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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131629
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】身体支持装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/00 20060101AFI20240920BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61M21/00 B
A61H1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042014
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朋子
(72)【発明者】
【氏名】堺 浩之
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏文
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA02
4C046AA48
4C046EE09
4C046EE10
(57)【要約】
【課題】頭部の向きを考慮して、使用者が望む状態へ誘導させることができる技術を提供する。
【解決手段】身体支持装置は、使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部と、前記支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定し、当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する制御部と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部と、
前記支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定し、当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する制御部と、
を備える身体支持装置。
【請求項2】
前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合に、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御し、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合に、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する請求項1記載の身体支持装置。
【請求項3】
前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御する請求項1記載の身体支持装置。
【請求項4】
前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値より長くなった場合である請求項3記載の身体支持装置。
【請求項5】
前記制御部は、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合には、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する請求項1記載の身体支持装置。
【請求項6】
前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値以下になった場合である請求項5記載の身体支持装置。
【請求項7】
前記制御部は、頭部の向きを撮像する撮像装置により撮像された画像に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する、請求項1記載の身体支持装置。
【請求項8】
頭部の圧力分布を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された頭部の圧力分布に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する、請求項1記載の身体支持装置。
【請求項9】
使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定するステップと、
当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、身体支持装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人は、頭部にある前庭器官で直線加速度を感知し、前庭自律神経反射と呼ばれる運動をすることが知られている。この前庭自律神経反射は、人の覚醒を維持したり、入眠しやすい状態やリラックスした状態、または楽しい状態への状態遷移に役割を担っている。
【0003】
特許文献1には、使用者の頭部を上下方向又は前後方向に揺動させる揺動発生手段と、揺動発生手段に接続され、揺動発生手段から発生される揺動を制御するように構成された揺動制御手段を備える、使用者の健康を促進するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/216723号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、使用者の健康促進を目的として、使用者の頭部を上下方向又は前後方向に揺動させるため、使用者の頭部の向きが考慮されておらず、使用者が望む状態になっているとは限らなかった。
【0006】
本開示は、頭部の向きを考慮して、使用者が望む状態へ誘導させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の態様に係る身体支持装置は、使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部と、前記支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定し、当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する制御部と、を備えている。
【0008】
また、第2の態様に係る身体支持装置において、前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合に、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御し、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合に、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する。
【0009】
また、第3の態様に係る身体支持装置において、前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御する。
【0010】
また、第4の態様に係る身体支持装置において、前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値より長くなった場合である。
【0011】
また、第5の態様に係る身体支持装置において、前記制御部は、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合には、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する。
【0012】
また、第6の態様に係る身体支持装置において、前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値以下になった場合である。
【0013】
