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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131688
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】動作特定装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/20 20220101AFI20240920BHJP
   G06T 7/593 20170101ALI20240920BHJP
   G06T 7/521 20170101ALI20240920BHJP
   G06V 10/141 20220101ALI20240920BHJP
   G06T 7/12 20170101ALI20240920BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240920BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20240920BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20240920BHJP
【FI】
G06V40/20
G06T7/593
G06T7/521
G06V10/141
G06T7/12
G06T7/00 350C
G06V10/82
G06T7/20 300A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042103
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 泰宏
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096BA18
5L096CA04
5L096CA05
5L096CA17
5L096DA02
5L096FA66
5L096FA69
5L096HA02
5L096HA11
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】人体を適切な位置に誘導することができる動作特定装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、動作特定装置は、照明と、カメラと、プロセッサと、を備える。照明は、所定の照射領域に所定の波長を有する可視光を照射する。カメラは、前記照射領域を含む撮影領域を撮影して撮影画像を取得する。プロセッサは、前記撮影画像に基づいて、前記撮影画像に写る人体の動作を特定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の照射領域に所定の波長を有する可視光を照射する照明と、
前記照射領域を含む撮影領域を撮影して撮影画像を取得するカメラと、
前記撮影画像に基づいて、前記撮影画像に写る人体の動作を特定するプロセッサと、
を備える動作特定装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記波長に基づいて前記撮影画像から前記人体が写る対象物領域を特定し、
前記対象物領域に含まれる画像に基づいて前記人体の動作を特定する、
請求項1に記載の動作特定装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記撮影画像に前記照射領域を含む有効領域を設定し、
前記有効領域に含まれる画像から前記対象物領域を特定する、
請求項2に記載の動作特定装置。
【請求項4】
前記人体を検知するセンサを備え、
前記プロセッサは、前記センサを用いて前記人体を検知すると前記照明をオンにする、
請求項1に記載の動作特定装置。
【請求項5】
前記人体は、手である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の動作特定装置。
【請求項6】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
照明に、所定の照射領域に所定の波長を有する可視光を照射させる機能と、
カメラから、前記照射領域を含む撮影領域を撮影した撮影画像を取得する機能と、
前記撮影画像に基づいて、前記撮影画像に写る人体の動作を特定する機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、動作特定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
手などの人体の一部を撮影して行われている人体の動作を特定する動作特定装置が提供されている。そのような動作特定装置には、人体を含む所定の領域を撮影して得られた画像から人体の動作を特定するものがある。
【0003】
動作特定装置は、撮影された人体の一部が適切な位置で撮影されない場合、人体の動作を適切に特定できないことがある。
従来、動作特定装置は、撮影するカメラに対して人体を適切な位置に誘導することができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-106388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、人体を撮影するカメラに対して適切な位置に誘導することができる動作特定装置及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、動作特定装置は、照明と、カメラと、プロセッサと、を備える。照明は、所定の照射領域に所定の波長を有する可視光を照射する。カメラは、前記照射領域を含む撮影領域を撮影して撮影画像を取得する。プロセッサは、前記撮影画像に基づいて、前記撮影画像に写る人体の動作を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る動作特定システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る動作特定装置のカメラと照明とを概略的に示す図である。
