(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131589
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】シートバックのロック装置及びこれを備えた車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/20 20060101AFI20240920BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
B60N2/20
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041954
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 巧
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BD03
3B087DA06
3B087DA10
(57)【要約】
【課題】シートバックの前後両方向への傾倒を可能にしつつ、被係合部の不用意な回動を防止することができるシートバックのロック装置及びこれを備えた車両用シートを得る。
【解決手段】シートバック22のロック装置10は、車両用シート14におけるシートバック22の側部22Aに設けられ、シートバック22の上下方向に沿って起立した起立格納位置と側部22Aからシート幅方向外側へ突出した水平突出位置とを含む範囲で回動可能に軸支され、水平突出位置において他の車両用シート16に設けられた係合部42と係合可能に構成された被係合部40と、下端部が被係合部40に接続されると共に、上端部が把持可能に構成され、当該上端部の引張操作によって、被係合部40を起立格納位置から水平突出位置に移行させ、当該上端部の更なる引張操作によって、被係合部40を水平突出位置から起立格納位置に移行させる引張部44と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートにおけるシートバックの側部に設けられ、前記シートバックの上下方向に沿って起立した起立格納位置と前記側部からシート幅方向外側へ突出した水平突出位置とを含む範囲で回動可能とされ、前記水平突出位置において前記車両用シートに隣接する他の車両用シート及び車室の側壁のいずれか一方に設けられた係合部と係合可能に構成された被係合部と、
下端部が前記被係合部に接続されると共に、上端部が把持可能に構成され、当該上端部の引張操作によって、前記被係合部を前記起立格納位置から前記水平突出位置に移行させ、当該上端部の更なる引張操作によって、前記被係合部を前記水平突出位置から前記起立格納位置に移行させる引張部と、
を有するシートバックのロック装置。
【請求項2】
前記被係合部は、
前記水平突出位置において前記係合部に係合される本体部と、
前記本体部を支持すると共に前記引張部の前記下端部が接続された本体側ブラケットと、
前記本体側ブラケットを軸支する回動軸と、
前記回動軸に設けられると共に前記本体部を起立させる方向へ前記本体側ブラケットを付勢する付勢部と、
を備え、
前記引張部の前記下端部は、前記本体側ブラケットにおいて、前記回動軸を挟んで前記本体部とは反対側に接続されている、
請求項1に記載のシートバックのロック装置。
【請求項3】
前記被係合部は、支持ユニットを介して前記シートバックの骨格に接続されており、
前記支持ユニットは、
前記被係合部の前記回動軸を支持するベースブラケットと、
前記ベースブラケットに回動可能に支持された軸部と、前記本体側ブラケットを前記起立格納位置及び前記水平突出位置においてそれぞれ係止可能に構成された係止部と、前記軸部と前記係止部とを連結するリンク部と、を備えた回動規制部と、
を含んで構成され、
前記本体側ブラケットは、前記起立格納位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する起立姿勢保持部と、前記水平突出位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する水平姿勢保持部と、を備えている、
請求項2に記載のシートバックのロック装置。
【請求項4】
前記本体側ブラケットにおける前記起立姿勢保持部と前記水平姿勢保持部との間には、前記起立格納位置から前記水平突出位置へ移行する際に、前記回動規制部の前記係止部を押し上げて前記起立姿勢保持部と前記回動規制部との係合を解除する起立姿勢解除部が設けられている、
請求項3に記載のシートバックのロック装置。
【請求項5】
前記本体側ブラケットの前記起立姿勢解除部は、前記回動軸から離れる方向へ突出して形成されており、
前記引張部の前記下端部は、前記起立姿勢解除部に固定されている、
請求項4に記載のシートバックのロック装置。
【請求項6】
前記回動規制部の下方側には、前記回動軸において前記ベースブラケットに軸支されると共に、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、シート幅方向内側に設けられたリンク押上部が前記回動規制部の前記リンク部を押し上げて前記係止部と前記水平姿勢保持部との係合を解除する水平姿勢解除部が設けられている、
請求項3に記載のシートバックのロック装置。
【請求項7】
前記本体側ブラケットには、前記水平突出位置において前記水平姿勢解除部のシート幅方向外側の端部に設けられた被押下部と係合し、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、前記水平姿勢解除部の前記被押下部を押し下げる突起部が形成されている、
請求項6に記載のシートバックのロック装置。
【請求項8】
乗員の臀部及び大腿部を支持可能なシートクッションと、
前記シートクッションの後端部に回動可能に接続されると共に、側部に請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のロック装置を備え、乗員の背部を支持可能に構成されたシートバックと、
を有する車両用シート。
【請求項9】
前記ロック装置の被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シートに設けられた係合部と係合可能に構成されている、
請求項8に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートバックのロック装置及びこれを備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートのシートバックを、車室の側壁にロックするためのロック装置が知られている。上記従来のロック装置は、車室の側壁に固定されて車室内側に突出したストライカ(被係合部)と、車両用シートの車両幅方向外側の側部に設けられ、ストライカと係脱可能に構成されたフック(係合部)と、を備えている。上記従来のロック装置では、シートバックがストライカよりもシート前方側から後方側へ向かって回動されると、フックがストライカに係合され、シートバックが車室の側壁にロックされるようになっている。また、フックとストライカとの係合が解除されることで、シートバックはシート前方側へ回動可能となる。上記従来のロック装置では、常設されたストライカがフックと干渉するため、シートバックをストライカよりもシート後方側へ傾倒させることはできない。
【0003】
下記特許文献1には、シートバックをストライカ(被係合部)よりも後方側へ傾倒可能なロック装置が開示されている。この技術では、フックを備えたシートバックは、上記従来のシートバックと同様に、フックとストライカとの係合が解除された状態で、前傾可能となっている。
【0004】
