(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131679
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法および管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042094
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 由美子
(72)【発明者】
【氏名】小野 優介
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA12
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB05
3C223FF16
3C223GG01
3C223HH02
(57)【要約】
【課題】複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力すること。
【解決手段】アラーム管理装置10は、アラームを出力するアラーム機器20の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すアラームの各属性と、同一の内容または類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、アラーム機器20からアラームを受信した場合に、受信したアラームに含まれる属性に対応付けられる内部属性を取得し、アラームの属性を内部属性に変換した内部アラームを生成して出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する生成部と、
を備える管理装置。
【請求項2】
前記メッセージは、システムまたは前記システムを構成するデバイスの異常を示すアラームであり、
前記記憶部は、
前記システムを構成する各デバイスから出力される前記アラームを収集する各ベンダの機器に対して、前記各ベンダによって設定される各アラームの属性と、前記各ベンダによって設定される前記各アラームの属性の統合させる前記内部属性とを対応付けて記憶し、
前記生成部は、
前記各ベンダの機器のうちのいずれのベンダの機器から前記アラームを受信した場合も、受信した前記アラームの属性を前記内部属性に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性名と、前記内部属性として内部属性名とを対応付けて記憶し、
前記生成部は、
前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性名に対応付けられる前記内部属性名を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性名を前記内部属性名に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性型と、前記内部属性として内部属性型とを対応付けて記憶し、
前記生成部は、
前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性型に対応付けられる前記内部属性型を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性型を前記内部属性型に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性値と、前記内部属性として内部属性値とを対応付けて記憶し、
前記生成部は、
前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性値に対応付けられる前記内部属性値を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性値を前記内部属性値に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記機器は、OPC UA(Open Platform Communications Unified Architecture)、またはOPC Classicに準拠する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記メッセージは、プラントを制御するプラント制御システムまたは前記プラント制御システムを構成するプラント機器の異常を示すアラームである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、
前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、
処理を実行する管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、
前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、
処理を実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラント制御システムにおいて、標準規格であるOPC UA(Open Platform Communications Unified Architecture)への移行が進んでいるが、既存のシステムでは、OPC Classicも多く、複数の標準規格の混在環境が増加している。また、複数ベンダのOPC UAサーバが共存する環境も増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような混在環境において、プラント制御システムのオペレータ等は、プラント制御システムで発生する各種メッセージの属性を各ベンダが独自に定義していることから、メッセージの内容を迅速に把握することが難しい。上記の混在環境では、同じ意味をもつアラームの属性に対して、「重要度」、「AlarmPriority」、「Priority」等のようにベンダ定義属性が独自の名称で定義されているので、各アラームの属性をすべて表示しようとすると、アラームデータが大きくなり、またアラーム間で属性値を比較することも難しくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて記憶する記憶部と、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する生成部と、を備える管理装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータが、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、処理を実行する管理方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、処理を実行させる管理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るアラーム管理システムの構成例および処理例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るアラーム管理システムの各装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るアラーム管理装置の属性名記憶部を示す図である。
【
図4】実施形態に係るアラーム管理装置の属性値記憶部を示す図である。
【
図5】実施形態に係るアラーム管理装置の内部アラーム記憶部を示す図である。
【
図6】実施形態に係るアラーム属性統合処理の具体例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るアラーム管理システム全体の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係るアラーム管理システムのエンジニアリング内容受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係るアラーム管理システムのアラーム属性統合処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係るアラーム管理システムのアラーム通知処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係るハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る管理装置、管理方法および管理プログラムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係るアラーム管理システム100の構成および処理、アラーム管理システム100の各装置の構成および処理、アラーム管理システム100の処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.アラーム管理システム100の構成および処理〕