また、第7の態様に係る身体支持装置において、前記制御部は、頭部の向きを撮像する撮像装置により撮像された画像に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する。
【0014】
また、第8の態様に係る身体支持装置において、頭部の圧力分布を検出する検出部を備え、前記制御部は、前記検出部により検出された頭部の圧力分布に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する。
【0015】
一方、上記目的を達成するために、第9の態様に係るプログラムにおいて、使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定するステップと、当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1の態様の身体支持装置によれば、頭部の向きを考慮して、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0017】
また、第2の態様の身体支持装置によれば、頭部の向きを考慮して、往復移動を行う方向を変更することにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0018】
また、第3及び第4の態様の身体支持装置によれば、使用者の身体の状態に応じて、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0019】
また、第5及び第6の態様の身体支持装置によれば、使用者の身体の状態に応じて、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0020】
また、第7の態様の身体支持装置によれば、撮像画像から頭部の向きを判定することができる。
【0021】
また、第8の態様の身体支持装置によれば、頭部の圧力分布から頭部の向きを判定することができる。
【0022】
また、第9の態様のプログラムによれば、頭部の向きを考慮して、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る身体支持装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る身体支持装置の制御構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る支持部の往復移動の方向について説明する図である。
図4】第1実施形態に係る身体支持装置の動作例を示す説明図である。
図5】第1実施形態に係る身体支持装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る身体支持装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態に係る身体支持装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る身体支持装置の動作例を示す説明図である。
図9】第3実施形態に係る身体支持装置の動作例を示す説明図である。
図10】第4実施形態に係る身体支持装置の動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態について詳細に説明する。
【0025】
図1を参照して、身体支持装置10の構成について説明する。図1は、身体支持装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る身体支持装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、支持部15及び通信インターフェース(通信IF)16を含んで構成されている。CPU11、ROM12、RAM13,ストレージ14、支持部15及び通信IF16の各々はバス17により相互に接続されている。
【0026】
CPU11は、身体支持装置10の全体を統括し、制御する。ROM12は、CPU11に身体支持装置10の動作を実行させるためのプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラムの実行時のワークエリアとして用いられるメモリである。CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、使用者が望む状態へ誘導するように身体支持装置10を動作させるよう制御する。
【0027】
ストレージ14は、一例としてHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等である。
【0028】
支持部15は、身体支持装置10を使用する使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成されている。
【0029】
通信IF16は、ネットワークを介して外部装置とデータの送受信を行う。通信IF16には、撮像装置としてのカメラ18やセンサ19等が接続される。
【0030】
カメラ18は、身体支持装置10を使用する使用者の頭部の向きを撮像可能な位置に設置される。センサ19は、身体支持装置10を使用する使用者が装着する例えばウェアラブル端末であって、使用者の生理信号(生体信号ともいう)を検出する。ここで、生理信号とは、人の脳波、心拍、脈拍、呼吸等の生理現象によって体内から発せられる信号をいう。
【0031】
次に、図2を参照して、身体支持装置10の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る身体支持装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、身体支持装置10は、取得部21、頭部向き判定部22、及び動作制御部23を備えている。CPU11がプログラムを実行することにより、取得部21、頭部向き判定部22、動作制御部23として機能する。
【0033】
取得部21は、例えば、カメラ18によって撮像された画像を取得する。また、取得部21は、例えば、センサ19によって検出された使用者の生理信号を取得する。また、取得部21は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態か又は創造性向上か、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上か、に関する情報を取得する。取得部21は、例えば、センサ19によって検出された使用者の心拍間隔や心拍数や皮膚電位等の生理信号に基づいて、使用者が望む状態や、使用者の現在の状態を取得するようにしてもよい。また、取得部21は、例えば、カメラ18によって撮像された使用者の眼球運動、瞳孔径等の画像から取得された生理信号に基づいて、使用者が望む状態や、使用者の現在の状態を取得するようにしてもよい。
【0034】
頭部向き判定部22は、取得部21により取得された撮像画像に基づいて支持部15で支持された状態における使用者の頭部の向きを判定する。すなわち、頭部向き判定部22は、撮像画像に基づいて支持部15で支持された状態における使用者の頭部の向きを判定する。頭部向き判定部22は、撮像画像により、使用者が、支持部15に対して、仰向けか、上向きか、正面向きか、うつ伏せか、若しくは横向きか等を判定する。
【0035】
動作制御部23は、頭部向き判定部22による判定結果と、使用者の望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上か、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上かに応じて、支持部15による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する。
【0036】
