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特開2024-131697通知装置、通知方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131697
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】通知装置、通知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240920BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240920BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240920BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240920BHJP
【FI】
G01C21/34
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042117
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠宮 孝二
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA05
2F129AA10
2F129AA11
2F129AA14
2F129AA15
2F129BB03
2F129CC12
2F129CC16
2F129CC20
2F129CC28
2F129DD15
2F129DD30
2F129DD40
2F129DD41
2F129DD58
2F129DD63
2F129EE02
2F129EE36
2F129EE52
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE79
2F129EE93
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF21
2F129FF58
2F129FF73
2F129FF75
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH20
2F129HH21
(57)【要約】
【課題】ユーザが移動体に搭乗して会議に参加する場合のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】通知装置は、移動体が移動する目的地と、目的地に移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、移動体に搭乗しているユーザが、移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、通知を行う通知部と、ユーザが移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、電子会議の終了予定時刻と到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて通知部によって通知を実行させる通知制御部と、を備える、通知装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、
前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、
前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、
を備える、通知装置。
【請求項2】
前記通知制御部は、前記到着予定時刻が前記電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、前記通知部によって通知を実行させる、請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記通知制御部は、
前記移動体の移動経路を探索する経路探索部により、所定の探索条件に基づいて前記目的地までの第1の移動経路を探索させ、
前記第1の移動経路で移動する場合の到着予定時刻が、前記電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、前記電子会議の終了予定時刻よりも遅い時刻に前記目的地に到着する第2の移動経路を前記経路探索部により探索させ、前記通知部によって前記第2の移動経路に関する通知を行わせる、請求項2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記ユーザが前記電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態を判定する通信状態判定部を備え、
前記通知制御部は、前記第1の移動経路または前記第2の移動経路における通信状態が良好でないと判定された場合に、前記無線通信の通信状態がより良好である第3の移動経路を前記経路探索部により探索させ、前記通知部によって前記第3の移動経路に関する通知を行わせる、請求項3に記載の通知装置。
【請求項5】
前記ユーザの入力を受け付ける受付部を備え、
前記通知制御部は、前記ユーザが前記第3の移動経路を利用しないことの入力を受け付けた場合であっても、前記通信状態判定部の判定結果を前記通知部によって通知させる、請求項4に記載の通知装置。
【請求項6】
前記通知制御部は、前記目的地を含む領域における前記移動体を留置可能な場所の有無、及び、前記領域において前記ユーザが前記電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態に基づいて、前記通知部による通知を行うか否かを判定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の通知装置。
【請求項7】
移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、
前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、
を備える、通知装置。
【請求項8】
コンピュータにより、
移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得し、
