(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131694
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】レンタルシステム、レンタル方法、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042113
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】519299522
【氏名又は名称】株式会社brista
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】高橋 瑞季
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 智恵美
(72)【発明者】
【氏名】竹山 しのぶ
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品のレンタルにおいて、物品の品揃えを充実させつつ、レンタル用物品の在庫リスクを低減する。
【解決手段】レンタルシステム1は、物品を販売する販売者が有する販売者端末(メーカー端末20)と、物品をレンタルするユーザが有するユーザ端末10と、販売者端末及びユーザ端末と通信可能なサーバ30と、を備える。サーバは、販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品記憶部と、ユーザ端末からのリクエストに応じて、物品の情報を当該ユーザ端末に提供する提供部と、ユーザ端末から物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付部と、レンタルの申し込みを受け付けた場合に、販売者端末に対して発注情報を送信する発注部と、レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶部と、を備える。発注情報は、申し込み対象の物品をユーザに送付するための送付先情報及び当該物品の情報を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を販売する販売者が有する販売者端末と、
前記物品をレンタルするユーザが有するユーザ端末と、
前記販売者端末およびユーザ端末と通信可能なサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品記憶部と、
前記ユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に提供する提供部と、
前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付部と、
前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注部と、
前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶部と、
を備え、
前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする、物品のレンタルシステム。
【請求項2】
販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品情報記憶部と、
前記物品をレンタルするユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に提供する提供部と、
前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付部と、
前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注部と、
前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶部と、
を備え、
前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする、サーバ。
【請求項3】
販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品情報記憶ステップ、
前記物品をレンタルするユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に提供する提供ステップ、
前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付ステップ、
前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注ステップ、
