(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131630
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】トリミング装置
(51)【国際特許分類】
B21D 28/00 20060101AFI20240920BHJP
B23D 23/00 20060101ALN20240920BHJP
【FI】
B21D28/00 A
B23D23/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042015
(22)【出願日】2023-03-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】592204886
【氏名又は名称】冨士発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 啓
(72)【発明者】
【氏名】小田垣 敏弘
【テーマコード(参考)】
3C039
4E048
【Fターム(参考)】
3C039DA08
4E048AA02
(57)【要約】
【課題】筒形ワークをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制可能なトリミング装置を提供する。
【解決手段】芯金パンチ33及びトリミング加工工具31Aの少なくともいずれかを移動させて芯金切刃33fと工具切刃31fとでトリミング加工するとき、芯金パンチ33とワークWとの間には隙間H1,H2が生じる。この隙間H1,H2にはダンパー機構100A,100Bが配置される。ダンパー機構100A,100Bは、芯金切刃33fと工具切刃31fとでトリミング加工するときにワークWと当接するように配置されるとともに、トリミング加工工具31Aが進退移動する方向に力が作用すると弾性変形するように構成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1刃部と本体部とを有し、第1の方向に移動して筒形ワークの内側に配置可能な第1トリミング部材と、
第2刃部を有し、前記第1刃部と前記第2刃部との間に前記筒形ワークの側部が位置するように配置される第2トリミング部材と、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを、前記第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させることが可能な移動機構と、
を備え、前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて、前記第1刃部と前記第2刃部とで、前記筒形ワークの他端部をトリミングするトリミング装置であって、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部をトリミングするとき、前記本体部と前記筒形ワークとの間には隙間が生じ、
前記トリミング装置は、
前記隙間に配置されるガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部を少なくともトリミングするときに当該筒形ワークと当接するように配置されるとともに、前記第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されてなる、
トリミング装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、
非圧縮性の第1部材と、
前記第1部材と前記本体部との間に配置される伸縮性の第2部材と、
を有し、前記第1刃部と前記第2刃部とを少なくとも当接させると前記第1部材が前記筒形ワークと当接するように配置されてなる、
請求項1に記載のトリミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒形ワークの開口縁を切断するトリミング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のトリミング装置では、筒形ワークの内外に内嵌合部と外嵌合部とを嵌合し、且つ筒形ワークの底壁を内側と外側とで挟んだ状態にする。そして、このような状態で外嵌合部が内嵌合部に対してスライドし、内嵌合部が備える内刃と外嵌合部が備える外刃とにより、筒形ワークの開口縁を切断する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のトリミング装置では、筒形ワークの開口縁を切断するときに、筒形ワークの底部がスライドして筒形ワークが傾き、トリミングした後の形状品質が損なわれるおそれがある。切断面の形状品質の低下、また、筒形ワークの開口縁の切断は側面毎に順に行われるが、筒形ワークの開口縁を切断するときに筒形ワークが傾くと、切断部の高さが側面毎に異なり、段差が生じてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、筒形ワークをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制可能なトリミング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るトリミング装置は、
第1刃部と本体部とを有し、第1の方向に移動して筒形ワークの内側に配置可能な第1トリミング部材と、
