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特開2024-131601ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131601
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240920BHJP
   A63F 13/5372 20140101ALI20240920BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240920BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240920BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/5372
A63F13/58
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023041969
(22)【出願日】2023-03-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和4年3月30日掲載,動画サイト「YouTube」の「シブサワ・コウ40周年記念「信長の野望の日」公式生放送」(https://www.youtube.com/watch?v=aqw1rxqo8cE) (2)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「My Nintendo Store」の「信長の野望・新生」(https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000032612.html) (3)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「PlayStation.Store」の「信長の野望・新生」(https://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0106-CUSA23843_00-HDDBOOT000000001) (4)令和4年7月21日掲載,ウェブサイト「STEAM」の「信長の野望・新生」(https://store.steampowered.com/app/1336980/_/) (5)令和4年7月28日発行,週刊ファミ通,2022年7/28号,第26~29頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage (6)令和4年8月4日発行,週刊ファミ通,2022年8/4号,第88~93頁,株式会社KADOKAWA,株式会社KADOKAWA Game Linkage
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草場 康平
(57)【要約】
【課題】複数のユニットを表示するゲームにおいて、視認性を向上する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させ、前記表示制御部は、複数の前記ユニット間のうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、
フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させ、
前記表示制御部は、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、ユニットを表現するユニットオブジェクトを表示させ、
前記ユニットオブジェクトの表示位置に応じて、前記情報オブジェクトの表示位置を変更することを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、前記情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットの各々を表現する前記ユニットオブジェクトを、所定の位置に表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のゲームプログラムであって、
前記表示制御部は、前記情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットのうち、基準となるユニットを除くユニットのユニットオブジェクトを、前記基準となるユニットのユニットオブジェクトから第2の間隔分離れた位置まで移動させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項5】
請求項2に記載のゲームプログラムであって、
味方側のユニットである1の味方側ユニット又は前記情報オブジェクトを統合した複数の味方側ユニットと、前記1の味方側ユニット又は前記複数の味方側ユニットに隣接する敵側のユニットである敵側ユニットと、の戦闘を実行する戦闘実行部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記フィールド上の位置ごとに、前記情報オブジェクトを統合可能な上限数が設定されており、
前記表示制御部は、前記情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットのいずれかの位置に設定された前記上限数と、前記情報オブジェクトを統合したユニットの合計数とに基づき、統合した前記情報オブジェクトに空き数を表示させることを特徴とする、ゲームプログラム。
【請求項7】
フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御手順を備え、
前記表示制御手順では、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ゲームの仮想空間には味方側、又は敵側に属する複数のユニットが表示される。味方側に複数のユニットが所属しており、これらのユニットの各々が仮想空間のフィールド上に表示されるゲームが存在する。
【0003】