ここで、下記特許文献1に記載された技術では、車室の側壁に設けられたストライカは、側壁に直交して突出する水平突出状態と、側壁に沿って起立する起立格納状態とを選択可能に構成されている。ストライカの起立格納状態において、フックはストライカと干渉せずに済むため、この技術のシートバックは、ストライカよりも後方側へ傾倒可能となっている。当該ストライカは、車室の側壁に設けられた解除ボタンの押動操作によって、上下方向に回動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたロック装置のように、車室の側壁に設けられた解除ボタンの押動操作によって被係合部を回動させる構成の場合、乗員が側壁に手をつく等の動作によって不用意に被係合部が回動する可能性がある。よって、シートバックの前後両方向への傾倒を可能にしつつ、被係合部の不用意な回動を防止するには、改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記の事実を考慮し、シートバックの前後両方向への傾倒を可能にしつつ、被係合部の不用意な回動を防止することができるシートバックのロック装置及びこれを備えた車両用シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、車両用シートにおけるシートバックの側部に設けられ、前記シートバックの上下方向に沿って起立した起立格納位置と前記側部からシート幅方向外側へ突出した水平突出位置とを含む範囲で回動可能とされ、前記水平突出位置において前記車両用シートに隣接する他の車両用シート及び車室の側壁のいずれか一方に設けられた係合部と係合可能に構成された被係合部と、下端部が前記被係合部に接続されると共に、上端部が把持可能に構成され、当該上端部の引張操作によって、前記被係合部を前記起立格納位置から前記水平突出位置に移行させ、当該上端部の更なる引張操作によって、前記被係合部を前記水平突出位置から前記起立格納位置に移行させる引張部と、を有している。
【0009】
請求項1に記載の本発明によれば、車両用シートにおけるシートバックの側部に設けられた被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シート及び車室の側壁のいずれか一方に設けられた係合部に係合される。ここで、係合部と被係合部との係合が解除されると、シートバックはシート前後方向の一方側へ傾倒可能となる。
【0010】
そして、引張部の上端部が引っ張られると、被係合部は、水平突出位置から起立格納位置へ移行する。このように被係合部が格納されることで、被係合部は、係合部と干渉せずに済む。よって、シートバックをシート前後方向の他方側へ傾倒させることができる。
【0011】
また、起立格納位置において引張部の上端部が引っ張られると、被係合部は、シートバックの側部からシート幅方向外側へ突出した水平突出位置となり、再び係合部が係合可能な状態となる。
【0012】
上記のように、被係合部の水平突出位置から起立格納位置への移行及び起立格納位置から水平突出位置への移行は、いずれも引張部の引張操作によって行われる。よって、被係合部の不用意な回動を防止することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項1に記載の発明において、前記被係合部は、前記水平突出位置において前記係合部に係合される本体部と、前記本体部を支持すると共に前記引張部の前記下端部が接続された本体側ブラケットと、前記本体側ブラケットを軸支する回動軸と、前記回動軸に設けられると共に前記本体部を起立させる方向へ前記本体側ブラケットを付勢する付勢部と、を備え、前記引張部の前記下端部は、前記本体側ブラケットにおいて、前記回動軸を挟んで前記本体部とは反対側に接続されている。
【0014】
請求項2に記載の本発明によれば、本体側ブラケットは、本体部を支持すると共に、付勢部によって、本体部を起立させる方向に付勢されている。よって、被係合部は、付勢部の付勢力によって自動で起立格納位置へ戻る。
【0015】
請求項3に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項2に記載の発明において、前記被係合部は、支持ユニットを介して前記シートバックの骨格に接続されており、前記支持ユニットは、前記被係合部の前記回動軸を支持するベースブラケットと、前記ベースブラケットに回動可能に支持された軸部と、前記本体側ブラケットを前記起立格納位置及び前記水平突出位置においてそれぞれ係止可能に構成された係止部と、前記軸部と前記係止部とを連結するリンク部と、を備えた回動規制部と、を含んで構成され、前記本体側ブラケットは、前記起立格納位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する起立姿勢保持部と、前記水平突出位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する水平姿勢保持部と、を備えている。
【0016】
請求項3に記載の本発明によれば、被係合部は、支持ユニットを介してシートバックの骨格に接続されている。被係合部は、回動軸において支持ユニットのベースブラケットに軸支されている。ここで、ベースブラケットには、回動規制部が設けられている。回動規制部は、軸部においてベースブラケットに軸支されており、軸部周りにリンク部が回動することで、係止部が移動される。
【0017】
起立格納位置において、本体側ブラケットの起立姿勢保持部は、回動規制部の係止部と係合する。これにより、本体側ブラケットが係止され、被係合部は、起立姿勢を保持することができる。また、リンク部が軸部周りに回動されることで、係止部と起立姿勢保持部との係合が解除される。
【0018】
さらに、水平突出位置において、本体側ブラケットの水平姿勢保持部は、回動規制部の係止部と係合する。これにより、本体側ブラケットが係止され、被係合部は、水平姿勢を保持することができる。また、リンク部が軸部周りに回動されることで、係止部と水平姿勢保持部との係合が解除される。
【0019】
このように、一つの回動規制部によって、被係合部は、起立姿勢及び水平姿勢をそれぞれ保つことができる。
【0020】
請求項4に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項3に記載の発明において、前記本体側ブラケットにおける前記起立姿勢保持部と前記水平姿勢保持部との間には、前記起立格納位置から前記水平突出位置へ移行する際に、前記回動規制部の前記係止部を押し上げて前記起立姿勢保持部と前記回動規制部との係合を解除する起立姿勢解除部が設けられている。
【0021】
請求項4に記載の本発明によれば、起立格納位置から被係合部が回動すると、起立姿勢解除部によって、回動規制部の係止部が押し上げられる。これにより、起立姿勢保持部と回動規制部との係合が解除される。つまり、被係合部の回動動作に連動して起立格納位置における本体側ブラケットの係止が解除される。
【0022】
請求項5に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項4に記載の発明において、前記本体側ブラケットの前記起立姿勢解除部は、前記回動軸から離れる方向へ突出して形成されており、前記引張部の前記下端部は、前記起立姿勢解除部に固定されている。
【0023】
請求項5に記載の本発明によれば、起立格納位置において、引張部の上端部が引っ張られると、引張部の下端部に接続された本体側ブラケットの起立姿勢解除部が引き上げられる。ここで、起立姿勢解除部は、回動軸から離れる方向に突出して形成されているため、大きなモーメントを得ることができる。よって、引張部の引っ張りによって効率よく被係合部を回動させることができる。
【0024】
請求項6に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項5に記載の発明において、前記回動規制部の下方側には、前記回動軸において前記ベースブラケットに軸支されると共に、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、シート幅方向内側に設けられたリンク押上部が前記回動規制部の前記リンク部を押し上げて前記係止部と前記水平姿勢保持部との係合を解除する水平姿勢解除部が設けられている。
【0025】