図1を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100の構成および処理を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るアラーム管理システム100の構成例および処理例を示す図である。以下に、アラーム管理システム100全体の構成例、アラーム管理システム100の処理例、参考技術に係るアラーム管理システム100Pの問題点を順に説明し、最後にアラーム管理システム100の効果について説明する。なお、実施形態では、プラントに設置されるデバイスであるプラント機器を使用する工場生産遠隔監視を一例にして説明するが、デバイスや利用分野を限定するものではなく、電力モニタ、風力発電、上下水モニタ、河川監視等の環境計測遠隔監視に適用することもできる。
【0014】
(1-1.アラーム管理システム100全体の構成例)
アラーム管理システム100は、アラーム管理装置10、アラーム機器20(サーバ機器20A、サーバ機器20B、制御機器20C)、エンジニア端末30およびオペレータ端末40を有する。ここで、アラーム管理装置10とアラーム機器20とエンジニア端末30とオペレータ端末40とは、図示しない所定の通信網(ネットワーク)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、所定の通信網には、インターネットや専用線等の各種通信網を採用することができる。
【0015】
ここで、アラーム機器20について説明する。アラーム機器20は、アラーム検出機能を有する機器であって、プラントにおけるセンサ値、プロセス値等をもとにプラントやプラント機器の異常を示すアラームを検出する。ここで、サーバ機器20Aは、アラーム機器20のうち、OPC UAサーバである。また、サーバ機器20Bは、アラーム機器20のうち、OPC A&Eサーバである。また、制御機器20Cは、アラーム機器20のうち、分散型制御システム(DCS)を構成するコントローラである。
【0016】
また、エンジニア端末30は、アラーム管理装置10を管理するエンジニアEが使用する端末である。また、オペレータ端末40は、プラントを管理するオペレータOが使用する端末である。なお、
図1に示したアラーム管理システム100には、複数台のアラーム管理装置10、複数台のエンジニア端末30または複数台のオペレータ端末40が含まれてもよい。
【0017】
(1-2.アラーム管理システム100全体の処理例)
上記のようなアラーム管理システム100全体の処理について説明する。なお、下記のステップS1~S7の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS1~S7の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0018】
(1-2-1.エンジニアリング内容受付処理)
第1に、アラーム管理装置10は、エンジニアリング内容を受け付ける(ステップS1)。例えば、アラーム管理装置10は、エンジニア端末30から、プラントにおける機器の定義(適宜、「機器定義」)を受け付け、保存する。また、アラーム管理装置10は、プラントにおける機器に対応するアラームの属性名の定義(適宜、「属性名定義」、「属性名マッピング定義」)を受け付け、保存する。また、アラーム管理装置10は、プラントにおける機器に対応するアラームの属性値の定義(適宜、「属性値定義」、「属性値マッピング定義」)を受け付け、保存する。
【0019】
ここで、機器定義とは、プラントのプラント制御システムを構成するアラーム機器20の種別を示す情報であって、例えば、{サーバ機器20A:ベンダA(OPC UAサーバ),サーバ機器20B:ベンダB(OPC A&Eサーバ),制御機器20C:ベンダC(CENTUM FCS)}等のアラーム機器20ごとのベンダ名、機器の種別を含む情報である。
【0020】
また、属性名マッピング定義とは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性名と、当該属性名を統一して表示するための内部属性名とを対応付けた情報であって、例えば、{サーバ機器20A属性名:「重要度」,内部属性名:「Priority」}、{サーバ機器20B属性名:「AlarmPriority」,内部属性名:「Priority」}、{制御機器20C属性名:「Priority」,内部属性名:「Priority」}等のアラーム機器20のアラームの属性名ごとの内部属性名を含む情報である。
【0021】
また、属性値マッピング定義とは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性値と、当該属性値を統一して表示するための内部属性値とを対応付けた情報であって、例えば、{サーバ機器20A属性値:「重警報」,内部属性値:「High」}、{サーバ機器20B属性値:「High」,内部属性値:「High」}、{制御機器20C属性値:「M」,内部属性値:「Midium」}等のアラーム機器20のアラームの属性値ごとの内部属性値を含む情報である。
【0022】
上記のエンジニアリング内容受付処理において、アラーム管理装置10は、エンジニア端末30から、プラントにおける機器に対応するアラームの属性型の定義(適宜、「属性型定義」、「属性型マッピング定義」)を受け付けることもできる。ここで、属性型マッピング定義とは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性型(例:「String」)と、当該属性名を統一して表示するための内部属性型とを対応付けた情報であって、アラーム機器20のアラームの属性型ごとの内部属性型を含む情報である。
【0023】
(1-2-2.アラーム受信処理)
第2に、アラーム管理装置10は、アラームを受信する(ステップS2)。例えば、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Aから、アラームA{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,重要度:「重警報」}を受信する。また、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Bから、アラームB{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,AlarmPriority:「High」}を受信する。また、アラーム管理装置10は、制御機器20Cから、アラームC{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「M」}を受信する。
【0024】
(1-2-3.内部属性名取得処理)
第3に、アラーム管理装置10は、内部属性名を取得する(ステップS3)。例えば、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性名「重要度」に対応する内部属性名「Priority」を、保存した属性名マッピング定義を参照することによって取得する。また、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性名「AlarmPriority」に対応する内部属性名「Priority」を、保存した属性名マッピング定義を参照することによって取得する。また、アラーム管理装置10は、制御機器20Cから受信したアラームCの属性名「Priority」に対応する内部属性名「Priority」を、保存した属性名マッピング定義を参照することによって取得する。
【0025】
上記の内部属性名取得処理において、アラーム管理装置10は、アラーム機器20から受信したアラームの属性型(例:「String」)に対応する内部属性型を、保存した属性型マッピング定義を参照することによって取得してもよい。
【0026】
(1-2-4.内部属性値取得処理)
第4に、アラーム管理装置10は、内部属性値を取得する(ステップS4)。例えば、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性値「重警報」に対応する内部属性値「High」を、保存した属性値マッピング定義を参照することによって取得する。また、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性値「High」に対応する内部属性値「High」を、保存した属性値マッピング定義を参照することによって取得する。また、アラーム管理装置10は、制御機器20Cから受信したアラームCの属性値「M」に対応する内部属性値「Midium」を、保存した属性値マッピング定義を参照することによって取得する。
