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特開2024-131624プログラム、情報処理方法、情報処理装置及び空気調和システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131624
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、情報処理装置及び空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/56 20180101AFI20240920BHJP
   G08C 17/00 20060101ALI20240920BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20240920BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240920BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F24F11/56
G08C17/00 Z
G08C15/00 D
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 311K
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042004
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】立花 光哉
【テーマコード(参考)】
2F073
3L260
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA11
2F073AA17
2F073AA19
2F073AA25
2F073AA26
2F073AA27
2F073AA33
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC05
2F073CC08
2F073CC12
2F073CD11
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EF01
2F073EF08
2F073EF09
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
2F073GG08
2F073GG09
3L260BA57
3L260BA64
3L260FC33
3L260GA15
3L260JA12
3L260JA18
5K048BA08
5K048EB02
5K048EB12
5K048EB13
5K048FB05
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5K201BA02
5K201CC08
5K201CC09
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED08
(57)【要約】
【課題】空調の誤操作を防止することができるプログラム等を提供する。
【解決手段】プログラムは、ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するためのプログラムであって、前記空気調和機に対する操作情報を取得し、前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する処理をコンピュータに実行させる。好適には、前記空気調和機を監視する所定モードを設定する設定入力を前記携帯端末から受け付け、前記所定モードが設定されている場合、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するためのプログラムであって、
前記空気調和機に対する操作情報を取得し、
前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、
前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記操作情報は、リモートコントローラを用いた前記空気調和機に対する操作情報である
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記空気調和機を監視する所定モードを設定する設定入力を前記携帯端末から受け付け、
前記所定モードが設定されている場合、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定モードはチャイルドモードであり、
前記チャイルドモードが設定されている場合、前記空気調和機の運転をオフにする操作、又は冷房から暖房に切り換える操作が行われたか否かを判定する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
温湿度センサから、前記空気調和機が設置された部屋の温湿度を検知した検知結果を取得し、
検知結果に基づき、前記空気調和機の運転が必要な環境であるか否かを判定し、
前記空気調和機の運転が必要な環境であると判定し、かつ、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
人感センサから、前記空気調和機が設置された部屋における人の存在を検知した検知結果を取得し、
人の存在を検知し、かつ、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記人感センサは、ミリ波レーダである
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記携帯端末から、前記所定の操作を許容するか否かの設定入力を受け付け、
前記所定の操作を許容しない旨の設定がされている場合、前記空気調和機に対する前記所定の操作を無効とする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するための情報処理方法であって、
前記空気調和機に対する操作情報を取得し、
前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、