請求項6に記載の本発明によれば、水平姿勢解除部は、回動軸回りに回動される。回動規制部のリンク部は、水平姿勢解除部におけるリンク押上部によって押し上げられる。これにより、回動規制部と水平姿勢保持部との係合が解除される。そして、回動規制部が起立姿勢解除部を乗り越えて起立姿勢保持部と係合することで、被係合部は起立格納位置で保持される。
【0026】
請求項7に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、請求項6に記載の発明において、前記本体側ブラケットには、前記水平突出位置において前記水平姿勢解除部のシート幅方向外側の端部に設けられた被押下部と係合し、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、前記水平姿勢解除部の前記被押下部を押し下げる突起部が形成されている。
【0027】
請求項7に記載の本発明によれば、水平突出位置において引張部が引っ張られると、本体側ブラケットの突起部によって、水平姿勢解除部の被押下部が押し下げられる。ここで、水平姿勢解除部は、回動軸においてベースブラケットに軸支されており、被押下部が押し下げられることにより、リンク押上部が上がる。これにより、回動規制部のリンク部が水平姿勢解除部のリンク押上部に押し上げられて、回動規制部と水平姿勢保持部との係合が解除される。
【0028】
請求項8に記載の本発明に係る車両用シートは、乗員の臀部及び大腿部を支持可能なシートクッションと、前記シートクッションの後端部に回動可能に接続されると共に、側部に請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のロック装置を備え、乗員の背部を支持可能に構成されたシートバックと、を有している。
【0029】
請求項8に記載の本発明によれば、乗員は、シートクッションによって臀部及び大腿部を支持され、シートバックによって背部を支持される。ここで、シートバックの側部には、ロック装置が設けられている。
【0030】
シートバックの側部に軸支された被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シート及び車室の側壁のいずれか一方に設けられた係合部に係合される。ここで、係合部と被係合部との係合が解除されると、シートバックはシート前後方向の一方側へ傾倒可能となる。
【0031】
そして、引張部の上端部が引っ張られると、被係合部は、水平突出位置から起立格納位置へ移行する。このように被係合部が格納されることで、被係合部は、係合部と干渉せずに済む。よって、シートバックをシート前後方向の他方側へ傾倒させることができる。
【0032】
また、起立格納位置において引張部の上端部が引っ張られると、被係合部は、シートバックの側部からシート幅方向外側へ突出した水平突出位置となり、再び係合部が係合可能な状態となる。
【0033】
上記のように、被係合部の水平突出位置から起立格納位置への移行及び起立格納位置から水平突出位置への移行は、いずれも引張部の引張操作によって行われる。よって、被係合部の不用意な回動を防止することができる。
【0034】
請求項9に記載の本発明に係る車両用シートは、請求項8に記載の発明において、前記ロック装置の被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シートに設けられた係合部と係合可能に構成されている。
【0035】
請求項9に記載の本発明によれば、シートバックの側部に軸支された被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シートに設けられた係合部に係合される。ここで、係合部と被係合部との係合が解除されると、車両用シートのシートバックは、他の車両用シートのシートバックに対してシート前後方向の一方側へ傾倒可能となる。また、他の車両用シートのシートバックは、車両用シートのシートバックに対して、シート前後方向の他方側へ傾倒可能となる。
【0036】
ここで、引張部の上端部が引っ張られると、被係合部は、水平突出位置から起立格納位置へ移行する。このように被係合部が格納されることで、被係合部が係合部に干渉せずに済む。よって、車両用シートのシートバックを他の車両用シートのシートバックに対してシート前後方向の他方側へ傾倒させることができる。また、他の車両用シートのシートバックを車両用シートのシートバック対してシート前後方向の一方側へ傾倒させることができる。換言すると、車両用シートのシートバックと他の車両用シートのシートバックとが互いに対して前後両方向に通過可能となる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、シートバックの前後両方向への傾倒を可能にしつつ、被係合部の不用意な回動を防止することができるという優れた効果を有する。
【0038】
請求項2に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、簡素な構成で機械的に被係合部が格納されるという優れた効果を有する。
【0039】
請求項3に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、簡素な構成で起立格納位置及び水平突出位置を保持することができるという優れた効果を有する。
【0040】
請求項4に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、簡素な構成で起立格納位置における係止を解除することができるという優れた効果を有する。
【0041】
請求項5に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、効率よく被係合部を回動させることができるという優れた効果を有する。
【0042】
請求項6に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、簡素な構成で水平突出位置における係止を解除することができるという優れた効果を有する。
【0043】
請求項7に記載の本発明に係るシートバックのロック装置は、簡素な構成で水平突出位置から起立格納位置へ移行することができるという優れた効果を有する。
【0044】
請求項8に記載の本発明に係る車両用シートは、シートバックの前後両方向への傾倒を可能にしつつ、不用意にロック装置の被係合部が回動することを防止することができるという優れた効果を有する。
【0045】
請求項9に記載の本発明に係る車両用シートは、車両用シートのシートバックと他の車両用シートのシートバックとが互いに対して前後両方向に通過可能となるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本実施形態に係るロック装置を備えたリヤシートの正面図である。
【
図2】
図1に示される連結側サイドシートのロック装置周辺を示す後方斜視図である。
【
図3】
図2に示される被係合部の起立格納位置におけるロック装置の前方斜視図である。
【
図4】
図2に示される被係合部の水平突出位置におけるロック装置の前方斜視図である。
【
図5】
図4に示される水平突出位置の係止が解除され起立格納位置へ移行する途中の状態におけるロック装置の前方斜視図である。
【
図6】ロック装置の被係合部周辺の分解斜視図である。
【
図7】
図4に示されるロック装置を下方側から見た底面図である。
【
図8】ロック装置の支持ユニット周辺の分解斜視図である。
【
図9】
図6に示されるリンク押上プレートと
図8に示される回動規制部との関係を拡大して示す斜視図である。
【
図10】
図3に示されるロック装置の要部拡大正面図である。
【
図11】
図4に示されるロック装置の要部拡大正面図である。
【
図12】
図5に示されるロック装置の要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、
図1~
図12を用いて本発明の一実施形態に係るロック装置10について説明する。なお、
図1に示される矢印UP、矢印RH及び矢印LHは、ロック装置10が搭載されたリヤシート12のシート上方側、シート幅方向右側及びシート幅方向左側をそれぞれ示している。また、
図2~