第2刃部を有し、前記第1刃部と前記第2刃部との間に前記筒形ワークの側部が位置するように配置される第2トリミング部材と、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを、前記第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させることが可能な移動機構と、を備え、前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて、前記第1刃部と前記第2刃部とで、前記筒形ワークの他端部をトリミングするトリミング装置であって、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部をトリミングするとき、前記本体部と前記筒形ワークとの間には隙間が生じ、
前記トリミング装置は、
前記隙間に配置されるガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部を少なくともトリミングするときに当該筒形ワークと当接するように配置されるとともに、前記第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されてなる、
ことを特徴とする。
【0007】
上記のトリミング装置によると、第1刃部と第2刃部とで筒形ワークの他端部をトリミングするときに、本体部と筒形ワークとの間に生じる隙間に、筒形ワークと当接するようにガイド部材が配置される。このガイド部材は、第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されている。そのため、筒形ワークの他端部をトリミングするときに、第1刃部と第2刃部とによる筒形ワークの他端部のトリミングを阻害することなく筒形ワークが傾くことを抑制することができ、筒形ワークをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制できる。
【0008】
上記のトリミング装置において、前記ガイド部材は、
非圧縮性の第1部材と、
前記第1部材と前記本体部との間に配置される伸縮性の第2部材と、
を有し、前記第1刃部と前記第2刃部とを少なくとも当接させると前記第1部材が前記筒形ワークと当接するように配置されてなる、
ことが好ましい。
【0009】
上記のトリミング装置によれば、第1トリミング部材及び第2トリミング部材の少なくともいずれかを第2の方向に移動させたときに、筒形ワークと当接する第1部材が非圧縮性である。そのため、第1部材が圧縮性の部材であるときと比べて、筒形ワークが傾く方向に作用する力に対して抗うことが可能となる。しかも、第1部材と本体部との間には伸縮材が配置されるため、第1刃部と第2刃部との当接を阻害することもない。よって、筒形ワークの他端部のトリミングを好適に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筒形ワークをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制可能なトリミング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ワークをトリミング加工するためのトランスファプレスの一例を示す正面図である。
【
図2】本発明に係るトリミング装置の一例を示す図であって、作動桿の上端面からの平面図である。
【
図3】移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、
図2に示されるA-A線断面図である。
【
図4】ワークの加工形態の一例を示す説明図であって、(a)はトリミング加工前の形態を示す図、(b)は移送直交方向における側面のうち一の側面が加工された形態を示す図、(c)は移送直交方向における側面のうち他の側面が加工された形態を示す図、(d)は移送方向における後側の側面が加工された形態を示す図、(e)は移送方向における前側の側面が加工された形態を示す図、である。
【
図5】移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工前の断面模試図である。
【
図6】移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工時の断面模試図である。
【
図7】移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工後の断面模試図である。
【
図8】移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す断面模試図の変形例であって、ダンパー機構に代えてプランジャ部が芯金パンチに取り付けられたときのトリミング加工部を示す断面模試図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施の形態について、
図1~
図4を参照して以下のとおり説明する。
図1はトリミング加工するためのトランスファプレスの一例を示す正面図である。
図2は、本発明に係るトリミング装置の一例を示す図であって、作動桿の上端面からの平面図の一例である。
図3は、移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、
図2に示されるA-A線断面図の一例である。
図4は、ワークの加工形態の一例を示す説明図であって、(a)はトリミング加工前の形態を示す図、(b)は移送直交方向における側面のうち一の側面が加工された形態を示す図、(c)は移送直交方向における側面のうち他の側面が加工された形態を示す図、(d)は移送方向における後側の側面が加工された形態を示す図、(e)は移送方向における前側の側面が加工された形態を示す図、である。