前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定し、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて通知を実行する、
通知方法。
【請求項9】
コンピュータにより、
移動体に搭乗しているユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定し、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に通知を実行する、
通知方法。
【請求項10】
コンピュータを、
移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、
前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、
前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、
して機能させる、プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、
前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、
前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、
して機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも高齢者や障がい者や子供といった脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて車両の居住性に関する開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
例えば、特許文献1は、移動体に会議の設備を設け、移動体内のユーザが通信を利用して会議を行うことが可能な構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-047501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体の移動中にユーザが会議に参加する場合、会議が終了する前に移動が完了した場合、ユーザは、移動が終わった後も移動体に留まらなければならない。このような場合、移動体を留置する場所を確保する必要があり、ユーザの負担となっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが移動体に搭乗して会議に参加する場合のユーザの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、を備える、通知装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議と、移動体の移動時間との対応をユーザに知らせることができ、ユーザの負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、通知装置の構成例を示す図である。
図2図2は、通知装置の動作例を示すフローチャートである。
図3図3は、通知装置の動作例を示すフローチャートである。
図4図4は、駐車場案内画面の例を示す図である。
図5図5は、通知画面の例を示す図である。
図6図6は、通信状態通知画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.通知装置の構成]
図1は、車両1に搭載された通知装置10の構成を示す図である。
通知装置10は、ユーザUが車両1に搭乗している間に電子会議に参加する場合に、車両1の移動時間と電子会議の実施時間とに関する情報を、ユーザUに通知する装置である。
【0009】
車両1は「移動体」の一例である。車両1は、ユーザUが搭乗するキャビン(乗員室)を備えていればよく、「移動体」は、4輪の車両に限定されず、5輪以上の車両でもよく、3輪以下の車両でもよい。また、「移動体」としての車両は、バス等の大型車両、商用車両、或いは作業用車両等であってもよい。また、移動体としては、上記の自動車のような陸上移動体のほか、船舶、潜水艇等の海洋移動体、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)を含む航空機、飛行船等の空中移動体、あるいは、宇宙船、人工衛星などの宇宙移動体であってもよい。
【0010】
ユーザUは、車両1に搭乗し、車両1に搭乗している間に電子会議に参加する人物である。ユーザUは、車両1を操縦する運転者であってもよいし、ユーザUとは異なる人が操縦する車両1に乗車する乗員であってもよい。図1には、ユーザUが使用するユーザ端末3を示す。ユーザ端末3は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、或いはその他の形態のコンピュータであり、通知装置10と通信する機能、及び、会議サーバ2と通信する機能の少なくとも何れかを有する無線通信装置を備える。
【0011】
車両1は、通信ネットワークNWにより会議サーバ2と接続される。通信ネットワークNWは、公衆回線網や、専用線、その他の通信回路などで構成される通信ネットワークである。
【0012】
会議サーバ2は、ユーザUを含む複数のユーザが参加する電子会議を実行するコンピュータである。電子会議は、オンライン会議とも呼ばれ、会議の参加者がコンピュータ(以下、参加者端末という)を利用して、通信ネットワークNWを通じて音声や情報を共有することによって実行される会議である。会議サーバ2は、会議の参加者であるユーザの参加者端末から音声データを受信し、受信した音声データを、他の参加者端末に送信する。また、会議サーバ2は、参加者端末から画像データを受信し、受信した画像データを、他の参加者端末に送信してもよい。
【0013】
会議サーバ2は、事前に予定された会議がある場合、会議の開始予定時刻、終了予定時刻、及び、会議の参加者に関する情報を記憶する。会議サーバ2は、会議の参加者として情報が記憶されている参加者端末からのアクセスに応じて、参加者端末による電子会議への参加を受け付ける。
【0014】
