(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131650
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】システム、通信装置、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042050
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】寺社下 文也
(72)【発明者】
【氏名】下岡 達矢
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 瑛叶
(72)【発明者】
【氏名】生駒 愛理
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA34
5K048EB10
5K048GB06
(57)【要約】
【課題】キュービクルが停電した場合でも、バックアップ電源にて取得したデータを、ゲートウェイに送信できるシステム、通信装置、通信方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】システムは、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送する。計測データおよび監視データをゲートウェイへ送信する通信装置は、計測データおよび監視データを定期的に収集し、収集した計測データおよび監視データを記憶し、記憶している計測データおよび監視データをゲートウェイへ予め設定された周期で送信する。通信装置は、ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを記憶部に保持し、ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に記憶部に保持している送信できなかったデータを送信する制御を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムであって、
前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置は、
前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集する収集部と、
前記収集部が定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶している前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行う通信制御部と、
前記通信制御部による制御によって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信する通信部と
を備え、
前記通信制御部は、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、システム。
【請求項2】
前記計測データが閾値を超えているか否かを判定する判定部
をさらに備え、
前記通信制御部は、前記判定部が前記閾値を超えていると判定した前記計測データについては、短時間に送信する制御を行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信制御部は、短時間に送信する制御を行っている間に停電が発生し、停電が復旧した後に、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記通信装置は、ファームウェアのバージョンアップを実施する時刻を設定する設定部と、
前記設定部に設定された時刻にファームウェアのバージョンアップを実行する制御部と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記計測装置は、
前記計測データを送信する計測データ無線通信部
を備え、
前記監視装置は、
前記監視データを送信する監視データ無線通信部
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の前記キュービクルの各々に含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを取得し、取得した前記計測データおよび前記監視データを通信装置へ送信するコントロールユニット
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムで、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置であって、
前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集する収集部と、
前記収集部が定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶している前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行う通信制御部と、
前記通信制御部による制御によって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信する通信部と
を備え、
前記通信制御部は、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信装置。
【請求項8】
キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムが実行する通信方法であって、
前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置が、前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集するステップと、
前記通信装置が、前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、
前記通信装置が、前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、
前記通信装置が、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、
前記通信装置が、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信方法。
【請求項9】
キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムで、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置が実行する通信方法であって、
前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集するステップと、