特許文献1に開示されたゲームでは、ユーザが所有する複数のキャラクターがゲームに登場し、敵キャラクターと戦う。特許文献1のゲームでは、1回目のプレイヤーターンの際、1つの味方グループに属する複数の味方キャラクターが複数の拠点に初期配置される。その後、プレイヤーの操作に応じてキャラクターがフィールド上を移動し、敵キャラクターを攻撃する。なお、拠点のいずれかが破壊されている場合又は敵キャラクターに占拠されている場合には、味方キャラクターは当該拠点には初期配置されない。特許文献1のゲームにおいて、フィールド上に配置するキャラクターの数が拠点の数より多い場合、1つの拠点に対して複数のキャラクターが初期配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-31705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユニットに関する情報を表示する情報オブジェクトを、ゲームのフィールド上に表示する場合、プレイヤーが、ゲームに参加しているユニットを視認しづらいといった問題が発生する。例えば、複数のユニット相互の距離が近い場合に、狭い範囲に多くの情報が表示されたりすることがあり、視認性が低下する。
【0006】
特許文献1に開示された技術では、プレイヤーによる操作が可能な味方キャラクターの数が拠点数より多い場合、1つの拠点の近傍に複数の味方キャラクターが初期配置される。特許文献1に係るゲームでは、味方キャラクターと敵キャラクターの位置に基づいて戦闘が開始されるため、視認しやすさを重視して味方キャラクターの初期配置位置を変更すると、遊戯性に影響が生じる。一方、複数の味方キャラクターを近傍に表示すれば、表示が重複し、背面の味方キャラクターが前面の味方キャラクターに隠れるなど、視認性が低下する。
【0007】
そこで、本発明は、ユニットごとに情報オブジェクトを表示するゲームにおいて、視認性を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、情報処理装置に実行させるゲームプログラムであって、フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御部として、前記情報処理装置を機能させ、前記表示制御部は、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする。
【0009】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、ユニットを表現するユニットオブジェクトを表示させ、前記ユニットオブジェクトの表示位置に応じて、前記情報オブジェクトの表示位置を変更することを特徴としてもよい。
【0010】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットの各々を表現する前記ユニットオブジェクトを、所定の位置に表示させることを特徴としてもよい。
【0011】
上記のゲームプログラムにおいて、前記表示制御部は、情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットのうち、基準となるユニットを除くユニットのユニットオブジェクトを、前記基準となるユニットのユニットオブジェクトから第2の間隔分離れた位置まで移動させることを特徴としてもよい。
【0012】
上記のゲームプログラムは、味方側のユニットである1の味方側ユニット又は情報オブジェクトを統合した複数の味方側ユニットと、前記味方側ユニットに隣接する敵側のユニットである敵側ユニットと、の戦闘を実行する戦闘実行部として、前記情報処理装置を機能させることを特徴としてもよい。
【0013】
上記のゲームプログラムは、前記フィールド上の位置ごとに、前記情報オブジェクトを統合可能な上限数が設定されており、前記表示制御部は、前記情報オブジェクトを統合した前記複数のユニットのいずれかの位置に設定された前記上限数と、情報オブジェクトを統合したユニットの合計数とに基づき、統合した前記情報オブジェクトに空き数を表示させることを特徴としてもよい。
【0014】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置であって、フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御部を備え、前記表示制御部は、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する本発明の他の態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、フィールド上を移動する複数のユニットごとにそれぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる表示制御手順を備え、前記表示制御手順では、前記複数のユニットのうち、互いの距離が第1の間隔を下回るユニットの前記情報オブジェクトを統合して表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、複数のユニットを表示するゲームにおいて、視認性を向上する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】戦団情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3】経路情報のデータ構造の一例を示す情報である。
図4】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】情報オブジェクト統合処理の一例を示すフローチャートである。
図6】情報オブジェクト分割処理の一例を示すフローチャートである。
図7】フィールド画面の一例を示す図(その1)である。図7Aは、情報オブジェクトの統合前のフィールド画面の一例を示す図であり、図7Bは、情報オブジェクトの統合後のフィールド画面の一例を示す図である。
図8】フィールド画面の一例を示す図(その2)である。図8Aは、ユニットオブジェクトの整列方法の第1の例を説明するための図であり、図8Bは、ユニットオブジェクトの整列方法の第2の例を説明するための図である。
図9】フィールド画面の一例を示す図(その3)である。図9Aは、情報オブジェクトの分割前のフィールド画面の一例を示す図であり、図9Bは、情報オブジェクトの分割後のフィールド画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。理解の向上のため、本実施形態に係るゲームプログラムが適用されたゲームシステムが、いわゆる戦略シミュレーションゲームである例を用いて説明する。このゲームでは、プレイヤーはゲームの仮想空間における当事者として、フィールド内に設定された所定の地域を統治する。プレイヤーは、入力操作により他者の領地を奪って自らの領地としたり、配下となる武将を増やしたり、自分の領地に領主を設定したり、各政策を講じたりなどすることにより、統治において自己に有利となるようゲームを進行させる。