前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶ステップ、
を含み、
前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする、物品のレンタル方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のレンタルシステム、レンタル方法、及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣類は、主として、店舗やオンラインショップにおいて販売されて消費者に流通するものであったが、近年、衣類をレンタルするという新たなサービスが登場している。衣類のレンタルサービスは、レンタル事業者が、生産者であるアパレルメーカーから予め衣類を購入しておき、在庫として管理している衣類をユーザの申し込みに応じて、一定期間、ユーザに貸し出すというサービスである。このような衣類のレンタルサービスに関する情報処理システムが特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理システムは、レンタル用衣類の新規入荷工程、貸出工程、及び返却工程の各工程において、RFIDタグを用いた衣類管理を実施するシステムである。具体的には、新規入荷工程では、新たに入荷された全てのレンタル用衣類にRFIDタグが取り付けられ、取り付けられたRFIDタグのタグ情報がタグリーダに読み取られる。読み取られたタグ情報は衣類の情報と対応付けられてサーバにおいて在庫衣類として管理される。貸出工程では、貸し出される衣類に付されたRFIDタグのタグ情報がタグリーダによって読み取られることで、当該衣類が貸出中の衣類として管理される。返却工程では、返却された衣類に付されたRFIDタグのタグ情報がタグリーダによって読み取られ、当該衣類が返却済みとして管理される。
【0004】
上記特許文献1の情報処理システムによれば、各工程に配置されたタグリーダによって衣類のタグ情報が読み取られ、当該タグ情報がサーバに送信される。サーバは、各工程において受信したタグ情報に基づいて、衣類の新規入荷、貸出、及び返却を管理することができるので、機械的に衣類のレンタル状況を管理することができるとともに、衣類の在庫をリアルタイムで把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、衣類の選択には、個人の好みが大きく反映されるので、レンタル事業者は様々なユーザの好みに対応すべく、レンタル用衣類の品揃えを充実させる必要がある。しかしながら、上記情報処理システムでは、全てのレンタル用衣類にRFIDタグを付して管理するため、レンタル用衣類の新規入荷時にRFIDタグを付与し、そのタグ情報をサーバに登録するという工程が必要になる。すなわち、レンタル事業者は、レンタル用衣類をアパレルメーカーから購入して所有しなければならない。その結果、需要の低い衣類は在庫として残り続け、利益を生み出しにくいという在庫リスクが生じる。このように、レンタル用衣類の品揃えを充実させるためにはある程度の在庫リスクを許容する必要があった。このような必要性は衣類に限られず、帽子、カバン、靴、アクセサリ、雑貨などの物品全般に関して生じるものである
【0007】
そこで、本発明は、レンタル用物品の品揃えを充実させつつ、在庫リスクを低減したレンタルシステム、レンタル方法、及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のレンタルシステムは、物品を販売する販売者が有する販売者端末と、物品をレンタルするユーザが有するユーザ端末と、前記販売者端末およびユーザ端末と通信可能なサーバと、を備え、前記サーバは、前記販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品記憶部と、前記ユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に送信する物品情報送信部と、前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付部と、前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注情報送信部と、前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶部と、を備え、前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のサーバは、販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品情報記憶部と、物品をレンタルするユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