(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131656
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ラベルおよびラベル付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 55/08 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B65D55/08 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042062
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】391019500
【氏名又は名称】朝日印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144886
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】原井 繁
(72)【発明者】
【氏名】犀川 豊
(72)【発明者】
【氏名】鵜野 幸治
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB18
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084KA13
3E084KA14
3E084LA17
3E084LB02
(57)【要約】
【課題】キャップの開栓・未開栓の識別が容易なラベルおよびラベル付き容器を提供する。
【解決手段】ラベル1は、容器本体91と、容器本体91に締結されたキャップ92と、を有する容器9を包装する。また、ラベル1は、容器本体91を覆う容器本体被覆領域11と、キャップ92を覆うキャップ被覆領域12と、容器本体被覆領域11とキャップ被覆領域12との境界に沿って容器9を周回する横ミシン目線3と、を有する。また、横ミシン目線3は、複数のミシン目31を備え、各ミシン目31は、容器9を周回する方向に伸びる第1ミシン目311と、第1ミシン目311からキャップ被覆領域12に向けて延出する第2ミシン目312と、を有する。また、横ミシン目線3は、上下方向に伸びる仮想線Lに対して線対称に形成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、を有する容器に装着するラベルであって、
前記容器本体を覆う容器本体被覆領域と、
前記キャップを覆うキャップ被覆領域と、
前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域との境界に沿って前記容器を周回する横ミシン目線と、を有し、
前記横ミシン目線は、複数のミシン目を備え、
各前記ミシン目は、前記容器を周回する方向に伸びる第1ミシン目と、第1ミシン目側から前記容器本体被覆領域側または前記キャップ被覆領域側に延びる第2ミシン目と、を有することを特徴とするラベル。
【請求項2】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目から前記キャップ被覆領域側に延出する請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の中央部から延出する請求項2に記載のラベル。
【請求項4】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の端部から延出する請求項2に記載のラベル。
【請求項5】
前記横ミシン目線を破断したとき、前記キャップ被覆領域の破断面に形成される凹凸は、前記容器本体被覆領域の破断面に形成される凹凸よりも大きい請求項2に記載のラベル。
【請求項6】
前記ラベルは、シュリンクラベルであり、
前記容器をシュリンク包装した状態では、各前記ミシン目が開いて前記キャップ被覆領域側に向けて先細りする開口となる請求項2に記載のラベル。
【請求項7】
前記横ミシン目線は、前記容器本体と重なっている請求項2に記載のラベル。
【請求項8】
前記横ミシン目線は、前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域とが並ぶ縦方向に伸びる仮想線に対して線対称に形成されている請求項2に記載のラベル。
【請求項9】
容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、からなる容器に、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のラベルを装着してなることを特徴とするラベル付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルおよびラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ラベルとして、容器をシュリンク包装するためのシュリンクラベルが知られている。また、シュリンクラベルとして、特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載のシュリンクラベルは、切り取り用のミシン目線を有し、ミシン目線は、シュリンクラベルの周方向に一周する横ミシン目線と、横ミシン目線の上側の領域にて斜め下方に傾斜して横ミシン目線に到達する斜めミシン目線と、を有する。