前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するための、制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
前記空気調和機に対する操作情報を取得し、
前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、
前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
情報処理装置。
【請求項11】
空気調和機と、ユーザの携帯端末及び前記空気調和機がネットワークを介して相互通信するための情報処理装置とを有する空気調和システムであって、
前記情報処理装置は制御部を備え、
前記制御部が、
前記空気調和機に対する操作情報を取得し、
前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、
前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する
空気調和システム。
【請求項12】
ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するためのプログラムであって、
前記空気調和機を監視する所定モードを設定する設定入力を受け付け、
前記所定モードが設定されている場合に、前記空気調和機に対して所定の操作が行われた旨の通知を取得し、
前記通知を表示部に表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理方法、情報処理装置及び空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば子供を残して自宅から外出する場合などに、空気調和機(以下では「空調」と記載)を運転させたまま外出することがある。そのような状況で、子供が誤って空調の運転をオフにしたり、運転モードを冷房から暖房に切り換えたりした場合、熱中症等のリスクが高まることになる。
【0003】
例えば特許文献1では、室内が熱中症を引き起こすような異常高温になった場合に、外出している家人が携帯している外部情報端末に室内が異常高温になっているという注意喚起情報を送信する空気調和システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-98990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つの側面では、空調の誤操作を防止することができるプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面では、プログラムは、ユーザの携帯端末と空気調和機がネットワークを介して相互通信するためのプログラムであって、前記空気調和機に対する操作情報を取得し、前記操作情報に基づき、前記空気調和機に対して所定の操作が行われたか否かを判定し、前記所定の操作が行われたと判定した場合、前記携帯端末に対して通知を送信する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、空調の誤操作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気調和システムの構成例を示す説明図である。
図2】サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】ユーザDB、空調DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】端末の構成例を示すブロック図である。
図5】端末の表示画面例を示す説明図である。
図6】サーバからの通知の表示例を示す説明図である。
図7】空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態2の概要を示す説明図である。
図9】実施の形態2に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態3の概要を示す説明図である。
図11】実施の形態3に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】実施の形態4に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、空気調和システムの構成例を示す説明図である。本実施の形態では、ユーザの携帯端末(端末2)と空調3がネットワークNを介して相互通信するための空気調和システムであって、空調3に対して所定の操作が行われた場合に、当該所定の操作が行われた旨をユーザの携帯端末に通知する空気調和システムについて説明する。空気調和システムは、サーバ1、端末2、空調3、ルータ4を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNを介して通信接続されている。
【0010】
サーバ1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能なサーバコンピュータである。サーバ1は、ユーザの自宅等に設置された空調3の情報を管理し、後述するように、端末2での操作入力に基づいて空調3を遠隔操作する。更にサーバ1は、空調3を監視する所定モード(後述の「チャイルドモード」等)がユーザによって設定されている場合、空調3に対して所定の操作(電源をオフにする操作、運転モードを「冷房」から「暖房」に切り換える操作等)が行われたか否かを判定し、所定の操作が行われたと判定した場合、判定結果をユーザの端末2に通知する。
【0011】
端末2は、ユーザが所持する携帯端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。端末2には本システムを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、端末2は当該アプリケーションを実行することで、後述の画面(図5参照)を表示したり、遠隔操作の入力を受け付けたりする。
【0012】
空調3は、ユーザの自宅等に設置された空気調和機であり、リモートコントローラ31によって操作可能となっている。本実施の形態では、空調3はルータ4を介してネットワークNに接続されており、端末2から遠隔操作を受け付ける。