に送信する物品情報送信部と、前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付部と、前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注情報送信部と、前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶部と、を備え、前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のレンタル方法は、販売者が在庫として有している物品の情報を記憶する在庫物品情報記憶ステップ、物品をレンタルするユーザ端末からのリクエストに応じて、前記物品の情報を当該ユーザ端末に送信する物品情報送信ステップ、前記ユーザ端末から前記物品のレンタルの申し込みを受け付ける受付ステップ、前記レンタルの申し込みを受け付けた場合に、前記販売者端末に対して発注情報を送信する発注情報送信ステップ、前記レンタルに関する情報を記憶するレンタル情報記憶ステップ、を含み、前記発注情報は、前記申し込み対象の物品を前記ユーザに送付するための送付先情報、及び当該物品の情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レンタル用物品の品揃えを充実させつつ、レンタル用物品の在庫リスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るレンタルシステムの概略図
【
図2】上記レンタルシステムが有するサーバのハードウェア構成図
【
図3】(a)上記サーバのデータベースに格納されたメーカーマスタテーブル、(b)対象衣類マスタテーブル、(c)料金テーブル、(d)ユーザマスタテーブル、(e)メーカー在庫管理テーブル、(f)レンタル管理テーブルの例を示す図
【
図4】上記レンタルシステムにおけるレンタルのフローを示す図
【
図5】レンタル対象衣類のリスト表示の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る衣類のレンタルシステム、サーバ、及びレンタル方法を説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るレンタルシステム1は、衣類を顧客(以下、「ユーザ」という。)にレンタルするサービスにおいて用いられるクライアントサーバ型システムであって、衣類をレンタルするユーザが使用するユーザ端末10と、アパレルメーカーが使用するメーカー端末20と、インターネット通信回線を介してユーザ端末10およびメーカー端末20と通信可能なサーバ30と、を備える。
【0015】
ユーザ端末10は、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス、又はパソコンなどの情報処理端末であって、公知のハードウェアを備えている。具体的には、情報処理端末は、情報を表示する表示部として機能するディスプレイと、テキスト情報や座標情報を入力する入力部として機能するタッチパネル又はキーボードやマウスと、インターネット通信回線を介したネットワーク通信を行う通信部として機能するネットワークモジュールと、を備えている。また、情報処理端末は、プログラムを実行することで表示部、入力部、通信部を制御し、プログラムに定められた演算処理を実行する処理部として機能するCPUと、当該プログラム等を記憶する記憶部として機能するメモリと、を備えている。なお、
図1には1台のユーザ端末10のみが示されているが、ユーザ端末10は1台に限定されない。すなわち、本レンタルシステム1を利用する全てのユーザの数と同程度の数のユーザ端末10が存在する。
【0016】
メーカー端末20は、本レンタルシステム1を利用するアパレルメーカーが所有する情報処理端末であって、ユーザ端末10と同様に、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス、又はパソコンなどである。当該メーカー端末20は、上記ユーザ端末10と同様のハードウェア構成を備えている。
【0017】
サーバ30は、レンタル事業者が運営する、本レンタルシステム1の中核となる情報処理装置であって、
図2に示すように、インターネット通信回線を介してユーザ端末10やメーカー端末20とネットワーク通信を行う通信部として機能するネットワークモジュール31を備えている。また、サーバ30は、プログラムを実行することで衣類のレンタルに関する処理を実行する処理部として機能するCPU32と、プログラムなどを記憶するメモリ33と、衣類のレンタルに関する情報を記憶する記憶部として機能するデータベース34と、を備えている。以下、データベース34に記憶される各種情報について説明する。
【0018】