前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、
前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、
前記制御を行うステップによって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、
前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信方法。
【請求項10】
コンピュータに、
キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視データを定期的に収集するステップと、
前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、
前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データをゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、
前記制御を行うステップによって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、
前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持するステップと、
前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行うステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、通信装置、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キュービクル内の計測、監視装置からデータを収集・保存する装置が知られている。データを収集・保存する装置は、収集・保存したデータを、ゲートウェイに送信する。ゲートウェイは、無線通信にてクラウドサーバへデータを送信する。このようなシステムでは、キュービクルが停電している場合にもデータを送信できるように、停電が発生した場合には蓄電池、UPS(無停電電源装置)などのバックアップ電源に切り替わる。
【0003】
データを収集する技術に関して、収集装置が電源喪失状態に至る場合でも、外部装置(解析装置)が検出装置の検出結果を取得する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、データ収集解析システムのゲートウェイは、検出装置、サーバ及び携帯機器との通信が可能な通信部と、外部からの電源供給を受けて通信部に電力供給を行う電源部と、外部から電源部への電源供給が遮断された場合に、通信部に電力供給を行うバックアップ電源とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キュービクルが停電した場合にバックアップ電源によって停電から復旧しても、ゲートウェイは、キュービクルがバックアップ電源に切り替わってから、起動するまでの間にデータを収集・保存する装置が取得したデータを取得できないため、通信できるようになってからのデータしかクラウドに送ることができない。
本発明の目的は、キュービクルが停電した場合でも、バックアップ電源にてデータを収集・保存する装置が起動して取得したデータを、ゲートウェイに送信できるシステム、通信装置、通信方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムであって、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置は、前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集する収集部と、前記収集部が定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶している前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行う通信制御部と、前記通信制御部による制御によって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信する通信部とを備え、前記通信制御部は、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、システムである。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載のシステムにおいて、前記計測データが閾値を超えているか否かを判定する判定部をさらに備え、前記通信制御部は、前記判定部が前記閾値を超えていると判定した前記計測データについては、短時間に送信する制御を行う。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記(2)に記載のシステムにおいて、前記通信制御部は、短時間に送信する制御を行っている間に停電が発生し、停電が復旧した後に、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記(1)に記載のシステムにおいて、前記通信装置は、ファームウェアのバージョンアップを実施する時刻を設定する設定部と、前記設定部に設定された時刻にファームウェアのバージョンアップを実行する制御部とを備える。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載のシステムにおいて、前記計測装置は、前記計測データを送信する計測データ無線通信部を備え、前記監視装置は、前記監視データを送信する監視データ無線通信部を備える。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載のシステムにおいて、複数の前記キュービクルの各々に含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを取得し、取得した前記計測データおよび前記監視データを通信装置へ送信するコントロールユニットをさらに備える。
【0012】
(7)本発明の一態様は、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムで、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置であって、前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集する収集部と、前記収集部が定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶している前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行う通信制御部と、前記通信制御部による制御によって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信する通信部とを備え、前記通信制御部は、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信装置である。