以下の説明において、電子会議の終了予定時刻とは、会議サーバ2を利用して開催される電子会議が終了する予定時刻、及び、電子会議へのユーザUの参加が終了する予定時刻を含んでもよい。すなわち、ユーザUが電子会議を途中で退出することが予定されている場合、ユーザUにとっての終了予定時刻は、ユーザUが電子会議への参加を終了する時刻である。この場合、終了予定時刻を過ぎても電子会議が継続することもあり得る。
【0015】
通知装置10は、車両1に搭載される装置であり、後述するプロセッサ100を有するコンピュータである。通知装置10は、車両1に固定された装置であってもよいし、携帯可能な装置であって車両1に一時的に設置される装置であってもよい。例えば、通知装置10は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、その他の形態のパーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、または、ディスプレイオーディオ装置である。
【0016】
[2.通知装置の構成]
通知装置10には、通信装置13、GNSS(Global Navigation Satellite System)14、タッチパネル15、スピーカ16、マイク17、及び、カメラ18が接続される。これらの装置を通知装置10が内蔵する構成であってもよい。
【0017】
通信装置13は、データを送信するトランスミッタ、及び、データを受信するレシーバを備える無線通信装置であり、セルラー通信を実行する。通信装置13は、プロセッサ100の制御に従って通信ネットワークNWに接続し、通信ネットワークNWを通じて会議サーバ2との間でデータ通信を実行する。また、通信装置13は、通信ネットワークNWを通じて、或いは、直接、ユーザ端末3と無線通信を実行してもよい。通信装置13は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、或いはその他の近距離無線通信方式により、ユーザ端末3と直接通信を行う構成であってもよい。
【0018】
GNSS14は、人工衛星からの信号を受信することによって車両1の位置を検出し、車両1の位置情報を生成し、位置情報を通知装置10に出力する。
タッチパネル15は、液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルで構成される表示画面、及び、表示画面に重畳配置されたタッチセンサを有する。タッチパネル15は、通知装置10が出力する表示信号またはデジタル表示データに基づいて、表示画面に文字や画像を表示する。タッチパネル15は、ユーザUによる表示画面へのタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作の操作位置を特定し、特定した操作位置を示すデータを通知装置10に出力する。
【0019】
スピーカ16は、通知装置10が出力する音声信号、または、デジタル音声データに基づいて音を出力する。マイク17は、音を集音し、集音した音の音声信号またはデジタル音声データを、通知装置10に出力する。カメラ18は、通知装置10の制御に従って撮影を実行するデジタルカメラであり、撮影画像データを通知装置10に出力する。スピーカ16、マイク17、及び、カメラ18は、車両1のキャビンに複数設置されてもよい。
【0020】
通知装置10は、プロセッサ100、及び、メモリ120を備える。プロセッサ100は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、或いはその他の集積回路で構成されるコンピュータである。メモリ120は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。プロセッサ100は、揮発性のRAM(Random Access Memory)をワークエリアとして利用してもよい。RAMは、プロセッサ100に統合して実装されてもよいし、メモリ120がRAMを備える構成であってもよい。
【0021】
メモリ120は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ100が実行するプログラム、及び、プロセッサ100により処理されるデータを記憶する。メモリ120は、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)やSSD(Solid State Disk)等の半導体記憶デバイス、或いは、磁気的記憶デバイスで構成される。
【0022】
メモリ120は、制御プログラム121、アプリ122、及び、探索条件124を記憶する。また、メモリ120の記憶領域には地図DB(データベース)123が設けられる。地図DB123は、経路探索、経路案内、及びその他の用途に利用可能な地図データを格納する。
【0023】
制御プログラム121及びアプリ122はプロセッサ100が実行するプログラムであり、プロセッサ100により読み取り可能にメモリ120に記憶される。制御プログラム121は、プロセッサ100が通知装置10の各部を制御するための基本制御プログラムであり、OS(Operating System)である。アプリ122は、OS上で実行されるアプリケーションプログラムである。
【0024】
プロセッサ100は、機能部として、受付部101、取得部102、通知制御部103、通信状態判定部104、通知部105、会議判定部106、経路探索部107、及び、経路案内部108を有する。これらの機能部は、プロセッサ100がアプリ122を実行することにより、実現される。アプリ122は、「プログラム」の一例である。
【0025】
受付部101は、車両1に搭乗する人物による入力操作を受け付ける。受付部101は、例えば、タッチパネル15に対するタッチ操作によって入力された内容を受け付ける。受付部101は、通信装置13がユーザ端末3から受信するデータに基づいて入力操作を受け付けてもよい。
【0026】
取得部102は、車両1の移動に関する情報を取得する。また、取得部102は、ユーザUが参加する会議に関する情報を取得する。具体的には、取得部102は、受付部101が受け付けた入力、或いは、予め設定された情報に基づいて、車両1が移動する目的地と、目的地に車両1が到着する到着予定時刻とを取得する。また、取得部102は、通信装置13によって会議サーバ2にアクセスし、会議サーバ2から、ユーザUが参加する会議に関する情報を取得する。例えば、取得部102は、会議サーバ2から会議の終了予定時刻を取得してもよく、会議の開始予定時刻を取得してもよい。この場合、取得部102は、受付部101が受け付けたユーザUの入力に従って、ユーザUが参加する会議を特定し、特定した会議に関する情報を会議サーバ2に要求する。