図3に示すように、データベース34には、メーカーマスタテーブル、レンタル対象衣類のマスタテーブル、料金テーブル、ユーザマスタテーブル、メーカー在庫管理テーブル、及びレンタル管理テーブルが設けられている。
【0019】
メーカーマスタテーブル(以下、「メーカーマスタ」という。)は、本レンタルシステム1を利用するアパレルメーカーに関する情報(以下「メーカー情報」ともいう。)を記憶するメーカー情報記憶部として機能するテーブルであって、メーカー識別情報フィールド、名称フィールド、住所フィールド、連絡先フィールド、及びパスワードフィールドが設けられている。メーカー識別情報フィールドは、本レンタルシステム1を利用する複数のアパレルメーカーの各々を識別するための情報(メーカー識別情報)が登録されるフィールドである。名称フィールドは、アパレルメーカーの名称が登録されるフィールドである。住所フィールドは、アパレルメーカーの住所が登録されるフィールドである。連絡先フィールドは、アパレルメーカーにおける担当者の電話番号等が登録されるフィールドである。パスワードフィールドは、本レンタルシステム1にログインするためのパスワードが登録されるフィールドである。
【0020】
レンタル対象衣類のマスタテーブル(以下「対象衣類マスタ」という。)は、本レンタルシステム1によってレンタルされる衣類に関する基本情報(以下、「衣類基本情報」ともいう。)を記憶するレンタル対象の衣類基本情報記憶部として機能するテーブルであって、衣類識別情報フィールド、衣類型番フィールド、メーカー識別情報フィールド、カテゴリーフィールド、名称フィールド、色フィールド、各種サイズに関するフィールド、衣類の説明フィールド、及び画像アドレスフィールドを備えている。衣類識別情報フィールドは、本レンタルシステム1において取り扱われる商品である衣類の各々を識別するための情報(衣類識別情報)が登録されるフィールドである。衣類型番フィールドは、アパレルメーカーにおいて衣類を管理するために各衣類に対して付与された型番に関する情報が登録されるフィールドである。メーカー識別情報フィールドは、衣類の製造元であるアパレルメーカーのメーカー識別情報が登録されるフィールドである。カテゴリーフィールドは、当該衣類のカテゴリーに関する情報が登録されるフィールドである。当該カテゴリーに関する情報は、例えば、アウター、トップス、ズボンといった上位概念情報と、パーカー、シャツ、セータといった中位概念情報と、を含み、それぞれ別のフィールドに登録される。名称フィールドは、衣類の名称が登録されるフィールドである。色フィールドは、当該衣類の色に関する情報が登録されるフィールドである。色に関する情報とは、例えば、白、黒、青系、赤系、その他などの情報や、メーカーによって定められた色番号や色名に関する情報である。各種サイズに関するフィールドは、当該衣類についての取扱サイズに関する情報が登録されるフィールドであり、例えば、Sサイズフィールド、Mサイズフィールド、Lサイズフィールド、及びXLサイズフィールドが設けられており、取り扱いのあるサイズについてはフラグがセットされる。なお、サイズに関するフィールドは、衣類のサイズを指標する数値が登録されても構わない。衣類の説明フィールドは、衣類の説明が登録されるフィールドである。画像アドレスフィールドは、衣類の画像が格納されている格納領域へのアドレスが登録されるフィールドである。また、衣類基本情報には、当該衣類のブランド名、素材、品質、衣類の販売価格、衣類の仕入価格などが含まれても構わない。これらの情報が含まれる場合には、ブランド名が登録されるブランド名フィールド、素材が登録される素材フィールド、品質が登録される品質フィールド、販売価格が登録される販売価格フィールド、仕入価格が登録される仕入価格フィールドが対象衣類マスタに設けられる。
【0021】
料金テーブルは、各衣類のレンタル料金を記憶する料金記憶部として機能するテーブルであり、衣類識別情報が登録される衣類識別情報フィールド、及びレンタル料金が登録されるレンタル料金フィールドを備えている。
【0022】
ユーザマスタテーブル(以下、「ユーザマスタ」という。)は、本レンタルシステム1を利用するユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」ともいう。)を記憶するユーザ情報記憶部として機能するテーブルであり、ユーザ識別情報フィールド、氏名フィールド、郵便番号フィールド、住所フィールド、連絡先フィールド、及びログインパスワードフィルドを備えている。ユーザ識別情報フィールドは、本レンタルシステム1を利用するユーザを互いに識別するための識別情報が登録されるフィールドであり、本実施形態ではユーザ識別情報としてユーザのメールアドレスが登録されている。氏名フィールドは、ユーザの氏名が登録されるフィールドである。郵便番号フィールドは、ユーザの住所に対応する郵便番号が登録されるフィールドである。住所フィールドは、ユーザの住所が登録されるフィールドである。連絡先フィールドは、ユーザの連絡先である電話番号が登録されるフィールドである。ログインパスワードフィールドは、ユーザが本レンタルシステム1に対してログインする際に用いられるパスワードが登録されるフィールドである。
