルダによれば、直接手に持って使用するのではマッサージヘッドを押し当てにくい被施術部位にマッサージヘッドを押し当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る保持ホルダに装着される手持ち式のマッサージ器の斜視図。
図2】手持ち式のマッサージ器を挿着した状態の保持ホルダの斜視図。
図3】保持ホルダの正面図。
図4】保持ホルダの平面図。
図5】保持ホルダの側面図。
図6】マッサージ器を装着した保持ホルダを背中に使用した場合の準備姿勢の説明図。
図7】マッサージ器を装着した保持ホルダを背中に使用した場合の使用姿勢の説明図。
図8】本発明の第1変形例に係る保持ホルダの斜視図。
図9】本発明の第2変形例に係る保持ホルダの斜視図。
図10】本発明の第3変形例に係る保持ホルダの平面図。
図11】マッサージ器を装着した保持ホルダを太股に使用した場合の説明図。
図12】本発明の第4変形例に係る保持ホルダの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している。
【0016】
本発明は、手持ち式のマッサージ器の保持ホルダに関するものである。先ず、保持ホルダ1に装着(挿着)される手持ち式のマッサージ器2について説明する。
【0017】
図1に示すように、マッサージ器2は、本体部21と、突出部22と、マッサージヘッド(以下、ヘッドと呼ぶ場合もある)23とを有する。本体部21は、円柱状である。本体部21には、ヘッド23を突出位置P1と後退位置P2との間で振動(前後往復動)させるためのモータおよび電池等の駆動機構(図示せず)が収納されている。
【0018】
突出部22は、本体部21の軸方向の一端部(第1方向の一方側の端部、又は、上端部とも呼ぶ場合もある)21b側の部分から本体部21の軸方向に直交する第2方向に延びる。突出部22には、駆動機構の回転運動を直線運動に変換してヘッド23に伝達するためのリンク部材等が収納されている。ヘッド23は、突出部22の先端(前端)部に往復動可能に着脱自在に取着されている。
【0019】
マッサージ器2は、使用者が本体部21の他端部21c側を把持し、ヘッド23を使用者の腕や足等の被施術(マッサージ)部位に押し当てた状態で、ヘッド23を往復動させて使用される。本実施形態では、他端部21c側には、本体部21の円弧が削られた直線状の(切欠き平面状の)側面部21aが設けられている。
【0020】
次に、保持ホルダ1について説明する。以下の実施形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「正面」、「背面」、「高さ」、「幅」、「前後」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、保持ホルダ1を正面側(マッサージヘッド23側)から見た場合の方向を指すものとする。また、以下の説明で用いる「上下方向」、「前後方向」という各用語は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1方向」、「第2方向」に対応するものである。
【0021】
図2に示すように、保持ホルダ1は、マッサージ器2を着脱可能に保持するホルダ本体10と、ホルダ本体10に着脱自在に取着されホルダ本体10から前方へ延びる把持部材30とを有する。ホルダ本体10は、剛体で、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂で構成されている。
【0022】
図2を参照すると、ホルダ本体10は、周壁部11と、支持部15とを有する。周壁部11の軸線O1は、上下方向に延び、上下に開口を有する円筒状である。
【0023】
図2及び図3に示すように、周壁部11には、周壁部11の内外を連通させるように、周壁部11を切欠いた逆鍵穴形状の切欠き部12が設けられている。切欠き部12は、マッサージ器2の突出部22が挿通される円形状の拡大部12aと、拡大部12aから周壁部11の上端に向かって延びるスリット部12bとを有する。
【0024】
図3に示すように、拡大部12aの仮想円の中心12cは、周壁部11の上下方向の中央と概ね一致する位置に設定されている。拡大部12aの仮想円の内径は、マッサージ器2の突出部22の外径と概ね一致する。マッサージ器2が保持ホルダ1に挿着されると、ヘッド23の往復動軸線O2と拡大部12aの仮想円の中心12cとが上下方向および左右方向において一致する(同軸心上となる)。