図12に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RH及び矢印LHは、それぞれ連結側サイドシート14のシートバック上方側、シートバック前方側、シートバック幅方向右側及びシートバック幅方向左側をそれぞれ示している。また、以下の説明で特記なく上下、前後及び左右の方向を用いる場合は、それぞれシートバック上下方向の上下、シートバック前後方向の前後及びシートバック左右方向の左右をそれぞれ示すものとする。
【0048】
まず、
図1を用いて、リヤシート12の全体構成について説明した後、
図2~
図12を用いてロック装置10について説明する。
【0049】
〔リヤシート12の全体構成〕
図1には、リヤシート12の正面図が示されている。リヤシート12は、車室20において後部座席として設けられている。リヤシート12は、車両幅方向中央部に設けられたセンタシート16と、センタシート16の右側に設けられた連結側サイドシート14と、センタシート16の左側に設けられた独立側サイドシート18と、を含んで構成されており、分割比率が4対2対4の分割可倒式のシートとされている。
【0050】
連結側サイドシート14は、乗員の臀部及び大腿部を支持可能な図示しないシートクッションと、シートクッションの後端部に回動可能に接続され、乗員の背部を支持可能に構成されたシートバック22と、シートバック22の上端部に接続され、乗員の頭部を支持可能に構成されたヘッドレスト24と、を備えている。連結側サイドシート14のシートバック22は、シート右側に設けられた図示しないリクライニング機構によって、所定のリクライニング角度を保てるようになっている。
【0051】
同様に、独立側サイドシート18は、図示しないシートクッションと、シートバック26と、ヘッドレスト28と、を備えている。独立側サイドシート18のシートバック26は、連結側サイドシート14のシートバック22と同様に、シート左側に設けられた図示しないリクライニング機構によって、所定のリクライニング角度を保てるようになっている。また、センタシート16は、図示しないシートクッションと、シートバック30と、ヘッドレスト32と、を備えている。
【0052】
ここで、車室20を備えた図示しない車両は、センタシート16を連結側サイドシート14に連結するためのロック機構34と、連結側サイドシート14を車室20の右側壁20Aに連結するためのロック機構36と、独立側サイドシート18を車室20の左側壁20Bに連結するためのロック機構38と、を有している。
【0053】
(ロック機構34)
ロック機構34は、連結側サイドシート14に設けられると共に被係合部40を備えたロック装置10と、センタシート16に設けられた係合部としてのフック42と、を含んで構成されている。ロック装置10は、連結側サイドシート14のシートバック22において、センタシート16に隣接する左側部22Aの上部に設けられている。また、フック42は、センタシート16のシートバック30において、連結側サイドシート14に隣接する右側部30Aの上部に設けられている。センタシート16は、フック42がロック装置10の被係合部40と係合することにより、連結側サイドシート14に連結されるようになっている。このようにセンタシート16が連結側サイドシート14に連結された状態では、リヤシート12は、6対4の分割となる。
【0054】
また、センタシート16の上端部には、係合解除部(図示省略)が設けられている。フック42の被係合部40に対する係合は、乗員が係合解除部を操作することによって解除される。フック42については、周知の構造であるため、詳細な説明を省略する。
【0055】
被係合部40は、連結側サイドシート14におけるシートバック22の左側部22Aの上部において、回動可能に軸支されている。被係合部40は、シートバック22の左側部22Aから左側へ突出した水平突出位置と、シートバック22の上下方向に沿って起立した起立格納位置とを、引張部44によって切り替え可能となっている。被係合部40は、水平突出位置において、センタシート16のフック42と係合するようになっている。なお、
図1において、水平突出位置の被係合部40は点線で示され、起立格納位置の被係合部40は、二点鎖線で示されている。なお、ロック装置10に対しては、連結側サイドシート14が本発明の車両用シートに相当し、センタシート16が他の車両用シートに相当する。
【0056】
(ロック機構36)
一方、ロック機構36は、連結側サイドシート14におけるシートバック22の右側部22Bに設けられると共に被係合部48を備えたロック装置46と、車室20の右側壁20Aに設けられた係合部としてのフック50と、を含んで構成されている。連結側サイドシート14は、フック50がロック装置46の被係合部48と係合することにより、車室20の右側壁20Aに連結されるようになっている。
【0057】
また、車室20の右側壁20Aには、係合解除部(図示省略)が設けられている。フック50の被係合部48に対する係合は、乗員が係合解除部を操作することによって解除される。
【0058】
被係合部48は、シートバック22の右側部22Bの上部において回動可能に軸支されている。被係合部48は、右側部22Bから右側へ突出した水平突出位置と、シートバック22の上下方向に沿って起立した起立格納位置とを、引張部52によって切り替え可能となっている。被係合部48は、水平突出位置において、車室20の右側壁20Aのフック50と係合するようになっている。ロック装置46は、連結側サイドシート14のシートバック22において、ロック装置10と左右対称の構成であるため、詳細な説明を省略する。なお、ロック装置46に対しては、連結側サイドシート14が本発明の車両用シートに相当する。
【0059】
(ロック機構38)
また、ロック機構38は、独立側サイドシート18におけるシートバック26の左側部26Aに設けられると共に被係合部56を備えたロック装置54と、車室20の左側壁20Bに設けられた係合部としてのフック58と、を含んで構成されている。独立側サイドシート18は、フック58がロック装置54の被係合部56と係合することにより、車室20の左側壁20Bに連結されるようになっている。
【0060】
被係合部56は、シートバック26の左側部26Aの上部において回動可能に軸支され、左側部26Aから左側へ突出した水平突出位置と、シートバック26の上下方向に沿って起立した起立格納位置とを、引張部60によって切り替え可能となっている。ロック装置54は、ロック装置10と同じ構成を有するため、詳細な説明を省略する。なお、ロック装置54に対しては、独立側サイドシート18が本発明の車両用シートに相当する。
【0061】
〔ロック装置10の構成〕
以下、
図2~
図12を用いて、ロック装置10の構成について詳述する。
【0062】
図2には、連結側サイドシート14のロック装置10周辺を左後方から見た図が示されている。
図2に示されるように、ロック装置10の被係合部40は、フック42(
図1参照)との係合が解除されると、折り畳んで格納部62に格納できるようになっている。この格納操作は、引張部44の引張操作によって行われる。
【0063】
連結側サイドシート14のシートバック22は、骨格としてのシートバックフレーム64を備えている。シートバックフレーム64は、シートバック22の左右両端部においてそれぞれ上下方向に延在する左右一対のサイドフレーム64Aと、左右一対のサイドフレーム64Aの上端部同士をシート幅方向に連結するアッパフレーム64Bと、を含んで構成されている。
【0064】
格納部62は、シートバック22の左側部22Aにおいて、パッド(図示省略)に形成された凹部と、凹部に固定されたケース66と、を含んで構成されている。ケース66には、シート幅方向に貫通する貫通孔66Aが形成されている。ロック装置10は、ケース66に収容されると共に、貫通孔66Aを通って左側のサイドフレーム64Aに固定されている。
【0065】
また、引張部44は、乗員が把持可能な把持部としてのストラップ44Aと、ストラップ44Aに接続されたワイヤ44Bと、ワイヤ44Bの下端部に固定された環状の端子44C(
図6参照)と、を含んで構成されている。
