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特開2024-131648コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置
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  • 特開-コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置 図1
  • 特開-コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置 図2
  • 特開-コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置 図3
  • 特開-コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131648
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】コンベア用ブレーキローラおよびコンベア装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B65G39/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042048
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】592141020
【氏名又は名称】株式会社協和製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
(72)【発明者】
【氏名】米田 遼
【テーマコード(参考)】
3F033
【Fターム(参考)】
3F033GA03
3F033GC01
3F033GE04
(57)【要約】
【課題】本発明は、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できるコンベア用ブレーキローラおよびこれを備えたコンベア装置を提供する。
【解決手段】本発明のコンベア用ブレーキローラBRは、ローラ管1と、互いに対向するように配設され、ローラ管1を回転可能に軸支する1対の支持軸2a、2bと、ローラ管1の内部に配設され、ローラ管1の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキ3とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ管と、
互いに対向するように配設され、前記ローラ管を回転可能に軸支する1対の支持軸と、
前記ローラ管の内部に配設され、前記ローラ管の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキとを備える、
コンベア用ブレーキローラ。
【請求項2】
一方向に沿って並置される複数のローラを備え、前記複数のローラの上を移動路として対象物を移動するローラコンベア装置のコンベア装置であって、
前記複数のローラは、請求項1に記載のコンベア用ブレーキローラを、1または複数、含む、
コンベア装置。
【請求項3】
一方向に沿って並置される複数のローラと、前記複数のローラに掛け渡された搬送ベルトとを備え、前記搬送ベルトの上を移動路として対象物を移動するベルトコンベア装置のコンベア装置であって、
前記複数のローラは、請求項1に記載のコンベア用ブレーキローラを、1または複数、含む、
コンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア装置に用いられる、ブレーキ機能を備えたコンベア用ブレーキローラおよびこれを用いたコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベア装置は、例えば生産現場や流通現場等で、対象物を移動するために、多用されている。このコンベア装置には、大別すると、ローラコンベア装置と、ベルトコンベア装置とがある。前記ローラコンベア装置は、一方向に沿って並置される複数のローラを備え、前記複数のローラの上を移動路(搬送路)として対象物(搬送物)を移動(搬送)する装置である。前記ベルトコンベア装置は、一方向に沿って並置される複数のローラと、前記複数のローラに掛け渡された搬送ベルトとを備え、前記搬送ベルトの上を移動路として対象物を移動する装置である。