図3図3は、実施形態に係る動作特定装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る有効領域などの例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る対象物領域の例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る動作特定装置の動作例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る動作特定装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る動作特定システムは、ユーザの手洗いに関する手(人体)の動作を特定する。動作特定システムは、シンクなどにおいてユーザの手を撮影する。動作特定システムは、撮影された画像に基づいてユーザの手の動作を特定する。たとえば、動作判定システムは、手の動作として、洗う箇所(手の甲、指の間、親指など)などによって分類される手の状態を特定する。
【0009】
図1は、実施形態に係る動作特定システム100の構成例を概略的に示す。図1が示すように、動作特定システム100は、動作特定装置1及びシンク20などから構成される。
【0010】
シンク20は、ユーザPが手を洗う水槽である。シンク20は、凹んだ構造を有する。また、シンク20の底部には、排水溝が形成されている。
また、シンク20には、蛇口21が設置されている。蛇口21は、ユーザPが手を洗うための水を放出する。放出された水は、シンク20の排水溝から排出される。
【0011】
シンク20の上部には、動作特定装置1が設置されている。
動作特定装置1は、ユーザPの動作を特定する。ここでは、動作特定装置1は、手洗い中においてユーザPの手の動作を特定する。
【0012】
動作特定装置1は、カメラ3、深度センサ4及び照明6を備える。
カメラ3は、シンク20の上部に下向きで設置される。カメラ3は、シンク20で手洗いを行うユーザPの手を含む領域(撮影領域)を撮影する。カメラ3は、斜め上方から物品を撮影するように設置されてもよい。カメラ3が設置される位置及び向きは、特定の構成に限定されるものではない。カメラ3は、2次元の画像(撮影画像)を撮影する。カメラ3は、各ドットにおける色情報(RGB(Red Green Blue))を出力する。
【0013】
深度センサ4は、シンク20の上部に下向きで設置される。深度センサ4は、ユーザPの手を含む領域において距離を測定する。深度センサ4は、各点から深度センサ4までの距離まで距離を測定する。ここでは、深度センサ4は、ユーザの手の位置を検知するセンサとして機能する。
【0014】
深度センサ4は、測定結果に基づいて、所定の基準面(又は、所定の基準点)から各点までの距離を示す距離情報を生成する。たとえば、距離情報は、所定の三次元座標系における各点の座標を示すものであってもよい。
【0015】
たとえば、深度センサ4は、光源と光源から照射される光の反射光を検出するセンサとを備える。深度センサ4は、光源から照射される光(可視光又は不可視光)の反射光に基づいて距離を測定する。たとえば、深度センサ4は、照射された光が測定対象で反射し深度センサ4に届くまでの時間に基づいて当該測定対象との距離を測定するToF(Time-of-Flight)方式を行ってもよい。
【0016】
深度センサ4は、2つのカメラ(ステレオカメラ)が撮影した各画像の視差に基づいて距離を算出するものであってもよい。また、深度センサ4は、ドットパターンを投影しドットパターンの歪みから距離を測定するものであってもよい。
深度センサ4の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0017】
照明6は、環境光とは異なる波長構成の所定の波長(たとえば、RGBの何れか1つ又は2つ)を有する可視光(照射光)を照射する。照明6は、撮影領域に含まれる所定の領域(照射領域)に照射光を照射する。
【0018】
たとえば、照明6は、所定の波長を有する可視光を照射する光源から構成されるものであってもよい。また、照明6は、白色光を照射する光源と、所定の波長の光を透過又は遮断するフィルムと、から構成されるものであってもよい。また、照明6は、光源から照射された照射光を所定の照射領域に制限する笠などを備えるものであってもよい。
【0019】
図2は、カメラ3の撮影領域3aと照明6の照射領域6aとを示す。
図2が示すように、カメラ3は、ユーザPの手を上部から撮影する。即ち、カメラ3の撮影領域3aは、ユーザPの手を含む。
【0020】
また、照明6は、カメラ3の近傍に設置されている。照明6は、下方に向かって照射光を照射する。照明6の照射領域6aは、所定の範囲において撮影領域3aに含まれる。即ち、照射領域6aは、ユーザPの手の高さにおいて撮影領域3aに含まれる。
【0021】
次に、動作特定装置1の制御系について説明する。
図3は、動作特定装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。図3が示すように、動作特定装置1は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、カメラインターフェース15、深度センサインターフェース16、入出力インターフェース17、通信インターフェース18、照明インターフェース19、カメラ3、深度センサ4、入出力装置5及び照明6などを備える。