【0025】
スリット部12bは、周壁部11の上側に設けられている。スリット部12bの幅は、周壁部11の上端から下側に向かって小さくなるようになっている。スリット部12bの上端部の幅W1は、突出部22の外径と概ね一致する。スリット部12bの下端部の幅W2は、ガイド部22の外径よりも小さく設定されている。これにより、周壁部11にマッサージ器2が装着される際に、ガイド部22は、スリット部12bの上端部から下端部に向かってスリット部12bを拡大させながら通過後、拡大部12a内に保持される。ガイド部22が、スリット部12bを通過し、拡大部12a内に至ると、スリット部12bの拡径状態が弾性的復元力によって元の状態に戻り、拡大部12aからの意図しない抜けを防止する。
【0026】
図3に示すように、周壁部11の高さH1は、マッサージ器2の本体部21の高さHより低く、マッサージ器2の一端部側(上半部)を部分的に覆うように設定されている。言い換えると、周壁部11は、本体部21のうち突出部来たん近傍部分(突出部22が突出する部分)を保持すると共に、周壁部11の下端から本体部21の下端部21c側が突出されるように挿通状に装着される。周壁部11の下端から突出する本体部21の他端部21cの高さH2と、周壁部11の高さH1とが概ね一致している。周壁部11の上下方向における中間位置は、拡大部12aの中心12cと一致するので、周壁部11の高さH1は、周壁部11の下端から往復動軸線O2までの高さH3の略2倍に設定されている。
【0027】
図4を参照すると、周壁部11の内径d1は、本体部21の外径dよりも僅かに大きく設定されている。周壁部11と本体部21との間には、隙間が設けられている。周壁部11の内周側には、周壁部11内に挿通された本体部21と周壁部11との間の隙間を埋めるスペーサ13が固定されている。
【0028】
図3を参照すると、スペーサ13は、シリコン等の弾性部材で構成された板状である。スペーサ13は、周壁部11の内周面に沿って上下方向に延びている。スペーサ13は、周壁部11の内周面のうち、後側に位置する後側スペーサ13aと、左右の両側に位置する右側スペーサ13b及び左側スペーサ13cとを有する。
【0029】
図4に示すように、後側スペーサ13aは、後側スペーサ13aの幅方向の中心と周壁部11の軸線O1との幅方向位置が一致している。右側スペーサ13bと左側スペーサ13cとは、周壁部11の軸線O1を中心に対称に配置されている。右側スペーサ13b及び左側スペーサ13cは、図3に破線で示すように、周壁部11の上下方向の概ね中央部から下方に向かって厚さが大きくなる肉厚部13d,13eがそれぞれ設けられている。各肉厚部13d,13eの厚さは、本体部21の側面部21aの形状に対応させて設定されている。
【0030】
スペーサ13によって、周壁部11に挿入されたマッサージ器2を作動させた際のヘッド23から伝達される本体部21の振動が吸収されるようになっている。周壁部11と本体部21とが振動によって当接するときに出る音(振動音)が抑制される。また、周壁部11内で本体部21を3カ所で押圧状に把持でき、脱落を防止できる。
【0031】
図4に示すように、支持部15は、周壁部11の幅方向の両側から前方に向かうに連れて周壁部11から離間するように傾斜する略V字状である。支持部15は、周壁部11と一体的に設けられている。
【0032】
支持部15は、周壁部11の右側部から前方に向かって延びる右側支持部16と、周壁部11の左側部から前方に向かって延びる左側支持部17と、周壁部11の後面側で右側支持部16と左側支持部17とを連結する連結部18と、を有する。
右側・左側支持部16,17は、周壁部11の後面側で幅方向の両側から周壁部11から左右外方側に向かってそれぞれ延びている。
【0033】
右側支持部16の厚さ方向の中心を通る直線16fと往復動軸線O2との成す角(開き角)θ1、および、左側支持部17の厚さ方向の中心を通る直線17fと往復動軸線O2との成す角θ2は、例えば、それぞれ30度に設定されている。θ1及びθ2は、これに限られるものではなく、15度以上40度以下の範囲で設定できる。