【0019】
また、本ゲームシステムでは、ノンプレイヤーキャラクターが所定の地域を統治している。ノンプレイヤーキャラクターの中には、プレイヤーと利害が対立する者も存在すれば、プレイヤーと協力関係にある者も存在し、ゲーム内の時間進行に応じて各々のノンプレイヤーキャラクターに関するパラメータが変更される。
【0020】
なお、以下に示す例では、プレイヤーは情報処理装置10により制御されるノンプレイヤーキャラクターが存在する仮想空間内でゲームをプレイする。しかしながら、他の例において、ネットワークを介して通信可能に接続される複数の情報処理装置10を用いて、複数の者がプレイヤーとしてゲームに参加してもよい。
【0021】
プレイヤーは、仮想空間において、味方側の構成員により構成される味方側ユニットを、敵側の構成員により構成される敵側ユニットと戦闘させることにより、ゲーム進行を有利に導く。ここで、ユニットは、フィールド上を移動するオブジェクトであって、例えば、キャラクター、モンスター又は乗り物等である。なお、味方側ユニット及び敵側ユニットに含まれる構成員の数は限定されない。以下に示す例において、味方側ユニットを味方側戦団、敵側ユニットを敵側戦団、構成員を兵士として説明する。
【0022】
図1は、情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットコンピューター等の汎用的なコンピューター、又はゲーム専用のゲーム機である。情報処理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150とを備える。
【0023】
処理部110は、情報処理装置10の全体を統括的に制御する。例えば、処理部110は、プレイヤーの操作を検出するとともに、検出したプレイヤーの操作に従ってゲーム進行を制御し、ゲーム進行に従ったゲーム画像やゲーム音声を生成する。また、処理部110は、検出したプレイヤーの操作や時間経過などに従って、仮想空間の外観を変化させたり、プレイヤーの保有するパラメータ及びノンプレイヤーキャラクターのパラメータを変化させたりする。
【0024】
記憶部120は、ゲームの進行に必要な情報を記憶する。入力部130は、入力装置を用いてプレイヤーからの入力操作を受け付ける。出力部140は、出力装置を介して情報処理装置10の有する情報を出力する。通信部150は、ネットワークを介して接続された図示しないサーバー装置や他の情報処理装置10との間で情報の送信及び受信を行う。
【0025】
上述のような機能を実現するため、処理部110は、操作検出部111と、配置部112と、戦闘実行部113と、表示制御部114と、を備える。操作検出部111は、プレイヤーの入力操作を検出し、検出した操作を示す操作情報を他の機能部に出力する。例えば操作検出部111は、1又は複数の味方側戦団と、戦闘相手となる敵側戦団とを指定した戦闘指示の入力操作を受け付ける。また、操作検出部111は、フィールドの表示倍率の変更指示の入力操作を受け付ける。
【0026】
配置部112は、ゲームの進行状況に応じて、味方側戦団をフィールド上に配置する。例えば、配置部112は、所定位置に配置された味方側戦団を、戦闘指示において指定された敵側戦団の拠点である目的地に向けて移動させる。配置部112は、ゲームの仮想空間において経過する時間であるゲーム内経過時間の進行に従い、味方側戦団が、フィールドに設定された経路上を移動するよう制御する。
【0027】
戦闘実行部113は、所定の位置関係にある味方側戦団と敵側戦団との戦闘を実行する。例えば戦闘実行部113は、互いに隣接する味方側戦団と敵側戦団との戦闘を実行する。戦闘実行部113は、味方側戦団と敵側戦団との配置位置が、経路上において互いに連続し、かつ味方側戦団と敵側戦団との間の距離が第3の間隔を下回る場合に、戦闘を実行する。戦闘実行部113は、各々の戦団の有する兵士数等のパラメータの優劣に従い、味方側戦団又は敵側戦団のいずれが勝者となるかを決定する。
【0028】
表示制御部114は、フィールド上を移動する複数のユニットごとに、それぞれの情報を表示する情報オブジェクトを表示させる。表示制御部114は、複数のユニットのうち、互いの距離が、予め設定された第1の間隔を下回る複数のユニットを互いに紐づけ、当該複数のユニットの情報オブジェクトを統合して表示させる。なお、表示制御部114は、戦闘において互いに敵対しない複数のユニットの情報オブジェクトを、互いのユニットの配置位置に基づいて統合する。
【0029】
例えば表示制御部114は、味方側戦団の情報を表示する情報オブジェクトをフィールド上に表示させる。表示制御部114は、味方側戦団の移動に伴い、フィールド上に表示された情報オブジェクトを移動させる。表示制御部114は、複数の味方側戦団の間の距離が第1の間隔を下回る場合、各々の味方側戦団を互いに紐づけ、各々の情報オブジェクトを統合して表示させる。一例として、表示制御部114は、複数の味方側戦団の配置位置が一致する場合に、情報オブジェクトを統合する。情報オブジェクトについては後述する。
【0030】
また、表示制御部114は、味方側戦団及び敵側戦団を表現するオブジェクトであるユニットオブジェクトをフィールド上に表示させる。例えば、ユニットオブジェクトは、味方側戦団及び敵側戦団を模式的に表示するオブジェクトであるが、詳細は後述する。表示制御部114は、複数のユニットの間の距離が第1の間隔を下回る場合、情報オブジェクトを統合した複数のユニットそれぞれを表現する複数のユニットオブジェクトを、所定の位置に表示させる。
【0031】
記憶部120は、戦団情報121と、経路情報122とを記憶している。戦団情報121は、味方側戦団の有する兵士数等の属性値に関する情報を含む。経路情報122は、フィールドが有する経路に関する情報である。
【0032】
図2は、戦団情報121のデータ構造の一例を示す図である。戦団情報121は、例えば味方側戦団を特定する識別情報である戦団識別子に対し、戦団長を特定する識別情報である戦団長識別子と、戦団が有する兵士数と、戦団の位置を示すフィールド上の座標情報である位置情報と、を関連付けた情報である。なお、配置部112が味方側戦団をフィールド上で移動させた場合、戦団情報121の位置情報が更新される。
【0033】
図3は、経路情報122のデータ構造の一例を示す情報である。経路情報122は、例えば経路を特定する識別情報である経路識別子に対し、ノード識別子と、種別と、を関連付けた情報である。ノード識別子は、経路の両端に位置する頂点の座標情報である。種別は、経路の種別を示す情報である。
【0034】