【0022】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、カメラインターフェース15、深度センサインターフェース16、入出力インターフェース17、通信インターフェース18及び照明インターフェース19とは、通信可能に接続する。カメラインターフェース15は、カメラ3と通信可能に接続する。深度センサインターフェース16は、深度センサ4と通信可能に接続する。入出力インターフェース17は、入出力装置5と通信可能に接続する。照明インターフェース19は、照明6と通信可能に接続する。
カメラ3、深度センサ4及び照明6は、前述の通りである。
【0023】
入出力装置5は、オペレータからの指示の入力を受け付け、オペレータに種々の情報を表示するインターフェースである。入出力装置5は、指示の入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とから構成される。
【0024】
入出力装置5は、操作部の動作として、オペレータから受け付けた操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部は、タッチパネルから構成される。なお、操作部は、キーボード又はテンキーを備えてもよい。
【0025】
入出力装置5は、表示部の動作として、プロセッサ11からの画像を表示する。たとえば、表示部は、液晶モニタから構成される。表示部は、操作部としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0026】
プロセッサ11は、動作特定装置1全体の動作を制御する。即ち、プロセッサ11は、動作特定装置1全体の動作を制御する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部キャッシュ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0027】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0028】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、動作特定装置1の仕様に応じて予め組み込まれる。ROM12は、たとえば、動作特定装置1の回路基板を制御するプログラムなどを格納する。
【0029】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0030】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、動作特定装置1の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0031】
カメラインターフェース15は、カメラ3とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、カメラインターフェース15は、プロセッサ11の制御に基づいて、カメラ3に撮影を指示する信号を送信する。また、カメラインターフェース15は、カメラ3から撮影で得られた撮影画像を取得する。たとえば、カメラインターフェース15は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートするものであってもよいし、カメラリンクによる接続をサポートするものでもよい。
【0032】
深度センサインターフェース16は、深度センサ4とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、深度センサインターフェース16は、プロセッサ11の制御に基づいて、深度センサ4に距離情報を取得させる信号を送信する。また、深度センサインターフェース16は、深度センサ4から、距離情報を取得する。深度センサインターフェース16は、取得した距離情報をプロセッサ11に送信する。たとえば、深度センサインターフェース16は、USB接続をサポートするものであってもよい。
【0033】
入出力インターフェース17は、入出力装置5とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、入出力インターフェース17は、オペレータから受け付けた操作を示す信号を入出力装置5から受信する。入出力インターフェース17は、受信した信号をプロセッサ11に送信する。また、入出力インターフェース17は、プロセッサ11の制御に基づいて、オペレータに表示する画面を示す情報を入出力装置5に送信する。たとえば、入出力インターフェース17は、USB接続をサポートするものであってもよいし、パラレルインターフェースによる接続をサポートするものでもよい。
【0034】
通信インターフェース18は、外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。通信インターフェース18は、ネットワークなどを介して外部装置に接続する。たとえば、通信インターフェース18は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0035】
照明インターフェース19は、照明6とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、照明インターフェース19は、プロセッサ11からの制御に従って照明6をオンオフ制御する。また、照明インターフェース19は、照明6に電力を供給するものであってもよい。たとえば、照明インターフェース19は、USB接続をサポートするものであってもよいし、パラレルインターフェースによる接続をサポートするものでもよい。
【0036】
なお、カメラインターフェース15、深度センサインターフェース16、入出力インターフェース17、通信インターフェース18及び照明インターフェース19(又はそれらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0037】
また、動作特定装置1は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、動作特定装置1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