【0027】
(1-2-5.内部アラーム生成処理)
第5に、アラーム管理装置10は、内部アラームを生成する(ステップS5)。例えば、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性名「重要度」を内部属性名「Priority」に変換し、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性値「重警報」を内部属性値「High」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームA’を生成し、保存する。また、アラーム管理装置10は、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性名「AlarmPriority」を内部属性名「Priority」に変換し、サーバ機器20Bから受信したアラームAの属性値「High」を内部属性値「High」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームB’を生成し、保存する。また、アラーム管理装置10は、制御機器20Cから受信したアラームCの属性名「Priority」を内部属性名「Priority」に変換し、制御機器20Cから受信したアラームCの属性値「M」を内部属性値「Midium」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームC’を生成し、保存する。
【0028】
(1-2-6.内部アラーム送信処理)
第6に、アラーム管理装置10は、内部アラームを送信する(ステップS6)。例えば、アラーム管理装置10は、オペレータ端末40に、生成した内部アラームA’、内部アラームB’および内部アラームC’を送信する。
【0029】
(1-2-7.内部アラーム表示処理)
第7に、オペレータ端末40は、内部アラームの表示を制御する(ステップS7)。例えば、オペレータ端末40は、アラーム管理装置10から受信した内部アラームA’、内部アラームB’および内部アラームC’のモニタ上での表示を制御する。
【0030】
(1-3.アラーム管理システム100の効果)
以下では、参考技術に係るアラーム管理システム100Pの背景、アラーム管理システム100Pの概要および問題点について説明した上で、アラーム管理システム100の効果について説明する。
【0031】
(1-3-1.アラーム管理システム100Pの背景)
アラーム管理システム100Pにおいて、標準規格であるOPC UAへの移行が始まっているが、既存のシステムでは、OPC Classicも多く、複数の標準規格の混在環境が増加している。また、複数ベンダのOPC UAサーバが共存する環境も増加している。そのため、アラーム管理システム100Pにおいて、上記の混在環境の正規化が求められている。
【0032】
すなわち、アラーム管理システム100Pにおいて、複数ベンダのOPC UAやOPC Classic等の設備に対して、アラーム属性の表示を統一する必要である。また、アラーム管理システム100Pにおいて、サードパーティ(3rd Party)ごとに、同じ意味をもつアラーム属性に対して、ベンダ定義属性が独自の名称で定義されているので、アラーム属性の表示を統一する必要である。
【0033】
(1-3-2.アラーム管理システム100Pの問題点)
アラーム管理システム100Pでは、上記のような混在環境において、プラント制御システムのオペレータ等は、プラント制御システムで発生する各種メッセージの属性を各ベンダが独自に定義していることから、メッセージの内容を迅速に把握することが難しい。例えば、アラーム管理システム100Pでは、上記のような混在環境において、同じ意味をもつアラームの属性に対して、「重要度」、「AlarmPriority」、「Priority」等のようにベンダ定義属性が独自の名称で定義されているので、各アラームの属性をすべて表示しようとすると、アラームデータが大きくなり、またアラーム間で属性値を比較することも難しくなってしまう。
【0034】
(1-3-3.アラーム管理システム100の概要)
第1に、アラーム管理装置10は、エンジニア端末30から、エンジニアリング内容(機器定義、属性名マッピング定義、属性値マッピング定義等)を受け付ける。第2に、アラーム管理装置10は、アラーム機器20からアラームを受信する。第3に、アラーム管理装置10は、エンジニア時に保存した内部属性名を取得する。第4に、アラーム管理装置10は、エンジニア時に保存した内部属性値を取得する。第5に、アラーム管理装置10は、アラームの属性名を内部属性名に変換し、アラームの属性値を内部属性値に変換し、内部アラームを生成する。第6に、アラーム管理装置10は、生成した内部アラームをオペレータ端末40に送信する。第7に、オペレータ端末40は、アラーム管理装置10から受信した内部アラームの表示を制御する。
【0035】
(1-3-4.アラーム管理システム100の効果)
アラーム管理システム100の効果について説明する。アラーム管理システム100は、エンジニアリング時にエンジニアリング内容(機器定義、属性名マッピング定義、属性値マッピング定義等)を受け付けるマッピングルール設定機能を有し、ランタイム時に上記のエンジニアリング内容をもとに内部アラームを生成する内部属性機能を有するので、インタフェースやサーバの種別に関わらず、共通にアラームを扱うことができる。そのため、アラーム管理システム100は、内部属性を使用することによって、アラームデータを小さくすることが可能となり、またアラーム間で属性値を比較することを容易にすることができる。
【0036】
また、アラーム管理システム100では、ホスト-ホスト結合や、CI(Collaborative Information)サーバがOPC UAサーバとなり、上位の機器へ情報を提供する際には、内部属性値の値のみを送信すればよい。そのため、アラーム管理システム100は、下位の機器から上位の機器へ送信する情報量を減らすことが可能となるので、パフォーマンスが向上する。
【0037】
〔2.アラーム管理システム100の各装置の構成および処理〕
図2を用いて、
図1に示したアラーム管理システム100が有するアラーム管理装置10の構成および処理について説明する。
図2は、実施形態に係るアラーム管理システム100の各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態に係るアラーム管理システム100全体の構成例を説明した上で、アラーム管理装置10の構成例および処理例、アラーム機器20の構成例および処理例、エンジニア端末30の構成例および処理例、ならびにオペレータ端末40の構成例および処理例を詳細に説明する。
【0038】
(2-1.アラーム管理システム100全体の構成例)
図2を用いて、
図1に示したアラーム管理システム100全体の構成例について説明する。
図2に示すように、アラーム管理システム100は、アラーム管理装置10、アラーム機器20、エンジニア端末30およびオペレータ端末40を有する。アラーム管理装置10は、アラーム機器20、エンジニア端末30およびオペレータ端末40と、インターネットや専用線等で実現される通信網Nによって通信可能に接続されている。
【0039】
(2-2.アラーム管理装置10の構成例および処理例)
図2を用いて、管理装置であるアラーム管理装置10の構成例および処理例について説明する。アラーム管理装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、アラーム管理装置10は、アラーム管理装置10の管理者であるエンジニアE等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0040】
(2-2-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0041】
(2-2-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部12は、属性名記憶部12a、属性値記憶部12bおよび内部アラーム記憶部12cを有する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、
図2の例では、記憶部12は、アラーム管理装置10の内部に設置されているが、アラーム管理装置10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0042】