このようなシュリンクラベルでは、容器のキャップを回すことにより横ミシン目線および斜めミシン目線が破断する。また、破断後、横ミシン目線および斜めミシン目線で囲まれた三角領域が容器から浮き上がり、当該部分を目視することにより、キャップの開栓・未開栓を識別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシュリンクラベルでは、三角領域がキャップの周方向の一部にしか形成されていないため、キャップの死角になり易い。したがって、キャップの開栓・未開栓を識別し難いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、キャップの開栓・未開栓を容易に識別することができるラベルおよびラベル付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、以下(1)~(9)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、を有する容器に装着するラベルであって、
前記容器本体を覆う容器本体被覆領域と、
前記キャップを覆うキャップ被覆領域と、
前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域との境界に沿って前記容器を周回する横ミシン目線と、を有し、
前記横ミシン目線は、複数のミシン目を備え、
各前記ミシン目は、前記容器を周回する方向に伸びる第1ミシン目と、第1ミシン目側から前記容器本体被覆領域側または前記キャップ被覆領域側に延びる第2ミシン目と、を有することを特徴とするラベル。
【0009】
(2) 前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目から前記キャップ被覆領域側に延出する上記(1)に記載のラベル。
【0010】
(3) 前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の中央部から延出する上記(2)に記載のラベル。
【0011】
(4) 前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の端部から延出する上記(2)に記載のラベル。
【0012】
(5) 前記横ミシン目線を破断したとき、前記キャップ被覆領域の破断面に形成される凹凸は、前記容器本体被覆領域の破断面に形成される凹凸よりも大きい上記(2)に記載のラベル。
【0013】
(6) 前記ラベルは、シュリンクラベルであり、
前記容器をシュリンク包装した状態では、各前記ミシン目が開いて前記キャップ被覆領域側に向けて先細りする開口となる上記(2)に記載のラベル。
【0014】
(7) 前記横ミシン目線は、前記容器本体と重なっている上記(2)に記載のラベル。
【0015】
(8) 前記横ミシン目線は、前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域とが並ぶ縦方向に伸びる仮想線に対して線対称に形成されている上記(2)に記載のラベル。
【0016】
(9) 容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、からなる容器に、上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載のラベルを装着してなることを特徴とするラベル付き容器。
【発明の効果】
【0017】
このような発明によれば、容器を開封するためにキャップを回転させるとラベルに剪断力が生じて横ミシン目線が破断し、ラベルが容器本体被覆領域とキャップ被覆領域に分離する。各ミシン目が容器を周回する方向に伸びる第1ミシン目と、第1ミシン目側から容器本体被覆領域側またはキャップ被覆領域側に延びる第2ミシン目と、を有するため、横ミシン目線が破断すると、容器の全周にわたって容器本体被覆領域の破断面またはキャップ被覆領域の破断面に大きな凹凸が形成される。そのため、凹凸がキャップの死角に入り難く、この凹凸を目視することにより、キャップの開栓・未開栓を容易に識別することができる。さらには、改竄行為を効果的に防止することもできる。
【0018】
また、従来では、キャップを開封のために、キャップ上部の縦ミシン線を押し下げ、横ミシン線を横に切り開きキャップからフィルムを取り除き、キャップを回す、という3動作が必要であったが、本発明によれば、フィルムと一緒にキャップを回す1動作だけでよい。そのため、キャップを容易に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係るラベル付き容器の正面図である。
【
図5】ラベルの製造方法の一例を示す斜視図である。
【
図6】ラベル付き容器を開封した状態を示す正面図である。
【
図8】キャップからラベルを取り除く手順を示す正面図である。
【
図10】包装後の横ミシン目線を示す拡大図である。
【
図11】第3実施形態に係るラベルの展開図である。
【
図12】包装後の横ミシン目線を示す拡大図である。
【
図13】第4実施形態に係るラベルの展開図である。
【
図14】包装後の横ミシン目線を示す拡大図である。
【
図15】第5実施形態に係るラベルの展開図である。
【
図16】包装後の横ミシン目線を示す拡大図である。
【
図17】第6実施形態に係るラベルの展開図である。
【
図18】包装後の横ミシン目線を示す拡大図である。
【
図20】第7実施形態に係るラベルの展開図である。