これらローラコンベア装置およびベルトコンベア装置における前記複数のローラには、モータを内蔵し、前記モータで生成される駆動力によって回転するモータ内蔵ローラ(駆動ローラ)と、前記モータ内蔵ローラの回転に従って例えば懸架されたベルトや移動する対象物等を介して回転するローラ(従動ローラ、フリーローラ)とがある。そして、従動ローラには、制動力によって前記回転を制動するブレーキローラがあり、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示されたコンベア用ブレーキローラは、ローラ軸の周囲に中空円筒状のローラ本体を回転自在に軸受支持するコンベヤ用ブレーキローラであって、前記ローラ本体の内部に軸方向に相互に隙間をあけて多数設けられ、ローラ本体と一体に回転するように支持された回転抵抗板と、前記回転抵抗板間に一枚ずつ配置され、前記ローラ軸側に回転しないように支持された多数の固定抵抗板とを備え、前記回転抵抗板と固定抵抗板との隙間を流動体が流動可能に構成され、前記流動体は、所定の臨界剪断速度を超えると流動抵抗が急激に上昇するダイラタンシー特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-77233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に開示されたコンベア用ブレーキローラは、コンベア上を搬送する搬送物の速度を制限するために、制動力を前記搬送物に作用させるものである。このため、前記特許文献1に開示されたコンベア用ブレーキローラは、搬送物を所望の位置に停止させたい場合に、停止位置が安定せずにばらつく虞がある。また、遠心クラッチブレーキで制動力を生じさせるコンベア用ブレーキローラもあるが、上述と同様の目的のローラであり、同様の虞がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できるコンベア用ブレーキローラおよびこれを備えたコンベア装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるコンベア用ブレーキローラは、ローラ管と、互いに対向するように配設され、前記ローラ管を回転可能に軸支する1対の支持軸と、前記ローラ管の内部に配設され、前記ローラ管の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキとを備える。
【0008】
このようなコンベア用ブレーキローラは、ローラ管の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキを備えるので、電磁ブレーキに制動力を生じさせる電力を制御することで制動力を精度よく制御できるから、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できる。
【0009】
本発明の他の一態様にかかるコンベア装置は、一方向に沿って並置される複数のローラを備え、前記複数のローラの上を移動路として対象物を移動するローラコンベア装置のコンベア装置であって、前記複数のローラは、上述のコンベア用ブレーキローラを、1または複数、含む。
【0010】
これによれば、上述のコンベア用ブレーキローラを、1または複数含むローラコンベア装置のコンベア装置が提供できる。このようなコンベア装置は、上述のコンベア用ブレーキローラを備えるので、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できる。
【0011】
本発明の他の一態様にかかるコンベア装置は、一方向に沿って並置される複数のローラと、前記複数のローラに掛け渡された搬送ベルトとを備え、前記搬送ベルトの上を移動路として対象物を移動するベルトコンベア装置のコンベア装置であって、前記複数のローラは、上述のコンベア用ブレーキローラを、1または複数、含む。
【0012】
これによれば、上述のコンベア用ブレーキローラを、1または複数含むベルトコンベア装置のコンベア装置が提供できる。このようなコンベア装置は、上述のコンベア用ブレーキローラを備えるので、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかるコンベア用ブレーキローラは、搬送物を所望の停止位置でより安定的に停止できる。本発明によれば、このようなコンベア用ブレーキローラを備えたコンベア装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態におけるコンベア装置の平面図である。