【0013】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。
【0014】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、ユーザDB141、空調DB142を記憶している。ユーザDB141は、ユーザの情報を格納するデータベースである。空調DB142は、空調3の情報を格納するデータベースである。
【0015】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0016】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の可搬型記憶媒体1aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1aからプログラムP1を読み取って実行するようにしても良い。
【0017】
図3は、ユーザDB141、空調DB142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
ユーザDB141は、ユーザID列、氏名列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するためのユーザIDを記憶している。氏名列は、ユーザIDと対応付けて、ユーザの氏名を記憶している。
【0018】
空調DB142は、空調ID列、ユーザID列、運転状態列を含む。空調ID列は、各空調3を識別するための空調IDを記憶している。ユーザID列、及び運転状態列はそれぞれ、空調IDと対応付けて、空調3の使用者であるユーザのユーザID、及び空調3の現在の運転状態を記憶している。運転状態列には、例えば電源のオンオフ、運転モード(「冷房」、「暖房」、「除湿」など)、設定温度等の基本的なステータスのほかに、後述する「チャイルドモード」や「熱中症みはりモード」などの特殊なモードのオンオフの情報が格納されている。
【0019】
図4は、端末2の構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、及び補助記憶部26を備える。
制御部21は、一又は複数のCPU等のプロセッサを有し、補助記憶部26に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、種々の情報処理を行う。主記憶部22は、RAM等の一時記憶領域であり、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示画面であり、画像を表示する。入力部25は、タッチパネル等の操作インターフェイスであり、ユーザから操作入力を受け付ける。補助記憶部26は、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。
【0020】
なお、端末2は、CD-ROM等の可搬型記憶媒体2aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体2aからプログラムP2を読み取って実行するようにしても良い。
【0021】
図5は、端末2の表示画面例を示す説明図である。図5では、端末2が表示する画面例であって、リモートコントローラ31の操作ボタンを模した操作画面を図示している。図5に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0022】
本システムでは、リモートコントローラ31によって空調3を操作するだけでなく、端末2によりネットワークNを介して空調3の遠隔操作が可能となっている。具体的には図5に示すように、端末2は、本システムに係るアプリケーションプログラムを実行することにより、リモートコントローラ31の操作ボタンを模した操作画面を表示する。端末2は、当該画面を介してユーザから空調3のオンオフ、運転モードの切り換え、温度設定といった操作入力を受け付ける。ユーザによる操作内容はサーバ1を経由して空調3に送信され、空調3は操作内容に従って稼働する。
【0023】
操作画面は、空調3のオンオフ、運転モードの切り換え、温度設定といった基本的な操作を行うためのボタンのほか、画面下部に表示される設定ボタン51を含む。設定ボタン51は、「チャイルドモード」、「熱中症みはりモード」(図5では「みはり」の設定ボタン51に対応)等の特殊なモードを設定するためのボタンである。
【0024】
「チャイルドモード」は、空調3に対する誤操作を監視するモードである。上述の如く、子供に留守番をさせて外出するような場合に、空調3を運転させたまま外出するようなケースがある。この場合において、例えば夏に子供がリモートコントローラ31によって空調3の電源をオフにしたり、空調3の運転モードを「冷房」から「暖房」に切り換えたりした場合、熱中症等のリスクが生じる。そこで本実施の形態では「チャイルドモード」を用意する。「チャイルドモード」に設定されている場合、サーバ1は空調3に対して電源をオフにしたり運転モードを切り換えたりする所定の操作が行われたか否かを監視(判定)し、所定の操作が行われた場合、ユーザが所持する端末2に通知する。
【0025】
「熱中症みはりモード」は、室温に応じて空調3を自動的にオンにするモードである。「熱中症みはりモード」がオンに設定されている場合、空調3の運転が停止していても、室温に応じて自動的に運転を開始する。「熱中症みはりモード」の場合も「チャイルドモード」の場合と同様に、サーバ1は所定の操作が行われたか否かを監視し、所定の操作が行われた場合、ユーザの端末2に通知する。
【0026】
このように、本実施の形態では空調3を監視する所定モード(「チャイルドモード」、「熱中症みはりモード」)に設定されている場合、サーバ1は、リモートコントローラ31により空調3に対して所定の誤操作が行われたか否かを監視する。すなわち、サーバ1は、リモートコントローラ31を用いた空調3に対する操作情報を空調3から取得し、当該操作情報に基づいて、所定の操作が行われたか否かを逐次判定する。所定の操作が行われたと判定した場合、サーバ1は、所定の操作が行われた旨の通知を端末2に送信する。
【0027】