【0034】
θ1及びθ2が15度未満の場合、右側支持部16と左側支持部17間の距離が不足して、マッサージ器2が幅方向に倒れやすく、安定して保持しにくい。θ1及びθ2が40度を超過した場合、支持部15の前後方向の長さはマッサージ器2に対応するため、幅方向の長さが大きくなって、保持ホルダ1が大型化する。
【0035】
図4に示すように、右側支持部16及び左側支持部17の先端部(前端面部)16e,17eの位置は、ホルダ本体10に挿着されるマッサージ器2の後退位置P2に位置するヘッド23の先(前)端部23bよりも後側に位置するように設定されることが好ましい。具体的には、ヘッド23の先端部23bの右側支持部16及び左側支持部17の先端部16e,17eからの突出量ΔLは、例えば、3mmに設定されている。突出量ΔLは、これに限られるものではなく、2mm以上6mm以下の範囲で設定できる。
【0036】
突出量ΔLが2mm未満の場合、マッサージ器2を移動させて被施術部位を探る際に、ヘッド23を当接させにくい。ヘッド23を被施術部位に当接させようとしたときに、ヘッドに加えて支持部15の先端部が当接してしまう。突出量ΔLが6mmを超過すると、ヘッド23の被施術部位への食い込みが大きくなり過ぎる場合がある。マッサージ器2を作動させると、ヘッド23が突出位置P1と後退位置P2との間を往復動するので、突出位置P1に位置したときの被施術部位に対する押圧力(マッサージ圧)が高くなりすぎ場合がある。
【0037】
本実施形態では、突出量ΔLが3mmに設定されている。本実施形態では、開き角θ1およびθ2は30度なので、右側支持部16の先(前)端部と軸線O1との離間距離D1は75mmに設定され、左側支持部17の先(前)端部と軸線O1との離間距離D2は75mmに設定されている。
【0038】
図4に示すように、右側支持部16及び左側支持部17の厚さT1は、4mm以上10mm以下の範囲を設定できる。厚さT1が4mm未満の場合、右側支持部16と左側支持部17の剛性が不足して、マッサージ器2を被マッサージ部位に押し付ける際に変形しやすい。厚さT1が10mmを超過すると、周壁部11と右側支持部16および左側支持部17との間の距離が近づいて、例えば、図11に示すように、右側支持部16及び左側支持部17を両手で把持して使用する際に、使用者の手が挿入しにくく、右側支持部16及び左側支持部17自体も握りにくい。厚さT1が10mmを超過すると、手持ちでの保持ホルダ1が大型化する。
【0039】
図3及び図4に示すように、右側支持部16及び左側支持部17は、内面部16a,17aと、外面部16b,17bと、上面部16c,17cと、下面部16d,17dと、前端面部16e,17eと、を有する。
右側・左側支持部16,17には、鋭角な角部が設けられていない(角部が凸局面条である)。図11に示すように、使用者が各支持部16,17を両手で把持して使用する場合でも把持しやすい構成になっている。
右側支持部16及び左側支持部17の上下方向の高さは、周壁部11の高さH1と略一致させている。
【0040】
図4に示すように、連結部18は、右側支持部16と左側支持部17とを滑らかに繋ぐ円弧状である。連結部18は、周壁部11の後側部分を取り囲んで、周壁部11の両側面と後面を覆うように、周壁部11と一体的に形成されている。連結部18は、概ね周壁部11の軸線O1よりも後側の外周面を覆うように設けられている
【0041】
図3及び図4に示すように、連結部18の上側部分で、周壁部11の左右両側には、右側周溝部18aと左側周溝部18bが夫々設けられている。右側周溝部18a及び左側周溝部18bは、周壁部11の左右両側で前方に向かって解放され、右側周溝部18a及び左側周溝部18bの夫々の周方向長さは、周壁部11の周長に対して概ね1/6に設定されている。
【0042】
図4に示すように、右側周溝部18aの後端部18cと左側周溝部18bの後端部18dとの間には、周溝が設けられていない接続部18eが残されている。接続部18eの周方向の長さは、周壁部11の周長に対して概ね1/6に設定されている。接続部18eの幅方向の中心は、軸線O1と概ね一致するように設定されている。
【0043】