図2】前記コンベア装置に用いられるコンベア用ブレーキローラの構成を示す断面図である。
図3】電磁ブレーキにおけるブレーキのオンオフを説明するための断面図である。
図4】変形形態におけるコンベア装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0016】
実施形態におけるコンベア装置は、一方向に沿って並置される複数のローラを備え、前記複数のローラの上を移動路(搬送路)として対象物(搬送物)を移動するローラコンベア装置、または、一方向に沿って並置される複数のローラと、前記複数のローラに掛け渡された搬送ベルトとを備え、前記搬送ベルトの上を移動路として対象物を移動するベルトコンベア装置である。実施形態におけるコンベア用ブレーキローラは、このようなコンベア装置における前記複数のローラに、1または複数、含まれる。このコンベア用ブレーキローラは、ローラ管と、互いに対向するように配設され、前記ローラ管を回転可能に軸支する1対の支持軸と、前記ローラ管の内部に配設され、前記ローラ管の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキとを備える。以下、このコンベア装置およびコンベア用モータ内蔵ローラについて、ローラコンベア装置を例に、より具体的に説明する。
【0017】
図1は、実施形態におけるコンベア装置の平面図である。図2は、前記コンベア装置に用いられるコンベア用ブレーキローラの構成を示す断面図である。図3は、電磁ブレーキにおけるブレーキのオンオフを説明するための断面図である。図3Aは、通電オフ(無励磁)の場合でブレーキがオンしている場合を示し、図3Bは、通電オン(励磁)の場合でブレーキがオフしている場合を示す。
【0018】
実施形態におけるコンベア装置CSは、例えば、図1に示すように、一方向に沿って並置される複数のローラMR、FR、BRを備え、前記複数のローラMR、FR、BRの上を移動路(搬送路)として対象物(搬送物)Obを移動するローラコンベア装置CSである。図1では、対象物Obは、2点鎖線で示されている。
【0019】
より具体的には、ローラコンベア装置CSは、1対の第1および第2コンベア枠(コンベアフレーム)CFa、CFbと、1または複数のコンベア用モータ内蔵ローラ(モータローラ、以下、「Mローラ」と適宜略記する)MRと、1または複数の従動ローラ(フリーローラ、以下、「Fローラ」と適宜略記する)FRと、1または複数のコンベア用ブレーキローラ(ブレーキ付きフリーローラ、以下、「Bローラ」と適宜略記する)BRと、1または複数のベルトBTとを備える。
【0020】
MローラMRは、その内蔵しているモータによって回転するローラである。FローラFRは、回転自在なローラであり、MローラMRの回転に従動して回転する。BローラBRは、その制動力が生じていない場合にはFローラFRと同様に機能して回転自在であり、後述の電磁ブレーキによる制動力で前記回転を阻害する。
【0021】
第1および第2コンベア枠CFa、CFbは、MローラMR、FローラFRおよびBローラBRを回転可能に支持する一方向に長尺な部材であり、前記一方向に直交する方向で所定の間隔(第1間隔)を空けて互いに対向し、かつ、前記一方向で平行となるように配置される。前記第1間隔は、このローラコンベア装置CSで搬送される搬送物Obのサイズに応じた適宜な間隔であり、前記第1間隔に応じてMローラMR、FローラFRおよびBローラそれぞれの長さが設定される。第1および第2コンベア枠CFa、CFbは、例えば、強度を高めるために、断面略コ字形状であり、例えばSPC(Steel Plate Cold(冷間圧延鋼板))等の鉄系の金属(合金を含む)で形成される。第1および第2コンベア枠CFa、CFbそれぞれには、前記一方向に沿って、所定の間隔(第2間隔)を空けて、MローラMRの第1および第2支持軸AX1a、AX1bや、FローラFRの第1および第2支持軸AX2a、AX2bや、Bローラの第1および第2支持軸2a、2bを挿通するための複数の貫通開口が形成されている。BローラBRにおける第1および第2支持軸2a、2bそれぞれは、第1および第2コンベア枠CFa、CFにおける各貫通開口に挿通され、図略の各固定金具によって第1および第2コンベア枠CFa、CFそれぞれに固定される。同様に、MローラMRにおける第1および第2支持軸AX1a、AX1bそれぞれは、第1および第2コンベア枠CFa、CFにおける各貫通開口に挿通され、図略の各固定金具によって第1および第2コンベア枠CFa、CFそれぞれに固定され、FローラMRにおける第1および第2支持軸AX2a、AX2bそれぞれは、第1および第2コンベア枠CFa、CFにおける各貫通開口に挿通され、図略の各固定金具によって第1および第2コンベア枠CFa、CFそれぞれに固定される。