なお、本実施形態では、経路の種別に対して、情報オブジェクトの統合が可能な味方側戦団の上限数が設定されている。即ち、経路情報122は、フィールド上の位置ごとに、情報オブジェクトを統合可能な上限数が設定された情報といえる。経路の種別は、例えば経路に対応してフィールド上に表示される街道の太さに応じて設定することができる。一例として、街道が太いほど、対応する経路において、多くの味方側戦団の情報オブジェクトの統合が可能となるよう、高い上限数を設定することができる。
【0035】
付言すれば、本実施形態では、経路は二次元情報であり、幅の概念を有さない。従って、複数の戦団が経路上を移動し、一方の戦団が他方の戦団に追いつく場合、一時的に双方の戦団の配置位置は一致する。なお、フィールド上に表示される街道の見かけ上の太さは、経路の種別に応じて変化してもよいし、変化していなくてもよい。
【0036】
図4は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、ストレージ13と、音声処理装置14と、メディアインターフェイス装置15と、画像プロセッサ16と、画像メモリ17と、入力インターフェイス装置18と、出力インターフェイス装置19と、通信インターフェイス装置20とを有し、各構成要素はバスにより接続されている。
【0037】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算ユニットであって、メインメモリ12又はストレージ13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。処理部110を構成する各要素は、プロセッサ11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。メインメモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。ストレージ13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM(Read Only Memory)などの記録装置である。
【0038】
音声処理装置14は、入力された音声データを処理して音声信号を生成する装置である。生成された音声信号は、出力インターフェイス装置19を介してスピーカー(図示しない)に出力され、音声として出力される。メディアインターフェイス装置15は、ストレージ13から情報を読み取るための装置であるが、ストレージ13に情報を書き込めてもよい。メディアインターフェイス装置15は、例えば、光ディスクを読み取るディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体メモリを読み取るリーダである。
【0039】
画像プロセッサ16は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)などの、ゲーム画像等のグラフィックスを生成するための演算ユニットである。画像メモリ17は、例えば、VRAM(Video RAM)などの、ゲーム画像等のグラフィックスをレンダリングするために使用される記憶装置である。レンダリングされたグラフィックスは、出力インターフェイス装置19を介してディスプレイ(図示しない)に出力され、表示される。
【0040】
入力インターフェイス装置18は、例えば、メカニカルキー、タッチパネル、又はゲームコントローラーなどの入力装置に接続され、当該入力装置からの操作信号を受け付ける装置である。出力インターフェイス装置19は、ディスプレイやスピーカー等の出力装置に接続され、当該出力装置へと出力を行う装置である。例えば、出力インターフェイス装置19は、画像プロセッサ16の生成したグラフィックス等の表示データを、ディスプレイに出力する。また、出力インターフェイス装置19は、音声処理装置14の生成した音声信号を、スピーカーに出力する。通信インターフェイス装置20は、ネットワークケーブルを介して有線通信を行う通信装置、アンテナを介して無線通信を行う通信装置を含む、情報を送受信する装置である。
【0041】
例えば、プロセッサ11は、クラウド上に保存されたゲームソフト(ゲームプログラムやゲームデータを含む)の少なくとも一部を、通信インターフェイス装置20を介して読み込み、メインメモリ12に展開する。なお、プロセッサ11は、ストレージ13に記憶されているゲームソフトを、メディアインターフェイス装置15を介して読み込んでもよいし、メインメモリ12に記憶されているゲームソフトを読み込んでもよい。また例えば、プロセッサ11は、読み込んだゲームソフトを実行し、プレイヤー操作による入力装置からの操作信号に従ってゲーム進行を制御する。
【0042】
また例えば、プロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム画像の内容を決定し、その内容を構成する描画データを画像プロセッサ16に生成させる。画像プロセッサ16は、描画データを用いて画像データを画像メモリ17上にレンダリングする。レンダリングされた画像データ(ゲーム画像)は、外部のディスプレイに出力される。また例えばプロセッサ11は、ゲーム進行に従ったゲーム音声を決定し、当該音声の音声信号を音声処理装置14に生成させ、スピーカーに出力させる。
【0043】
処理部110は、プロセッサ11がゲームプログラムを実行することによって実現される。処理部110の少なくとも一部の機能は、画像プロセッサ16により実現されてもよい。また、情報処理装置10の有する図示しない記憶部120は、例えば、メインメモリ12又はストレージ13によりその機能が実現される。
【0044】
図5は、情報オブジェクト統合処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、情報処理装置10において、例えば定期的に実行される。なお、以下に示す例において、各味方側戦団は、設定された出発地から目的地までの経路上を移動する。配置部112は、ゲーム進行に応じて、各味方側戦団の配置位置を経路上で移動させたり停止させたりする。配置部112は、各味方側戦団の移動速度を異ならせてもよい。
【0045】
まず、配置部112は、フィールド上の各味方側戦団の配置位置を抽出する(ステップS11)。例えば配置部112は、戦団情報121の各レコードの位置情報を、味方側戦団の配置位置として抽出する。
【0046】
次に、配置部112は、次の表示更新タイミングの配置位置と、配置位置に対応する戦団数の上限数を特定する(ステップS12)。具体的には、配置部112は、予め定められたフレームレートに基づいて、ステップS11で抽出した味方側戦団ごとに、次の表示更新タイミングにおける配置位置を特定する。