【0013】
なお、この明細書において、
図1の紙面左側から紙面右側に向かう方向が移送方向であり、移送方向に対して水平に直交する方向(
図1の紙面に直交する方向)が移送直交方向である。
図3は、移送方向に加工される例(すなわちワークWの長辺が加工される例)を示しているが、移送直交方向にも加工される(すなわちワークWの短辺も加工される)。後述の
図5~
図8も同様である。
【0014】
(トリミング装置)
図1に示すトランスファプレス1にはフレーム2の上半部に、上下移動可能なスライド3と、このスライド3を上下移動させるゲートカム4,4と、このゲートカム4,4を止着して回転可能に支承された駆動回転軸5と、この駆動回転軸5を駆動するモータ6とが設けられている。スライド3はモータ6の回転駆動により上下往復移動する。このスライド3の下端部には、絞り加工するための図示しない複数個の絞りパンチを装着する上ダイセット7が係着されている。
【0015】
また、フレーム2の下半部には、ボルスタ8と、このボルスタ8上に止着された下台14と、この下台14に係着され上下移動する複数個の絞りパンチと協働で絞り加工するための図示しない複数個の絞りダイを装着した下ダイセット9と、この下ダイセット9の上面部で
図1の左右方向に往復移動する図示しないトランスファバーと、このトランスファバーの各加工工程の対応位置で各々のワークを把持して下流工程に移送する図示しないフィンガと、このフィンガとともにトランスファバーを駆動するトランスファ駆動機構10とが設けられている。
【0016】
このトランスファ駆動機構10は、駆動回転軸5と同期回転する中間軸12により駆動される。この中間軸12には、補助駆動軸13が同期回転可能に連結され、その軸端部近傍に、補助駆動軸13の回転角度位置を検出して、トグル機構40のサーボモータ41の始動信号を出力するレゾルバ29が設けられている。そして、トランスファプレス1の工程の上流側には、
図4(a)に示す角筒状のワークWを成形する最初の抜き絞り加工工程と、次工程以降の複数の絞り加工工程とが図示左側から等間隔に設けられ、その下流側には、ワークWの短辺筒壁Wb,Wcの開口部が切断加工(以下「トリミング加工」と称する)される加工位置30Aのトリミング加工工程と、ワークWの長辺筒壁Wd,Weの開口部がトリミング加工される加工位置30Bのトリミング加工工程とが設けられている。
【0017】
なお、ワークWは、一方の端部(
図4の紙面下方側の端部)に底部を有し、他方の端部(
図4の紙面上方側の端部)に開口部を有する有底の筒形ワークである。
【0018】
トリミング加工工程における加工位置30A,30Bの近傍には、トリミング装置20が組み込まれている。このトリミング装置20は、
図2に示すように、ボルスタ8の側面に止着された支持台21上にトグル機構40が設けられ、このトグル機構40により、上流側のダイホルダ15Aに設けた作動桿25と、下流側のダイホルダ15Bに設けた作動桿26とを、ワークWの移送軸線と直交する作動軸線上で進退移動させる。「ワークWの移送軸線と直交する作動軸線」は、ワークWの移送方向と水平に直交する方向である。なお、「トグル機構40」は本発明の「移動機構」に相当する。ただし、本発明の「移動機構」は、「トグル機構40」に限定されないことは言うまでもなく、例えば、後述の工具台36A,36B工具台や芯金パンチ(いずれも
図3参照)をアクチュエータで直接作動させる自動機等であってもよい。
【0019】
そして、上流の絞り加工工程からトリミング加工工程における加工位置30Aに移送された角筒状のワークWに対して、作動桿25の進退移動で、後述するトリミング加工工具31A,31Bを進退移動させて、
図4(a)に示す短辺筒壁Wb,Wcの開口部をトリミング加工する。このトリミング加工工程における加工位置30Aから下流側のトリミング加工工程における加工位置30Bに移送された角筒状のワークWに対して、作動桿26の進退移動で、トリミング加工工具31A,31Bにより、ワークWの長辺筒壁Wd,Weの開口部をトリミング加工する。なお、トリミング加工工具31A,31Bが進退移動する方向(
図2の紙面における左右方向)は本発明の「第2の方向」に相当する。例えば、移送方向及び移送直交方向はいずれも「第2の方向」に相当する。
【0020】
「トリミング加工工具31A」及び「トリミング加工工具31B」は本発明の「第2トリミング部材」に相当する。なお、後述の「芯金パンチ33」が本発明の「第1トリミング部材」に相当する。
【0021】
次いで、作動桿25,26を進退移動させるトグル機構40は、
図2に示すように、支持台21にサーボモータ41が設置され、このサーボモータ41により継手43を介して回転駆動されるクランク軸42が支持台21上の軸受台板22,22に支承されている。このクランク軸42の偏心軸部に図示しないコンロッドの一端が相対回転可能に支承され、このコンロッドの他端には揺動軸45が止着され、支持台21上の軸受脚板23には揺動基軸46が止着されている。
【0022】
この揺動基軸46と揺動軸45とに揺動リンク47が、揺動基軸46を中心にして揺動可能に枢支されている。また、作動桿25,26の後端部には図示しない軸受板が各々止着され、作動桿25,26は、各々の軸受板に挿通して締着された図示しない直動軸により連結されている。この直動軸と揺動軸45とに遊動リンク49が、揺動軸45を中心にして遊動可能に枢支されている。
【0023】
このように構成されたトグル機構40は、