【0023】
メーカー在庫管理テーブルは、メーカーが在庫衣類として管理している衣類の情報(以下、「在庫衣類情報」ともいう。)を記憶する在庫衣類記憶部として機能するテーブルであり、衣類型番フィールド、サイズフィールド、色フィールド、在庫数フィールド、販売者識別情報フィールド、及び承認フィールドを備えている。衣類型番フィールドは、在庫管理されている衣類の型番が登録されるフィールドである。サイズフィールドは、在庫管理されている衣類のサイズが登録されるフィールドである。色フィールドは、在庫管理されている衣類の色が登録されるフィールドである。在庫数フィールドは、在庫管理されている衣類の数が登録されるフィールドである。販売者識別情報フィールドは、衣類の販売者であるアパレルメーカーのメーカー識別情報が登録されるフィールドである。承認フィールドは、登録された在庫衣類情報がレンタル事業者によって承認されたか否かを指標するフラグが登録されるフィールドである。
【0024】
レンタル管理テーブルは、衣類のレンタル契約に関する情報(以下、「レンタル情報」ともいう。)を記憶するレンタル情報記憶部として機能するテーブルであり、衣類識別情報フィールド、ユーザ識別情報フィールド、サイズフィールド、申込日フィールド、発送日フィールド、返却予定日フィールド、及び返却日フィールドを備えている。衣類識別情報フィールドは、レンタル取引の対象となる衣類の衣類識別情報が登録されるフィールドである。ユーザ識別情報フィールドは、レンタル取引の当事者(レンタルの申込みを行ったユーザ)のユーザ識別情報が登録されるフィールドである。サイズフィールドは、レンタル取引の取引対象である衣類のサイズを登録するフィールドである。申込日フィールドは、レンタルの申込日が登録されるフィールドである。発送日フィールドは、メーカーからユーザに対するレンタル対象衣類の発送日が登録されるフィールドである。返却予定日フィールドは、ユーザからレンタル事業者に対するレンタル対象衣類の返却予定日が登録されるフィールドである。返却日フィールドは、ユーザからレンタル事業者に対するレンタル対象衣類の返却日が登録されるフィールドである。
【0025】
上記メーカーマスタにおけるメーカー情報は、アパレルメーカーが本レンタルシステム1の利用を開始する際に実施される利用申請処理において登録される。具体的には、新規メーカー端末20がサーバ30にアクセスした場合に、サーバ30は、メーカー端末20に対して登録フォームを提供する。メーカー端末20は、担当者によって入力されたメーカー情報をフォーム情報としてサーバ30に送信する。サーバ30のCPU32は、メーカーマスタにレコードを追加し、受信したフォーム情報に含まれるメーカー情報を追加レコードに登録する。
【0026】
上記対象衣類マスタにおける衣類基本情報は、アパレルメーカーから提供された衣類基本情報に基づいて実行される衣類追加登録処理により登録される。衣類追加登録処理は、例えば、本レンタル事業者の管理者が、管理者端末(不図示)を用いてサーバ30にアクセスすると、サーバ30は管理者端末に対して新規取扱衣類の登録フォームを提供する。管理者端末は、管理者によって入力された衣類基本情報をフォーム情報としてサーバ30に送信する。サーバ30のCPU32は、対象衣類マスタにレコードを追加し、受信したフォーム情報に含まれる衣類基本情報を追加レコードに登録する。なお、アパレルメーカーから複数の衣類基本情報が提供された場合には、上記の各処理を衣類基本情報ごとに実行してもよいし、複数の衣類基本情報を所定フォーマットのファイル形式に整えて、サーバ30にアップロードすることにより一括して複数の衣類基本情報を登録しても構わない。また、衣類基本情報の登録は、アパレルメーカーの担当者によって登録されても構わない。
【0027】
料金テーブルに登録されるレンタル料金は、料金登録処理によって登録される。当該料金登録処理は、例えば、本レンタル事業者の管理者が、管理端末を用いてサーバ30にアクセスすると、サーバ30は管理者端末に対して、料金の登録フォームを提供する。管理者端末は、管理者によって特定された衣類の衣類識別情報と、管理者によって入力されたレンタル料金をフォーム情報としてサーバ30に送信する。サーバ30のCPU32は、料金テーブルにレコードを追加し、受信したフォーム情報に含まれる衣類識別情報とレンタル料金を追加レコードに登録する。なお、レンタル料金の登録は、アパレルメーカーの担当者によって登録されても構わない。このようにアパレルメーカーの担当者によってレンタル料金が登録された場合には、レンタル事業者によって登録された料金の適否が承認され、料金が承認された衣類が後述の提示処理(s20)においてユーザに提示されることとなる。