【0022】
複数のMローラMRは、一方向に沿って並置されたFローラFRおよびBローラBRを介して、前記一方向に沿って並置される。すなわち、複数のMローラMRは、所定数、図1に示す例では3個おきに前記一方向に沿って並置され、互いに隣接する2個のMローラMRの間に、FローラFRおよびBローラBRが前記一方向に沿って並置される。したがって、これら複数のMローラMR、複数のFローラFRおよび複数のBローラBRは、前記一方向に直交する方向で互いに平行となっている。これら複数のMローラMR、複数のFローラFRおよび複数のBローラBRにおいて、1個のMローラMRは、これを挟んで前記一方向で隣接するFローラFRおよびBローラBRそれぞれと一方端部に巻き掛けられたベルトBT、BTによって連結され、BローラBRに制動力が生じていない場合にはBローラBRがFローラと同様に機能し、前記1個のMローラMRが回転すると、前記ベルトBTによって前記1個のMローラMRの回転がFローラFRおよびBローラBRそれぞれに伝達され、前記FローラFRおよびBローラBそれぞれは、回転する。これによって複数のMローラMR、複数のFローラFRおよび複数のBローラBRの上に載置された対象物(搬送物)Obが移動可能(搬送可能)となっている。
【0023】
なお、FローラFRやBローラBRの配設態様は、これに限らず、適宜に変更されてよい。
【0024】
このようなローラコンベア装置CSに用いられるMローラMRは、例えば、ローラ管(Mローラ管)と、互いに対向するように配設され、前記Mローラ管をその両端部で回転可能に軸支する1対の第1および第2支持軸AX1a、AX1bと、前記Mローラ管の内部に配設され、前記Mローラ管を回転させる駆動力を生成するモータとを備える。前記モータは、例えば第1支持軸AX1aに固定的に連結された内筒(M内筒)の中に固定的に配設され、出力軸(M出力軸)が減速機(M減速機)を介して前記M内筒外の動力伝達プレートに連結される。前記動力伝達プレートは、例えば円柱状であり、その外周側面が前記Mローラ管の内周側面に固定的に連結されている。これにより、前記モータが回転すると前記M減速機および前記動力伝達プレートを介して前記Mローラ管が回転する。
【0025】
FローラFRは、例えば、ローラ管(Fローラ管)と、互いに対向するように配設され、前記Fローラ管をその両端部で回転可能に軸支する1対の第1および第2支持軸AX2a、AX2bとを備える。
【0026】
BローラBRは、図2に示すように構成されている。より具体的には、BローラBRは、例えば機械構造用炭素鋼等の鉄系の金属(合金を含む)等で形成された所定長(第1長さ)の円筒状のローラ管1を備える。ローラ管1の一方端部には、この一方端部を閉塞するための部材である第1サイドプレート4aが固定的に取り付けられ、その他方端部には、この他方端部を閉塞するための部材である第2サイドプレート4bが固定的に取り付けられる。例えば、ローラ管1の一方端部および他方端部それぞれをかしめることによって、第1および第2サイドプレート4a、4bそれぞれは、ローラ管1に固定的に取り付けられる。
【0027】
第1サイドプレート4a内には、第1支持軸2aを回転可能に軸支する第1軸受5aが設けられ、第1サイドプレート4aには、ローラ管1の中心軸に沿って貫通し、第1支持軸2aを挿通する貫通開口が設けられる。同様に、第2サイドプレート4b内には、第2支持軸2bを回転可能に軸支する第2軸受5bが設けられ、第2サイドプレート4bには、前記中心軸に沿って貫通し、第2支持軸2bを挿通する貫通開口が設けられる。第1支持軸2aは、例えば鉄系の金属(合金を含む)で形成され、電磁ブレーキ3に接続される図略のケーブルCBを挿通するために中空な柱状部材(例えば円筒状の部材等)である。第2支持軸2bは、例えば鉄系の金属(合金を含む)で形成された円柱状の部材であり、この第2支持軸2bを2箇所で軸支するために、第2軸受5bは、2個の第2Aおよび第2B軸受5b-1、5b-2で構成されている。