【0027】
通信状態判定部104は、ユーザUが電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態を判定する。ユーザUが通知装置10のスピーカ16、マイク17、及びカメラ18を使用して電子会議に参加する場合、通信状態判定部104は、通信装置13による通信状態を判定する。また、ユーザUがユーザ端末3を利用して電子会議に参加する場合、通信状態判定部104は、ユーザ端末3が行う通信について通信状態を判定する。
【0028】
通信状態判定部104が判定する通信状態とは、通信装置13またはユーザ端末3が実行する無線通信の状態を指す。例えば、通信状態とは、通信速度、遅延の大きさ、受信電波強度を含む。
【0029】
通信状態判定部104が通信状態を判定する方法は、メモリ120が記憶するデータと車両1の位置とを照合する方法、及び、通信装置13を利用して実際の通信状態の指標を求める方法が挙げられる。
【0030】
メモリ120が記憶するデータと車両1の位置とを照合する方法は、地図DB123に格納された地図データを利用する。地図DB123が記憶する地図データは、緯度及び経度を含む座標と、建物や駐車場に関する施設データ、道路に関する道路データ等とを対応付けて含む。また、本実施形態の地図データは、座標に対応付けて、無線通信の通信状態の指標を含む。すなわち、地図データは、座標毎、或いは、所定広さの領域毎の通信状態を示す情報を含む。通信状態判定部104は、GNSS14が生成する位置情報に基づいて、地図DB123から、車両1の位置を含む地図データを取得する。通信状態判定部104は、取得した地図データにおいて、無線通信の通信状態の指標を取得する。通信状態判定部104は、取得した指標が、予め設定された判定基準よりも良好か否かを判定することにより、通信状態が良好であるか否かを判定する。
【0031】
また、通信装置13を利用して実際の通信状態の指標を求める方法を採用する場合、通信状態判定部104は、例えば、通信装置13によるセルラー通信を実行させて、通信速度と遅延の大きさを測定することにより、通信状態の指標を算出する。また、通信状態判定部104は、ユーザ端末3が通信に用いる帯域および通信方式による通信を通信装置13に実行させて、通信速度と遅延の大きさを測定することにより、通信状態の指標を算出する。通信状態判定部104は、算出した通信状態の指標が、予め設定された判定基準よりも良好か否かを判定することにより、通信状態が良好であるか否かを判定する。
【0032】
通知部105は、通知を実行する。通知部105が実行する通知は、ユーザUに対する直接の通知である。具体的には、通知部105の通知は、タッチパネル15に通知用の画面を表示させること、スピーカ16から通知の音声を出力させることであってもよい。また、通知部105による通知は、通知装置10以外の装置である外部装置に対する情報の出力であってもよい。具体的には、通知部105の通知は、ユーザ端末3に対してユーザUに対する通知の内容を送信することであってもよい。この場合、ユーザ端末3は「外部装置」の一例に対応する。
【0033】
会議判定部106は、車両1に搭乗しているユーザUが、車両1の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する。会議判定部106は、例えば、取得部102が会議サーバ2から取得した会議の開始予定時刻および終了予定時刻と、現在時刻とを比較することにより、車両1の移動中に電子会議が行われるか否かを判定する。また、会議判定部106は、受付部101が受け付けるユーザUの入力に従って、ユーザUが車両1の移動中に電子会議に参加するか否かを判定してもよい。
【0034】
経路探索部107及び経路案内部108は、車両1が移動する間に、車両1の移動経路を案内する、いわゆるカーナビゲーション装置の機能を有する。経路探索部107は、取得部102が取得した車両1の目的地と、GNSS14が生成する車両1の位置情報とに基づいて、車両1の移動経路を探索する。経路探索部107は、移動経路の探索において地図DB123の地図データを参照する。
【0035】
メモリ120が記憶する探索条件124は、経路探索部107が移動経路を探索する場合の条件を含む。例えば、探索条件124は、有料道路を使用するか否か、幹線道路を優先して利用するか否か、等を指定する条件を含む。経路探索部107は、探索条件124の条件を満たし、かつ、最も短い時間で目的地に到着する経路を探索することにより、車両1の移動経路を生成する。経路探索部107は、移動経路を探索する際に、車両1が目的地に到着する到着予定時刻、及び、車両1が移動に要する移動時間を算出する。
【0036】
経路案内部108は、経路探索部107が生成した移動経路に沿って車両1を移動させるため、車両1の運転者に対する案内を実行する。経路案内部108は、タッチパネル15に、車両1の位置を含む地図を表示させ、車両1の位置と移動経路とを地図上に重ねた画像を表示させる。経路案内部108は、車両1の進行方向を案内する音声をスピーカ16から出力させ、車両1の進行方向を案内する画像をタッチパネル15に表示させる。例えば、経路案内部108は、GNSS14から車両1の位置情報を取得し、経路探索部107が生成した移動経路と車両1の位置情報とに基づいて車両1の進行方向を決定し、決定した方向に車両1を進行させる操作を運転者に案内する。
【0037】
通知制御部103は、ユーザUが車両1の移動中に電子会議に参加する場合に、車両1の移動の状態と、電子会議の実行状況とに対応して、ユーザUへの通知を通知部105に実行させる。例えば、通知制御部103は、電子会議の終了予定時刻と到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて通知部によって通知を実行させる。また、通知制御部103は、ユーザUが車両1の移動中に電子会議に参加する場合に、車両1が目的地までの移動に要する移動時間と、電子会議が行われる会議時間とを比較し、会議時間が移動時間より短い場合に通知部によって通知を実行させる。
【0038】
より具体的には、通知制御部103は、到着予定時刻が電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、通知部105によって通知を実行させる。
【0039】