【
図21】ラベル付き容器を開封した状態を示す正面図である。
【
図24】ラベルを容器に装着した状態を示す図である。
【
図25】ラベル付き容器を開封した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
図1にラベル付き容器10を示す。ラベル付き容器10は、容器9と、容器9に装着されるラベル1と、を有する。また、容器9は、容器本体91と、容器本体91に締結されたスクリュー式のキャップ92と、を有する。なお、図では、キャップ92が容器本体91の上側に位置しているが、ラベル付き容器10の向きは、特に限定されず、キャップ92が容器本体91の下側、横側に位置していてもよい。
【0021】
また、ラベル1は、シュリンクフィルムから形成されたシュリンクラベルであり、容器9をシュリンク包装するために用いられる。容器9には点眼薬、点耳薬、点鼻薬等の薬液が収容されており、キャップ92を回転させて容器本体91から取り外すことにより、薬液を使用することができる。ただし、容器9に収容する内容物は、薬液に限定されず、如何なるものであってもよい。また、容器9の構成、形状についても、特に限定されない。
【0022】
図2にシュリンク包装前(熱収縮前)のラベル1を示す。ラベル1は、熱収縮性の合成樹脂からなり、両側端を接合することにより筒状に形成されている。図示しないが、ラベル1の表面または裏面には印刷層が設けられ、この印刷層には、薬品名、商品名、製造元、販売元、使用期限、保存方法等の法定表示が適宜記載されている。
【0023】
また、ラベル1には、横ミシン目線3および一対の縦ミシン目線4からなるミシン目線2が形成されている。以下、これら横ミシン目線3および縦ミシン目線4について説明する。
【0024】
横ミシン目線3は、ラベル1の周方向に沿って一周するように周回する。そのため、ラベル1は、横ミシン目線3によって、それよりも下側の容器本体被覆領域11と、上側のキャップ被覆領域12と、に区画されている。そして、
図1に示したように、ラベル1を容器9にシュリンク包装したラベル付き容器10の状態では、容器本体91が容器本体被覆領域11で覆われ、キャップ92がキャップ被覆領域12で覆われる。
【0025】
また、一対の縦ミシン目線4は、横ミシン目線3からラベル1の軸方向に沿って上側に延出し、ラベル1の上端に繋がっている。
【0026】
図3に、シュリンク包装前のラベル1の展開図を示す。同図に示すように、横ミシン目線3の各ミシン目31は、T字を逆さにした形状となっている。つまり、各ミシン目31は、ラベル1の周方向(横方向)に沿って伸びる第1ミシン目311と、第1ミシン目311の中央部からラベル1の軸方向(縦方向)に沿って上側つまりキャップ被覆領域12側に延出する第2ミシン目312と、を有する。各ミシン目31をこのような構成とすることにより、
図4に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態では、各ミシン目31が開いて略三角形状、つまり、上側に先細りした形状の開口となる。なお、
図4は、
図1中のQで示す領域の拡大図である。
【0027】
図3に示すように、以上のようなミシン目線2は、ラベル1の軸方向つまり縦方向に伸びる仮想線Lに対して線対称に形成されている。このように、ミシン目線2を仮想線Lに対して線対称に形成することにより、ミシン目線2の形成が容易となる。
【0028】
具体的に説明すると、ラベル1は、例えば、ロール(原反)から巻き出したフィルム(ラベル1の母材)の両側端を重ね合わせて接合して筒状にする工程と、筒状にしたフィルムを押し潰した状態で巻き取ってロールにする工程と、ロールから潰れた筒状のフィルムを巻き出し、
図5に示すように、フィルムに刃物8を押し当てることによりミシン目線2を形成するとともに所定の大きさにカットする工程と、により製造される。
【0029】
特に、
図5に示す工程では、刃物8が、潰れて2枚重ねになった筒状のフィルムを貫通し、上側に重なる部分と下側に重なる部分とに同じ形状のミシン目線を形成する。そのため、フィルムを筒状に戻すと、上側に重なる部分と下側に重なる部分とで、これらの境界(折り目)に沿う仮想線Lに対して線対称なミシン目となる。そこで、ミシン目線2を仮想線Lに対して線対称とすることにより、ミシン目線2を容易に形成することができる。
【0030】
以上、シュリンク包装前のラベル1について説明した。このような筒状のラベル1を容器9に被せた状態で熱収縮させることにより、容器9がラベル1で包装され、ラベル付き容器10が得られる。
【0031】
図1に示したように、ラベル付き容器10では、容器本体91が容器本体被覆領域11で覆われ、キャップ92がキャップ被覆領域12で覆われる。そして、容器本体被覆領域11とキャップ被覆領域12との境界に沿って容器9を周回するように横ミシン目線3が形成されている。また、横ミシン目線3は、容器本体91上に位置し、容器本体91と重なっている。言い換えると、横ミシン目線3は、キャップ92の開口端(下端)よりも下側に位置している。また、
図4に示したように、ラベル1の熱収縮によって各ミシン目31が開き、上側に先細りした形状の開口となる。
【0032】
このようなラベル付き容器10では、キャップ92を回転させるとラベル1に剪断力が生じて横ミシン目線3が破断し、ラベル1が容器本体被覆領域11とキャップ被覆領域12に分離する。これにより、キャップ92の開封が可能となる。このように、ラベル付き容器10では、予めラベル1を破断させる必要がなく、キャップ92を回す1動作だけでキャップ92を開封することができる、そのため、キャップ92の開封作業が容易となる。