【0013】
(8)本発明の一態様は、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムが実行する通信方法であって、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置が、前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集するステップと、前記通信装置が、前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、前記通信装置が、前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、前記通信装置が、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、前記通信装置が、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信方法である。
【0014】
(9)本発明の一態様は、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを、ゲートウェイを経由してクラウドサーバに転送するシステムで、前記計測データおよび前記監視データを、ゲートウェイへ送信する通信装置が実行する通信方法であって、前記計測データおよび前記監視データを定期的に収集するステップと、前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、前記制御を行うステップによって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持し、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行う、通信方法である。
【0015】
(10)本発明の一態様は、コンピュータに、キュービクルに含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視データを定期的に収集するステップと、前記収集するステップで定期的に収集した前記計測データおよび前記監視データを記憶部に記憶するステップと、前記記憶するステップで記憶された前記計測データおよび前記監視データをゲートウェイへ予め設定された周期で送信する制御を行うステップと、前記制御を行うステップによって、前記計測データおよび前記監視データを前記ゲートウェイへ送信するステップと、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを前記記憶部に保持するステップと、前記ゲートウェイとの間で通信が確立できた場合に前記記憶部に保持している送信できなかった前記データを送信する制御を行うステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、キュービクルが停電した場合でも、バックアップ電源にて再起動したタイミングから取得したデータを、ゲートウェイに送信できるシステム、通信装置、通信方法およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るシステム1の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るシステム1の動作の一例を示す図である。
【
図3】実施形態の変形例1に係る通信装置100aの一例を示す図である。
【
図4】実施形態の変形例2に係る計測装置20bおよび監視装置40bの一例を示す図である。
【
図5】実施形態の変形例3に係るシステム1cの一例を示す図である。
【
図6】実施形態の変形例3に係るシステム1cの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本実施形態のシステム、通信装置、通信方法およびプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0019】
(実施形態)
(システム)
図1は本発明の実施形態に係るシステム1の一例を示す図である。
システム1は、計測装置20と、監視装置40と、通信装置100と、GW(ゲートウェイ)200と、クラウドサーバ300とを備える。GW200とクラウドサーバ300とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0020】
計測装置20、監視装置40および通信装置100は、キュービクル(高圧受電設備)10に収容されている。計測装置20は計測データを取得し、取得した計測データを10秒などの所定の周期で定期的に通信装置100へ送信する。計測装置20は、計測データを所定の周期で定期的に取得してもよい。監視装置40は監視データを取得し、取得した監視データを通信装置100へ10秒などの所定の周期で定期的に送信する。監視装置40は、所定の周期で定期的に監視データを取得してもよい。計測データの一例は電力データであり、取得された年月日及び時刻情報が付加されている。監視データの一例は警報情報であり、取得された年月日及び時刻情報が付加されている。
仮に、キュービクル10内に停電が発生した場合には、計測装置20、監視装置40および通信装置100は、バックアップ電源によって起動(再起動)して処理を継続する。これによって、停電前後の計測データおよび監視データを解析できるため、キュービクル10内に発生した停電の原因の特定を早急に行うことができる。
【0021】
通信装置100は、計測装置20および監視装置40と有線又は無線によって接続されている。通信装置100は、計測装置20が送信した計測データを受信し、監視装置40が送信した監視データを受信する。通信装置100は、受信した計測データおよび監視データを収集し、記憶部に記憶させる。
【0022】
通信装置100は、記憶部に記憶させた計測データおよび監視データを30分などの所定の周期でゲートウェイ200へ送信する制御を行う。通信装置100が計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ送信する周期は、計測装置20が計測データを通信装置100へ送信する周期および監視装置40が監視データを通信装置100へ送信する周期よりも長い。