例えば、ユーザUが車両1を操縦する操縦者(運転者ともいえる)である場合、ユーザUは車両1の操縦を行いながら電子会議に参加する。ユーザUは、車両1が備えるスピーカ16、マイク17、カメラ18を利用することにより、タッチパネル15やユーザ端末3を手で操作することなく、いわゆるハンズフリーの状態で電式会議に参加できる。また、仮に、車両1が、自律的に操縦を行う機能を有する移動体である場合を想定すると、ユーザUは、車両1が自律的な移動を行っている間は電子会議に専念できる。
【0040】
ところで、移動体の自律的な移動については、ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)を利用したレベル1やレベル2の自動運転が実用化されている。車両1がレベル1またはレベル2の自動運転を実行する場合、運転者が主体的に車両1の運転操作を行う必要がある。車両1がレベル3の自動運転を行う場合、運転者は、車両1が安定して走行している間は、運転操作を行う必要がない。しかしながら、自動運転システムが運転操作を要求したときに、車両1の運転操作を行う必要がある。例えば、車両1が高速道路、或いは、幹線道路のように十分な幅員を有する道路を走行している間、車両1は自律的な走行を行える。この場合、車両1が目的地付近に到着した後に車両1を駐車位置まで運転する間、及び、車両1を駐車させるときには、運転者が運転操作を要求される可能性がある。また、車両1を駐車させる場所を、車両1の運転者が決定する必要がある場合、運転者は駐車場所を探しながら車両1を運転する必要がある。
【0041】
このように、ユーザUが車両1の運転者である場合、車両1がレベル1、2、3に相当する自律的な走行を行うことが可能であっても、ユーザUが、車両1の運転操作に集中すべき状態が発生し得る。さらに、電子会議を行っている間に車両1を駐車または停車させた場合、ユーザUは、駐車または停車した車両1の中で電子会議に参加し続けなければならない。
【0042】
一方、電子会議が行われている間は車両1が移動を継続し、電子会議が終了してから、車両1が駐車または停車する場合には、上記の課題は発生しない。
そこで、通知制御部103は、ユーザUが参加する電子会議が終了する前に、車両1が目的地に到着することが予想される場合に、ユーザUへの通知を行う。ユーザUへの通知は、車両1が移動を開始する前に行うことが好ましく、車両1が移動を開始してから行ってもよい。
【0043】
さらに、通知制御部103は、車両1の移動経路を探索する経路探索部107により、所定の探索条件に基づいて目的地までの第1の移動経路を探索させる。第1の移動経路は、例えば、経路探索部107が探索条件124に基づき探索および生成する車両1の移動経路である。通知制御部103は、第1の移動経路で移動する場合の到着予定時刻が、電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、電子会議の終了予定時刻よりも遅い時刻に目的地に到着する第2の移動経路を経路探索部107により探索させる。第2の移動経路は、経路探索部107が、探索条件124に加え、電子会議の終了予定時刻よりも後に目的地に到着することを条件として探索し、生成する車両1の移動経路である。通知制御部103は、第2の移動経路を経路探索部107により生成させた後、通知部105によって第2の移動経路に関する通知を行わせる。
【0044】
また、車両1の移動中にユーザUが電子会議に参加する場合、電子会議のために使用する通信の状態が良好であることが望まれる。電子会議にユーザUが参加する場合、通信装置13またはユーザ端末3が通信ネットワークNWを利用して音声データや画像データを送受信する。この通信の通信状態が良好でないと、電子会議への参加に支障が生じる。特に、電子会議においてユーザUを撮影した映像を使用する場合、通信するデータ量が多いことから、通信状態が良好であることが、より重要である。
【0045】
通知制御部103は、通信状態判定部104によって、車両1の移動経路における通信状態が良好でないと判定された場合に、無線通信の通信状態がより良好である第3の移動経路を経路探索部107により探索させる。例えば、通知制御部103は、車両1が第1の移動経路に沿って移動する場合に、第1の移動経路における通信状態が良好でないと判定された場合に、無線通信の通信状態がより良好である第3の移動経路を経路探索部107により探索させる。通知制御部103は、車両1が第2の移動経路に沿って移動する場合も同様に、通信状態が良好でないと判定された場合に、無線通信の通信状態がより良好である第3の移動経路を経路探索部107により探索させる。第3の移動経路は、通信装置13またはユーザ端末3の通信状態が所定の基準以上となる地域または道路を通ることを探索条件124に加えた条件に基づき、経路探索部107が探索および生成する移動経路である。
【0046】
通知制御部103は、経路探索部107により第3の移動経路を生成させた場合、通知部105によって、第3の移動経路についての通知を実行させる。ここで、通知制御部103は、ユーザUに対し、第3の移動経路に従って車両1を移動させるか否かの選択を求めてもよい。そして、通知制御部103は、ユーザUが、第3の移動経路を利用しないことの入力を受付部101が受け付けた場合であっても、通信状態判定部104の判定結果を通知部105によって通知させてもよい。
【0047】
上述した種々の課題は、例えば、車両1の目的地またはその近傍において、通信状態が良好な場所に、車両1を駐車できる駐車場や施設があれば、概ね解決できる。この場合、電子会議の終了予定時刻より前に車両1が目的地に到着しても、駐車された車両1の中でユーザUが安全かつ快適に電子会議に参加できる。従って、通知制御部103は、車両1の目的地またはその近傍に、通信状態が良好な駐車場所がある場合には、通知部105によって会議の終了予定時刻と到着予定時刻との関係等について通知を行わなくてもよい。すなわち、通知制御部103は、車両1の目的地を含む領域における車両1を留置可能な場所の有無、及び、領域においてユーザUが電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態に基づいて、通知部105による通知を行うか否かを判定する。
【0048】
[3.通知装置の動作]
次に、通知装置10の動作について説明する。