【0028】
上記ユーザマスタにおけるユーザ情報は、ユーザが本レンタルシステム1の利用を開始する際に実施される利用申請処理において登録される。例えば、新規ユーザ端末10がサーバ30にアクセスした場合に、サーバ30は、ユーザ端末10に対して登録フォームを提供する。ユーザ端末10は、ユーザによって入力されたユーザ情報をフォーム情報としてサーバ30に送信する。サーバ30のCPU32は、ユーザマスタにレコードを追加し、受信したフォーム情報に含まれるユーザ情報を追加レコードに登録する。
【0029】
上記メーカー在庫管理テーブルにおける在庫衣類情報は、例えば、アパレルメーカーから送信された在庫情報に基づく在庫登録処理において登録される。具体的には、メーカー端末20がサーバ30にアクセスした場合に、サーバ30は、メーカー端末20に対して在庫登録フォームを提供する。メーカー端末20は、担当者によって入力された在庫衣類情報をフォーム情報としてサーバ30に送信する。サーバ30のCPU32は、在庫衣類情報に含まれる衣類型番、サイズ、色、及び/又は販売者識別情報に対応するレコードを検索し、検索されたレコードに含まれる在庫数を在庫衣類情報に基づいて更新する。なお、上記検索において対応するレコードが存在しない場合には、サーバ30のCPU32は新たにレコードを追加し、在庫衣類情報を追加レコードに登録する。また、在庫数は、レンタルシステム1の管理者によって変更されても構わない。また、在庫衣類情報が登録されると、登録された在庫衣類情報の適否がレンタル事業者によって判断され、商品フィールドにフラグがセットされる。
【0030】
上記レンタル管理テーブルにおけるレンタル情報は、レンタル処理において登録される。以下、
図1及び
図4を参照しながらレンタル処理を説明する。レンタル処理は、ユーザ端末10によるログイン(s10)により開始され、提示処理(s20)、レンタル取引処理(s30)、登録処理(s40)、発注処理(s50)、発送処理(s60)、及び在庫更新処理(s70)の順に実行される。
【0031】
提示処理(s20)は、レンタル可能な衣類を提示する処理であり、下記の順に処理が実行される。
(1)先ず、サーバ30のCPU32が、ネットワークモジュールを制御することでインターネット通信回線を介して、ログイン元のユーザ端末10に対して検索フォームを提供する(s21)。当該検索フォームは、例えば、アパレルメーカー、カテゴリー、色、及び/又はサイズなどの検索条件を指定することができるフォームである。ユーザ端末10のCPUは、当該検索フォームを受信すると、検索条件指定処理(s22)を実行する。
(2)検索条件指定処理(s22)では、ユーザ端末10のCPUが、ディスプレイに検索フォームを表示させ、ユーザによる検索条件の入力を受け付ける。そして、ユーザ端末10のCPUは、ネットワークモジュールを制御してインターネット通信回線を介して、入力された検索条件をサーバ30に対して送信する。このようにユーザ端末10のCPUは、検索条件を送信する検索条件送信部として機能する。
(3)サーバ30のCPU32は、検索条件を受信すると検索処理(s23)を実行する。検索処理(s23)では、受信した検索条件に対応する在庫衣類情報が承認済みか否かを判断し、承認されている場合には当該在庫衣類情報をメーカー在庫管理テーブルから抽出し、抽出した各在庫衣類情報の衣類型番に基づいて衣類基本情報を対象衣類マスタから抽出する。また、抽出した衣類基本情報に含まれる画像アドレスに基づいて衣類の画像を抽出する。そして、サーバ30のCPU32は、抽出した在庫衣類情報、衣類基本情報、及び衣類の画像に基づいて、例えば
図5に示されるようなレンタル可能な衣類のリスト(「レンタル衣類リスト」という。)を生成する。サーバ30のCPU32は、生成したレンタル衣類リストを検索結果として上記ユーザ端末10へと送信する(s24)。このようにサーバ30のCPU32は、レンタル可能な衣類の情報を提供する提供部として機能する。
【0032】
上記提供処理(s20)に次いでレンタル取引処理(s30)が実行される。レンタル取引処理(s30)は、衣類のレンタルの取り引きを行う処理であり、下記の順に処理が実行される。
(1)ユーザ端末10のCPUは、サーバ30からレンタル衣類リストを受信すると、受信したレンタル衣類リストをディスプレイに表示させる表示処理(s31)を実行する。なお、当該表示処理(s31)は、上記レンタル衣類リストの表示に加えて、レンタル衣類リストの中から選択された衣類の詳細な衣類情報を表示する処理を行っても構わない。このように、ユーザ端末10は、レンタル衣類リストを表示するリスト表示部として機能する。