通信装置100は、停電などが原因でゲートウェイ200との間で通信が確立できなかった場合には停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを記憶部に保持する。通信装置100は、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合には停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを送信する。以下、一例として通信装置100がゲートウェイ200との間で通信が確立できなかった原因が停電である場合について説明を続ける。
【0023】
ゲートウェイ200は、通信装置100が送信した計測データおよび監視データを受信し、受信した計測データおよび監視データを、クラウドサーバ300へ送信する。ゲートウェイ200は、通信装置100が送信した停電フラグ、計測データおよび監視データを受信し、受信した停電フラグ、計測データおよび監視データを、クラウドサーバ300へ送信する。
クラウドサーバ300は、ゲートウェイ200が送信した計測データおよび監視データを受信する。クラウドサーバ300は、ゲートウェイ200が送信した停電フラグ、計測データおよび監視データを受信する。
【0024】
以下、通信装置100について詳細に説明する。
通信装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。通信装置100は、例えば、通信部102と、収集部106と、通信制御部108と、記憶部110とを備える。
【0025】
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、計測装置20および監視装置40との間で通信を行う。通信部102は、計測装置20が送信した計測データを受信し、監視装置40が送信した監視データを受信する。
【0026】
収集部106は、通信部102が受信した計測データおよび監視データを取集する。収集部106は、収集した計測データおよび監視データを記憶部110に記憶させる。
通信制御部108は、記憶部110に記憶させた計測データおよび監視データを予め設定された周期で取得し、取得した計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ送信する制御を行う。通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立する処理を行う。通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができなかった場合には、停電フラグとともに取得した計測データおよび監視データを記憶部110に保持させる。一方、通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができた場合には、取得した計測データおよび監視データを通信部102から送信する。
【0027】
通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができなかったために停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを記憶部110に保持させた後に、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができた場合には、取得した計測データおよび監視データとともに、停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを通信部102から送信する。
【0028】
収集部106および通信制御部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0029】
(システム1の動作)
図2は、本実施形態に係るシステム1の動作の一例を示す図である。
図1を参照して、キュービクル10内で停電が発生した場合の動作について説明する。
(ステップS1-1)
キュービクル10内で停電が発生する。
(ステップS2-1)
計測装置20は、バックアップ電源によって起動する。
【0030】
(ステップS3-1)
監視装置40は、バックアップ電源によって起動する。
(ステップS4-1)
通信装置100は、バックアップ電源によって起動する。
(ステップS5-1)
計測装置20は、計測データを取得する。
【0031】
(ステップS6-1)
監視装置40は、監視データを取得する。
(ステップS7-1)
計測装置20は、取得した計測データを、通信装置100へ送信する。
(ステップS8-1)
監視装置40は、取得した監視データを、通信装置100へ送信する。
【0032】
(ステップS9-1)
通信装置100において、通信部102は、計測装置20が送信した計測データを受信し、監視装置40が送信した監視データを受信する。収集部106は、通信部102が受信した計測データおよび監視データを取集する。収集部106は、収集した計測データおよび監視データを記憶部110に記憶させる。
(ステップS10-1)
停電から復旧する。
【0033】
(ステップS11-1)
ゲートウェイ200は、起動を開始する。
(ステップS12-1)
通信装置100において、通信制御部108は、記憶部110に記憶させた計測データおよび監視データを予め設定された周期で取得し、取得した計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ送信する制御を行う。通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立する処理を行う。ここでは、通信制御部108が、例えばゲートウェイ200が起動の途中であり通信を確立することができなかった場合について説明を続ける。
【0034】
(ステップS13-1)
通信装置100において、通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができなかった場合には、停電フラグとともに取得した計測データおよび監視データを記憶部110に記憶させる。
(ステップS14-1)
計測装置20は、計測データを取得する。
(ステップS15-1)
監視装置40は、監視データを取得する。
【0035】
(ステップS16-1)
計測装置20は、取得した計測データを、通信装置100へ送信する。
(ステップS17-1)
監視装置40は、取得した監視データを、通信装置100へ送信する。
【0036】
(ステップS18-1)
通信装置100において、通信部102は、計測装置20が送信した計測データを受信し、監視装置40が送信した監視データを受信する。収集部106は、通信部102が受信した計測データおよび監視データを取集する。収集部106は、収集した計測データおよび監視データを記憶部110に記憶させる。
【0037】
(ステップS18-1)
通信装置100において、通信制御部108は、記憶部110に記憶させた計測データおよび監視データと、停電フラグとともに記憶させた送信できなかった計測データおよび監視データとを予め設定された周期で取得し、ゲートウェイ200へ送信する制御を行う。通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立する処理を行う。ここでは、通信制御部108が、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができた場合について説明を続ける。