具体的には、動作制御部23は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合に、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように支持部15を制御する。また、動作制御部23は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上の場合に、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように支持部15を制御する。
【0037】
また、動作制御部23は、頭部向き判定部22による判定結果と、使用者の望む状態と、センサ19によって検出される心拍間隔や心拍数や皮膚電位等の生理信号に応じて、支持部15による使用者の頭部の往復移動の方向及び周期を制御する。
【0038】
次に、動作制御部23による支持部15の往復移動の方向について、図3を用いて説明する。図3は、人の矢状面について示した図である。
【0039】
矢状面とは、左右相称な人の身体の正中に対し平行に、身体を左右に分ける面である。また、冠状面とは、矢状面と直交し、身体を前後に分ける面である。したがって、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するとは、図3において、頭部を含む身体が前後方向であって縦方向であるZ軸方向に往復移動する場合と、頭部のみが前後方向であって縦方向であるZ軸方向に往復移動する場合を含む。
【0040】
また、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するとは、図3において、頭部を含む身体が矢状面に垂直な方向であって、左右方向であって横方向であるX軸方向に往復移動する場合と、頭部のみが頭部矢状面に垂直な方向であって、左右方向であって横方向であるX軸方向に往復移動する場合を含む。
【0041】
ここで、人は、平衡をつかさどる前庭器官を備えている。前庭器官は、内耳にあり重力と直線加速度を司る耳石器を備えている。耳石器の内部には耳石があり、耳石が重力や直線加速度によって頭部に対し相対運動することで前庭神経から脳に運動情報が送られる。
【0042】
また、頭部が頭部左右方向に往復移動した場合に、睡眠中の呼吸を安定させ、平常状態に比べて心拍間隔が長くなる(心拍数が低くなる)傾向があることが確認されている。これは、頭部が頭部左右方向に往復移動することにより、入眠が推進され、リラックス状態になる傾向があることを示している。また、睡眠後に創造性が向上される傾向があることが確認されている。
【0043】
また、約4秒周期で、約13mGを中心とした周期的直線加速度が、頭部横方向に加えられた場合、睡眠状態が維持されることが確認されている。また、同じ周期と同じ強度で周期的直線加速度が、頭部矢状面に沿った方向に加えられた場合に、睡眠状態を維持できないことが確認されている。
【0044】
また、頭部が頭部矢状面方向に沿って往復移動した場合に、交感神経活動性の生理的興奮をもたらし、平常状態に比べて心拍間隔が短くなる(心拍数が高くなる)傾向があることが確認されている。これは、頭部が頭部矢状面方向に往復移動することにより、覚醒され、楽しい気分になる傾向があることを示している。すなわち、頭部矢状面方向への刺激により、頭部の直線加速度が刺激されて、前庭自律神経反射により興奮し、覚醒維持、楽しい気分の向上等の効果をもたらすことが確認されている。
【0045】
つまり、前庭自律神経反射は、頭部の直線加速度入力方向に依存性があることが確認されている。
【0046】
本実施形態によれば、使用者の望む状態に応じて、使用者の耳石器姿勢に対する直線加速度の方向に揺動を付与する。すなわち、動作制御部23が、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて、頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に支持部15を往復移動させて、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる。これにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0047】
[第1実施形態]
次に、図4を参照して、身体支持装置10として寝台(以下、ベッド10Aと記す)を例として、ベッド10Aを使用する使用者が望む状態へ誘導させるように本開示の技術を適用した場合を例に説明する。
【0048】
第1実施形態に係るベッド10Aは、ベッド10Aを使用する使用者の身体を支持する支持部15として、支持台41と、支持台41を下方から支持する4つの脚部42と、支持台41を左右(X軸方向)に揺動する揺動機構44と、脚部42を垂直(Z軸方向)に昇降する昇降機構45と、支持台41の一部を略水平の状態からX軸を中心にして上方(θ方向)に揺動するリクライニング機構46を備えている。揺動機構44、昇降機構45、及びリクライニング機構46は、それぞれ加振装置43に接続される。
【0049】
すなわち、動作制御部23は、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて、それぞれ加振装置43により揺動機構44と、昇降機構45と、リクライニング機構46を制御して、支持台41を、X軸方向、Z軸方向又はθ方向に往復移動させる。このようにして、ベッド10Aを、使用者の頭部の向きに応じて、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に揺動させて往復移動させることにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0050】
このとき、動作制御部23は、支持台41を、使用者が望む状態に応じた周期で往復移動するように、X軸方向、Z軸方向又はθ方向に往復移動するように制御する。例えば、使用者が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上を望む場合には、往復移動の周期を例えば0.2~0.3Hzに設定する。使用者が覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上を望む場合には、往復移動の周期を例えば0.5Hz以上に設定する。
【0051】
具体的には、動作制御部23は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合に、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように、使用者の頭部の向きに応じてX軸方向、Z軸方向又はθ方向に往復移動するように揺動機構44、昇降機構45又はリクライニング機構46を制御する。また、動作制御部23は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上の場合に、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように、使用者の頭部の向きに応じてX軸方向又はZ軸方向に往復移動するように揺動機構44又は昇降機構45を制御する。
【0052】
次に、ベッド10Aを例にして、本実施形態に係る身体支持装置10の作用について説明する。図5図7は、第1実施形態に係るベッド10Aの動作の一例を示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、実行することによって、図5図7に示すベッド10Aにおける処理が実行される。
【0053】
ステップS101において、CPU11は、取得部21により取得されたベッド10Aを使用する使用者の頭部の撮像画像を取得し、頭部向き判定部22により使用者の頭部の向きを判定する。頭部向き判定部22は、撮像画像を用いて、使用者の頭部の向きが、支持台41に対して、仰向け(又は上向きともいう)若しくはうつ伏せか、又は横向きかを判定する。
【0054】