(2)次に、ユーザ端末10のCPUは申込処理(s32)を実行する。申込処理(s32)では、先ず、衣類及びそのサイズをユーザに選択させる選択処理を実行する。ここで、選択された衣類の衣類識別情報およびサイズは、一旦、メモリに記憶される。次に、レンタル期間、及びレンタル開始日などのレンタル条件をユーザに入力させる入力処理を実行する。ここで、入力されたレンタル期間、及びレンタル開始日は、上記衣類識別情報及びサイズに対応付けてメモリに格納される。そして、メモリに記憶されたこれらの情報にユーザ識別情報を対応付けた申込情報を生成し、当該申込情報をサーバ30に送信する申込処理(s32)を実行する。このように、ユーザ端末10のCPUは、衣類のレンタルを申し込む申込部として機能する。
(3)サーバ30のCPU32は、衣類のレンタルを受け付ける。具体的には、サーバ30のCPU32は、申込情報を受信すると、受信した申込情報に基づいてレンタル取引情報を生成する(s33)。取引情報は、例えば、次の情報を含む。
・申込情報のユーザ識別情報に基づいてユーザマスタから抽出されたユーザの氏名および当該ユーザ識別情報
・レンタル事業者の名称、及び当該取引を行う日付
・衣類の名称および衣類型番
・衣類のサイズ、レンタル開始日、レンタル期間
・レンタル料金
・カード支払い、コンビニ支払い、又は着払いなどの決済方法に関する情報
上記衣類の名称及び衣類型番は、申込情報の衣類識別情報に基づいて対象衣類マスタから抽出される。また、レンタル料金は、申込情報の衣類識別情報に基づいて料金テーブルから抽出される。サーバ30のCPU32は、生成したレンタル取引情報をユーザ端末10に対して送信する。このようにサーバ30のCPU32は、衣類のレンタルの申込みを受け付ける受付部として機能する。
(4)ユーザ端末10のCPUは、レンタル取引情報を受信すると、当該レンタル取引情報を表示する表示処理(s34)を実行する。そして、ユーザによって選択された決済方法に基づいて決済処理(s35)を実行する。当該決済処理(s35)が完了すると、決済が完了した旨の通知がサーバ30へと送信される。当該通知をサーバ30が受信することで、レンタル契約が成立することとなる。
【0033】
上記レンタル取引処理(s30)が実行されると、サーバ30のCPU32は登録処理(s40)を実行する。登録処理(s40)は、上記申込情報またはレンタル取引情報に含まれる情報をレンタル管理テーブルに登録する処理であって、サーバ30のCPU32は、レンタル管理テーブルにレコードを追加して、当該追加レコードに情報を登録する。このようにサーバ30のCPU32はレンタルに関する情報を登録するレンタル情報登録部として機能する。
【0034】
上記登録処理(s40)が実行されると、サーバ30のCPU32は発注処理(s50)を実行する。発注処理(s50)は、上記レンタル契約の対象である衣類をアパレルメーカーに対して発注する処理であり、レンタル取引情報に基づいて下記の発注情報を生成し、発注情報をメーカー端末20に対して送信する。
・レンタル事業者およびアパレルメーカーの名称
・衣類の名称、衣類型番、サイズ及び数量
・希望納期
・発送先の氏名および住所
上記アパレルメーカーの名称は、レンタル取引情報に含まれる衣類型番に基づいて対象衣類マスタからメーカー識別情報を抽出し、抽出したメーカー識別情報に基づいてメーカーマスタからメーカー情報を抽出することにより取得される。また、希望納期は、レンタル取引情報に含まれるレンタル開始日に基づいて生成される。また、発送先の氏名および住所は、レンタル取引情報に含まれるユーザ識別情報に基づいてユーザマスタからユーザ情報が抽出されることにより取得される。このようにサーバ30のCPU32は、メーカー端末20に対して発注情報を送信する発注部として機能する。
【0035】
メーカー端末20のCPUは、上記発注情報を受信すると、発送処理(s60)を実施する。発送処理(s60)は、アパレルメーカーの在庫管理施設に対して、上記発注情報を転送するとともに、当該発注情報に係る衣類の発送指示を送信する。なお、メーカー端末20は、発送処理(s60)に加えて、注文請書をサーバ30に対して送信しても構わない。また、メーカー端末20のCPUは、発送処理(s60)が実行された後に、在庫衣類情報に含まれる在庫数を更新し、更新した在庫衣類情報をサーバ30に送信する(s70)。
【0036】
図1に示されるように、アパレルメーカーの在庫管理施設は、発送指示を受領すると、当該発送指示に含まれる衣類をユーザに対して発送する。
【0037】