【0047】
また、配置部112は、特定した各々の味方側戦団の配置位置に基づいて、味方側戦団が次の表示更新タイミングにおいて位置する経路を各々特定する。配置部112は、経路情報122の種別を参照することにより、各々の味方側戦団の配置位置における、統合可能な戦団数の上限数を特定する。
【0048】
次に、配置部112は、次の表示更新タイミングで配置位置が一致する複数の味方側戦団が存在するか否かを判定する(ステップS13)。配置部112が、次の表示更新タイミングで、配置位置が一致する複数の味方側戦団が存在しないと判定する場合(ステップS13で「NO」の場合)、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0049】
配置部112が、次の表示更新タイミングで配置位置が一致する複数の味方側戦団が存在すると判定する場合(ステップS13で「YES」の場合)、配置部112は、統合後の戦団数が上限数以下であるか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、配置部112は、配置位置が一致する複数の味方側戦団の組み合わせ毎に、以下の処理を実行する。配置部112は、組み合わせに含まれる味方側戦団の数が、ステップS12で特定した、組み合わせの配置位置に対応する戦団数の上限数以下であるか否かを判定する。
【0050】
配置部112が、統合後の部隊数が上限数を越えると判定する場合(ステップS14で「NO」の場合)、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。即ち、配置位置の一致する戦団の合計数が、配置位置に対応する上限数を超える場合、味方側戦団に関する情報オブジェクトが統合されない。
【0051】
配置部112が、統合後の戦団数が上限数以下であると判定する場合(ステップS14で「YES」の場合)、表示制御部114は、配置位置に対応する位置に、統合した情報オブジェクトを表示させる(ステップS15)。具体的には、表示制御部114は、配置位置の一致する複数の味方側戦団を互いに紐づけ、戦団の組み合わせの配置位置に対応するフィールド上の位置に、統合した情報オブジェクトを表示させる。なお、情報オブジェクトを表示する位置は、例えば味方側戦団の配置位置から所定距離分上部にずらした位置である。情報オブジェクトの統合については後に詳述する。
【0052】
次に、表示制御部114は、表示倍率に応じたオフセット値及び表示の大きさを示す値を特定する(ステップS16)。具体的には、表示制御部114は、現時点で表示しているフィールドの表示倍率を特定する。表示制御部114は、表示倍率に応じて予め設定されたオフセット値と、表示の大きさを示す値を特定する。なお、オフセット値は、後述のユニットオブジェクトの表示位置の決定に用いられ、表示の大きさを示す値は、ユニットオブジェクトをフィールドに表示する際の大きさの決定に用いられる。
【0053】
次に、表示制御部114は、オフセット値を用いて決定した表示位置に、ユニットオブジェクトを表示させる(ステップS17)。本実施形態では、所定の表示倍率において、味方側戦団の配置位置と、1又は複数のユニットオブジェクトとの相対的な表示位置とが予め関連付けられている。表示制御部114は、ステップS12で特定した味方側戦団の配置位置に対する、各々のユニットオブジェクトの相対的な表示位置を特定する。表示制御部114は、特定した各々の表示位置から、ステップS16で特定したオフセット値に応じた距離分離れた位置を、各々のユニットオブジェクトの表示位置に決定する。表示制御部は、ステップS16で特定した値を用いてユニットオブジェクトの大きさを決定し、決定した表示位置に表示させる。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0054】
図7は、フィールド画面160の一例を示す図(その1)である。図7Aは、情報オブジェクトの統合前のフィールド画面160の一例を示す図であり、図7Bは、情報オブジェクトの統合後のフィールド画面160の一例を示す図である。
【0055】
フィールド画面160には、情報オブジェクト161と、ユニットオブジェクト162と、街道163とが含まれる。情報オブジェクト161は、味方側戦団に関する情報を表示するオブジェクトである。図7Aに示すフィールド画面160には、情報オブジェクト161A・161Bが含まれる。先述したように、配置位置が一致する複数の味方側戦団は、情報オブジェクト161が統合して表示される。従って、情報オブジェクト161は、1つの味方側戦団、又は配置位置が一致する複数の味方側戦団に関する情報を含む。
【0056】
情報オブジェクト161は、キャラクターアイコン1611と、部隊情報1612とを含む。キャラクターアイコン1611は、味方側戦団の戦団長を示すアイコン画像である。対応する味方側戦団が複数である場合、キャラクターアイコン1611は、例えば最も属性値が高い味方側戦団の戦団長を示すアイコン画像である。属性値は、例えば各戦団が有する兵士数や、戦団長の地位を示す値等である。
【0057】
部隊情報1612は、情報オブジェクト161に対応する味方側戦団の詳細を示す情報であって、兵士数Xと、戦団数Yと、を含む。兵士数Xは、対応する味方側戦団に含まれる兵士の総数を示す値である。戦団数Yは、対応する味方側戦団の合計数と、味方側戦団の空き数とを示す情報である。なお、空き数は、味方側戦団の配置位置により定まる、統合可能な味方側戦団の上限数から、既に統合している味方側戦団の合計数を減算した値である。即ち、表示制御部114は、味方側戦団の配置位置に対応する味方側戦団の上限数と、配置位置の一致する味方側戦団であるとして紐づけられた味方側戦団の合計数、即ち情報オブジェクト161を統合した味方側戦団の合計数に基づき、情報オブジェクト161に空き数を表示させる。
【0058】
ユニットオブジェクト162は、味方側戦団を表現するオブジェクトであって、例えば騎馬1621と、旗1622を含む。ユニットオブジェクト162は、他に兵士を示すオブジェクトを含んでいてもよい。図7Aに示すフィールド画面160には、ユニットオブジェクト162A・162Bが含まれる。なお、ユニットオブジェクト162は、例えば味方側戦団の配置位置から所定距離分ずらした位置に表示される。付言すれば、ユニットオブジェクト162の1つ(例えば一頭の騎馬1621)は、味方側戦団の配置位置に表示されてもよい。街道163は、フィールド上の経路を表現する画像である。図7A及び図7Bに示すフィールド画面160には、街道163A・163B・163Cが含まれる。
【0059】