【0038】
(ステップS19-1)
通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信を確立することができた場合には、取得した計測データおよび監視データと、停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データとを通信部102からゲートウェイ200へ送信する。
【0039】
(ステップS20-1)
ゲートウェイ200は、通信装置100によって送信された計測データおよび監視データと、停電フラグとともに送信された計測データおよび監視データとを受信し、受信した計測データおよび監視データと、停電フラグとともに受信した計測データおよび監視データとを、クラウドサーバ300へ送信する。クラウドサーバ300は、ゲートウェイ200が送信した計測データおよび監視データと、停電フラグとともに送信された計測データおよび監視データとを受信する。
【0040】
前述した実施形態において、通信装置100は、計測データが閾値を超えているか否かを判定する判定部をさらに備えるようにしてもよい。通信制御部108は、判定部が閾値を超えていると判定した計測データについては、短時間に送信する制御を行うようにしてもよい。ここで、短時間に送信するとは、予め設定された周期まで待つことなく送信することである。
通信制御部108は、短時間に送信する制御を行う場合に停電が発生し、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを記憶部110に保持し、停電が復旧し、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合に記憶部110に保持している送信できなかったデータを送信する制御を行う。この場合、通信制御部108は、短時間に送信する制御を行ってもよい。
【0041】
前述した実施形態では、キュービクル10に計測装置20および監視装置40が一台ずつ含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、キュービクル10に計測装置20および監視装置40が複数台含まれるように構成してもよい。
【0042】
本実施形態に係るシステム1によれば、システム1は、キュービクル10に含まれる計測装置20が取得した計測データおよび監視装置40が取得した監視データを、ゲートウェイ200を経由してクラウドサーバ300に転送する。計測データおよび監視データを、ゲートウェイ200へ送信する通信装置100は、計測データおよび監視データを定期的に収集する収集部106と、収集部106が定期的に収集した計測データおよび監視データを記憶する記憶部110と、記憶部110が記憶している計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ予め設定された周期で送信する制御を行う通信制御部108と、通信制御部108による制御によって、計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ送信する通信部102とを備える。通信制御部108は、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを記憶部110に保持し、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合に記憶部110に保持している送信できなかったデータを送信する制御を行う。
【0043】
このように構成することによって、通信装置100は、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかったことによって送信できなかった計測データおよび監視データを保持できる。このため、仮に、通信装置100とゲートウェイ200との間で通信が確立しなかったために計測データおよび監視データを送信できなかった場合でも、通信が確立した後に送信できなかった計測データおよび監視データを送信できる。計測装置20および監視装置40がバックアップ電源にて再起動したタイミングから取得したデータをクラウドサーバ300に送信できるため、停電により送信できないデータを最小限にできる。
【0044】
システム1において、計測データが閾値を超えているか否かを判定する判定部をさらに備える。通信制御部108は、判定部が閾値を超えていると判定した計測データについては、短時間に送信する制御を行う。
このように構成することによって、通信装置100は、異常が発生したことによって計測値が閾値を超えた場合に、短時間で計測データをゲートウェイ200に送信できるため、異常が発生したことを短時間で計測データを送信しない場合と比較して、早く知らせることができる。
【0045】
システム1において、通信制御部108は、短時間に送信する制御を行っている間に停電が発生し、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかったことによって送信できなかったデータを記憶部110に保持し、停電が復旧した後に、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合に記憶部110に保持している送信できなかったデータを短時間に送信する制御を行う。
このように構成することによって、通信装置100は、短時間に送信する制御を行っている間に停電が発生し、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかったことによってデータを送信できなかった場合でも、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合に送信できなかったデータを短時間に送信できる。
【0046】
(実施形態の変形例1)
(システム)
実施形態の変形例1に係るシステム1aの一例は、
図1を適用できる。ただし、通信装置100の代わりに通信装置100aを備える点で異なる。
キュービクル10に搭載される通信装置は、ファームウェアのバージョンアップなどが必要である。しかし、現場によって設備の稼働時間は異なり、稼働設備が多い程、警報などのリスクが高まるため、計測、監視する必要がある。このため、設備稼働時にはバージョンアップを行わず、非稼働時間又は稼働している設備が極力少ない時にファームウェアのバージョンアップを行うのが好ましい。通信装置100aは、ユーザが設定したタイミングで、ファームウェアのバージョンアップを実行する。
【0047】
図3は、実施形態の変形例1に係る通信装置100aの一例を示す図である。
(通信装置100a)