図3を参照すると、右側・左側周溝部18a,18bは、周壁部11の上側部分に設けられている。右側・左側周溝部18a,18bの上下方向位置は、スリット部12bに対応する位置に設けられている。右側・左側周溝部18a,18bによって、周壁部11の上側部分において径方向外側への弾性変形が許容されるようになっている。
【0044】
図4及び図5に示すように、右側・左側支持部16,17には、前側貫通穴16g,17gと、後側貫通穴16h,17hと、中間貫通穴16i,17iとが、それぞれ設けられている。右側支持部16及び左側支持部17の構成は、往復動軸線O2を挟んで左右対称であるため、左側支持部17についてのみ説明する。
【0045】
図4に示すように、前側貫通穴17gは、左側支持部17の先(前)端側で、左側支持部17を厚さ方向に貫通する。後側貫通穴17hは、左側支持部17の後端側で、左側支持部17を厚さ方向に貫通する。
【0046】
図2を参照すると、把持部材30は、例えば、可撓性を有する1本のナイロン等の樹脂糸製のベルト状部材で構成されている。把持部材30は、ベルト本体31と、右側把持部32と、左側把持部33と、を備える。ベルト本体31は、保持ホルダ1の後面側から前方側に向かって巻き付けられて、周壁部11の幅方向の両側から前方側に向かってそれぞれ延びる姿勢を取り得る。本実施形態においては、ベルト本体31の一端部31aが右側把持部32側に位置し、他端部31bが左側把持部33側に位置する。
【0047】
図2および図4を参照すると、把持部材30は、ベルト本体31を保持ホルダ1の複数の貫通穴16g,16h,17g,17hに挿通させることで構成(連結)されている。
ベルト本体31の一端部31aを各貫通穴16g,16h,17g,17hに挿通させる場合はベルト本体31の一端部31aを、左側支持部17の前側貫通穴17gに外面部17b側から挿通し、後側貫通穴17hに内面部17a側から挿通して、さらに、右側支持部16の後側貫通穴16hに外面部16b側から挿通しれ、前側貫通穴16gに内面部16a側から挿通して、一端部31aが右側支持部16の外面部16b側に配置、他端部31bが左側支持部17の外面部17b側に配置される。
【0048】
このようにベルト本体31を挿通することで、ベルト本体31には、右側支持部16および左側支持部17内面部16a,16bに沿って延びる内面延在部31c,31dと、連結部18の後面に沿って巻き付けられる巻付部31eとが形成される。言い換えると、ベルト本体31は、支持部15に沿って左右外方かつ前方へ突出状に配置されている。
【0049】
図5に示すように、ベルト本体31の高さH5は、前側および後側貫通穴の高さH4に概ね一致し、巻付部31eは、後側貫通穴16h,17h間に亘って配置されているので、巻付部31eの上下方向の中央は、往復動軸線O2の上下方向位置と概ね一致する。ヘッド23の前後方向の往復動による振動を巻付部31eで受けやすい。
【0050】
図2に示すように、右側把持部32は、ベルト本体31の長手方向の一端部31a側に設けられ、左側把持部33は、ベルト本体31の長手方向の他端部31b側に設けられている。右側把持部32は、ベルト本体31の一端部31aを折り返すとともに、折り返された一端部31aをベルト本体31に留め具32aで固定することで形成されるループ状の部分である。左側把持部33は、ベルト本体31の他端部31bを折り返すとともに、折り返された他端部31bをベルト本体31に留め具33aで係止(固定)することで形成されるループ状の部分である。右側把持部32および左側把持部33は、一端部31aないし他端部31bの折り返し代を調整することでループ状の部分の長さ(把持部32,33の長さ)を調整することができる。
【0051】
図6には、マッサージ器2を背中で使用する場合の準備状態の保持ホルダ1が示されている。準備状態では、右・左側把持部32,33のループ内に使用者の両手を差し込んで、マッサージ器2が背中に背負った状態で保持される。このとき、使用者の背中には、マッサージ器2の本体部21の下端部21cと、各支持部16,17の下側先端部16u,17uとが当接する。
【0052】