【0066】
ストラップ44Aは、左側部22Aの上端部からシートバック22の外部に露出されている。ストラップ44Aは、一例として、略矩形に形成されているが、これに限らない。また、把持部はストラップに限らず、例えばレバーであってもよい。
【0067】
ワイヤ44Bは、シートバック22の上下方向に沿って、パッド(図示省略)の内部を通って配置されている。ワイヤ44Bの上端部は、ストラップ44Aに固定されている。一方、ワイヤ44Bの下端部には、端子44C(
図6参照)が設けられており、被係合部40に固定されている。
【0068】
被係合部40は、引張部44のストラップ44Aが引っ張られることにより、倒れる向き、すなわちシートバック前方側から見て時計回りに回動し、
図3に示される起立格納位置から
図4に示される水平突出位置へ移行するようになっている。
図1に示されるように、水平突出位置における被係合部40は、シートバック22の左側部22Aから左側へ突出しており、これによりフック42で係合できるようになっている。
【0069】
また、
図5に示されるように、水平突出位置から引張部44のストラップ44Aがさらに引っ張られることにより、被係合部40は、シートバック前方側から見て時計回りにさらに回動した後、起立する向き、すなわちシートバック前方側から見て反時計回りに回動し、
図3に示される起立格納位置へ移行するようになっている。被係合部40を上記のように回動させる機構については、後に詳述する。
【0070】
図4に示されるように、ロック装置10は、左側のサイドフレーム64Aに溶接された骨格側ブラケット68と、骨格側ブラケット68に締結されると共に、被係合部40を軸支する支持ユニット70と、センタシート16のフック42(
図1参照)に係合可能に構成された被係合部40と、を備えている。
【0071】
被係合部40は、センタシート16のフック42(
図1参照)に係合される本体部としてのストライカ72を備えている。ストライカ72は略U字状に形成されており、水平突出位置において、フック42が引っ掛けられるようになっている。
【0072】
また、被係合部40は、ストライカ72の回動中心となる回動軸74と、回動軸74に軸支されると共に、ストライカ72を支持する本体側ブラケット76と、を備えている。回動軸74は、シートバック前後方向に沿って設けられている。
【0073】
ストライカ72は、回動軸74側に開放された略U字状に形成されており、両端部が本体側ブラケット76に溶接されている。これにより、ストライカ72は、本体側ブラケット76と共に、回動軸74周りに回動するようになっている。
【0074】
図6に示されるように、本体側ブラケット76は、シートバック前方側から見て、水平突出位置におけるシート幅方向内側の端部が、斜め上方向に向かう向きに湾曲して形成されている。また、本体側ブラケット76は、ストライカ72の先端側、すなわち水平突出位置におけるシート幅方向左側から見た縦断面視で、略U字状に形成されている。換言すると、本体側ブラケット76は、ストライカ72の両端部が溶接された支持部78と、支持部78の前端部から水平突出状体における上方側へ屈曲形成された前壁部80と、支持部78の後端部から水平突出位置における上方側へ屈曲形成された後壁部82と、を備えている。
【0075】
前壁部80において、水平突出位置におけるシート幅方向内側の端部には、前後方向に貫通した貫通孔84が形成されている。また、後壁部82において、水平突出位置におけるシート幅方向内側の端部には、貫通孔84と同軸上に貫通孔86が形成されている。回動軸74は、本体側ブラケット76の貫通孔84及び貫通孔86に挿通されている。
【0076】
また、支持部78において、水平突出位置におけるシート幅方向内側の端部には、水平突出位置におけるシート幅方向外側へ向かって凹んだ略矩形状の切欠部88が形成されている。
【0077】
ここで、
図7に示されるように、被係合部40は、回動軸74に設けられると共に、本体側ブラケット76を付勢する付勢部としてのストライカ付勢ばね90を備えている。ストライカ付勢ばね90は、一例として、ねじりコイルばねとされている。
【0078】
ストライカ付勢ばね90の一端部90Aは、本体側ブラケット76の切欠部88を通って、支持部78の裏面に引っ掛けられている。一方、ストライカ付勢ばね90の他端部90Bは、本体側ブラケット76の切欠部88を通って、後述するベースブラケット100に固定された付勢軸102に掛け止められている。これにより、ストライカ付勢ばね90は、ストライカ72を起立させる方向へ本体側ブラケット76を付勢している。
【0079】
また、
図6に示されるように、本体側ブラケット76の後壁部82において、水平突出位置におけるシート幅方向内側の端部、すなわち貫通孔86を挟んでストライカ72とは反対側の端部には、水平突出位置におけるシート幅方向内側かつ上方側へ向かって延出された起立姿勢解除部としての延出部92が設けられている。延出部92は、回動軸74から離れる方向に延出されている。
【0080】
ここで、延出部92には、ねじ孔92Aが形成されている。ねじ孔92Aには、引張部44の下端部に設けられた端子44Cに挿通された状態で、雄ねじ94が螺号されている。つまり、引張部44の下端部は、本体側ブラケット76において、回動軸74を挟んでストライカ72とは反対側に設けられた延出部92に締結されている。これにより、引張部44の引張操作によって、本体側ブラケット76ひいてはストライカ72が、回動軸74周りに回動するようになっている。
【0081】
また、延出部92において、水平突出位置における略上下方向の両側には、シートバック前後方向から見てそれぞれ略L字状に凹んで形成された起立姿勢保持部としての上側凹部96と、水平姿勢保持部としての下側凹部98とが形成されている。
【0082】
図10に示されるように、上側凹部96は、起立格納位置において、後述する回動規制部104の係止部としてのストッパ118と係合し、ストライカ72の起立姿勢を保持する機能を有している。
【0083】
また、延出部92は、
図10に示される起立格納位置から
図11に示される水平突出位置へ移行する際に、後述する回動規制部104のストッパ118を押し上げて、上側凹部96と回動規制部104との係合を解除する、すなわち被係合部40の起立姿勢を解除する機能を有している。
【0084】
一方、
図11に示されるように、下側凹部98は、水平突出位置において、回動規制部104のストッパ118に係合され、ストライカ72の水平姿勢を保持する機能を有している。
【0085】
次に、
図8を用いて、支持ユニット70について説明する。支持ユニット70は、骨格側ブラケット68に固定されたベースブラケット100と、ベースブラケット100におけるシート幅方向外側の端部の下側に溶接された付勢軸102と、ベースブラケット100に軸支された回動規制部104と、を含んで構成されている。
【0086】
ベースブラケット100は、シートバック上下方向から見てシート幅方向外側に開放された略U字状に形成されており、骨格側ブラケット68に固定されたベース部106と、ベース部106の前端部からシート幅方向外側へ向かって屈曲形成された前壁部108と、ベース部の後端部からシート幅方向外側へ向かって屈曲形成された後壁部110と、を含んで構成されている。
【0087】
ベース部106には、上下一対の貫通孔106Aが形成されている。また、骨格側ブラケット68には、上下一対のウェルドナット68Aが設けられている。上下一対の貫通孔106Aにボルト112が挿通され、各ボルト112がウェルドナット68Aに螺合されることで、ベースブラケット100は、骨格側ブラケット68に固定されている。
【0088】
前壁部108において、シート幅方向外側の端部には、貫通孔108Aが形成されている。また、後壁部110において、シート幅方向外側の端部には、貫通孔110Aが形成されている。回動軸74は、前壁部108の貫通孔108A及び後壁部110の貫通孔110Aに挿通されている。これにより、被係合部40(
図3~
図5参照)がベースブラケット100に軸支されている。
【0089】