【0028】
このような構成によって、ローラ管1は、第1および第2コンベア枠CFa、CFbそれぞれから立設する第1および第2支持軸2a、2bによって回転可能に軸支されている。
【0029】
BローラBRは、ローラ管1に電磁ブレーキ3を内蔵する。より具体的には、例えばアルミニウム等の金属(合金を含む)等で形成された所定長(第2長さ)の円筒状の第1内部フレーム6aがローラ管1内に収容されている。第1内部フレーム6aの一方端部は、閉塞されて第1支持軸2aに固定的に連結され、第1内部フレーム6aは、ローラ管1より小径であり、ローラ管1が第1内部フレーム6aに対し回転可能となるように、ローラ管1の内周面から隙間を空けてローラ管1内に収容される。第1内部フレーム6a内には、電磁ブレーキ3が固定的に配設されて第1内部フレーム6a内に収容されている。第1内部フレーム6aの他方端部は、円柱状の中間体8によって閉塞され、中間体8には、第1内部フレーム6aと同径の円筒状の第2内部フレーム6bが固定的に連結されている。したがって、第1内部フレーム6a、中間体8および第2内部フレーム6bは、この順で軸方向に配設されている。第2内部フレーム6b内には、遊星歯車等で構成された減速機7が固定的に配設されて第2内部フレーム6bに収容されている。中間体8内には、減速機7の入力軸7aを回転可能に軸支する第3軸受9aが設けられ、中間体8には、ローラ管1の中心軸に沿って貫通し、電磁ブレーキ3に後述のように係合している減速機7の入力軸7aを挿通する貫通開口が設けられる。減速機7の出力軸7bは、第2内部フレーム6bの他方端部を閉塞している第4軸受9bで回転可能に軸支され、大略円柱状の中間プレート10に固定的に連結されている。中間プレート10の外周側面には、環状の凹所が形成され、前記凹所には、例えばゴム製の環帯状のゴムダンパ11が嵌め込まれて固定され、ゴムダンパ11は、その外周側面がローラ管1の内周側面に固定的に連結されている。
【0030】
電磁ブレーキ3は、例えば、図3に示すように、ブレーキステータ3aと、コイル3bと、アーマチュアハブ3c(3c-1、3c-2)と、ブレーキアーマチュア3dと、ブレーキプレート3eと、圧縮コイルバネ3fとを備える。アーマチュアハブ3cは、円筒状のハブ本体3c-1と、ハブ本体3c-1の外周側面から径方向へ延びる円環板状のディスク3c-2とを備える。ハブ本体3c-1には、ローラ管1の中心軸に沿って貫通し、断面四角形の貫通開口が形成され、この貫通開口に減速機7の入力軸7aが嵌め込まれてアーマチュアハブ3cと減速機7とが固定的に連結されている。ブレーキプレート3eは、円環板状であり、その周縁部で、円筒状のブレーキステータ3aにおける他方端部に固定的に連結されている。ブレーキアーマチュア3dは、円環板状であり、このブレーキアーマチュア3dとブレーキプレート3eとの軸方向の間にアーマチュアハブ3cのディスク3c-2を挟み込むように、配置される。したがって、ブレーキアーマチュア3d、アーマチュアハブ3cのディスク3c-2およびブレーキプレート3eは、この順で軸方向に配設されている。ブレーキステータ3aは、円筒状であり、その円筒壁内に、被覆した導体線を周方向に巻き回したコイル3bを内蔵し、さらに、その円筒壁内に、軸方向に沿って、ブレーキアーマチュア3dをブレーキステータ3aから軸方向に離間するように付勢する圧縮コイルバネ3fを内蔵している。
【0031】
電磁ブレーキ3では、そのコイル3bの通電をオフしてコイル3bを無給電にすると、無励磁状態となり、図3Aに示すように、圧縮コイルバネ3fの付勢力によって、ブレーキアーマチュア3dが軸方向に移動してアーマチュアハブ3cをブレーキプレート3eに密着させる。これにより、ブレーキステータ3aとブレーキアーマチュア3dとの間に軸方向に隙間αが生じる一方、アーマチュアハブ3cのディスク3c-2がブレーキアーマチュア3dとブレーキプレート3eとに挟持され、制動力が働き、アーマチュアハブ3cは、停止する。そうすると、アーマチュアハブ3cに連結されている減速機7が停止し、中間プレート10およびゴムダンパ11を介してローラ管1も停止する。すなわち、BローラBRにブレーキがかかる。減速機7を備えることで、所定の制動トルクを生成できる。一方、前記コイル3bの通電をオンしてコイル3bに給電すると、励磁状態となり、図3Bに示すように、コイル3bに生じる電磁力によって、ブレーキアーマチュア3dがブレーキステータ3aに引き寄せられ、圧縮コイルバネ3fの付勢力に抗してブレーキアーマチュア3dがブレーキステータ3aに密着する。これにより、ブレーキアーマチュア3dとブレーキプレート3eとに挟持されていたアーマチュアハブ3cのディスク部3c-2が解放され、電磁ブレーキ3による制動力が生じず、アーマチュアハブ3cに連結される減速機7がフリー(回転自在)になり、BローラBRは、FローラFRと同様に機能する。