通信装置100aは、通信部102と、収集部106と、制御部107aと、通信制御部108と、設定部109aと、記憶部110と、I/F112aとを備える。
制御部107aは、通信装置100aの各部を制御する。
【0048】
設定部109aは、ファームウェアのバージョンアップのタイミングを設定する。具体的には、設定部109aは、バージョンアップデータに付加されるバージョンアップ指示情報に、サーバ側から一括して設定する時間(以下「時間指定」という)に加えて、通信装置100aに設定する時間(以下「設定時間」という)を指定できるようにする。
【0049】
設定部109aは、設定時間が指定されている場合には設定時間に基づいてバージョンアップの実施時間を設定し、設定時間が指定されていない場合には時間指定に基づいてバージョンアップの実施時間を設定する。設定時間は、現場で通信装置100aに入力してもよいし、遠隔サーバで設定するようにしてもよい。ここで、現場で通信装置100aに入力された設定時間および遠隔サーバで設定された設定時間のうちいずれの設定時間を優先するのかが設定されていてもよい。例えば、設定部109aは、現場で通信装置100aに入力された設定時間の方を、遠隔サーバで設定された設定時間よりも優先するようにしてもよい。また、例えば、設定部109aは、遠隔サーバで設定された設定時間の方を、現場で通信装置100aに入力された設定時間よりも優先するようにしてもよい。
【0050】
I/F112aは、SDメモリーカード(SD Memory Card)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体と通信装置100aとを接続する。
【0051】
制御部107aは、通信部102がネットワークを介して受信したファームウェアを取得し、取得したファームウェアによってバージョンアップを行う。又は、制御部107aは、I/F112aを介して記憶媒体からファームウェアを取得し、取得したファームウェアによってバージョンアップを行う。このように構成することによって、通信装置100aは、ネットワーク及び記録媒体のいずれかからファームウェアを取得できるため、ユーザの使用環境に応じて柔軟にファームウェアのバージョンアップを実行できる。
【0052】
制御部107aおよび設定部109aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0053】
前述した実施形態の変形例1において、バージョンアップ指示情報に「実施なし」を追加するようにしてもよい。この場合、バージョンアップデータのダウンロードのみが実施されない。
このように構成することによって、自動でファームウェアのバージョンアップが実施されないようにできる。現場担当者は、手動でバージョンアップを実施する。ユーザの使用環境に応じてさらに柔軟にファームウェアのバージョンアップを実行できる。
【0054】
実施形態の変形例1に係るシステム1aによれば、システム1において、通信装置100aは、ファームウェアのバージョンアップを実施する時刻を設定する設定部109aと、設定部109aに設定された時刻にファームウェアのバージョンアップを実行する制御部107aとを備える。
【0055】
このように構成することによって、通信装置100aは、ファームウェアのバージョンアップを実施する時刻を設定できるため、ユーザの使用環境に応じて柔軟にファームウェアのバージョンアップを実行できる。従来はバージョンアップファイルを管理するサーバ側でバージョンアップを実施するタイミングを指定していた。管理者は、各地方に存在しているバージョンアップ対象機器の使用状況に応じて個別に指定する必要があったため、負担が大きかった。通信装置100aは、各現場の担当者によってその時々の状況に応じて適切な実施時間を指定できるため、管理者の負担を減らすことができる。
【0056】
(実施形態の変形例2)
(システム)
実施形態の変形例2に係るシステム1bの一例は、
図1を適用できる。ただし、計測装置20の代わりに計測装置20bを備え、監視装置40の代わりに監視装置40bを備える点で異なる。計測装置20bおよび監視装置40bは、コンソール用ポートおよび近距離通信によって端末装置と接続する。
【0057】
図4は、実施形態の変形例2に係る計測装置20bおよび監視装置40bの一例を示す図である。
(計測装置20b)
計測装置20bは、第1通信部22-1と、第2通信部22-2と、制御部24、計測部26と、表示部28と、記憶部30とを備える。
【0058】
第1通信部22-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部22-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部22-1は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。第1通信部22-1の一例は、メンテナンス用のポートで実現されてもよい。
【0059】
第2通信部22-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部22-2は、外部の通信装置と通信する。第2通信部22-2は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信する。
【0060】
計測部26は、電圧、電流、電力、温度などの所定のパラメータを計測する。
表示部28は、計測部26によって計測された所定のパラメータの計測データを表示する。
制御部24は、計測装置20bの各部を制御する。制御部24は、端末装置400と第1通信部22-1とが有線接続された場合に、第1通信部22-1から計測データ要求又は設定値要求を取得する。例えば、システムの管理者は、端末装置400と第1通信部22-1とを有線接続する。制御部24は、計測データ要求を取得した場合に計測部26から計測データを取得し、設定値要求を取得した場合に記憶部30から設定値を取得する。ここで、設定値には、仕様に関わる設定値を含んでもよい。制御部24は、取得した計測データ又は設定値を第1通信部22-1から端末装置400へ出力する。
【0061】
制御部24は、第2通信部22-2によって、端末装置400が送信した接続要求が受信された場合に、その接続要求に含まれるユーザ識別情報に基づいて、接続するか否かを判定する。制御部24は、ユーザ識別情報が接続可能として予め記憶されている場合には接続し、記憶されていない場合には接続しない。また、制御部24は、計測装置20bと端末装置400との間で予めペアリングが行われている場合に接続するようにしてもよい。
【0062】
制御部24は、端末装置400と第2通信部22-2とが接続された場合に、第2通信部22-2から計測データ要求又は設定値要求を取得する。例えば、システムの管理者又はキュービクル10の保安管理者および需要家は、端末装置400を使用して、計測装置20bと無線接続する。制御部24は、計測データ要求を取得した場合に計測部26から計測データを取得し、設定値要求を取得した場合に記憶部30から設定値を取得する。ここで、設定値には、機能に関わる設定値を含んでもよい。制御部24は、取得した計測データ又は設定値を第2通信部22-2から端末装置400へ出力する。