たとえば、動作特定装置1は、PC、タブレットPC又はスマートフォンなどである。
【0038】
次に、動作特定装置1が実現する機能について説明する。動作特定装置1が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0039】
まず、プロセッサ11は、ユーザの手を検知すると照明6をオンにする機能を有する。
ここでは、照明6は、オフになっているものとする。
【0040】
プロセッサ11は、深度センサインターフェース16を通じて距離情報を深度センサ4から取得する。距離情報を取得すると、プロセッサ11は、距離情報に基づいてユーザの手を検知したかを判定する。たとえば、プロセッサ11は、距離情報に基づいて所定の空間(たとえば、シンク20付近の空間)に物体を検知したかを判定する。
【0041】
手を検知したと判定すると、プロセッサ11は、照明インターフェース19を通じて照明6をオンにする。
【0042】
なお、プロセッサ11は、照明6をオンにすると、照射領域6aに手を差し込むように指示する画面を入出力装置5に表示してもよい。
【0043】
また、プロセッサ11は、ユーザPの手を含む撮影画像を取得する機能を有する。
ユーザの手を検知したと判定すると、プロセッサ11は、カメラインターフェース15を通じて撮影画像をカメラ3から取得する。なお、プロセッサ11は、ユーザの手を検知してから継続的に撮影画像を取得するものであってもよい。
【0044】
また、プロセッサ11は、撮影画像においてユーザの手の動作が特定される有効領域を設定する機能を有する。
【0045】
たとえば、撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、入出力装置5などを通じて有効領域の設定を開始する操作を入力する。当該操作を入力すると、プロセッサ11は、撮影画像を入出力装置5に表示する。
【0046】
図4は、プロセッサ11が有効領域を設定する動作例を示す。図4は、入出力装置5が表示する撮影画像31を示す。撮影画像31には、ユーザPと、撮影画像31における照射領域6aと、が写る。
【0047】
プロセッサ11は、撮影画像31を表示した状態で有効領域32に入力を受け付ける。たとえば、プロセッサ11は、入出力装置5へのタップ操作を通じて、有効領域32の頂点を入力する。ここでは、有効領域32は、四角形である。
【0048】
有効領域32の頂点を入力すると、プロセッサ11は、各頂点の座標を取得する。各頂点の座標を取得すると、プロセッサ11は、有効領域を示す情報として各頂点の座標をNVM14に格納する。
【0049】
図4が示すように、有効領域32は、撮影画像31における照射領域6aを含むものとする。なお、ユーザは、有効領域32を設定した後に、設定された有効領域32に含まれるように照射領域6aを調整するものであってもよい。
【0050】
また、プロセッサ11は、撮影画像を取得する前に、有効領域の設定を開始する操作を入力してもよい。たとえば、プロセッサ11は、当該操作を入力した後に撮影画像を取得する。撮影画像31を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像31を入出力装置5に表示して有効領域32を設定する。
【0051】
また、プロセッサ11は、撮影画像からユーザPの手が写る領域(対象物領域)を特定する機能を有する。
【0052】
ここでは、プロセッサ11は、有効領域32を設定しているものとする。また、プロセッサ11は、撮影画像31を取得したものとする。
【0053】
撮影画像31を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像31から有効領域32に含まれる画像を抽出する。有効領域32に含まれる画像を抽出すると、プロセッサ11は、当該画像から手が写る対象物領域を抽出する。
【0054】
ここでは、プロセッサ11は、照射光の波長に基づいて、照射領域6aにおいて対象物領域を抽出する。たとえば、プロセッサ11は、抽出された画像において照射光が反射した反射光(照射光の波長と同様の波長の光)の勾配を抽出する。反射光の勾配を抽出すると、プロセッサ11は、反射光の勾配に基づいてエッジを検出する。エッジを検出すると、プロセッサ11は、検出されたエッジに基づいて対象物領域を特定する。
【0055】
図5は、対象物領域Hの例を示す。図5は、有効領域32に含まれる画像を示す。また、対象物領域H以外の領域は、除去されている。図5が示すように、プロセッサ11は、対象物領域Hとして、照射領域6aにおいてユーザPの手が写る領域を特定する。
【0056】
また、プロセッサ11は、対象物領域Hに含まれる画像に基づいて、ユーザPの手の動作を特定する機能を有する。
【0057】
対象物領域Hを特定すると、プロセッサ11は、撮影画像から対象物領域Hに含まれる画像を取得する。対象物領域Hに含まれる画像を取得すると、プロセッサ11は、取得された画像に基づいてユーザPの動作を推定する。
【0058】
ここでは、プロセッサ11は、手洗いに関して分類される手の状態を特定する。たとえば、プロセッサ11は、洗う箇所(手の甲、指の間、親指など)によって分類される手の状態を特定する。
【0059】
たとえば、NVM14は、画像を入力すると手の動作を出力するモデル(たとえば、深層学習によって生成されたネットワークなど)を予め格納する。プロセッサ11は、NVM14が格納するモデルに取得された画像を入力することで手の形状を特定する。
【0060】
また、プロセッサ11は、取得された画像から特徴量を抽出するものであってもよい。プロセッサ11は、抽出された特徴量に基づいて手の動作を特定するものであってもよい。
【0061】
なお、プロセッサ11は、手の動作として、手の姿勢、手首の角度、各指の各関節の角度などを特定するものであってもよい。プロセッサ11が特定する手の動作の内容は、特定の構成に限定されるものではない。