図1に示すレゾルバ29からの始動信号により図示しない制御手段によってサーボモータ41を回転制御する。このサーボモータ41によりクランク軸42が回転されると、その偏心軸部の偏心回転によりコンロッドが上下移動し、このコンロッドの上下移動により揺動リンク47が揺動基軸46を中心にして揺動運動するとともに、遊動リンク49が揺動軌跡上の揺動軸45を中心にして遊動運動することで、直動軸と軸受板とを介して上流側の作動桿25と、下流側の作動桿26とを進退移動させる。
【0024】
次に、トリミング加工工程における加工位置30Aには、
図3に示すように、上ダイセット7(
図1参照)にトリミング加工工具31Bが備える芯金パンチ33が係着される。この芯金パンチ33の下方には、補助駆動軸13(
図1参照)に設けた図示しないカムにより上下移動されるノックアウト35Aが対向して設けられている。また、ボルスタ8(
図1参照)上の下台14(
図1参照)には、ダイホルダ15Aが締着され、このダイホルダ15Aは、作動桿25を水平方向に、また、ノックアウト35Aを上下方向に各々摺動案内可能に形成されている。芯金パンチ33は、下方に配置されるワークWの内側に位置するように移動可能である。図示しないフィンガにより移送されたワークWは、芯金パンチ33とノックアウト35Aとにより
図3に示す下降端位置に位置決めされる。上述の「下方」は本発明の「第1の方向」に相当する。なお、上述の「第2の方向」は「第1の方向」に対して水平方向に沿って直交する。
【0025】
図3に示すように、作動桿25には、トリミング加工工程に応じて、ワークWの外側側面と当接する位置に工具台36A,36Bが図示しないボルトにより締着されている。工具台36A,36Bは、ワークWの外側側面を面で押さえることができるように平面形状で形成されており、ワークWの外側側面のワークガイドとして機能する。
【0026】
工具台36A,36BのワークWの開口部側端部には、トリミング加工工具31A,31Bが図示しないボルトにより締着されている。トリミング加工工具31A,31Bは、ワークWの外側側面と当接できるように平面形状で形成されている。また、ワークWの外側側壁と対向する外側側面の各上端角部には、トリミング加工工具31Aが備える工具切刃31f,31gが形成されている。
【0027】
また、芯金パンチ33には、ワークWの外側側壁と対向する外側側面33b,33cの各下端角部に芯金切刃33f,33gが形成されており、トリミング加工工具31A,31Bの工具切刃31f,31gと芯金パンチ33の芯金切刃33f,33gとの協働によりワークWの各開口部が切断可能となる。なお、トリミング加工工具31A,31Bには、トリミング加工されたワークWの切屑を下方に排出するための排出孔31j,31kが各々穿孔されている。
【0028】
また、芯金パンチ33は、芯金切刃33f,33gよりも下方部分(以下、この部分を「幅狭部33A」と称する)が、外側側面33b,33cと比べて幅狭形状となっている。すなわち、幅狭部33Aの外側側面33dと外側側面33eとの距離が、外側側面33bと外側側面33cとの距離よりも小さい。そのため、芯金パンチ33の幅狭部33AとワークWの内側側面との間に隙間H1,H2が生じてしまう。例えば、ワークWの開口部(移送方向における前側及び後側の側面)がトリミングされるときに、芯金パンチ33の芯金切刃33fと工具切刃31fとが当接するが、芯金パンチ33の幅狭部33AとワークWの内側側面との間に隙間H1,H2があると、ワークWが傾き、トリミングした後の形状品質が損なわれるおそれがある。とくに、ワークWの開口部の切断は側面毎に順に行われるが、ワークWの開口部をトリミングするときにワークWが傾くと、トリミングされた部位の高さが不揃いとなるおそれがある。
【0029】
なお、上述の隙間H1,H2は移送方向に生じる隙間であるが、移送直交方向にも同様に隙間が生じるため、ワークWの開口部(移送直交方向における両側面)がトリミングされるときも同様の課題が生じる。ただし、移送直交方向の隙間によって生じる課題は、移送方向の隙間H1,H2によって生じる課題を解決するための手段と同様の手段によって解決することができるため、この明細書では、移送方向の隙間H1,H2によって生じる課題を解決するための手段について説明し、移送直交方向の隙間によって生じる課題を解決するための手段については説明を省略する。
【0030】
本発明の実施形態では、移送方向の隙間H1,H2によって生じる課題を解決するための手段として、芯金パンチ33の幅狭部33AとワークWの内側側面との間に生じる隙間H1,H2に、ワークWの内側側面を押さえる押さえ部品としてダンパー機構100A,100Bを設けている。
【0031】
本発明の実施形態では、隙間H1にダンパー機構100Aを設け、隙間H2にダンパー機構100Bを設けている。移送方向の前側及び後側の両方をトリミング加工するのであれば、隙間H1及び隙間H2の両方にダンパー機構100A,100Bを設けることが好ましい。ただし、ダンパー機構はトリミング加工する側の隙間に設ければよいため、隙間H1及び隙間H2の両方にダンパー機構100A,100Bを設けることは必須でない。例えば、移送方向の後側(
図3の左側)のみをトリミング加工する場合には隙間H1にダンパー機構100Aを設け、移送方向の前側(
図3の右側)のみをトリミング加工する場合には隙間H2にダンパー機構100Bを設ければよい。
【0032】
なお、「幅狭部33A」は本発明の「本体部」に相当し、「芯金切刃33f」は本発明の「第1刃部」に相当し、「工具切刃31f」は本発明の「第2刃部」に相当する。
【0033】