【0033】
また、前述したように、横ミシン目線3を構成する各ミシン目31が上側に先細りする略三角形の開口となっているため、横ミシン目線3が破断すると、
図6に示すように、キャップ被覆領域12の破断面(下端面)に十分に目視できる程度の波形状の凹凸121が形成される。また、受けた剪断力によって当該部分が変形して浮き上がる。そのため、この凹凸121を目視することにより、キャップ92の開栓・未開栓を容易に識別することができると共に、改竄行為を効果的に防止することができる。特に、凹凸121がキャップ92の全周にわたって形成されるため、どの向きから見ても凹凸121がキャップ92の死角になり難く、開栓・未開栓をより確実に識別することができる。
【0034】
なお、本実施形態のように、全てのミシン目31が第1ミシン目311および第2ミシン目312を有する逆T字状であることが最も好ましいが、キャップ92を周方向のどの向きから見ても少なくとも1つのミシン目31を目視することができればよい。そのため、例えば、第1ミシン目311および第2ミシン目312を有する逆T字状のミシン目31と、第1ミシン目311だけで構成された「-」状のミシン目と、が交互に形成されていてもよいし、「-」状のミシン目に対して逆T字状のミシン目31が2つ、3つ、4つ…置き毎に形成されていてもよい。
【0035】
特に、本実施形態では、キャップ被覆領域12の破断面(下端面)に形成される凹凸121は、容器本体被覆領域11の破断面(上端面)に形成される凹凸111よりも大きい。具体的には、凹凸121の上端と下端との離間距離D2は、凹凸111の上端と下端との離間距離D1よりも大きい。つまり、D2>D1である。このように凹凸121を大きくすることにより、凹凸121がより目視し易くなる。また、凹凸111を小さくすることにより、凹凸111が指に引っかかり難くなり、使用感の低下や容器本体91からのラベル1(容器本体被覆領域11)の剥がれを効果的に防止することができる。なお、D1、D2は、それぞれ、平均値であってもよいし、中央値であってもよいし、最大値であってもよい。
【0036】
また、前述したように、横ミシン目線3がキャップ92の下端よりも下側に位置し、容器本体91と重なっている。そのため、
図7に示すように、キャップ92を外すと、キャップ92の下端から凹凸121がはみ出す。これにより、凹凸121が使用者の指や掌などに接触することで使用者に違和感を与え、ラベル1(キャップ被覆領域12)をキャップ92から剥がす行為を促すことができる。そのため、キャップ92からラベル1が除去される可能性が高まり、実際にラベル1が除去されることにより、キャップ92の開栓・未開栓の識別がさらに容易となる。この場合、
図8に示すように、一対の縦ミシン目線4の間にある切り取り領域122の上端を摘まんで下側に引っ張り、縦ミシン目線4を破断することにより、キャップ92からラベル1を容易に取り除くことができる。
【0037】
<第2実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0038】
図9に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31は、L字形状である。つまり、各ミシン目31は、ラベル1の周方向(横方向)に沿って伸びる第1ミシン目311と、第1ミシン目311の一端部からラベル1の軸方向(縦方向)に沿って上側に伸びる第2ミシン目312と、を有する。また、仮想線Lに対して左側の領域では、第1ミシン目311の左端部から第2ミシン目312が延出し、仮想線Lに対して右側の領域では、第1ミシン目311の右端部から第2ミシン目312が延出している。また、
図10に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態では、各ミシン目31は、上側に先細りした形状の開口となる。
【0039】
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0040】
<第3実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0041】
図11に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31では、第2ミシン目312がラベル1の軸方向(縦方向)に対して傾斜している。また、
図12に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態では、各ミシン目31は、上側に先細りした形状の開口となる。
【0042】
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0043】
<第4実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0044】
図13に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31は、コ字形状である。つまり、各ミシン目31は、ラベル1の周方向(横方向)に沿って伸びる第1ミシン目311と、第1ミシン目311の両端部からラベル1の軸方向(縦方向)に沿って上側に伸びる一対の第2ミシン目312と、を有する。また、