記憶部12は、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、同一の内容または類似する内容を示す内部属性とを対応付けて記憶する。例えば、記憶部12は、システムを構成する各デバイスから出力されるアラームを収集する各ベンダの機器に対して、各ベンダによって設定される各アラームの属性と、各ベンダによって設定される各アラームの属性の統合させる内部属性とを対応付けて記憶する。また、記憶部12は、機器の種別ごとに、各属性として各属性名と、内部属性として内部属性名とを対応付けて記憶する。また、記憶部12は、機器の種別ごとに、各属性として各属性値と、内部属性として内部属性値とを対応付けて記憶する。さらに、記憶部12は、機器の種別ごとに、各属性として各属性型と、内部属性として内部属性型とを対応付けて記憶してもよい。
【0043】
また、例えば、上記のメッセージは、システムまたはシステムを構成するデバイスの異常を示すアラームである。具体的には、上記のメッセージは、プラントを制御するプラント制御システムまたはプラント制御システムを構成するプラント機器の異常を示すアラームである。また、上記の機器は、OPC UA、またはOPC Classicに準拠する。
【0044】
(2-2-2-1.属性名記憶部12a)
属性名記憶部12aは、後述する制御部13の受付部13aによって受け付けられる属性名定義(属性名マッピング定義)を記憶する。ここで、
図3を用いて、属性名記憶部12aが記憶するデータの一例を説明する。
図3は、実施形態に係るアラーム管理装置10の属性名記憶部12aの一例を示す図である。
図3の例において、属性名記憶部12aは、「ソース」、「属性名」、「内部属性名」、「属性型」といった項目を有する。
【0045】
「ソース」は、機器であるアラーム機器20を識別するための識別情報を示し、例えばアラーム機器20の識別番号や識別記号である。「属性名」は、機器であるアラーム機器20ごとのアラームに含まれる属性の名称を示す。「内部属性名」は、機器であるアラーム機器20ごとに対応付けられる変換後の属性の名称を示す。「属性型」は、機器であるアラーム機器20ごとのアラームのデータを管理する形式を示す。
【0046】
すなわち、
図3では、「EQP_A」によって識別されるアラーム機器20(サーバ機器20A)について、{属性名:「重要度」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}であり、「EQP_B」によって識別されるアラーム機器20(サーバ機器20B)について、{属性名:「AlarmPriority」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}であり、「EQP_C」によって識別されるアラーム機器20(制御機器20C)について、{属性名:「Priority」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}であるデータが、属性名記憶部12aに記憶されている例が示されている。
【0047】
(2-2-2-2.属性値記憶部12b)
属性値記憶部12bは、後述する制御部13の受付部13aによって受け付けられる属性値定義(属性値マッピング定義)を記憶する。ここで、
図4を用いて、属性値記憶部12bが記憶するデータの一例を説明する。
図4は、実施形態に係るアラーム管理装置10の属性値記憶部12bの一例を示す図である。
図4の例において、属性値記憶部12bは、「ソース」、「属性値」、「内部属性値」といった項目を有する。
【0048】
「ソース」は、機器であるアラーム機器20を識別するための識別情報を示し、例えばアラーム機器20の識別番号や識別記号である。「属性値」は、機器であるアラーム機器20ごとのアラームに含まれる属性に対応する状態値を示す。「内部属性値」は、機器であるアラーム機器20ごとに対応付けられる変換後の属性に対応する状態値を示す。
【0049】
すなわち、
図4では、「EQP_A」によって識別されるアラーム機器20(サーバ機器20A)について、{属性値:「重警報」,内部属性値:「High」}であり、「EQP_B」によって識別されるアラーム機器20(サーバ機器20B)について、{属性値:「High」,内部属性値:「High」}であり、「EQP_C」によって識別されるアラーム機器20(制御機器20C)について、{属性値:「M」,内部属性値:「Midium」}であるデータが、属性値記憶部12bに記憶されている例が示されている。
【0050】
(2-2-2-3.内部アラーム記憶部12c)
内部アラーム記憶部12cは、後述する制御部13の生成部13cによって生成される内部アラームを記憶する。ここで、
図5を用いて、内部アラーム記憶部12cが記憶するデータの一例を説明する。
図5は、実施形態に係るアラーム管理装置10の内部アラーム記憶部12cの一例を示す図である。
図5の例において、内部アラーム記憶部12cは、「ソース」、「メッセージ」、「Priority」といった項目を有する。
【0051】
「ソース」は、機器であるアラーム機器20を識別するための識別情報を示し、例えばアラーム機器20の識別番号や識別記号である。「メッセージ」は、受信部13bによって受信された、機器であるアラーム機器20ごとのアラームに含まれるアラームメッセージを示す。「Priority」は、機器であるアラーム機器20ごとに対応付けられる変換後の属性の名称に対応する状態値を示す。
【0052】
すなわち、
図5では、「EQP_A」によって識別されるアラーム機器20であるサーバ機器20Aについて、{メッセージ:「EQP_A HH」,Priority:「High」}であり、「EQP_B」によって識別されるアラーム機器20であるサーバ機器20Bについて、{メッセージ:「EQP_B HI」,Priority:「High」}であり、「EQP_C」によって識別されるアラーム機器20である制御機器20Cについて、{メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「Midium」}であるデータが、内部アラーム記憶部12cに記憶されている例が示されている。
【0053】
(2-2-3.制御部13)
制御部13は、当該アラーム管理装置10全体の制御を司る。制御部13は、受付部13a、受信部13b、生成部13cおよび送信部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0054】
(2-2-3-1.受付部13a)
受付部13aは、各種情報を受け付ける。なお、受付部13aは、受け付けた各種情報を記憶部12に格納してもよい。例えば、受付部13aは、エンジニア端末30から、エンジニアリング内容を受け付ける。以下では、機器定義受付処理、属性名定義受付処理、属性値定義受付処理の順に説明する。
【0055】
(機器定義受付処理)
受付部13aは、エンジニアリング内容として、機器定義を受け付ける。例えば、受付部13aは、プラントのプラント制御システムを構成するアラーム機器20の種別を示す情報であって、エンジニアEによって設定されたアラーム機器20ごとのベンダ名、機器の種別を含む機器定義を受け付ける。
【0056】
具体的な例について説明すると、受付部13aは、エンジニア端末30のエンジニア内容設定画面において入力された、{サーバ機器20A:ベンダA(OPC UAサーバ),サーバ機器20B:ベンダB(OPC A&Eサーバ),制御機器20C:ベンダC(CENTUM FCS)}等の機器定義を受け付ける。
【0057】
(属性名定義受付処理)
受付部13aは、エンジニアリング内容として、属性名定義(属性名マッピング定義)を受け付ける。例えば、受付部13aは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性名と、当該属性名を統一して表示するための内部属性名とを対応付けた情報であって、エンジニアEによって設定されたアラーム機器20のアラームの属性名ごとの内部属性名を含む属性名定義を受け付け、属性名記憶部12aに記憶する。
【0058】
具体的な例について説明すると、受付部13aは、エンジニア端末30のエンジニア内容設定画面において入力された、{サーバ機器20A属性名:「重要度」,内部属性名:「Priority」}、{サーバ機器20B属性名:「AlarmPriority」,内部属性名:「Priority」}、{制御機器20C属性名:「Priority」,内部属性名:「Priority」}等の属性名定義を受け付ける。
【0059】