ダンパー機構100A,100Bは、それぞれ、ワークガイドとしてのワーク押さえ部110A,110Bと、伸縮部材120A,120Bとを有する。ワーク押さえ部110A,110Bは、ワークWの各内側側面と対向するように一対に設けられており、例えば鉄などの金属製の非圧縮性の素材で構成されている。ワーク押さえ部110A,110Bは、トリミング加工前は、外側側面33b,33cと面一であるかまたは外側側面33b,33cよりもワークWの各内側側面に近い位置にあり、トリミング加工の際に、ワークWの内側側面と当接する。なお、ワーク押さえ部110A,110Bは、ワークWの対向する内側側面を面で押さえることができる長尺平面形状で形成されることが好ましい。
【0034】
「ワーク押さえ部110A」及び「ワーク押さえ部110Bは本発明の「第1部材」に相当し、「伸縮部材120A」及び「伸縮部材120B」は本発明の「第2部材」に相当する。
【0035】
ここで、芯金パンチ33について、あらためて詳述する。芯金パンチ33は、外側側面33b,33cの各下端角部に芯金切刃33f,33gが形成されており、その下部には、幅狭部33Aとして逆凸状の凸部が形成される。そして、
図3に示すように、芯金パンチ33の幅狭部33Aの側面とワークWの対向する内側側面との間に生じる各隙間には、長尺平面形状に形成されたワーク押さえ部110A,110Bが設けられている。
【0036】
ワーク押さえ部110A,110Bは、
図3の紙面上下方向に延設されており、トリミング加工されるワークWの開口部からワークWの対向する内側側面の底壁に接触しない程度の長さを有する。
【0037】
伸縮部材120A,120Bは、コイルバネ等の弾性変形可能な弾性部として機能するとともに、芯金パンチ33の幅狭部33Aとワーク押え部110A,110Bとを接続する接続部として設けられる。
【0038】
なお、本発明の実施形態では、
図3に示すように、一つのワーク押さえ部110A,110Bに対して2つの伸縮部材120A,120Bを設けているが、伸縮部材120A,120Bの数は2つに限られるものではなく、ワーク押さえ部110A,110Bを安定して支えつつ適度な弾性変形が可能となるような構成であればよい。
【0039】
上記の「適度な弾性変形」とは、工具切刃31f,31gと芯金切刃33f,33gとの当接を阻害しない程度の弾性変形であればよい。すなわち、トリミング時のワークWの傾きを抑制する観点から言えば、トリミング前であれば、ワークWの内側側面と当接するワーク押え部110A,110Bの当接面(以下、単に「ワーク押さえ部110A,110Bの当接面」と称する)が、芯金切刃33f,33gよりもワークWの内側側面に近い方が好ましい。すなわち、芯金切刃33f,33gからワークWの内側側面までの距離よりも、ワーク押え部110A,110Bの当接面からワークWの内側側面までの距離の方が近い方が、ワーク押え部110A,110Bの当接面が芯金切刃33f,33gよりも先行して筒形ワークWに当接するため好ましい。しかし、トリミング時は、工具切刃31f,31gと芯金切刃33f,33gとを当接させる必要がある。そのため、伸縮部材120A,120Bは、工具切刃31f,31gと芯金切刃33f,33gとの当接を阻害しない程度に弾性変形する必要がある。
【0040】
なお、ワーク押え部110A,110Bの当接面が、芯金切刃33f,33gよりもワークWの内側側面に近い方が好ましい旨を上述したが、これに限定されない。ワーク押え部110A,110Bの当接面と芯金切刃33f,33gとが面一である場合にも、トリミング時のワークWの傾きを抑制することができる。そのため、ワーク押え部110A,110Bの当接面と芯金切刃33f,33gとが面一である場合には、ワーク押え部110A,110Bの当接面からワークWの内側側面までの距離が芯金切刃33f,33gからワークWの内側側面までの距離よりも近い場合と、同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
伸縮部材120A,120Bはコイルバネに限られず、バネやゴム等の伸縮性、または弾性を有するものであればよい。伸縮部材120A,120Bの幅や大きさ等は、本発明の作用効果を奏する範囲内で適宜変更することができる。
【0042】
本発明の実施形態では、上述したワークWの外側側面を押さえるワークガイドとしての工具台36A,36Bと、ワークWの内側側面を押さえるワークガイドとしてのダンパー機構100A,100Bとが設けられており、ワークWの開口部をトリミング加工するときに、外側側面ワークガイドとして機能する工具台36A(または工具台36B)と、内側側面ワークガイドとして機能するダンパー機構100A(またはダンパー機構100B)とがワークWの各側面に当接し、ワークWを挟持する。すなわち、工具台36A(または工具台36B)とダンパー機構100A(またはダンパー機構100B)とによって、ワークWを安定して固定することが可能となる。
【0043】
「ダンパー機構100A」及び「ダンパー機構100B」は、本発明の「ガイド部材」に相当する。
【0044】
(ワークガイド)
次に
図5~7を参照し、外側側面ワークガイドとして機能する工具台36A、及び、内側側面ワークガイドとして機能するダンパー機構100Aの動作態様の一例について説明する。
図5は、移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工前の断面模試図である。
図6は、移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工時の断面模試図である。
図7は、移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す説明図であって、トリミング加工後の断面模試図である。なお、
図5~
図7において、工具台36Bの図示を省略している。また、