ステップS101において、CPU11は、頭部向き判定部22により使用者の頭部の向きが仰向け若しくはうつ伏せであると判定された場合には、ステップS102において、取得部21により取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上であるか否かを判定する。
【0055】
ステップS102において、CPU11は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上であると判定された場合には、ステップS103において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を頭部左右方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、例えば、往復移動の周期を例えば0.2~0.3Hzに設定して、加振装置43により揺動機構44を制御して、支持台41を、図4(A)に示すX軸方向に往復移動させるように制御する。
【0056】
また、ステップS102において、CPU11は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上でないと判定された場合には、ステップS104において、取得部21に取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上かを判定する。
【0057】
そして、ステップS104において、CPU11は、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上であると判定された場合には、ステップS105において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を頭部矢状面方向に沿った方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、例えば、往復移動の周期を例えば0.5Hz以上に設定して、加振装置43により昇降機構45又はリクライニング機構46を制御して、支持台41を、図4(A)及び図4(B)に示すZ軸方向又はθ方向に往復移動するように制御する。
【0058】
また、ステップS101において、CPU11は、頭部向き判定部16により使用者の頭部の向きが仰向け若しくはうつ伏せでない、すなわち横向きであると判定された場合には、ステップS201において、取得部21により取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上であるか否かを判定する。
【0059】
ステップS201において、CPU11は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上であると判定された場合には、ステップS202において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を頭部左右方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、例えば、往復移動の周期を例えば0.2~0.3Hzに設定して、加振装置43により昇降機構45を制御して、支持台41を、図4(A)及び図4(B)に示すZ軸方向に往復移動するように制御する。
【0060】
また、ステップS201において、CPU11は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上でないと判定された場合には、ステップS203において、取得部21により取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上かを判定する。
【0061】
そして、ステップS203において、CPU11は、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上であると判定された場合には、ステップS204において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を頭部矢状面方向に沿った方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、例えば、往復移動の周期を例えば0.5Hz以上に設定して、加振装置43により揺動機構44を制御して、支持台41を、図4(A)に示すX軸方向に往復移動するように制御する。
【0062】
なお、動作制御部23は、使用者が望む状態が、例えば入眠目的である場合、入眠後に停止するように制御するようにしてもよい。また、終夜往復移動するようにしてもよい。入眠したか否かは、センサ19により検出された使用者の心拍間隔や心拍数や皮膚電位等の生理信号を用いて判定するようにしてもよいし、カメラ18により撮像された使用者の体動や瞼下の眼球運動や瞳孔径等の画像から取得された生理信号を用いて判定するようにしてもよい。
【0063】
次に、動作制御部23が、センサ19によって検出される使用者の生理信号に応じて、支持部15による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する例について、図7を用いて説明する。ここでは、使用者の生理信号として、センサ19によって検出される使用者の心拍間隔を用いる例について説明する。
【0064】
ステップS301において、CPU11は、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示すか否かを判定する。すなわち、CPU11は、取得部21により取得された心拍間隔が、予め設定された閾値以下か否かを判定する。
【0065】
そして、ステップS301において、CPU11は、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合である使用者の心拍間隔が予め設定された閾値以下である場合には、ステップS302において、取得部21により取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上かを判定する。
【0066】
そして、ステップS302において、CPU11は、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上である場合には、ステップS303において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を、頭部左右方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、予め設定された周期で、支持台41を、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて頭部左右方向に往復移動するように制御する。
【0067】
すなわち、CPU11は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合である使用者の心拍間隔が予め設定された閾値以下になった場合には、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように支持部15を制御する。
【0068】
また、ステップS301において、CPU11は、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合である使用者の心拍間隔が予め設定された閾値より長い場合や、ステップS302において、使用者が望む状態が、入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上でない場合には、ステップS304において、取得部21により取得された情報に基づいて、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上かを判定する。
【0069】