また、ベースブラケット100において、後壁部110のシート幅方向内側の端部かつ上端部には、回動規制部104を軸支するための貫通孔110Bが形成されている。さらに、後壁部110のシート幅方向中央部には、略矩形状の貫通孔110Cが形成されている。
図9に示されるように、貫通孔110Cには、後述するリンク押上プレート124のリンク押上部130が挿通されており、貫通孔110C内においてリンク押上部130が略上下方向に移動可能になっている。
【0090】
ここで、
図8に示されるように、回動規制部104は、貫通孔110Bに挿通されてかしめられた軸部としてのリベット114と、リベット114に軸支されたリンク部116と、リンク部116のシート幅方向外側の端部においてシート前方側へ突出して設けられた略円柱状のストッパ118と、を備えている。
【0091】
リベット114は、リンク部116に形成された貫通孔116A及びベースブラケット100の貫通孔110Bに挿通されてかしめられている。これにより、リンク部116は、リベット114を軸中心として、すなわちシート前後方向を軸方向として回動可能に構成されている。
【0092】
図10に示されるように、起立格納位置において、ストッパ118は、本体側ブラケット76の上側凹部96と係合している。また、
図11に示されるように、水平突出位置において、ストッパ118は、本体側ブラケット76の下側凹部98と係合している。つまり、回動規制部104は、起立格納位置及び水平突出位置において、それぞれ被係合部40の回動を規制する機能を有している。
【0093】
図9に示されるように、リンク部116において、リベット114とストッパ118との間には、貫通孔116Bが形成されている。また、ベースブラケット100の後壁部110の下部には、前方側へ向かって屈曲されたフランジ120が設けられている。フランジ120には、貫通孔120Aが形成されている。
【0094】
ここで、回動規制部104のリンク部116は、リンク付勢ばね122によって、下向きに付勢されている。リンク付勢ばね122の一端部122Aは、回動規制部104におけるリンク部116の貫通孔116Bに引っ掛けられている。一方、リンク付勢ばね122の他端部122Bは、ベースブラケット100におけるフランジ120の貫通孔120Aに引っ掛けられている。これにより、リンク付勢ばね122は、回動規制部104を、シート前方側から見て時計回りに回動する方向へ付勢している。リンク付勢ばね122は、一例として、引張コイルばねとされている。
【0095】
さらに、
図6及び
図9に示されるように、ベースブラケット100の後壁部110と本体側ブラケット76の後壁部82との間には、水平姿勢解除部としてのリンク押上プレート124と、プレート付勢ばね126とが設けられており、それぞれ回動軸74に軸支されている。
【0096】
図6に示されるように、リンク押上プレート124は、貫通孔128Aが形成された環状部128を備えている。回動軸74は、リンク押上プレート124の貫通孔128Aに挿通されている。また、環状部128のシート幅方向内側には、後方側へ屈曲されたリンク押上部130が形成されている。さらに、環状部128のシート幅方向外側には、後方側へ屈曲された被押下部132が形成されている。
【0097】
図9に示されるように、リンク押上プレート124のリンク押上部130は、回動規制部104のリンク部116の下方側に配置されると共に、ベースブラケット100の後壁部110に形成された貫通孔110Cに挿通されている。
【0098】
図11に示されるように、水平突出位置から引張部44(
図4参照)が引っ張られると、リンク押上部130は、回動規制部104のリンク部116を押し上げて、
図12に示されるように、ストッパ118と下側凹部98との係合を解除するように構成されている。
【0099】
ここで、
図10~
図12に示されるように、本体側ブラケット76の後壁部82の後面には、シート後方側へ向かって突出した略円柱状の突起部82Aが設けられている。
図11に示されるように、突起部82Aは、水平突出位置において、リンク押上プレート124の被押下部132と係合している。そして、水平突出位置から引張部44(
図4参照)が引っ張られると、
図12に示されるように、本体側ブラケット76の突起部82Aは、リンク押上プレート124の被押下部132を押し下げ、これによりリンク押上プレート124が回動するようになっている。
【0100】
また、
図9に示されるように、プレート付勢ばね126の一端部126Aは、付勢軸102に対して、シート幅方向外側かつ下側から掛け止められている。一方、プレート付勢ばね126の他端部126Bは、リンク押上プレート124の被押下部132に対してシート幅方向内側かつ下側から掛け止められている。つまり、プレート付勢ばね126は、リンク押上プレート124を、シート前方側から見て反時計回りに回動させる方向、すなわち被押下部132を上げてリンク押上部130を下げる方向へ付勢する構成とされている。プレート付勢ばね126は、一例としてねじりコイルばねとされている。
【0101】
(本実施形態の作用)
次に、引張部44の引っ張り操作によって、ロック装置10の被係合部40が格納される態様及び展開される態様についてそれぞれ説明し、当該説明を通して本実施形態の作用について説明する。
【0102】
(水平突出位置から起立格納位置への移行)
まず、引張部44の引張操作によって、被係合部40が水平突出位置から起立格納位置へ移行し格納される態様について説明する。
【0103】
まず、
図1に示されるセンタシート16の上端部に設けられた係合解除部(図示省略)が操作されると、フック42の被係合部40に対する係合が解除される。これにより、センタシート16のシートバック30は、連結側サイドシート14のシートバック22との連結が解除されるため、単体で前傾可能となる。
【0104】
一方、フック42と被係合部40との係合が解除されても、被係合部40が水平突出位置のままでは、シートバック30を単体で後傾させようとしても、フック42が被係合部40に干渉するため、シートバック30をロック装置10よりも後方側へ傾けることはできない。
【0105】
ここで、引張部44が引っ張られることにより、被係合部40は水平突出位置から起立格納位置へ移行する。
【0106】
具体的には、
図4及び
図11に示される水平突出位置において、引張部44のストラップ44A(
図2参照)が引っ張られると、ワイヤ44Bの下端部の端子44Cに接続された本体側ブラケット76の延出部92が引き上げられる。本体側ブラケット76は、回動軸74に軸支されているため、延出部92が引き上げられることにより、被係合部40は、
図5及び
図12に示されるようにシート前方側から見て時計回りに回動される。
【0107】
ここで、
図11に示されるように、本体側ブラケット76には、水平突出位置においてリンク押上プレート124の被押下部132と係合する突起部82Aが設けられている。このため、被係合部40がシート前方側から見て時計回りに回動されると、
図12に示されるように、突起部82Aによって被押下部132が押し下げられることにより、リンク押上プレート124が回動軸74回りに回動される。
【0108】
このとき、リンク押上プレート124におけるリンク押上部130は、略上方側へ移動する。そして、リンク押上部130の上方側に設けられた回動規制部104のリンク部116が押し上げられる。これにより、回動規制部104のストッパ118と本体側ブラケット76の下側凹部98との係合が解除される。
【0109】
回動規制部104のストッパ118と本体側ブラケット76の下側凹部98との係合が解除されると、被係合部40は、ストライカ付勢ばね90の付勢力によって、シート前方側から見て反時計回り、すなわち起き上がる方向に回動する。このとき、回動規制部104のストッパ118は、延出部92を乗り越える。そして、
図10に示されるように、起立姿勢となった被係合部40における本体側ブラケット76の上側凹部96とストッパ118とが係合する。これにより、被係合部40は、起立姿勢を保持することができる。
【0110】