なお、本実施の形態では「操作情報」はリモートコントローラ31による操作を指すものとして説明するが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。すなわち、サーバ1は、端末2による遠隔操作によって所定の誤操作が行われたか否かを判定するようにしてもよい。このように、「操作情報」にはリモートコントローラ31による操作だけでなく、ネットワークNを介した遠隔操作も含み得る。
【0028】
図6は、サーバ1からの通知の表示例を示す説明図である。図6に示すように、サーバ1から通知を受信した場合、端末2は、ホーム画面に当該通知をポップアップ表示する。例えば端末2は、図6に示すように、操作内容を示すテキストを表示し、熱中症等のリスクをユーザに報知する。
【0029】
図7は、空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。図7に基づき、サーバ1及び端末2が実行する処理内容について説明する。
端末2の制御部21は、空調3を監視する所定モードを設定する設定入力を受け付ける(ステップS11)。例えば制御部21は、上述の「チャイルドモード」、「熱中症みはりモード」などの設定入力を受け付ける。制御部21は、設定内容をサーバ1に送信する。
【0030】
サーバ1の制御部11は、リモートコントローラ31を用いた空調3に対する操作情報を空調3から取得する(ステップS12)。空調3に対して上記の所定モードが設定されている場合、制御部11は、操作情報に基づき、空調3に対して所定の操作が行われたか否かを判定する(ステップS13)。例えば制御部11は、空調3の電源をオフにする操作、又は空調3の運転モードを切り換える操作(「冷房」を「暖房」に切り換える操作など)が行われたか否かを判定する。所定の操作が行われていないと判定した場合(S13:NO)、制御部11は処理をステップS12に戻す。
【0031】
所定の操作が行われたと判定した場合(S13:YES)、制御部11は、所定の操作が行われた旨の通知を端末2に送信する(ステップS14)。端末2の制御部21は当該通知を表示部24に表示し(ステップS15)、一連の処理を終了する。
【0032】
以上より、本実施の形態1によれば、空調3の誤操作を防止することができる。
【0033】
(実施の形態2)
本実施の形態では、温湿度センサによる温湿度の検知結果に基づき、空調3の運転が必要な環境であるか否かを判定する形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図8は、実施の形態2の概要を示す説明図である。図8に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0035】
本実施の形態に係る空気調和システムは、温湿度センサ(不図示)を備える。例えば温湿度センサはリモートコントローラ31に設けられ、リモートコントローラ31は定期的に温湿度の検知結果を空調3に送信している。空調3は、ルータ4を介して温湿度の検知結果をサーバ1へ送信する。
【0036】
なお、本実施の形態ではリモートコントローラ31に温湿度センサが設けられるものとして説明するが、温湿度センサは例えば空調3(室内機)に設けられてもよい。あるいは温湿度センサは空調3及びリモートコントローラ31以外の箇所に設けられてもよい。このように、温湿度センサは空調3が設置された部屋の温湿度を検知可能であればよく、その設置個所は特に限定されない。
【0037】
サーバ1は、実施の形態1と同様、空調3に対して所定の操作が行われたか否かを判定する。ここでサーバ1は、温湿度の検知結果に基づき、熱中症等が生じる可能性が高く、空調3の運転(冷房等)が必要な環境であるか否かを併せて判定する。そしてサーバ1は、空調3の運転が必要な環境であると判定した場合であって、かつ、空調3に対して所定の操作が行われたと判定した場合、端末2に通知を行う。
【0038】
空調3の運転が必要な環境であるか否かの判定方法は特に限定されないが、本実施の形態では、温度及び湿度によって算出されるWBGT値(Wet Bulb Globe Temperature;暑さ指数)に応じて熱中症リスクを判定する。図8に示す表では、温度及び湿度に応じたWBGT値を示す。例えばサーバ1は、WBGT値が26度以上である場合、又は温度が28度以上である場合(図中の太線よりも上側の領域)に、空調3の運転が必要な環境であると判定する。
【0039】
例えばサーバ1は、まず温湿度の検知結果に基づいて空調3の運転が必要な環境であるか否かを判定する。空調3の運転が必要な環境であると判定した場合、続いてサーバ1は、空調3に対する操作情報に基づいて空調3に対し所定の操作が行われたか否かを判定する。所定の操作が行われたと判定した場合、サーバ1は、端末2に通知を送信する。
【0040】
なお、上記では先に空調3の運転が必要な環境であるか否かを判定し、続いて空調3に対して所定の操作が行われたか否かを判定したが、両者の判定処理の順序は逆であってもよい。すなわち、サーバ1は、空調3の運転が必要な環境であると判定し、かつ、所定の操作が行われたと判定した場合に通知を送信可能であればよい。
【0041】
また、端末2に通知を送信する場合、サーバ1は、空調3の運転が必要な環境である旨を併せて通知すると好適である。これにより、ユーザの判断を好適に支援することができる。
【0042】
図9は、実施の形態2に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。空調3に対する操作情報を取得した後(ステップS12)、サーバ1は以下の処理を実行する。
サーバ1の制御部11は、温湿度センサから、空調3が設置された部屋の温湿度を検知した検知結果を取得する(ステップS201)。制御部11は、取得した検知結果に基づき、空調3の運転が必要な環境であるか否かを判定する(ステップS202)。運転が必要な環境でないと判定した場合(S202:NO)、制御部11は処理をステップS12に戻す。運転が必要な環境であると判定した場合(S202:YES)、制御部11は処理をステップS13に移行する。
【0043】
空調3に対して所定の操作が行われたと判定した場合(S13:YES)、制御部11は、所定の操作が行われた旨の通知を端末2に送信する(ステップS203)。この場合に制御部11は、空調3の運転が必要な環境である旨を併せて通知すると好適である。端末2の制御部21は処理をステップS15に移行する。
【0044】
以上より、本実施の形態2によれば、空調3の運転が必要な環境である場合に通知が送信されるため、より的確にユーザへの通知を行うことができる。