図14に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態では、各ミシン目31は、上側に二股に先細りした形状の開口となる。
【0045】
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0046】
<第5実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0047】
図15に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31は、上側に先細りした開口である。つまり、各ミシン目31は、ラベル1の周方向(横方向)に沿って伸びる第1ミシン目311と、第1ミシン目311の両端部から上側に、ラベル1の軸方向(縦方向)に対して傾斜した方向に伸びる一対の第2ミシン目312と、を有し、一対の第2ミシン目312が上端同士で交わっている。また、
図16に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態でも、各ミシン目31は、上側に先細りした形状の開口となる。
【0048】
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0049】
<第6実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0050】
図17に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31では、第1ミシン目311と第2ミシン目312とが離間している。そのため、
図18に示すように、ラベル1を容器9にシュリンク包装した状態では、実質的に第1ミシン目311が開かず、第2ミシン目312だけが大きく開いた開口となる。このように第1ミシン目311が開かず、第2ミシン目312だけが開口となるのは、ラベル1が横ミシン目線3の方向に収縮するためである。
【0051】
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、各ミシン目31は、前述した第2~第4実施形態に対応する
図19(a)~(c)のような構成であってもよい。
【0052】
<第7実施形態>
本実施形態のラベル1は、横ミシン目線3の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0053】
図20に示すように、横ミシン目線3が備える各ミシン目31では、第2ミシン目312が第1ミシン目311の中央部からラベル1の軸方向(縦方向)に沿って下側つまり容器本体被覆領域11側に延出している。そのため、
図21に示すように、ラベル付き容器10を開封すると、容器本体被覆領域11の破断面(上端面)に形成される凹凸111が、キャップ被覆領域12の破断面(下端面)に形成される凹凸121よりも大きくなる。
【0054】
このような第7実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0055】
<第8実施形態>
本実施形態のラベル1は、シュリンクフィルムを使ったタックラベルであること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0056】
本実施形態のラベル1は、シュリンクフィルムを使ったタックラベルである。また、
図22に示すように、ラベル1は、前述した第1~第7実施形態のような筒状ではなくシート状であり、前述した実施形態と同様のミシン目線2が形成されている。また、ラベル1の糊代および容器本体被覆領域11の裏面に粘着層5が設けられている。
【0057】
このようなラベル1を容器9に巻き付けて筒状とした後、熱収縮させることによりラベル付き容器10が得られる。ラベル付き容器10の状態では、容器本体被覆領域11が容器本体91に貼着されているため、容器本体91からラベル1(容器本体被覆領域11)が剥がれ難くなる。
【0058】
このような第8実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0059】
<第9実施形態>
本実施形態のラベル1は、タックラベルであること以外は、前述した第1実施形態と同様である。以下の説明では、本実施形態のラベル1に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において前述した実施形態と同様の構成については同一符号を付している。
【0060】
本実施形態のラベル1は、タックラベルであり、前述した第1~第8実施形態のように熱収縮によりシュリンク包装するシュリンクラベルではない。また、
図23に示すように、ラベル1は、筒状ではなくシート状であり、前述した実施形態と同様の横ミシン目線3が形成されている。また、ラベル1の裏面全域には粘着層5が設けられている。また、粘着層5の横ミシン目線3と重なる領域Rには印刷などの糊殺し加工が施されており、当該部分の粘着性が消失している。
【0061】
このようなラベル1は、
図24に示すように、容器9に巻き付けながら貼着することにより、容器9を周回する筒状となる。ラベル付き容器10の状態では、横ミシン目線3は、容器本体91とキャップ92の境界に位置している。キャップ92を開封すると、横ミシン目線3が破断し、