制御部24は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部30に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0063】
(監視装置40b)
監視装置40bは、第1通信部42-1と、第2通信部42-2と、制御部44、監視部46と、表示部48と、記憶部50とを備える。
第1通信部42-1は、通信モジュールによって実現される。第1通信部42-1は、外部の通信装置と通信する。第1通信部42-1は、例えば有線LANなどの通信方式で通信する。第1通信部42-1の一例は、メンテナンス用のポートで実現されてもよい。
第2通信部42-2は、通信モジュールによって実現される。第2通信部42-2は、外部の通信装置と通信する。第2通信部42-2は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、UWB又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信する。
【0064】
監視部46は、電圧、電流、電力、温度などの所定のパラメータを監視する。
表示部48は、監視部46によって監視された所定のパラメータの監視結果を表示する。
制御部44は、監視装置40bの各部を制御する。制御部44は、端末装置400と第1通信部42-1とが有線接続された場合に、第1通信部42-1から監視データ要求又は設定値要求を取得する。例えば、システムの管理者は、端末装置400と第1通信部42-1とを有線接続する。制御部44は、監視データ要求を取得した場合に監視部46から監視データを取得し、設定値要求を取得した場合に記憶部50から設定値を取得する。ここで、設定値には、仕様に関わる設定値を含んでもよい。制御部44は、取得した監視データ又は設定値を第1通信部42-1から端末装置400へ出力する。
【0065】
制御部44は、第2通信部42-2によって、端末装置400が送信した接続要求が受信された場合に、その接続要求に含まれるユーザ識別情報に基づいて、接続するか否かを判定する。制御部44は、ユーザ識別情報が接続可能として予め記憶されている場合には接続し、記憶されていない場合には接続しない。また、制御部44は、監視装置40bと端末装置400との間で予めペアリングが行われている場合に接続するようにしてもよい。
【0066】
制御部44は、端末装置400と第2通信部42-2とが接続された場合に、第2通信部42-2から監視データ要求又は設定値要求を取得する。例えば、システムの管理者又はキュービクル10の保安管理者および需要家は、端末装置400を使用して、監視装置40bと無線接続する。制御部44は、監視データ要求を取得した場合に監視部46から監視データを取得し、設定値要求を取得した場合に記憶部50から設定値を取得する。ここで、設定値には、機能に関わる設定値を含んでもよい。制御部44は、取得した監視データ又は設定値を第2通信部42-2から端末装置400へ出力する。
制御部44は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部50に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0067】
実施形態の変形例2に係るシステム1bによれば、計測装置20bは、計測データを送信する計測データ無線通信部としての第2通信部22-2を備える。監視装置40bは、監視データを送信する監視データ無線通信部としての第2通信部42-2を備える。
このように構成することによって、従来、キュービクル内の計測装置、監視装置などの電子機器のメンテナンスのためには、キュービクルの扉を開ける必要があり、そのためには、有線の準備や主任技術者の立ち合いが必要であった。システム1bにおいて、計測装置20bおよび監視装置40bは、コンソール用ポートによる接続に加え、ブルートゥース(登録商標)、UWBなどの近距離通信を使用できるため、扉を開ける必要がなくなり、有線を準備することなく、主任技術者の立ち合いがなくともメンテナンス可能である。
【0068】
(実施形態の変形例3)
(システム)
図5は実施形態の変形例3に係るシステム1cの一例を示す図である。
システム1cは、計測装置20c-1~20c-2と、監視装置40c-1~40c-2と、通信装置100と、中継装置60c-1~60c-2と、コントロールユニット70cを備える。通信装置100は、ゲートウェイ200と通信し、ゲートウェイ200とクラウドサーバ300とは、ネットワークNWを介して通信する。
【0069】
計測装置20c-1と、監視装置40c-1と、通信装置100と、中継装置60c-1と、コントロールユニット70cとは、キュービクル10c-1に収容されている。計測装置20c-2と、監視装置40c-2と、中継装置60c-2とは、キュービクル10c-2に収容されている。
計測装置20c-1は計測データを取得し、取得した計測データを10秒などの所定の周期で、コントロールユニット70cへ送信する。例えば、計測装置20c-1は、キュービクル10c-1内の電力を系統ごとに計測する。監視装置40c-1は監視データを取得し、取得した監視データを10秒などの所定の周期で、コントロールユニット70cへ送信する。例えば、監視装置40c-1には、遮断器、開閉器、警報器などが接続され、監視接点を面毎に監視する。
計測装置20c-2は計測データを取得し、取得した計測データを10秒などの所定の周期で、中継装置60c-2へ送信する。例えば、計測装置20c-2は、キュービクル10c-2内の電力を系統ごとに計測する。監視装置40c-2は監視データを取得し、取得した監視データを10秒などの所定の周期で、中継装置60c-2へ送信する。例えば、監視装置40c-2には、遮断器、開閉器、警報器などが接続され、監視接点を面毎に監視する。キュービクル10c-1およびキュービクル10c-2は、フレームが横つなぎで一体となった箱であり、面は1フレームである。
【0070】
中継装置60c-2は、キュービクル10c-1に設置される中継装置60c-1と通信線(有線)によって接続される。中継装置60c-2は、中継装置60c-1へ計測データおよび監視データを出力する。中継装置60c-1は、中継装置60c-2が出力した計測データおよび監視データを、コントロールユニット70cへ送信する。中継装置60c-1および中継装置60c-2の一例は、リピータであり、信号を増幅する。これによって、計測データおよび監視データを長距離伝送できる。