図2及び図3は、通知装置10の動作を示すフローチャートである。図4図5、及び図6は、通知装置10の制御により表示される画面の例を示す。図4は駐車場案内画面51の例を示す図であり、図5は通知画面52の例を示す図であり、図6は通信状態通知画面53の例を示す図である。
【0049】
図2及び図3の動作のうち、取得部102はステップS12、S18を実行し、通信状態判定部104はステップS32、S33を実行し、通知部105はステップS17、S20を実行する。また、経路探索部107はステップS13、S14、S23、S38を実行し、経路案内部108はステップS24、S39、S40を実行する。通知制御部103は、ステップS11-S16、S19-S22、S31,S34-S37、S41を実行する。
【0050】
通知装置10は、会議判定部106によってユーザUが電子会議に参加するか否かを判定し、ユーザUが電子会議に参加する場合に図2の動作を開始する。会議判定部106による判定は、車両1が移動を開始する前、及び、車両1が移動中のいずれであってもよい。
【0051】
通知装置10は、車両1の経路案内を行うか否かを判定する(ステップS11)。通知装置10は、例えば、経路案内を行うか否かの入力を求める画面をタッチパネル15に表示させ、この画面に対するユーザUの入力に基づき、ステップS11の判定を行う。経路案内を行わない場合(ステップS11;NO)、通知装置10は後述するステップS31(図3)に移行する。
【0052】
経路案内を行う場合(ステップS11;YES)、通知装置10は、車両1の目的地を取得し、経路探索の条件として設定する(ステップS12)。さらに、通知装置10は、メモリ120に記憶された探索条件124を取得し(ステップS13)、探索条件124と、ステップS12で設定された目的地とに基づき経路探索を行う(ステップS14)。これにより、車両1の移動経路が生成される。ステップS14で生成される移動経路は、「第1の移動経路」の一例に対応する。
【0053】
通知装置10は、設定された目的地を含む所定広さの領域において、条件に合う駐車場を検索する(ステップS15)。駐車場の条件とは、車両1を駐車可能であること、及び、無線通信の通信状態が基準を満たすことである。ステップS15において、通知装置10は、地図DB123から目的地を含む地図データ、及び、目的地から所定距離以内の地図データを取得する。通知装置10は、取得した地図データに含まれる施設データをもとに、車両1を駐車可能な駐車場を検索する。通知装置10は、さらに、検索により発見された駐車場について、無線通信の通信状態が予め設定された基準を満たすか否かを判定する。無線通信の通信状態は、例えば、地図データに含まれる無線通信の通信状態の指標と、駐車場の位置情報とから判定できる。
【0054】
通知装置10は、条件に合う駐車場の有無を判定する(ステップS16)。条件に合う駐車場がある場合(ステップS16;YES)、通知装置10は、駐車場案内画面をタッチパネル15に表示させ(ステップS17)、後述するステップS24に移行する。
【0055】
図4に、駐車場案内画面51の例を示す。駐車場案内画面51には、駐車場の位置を案内するための地図511が配置される。地図511には、目的地の位置を示す目的地アイコン512、及び、駐車場の位置を示すガイド画像514が配置される。また、地図511に重ねて、通知メッセージ513が表示される。通知メッセージ513は、目的地の付近に、電子会議の参加に適した駐車場があることをユーザUに通知するメッセージを含む。
【0056】
一方、目的地を含む領域に、条件に合う駐車場がない場合(ステップS16;NO)、通知装置10は、電子会議の情報を取得する(ステップS18)。通知装置10がステップS18で取得する情報は、電子会議の終了予定時刻を含む。通知装置10は、ステップS18で取得した電子会議の終了予定時刻が、ステップS14で探索した移動経路における到着予定時刻より早い時刻であるか否かを判定する(ステップS19)。
【0057】
電子会議の終了予定時刻が到着予定時刻より早い時刻でないと判定した場合(ステップS19;NO)、通知装置10はステップS24に移行する。電子会議の終了予定時刻が、ステップS14で探索した移動経路における到着予定時刻より早い時刻であると判定した場合(ステップS19;YES)、通知装置10は、通知画面をタッチパネル15に表示させる。
【0058】
図5に、通知画面52の一例を示す。通知画面52には、通知メッセージ521が配置される。通知メッセージ521は、電子会議が終了する前に車両1が目的地に到着することをユーザUに知らせるメッセージを含む。また、通知メッセージ521は、到着時間を調整するか否かの入力をユーザUに求めるメッセージを含み、このメッセージに対応する位置に、選択部522、523が配置される。選択部522、523はユーザUにタッチ操作を促すボタンである。選択部522は到着時間の調整の指示を入力するためのボタンとして機能し、選択部523は到着時間の調整をしないことの指示を入力するためのボタンとして機能する。到着時間の調整とは、車両1の新たな移動経路を探索することを指す。この移動経路は、車両1が目的地に到着する到着予定時刻が電子会議の終了予定時刻より後になることを条件として、経路探索部107により探索される移動経路であり、「第2の移動経路」の一例に対応する。
【0059】
通知画面52を表示した後(ステップS20)、通知装置10は、ユーザUの入力に基づいて、車両1の移動経路の探索を再実行するか否かを判定する(ステップS21)。例えば、通知装置10は、選択部522が操作された場合は移動経路の探索を再実行すると判定し、選択部523が操作された場合は移動経路の探索を再実行しないと判定する。
【0060】
移動経路の探索を再実行しないと判定した場合(ステップS21;NO)、通知装置10はステップS24に移行する。移動経路の探索を再実行すると判定した場合(ステップS21;YES)、通知装置10は、探索条件を生成する(ステップS22)。ステップS22で生成される探索条件は、探索条件124に加えて、車両1が目的地に到着する到着予定時刻が、ステップS18で取得した電子会議の終了予定時刻よりも後になることを含む。
【0061】
通知装置10は、ステップS22で設定された探索条件に基づき、目的地までの車両1の移動経路を探索し(ステップS23)、ステップS24に移行する。
ステップS24で、車両1の移動経路に従って、車両1の運転者に対する案内を開始し(ステップS24)、ステップS31(図3)に移行する。