このとき、受付部13aは、エンジニアリング内容として、属性型定義(属性型マッピング定義)を受け付けることもできる。例えば、受付部13aは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性型(例:「String」)と、当該属性名を統一して表示するための内部属性型とを対応付けた情報であって、エンジニアEによって設定されたアラーム機器20のアラームの属性型ごとの内部属性型を含む属性型定義を受け付けることもできる。
【0060】
(属性値定義受付処理)
受付部13aは、エンジニアリング内容として、属性値定義(属性値マッピング定義)を受け付ける。例えば、受付部13aは、アラーム機器20ごとに定義されたアラームの属性値と、当該属性値を統一して表示するための内部属性値とを対応付けた情報であって、エンジニアEによって設定されたアラーム機器20のアラームの属性値ごとの内部属性値を含む属性値定義を受け付け、属性値記憶部12bに記憶する。
【0061】
具体的な例について説明すると、受付部13aは、エンジニア端末30のエンジニア内容設定画面において入力された、{サーバ機器20A属性値:「重警報」,内部属性値:「High」}、{サーバ機器20B属性値:「High」,内部属性値:「High」}、{制御機器20C属性値:「M」,内部属性値:「Midium」}等の属性値定義を受け付ける。
【0062】
(2-2-3-2.受信部13b)
受信部13bは、各種情報を受信する。なお、受信部13bは、受信した各種情報を記憶部12に格納してもよい。例えば、受信部13bは、アラーム検出機能を有するアラーム機器20からアラームを受信する。
【0063】
具体的な例について説明すると、受信部13bは、アラーム機器20のうち、OPC UAサーバであるサーバ機器20Aが送信するアラームA{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,重要度:「重警報」}を受信する。また、受信部13bは、アラーム機器20のうち、OPC A&Eサーバであるサーバ機器20Bが送信するアラームB{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,AlarmPriority:「High」}を受信する。また、受信部13bは、アラーム機器20のうち、DCSを構成するコントローラである制御機器20Cが送信するアラームC{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「M」}を受信する。
【0064】
(2-2-3-3.生成部13c)
生成部13cは、各種情報を生成する。なお、生成部13cは、受信部13bによって受信された各種情報を取得する。また、生成部13cは、記憶部12に記憶される各種情報を取得する。また、生成部13cは、生成した各種情報を記憶部12に格納する。例えば、生成部13cは、機器からメッセージを受信した場合に、受信したメッセージに含まれる属性に対応付けられる内部属性を記憶部12から取得し、メッセージの属性を内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する。また、生成部13cは、各ベンダの機器のうちのいずれのベンダの機器からアラームを受信した場合も、受信したアラームの属性を内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する。以下では、内部属性名取得処理、内部属性型取得処理、内部属性値取得処理、内部アラーム生成処理の順に説明する。
【0065】
(内部属性名取得処理)
生成部13cは、内部属性名を取得する。例えば、生成部13cは、機器であるアラーム機器20からアラームメッセージを受信した場合に、受信したアラームメッセージに含まれる属性名に対応付けられる内部属性名を属性名記憶部12aから取得する。
【0066】
具体的な例について説明すると、生成部13cは、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性名「重要度」に対応する内部属性名「Priority」を、属性名記憶部12aに記憶される属性名定義を参照することによって取得する。また、生成部13cは、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性名「AlarmPriority」に対応する内部属性名「Priority」を、属性名記憶部12aに記憶される属性名定義を参照することによって取得する。また、生成部13cは、制御機器20Cから受信したアラームCの属性名「Priority」に対応する内部属性名「Priority」を、属性名記憶部12aに記憶される属性名定義を参照することによって取得する。
【0067】
(内部属性型取得処理)
生成部13cは、内部属性型を取得する。例えば、生成部13cは、機器であるアラーム機器20からアラームメッセージを受信した場合に、受信したアラームメッセージに含まれる属性型に対応付けられる内部属性型を記憶部12から取得する。
【0068】
(内部属性値取得処理)
生成部13cは、内部属性値を取得する。例えば、生成部13cは、機器であるアラーム機器20からアラームメッセージを受信した場合に、受信したアラームメッセージに含まれる属性値に対応付けられる内部属性値を属性値記憶部12bから取得する。
【0069】
具体的な例について説明すると、生成部13cは、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性値「重警報」に対応する内部属性値「High」を、属性値記憶部12bに記憶される属性値定義を参照することによって取得する。また、生成部13cは、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性値「High」に対応する内部属性値「High」を、属性値記憶部12bに記憶される属性値定義を参照することによって取得する。また、生成部13cは、制御機器20Cから受信したアラームCの属性値「M」に対応する内部属性値「Midium」を、属性値記憶部12bに記憶される属性値定義を参照することによって取得する。
【0070】
(内部属性値取得処理)
生成部13cは、内部アラームを生成する。例えば、生成部13cは、アラームメッセージの属性名を内部属性名に変換した内部メッセージである内部アラームを生成して出力する。また、生成部13cは、アラームメッセージの属性型を内部属性型に変換した内部メッセージである内部アラームを生成して出力する。また、生成部13cは、アラームメッセージの属性値を内部属性値に変換した内部メッセージである内部アラームを生成して出力する。
【0071】
具体的な例について説明すると、生成部13cは、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性名「重要度」を内部属性名「Priority」に変換し、サーバ機器20Aから受信したアラームAの属性値「重警報」を内部属性値「High」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームA’を生成し、内部アラーム記憶部12cに格納する。また、生成部13cは、サーバ機器20Bから受信したアラームBの属性名「AlarmPriority」を内部属性名「Priority」に変換し、サーバ機器20Bから受信したアラームAの属性値「High」を内部属性値「High」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームB’を生成し、内部アラーム記憶部12cに格納する。また、生成部13cは、制御機器20Cから受信したアラームCの属性名「Priority」を内部属性名「Priority」に変換し、制御機器20Cから受信したアラームCの属性値「M」を内部属性値「Midium」に変換し、属性名および属性値が統一された内部アラームC’を生成し、内部アラーム記憶部12cに格納する。
【0072】
(2-2-3-4.送信部13d)
送信部13dは、各種情報を送信する。例えば、アラーム管理装置10は、内部アラーム記憶部12cから内部アラームを取得し、取得した内部アラームをオペレータ端末40に送信する。
【0073】
具体的な例について説明すると、送信部13dは、オペレータ端末40に、生成部13cによって生成された内部アラームA’{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,Priority:「High」}、内部アラームB’{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,Priority:「High」}、および内部アラームC’{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「Midium」}を送信する。