【0045】
(実施の形態3)
本実施の形態では、人感センサにより人の存在を検知し、人の存在を検知した場合において空調3に対し所定の操作が行われた場合に、端末2に通知を行う形態について説明する。
【0046】
図10は、実施の形態3の概要を示す説明図である。図10に基づき、本実施の形態の概要を説明する。
【0047】
図10では、空調3に設けられた人感センサにより、空調3が設置された部屋における人の存在を検知する様子を概念的に図示している。本実施の形態では空調3(室内機)に人感センサが設けられており、当該人感センサにより、空調3が設置された部屋における人の存在を検知する。空調3の電源がオフにされたり、空調3の運転モードが切り換わったりした場合において、人の存在を検知することで、当該操作が誤操作であると好適に判定することができる。
【0048】
なお、人感センサも実施の形態2に係る温湿度センサと同様に、その設置個所は特に限定されず、空調3以外の箇所に設置されてもよい。
【0049】
人感センサは赤外線センサとしてもよいが、本実施の形態では、人感センサとしてミリ波レーダを採用する。赤外線センサの場合、温度差で人の存在を検知することから、日差しや温度上昇によって誤検出する恐れがあるためである。ミリ波レーダを採用することで、人の存在を好適に検知することができる。
【0050】
サーバ1は、空調3から操作情報を取得すると共に、人感センサから、空調3が設置された部屋における人の存在を検知した検知結果を取得する。サーバ1は、人感センサによる検知結果に基づき、空調3が設置された部屋に人が存在するか否かを判定する。人が存在すると判定した場合、サーバ1は更に操作情報に基づいて空調3に対し所定の操作が行われたか否かを判定する。所定の操作が行われたと判定した場合、サーバ1は、端末2に通知を送信する。
【0051】
なお、上記では先に空調3が設置された部屋に人が存在するか否かを判定し、次に空調3に対して所定の操作が行われたか否かを判定したが、両者の判定処理の順序は逆であってもよい。
【0052】
また、端末2に通知を送信する場合、サーバ1は、人の存在を検知した旨を併せて通知すると好適である。これにより、ユーザの判断を好適に支援することができる。
【0053】
図11は、実施の形態3に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。空調3に対する操作情報を取得した後(ステップS12)、サーバ1は以下の処理を実行する。
サーバ1の制御部11は、人感センサから、空調3が設置された部屋における人の存在を検知した検知結果を取得する(ステップS301)。制御部11は、取得した検知結果に基づき、空調3が設置された部屋に人が存在するか否かを判定する(ステップS302)。人が存在しないと判定した場合(S302:NO)、制御部11は処理をステップS12に戻す。人が存在すると判定した場合(S302:YES)、制御部11は処理をステップS13に移行する。
【0054】
空調3に対して所定の操作が行われたと判定した場合(S13:YES)、制御部11は、空調3に対して所定の操作が行われた旨の通知を端末2に送信する(ステップS303)。この場合に制御部11は、人の存在を検知した旨を併せて通知すると好適である。端末2の制御部21は処理をステップS15に移行する。
【0055】
以上より、本実施の形態3によれば、空調3が操作されたときに室内に人が居るかを検知することができ、ユーザへの通知が必要な事態を好適に判定することができる。
【0056】
(実施の形態4)
本実施の形態では、ユーザが許容しない限り空調3に対する所定の操作を無効とする形態について説明する。
【0057】
まず、本実施の形態の概要を説明する。本実施の形態においてサーバ1は、端末2から、空調3に対する所定の操作(電源をオフにする操作、運転モードを切り換える操作など)を許容するか否かの設定入力を受け付ける。図示は省略するが、端末2は不図示の設定画面を表示して、「チャイルドモード」等の所定モード設定時に電源をオフにする操作、運転モードを切り換える操作などを許容するか否かの設定入力を受け付ける。サーバ1は、設定内容を保存する。
【0058】
「チャイルドモード」等の所定モード設定時において空調3に対し所定の操作を受け付けた場合、サーバ1は、上記の設定内容を参照して、所定の操作が許容されているか否かを判定する。所定の操作が許容されていないと判定した場合、サーバ1は、当該操作を無効とする。すなわち、電源をオフにする操作や運転モードを切り換える操作を受け付けた場合であっても、空調3は当該操作を無効とし、運転を継続する。
【0059】
図12は、実施の形態4に係る空気調和システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。空調3に対して所定の操作が行われたと判定した場合(S13:YES)、サーバ1は以下の処理を実行する。なお、サーバ1は予め、空調3に対する所定の操作を許容するか否かの設定入力を受け付けているものとして説明する。
サーバ1の制御部11は、空調3に対する所定の操作が許容されているか否かを判定する(ステップS401)。許容されていると判定した場合(S401:YES)、制御部11は処理をステップS14に移行する。許容されていないと判定した場合(S401:NO)、制御部11は、空調3に対する所定の操作を無効とし(ステップS402)、一連の処理を終了する。
【0060】
以上より、本実施の形態4によれば、空調3の誤操作をより好適に防止することができる。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0062】
各実施の形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 サーバ
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
P1 プログラム
141 ユーザDB
142 空調DB
2 端末
21 制御部
22 主記憶部
23 通信部
24 表示部
25 入力部
26 補助記憶部
P2 プログラム
3 空調
31 リモートコントローラ
4 ルータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12