【0062】
ステップS31で、通知装置10は、車両1が走行開始したか否かを判定し(ステップS31)、走行開始していない場合は(ステップS31;NO)、待機する。車両1が走行開始した場合(ステップS31;YES)、通知装置10は、車両1の位置における無線通信の通信状態を取得する(ステップS32)。ステップS32で、通知装置10は、GNSS14が出力する位置情報を取得し、取得した位置情報を含む地図データを地図DB123から取得し、取得した地図データに含まれる通信状態に指標を取得する。通知装置10は、取得した通信状態の指標が予め設定された基準を満たすか否かを判定する。通信状態の指標が基準を満たすことは、通信状態が良好であることに相当する。
【0063】
通信状態の指標が基準を満たす場合(ステップS33;YES)、通知装置10は、車両1が目的地付近に到達しているか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41で、通知装置10は、例えば、車両1の位置と目的地との距離を算出し、算出した距離が閾値以下である場合に、車両1が目的地付近に到達していると判定する。
【0064】
車両1が目的地付近に到達していると判定した場合(ステップS41;YES)、通知装置10は、本処理を終了する。車両1が目的地付近に到達していないと判定した場合(ステップS41;NO)、通知装置10はステップS32に戻り、ステップS32の動作を所定時間周期で繰り返し実行する。
【0065】
通信状態の指標が基準を満たさない場合(ステップS33;NO)、通知装置10は、通信状態通知画面53をタッチパネル15に表示させる(ステップS34)。
【0066】
図6に、通信状態通知画面53の一例を示す。通信状態通知画面53には、通知メッセージ531が配置される。通知メッセージ531は、通信状態が良好でない場所を車両1が移動する可能性をユーザUに通知するメッセージである。図6の例では、電子会議の通話が切れる可能性があるという表現でユーザUへの通知を行う。また、通知メッセージ531は、通信状態が良好な場所を移動する移動経路を探索する否かの入力をユーザUに求めるメッセージを含む。図6の例では、電子会議の通話が途切れにくい移動経路を探索するか否かの入力を求めるという表現を採用している。このメッセージに対応する位置に、選択部532、533が配置される。選択部532、533はユーザUにタッチ操作を促すボタンである。選択部532は、電子会議の通話が途切れにくい移動経路を探索する指示を入力するためのボタンとして機能する。選択部533は電子会議の通話が途切れにくい移動経路を探索しないことの指示を入力するためのボタンとして機能する。電子会議の通話が途切れにくい移動経路は、車両1が通る場所の通信状態が基準を満たすことを条件として、経路探索部107により探索される移動経路であり、「第3の移動経路」の一例に対応する。
【0067】
通信状態通知画面53を表示した後(ステップS34)、通知装置10は、ユーザUの入力に基づいて、車両1の移動経路の探索を再実行するか否かを判定する(ステップS35)。例えば、通知装置10は、選択部532が操作された場合は移動経路の探索を再実行すると判定し、選択部533が操作された場合は移動経路の探索を再実行しないと判定する。
【0068】
移動経路の探索を再実行しないと判定した場合(ステップS35;NO)、通知装置10はステップS41に移行する。移動経路の探索を再実行すると判定した場合(ステップS35;YES)、通知装置10は、車両1の目的地を設定し(ステップS36)、ステップS37に移行する。ステップS36の動作はステップS12と同様である。ステップS12で目的地が設定された場合には、通知装置10はステップS36をスキップする。
【0069】
ステップS37で、通知装置10は、探索条件を生成する(ステップS37)。ステップS37で生成される探索条件は、探索条件124に加えて、車両1が通る場所の通信状態が基準を満たすことを含む。
【0070】
通知装置10は、ステップS37で設定された探索条件に基づき、目的地までの車両1の移動経路を探索する(ステップS38)。続いて、通知装置10は、ステップS38で探索した車両1の移動経路に従って、車両1の運転者に対する案内を開始し(ステップS39)、ステップS40に移行する。
【0071】
ステップS40で、通知装置10は、車両1が目的地付近に到達しているか否かを判定する(ステップS40)。ステップS40の判定は、例えばステップS41と同様に実行される。車両1が目的地付近に到達していると判定した場合(ステップS40;YES)、通知装置10は、本処理を終了する。車両1が目的地付近に到達していないと判定した場合(ステップS40;NO)、通知装置10はステップS40の動作を所定時間周期で繰り返し実行する。
【0072】
[4.他の実施形態]
上述した実施形態は、あくまでも一態様を示すものであり任意に変形及び応用が可能である。
【0073】
上述した実施形態では、通知部105が実行する通知の例として、駐車場案内画面51、通知画面52、及び通信状態通知画面53をタッチパネル15に表示させる例を説明した。通知部105は上述のように、ユーザ端末3、或いは他の装置に情報を出力することによって通知を行うことができる。例えば、通知部105は、ユーザ端末3に対し、駐車場案内画面51、通知画面52、及び、通信状態通知画面53に相当する画面を表示するためのデータを送信してもよい。
【0074】
上述した実施形態では、通知装置10が、電子会議に係る処理を行う会議サーバ2から、電子会議の終了予定時刻を取得する構成を例示したが、通知装置10は、他の装置から電子会議の終了予定時刻を取得してもよい。例えば、通知装置10は、ユーザUのスケジュールに関する情報を有する不図示のサーバコンピュータから、終了予定時刻を取得してもよい。この場合、通知装置10は、上記サーバコンピュータからユーザUのスケジュールに関する情報を取得し、会議判定部106は、取得した情報に基づいて、ユーザUが車両1の移動中に電子会議に参加するか否かを判定してもよい。
【0075】