図1に示されるように、被係合部40を格納することで、被係合部40がフック42に干渉せずに済む。よって、シートバック30を被係合部40よりもシート後方側へ傾倒させることができ、センタシート16を単体でフルフラットにすることもできる。これにより、例えば連結側サイドシート14の乗員が起立姿勢のままでも、センタシート16に着座した乗員がシートバック30を後傾させてリラックスすることができる。
【0111】
(起立格納位置から水平突出位置への移行)
続いて、引張部44の引張操作によって、被係合部40が起立格納位置から水平突出位置へ移行する態様について説明する。
【0112】
例えば
図1に示されるセンタシート16のシートバック30が連結側サイドシート14のシートバック22よりも後傾されており、被係合部40が起立格納位置である場合、まず、乗員はセンタシート16のシートバック30を起こして、連結側サイドシート14のシートバック22よりも前方側へ配置する。
【0113】
そして、
図3及び
図10に示されるように、引張部44のストラップ44A(
図2参照)が引っ張られると、ワイヤ44Bの下端部に接続された本体側ブラケット76の延出部92が引き上げられる。本体側ブラケット76は、回動軸74に軸支されているため、延出部92が引き上げられることにより、被係合部40は、シート前方側から見て時計回りに回動される。ここで、延出部92は、回動軸74から離れる方向に突出して形成されているため、大きなモーメントを得ることができる。よって、引張部44の引っ張りによって効率よく被係合部40を回動させることができる。
【0114】
図10に示されるように、起立格納位置から被係合部40が回動されると、延出部92によって、回動規制部104のストッパ118が押し上げられる。これにより、ストッパ118と本体側ブラケット76の上側凹部96との係合が解除され、ストッパ118が延出部92を乗り越えて、延出部92の下方側に配置される。このとき、回動規制部104のリンク部116は、リンク付勢ばね122によって下方側へ付勢されているため、回動規制部104は延出部92を円滑に乗り越えることができる。つまり、被係合部40の回動動作に連動して、起立格納位置における係止が円滑に解除される。
【0115】
そして、
図11に示されるように、ストッパ118と本体側ブラケット76の下側凹部98とが係合し、被係合部40は水平突出位置となる。
【0116】
これにより、
図1に示されるセンタシート16に設けられたフック42が被係合部40に係合可能な状態となる。このように、被係合部40が突出した状態でセンタシート16のシートバック30をシート後方側へ移動させると、被係合部40がフック42に係合され、センタシート16が連結側サイドシート14に連結される。
【0117】
上記のように、被係合部40の水平突出位置から起立格納位置への移行及び起立格納位置から水平突出位置への移行は、いずれも引張部44の引張操作によって行われる。よって、不用意に被係合部40が回動することを防止することができる。
【0118】
比較例として、車室の側壁に設けられた解除ボタンの押動操作によって、車室の側壁に設けられた被係合部を回動させる構成の場合、乗員が側壁に手をつく等の動作によって、不用意に被係合部が回動する可能性がある。特に、例えばシートバックが後傾している状態で誤って被係合部を展開してしまうと、被係合部と係合部が干渉するため、シートバックを起立姿勢に戻せなくなる。
【0119】
これに対して、本実施形態に係るロック装置10の被係合部40は、引張部44の引張操作によって回動されるため、不用意に被係合部40が回動することを防止することができる。
【0120】
上記では、ロック装置10の作用について詳述したが、ロック装置46及びロック装置54についても、同様の作用を得ることができる。
【0121】
例えば、本実施形態に係るロック装置54によれば、独立側サイドシート18におけるシートバック26の左側部26Aに軸支された被係合部56は、水平突出位置において、車室20の左側壁20Bに設けられたフック58に係合される。ここで、車室20の左側壁20Bに設けられたフック58と独立側サイドシート18に設けられた被係合部56との係合が解除されると、独立側サイドシート18と車室20の左側壁20Bとの連結が解除される。これにより、独立側サイドシート18のシートバック26は、車室20の左側壁20Bのフック58よりも、シート前方側へ傾倒可能となる。
【0122】
同様に、本実施形態に係るロック装置46によれば、連結側サイドシート14におけるシートバック22の右側部22Bに軸支された被係合部48は、水平突出位置において、車室20の右側壁20Aに設けられたフック50に係合される。ここで、車室20の右側壁20Aに設けられたフック50と連結側サイドシート14に設けられた被係合部48との係合が解除されると、連結側サイドシート14と車室20の右側壁20Aとの連結が解除される。これにより、連結側サイドシート14のシートバック22は、車室20の右側壁20Aのフック50よりも、シート前方側へ傾倒可能となる。
【0123】
このとき、連結側サイドシート14におけるロック装置10の被係合部40がセンタシート16のフック42に係合されていれば、センタシート16は連結側サイドシート14に連動してシート前方側へ傾倒する。
【0124】
上述の通り、センタシート16に設けられたフック42と連結側サイドシート14に設けられた被係合部40との係合が解除されると、センタシート16と連結側サイドシート14との連結が解除される。これにより、例えば連結側サイドシート14が車室20の右側壁20Aにロックされた状態で、センタシート16を前倒しすることができる。
【0125】
ここで、独立側サイドシート18の引張部44が引っ張られると、被係合部56は、水平突出位置から起立格納位置へ移行する。このように被係合部56が格納されることで、被係合部56はフック58に干渉せずに済む。よって、シートバック26をフック58よりもシート後方側へ傾倒させることができ、独立側サイドシート18をフルフラットにすることもできる。
【0126】
同様に、連結側サイドシート14の引張部44が引っ張られると、被係合部48は、水平突出位置から起立格納位置へ移行する。このように被係合部48が格納されることで、被係合部48はフック50に干渉せずに済む。よって、シートバック22をフック50よりもシート後方側へ傾倒させることができ、連結側サイドシート14をフルフラットにすることもできる。このとき、ロック装置10の被係合部40とフック42とが係合していれば、センタシート16は連結側サイドシート14と連動してフルフラットになる。
【0127】
つまり、本実施形態に係るリヤシート12によれば、センタシート16を連結側サイドシート14と一体に前傾及び後傾させることができると共に、連結側サイドシート14、センタシート16及び独立側サイドシート18をそれぞれ単体で前傾及び後傾させることができる。
【0128】
〔上記実施形態の補足説明〕
上記実施形態では、リヤシート12は、分割比率が4対2対4となる3分割のシートであり、センタシート16は、車両右側に設けられた連結側サイドシート14と連結されるものとして説明したが、これに限らない。例えば、センタシートと連結される連結側サイドシートは、車両左側に設けられていてもよい。また、例えば、リヤシートは、3分割のシートに限らず、2分割であってもよい。このとき、リヤシートの分割比率は、5対5の分割であってもよく、6対4あるいは4対6の分割であってもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、略U字状のストライカ72がフック42に係合されるものとして説明したが、被係合部における本体部の形状は、これに限らない。例えば、本体部は、棒状のピンであってもよい。
【0130】
さらに、上記実施形態では、ストライカ72が本体側ブラケット76に溶接されているものとして説明したが、これに限らず、例えば本体部及び本体側ブラケットは一つの部材として一体に形成されていてもよい。
【0131】