【0074】
〔2-3.アラーム管理システム100のアラーム属性統合処理の具体例〕
図6を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100のアラーム属性統合処理に関与するデータの具体例について説明する。以下では、統合前アラーム、属性名定義、属性名統合アラーム、属性値定義、属性名属性値統合アラームの順に説明する。
【0075】
(2-3-1.統合前アラーム)
図6(1)は、アラーム機器20からアラーム管理装置10が受信した統合前のアラームの例を示す。
図6(1)の例では、サーバ機器20Aの統合前アラーム{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,重要度:「重警報」}、サーバ機器20Bの統合前アラーム{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,AlarmPriority:「High」}、制御機器20Cの統合前アラーム{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「M」}の例が示されている。
【0076】
(2-3-2.属性名定義)
図6(2)は、アラーム管理装置10が保存する属性名定義を示す。
図6(2)の例では、サーバ機器20Aの属性名定義{属性名:「重要度」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}、サーバ機器20Bの属性名定義{属性名:「AlarmPriority」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}、制御機器20Cの属性名定義{属性名:「Priority」,内部属性名:「Priority」,属性型:「String」}の例が示されている。
【0077】
(2-3-3.属性名統合アラーム)
図6(3)は、アラーム管理装置10が生成した属性名を統合した属性名統合アラームの例を示す。
図6(3)の例では、サーバ機器20Aの属性名統合アラーム{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,Priority:「重警報」}、サーバ機器20Bの属性名統合アラーム{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,Priority:「High」}、制御機器20Cの属性名統合アラーム{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「M」}の例が示されている。
【0078】
(2-3-4.属性値定義)
図6(4)は、アラーム管理装置10が保存する属性値定義を示す。
図6(4)の例では、サーバ機器20Aの属性値定義{属性値:「重警報」,内部属性値:「High」}、サーバ機器20Bの属性値定義{属性値:「High」,内部属性値:「High」}、制御機器20Cの属性値定義{属性値:「M」,内部属性値:「Midium」}の例が示されている。
【0079】
(2-3-5.属性名属性値統合アラーム)
図6(5)は、アラーム管理装置10が生成した、属性名および属性値を統合した属性名属性値統合アラームの例を示す。
図6(5)の例では、サーバ機器20Aの属性名属性値統合アラーム{ソース:「EQP_A」,メッセージ:「EQP_A HH」,Priority:「High」}、サーバ機器20Bの属性名属性値統合アラーム{ソース:「EQP_B」,メッセージ:「EQP_B HI」,Priority:「High」}、制御機器20Cの属性名属性値統合アラーム{ソース:「EQP_C」,メッセージ:「EQP_C HI」,Priority:「Midium」}の例が示されている。
【0080】
(2-3-6.その他)
上記の
図6(5)では、属性名および属性値を統合した属性名属性値統合アラームの例を示したが、アラーム管理装置10は、属性値のみを統合した属性値統合アラームを生成してもよい。また、アラーム管理装置10は、属性型のみを統合した属性型統合アラーム、属性型および属性名を統合した属性型属性名統合アラーム、属性型および属性値を統合した属性型属性値統合アラーム、属性型、属性名および属性値を統合した属性型属性名属性値統合アラームを生成してもよい。
【0081】
(2-4.アラーム機器20の構成例および処理例)
図2を用いて、アラーム機器20の構成例および処理例について説明する。アラーム機器20は、例えばサーバ機器20A、サーバ機器20B、制御機器20C等である。アラーム機器20は、アラーム検出機能を有する機器であって、プラントにおけるセンサ値、プロセス値等をもとにプラントやプラント機器の異常を示すアラームを検出する。
【0082】
(2-4-1.サーバ機器20A)
サーバ機器20Aは、アラーム機器20のうち、例えばOPC UAサーバであって、温度センサ、圧力センサ、流量センサ等のセンサ機器から、プラントにおける温度データ、圧力データ、流量データ等のプロセス値を収集し、プロセス値が閾値を超過した際にアラームAを生成し、生成したアラームAをアラーム管理装置10に送信する。
【0083】
(2-4-2.サーバ機器20B)
サーバ機器20Bは、例えばOPC A&Eサーバであって、温度センサ、圧力センサ、流量センサ等のセンサ機器から、プラントにおける温度データ、圧力データ、流量データ等のプロセス値を収集し、プロセス値が閾値を超過した際にアラームBを生成し、生成したアラームBをアラーム管理装置10に送信する。
【0084】
(2-4-3.制御機器20C)
制御機器20Cは、例えばDCSを構成するコントローラであって、温度センサ、圧力センサ、流量センサ等のセンサ機器から、プラントにおける温度データ、圧力データ、流量データ等のプロセス値を収集し、プロセス値が閾値を超過した際にアラームCを生成し、生成したアラームCをアラーム管理装置10に送信する。
【0085】
(2-5.エンジニア端末30の構成例および処理例)
図2を用いて、エンジニア端末30の構成例および処理例について説明する。エンジニア端末30は、アラーム管理装置10を管理するエンジニアEが使用する端末であって、入出力部31、送受信部32および通信部33を有する。
【0086】
(2-5-1.入出力部31)
入出力部31は、当該エンジニア端末30への各種情報の入力を司る。例えば、入出力部31は、マウスやキーボードやタッチパネル等で実現され、当該エンジニア端末30への設定情報等の入力を受け付ける。また、入出力部31は、当該エンジニア端末30からの各種情報の表示を制御する。例えば、入出力部31は、ディスプレイ等で実現され、当該エンジニア端末30に記憶された設定情報等の表示を制御する。
【0087】
入出力部31は、アラーム管理装置10にエンジニアリング内容を設定するエンジニア内容設定画面の表示を制御する。
【0088】
(2-5-2.送受信部32)
送受信部32は、各種情報を送信する。例えば、送受信部32は、エンジニアEがエンジニア内容設定画面に入力した機器定義、属性名定義、属性型定義等のエンジニアリング内容をアラーム管理装置10に送信する。また、送受信部32は、各種情報を受信する。
【0089】
(2-5-3.通信部33)
通信部33は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部33は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部33は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0090】
(2-6.オペレータ端末40の構成例)
図2を用いて、オペレータ端末40の構成例および処理例について説明する。オペレータ端末40は、プラントを管理するオペレータOが使用する端末であって、入出力部41、送受信部42および通信部43を有する。
【0091】
(2-6-1.入出力部41)
入出力部41は、当該オペレータ端末40への各種情報の入力を司る。例えば、入出力部41は、マウスやキーボードやタッチパネル等で実現され、当該オペレータ端末40への設定情報等の入力を受け付ける。また、入出力部41は、当該オペレータ端末40からの各種情報の表示を制御する。例えば、入出力部41は、ディスプレイ等で実現され、当該オペレータ端末40に記憶された設定情報等の表示を制御する。
【0092】
入出力部41は、アラーム管理装置10から送信された内部アラームの表示を制御する。例えば、入出力部41は、アラーム管理装置10から送信された内部アラームA’、内部アラームB’および内部アラームC’の表示を制御する。