図5及び
図6では、円で囲った部位の拡大図も図示している。
【0045】
ダンパー機構100Bが工具台36B(
図3参照)から受ける力の作用方向は、ダンパー機構100Aが工具台36Aから受ける力の作用方向とは反対方向である。そのため、ダンパー機構100Bの動作方向はダンパー機構100Aの動作方向と反対方向になるものの、ダンパー機構100Bの動作態様はダンパー機構100Aの動作態様と同じであるため、ダンパー機構100Bの動作態様についての説明を省略する。
【0046】
図5に示すように、ワークWが上述した下降端位置に位置決めされると、工具台36Aは作動桿25(
図2及び
図3参照)とともに
図5に示す初期位置からワークWの外側側面方向(前進方向)に向けて移動する。
【0047】
なお、上述したように、トリミング加工前すなわち工具台36Aが
図5に示される初期位置にあるとき、ワーク押さえ部110Aの当接面は、芯金切刃33fと面一であるか、芯金切刃33fよりもワークWの内側側面に近い方が好ましい。
図5では、ワーク押さえ部110Aの当接面は、芯金切刃33fよりもワークWの内側側面に近い。すなわち、ワーク押さえ部110Aの当接面は、芯金切刃33fよりも
図5の紙面左側に位置している。
【0048】
そして、
図6に示すように、工具台36Aは、ワークWの外側側面と当接した後、ワークWの外側側面に対してさらに
図6の紙面右方向に向けて力を作用すると、ダンパー機構100AとワークWとが当接する。さらに、工具台36AがワークWの外側側面方向に対して力を作用すると、伸縮部材120Aが縮む方向(
図5の紙面右方向)に弾性変形をするので、ワークWの姿勢を安定させるとともにワークWの歪を抑制しつつ、芯金パンチ33の芯金切刃33fと、ワークWの内側側面とを当接させることができる。ワークWの歪の抑制については後述する。
【0049】
さらに、芯金パンチ33の芯金切刃33fと、ワークWの内側側面とが当接すると、
図6の拡大図に示すように、トリミング加工工具31Aの工具切刃31fと芯金パンチ33の芯金切刃33fとの協働により、ワークWの開口部がトリミング加工される。
【0050】
このように、上述の隙間H1にはダンパー機構100Aが配置されており、少なくともトリミング加工されるときに、ワーク押さえ部110Aの当接面がワークWの内側側面と当接している。しかも、ダンパー機構100Aは伸縮部材120Aを備えている。そのため、ワークWの開口部をトリミングするときに、工具切刃31fと芯金切刃33fとによるワークWの開口部のトリミングを阻害することなく、ワークWの姿勢も安定させることが可能となる。すなわち、工具切刃31fと芯金切刃33fとによるワークWの開口部のトリミングを阻害することなくワークWの傾きも抑制することができ、ワークWをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制することが可能となる。とくに、ワークWの4つの側面を順にトリミングした後、トリミングされた部位の高さが不揃いとなることを抑制でき、トリミング後の高さを均一なものとすることが可能となる。さらに、例えばワークWの4つの側面のうち1つの側面のみをトリミングする場合であっても、ワークWの歪を抑制できる。そのため、真っすぐに切断することができ、例えば切断面が斜めになってしまうことを抑制できる。詳述すると、例えば
図4(d)のようにワークWのコーナー部を切断する場合、コーナー部が他の部分よりも先に切刃(工具切刃31、と芯金切刃33f)に当接するため、上述の隙間H1にダンパー機構100Aがないと(隙間H2についても同様である)、トリミングのストローク中にワークWの開口部が歪んでしまう。その歪はトリミングする辺の長さが大きいほど顕著になり、品質低下の問題が顕著なものとなる。この点、トリミングされる側の隙間(隙間H1または隙間H2)にダンパー機構(ダンパー機構100Aまたはダンパー機構100B)を設けることにより、ワークWの歪を抑制し、品質低下を抑制することが可能となる。
【0051】
また、上述のとおり、ワーク押さえ部110A,110Bは非圧縮性の素材で構成されており、ワークWに対して工具台36A,36Bから力が作用してワーク押さえ部110A,100Bの当接面とワークWの内側側面とが当接すると、伸縮部材120A,120Bが弾性変形するように構成されている。そのため、ワーク押さえ部110A,110Bが圧縮性の部材であるときと比べて、ワークWが傾く方向に作用する力に対して抗うことが可能となる。しかも、ワーク押さえ部110A,110Bと幅狭部33Aとの間には伸縮部材120A,120Bが配置されているため、工具切刃31fと芯金切刃33fとによるトリミングを阻害することもない。よって、ワークWの開口部のトリミングを好適に行うことが可能となる。
【0052】
トリミング加工後、工具台36AがワークWの外側側面方向から離れるように移動(後退)すると、まずワーク押さえ部110AとワークWとの当接が解除される。そして、
図7に示すように、工具台36Aは初期位置に戻る。
【0053】
本発明の実施形態では、工具台36AがワークWを押さえながら移動し、ワーク押さえ部110AはワークWが傾かないように押さえるため、ワークWは、挟持された状態となって姿勢が安定する。これにより、ワークWの開口部を切断、すなわち、トリミング加工を行うときにワークWが傾くことを抑制することができる。
【0054】
なお、上述のダンパー機構100A,100Bは、上下方向に一体構成されたものであるが、これに限定されず、例えば上下方向又は/及び移送直交方向(すなわち奥行方向)に複数に分割されていてもよい。
【0055】
