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  • 特開-半導体装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131597
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041964
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】岡田 史朗
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB04
5F136BB05
5F136DA25
5F136DA33
5F136FA01
5F136FA03
5F136FA12
5F136FA51
(57)【要約】
【課題】動作時に発生する熱を効率よく放散させる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、機能部と、制御部と、を含む半導体チップと、前記半導体素子がマウントされるチップキャリアと、基板と、を備える。前記チップキャリアは、第1面と、その反対側の第2面とを有し、前記半導体チップは、前記第1面上にマウントされる。前記チップキャリアは、前記第2面から前記第1面に連通し、前記半導体チップの前記機能部を露出させる第1貫通孔を有する。前記基板は、前記半導体チップがマウントされた前記チップキャリアを収容する第2貫通孔を有し、前記チップキャリアの熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料を含む。前記基板の前記第2貫通孔は、前記基板の裏面からその反対側の表面に連通し、前記チップキャリアの前記第1面は、前記基板の前記表面側に位置し、前記チップキャリアの前記第2面は、前記基板の前記裏面側に露出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能部と、制御部と、を含む半導体チップと、
第1面と、その反対側の第2面とを有するチップキャリアであって、前記半導体チップは、前記第1面上にマウントされ、前記第2面から前記第1面に連通し、前記半導体チップの前記機能部を露出させる第1貫通孔を有するチップキャリアと、
前記半導体チップがマウントされた前記チップキャリアを収容する第2貫通孔を有し、前記チップキャリアの熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料を含む基板と、
を備え、
前記基板の前記第2貫通孔は、前記基板の裏面からその反対側の表面に連通し、
前記チップキャリアの前記第1面は、前記基板の前記表面側に位置し、
前記チップキャリアの前記第2面は、前記基板の前記裏面側に露出される半導体装置。
【請求項2】
前記基板は、その表面上に設けられる第1ボンディングパッドを有し、
前記半導体チップは、前記第1ボンディングパッドに導電部材を介して電気的に接続される第2ボンディングパッドを有する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップの前記機能部は、前記制御部を介して、前記第2ボンディングパッドに電気的に接続される請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記チップキャリアは、前記第2面側に設けられ、前記基板の前記裏面に接続されるフランジ状の接続部を有する請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2面から前記第1面に向かう方向における前記チップキャリアの厚さは、前記第1貫通孔の前記第1面に平行な方向の幅よりも薄い請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記チップキャリアは、金属もしくは半導体を含み、
前記基板は、セラミックスもしくは樹脂を含む請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2面から前記第1面に向かう方向において、前記半導体チップは、前記基板の前記表面よりも外側に突出するように配置される請求項1記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には、その動作時に発生する熱を効率よく放散させ、安定して動作することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-9208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、動作時に発生する熱を効率よく放散させる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、機能部と、制御部と、を含む半導体チップと、前記半導体素子がマウントされるチップキャリアと、基板と、を備える。