【0032】
このように本実施形態におけるBローラBRは、MローラMRのような、前記Mローラ管を駆動して回転させる駆動機能を持たず、前記FローラFRのような他の回転に従動して前記Fローラ管を回転させる従動機能および制動力を生成してローラ管1を制動する制動機能の両機能のみを持つ。
【0033】
以上説明したように、実施形態におけるコンベア用ブレーキローラBRは、ローラ管1の回転を制動する制動力を生成する電磁ブレーキを備えるので、電磁ブレーキに制動力を生じさせる電力を制御することで制動力を精度よく制御できるから、搬送物Obを所望の停止位置でより安定的に停止できる。
【0034】
上記実施形態におけるコンベア用ブレーキローラBRでは、コイル3bの通電をオフすると制動力が働いてブレーキのかかる電磁ブレーキ3が用いられている。これにより、何らかの障害が生じて通電が遮断された場合でも、ブレーキがかかり、例えば搬送物Ob同士の衝突や搬送路からの搬送物Obの落下等が防止できる。特に、コンベア装置における搬送路が傾斜している箇所や昇降機の前後にコンベア用ブレーキローラBRが配置されている場合に、効果的である。
【0035】
本実施形態によれば、コンベア用ブレーキローラBRを、1または複数含むローラコンベア装置のコンベア装置CSが提供できる。このようなコンベア装置CSは、コンベア用ブレーキローラBRを備えることで、搬送物Obを所望の停止位置でより安定的に停止できる。例えば、通電のオフから約0.3秒でBローラBRにブレーキがかかり、対象物(搬送物)Obの移動が停止できる。
【0036】
上述したように、実施形態におけるコンベア用ブレーキローラBRは、ベルトコンベア装置のコンベア装置に用いられてもよい(変形形態)。
【0037】
図4は、変形形態におけるコンベア装置の平面図である。この変形形態におけるコンベア装置CSaは、例えば、図4に示すように、一方向に沿って並置される複数のローラMR、FR、BRと、前記複数のローラMR、FR、BRに掛け渡された搬送ベルトBTaとを備え、前記搬送ベルトBTaの上を移動路として対象物を移動するベルトコンベア装置である。より具体的には、このコンベア装置CSaは、1対の第1および第2コンベア枠CFa、CFbと、1または複数のMローラMRと、1または複数のFローラFRと、1または複数のBローラBRと、搬送ベルトBTaとを備える。これら第1および第2コンベア枠CFa、CFb、MローラMR、FローラFRおよびBローラBRは、それぞれ、上述の実施形態における第1および第2コンベア枠CFa、CFb、MローラMR、FローラFRおよびBローラBRと同様であるので、その説明を省略する。
【0038】
すなわち、上述の実施形態におけるコンベア装置CSは、3個おきにMローラMRを備え、MローラMRとこれに隣接するFローラFRおよびBローラBRとが一方端部に巻き掛けられたリング状(環状)のベルトBTによって連結されたが、この変形形態におけるコンベア装置CSaは、一方向に沿って並置される複数のローラMR、FR、BRのうちの一方端に配設されるローラがMローラMRであり、その他方端に配設されるローラがBローラBRであり、これらに巾広の搬送ベルトBTaが掛け渡されている。これら各端のMローラMRとBローラBRとの間に、4個のFローラFRが配設されている。なお、MローラMR、FローラFRやBローラBRの配設態様は、これに限らず、適宜に変更されてよい。
【0039】
これによれば、コンベア用ブレーキローラBRを、1または複数含むベルトコンベア装置のコンベア装置CSaが提供できる。このようなコンベア装置CSaは、コンベア用ブレーキローラBRを備えることで、搬送物Obを所望の停止位置でより安定的に停止できる。
【0040】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0041】
CS、CSa;コンベア装置、BR;コンベア用ブレーキローラ、1;ローラ管、2a;第1支持軸、2b;第2支持軸、3;電磁ブレーキ
図1
図2
図3
図4