図25に示すように、キャップ被覆領域12の破断面(下端面)に波形状の凹凸121が形成される。また、受けた剪断力によって当該部分が変形して浮き上がる。そのため、この凹凸121を目視することにより、キャップ92の開栓・未開栓を容易に識別することができる。
【0062】
このような第9実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0063】
以上、本発明のラベルおよびラベル付き容器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【0064】
また、前述した第1~第8実施形態では、ラベル1が縦ミシン目線4を備えているが、これに限定されず、縦ミシン目線4は、省略してもよい。
【0065】
また、前述した各実施形態では、ミシン目線2が仮想線Lに対して線対称に形成されているが、これに限定されず、非対称であってもよい。その場合、例えば、第1~第7実施形態においては、ミシン目線2を形成してから筒状に接合すればよい。ただし、この場合、横ミシン目線3の両端がずれ易く、その分、製造が難しくなる可能性がある。
【符号の説明】
【0066】
1…ラベル、10…ラベル付き容器、11…容器本体被覆領域、111…凹凸、12…キャップ被覆領域、121…凹凸、122…切り取り領域、2…ミシン目線、3…横ミシン目線、31…ミシン目、311…第1ミシン目、312…第2ミシン目、4…縦ミシン目線、5…粘着層、8…刃物、9…容器、91…容器本体、92…キャップ、D1…離間距離、D2…離間距離、L…仮想線、R…領域
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、を有する容器に装着するラベルであって、
前記容器本体を覆う容器本体被覆領域と、
前記キャップを覆うキャップ被覆領域と、
前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域との境界に沿って前記容器を周回する横ミシン目線と、を有し、
前記横ミシン目線は、複数のミシン目を備え、
各前記ミシン目は、前記容器を周回する方向に伸びる第1ミシン目と、前記第1ミシン目側から前記容器本体被覆領域側または前記キャップ被覆領域側に延びる第2ミシン目と、を有することを特徴とするラベル。
【請求項2】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目から前記キャップ被覆領域側に延出する請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の中央部から延出する請求項2に記載のラベル。
【請求項4】
前記第2ミシン目は、前記第1ミシン目の端部から延出する請求項2に記載のラベル。
【請求項5】
前記横ミシン目線を破断したとき、前記キャップ被覆領域の破断面に形成される凹凸は、前記容器本体被覆領域の破断面に形成される凹凸よりも大きい請求項2に記載のラベル。
【請求項6】
シュリンクラベルであり、
前記容器をシュリンク包装した状態では、各前記ミシン目が開いて前記キャップ被覆領域側に向けて先細りする開口となる請求項2に記載のラベル。
【請求項7】
前記横ミシン目線は、前記容器本体と重なっている請求項2に記載のラベル。
【請求項8】
前記横ミシン目線は、前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域とが並ぶ縦方向に伸びる仮想線に対して線対称に形成されている請求項2に記載のラベル。
【請求項9】
容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、からなる容器に、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のラベルを装着してなることを特徴とするラベル付き容器。
【請求項10】
容器本体と、前記容器本体に締結されたキャップと、を有する容器に装着され、
前記容器本体を覆う容器本体被覆領域と、
前記キャップを覆うキャップ被覆領域と、
前記容器本体被覆領域と前記キャップ被覆領域との境界に沿って前記容器を周回する横ミシン目線と、を有し、
前記横ミシン目線は、複数のミシン目を備え、
各前記ミシン目は、前記容器を周回する方向に伸びる第1ミシン目と、前記第1ミシン目側から前記容器本体被覆領域側または前記キャップ被覆領域側に延びる第2ミシン目と、を有するラベルの製造方法であって、
第1ロールから巻き出したフィルムの両側端を重ね合わせて接合して、前記フィルムを筒状にする工程と、
前記筒状のフィルムに刃物を押し当てることにより前記横ミシン目線を形成する工程と、
前記筒状のフィルムを所定の大きさにカットする工程と、を有することを特徴とするラベルの製造方法。
【請求項11】
前記筒状にする工程の後に行われ、前記筒状のフィルムを押し潰した状態で巻き取って第2ロールにする工程をさらに有し、
前記横ミシン目線を形成する工程では、前記第2ロールから潰れた前記筒状のフィルムを巻き出し、前記筒状のフィルムに前記刃物を押し当てることにより前記横ミシン目線を形成する請求項10に記載のラベルの製造方法。
【請求項12】
前記横ミシン目線を形成する工程と、前記カットする工程と、を同時に行う請求項10に記載のラベルの製造方法。
【請求項13】
前記カットする工程の後に行われ、前記カットした前記フィルムを容器に被せる工程と、
前記フィルムを熱収縮させる工程と、をさらに有する請求項10に記載のラベルの製造方法。