そして、ステップS304において、CPU11は、使用者が望む状態が、覚醒や覚醒維持や楽しい気分向上である場合には、ステップS305において、動作制御部23により、予め設定された周期で、支持台41を、頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる。すなわち、動作制御部23は、支持台41を、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように制御する。
【0070】
すなわち、CPU11は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合である使用者の心拍間隔が予め設定された閾値より長くなった場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように支持部15を制御する。
【0071】
以上のようにして、身体支持装置10は、使用者の生理信号の一例である心拍間隔により検出される使用者の身体の状態に応じて、使用者が望む状態へ誘導させることができ、使用者の心拍変動を最適に保つことができる。
【0072】
[第2実施形態]
次に、図8を参照して、身体支持装置10として枕10Bを例として、枕10Bを使用する使用者が望む状態へ誘導させるように本開示の技術を適用した場合を例に説明する。
【0073】
以下において、上述した第1実施形態と異なる点のみ詳述し、上述した第1実施形態と同一の構成及び動作については、その説明を省略する。
【0074】
第2実施形態に係る枕10Bは、枕10Bを使用する使用者の頭部を支持する支持部15として、支持体81と、支持体81を頭部左右方向(X軸方向)に往復移動させるばね機構83を備えている。ばね機構83は、ばね定数により周期Tが決定され、一定の速度にて最小エネルギーで振動が維持されるように構成されている。この場合、周期T(秒)は、以下の数式によって表される。
【0075】
【数1】
【0076】
ここで、kは、ばね定数(N/m)であって、Mは、支持体81にかかる質量(kg)である。
【0077】
また、支持体81内には、頭部の圧力分布を検出する圧力分布センサ84が設けられている。頭部向き判定部22は、圧力分布センサ84により検出された頭部の圧力分布に基づいて使用者の頭部の向きを判定する。
【0078】
すなわち、動作制御部23は、取得部21により取得された情報と、圧力分布センサ84により検出され、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて、予め設定された周期で、支持体81を、X軸方向に往復移動させる。このようにして、枕10Bを、使用者の頭部の向きに応じて、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させることにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0079】
具体的には、動作制御部23は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上であって、使用者の頭部が横向きの場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向であって、支持体81がX軸方向に往復移動するように制御する。また、動作制御部23は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上であって、使用者の頭部が仰向け又はうつ伏せの場合には、使用者の頭部が頭部左右方向であって、支持体81がX軸方向に往復移動するように制御する。
【0080】
[第3実施形態]
次に、図9を参照して、身体支持装置10として椅子10Cを例として、椅子10Cを使用する使用者が望む状態へ誘導させるように本開示の技術を適用した場合を例に説明する。
【0081】
第3実施形態に係る椅子10Cは、椅子10Cを使用する使用者の身体を支持する支持部15として、座部91と、座部91を下方から支持する脚部92と、座部91に連続する背面部93と、座部91を脚部92に対して左右(X軸方向)に揺動する揺動機構94と、座部91を脚部92に対して前後(Y軸方向)に揺動する揺動機構95と、背面部93を座部91に対してθ方向に揺動するリクライニング機構96を備えている。揺動機構94と揺動機構95とリクライニング機構96は、それぞれ加振装置97に接続される。
【0082】
頭部向き判定部22は、上述した第1実施形態と同様にカメラ18によって撮像された画像を取得部21により取得することによって使用者の頭部の向きを判定する。
【0083】
動作制御部23は、取得部21により取得された情報と、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて、加振装置97を制御して、座部91又は背面部93を、X軸方向、Y軸方向又はθ方向に往復移動させる。このようにして、椅子10Cを、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させることにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0084】
具体的には、動作制御部23は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向であって、座部91がY軸方向に往復移動するように揺動機構95を制御する。また、背面部93がθ方向に往復移動するようにリクライニング機構96を制御するようにしてもよい。また、動作制御部23は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上の場合には、使用者の頭部が頭部左右方向であって、座部91がX軸方向に往復移動するように揺動機構94を制御する。
【0085】
[第4実施形態]
次に、図10を参照して、身体支持装置10として部屋10Dを例として、部屋10Dで椅子に座っている人が望む状態へ誘導させるように本開示の技術を適用した場合を例に説明する。
【0086】
第4実施形態に係る部屋10Dは、部屋10Dにいる使用者の身体を支持する支持部15として、部屋10Dと、部屋10Dを椅子に座っている人の頭部に対して左右(X軸方向)に揺動する揺動機構103と、椅子に座っている人の頭部に対して前後(Y軸方向)に揺動する揺動機構104と、を備えている。揺動機構103と揺動機構104は、それぞれ加振装置102に接続される。
【0087】
頭部向き判定部22は、上述した第1実施形態と同様にカメラ18によって撮像された画像を取得部21により取得することによって使用者の頭部の向きを判定する。
【0088】
そして、動作制御部23は、頭部向き判定部22により判定された頭部の向きに応じて、加振装置102を制御して、部屋10Dを、X軸方向又はY軸方向に往復移動させる。このようにして、部屋10Dを、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させることにより、使用者が望む状態へ誘導させることができる。
【0089】
具体的には、動作制御部23は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合には、部屋10Dを使用する使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向であって、図10に示すY軸方向に往復移動するように揺動機構104を制御する。また、動作制御部23は、使用者が望む状態が入眠推進、リラックスした状態又は創造性向上の場合には、使用者の頭部が頭部左右方向であって、図10に示すX軸方向に往復移動するように揺動機構103を制御する。
【0090】
なお、第4実施形態においては、部屋10Dで椅子に座っている人が望む状態へ誘導させるように本開示の技術を適用した場合を例に説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではなく、部屋10Dで寝ている状態の人が望む状態へ誘導させるようにする場合にも、同様に本開示における技術を適用することができる。