マッサージ器2を背中に背負うように使用する準備の際、マッサージ器2の下端部21cと、各支持部16,17の下側先端部16u,17uとを使用者の背中に当接させることでマッサージ器2の準備姿勢を安定させることができる。言い換えると、マッサージ器2の上端部21bが下端部21cよりも背中から離間する方向に傾いた状態(後傾状態)でマッサージ器2を安定させることができるで、例えば、ヘッド23のみを背中に当接させた準備姿勢に比べて、ヘッド23を所望の被施術部位に移動させやすい。
【0053】
図7に示すように、使用状態では、マッサージ器2の使用状態では、把持部材30を使用者の前方かつ下方(図7矢印X)に向かって引くだけで、マッサージ器2の他端部21cが使用者の背中から離間し、ヘッド23の先端23bが使用者の背中に押し付けられた状態が得られる。使用状態では、下側先端部16u,17uに加え、上側先端部16t,17tおよびヘッド23が使用者の背中に当接する。ヘッド23は、背中に対して、左側および右側支持脚16,17よりも突出しているので、ヘッド23が当接する部分が左側および右側支持脚16,17よりも背中に対する押圧力が高い。言い換えると、ヘッド23が左側および右側支持脚16,17から突出していない場合に比べて、背中等の見えない状態でヘッド23を被施術部分に当接させようとした場合に、所望の被施術部分にヘッド23を配置させやすい。
【0054】
以上の構成により、以下の効果が得られる。
【0055】
手持ち式のマッサージ器2によって、背中等の直接手に持って使用するのではマッサージヘッド23を押し当てにくい被施術部位をマッサージできる。
把持部材30が、周壁部11の幅方向の両側から前方に向かって延びるので、例えば、意匠登録第1709051号のように、孫の手状の保持ホルダにマッサージ器2を挿着して片持ちの状態でマッサージ器2を保持する場合に比べて、マッサージ器2の押圧力の逃げが抑制できる。
【0056】
把持部材30は、支持部15に沿ってガイドされるので、マッサージ器2を背負うようにして使用者の背中側に配置した場合に生じ得る、可撓性を有する把持部材30のねじれ等を抑制できる。例えば、把持部材30が剛体で構成される場合よりも使用者の体側部に沿わせやすく(図6及び図7参照)、さらに、保持ホルダ1をコンパクトに構成することができて運搬性が向上する。
【0057】
支持部15が略V字状で構成されているので、例えば、マッサージ器2を背中に背負うように使用する準備の際、マッサージ器2の下端部21cと、支持部15の下側先端部16u,17uを使用者の背中に当接させることでマッサージ器2の準備姿勢を安定させることができる。
【0058】
マッサージ器2の使用状態では、図7に示すように、把持部材30を使用者の前方に向かって引く(図7の矢印X参照)と、マッサージ器2の下端部21cが使用者の背中から離間し、支持部15の下側先端部16u,17uに加え、ヘッド23の先端と、支持部15の上側先端部16t,17tがヘッド23を挟んで両側から使用者の背中に押し付けられた状態になる。すなわち、使用状態におけるマッサージ器2の姿勢を安定させることができ、より効果的に被施術部位を押圧しやすい。
【0059】
支持部15の前端面部16e,17eは、後退位置P2に位置するヘッド23の先端よりも周壁部11側に位置するので、使用状態の姿勢において、支持部15の先端面部16e,17eが被施術部位に当接すると、ヘッド23は被施術部位にすでに押し付けられた状態となる。ヘッド23が突出位置P1および後退位置P2のいずれの場合においても、ヘッド23を被施術部位に押し付けることができる。
【0060】
把持部材30は、1本のベルト状部材で構成されているので、1本のベルトをホルダ本体10の貫通穴16g,17g,16h,17hに挿通するだけの簡素な構造で把持部材30を構成することができる。
【0061】
支持部15は、剛体であるので、支持部15が弾性体で構成される場合に比べて、マッサージ器2の準備姿勢ないし使用状態の姿勢を安定させやすい。
【0062】
本実施形態においては、保持ホルダ1が支持部15を有する構成について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、図8に示す第1変形例のように、保持ホルダ101は、周壁部111と把持部材30のみで構成されていてもよい。この場合、周壁部111の背面側に膨出状の支持部115を設け、その支持部115にベルト状部材から成る持ち手部材30を挿通(連結)するための貫通穴112を設けてもよい。なお、図8において把持部材30はベルト状部材であるが、周壁部111又は支持部115から左右外方突出状に配設される樹脂製や金属製の棒状部材で構成するも良い。