コントロールユニット70cは、計測装置20c-1、監視装置40c-1、中継装置60c-2などの機器と通信を行う。コントロールユニット70cは、計測装置20c-1が送信した計測データ、監視装置40c-1が送信した監視データ、および中継装置60c-2が送信した計測データおよび監視データを取得し、通信装置100へ送信する。
【0071】
仮に、キュービクル10c-1内に停電が発生した場合には、計測装置20c-1、監視装置40c-1、中継装置60c-1、コントロールユニット70cおよび通信装置100は、バックアップ電源によって(再)起動し、処理を継続する。これによって、停電前後の計測データおよび監視データを解析することができるため、キュービクル10c-1内に発生した停電の原因の特定を早急に行うことができる。
また、仮に、キュービクル10c-2内に停電が発生した場合には、計測装置20c-2、監視装置40c-2および中継装置60c-2は、バックアップ電源によって(再)起動し、処理を継続する。これによって、停電前後の計測データおよび監視データを解析することができるため、キュービクル10c-2内に発生した停電の原因の特定を早急に行うことができる。
【0072】
通信装置100は、コントロールユニット70cと有線又は無線によって接続されている。ここで、通信装置100は、EMS(Element Management System)に含まれていてもよい。通信装置100は、コントロールユニット70cが送信した計測データおよび監視データを受信し、受信した計測データおよび監視データを収集し、記憶部110に記憶させる。
【0073】
通信装置100は、記憶部110に記憶させた計測データおよび監視データを予め設定された周期でゲートウェイ200へ送信する制御を行う。通信装置100は、ゲートウェイ200との間で通信が確立できなかった場合には停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを記憶部110に保持する。通信装置100は、ゲートウェイ200との間で通信が確立できた場合には停電フラグとともに送信できなかった計測データおよび監視データを送信する。
【0074】
(システム1cの動作)
図6は、実施形態の変形例3に係るシステム1cの動作の一例を示す図である。
図6を参照して、通信装置100が、キュービクル10c-1およびキュービクル10c-2で取得された計測データおよび監視データをゲートウェイ200へ送信する動作について説明する。
(ステップS1-2)
キュービクル10c-1において、コントロールユニット70cは、計測装置20c-1が取得した計測データおよび監視装置40c-1が取得した監視データを取得する。
(ステップS2-2)
キュービクル10c-2において、中継装置60c-2は、計測装置20c-2が取得した計測データを取得する。
【0075】
(ステップS3-2)
キュービクル10c-2において、中継装置60c-2は、監視装置40c-2が取得した監視データを取得する。
(ステップS4-2)
キュービクル10c-2において、中継装置60c-2は、取得した計測データおよび監視データを、中継装置60c-1へ送信する。
(ステップS5-2)
キュービクル10c-1において、中継装置60c-1は、中継装置60c-1が送信した計測データおよび監視データを取得する。
【0076】
(ステップS6-2)
キュービクル10c-1において、中継装置60c-1は、取得した計測データ及び監視データをコントロールユニット70cへ送信する。
(ステップS7-2)
キュービクル10c-1において、コントロールユニット70cは、中継装置60c-1が送信した計測データ及び監視データを取得する。コントロールユニット70cは、取得した計測データおよび監視データを記憶部(図示なし)に記憶させる。
【0077】
(ステップS8-2)
キュービクル10c-1において、コントロールユニット70cは、記憶部に記憶させた計測データおよび監視データを取得し、取得した計測データおよび監視データを、通信装置100へ送信する。
(ステップS9-2)
通信装置100は、コントロールユニット70cが送信した計測データおよび監視データを収集する。通信装置100は、収集した計測データおよび監視データを記憶部110に記憶させる。
【0078】
(ステップS10-2)
キュービクル10c-1において、通信装置100は、記憶部110に記憶させた計測データおよび監視データを予め設定された周期で取得し、ゲートウェイ200へ送信する。
(ステップS11-2)
ゲートウェイ200は、通信装置100が送信した計測データおよび監視データを受信し、クラウドサーバ300へ送信する。クラウドサーバ300は、ゲートウェイ200が送信した計測データおよび監視データを受信する。
【0079】
実施形態の変形例3では、一例として、キュービクル10c-2が一台の場合について説明したが、この例に限られない。例えば、キュービクル10c-2が複数であってもよい。この場合、複数のキュービクル10c-2の各々に含まれる中継装置60c-2は、計測データおよび監視データを、キュービクル10c-1の中継装置60c-1へ送信する。
【0080】
実施形態の変形例3に係るシステム1cによれば、複数のキュービクルの各々に含まれる計測装置が取得した計測データおよび監視装置が取得した監視データを取得し、取得した計測データおよび監視データを通信装置100へ送信するコントロールユニット70cをさらに備える。
このように構成することによって、コントロールユニット70cは、各々の機能を持つ機器と通信できるため、複数のキュービクルに対して、各ユニットからのデータを通信線で一台のコントロールユニット70cに集めて通信できる。従来ではキュービクルの函体ごとにコントロールユニットとEMSとを収容し、EMSを介してクラウドサーバへ各データを出力していたが、コントロールユニット70cによりキュービクル函体が複数存在した場合でも、一台で管理できる。これにより、部材点数の合計が減って簡素化され、コストダウンに繋がる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0082】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0083】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1、1a、1b、1c…システム、10、10c-1、10c-2…キュービクル、20、20b、20c-1、20c-2…計測装置、22-1…第1通信部、22-2…第2通信部、24…制御部、26…計測部、28…表示部、30…記憶部、40、40b、40c-1、40c-2…監視装置、42-1…第1通信部、42-2…第2通信部、44…制御部、46…監視部、48…表示部、50…記憶部、60c-1、60c-2…中継装置、100…通信装置、102…通信部、106…収集部、107a…制御部、108…通信制御部、109a…設定部、110…記憶部、112a…I/F、200…ゲートウェイ、300…クラウドサーバ、400…端末装置