また、ワークWの開口部をトリミングするとき、トリミング加工工具31A,31Bの両方を進退移動させ必要はなく、トリミングする側のトリミング加工工具のみを進退移動させればよい。
【0056】
また、ワーク押さえ部110Aの当接面は、少なくともトリミング加工されるときにワークWの内側側面と当接していればよい。したがって、トリミング加工される前からワーク押さえ部110Aの当接面とワークWの内側側面とが当接していてもよく、トリミング加工されるときにワーク押さえ部110Aの当接面とワークWの内側側面とが当接するようにしてもよい。
【0057】
また、本発明の実施形態では、内側側面ワークガイドとしてのワーク押さえ部110A,110Bと伸縮部材120A,120Bとから構成されるダンパー機構100A,100Bについて説明したが、これに限定されない。以下、
図8を参照して、ダンパー機構100A,100Bの変形例について説明する。
【0058】
(変形例)
図8は、移送方向に加工されるトリミング加工部の一例を示す断面模試図の変形例であって、上述したダンパー機構100A,100Bに代えてプランジャ部200A,200Bが芯金パンチ33に取り付けられたときのトリミング加工部を示す断面模試図である。以下に説明する変形例において、隙間H1,H2、及びワークWについては、
図1~7と同じ符号を付すとともに説明を極力省略する。なお、芯金パンチ33Aは、プランジャ部200A,200Bを埋め込むことができるように、芯金パンチ33と比べて移送方向の厚みを大きくしているが、プランジャ部200A,200Bを芯金パンチ33Aに取り付けることができればこれに限定されない。
【0059】
プランジャ部200A,200Bは、ワークWを内側から押さえる押さえ部材である。プランジャ部200Aは、隙間H1に、上下方向に所定の間隔を有して例えば2つ並べて設けられている。プランジャ部200Bは、隙間H2に、上下方向に所定の間隔を有して例えば2つ並べて設けられている。
【0060】
プランジャ部200Aは、非圧縮性の素材で構成されるピン部材210Aと、伸縮性を有するスプリング部材220Aとで構成される。ピン部材210Aは、上述したワーク押さえ部110Aと同様にワークWの内側側面と当接する機能を有し、スプリング部材220Aは上述した伸縮部材120Aと同様の機能を有する。同様に、プランジャ部200Bは、非圧縮性の素材で構成されるピン部材210Bと、伸縮性を有するスプリング部材220Bとで構成される。ピン部材210Bは、上述したワーク押さえ部110Bと同様にワークWの内側側面と当接する機能を有し、スプリング部材220Bは上述した伸縮部材120Bと同様の機能を有する。したがって、プランジャ部200A,200Bは、上述したダンパー機構100A,100Bを用いた場合と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、ワークWの開口部をトリミングするときに、ワークWの開口部のトリミングを阻害することなくワークWの姿勢を安定させるとともにワークWの歪を抑制することが可能となり、トリミングされた部位の高さが不揃いとなることを抑制可能となる。また、ピン部材210A,210Bが非圧縮性の素材で構成されており、スプリング部材220A,220Bが伸縮性を有するため、ワークWの開口部のトリミングを好適に行うことが可能となる。
【0061】
また、
図8に示される変形例において、プランジャ部200A,200Bは、それぞれ、ワークWの各内側側面に2つずつ配置されているが、これに限られるものではなく、ワークWの各内側側面を安定して押さえつつ適度な弾性変形が可能となるような構成であればよい。
【0062】
また、例えば、芯金パンチ33とワークWの内側側面との距離が小さくてダンパー機構100A,100Bやプランジャ部200A,200Bを配置できない場合には、ラバーシートなど伸縮性のある素材を芯金パンチ33(より詳しくは幅狭部33A)に貼付けるようにしてもよい。このようにすることで、上述したダンパー機構100A,100B及びプランジャ部200A,200Bと同様の作用効果を奏することが可能である。しかし、ゴムや樹脂等は素材の劣化が想定されるため、押え圧の精密な管理がし難い場合もあるが、適切な保守により機能を管理することで、ワーク切断部の形状品質を得ていくことが可能である。
【0063】
なお、上述したダンパー機構100A,100B及びプランジャ部200A,200Bは、それ自体が伸縮性または弾性のあるバネ、コイルバネ等素材で形成されたものでもよいし、例えばシリコンやスポンジ状に加工されたもの等であってもよい。
【0064】
本発明の実施形態は全ての点で例示であり、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明に係る基本的な範囲は、上記の実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
1 トランスファプレス
20 トリミング装置
25,26 作動桿
30A,30B トリミング加工工程
31A,31B トリミング加工工具
31f,31g 工具切刃
33 芯金パンチ
33f,33g 芯金切刃
36A,36B 工具台
100A,100B ダンパー機構
110A,110B ワーク押さえ部
120A,120B 伸縮部材
200 プランジャ部
210 ピン部材
220 スプリング部材
W ワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1刃部と本体部とを有し、第1の方向に移動して筒形ワークの内側に配置可能な第1トリミング部材と、