前記チップキャリアは、第1面と、その反対側の第2面とを有し、前記半導体チップは、前記第1面上にマウントされる。前記チップキャリアは、前記第2面から前記第1面に連通し、前記半導体チップの前記機能部を露出させる第1貫通孔を有する。前記基板は、前記半導体チップがマウントされた前記チップキャリアを収容する第2貫通孔を有し、前記チップキャリアの熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料を含む。前記基板の前記第2貫通孔は、前記基板の裏面からその反対側の表面に連通し、前記チップキャリアの前記第1面は、前記基板の前記表面側に位置し、前記チップキャリアの前記第2面は、前記基板の前記裏面側に露出される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図2】実施形態に係る半導体装置を示す模式平面図である。
図3】実施形態に係る半導体装置を示す別の模式平面図である。
図4】実施形態に係る半導体装置を示す別の模式断面図である。
図5】比較例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
図1は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。半導体装置1は、半導体チップ10と、チップキャリア20と、基板30と、を備える。半導体チップ10は、チップキャリア20上にマウントされる。半導体チップ10がマウントされたチップキャリア20は、基板30に実装される。
【0010】
チップキャリア20は、第1面20aと、第2面20bと、を有する。第2面20bは、第1面20aの反対側の裏面である。チップキャリア20は、例えば、銅(Cu)などの金属である。チップキャリア20は、例えば、ポリシリコンなどの半導体であってもよい。
【0011】
半導体チップ10は、接続部材23を介して、第1面20a上にマウントされる。接続部材23は、例えば、導電ペーストである。また、接続部材23は、絶縁性の接着材であってもよい。半導体チップ10は、チップキャリア20に接続される裏面10Bと、裏面10Bとは反対側の表面10Fとを有する。
【0012】
チップキャリア20は、第1面20aから第2面20bに連通する第1貫通孔20Hを有する。チップキャリア20の第2面20bに平行な方向、例えば、X方向における第1貫通孔20Hの幅WH1は、第2面20bから第1面20aに向かう方向、例えば、Z方向の厚さTSよりも広い。チップキャリア20を第2面20b側から見た時、第1貫通孔20H内のスペースに半導体チップ10の裏面10Bが露出される。
【0013】
基板30は、その裏面30Bから反対側の表面30Fに連通する第2貫通孔30Hを有する。第2貫通孔30HのX方向およびY方向のサイズは、チップキャリア20の第1面20aの外縁のX方向およびY方向のサイズよりも大きい。また、第2貫通孔30HのX方向およびY方向のサイズは、半導体チップ10の表面10FのX方向およびY方向のサイズよりも大きい。例えば、第2貫通孔30HのX方向の幅WH2は、半導体チップ10のX方向の幅WCよりも広い(図2参照)。また、第2貫通孔30HのX方向の幅WH2は、チップキャリア20の第1面20aのX方向の幅WCCよりも広い(図2参照)。
【0014】
チップキャリア20は、半導体チップ10がマウントされた状態で、基板30の第2貫通孔30Hに挿入される。チップキャリア20は、基板30の表面30F側に半導体チップ10が露出されるように挿入される。また、半導体チップ10は、例えば、基板30の表面30Fよりも外側に突出するように設けられる。
【0015】
さらに、チップキャリア20は、第2面20b側に、フランジ状の接続部20cを有する。チップキャリア20の第2面20cに平行な方向における接続部20cの外縁の幅は、基板30の第2貫通孔30Hの同方向の幅よりも広い。チップキャリア20の接続部20cは、接続部材25を介して、基板30の裏面30Bに接続される。接続部材25は、例えば、導電ペーストである。また、接続部材25は、絶縁性の接着材であってもよい。
【0016】
図2は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式平面図である。図2は、半導体チップ10の表面10Fおよび基板30の表面30Fを示す模式図である。なお、図1は、図2中に示すA-A線に沿った断面図である。
【0017】
半導体チップ10は、例えば、機能部13と、制御部15と、を含む。半導体装置1の用途を限定する訳ではないが、機能部13は、例えば、光センサ、ガスセンサまたは光、電子線などをオンオフするシャッタとして機能する。機能部13は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)であってもよい。制御部15は、機能部13を制御する回路を含む。