【0093】
(2-6-2.送受信部42)
送受信部42は、各種情報を送信する。また、送受信部42は、各種情報を受信する。例えば、送受信部42は、アラーム管理装置10から送信された、内部アラームA’、内部アラームB’および内部アラームC’を受信する。
【0094】
(2-6-3.通信部43)
通信部43は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部43は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部43は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0095】
〔3.アラーム管理システム100の各処理の流れ〕
図7~
図10を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100の各処理の流れについて説明する。以下では、アラーム管理システム100全体の処理の流れについて説明した上で、エンジニアリング内容受付処理、アラーム属性統合処理、アラーム通知処理の順に説明する。
【0096】
(3-1.アラーム管理システム100全体の処理の流れ)
図7を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100全体の処理の流れについて説明する。
図7は、実施形態に係るアラーム管理システム100全体の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S103の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S103の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0097】
第1に、アラーム管理装置10は、エンジニアリング内容受付処理を実行する(ステップS101)。第2に、アラーム管理装置10は、アラーム属性統合処理を実行する(ステップS102)。第3に、アラーム管理装置10は、アラーム通知処理を実行する(ステップS103)。
【0098】
(3-2.エンジニアリング内容受付処理の流れ)
図8を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100のエンジニアリング内容受付処理の流れについて説明する。
図8は、実施形態に係るアラーム管理システム100のエンジニアリング内容受付処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS201~S203の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS201~S203の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0099】
第1に、アラーム管理装置10は、機器定義受付処理を実行する(ステップS201)。第2に、アラーム管理装置10は、属性名定義受付処理を実行する(ステップS202)。第3に、アラーム管理装置10は、属性値定義処理を実行する(ステップS203)。
【0100】
(3-3.アラーム属性統合処理の流れ)
図9を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100のアラーム属性統合処理の流れについて説明する。
図9は、実施形態に係るアラーム管理システム100のアラーム属性統合処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS301~S305の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS301~S305の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0101】
第1に、アラーム管理装置10は、属性名取得処理を実行する(ステップS301)。第2に、アラーム管理装置10は、内部属性名取得処理を実行する(ステップS302)。第3に、アラーム管理装置10は、属性値取得処理を実行する(ステップS303)。第4に、アラーム管理装置10は、内部属性値取得処理を実行する(ステップS304)。第5に、アラーム管理装置10は、内部アラーム生成処理を実行する(ステップS305)。
【0102】
(3-4.アラーム通知処理の流れ)
図10を用いて、実施形態に係るアラーム管理システム100のアラーム通知処理の流れについて説明する。
図10は、実施形態に係るアラーム管理システム100のアラーム通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS401~S403の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS401~S403の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0103】
第1に、アラーム管理装置10は、内部アラーム取得処理を実行する(ステップS401)。第2に、アラーム管理装置10は、内部アラーム送信処理を実行する(ステップS402)。第3に、オペレータ端末40は、内部アラーム表示処理を実行する(ステップS403)。
【0104】
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~7について説明する。
【0105】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、アラーム管理装置10は、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、同一の内容または類似する内容を示す内部属性とを対応付けて記憶し、機器からメッセージを受信した場合に、受信したメッセージに含まれる属性に対応付けられる内部属性を取得し、メッセージの属性を内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する。このため、本処理では、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0106】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、メッセージは、システムまたはシステムを構成するデバイスの異常を示すアラームであり、アラーム管理装置10は、システムを構成する各デバイスから出力されるアラームを収集する各ベンダの機器に対して、各ベンダによって設定される各アラームの属性と、各ベンダによって設定される各アラームの属性の統合させる内部属性とを対応付けて記憶し、各ベンダの機器のうちのいずれのベンダの機器からアラームを受信した場合も、受信したアラームの属性を内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する。このため、本処理では、発生したアラームについて、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0107】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、アラーム管理装置10は、機器の種別ごとに、各属性として各属性名と、内部属性として内部属性名とを対応付けて記憶し、機器からメッセージを受信した場合に、受信したメッセージに含まれる属性名に対応付けられる内部属性名を取得し、メッセージの属性名を内部属性名に変換した内部メッセージを生成して出力する。このため、本処理では、属性名を統合することによって、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0108】
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、アラーム管理装置10は、機器の種別ごとに、各属性として各属性型と、内部属性として内部属性型とを対応付けて記憶し、機器からメッセージを受信した場合に、受信したメッセージに含まれる属性型に対応付けられる内部属性型を取得し、メッセージの属性型を内部属性型に変換した内部メッセージを生成して出力する。このため、本処理では、属性型を統合することによって、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0109】