【0062】
手の動作を特定すると、プロセッサ11は、手の動作を示す情報(特定結果)をNVM14に格納する。また、プロセッサ11は、手の動作を示す情報を時系列で取得することで、ユーザPの手洗いが所定の手順で行われたかを判定するものであってもよい。
【0063】
また、プロセッサ11は、通信インターフェース18を通じて、手の動作を示す情報を外部装置に送信するものであってもよい。
【0064】
次に、動作特定装置1の動作例について説明する。
まず、動作特定装置1が有効領域32を設定する動作例について説明する。
図6は、動作特定装置1が有効領域32を設定する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0065】
まず、動作特定装置1のプロセッサ11は、距離情報に基づいて手を検知したかを判定する(S11)。手を検知していないと判定すると(S11、NO)、プロセッサ11は、S11に戻る。
【0066】
手を検知したと判定すると(S11、YES)、プロセッサ11は、照明インターフェース19を通じて照明6をオンにする(S12)。照明6をオンにすると、プロセッサ11は、カメラインターフェース15を通じて撮影画像をカメラ3から取得する(S13)。
【0067】
撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、入出力装置5に撮影画像を表示して、入出力装置5を通じて有効領域の頂点を入力する(S14)。有効領域の頂点を入力すると、プロセッサ11は、入力された各頂点の座標を取得する(S15)。
【0068】
各頂点の座標を取得すると、プロセッサ11は、有効領域を示す情報として各頂点の座標をNVM14に格納する(S16)。
有効領域を示す情報として各頂点の座標をNVM14に格納すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0069】
次に、動作特定装置1が手の動作を特定する動作例について説明する。
図7は、動作特定装置1が手の動作を特定する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0070】
まず、動作特定装置1のプロセッサ11は、距離情報に基づいて手を検知したかを判定する(S21)。手を検知していないと判定すると(S21、NO)、プロセッサ11は、S21に戻る。
【0071】
手を検知したと判定すると(S21、YES)、プロセッサ11は、照明インターフェース19を通じて照明6をオンにする(S22)。照明6をオンにすると、プロセッサ11は、カメラインターフェース15を通じて撮影画像をカメラ3から取得する(S23)。
【0072】
撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、撮影画像から有効領域に含まれる画像を取得する(S24)。有効領域に含まれる画像を取得すると、プロセッサ11は、取得された画像からユーザの手が写る対象物領域を特定する(S25)。
【0073】
対象物領域を特定すると、プロセッサ11は、対象物領域に含まれる画像に基づいて手の動作を特定する(S26)。手の動作を特定すると、プロセッサ11は、特定結果をNVM14に格納する(S27)。
特定結果をNVM14に格納すると、プロセッサ11は、手の動作特定を終了するかを判定する(S28)。たとえば、プロセッサ11は、有効領域から手が退避した場合、手の動作特定を終了すると判定する。また、プロセッサ11は、入出力装置5を通じて手の動作特定を終了する操作を入力してもよい。
【0074】
手の動作特定を終了しないと判定すると(S28、NO)、プロセッサ11は、S23に戻る。
【0075】
手の動作特定を終了すると判定すると(S28、YES)、プロセッサ11は、動作を終了する。ここで、プロセッサ11は、照明6をオフにしてもよい。
【0076】
なお、プロセッサ11は、撮影画像における全波長の光の勾配に基づいて対象物領域を特定してもよい。
また、プロセッサ11は、対象物領域を特定しなくともよい。この場合、プロセッサ11は、有効領域に含まれる画像又は撮影画像に基づいて手の動作を特定してもよい。
【0077】
また、プロセッサ11は、撮影画像に基づいてユーザの手を検知してもよい。この場合、動作特定装置1は、深度センサ4を備えなくともよい。
【0078】
上述の説明では、動作特定装置1は、人体の手を対象物としているが、対象物はこれに限らない。動作特定装置1は、ユーザPの手以外の動作を特定するものであってもよい。たとえば、動作特定装置1は、ユーザPの体勢(立つ、座るなど)を特定するものであってもよい。
【0079】
以上のように構成された動作特定システムは、撮影画像における有効領域に照射領域が含まれるような照明を有する。照明は、所定の波長を有する可視光を照射する。その結果、動作特定システムは、ユーザの手を適切な位置(即ち、照射領域)に誘導することができる。そのため、動作特定システムは、撮影画像の有効領域にユーザの手を収めることができる。よって、動作特定システムは、ユーザの手の動作を効果的に特定することができる。
【0080】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…動作特定装置、3…カメラ、3a…撮影領域、4…深度センサ、5…入出力装置、6…照明、6a…照射領域、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…カメラインターフェース、16…深度センサインターフェース、17…入出力インターフェース、18…通信インターフェース、19…照明インターフェース、20…シンク、21…蛇口、31…撮影画像、32…有効領域、100…動作特定システム、H…対象物領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7