さらにまた、上記実施形態では、ストライカ付勢ばね90によって本体側ブラケット76が付勢されており、付勢力によって被係合部40が起立するものとして説明したが、これに限らず、被係合部は他の手段によって起こされてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、被係合部40は、ベースブラケット100及び骨格側ブラケット68を介してシートバック22のサイドフレーム64Aに接続されるものとして説明したが、これに限らない。例えば、被係合部は、一つのブラケットによってシートバックの骨格に接続されてもよい。
【0133】
さらに、上記実施形態では、本体側ブラケット76に上側凹部96及び下側凹部98が形成されており、上側凹部96及び下側凹部98と回動規制部104のストッパ118とがそれぞれ係合することで、被係合部40は起立姿勢及び水平姿勢をそれぞれ保持できるものとして説明したが、これに限らず、他の手段によって被係合部の起立姿勢及び水平姿勢が保持されてもよい。
【0134】
さらにまた、上記実施形態では、延出部92が回動規制部104のストッパ118を押し上げることで、上側凹部96とストッパ118との係合が解除されるものとして説明したが、これに限らず、他の手段によって起立姿勢保持部と係止部との係合が解除されてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、延出部92に引張部44の下端部が接続されているものとして説明したが、これに限らず、引張部は他の位置において被係合部に接続されていてもよい。
【0136】
さらに、上記実施形態では、リンク押上プレート124によって回動規制部104のリンク部116が押し上げられることにより、ストッパ118と下側凹部98との係合が解除されるものとして説明したが、これに限らず、他の手段によって水平姿勢保持部と係止部との係合が解除されてもよい。
【0137】
さらにまた、上記実施形態では、リンク押上プレート124の被押下部132が本体側ブラケット76に設けられた突起部82Aに押し下げられることにより、リンク押上プレート124が回動するものとして説明したが、これに限らず、リンク押上プレートは、他の機構によって回動してもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、係合解除部(図示省略)によって、各ロック装置10、46、54の各フック42、50、58に対する係合が解除されてシートバック30、22、26が前傾可能となり、さらに被係合部40、48、56が格納されることでシートバック30、22、26がそれぞれ後傾可能となるものとして説明したが、これに限らない。つまり、係合解除によってシートバックが後傾可能となり、被係合部が格納されることでシートバックが前傾可能となる構成であってもよい。
【0139】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0140】
(付記1)
車両用シートにおけるシートバックの側部に設けられ、少なくとも前記シートバックの上下方向に沿って起立した起立格納位置と前記側部からシート幅方向外側へ突出した水平突出位置との間において回動可能とされ、前記水平突出位置において前記車両用シートに隣接する他の車両用シート及び車室の側壁のいずれか一方に設けられた係合部と係合可能に構成された被係合部と、
下端部が前記被係合部に接続されると共に、上端部が把持可能に構成され、当該上端部の引張操作によって、前記被係合部を前記起立格納位置から前記水平突出位置に移行させ、当該上端部の更なる引張操作によって、前記被係合部を前記水平突出位置から前記起立格納位置に移行させる引張部と、
を有するシートバックのロック装置。
(付記2)
前記被係合部は、
前記水平突出位置において前記係合部に係合される本体部と、
前記本体部を支持すると共に前記引張部の前記下端部が接続された本体側ブラケットと、
前記本体側ブラケットを軸支する回動軸と、
前記回動軸に設けられ前記本体部を起立させる方向へ前記本体側ブラケットを付勢する付勢部と、
を備え、
前記引張部の前記下端部は、前記本体側ブラケットにおいて、前記回動軸を挟んで前記本体部とは反対側に接続されている、
付記1に記載のシートバックのロック装置。
(付記3)
前記被係合部は、支持ユニットを介して前記シートバックの骨格に接続されており、
前記支持ユニットは、
前記被係合部の前記回動軸を支持するベースブラケットと、
前記ベースブラケットに回動可能に支持された軸部と、前記本体側ブラケットを前記起立格納位置及び前記水平突出位置においてそれぞれ係止する係止部と、前記軸部と前記係止部とを連結するリンク部と、を備えた回動規制部と、
を含んで構成され、
前記本体側ブラケットは、前記起立格納位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する起立姿勢保持部と、前記水平突出位置において前記回動規制部の前記係止部と係合する水平姿勢保持部と、を備えている、
付記2に記載のシートバックのロック装置。
(付記4)
前記本体側ブラケットにおいて、前記起立姿勢保持部と前記水平姿勢保持部との間には、前記起立格納位置から前記水平突出位置へ移行する際に、前記回動規制部の前記係止部を押し上げて前記起立姿勢保持部と前記回動規制部との係合を解除する起立姿勢解除部が設けられている、
付記3に記載のシートバックのロック装置。
(付記5)
前記本体側ブラケットの前記起立姿勢解除部は、前記回動軸から離れる方向へ突出して形成されており、
前記引張部の前記下端部は、前記起立姿勢解除部に固定されている、
付記4に記載のシートバックのロック装置。
(付記6)
前記回動規制部の下方側には、前記回動軸において前記ベースブラケットに軸支されると共に、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、シート幅方向内側に設けられたリンク押上部が前記回動規制部の前記リンク部を押し上げて前記係止部と前記水平姿勢保持部との係合を解除する水平姿勢解除部が設けられている、
付記3~付記5のいずれか一に記載のシートバックのロック装置。
(付記7)
前記本体側ブラケットには、前記水平突出位置において前記水平姿勢解除部のシート幅方向外側の端部に設けられた被押下部と係合し、前記水平突出位置から前記引張部が引っ張られた際に、前記水平姿勢解除部の前記被押下部を押し下げる突起部が形成されている、
付記6に記載のシートバックのロック装置。
(付記8)
乗員の臀部及び大腿部を支持可能なシートクッションと、
前記シートクッションの後端部に回動可能に接続されると共に、側部に付記1~付記7のいずれか一項に記載のロック装置を備え、乗員の背部を支持可能に構成されたシートバックと、
を有する車両用シート。
(付記9)
前記ロック装置の被係合部は、水平突出位置において、隣接する他の車両用シートに設けられた係合部と係合可能に構成されている、
付記8に記載の車両用シート。
【符号の説明】
【0141】
10、46、54 ロック装置
12 リヤシート
14 連結側サイドシート(車両用シート)
16 センタシート(他の車両用シート)
18 独立側サイドシート(車両用シート)
20 車室
20A 右側壁(車室の側壁)
20B 左側壁(車室の側壁)
22 連結側サイドシートのシートバック
22A 連結側サイドシートのシートバックの左側部
22B 連結側サイドシートのシートバックの右側部
26 独立側サイドシートのシートバック
26A 独立側サイドシートのシートバックの左側部
40、48、56 被係合部
42、50、58 フック(係合部)
44、52、60 引張部
44A ストラップ(引張部の上端部)
44C 端子(引張部の下端部)
64 シートバックフレーム(骨格)
70 支持ユニット
72 ストライカ(本体部)
74 回動軸
76 本体側ブラケット
82A 突起部
90 ストライカ付勢ばね(付勢部)
92 延出部(起立姿勢解除部)
96 上側凹部(起立姿勢保持部)
98 下側凹部(水平姿勢保持部)
100 ベースブラケット
104 回動規制部
114 リベット(軸部)
116 リンク部
118 ストッパ(係止部)
124 リンク押上プレート(水平姿勢解除部)
130 リンク押上部
132 被押下部