(4-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、アラーム管理装置10は、機器の種別ごとに、各属性として各属性値と、内部属性として内部属性値とを対応付けて記憶し、機器からメッセージを受信した場合に、受信したメッセージに含まれる属性値に対応付けられる内部属性値を取得し、メッセージの属性値を内部属性値に変換した内部メッセージを生成して出力する。このため、本処理では、属性値を統合することによって、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0110】
(4-6.効果6)
第6に、上述した実施形態に係る処理では、機器は、OPC UA、またはOPC Classicに準拠する。このため、本処理では、国際的な標準規格化が進むにつれて、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0111】
(4-7.効果7)
第7に、上述した実施形態に係る処理では、メッセージは、プラントを制御するプラント制御システムまたはプラント制御システムを構成するプラント機器の異常を示すアラームである。このため、本処理では、プラント制御システムにおいて、複数ベンダが存在する混在環境で発生するメッセージを効率的に出力することができる。
【0112】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0113】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0114】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0115】
〔ハードウェア〕
次に、アラーム管理装置であるアラーム管理装置10のハードウェア構成例を説明する。なお、他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。
図11は、実施形態に係るハードウェア構成例を説明する図である。
図11に示すように、アラーム管理装置10は、通信装置10a、ストレージ10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、
図11に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0116】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。ストレージ10bは、
図2に示した機能を動作させるプログラムやデータベースを記憶する。
【0117】
プロセッサ10dは、
図2に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをストレージ10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、
図2等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、アラーム管理装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、受付部13a、受信部13b、生成部13c、送信部13d等と同様の機能を有するプログラムをストレージ10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、受付部13a、受信部13b、生成部13c、送信部13d等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0118】
このように、アラーム管理装置10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、アラーム管理装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、アラーム管理装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0119】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【0120】
〔その他〕
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0121】
(1)メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて記憶する記憶部と、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する生成部と、を備える管理装置。
【0122】
(2)前記メッセージは、システムまたは前記システムを構成するデバイスの異常を示すアラームであり、前記記憶部は、前記システムを構成する各デバイスから出力される前記アラームを収集する各ベンダの機器に対して、前記各ベンダによって設定される各アラームの属性と、前記各ベンダによって設定される前記各アラームの属性の統合させる前記内部属性とを対応付けて記憶し、前記生成部は、前記各ベンダの機器のうちのいずれのベンダの機器から前記アラームを受信した場合も、受信した前記アラームの属性を前記内部属性に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、(1)に記載の管理装置。
【0123】
(3)前記記憶部は、前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性名と、前記内部属性として内部属性名とを対応付けて記憶し、前記生成部は、前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性名に対応付けられる前記内部属性名を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性名を前記内部属性名に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、(1)または(2)に記載の管理装置。
【0124】
(4)前記記憶部は、前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性型と、前記内部属性として内部属性型とを対応付けて記憶し、前記生成部は、前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性型に対応付けられる前記内部属性型を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性型を前記内部属性型に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の管理装置。
【0125】
(5)前記記憶部は、前記機器の種別ごとに、前記各属性として各属性値と、前記内部属性として内部属性値とを対応付けて記憶し、前記生成部は、前記機器から前記メッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性値に対応付けられる前記内部属性値を前記記憶部から取得し、前記メッセージの属性値を前記内部属性値に変換した前記内部メッセージを生成して出力する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の管理装置。
【0126】
(6)前記機器は、OPC UA、またはOPC Classicに準拠する、(1)~(5)のいずれか1つに記載の管理装置。
【0127】
(7)前記メッセージは、プラントを制御するプラント制御システムまたは前記プラント制御システムを構成するプラント機器の異常を示すアラームである、(1)~(6)のいずれか1つに記載の管理装置。
【0128】
(8)コンピュータが、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、処理を実行する管理方法。
【0129】
(9)コンピュータに、メッセージを出力する機器の種別ごとに、同一の内容または類似する内容を示すメッセージの各属性と、前記同一の内容または前記類似する内容を示す内部属性とを対応付けて保持し、前記機器からメッセージを受信した場合に、受信した前記メッセージに含まれる属性に対応付けられる前記内部属性を取得し、前記メッセージの属性を前記内部属性に変換した内部メッセージを生成して出力する、処理を実行させる管理プログラム。
【符号の説明】
【0130】
10 アラーム管理装置
11 通信部
12 記憶部
12a 属性名記憶部
12b 属性値記憶部
12c 内部アラーム記憶部
13 制御部
13a 受付部
13b 受信部
13c 生成部
13d 送信部
20 アラーム機器
30 エンジニア端末
31 入出力部
32 送受信部
33 通信部
40 オペレータ端末
41 入出力部
42 送受信部
43 通信部
100 アラーム管理システム