図7Aに示す例において、街道163B上に位置する情報オブジェクト161Aの戦団数Yは、記号の1つが黒く表示され、1つが白く表示されている。これは、街道163Bに設定された統合可能な情報オブジェクト161の上限数が「2」であって、情報オブジェクト161Aに対応する味方側戦団の合計数が「1」であり、空き数が「1」であることを示している。情報オブジェクト161Aに対応する味方側戦団を味方側戦団Z1として説明する。兵士数Xによれば、味方側戦団Z1の兵士数は「1500」である。なお、味方側戦団Z1は、街道163Bに沿って、矢印S1方向に移動する。味方側戦団Z1の移動に伴い、味方側戦団Z1の情報オブジェクト161Aと、ユニットオブジェクト162とが矢印S1の方向に移動する。
【0060】
換言すれば、表示制御部114は、ユニットオブジェクト162の表示位置に応じて、情報オブジェクト161の表示位置を変更する。ユニットオブジェクト162の一つである騎馬1621が味方側戦団の配置位置に表示される場合、表示制御部114は、味方側戦団の矢印S1の方向への移動に応じて、騎馬1621を移動させる。表示制御部114は、騎馬1621の表示位置に応じて、情報オブジェクト161の表示位置を変更する。
【0061】
同様に、図7Aに示す情報オブジェクト161Bによれば、街道163Cに設定された上限数が「4」であって、情報オブジェクト161Bに該当する味方側戦団の合計数が「1」であり、空き数が「3」である。情報オブジェクト161Bに対応する味方側戦団を味方側戦団Z2として説明する。情報オブジェクト161Bの兵士数Xによれば、味方側戦団Z2の有する兵士数は「3450」である。
【0062】
味方側戦団Z1が移動した結果、次の表示更新タイミングにおいて、味方側戦団Z1と味方側戦団Z2との配置位置が一致する場合、表示制御部114は、情報オブジェクト161Aと情報オブジェクト161Bとを統合する。表示制御部114は、互いに配置位置が一致する複数のユニットのうち1つを、基準ユニットとして取り扱う。表示制御部114は、例えば属性値が高い方の味方側戦団を基準ユニットに決定し、属性値が低い方の味方側戦団の情報を統合した情報オブジェクト161を表示させる。
【0063】
図7Bは、図7Aにおける情報オブジェクト161Aと情報オブジェクト161Bとが統合した場合の情報オブジェクト161Cを示している。例えば、表示制御部114は、兵士数Xのより多い味方側戦団Z2を基準ユニットに決定し、味方側戦団Z2の情報オブジェクト161Bと味方側戦団Z1の情報オブジェクト161Aとを統合する。その結果、情報オブジェクト161Cのキャラクターアイコン1611は、情報オブジェクト161Bのキャラクターアイコン1611と同じである。表示制御部114は、合算した兵士数である「4950」を、情報オブジェクト161Cの兵士数Xに表示させる。
【0064】
味方側戦団Z1及び味方側戦団Z2は、街道163C上に位置するため、統合が可能な味方側戦団の上限数は「4」である。また、情報オブジェクト161A及び情報オブジェクト161Bに対応する味方側戦団の数は共に「1」であるため、統合後の情報オブジェクト161Cに対応する味方側戦団の合計数は「2」である。表示制御部114は、情報オブジェクト161Cに対応する味方側戦団の合計数である「2」と、味方側戦団の空き数である「2」とを示す記号を、部隊情報1612の戦団数Yに表示させる。
【0065】
図8は、フィールド画面160の一例を示す図(その2)である。図8Aは、ユニットオブジェクト162の整列方法の第1の例を説明するための図であり、図8Bは、ユニットオブジェクト162の整列方法の第2の例を説明するための図である。図8A図8Bは、騎馬1621Aaをユニットオブジェクト162として有する味方側戦団が、騎馬1621Bを有する味方側戦団に接近する状況を示している。図7に示す例と同様に、前方に位置する味方側戦団を味方側戦団Z2、後方に位置する味方側戦団を味方側戦団Z1として説明する。
【0066】
図8Aに示す第1の例では、後方の味方側戦団Z1の属性値が、前方の味方側戦団Z2の属性値より低い。従って、表示制御部114は、味方側戦団Z2を基準ユニットに決定する。後方の騎馬1621Aaは、味方側戦団Z1の移動に伴い、前方の騎馬1621Bに接近する方向に移動する。味方側戦団Z1が移動した結果、味方側戦団Z2の配置位置と一致すると、騎馬1621Aaは、所定の補正位置まで移動する。即ち、表示制御部114は、各味方側戦団の配置位置が一致すると、基準ユニットでないユニットのユニットオブジェクト162を、各味方側戦団の配置位置が一致する直前の位置から、補正位置まで移動させる。例えば補正位置は、基準ユニットのユニットオブジェクト162の位置から第2の間隔を空けた位置である。
【0067】
図8Bに示す第2の例では、味方側戦団Z1及び味方側戦団Z2の配置位置が一致すると、味方側戦団Z1に対応する騎馬1621Aaと、味方側戦団Z2に対応する騎馬1621Bとが移動する。表示制御部114は、各味方側戦団が一致する直前に、前方の味方側戦団Z2に対応するユニットオブジェクト162が表示されていた位置を中心として、所定間隔を空けた2地点を、各ユニットオブジェクト162の補正位置に決定する。即ち、表示制御部114は、騎馬1621Aaを、各味方側戦団の配置位置が一致する直前の位置から、補正位置に該当する1621Abの位置に移動するとともに、騎馬1621Bを補正位置に移動させる。付言すれば、第2の例において、表示制御部114は、配置位置が一致する複数の味方側戦団の各ユニットオブジェクトが、略等間隔に並ぶよう整列する。
【0068】
なお、図8A及び図8Bに示す例では、表示制御部114は、情報オブジェクト161を統合した複数のユニットオブジェクト162を整列して表示させる。しかしながら、表示制御部114は、情報オブジェクト161を統合した複数のユニットオブジェクト162を、所定の範囲にランダムに表示させてもよい。この場合、図5のステップS17において、表示制御部114は、表示倍率に応じたオフセット値を用いて、ユニットオブジェクト162を表示する範囲を決定する。ステップS17において、表示制御部114は、決定した範囲内において、ユニットオブジェクト162をランダムに表示する。
【0069】
付言すれば、図8A及び図8Bに示す例では、便宜上、ユニットオブジェクト162の表示方法を、騎馬1621を用いて説明している。表示制御部114は、例えば旗1622など、ユニットオブジェクト162に含まれる他のオブジェクトについても、騎馬1621と同様に移動させることができる。
【0070】