【0018】
半導体チップ10は、複数のワイヤパッド17を含む。ワイヤパッド17は、例えば、四角形の半導体チップ10の1つの辺に沿って並ぶ。機能部13は、半導体チップ10の中央に設けられ、制御部15は、機能部13とワイヤパッド17との間に設けられる。ワイヤパッド17は、それぞれ、制御部15に電気的に接続される。また、ワイヤパッド17は、制御部15を介して、機能部13に電気的に接続される。
【0019】
基板30は、例えば、複数のワイヤパッド31を含む。ワイヤパッド31は、例えば、四角形の第2貫通孔30Hの1つの辺に沿って並ぶ。また、ワイヤパッド31は、ワイヤパッド17に対向して並び、金属ワイヤMWを介して、ワイヤパッド17に電気的に接続される。ワイヤパッド31は、例えば、図示しないコネクタに電気的に接続される。
【0020】
図3は、実施形態に係る半導体装置1を示す別の模式平面図である。図3は、チップキャリア20の第2面20bおよび基板30の裏面30Bを表している。
【0021】
チップキャリア20の第1貫通孔20Hの内部には、半導体チップ10の裏面10Bが露出される。また、半導体チップ10の機能部13には、第1貫通孔20Hを介して、アクセス可能となる。すなわち、機能部13は、第1貫通孔20Hを介して、例えば、所定の雰囲気ガスに晒される。また、機能部13に、第1貫通孔20Hを介して、例えば、光、電子線、イオンビーム等を照射できる。
【0022】
図3に示すように、チップキャリア20の第2面20bは、基板30の第2貫通孔30Hの外側に位置する外縁を有する。チップキャリア20の接続部20cは、第2貫通孔30Hを囲むように設けられ、基板30の裏面30Bに接続される(図1参照)。
【0023】
図4は、実施形態に係る半導体装置1を示す別の模式断面図である。図4は、図2中に示すA-A線に沿った断面図である。
【0024】
この例では、金属板40がチップキャリア20の第2面20bに接続される。金属板40は、例えば、ビートシンクもしくは冷却板である。すなわち、半導体チップ10の動作時に、半導体チップ10内で発生する熱は、チップキャリア20を介して、金属板40に伝わり、外部に放散される。金属板40は、例えば、銅(Cu)を含む。金属板40は、例えば、チップキャリア20の第1貫通孔20Hに連通する貫通孔40Hを有する。
【0025】
図5は、比較例に係る半導体装置2を示す模式断面図である。半導体装置2は、半導体チップ10と、基板30と、チップキャリア50と、を備える。
【0026】
図5に示すように、半導体チップ10は、チップキャリア50上にマウントされる。チップキャリア50は、第1面50aと、その反対側の第2面50bと、を有する。半導体チップ10は、第1面50a上にマウントされる。チップキャリア50は、第2面50bから第1面50aに連通する第1貫通孔50Hを有し、第1貫通孔50H内のスペースに半導体チップ10の裏面10Bが露出される。
【0027】
半導体チップ10をマウントしたチップキャリア50は、基板30の表面30F上に実装される。チップキャリア50は、半導体チップ10と基板30との間に位置する。基板30の第2貫通孔30Hは、チップキャリア50の貫通孔50Hに連通する。すなわち、基板30の裏面30B側から半導体チップ10の機能部13にアクセス可能である(図3参照)。
【0028】
図5に示すように、基板30の裏面30Bに金属板40を接続すると、半導体チップ10の動作時に発生する熱は、チップキャリア50および基板30を介して、金属板40に伝わる。基板30が熱伝導率の低い、例えば、セラミックスや樹脂を含む場合、チップキャリア50から金属板40への熱伝導が阻害される。したがって、半導体装置2の放熱効率が低下する。
【0029】
これに対し、実施形態に係る半導体装置1では、チップキャリア20が、直接、金属板40に接続される。チップキャリア20の熱伝導率は、基板30の熱伝導率よりも大きく、半導体チップ10における発熱を金属板40を介して効率よく放散させることができる。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1、2…半導体装置、 10…半導体チップ、 10B、30B…裏面、 10F、30F…表面、 13…機能部、 15…制御部、 17、31…ワイヤパッド、 20、50…チップキャリア、 20H、50H…第1貫通孔、 20a、50a…第1面、 20b、50b…第2面、 20c…接続部、 23…接続部材、 25…接続部材、 30…基板、 30H…第2貫通孔、 40…金属板、 40H…貫通孔、 MW…金属ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5