第2刃部を有し、前記第1刃部と前記第2刃部との間に前記筒形ワークの側部が位置するように配置される第2トリミング部材と、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを、前記第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させることが可能な移動機構と、
を備え、前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて、前記第1刃部と前記第2刃部とで、前記筒形ワークの他端部をトリミングするトリミング装置であって、
筒形ワークの内側に前記第1トリミング部材が配置された状態で、前記第1刃部と前記筒形ワークとの間に第1隙間が生じるように構成され、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部をトリミングするとき、前記本体部と前記筒形ワークとの間に第2隙間が生じるように構成され、
前記トリミング装置は、
前記第2隙間に配置されるガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部を少なくともトリミングするときに当該筒形ワークと当接するように前記第2隙間に配置されることで前記筒形ワークの傾きを抑制するとともに、前記第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されてなる、
トリミング装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記第1の方向に所定の間隔を有する第1位置と第2位置とに少なくとも設けられてなる、
請求項1に記載のトリミング装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記第1の方向に延設して設けられてなる、
請求項1に記載のトリミング装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のトリミング装置を備えるトランスファプレス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
(1)本発明に係るトリミング装置は、
第1刃部と本体部とを有し、第1の方向に移動して筒形ワークの内側に配置可能な第1トリミング部材と、
第2刃部を有し、前記第1刃部と前記第2刃部との間に前記筒形ワークの側部が位置するように配置される第2トリミング部材と、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを、前記第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させることが可能な移動機構と、
を備え、前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて、前記第1刃部と前記第2刃部とで、前記筒形ワークの他端部をトリミングするトリミング装置であって、
筒形ワークの内側に前記第1トリミング部材が配置された状態で、前記第1刃部と前記筒形ワークとの間に第1隙間が生じるように構成され、
前記第1トリミング部材及び前記第2トリミング部材の少なくともいずれかを前記第2の方向に移動させて前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部をトリミングするとき、前記本体部と前記筒形ワークとの間に第2隙間が生じるように構成され、
前記トリミング装置は、
前記第2隙間に配置されるガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、
前記第1刃部と前記第2刃部とで前記筒形ワークの他端部を少なくともトリミングするときに当該筒形ワークと当接するように前記第2隙間に配置されることで前記筒形ワークの傾きを抑制するとともに、前記第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されてなる、
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記のトリミング装置によると、筒形ワークの内側に第1トリミング部材が配置された状態で、第1刃部と筒形ワークとの間に第1隙間が生じるように構成される。また、第1刃部と第2刃部とで筒形ワークの他端部をトリミングするときに、本体部と筒形ワークとの間に生じる第2隙間に、筒形ワークと当接するようにガイド部材が配置される。このガイド部材は、第2の方向に力が作用すると弾性変形するように構成されている。そのため、筒形ワークの他端部をトリミングするときに、第1刃部と第2刃部とによる筒形ワークの他端部のトリミングを阻害することなく筒形ワークが傾くことを抑制することができ、筒形ワークをトリミングした後の形状品質が損なわれることを抑制できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
(2)上記のトリミング装置において、前記ガイド部材は、前記第1の方向に所定の間隔を有する第1位置と第2位置とに少なくとも設けられてなる、ことが好ましい。
(3)上記のトリミング装置において、前記ガイド部材は、前記第1の方向に延設して設けられてなる、ことが好ましい。
(4)上記(1)~(3)のいずれかに記載のトリミング装置を備えるトランスファプレスであってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(4)上記(1)~(3)のいずれかに記載のトリミング装置を備えるトランスファプレスであってもよい。