また、先述したように、表示制御部114は、ユニットオブジェクト162の表示位置や大きさを、フィールド画面160の表示倍率に応じたオフセット値と、表示の大きさを示す値とを用いて決定する。従って、ユニットオブジェクト162の表示位置及び大きさを、フィールドの表示倍率に応じて制御することができるため、プレイヤーがフィールドの表示倍率を変更する場合においても、ユニットオブジェクト162の視認性を高めることができる。
【0071】
なお、図5のフローチャートに示す例において、表示制御部114は、複数の味方側戦団の配置位置が一致する場合に、情報オブジェクト161を統合する。しかしながら、表示制御部114は、複数の味方側戦団の配置位置の間の距離が予め設定された第1の間隔を下回る場合に、情報オブジェクト161を統合してもよい。即ち、本実施形態によれば、近傍に位置する味方側戦団の情報オブジェクト161が統合されるため、フィールド上の表示が整理され、より確実にプレイヤーに表示内容を認識させることができる。
【0072】
また、配置部112は、次の表示更新タイミングにおいて各味方側戦団の配置位置を特定するとともに、次の表示更新タイミングから所定時間経過後の各味方側戦団の配置位置を特定してもよい。その場合、表示制御部114は、次の表示更新タイミングにおいて配置位置が一致する複数の味方側戦団が、当該タイミングから所定期間経過後においても配置位置が一致する場合に、情報オブジェクト161を統合する。即ち、表示制御部114は、一定期間配置位置の一致が継続する複数の味方側戦団の情報オブジェクト161を統合する。本処理により、配置位置の一致がごく短期間である味方側戦団については情報オブジェクト161が統合されないため、統合された情報オブジェクト161の表示が安定し、視認性が向上する。
【0073】
付言すれば、表示制御部114は、敵側戦団についても、配置位置の間の距離に応じて情報オブジェクト161を統合させることができる。
【0074】
図6は、情報オブジェクト分割処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、情報処理装置10において、例えば定期的に実行される。
【0075】
ステップS21及びステップS22において実行される処理は、図5のステップS11とステップS12において実行される処理と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
次に、配置部112は、情報オブジェクト161を統合している味方側戦団が存在するか否かを判定する(ステップS23)。配置部112が、情報オブジェクト161を統合している味方側戦団が存在しないと判定する場合(ステップS23で「NO」の場合)、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0077】
配置部112が、情報オブジェクト161を統合している味方側戦団が存在すると判定する場合(ステップS23で「YES」の場合)、配置部112は、次の表示更新タイミングで、配置位置の上限数を戦団数が超える戦団が存在するか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、配置部112は、情報オブジェクト161を統合している複数の味方側戦団の組み合わせの各々について、当該組み合わせに含まれる戦団数が、ステップS22において特定された上限数を超えるか否かを存在する。
【0078】
配置部112が、次の表示更新タイミングで、配置位置の上限数を戦団数が超える戦団が存在しないと判定する場合(ステップS24で「NO」の場合)、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0079】
配置部112が、次の表示更新タイミングで、配置位置の上限数を戦団数が超える戦団が存在すると判定する場合(ステップS24で「YES」の場合)、表示制御部114は、情報オブジェクト161を分割して表示させる(ステップS25)。具体的には、配置部112は、含まれる戦団数が上限数を超えないよう組み合わせを変更する。表示制御部114は、変更した組み合わせに応じて情報オブジェクト161を分割し、フィールド上に表示させる。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0080】
図9は、フィールド画面160の一例を示す図(その3)である。図9Aは、情報オブジェクト161の分割前のフィールド画面160の一例を示す図であり、図9Bは、情報オブジェクト161の分割後のフィールド画面160の一例を示す図である。
【0081】
図9Aに示す情報オブジェクト161Dは、3つの味方側戦団の情報オブジェクト161が統合されている。3つの味方側戦団は、街道163Dに配置されており、街道163Dに対応する経路に対して設定された味方側戦団の上限数は「4」である。3つの味方側戦団の経路上の配置位置は一致しており、共に街道163D上を矢印S2の方向に移動する。本図に示す例において、街道163Dの進行方向に位置する街道163Eに対応する経路に設定された上限数は「2」である。
【0082】
味方側戦団が移動した結果、配置位置が街道163Eに存在する場合、配置部112は、図5のステップS19において、配置位置の上限数を戦団数が超えると判定する。表示制御部114は、情報オブジェクト161を分割して表示させる。図9Bに示す例において、表示制御部114は、情報オブジェクト161Dを、情報オブジェクト161E・161Fに分割する。
【0083】
分割方法は限定されないが、例えば表示制御部114は、前方に位置する味方側戦団の情報オブジェクト161に対応する戦団数が、経路により特定される上限数と等しくなるよう情報オブジェクト161を分割する。また、表示制御部114は、より属性値の高い味方側戦団が前方に位置するよう情報オブジェクト161を分割する。配置部112は、情報オブジェクト161の分割に伴い、対応する味方側戦団の配置位置を変更する。
【0084】
図9Bに示す例において、表示制御部114は、街道163Eに対応する経路に設定された上限数に伴い、3つの味方側戦団を2分割する。結果として、前方に位置する情報オブジェクト161Fに対応する味方側戦団の数が「2」であり、後方に位置する情報オブジェクト161Eに対応する味方側戦団の数が「1」である。また、表示制御部114は、情報オブジェクト161の分割に伴い、ユニットオブジェクト162の表示を変更する。
【0085】