また、図9に示す第2変形例のように、右側支持部216および左側支持部217は、周壁部211の背面側に設けられて、左右方向に延びる直線状(平面視一文字状)であってもよい。
また、図示省略するが、把持部材30は、支持部15の前側貫通穴16g,17gにそれぞれ接続される2本のベルト状部材であってもよく、剛体で構成された柱状部材や棒状部材で構成されホルダ本体に着脱自在又は一体状に設けていてもよい。
【0063】
また、図10に示す第3の変形例のように、支持部15は、弾性部材で構成されていてもよい。これにより、使用状態において支持部315を被施術部位に押し付けると、支持部315が、ヘッド23の往復動軸線O2から離間する方向に開く(図10矢印X2参照)。これにより、右側支持部316および左側支持部317の先端部からのヘッド23の突出量ΔL1が、変形前の突出量ΔLよりも大きくなって、ヘッド23の被施術部位に対する押圧力(マッサージ力)が高められる。図7に示すように、把持部材30を前方側に引くX1量を変更するだけで、右側支持部316および左側支持部317の押し付け度合いが調整されて、ヘッド23の押圧力を調整できる。なお、ホルダ本体10は、硬度や弾性の異なる2種類の樹脂を用いた二色成型で構成し、支持部17の連結部18を、右・左側支持部16,17よりも弾性を有する樹脂として、一対の支持部16,17を開脚可能に構成するも良い。
【0064】
本実施形態においては、マッサージ器2を背中に使用する例について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、脇腹等であってもよいし、太もも等に使用してもよい。太もも等に使用する場合は、例えば、図11に示すように、右側支持部16および左側支持部17を両手で把持した状態で、ヘッド23を被施術部位に押し当てることができる。図4及び図5を参照しながら前述したように、支持部15の高さH1ないし厚さT1は、使用者が両手で把持したときに握りやすい寸法に設定されている。
【0065】
また、図12に示す第4の変形例ように、支持部415は、周壁部411の前面側に外方突出状に設けられて、半球状であってもよい。支持部415は、半球状の頂部418が周壁部411に連続し、底面419側にヘッド23が配置されてもよい。また、ヘッド23の先端部は底面419よりも前方に配置され、上述の実施形態と同様の突出量ΔLに設定している。支持部415は、上方に開放するU字状の溝部420を有し、溝部420は周壁部411の切欠き部412に対応するように設けられていてもよい。支持部415は、溝部420を挟んで両側に位置する右側支持部416および左側支持部417と、溝部420よりも下方に位置して右側支持部416と左側支持部417とを連続させる連続部421とを有する。右側支持部416および左側支持部417の側面には、それぞれ、把持部材30を挿通させるための開口部422,423が設けられている。言い換えると、把持部材30は支持部415から左右外方突出状に配置されている。把持部材30は、左右に一本ずつ設けられていてもよく、開口部422,423から挿通されて、支持部415の内部に固定されていてもよい。或いは、把持部材30は、1本のベルト状部材であってもよく、右側・左側支持部416,417の開口部(貫通孔)の一方を挿通させ、ベルト中間部が周壁部411の背面側に配設されるようにして、右側・左側支持部416,417の開口部(貫通孔)の他方を挿通させて、支持部415から左右外方かつ前方へ突出状に配設しても良い。また、半球状の支持部415は、底面419により広い接触面が得られ、背中などで位置変更する際に安定しやすく、また、強い力で背中などの施術部位に接触させやすい。
【0066】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 保持ホルダ
2 マッサージ器
10 ホルダ本体
11 周壁部
15 支持部
21 本体部
22 突出部
23 マッサージヘッド
30 把持部材
P2 後退位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図11
図12