レンタル期間が経過すると、ユーザは、当該衣類をレンタル事業者に対して返却する。返却された衣類(以下、「返却衣類」という。)は、受入工程、検品工程、個体情報付与工程、及びクリーニング工程を経て、在庫管理される。受入工程は、返却衣類を受け入れる工程であり、返却衣類の受入日が返却日として管理テーブルに登録される。検品工程は、返却衣類の汚れ、破れ、変色などを確認する工程である。個体情報付与工程は、返却衣類に対して固体情報記録媒体を付す工程である。個体情報記録媒体は、返却衣類の個々に一意になるように付与される個体情報が記録された媒体であって、代表的には、個体情報を記憶するRFIDタグや、個体情報がQRコード(登録商標)などのシンボルにシンボル化されたシンボルタグである。クリーニング工程は、返却衣類をクリーニングする工程である。クリーニングされた返却衣類は、再び、レンタル対象衣類として取り扱われる。
【0038】
ここで、返却衣類は、上記個体情報に基づいてサーバ30において管理されることとなる。すなわち、サーバ30のデータベース34には、事業者在庫テーブルと、第2レンタル管理テーブルと、が設けられる。
事業者在庫テーブルは、レンタル事業者が在庫として保有することとなった返却衣類(以下、「事業者保有衣類」という。)を管理するテーブルであり、事業者保有衣類の個体情報が登録される個体情報フィールド、事業者保有衣類のサイズが登録されるサイズフィールド、事業者保有衣類の色が登録される色フィールド、事業者保有衣類の衣類識別情報が登録される衣類識別情報フィールド、事業者保有衣類のステータス(クリーニング中、在庫管理中、又は再レンタル中)が登録されるステータスフィールド、及び事業者保有衣類のレンタル料金が登録されるレンタル料金フィールドが設けられており、上記個体情報付与工程において事業者保有衣類に固体情報記録媒体が付される度に新たにレコードが追加され、当該追加レコードに上記の情報が登録される。
第2レンタル管理テーブルは、事業者保有衣類のレンタル契約に関する情報を記憶するレンタル情報記憶部として機能するテーブルであり、レンタルされる事業者保有衣類の固体情報が登録される個体情報フィールド、当該事業者保有衣類をレンタルするユーザのユーザ識別情報が登録されるユーザ識別情報フィールド、事業者保有衣類の申込日が登録される申込日フィールド、事業者保有衣類の発送日が登録される発送日フィールド、事業者保有衣類の返却予定日が登録される返却予定日フィールド、及び事業者保有衣類の返却日が登録される返却日フィールドを備えている。
【0039】
上記のように管理される事業者保有衣類の情報は、上記提示処理(s20)において、メーカーが在庫として保有している衣類の情報と共に、ユーザに対して提示される。そして、レンタル取引処理(s30)において取引が成立した事業者保有衣類は、事業者からユーザに対して発送されることとなる。
【0040】
本実施形態のレンタルシステム1によると、レンタル事業者は、アパレルメーカーが在庫として管理している衣類の情報をレンタル対象品としてユーザに提供し、ユーザから申し込みのあった衣類のみをアパレルメーカーに対して発注するので、豊富な品揃えをユーザに提供しつつ、在庫リスクを低減することが可能となる。
【0041】
上記本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、例えば、下記の変形態様であっても構わない。
【0042】
<変形例1>
上記実施形態では、ユーザから返却された衣類は、事業者保有衣類として、再び、レンタル対象の衣類として取り扱われているが、当該返却衣類は中古品として販売されても構わない。
【0043】
<変形例2>
上記実施形態では、アパレルメーカーからユーザに対して衣類が発送されているが、当該態様に限定されず、アパレルメーカーからレンタル事業者を経由してユーザに衣類が送付されても構わない。当該態様においては、レンタル事業者からユーザに対して衣類が発送されて日付が、レンタル管理テーブルの発送日に登録されることとなる。
【0044】
<変形例3>
上記実施形態では、衣類を販売する衣類販売者の代表例としてアパレルメーカーを記載しているが、衣類販売者はアパレルメーカーに限定されず、例えば、衣類を販売する小売業者及び/又は卸業者であっても構わない。また、衣類販売者の端末としてメーカー端末20を記載しているが、販売者端末はメーカー端末20に限定されず、例えば、小売業者端末、及び/又は卸業者端末であっても構わない。当該態様においては、メーカーマスタに代えて販売者マスタがデータベース34に設けられ、販売者であるアパレルメーカー、小売業者、卸業者の情報が販売者マスタに登録される。また、メーカー識別情報に代えて販売者識別情報が各種テーブルに登録される。さらに、メーカー在庫管理テーブルに代えて販売者在庫管理テーブルがデータベース34に設けられ、販売者が保有する衣類の在庫情報が当該テーブルに登録される。
【符号の説明】
【0045】
1 レンタルシステム
10 ユーザ端末
20 メーカー端末(販売者端末)
30 サーバ