【0091】
また、第4実施形態においては、部屋10Dを支持部15として、部屋10Dごと、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる場合を用いて説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではなく、支持部15として床面のみを、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる場合にも、同様に本開示における技術を適用することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、身体支持装置10として、ベッド10A、枕10B、椅子10C、部屋10Dを用いて説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではなく、車両のヘッドサポート等に用いた場合にも本開示における技術を適用することができる。
【0093】
また、上記実施形態では、身体支持装置10として、椅子10Cの座部91又は背面部93を、X軸方向、Y軸方向又はθ方向に往復移動させて、椅子10Cを、使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる場合を用いて説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではなく、背面部93の上部であって、使用者の頭部が配置される位置に設けられたヘッドサポートがX軸方向、Y軸方向又はθ方向に揺動するようにする場合にも本開示における技術を適用することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、頭部向き判定部として、カメラ18又は圧力分布センサ84を用いて頭部の向きを判定する場合を用いて説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではない。
【0095】
また、上記実施形態では、加振装置を用いて支持部15を揺動させることにより使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる場合を用いて説明したが、本開示における技術はこれに限定されるものではなく、振り子の作用により頭部に直線運動を付与するようなモータけん引により支持部15を揺動させる場合にも本開示における技術を適用することができる。この場合、周期T(秒)は、以下の数式によって表される。
【0096】
【数2】
【0097】
ここで、lは、振り子の長さ(m)であって、gは、重力加速度(m/s)である。
【0098】
また、支持部15を、支持部15内の空気圧力変動により支持部15を使用する使用者の頭部を頭部左右方向又は頭部矢状面に沿った方向に往復移動させる場合にも本開示における技術を適用することができる。
【0099】
その他、上記実施形態で説明した身体支持装置10の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0100】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0101】
なお、上記各実施形態でCPU11がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した表示処理を、CPU11以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、検出した情報から文字の表示を制御する処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0102】
また、上記各実施形態では、表示プログラムがROM12又はストレージ14に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0103】
なお、上述の本開における技術の一実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0104】
(付記1)
使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部と、
前記支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定し、当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御する制御部と、
を備える身体支持装置。
【0105】
(付記2)
前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合に、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御し、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合に、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する付記1記載の身体支持装置。
【0106】
(付記3)
前記制御部は、使用者が望む状態が覚醒、覚醒維持又は楽しい気分向上の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合には、使用者の頭部が頭部矢状面に沿った方向に往復移動するように前記支持部を制御する付記1記載の身体支持装置。
【0107】
(付記4)
前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示す場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値より長くなった場合である付記3記載の身体支持装置。
【0108】
(付記5)
前記制御部は、使用者が望む状態が入眠推進又はリラックス状態の場合であって、使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合には、使用者の頭部が頭部左右方向に往復移動するように前記支持部を制御する付記1記載の身体支持装置。
【0109】
(付記6)
前記使用者から取得された生理信号から算出される自律神経活動がリラックスまたは入眠の傾向を示していない場合は、前記使用者から取得された使用者の心拍間隔が予め設定された閾値以下になった場合である付記5記載の身体支持装置。
【0110】
(付記7)
前記制御部は、頭部の向きを撮像する撮像装置により撮像された画像に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する、付記1から付記4のいずれか1つの付記に記載の身体支持装置。
【0111】
(付記8)
頭部の圧力分布を検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された頭部の圧力分布に基づいて前記使用者の頭部の向きを判定する、付記1から付記4のいずれか1つの付記に記載の身体支持装置。
【0112】
(付記9)
使用者の身体の一部又は全体を支持し、使用者の少なくとも頭部を往復移動させることが可能なように構成された支持部で支持された状態における前記使用者の頭部の向きを判定するステップと、
当該判定結果に応じて前記支持部による使用者の頭部の往復移動の方向を制御するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0113】
10 身体支持装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 ストレージ
15 支持部
16 通信IF
17 バス
18 カメラ
19 センサ
21 取得部
22 頭部向き判定部
23 動作制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10