配置部112は、情報オブジェクト161Fに対応する2つの味方側戦団を、情報オブジェクト161Eに対応する1つの味方側戦団の配置位置よりも前方に移動させる。なお、情報オブジェクト161の分割の際の味方側戦団の配置位置の変更方法は、本例に限定されない。例えば、配置部112は、一部の味方側戦団が、他の味方側戦団の後方に移動するよう、配置位置を変更してもよい。
【0086】
なお、表示制御部114は、図9に示す例のほか、所定の条件を満たす場合に情報オブジェクト161を分割することができる。例えば、表示制御部114は、経路が分岐している場合において、情報オブジェクト161を統合した複数の味方側戦団が別の経路を進行する場合に、情報オブジェクト161を分割する。また例えば、表示制御部114は、情報オブジェクト161を統合した複数の味方側戦団の移動速度が異なる場合に、情報オブジェクト161を分割してもよい。
【0087】
以上、本実施形態によれば、フィールド上を移動する複数のユニット間の距離に応じて、ユニットに関する情報が統合又は分割される。従って、ユニット間の距離が近い場合に、表示される情報が混雑する状況が回避され、視認性が向上する。
【0088】
また、戦闘実行部113は、1の味方側戦団又は情報オブジェクト161を統合した複数の味方側戦団と、当該味方側戦団に隣接する敵側戦団と、の戦闘を実行する。フィールド上において、複数の戦団が隣接する状況には、各々の戦団の経路上の配置位置が連続しており、かつ、互いの間の距離が予め設定された第3の間隔を下回る状況が含まれる。また、本実施形態では、互いに紐づけられ情報オブジェクト161が統合された複数の味方側戦団は、配置位置が一致している。同様に、互いに紐づけられた複数の敵側戦団は、配置位置が一致している。戦闘実行部113は、情報オブジェクトが統合された1又は複数の味方側戦団と、情報オブジェクトが統合された1又は複数の敵側戦団と、が経路上互いに連続する位置関係にあり、かつ、互いの間の距離が第3の間隔を下回る場合に、戦闘を実行する。
【0089】
なお、フィールド上に経路が設定されていない場合、戦闘実行部113は、互いに敵対する複数の戦団の間の距離が第3の間隔を下回る場合に、複数の戦団の配置位置が互いに隣接するとして、戦闘を実行することができる。
【0090】
本実施形態では、戦闘実行部113は、配置位置が一致する複数の味方側戦団について、同時に敵側戦団との戦闘を開始する。図7Bに示す例によれば、情報オブジェクト161Cに対応する3つの味方側戦団は、同時に敵側戦団との戦闘が開始される。図9Bに示す例によれば、情報オブジェクト161Fに対応する2つの味方側戦団が、情報オブジェクト161Eに対応する1つの味方側戦団より進行方向の前方に位置する。従って、前方に敵側戦団が位置する場合、情報オブジェクト161Fに対応する2つの味方側戦団が、後方の1つの味方側戦団よりも先に敵側戦団と戦闘を実行する。
【0091】
本実施形態によれば、経路に応じた上限数に基づいて、同時に戦闘に参加する戦団数が定まる。従って、フィールド上の味方側又は敵側拠点の位置に基づいて、経路の上限数を調整することで、戦闘に関する興趣性を向上することができる。また、プレイヤーは、情報オブジェクト161を参照することで、戦闘に参加している戦団を認識することができる。
【0092】
以上、図1に示した情報処理装置10の構成は、情報処理装置10及びゲームプログラムの構成を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの構成は、処理内容に基づいて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理又は機能の分担は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。また、図4で示した情報処理装置10のハードウェア構成は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示したものに限られない。
【0093】
また、図5で示したフローチャートの処理単位は、情報処理装置10及びゲームプログラムの処理を理解容易にするために、主な処理内容に基づいて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が制限されることはない。情報処理装置10及びゲームプログラムの処理は、処理内容に基づいて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。さらに、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。また、図7図9に示したゲーム画像は、本発明の目的及び効果を達成できるのであれば、図示した構成態様に限られない。
【0094】
また、本発明は、単独の情報処理装置10によってゲームプログラムが実行される場合に限らず、複数の情報処理装置10あるいは情報処理装置10とサーバーによってゲームプログラムが実行される場合にも適用できる。また、本発明は、ゲームプログラムが実行される情報処理装置10が、他の情報処理装置10にゲーム画像を表示させる場合にも適用できる。
【0095】
また、本発明は、上述したようなゲームに限らず、複数のユニットを画面に表示する様々なゲームに適用できる。
【0096】
また、本発明は、ゲームプログラムだけでなく、当該ゲームプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、当該ゲームプログラムを実行するゲーム装置あるいはコンピューター、ゲーム進行制御方法、などの様々な態様で提供することができる。
【符号の説明】
【0097】
10:情報処理装置、11:プロセッサ、12:メインメモリ、13:ストレージ、14:音声処理装置、15:メディアインターフェイス装置、16:画像プロセッサ、17:画像メモリ、18:入力インターフェイス装置、19:出力インターフェイス装置、20:通信インターフェイス装置、110:処理部、111:操作検出部、112:配置部、113:戦闘実行部、114:表示制御部、120:記憶部、121:戦団情報、122:経路情報、130:入力部、140:出力部、150:通信部、160:フィールド画面、161・161A・161B・161C・161D・161E・161F:情報オブジェクト、162・162A・162B・162C・162D・162E・162F:ユニットオブジェクト、163・163A・163B・163C・163D・163E:街道、1611:キャラクターアイコン、1612:部隊情報、1621・1621Aa・1621Ab・1621B:騎馬、1622:旗、S1・S2:矢印、X:兵士数、Y:戦団数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9