上述した実施形態では、通知画面52が表示された状態、及び、通信状態通知画面53が表示された状態において、通知装置10が、タッチパネル15に対するタッチ操作に基づいて入力を判定する例を説明した。これは一例であり、通知画面52が表示された状態、及び、通信状態通知画面53が表示された状態において、ユーザUが、マイク17を利用した音声入力を行ってもよい。また、通知装置10が、ユーザUのジェスチャ操作を検出する不図示のセンサを備える構成であってもよく、この場合、通知装置10は、ユーザUのジェスチャ操作を検出することにより、入力を受け付けてもよい。例えば、通知画面52が表示された状態、及び、通信状態通知画面53が表示された状態において、ユーザUの手の動きに基づき、ユーザUの入力を判定してもよい。
【0076】
上述した実施形態では、通知装置10が、経路探索部107による経路の探索を実行可能な構成を説明したが、これは一例である。例えば、通知装置10が通信ネットワークNWを介して、経路探索機能を有する不図示のサーバコンピュータと通信可能な構成であってもよい。この場合、通知装置10は、探索条件124に基づく経路探索を要求するデータを上記サーバコンピュータに送信し、サーバコンピュータが車両1の移動経路を生成し、生成された移動経路を通知装置10が取得してもよい。同様に、通知装置10は、探索条件124に、他の条件を加えた探索条件に基づいて、経路探索を要求してもよい。このような構成において、通知装置10は、経路探索部107を備えていなくてもよい。また、地図DB123を有していなくてもよい。
【0077】
プロセッサ100は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。プロセッサ100は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、プロセッサ100は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成されてもよい。
【0078】
また、図1に示した車両1の各部の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、車両1の各部の具体的な細部構成についても任意に変更可能である。
【0079】
また、図2及び図3に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0080】
また、上述した通知装置10の制御方法を、プロセッサ100を用いて実現する場合、プロセッサ100に実行させるプログラムを非一時的な記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。すなわち、アプリ122は、可搬型の情報記録媒体にアプリ122を記録した状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。
【0081】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0082】
(構成1)移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、を備える、通知装置。
構成1の通知装置によれば、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議と、移動体の移動時間との対応をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、移動体の移動中に電子会議が終了する可能性がある場合に、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0083】
(構成2)前記通知制御部は、前記到着予定時刻が前記電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、前記通知部によって通知を実行させる、構成1に記載の通知装置。
構成2の通知装置によれば、移動体の移動中に電子会議が終了する可能性がある場合に、ユーザに通知を行うので、ユーザは、移動体の移動時間を調整する等の対策を講じることができる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0084】
(構成3)前記通知制御部は、前記移動体の移動経路を探索する経路探索部により、所定の探索条件に基づいて前記目的地までの第1の移動経路を探索させ、前記第1の移動経路で移動する場合の到着予定時刻が、前記電子会議の終了予定時刻よりも早い時刻である場合に、前記電子会議の終了予定時刻よりも遅い時刻に前記目的地に到着する第2の移動経路を前記経路探索部により探索させ、前記通知部によって前記第2の移動経路に関する通知を行わせる、構成2に記載の通知装置。
構成3の通知装置によれば、電子会議が終了するまで移動体が移動を継続できる移動経路を、ユーザに案内する。これにより、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0085】
(構成4)前記ユーザが前記電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態を判定する通信状態判定部を備え、前記通知制御部は、前記第1の移動経路または前記第2の移動経路における通信状態が良好でないと判定された場合に、前記無線通信の通信状態がより良好である第3の移動経路を前記経路探索部により探索させ、前記通知部によって前記第3の移動経路に関する通知を行わせる、構成3に記載の通知装置。
構成4の通知装置によれば、ユーザが電子会議に参加している間の無線通信の通信状態を、良好な状態に保つことができる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0086】
(構成5)前記ユーザの入力を受け付ける受付部を備え、前記通知制御部は、前記ユーザが前記第3の移動経路を利用しないことの入力を受け付けた場合であっても、前記通信状態判定部の判定結果を前記通知部によって通知させる、構成4に記載の通知装置。
構成5の通知装置によれば、通知装置が提案する移動経路をユーザが選択しない場合であっても、ユーザに無線通信の通信状態に関する通知を行う。これにより、ユーザに対し、通信状態に関する情報を得ることができ、意図しない通信状態の悪化を心配しなくても良い。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0087】
(構成6)前記通知制御部は、前記目的地を含む領域における前記移動体を留置可能な場所の有無、及び、前記領域において前記ユーザが前記電子会議の参加に使用する無線通信の通信状態に基づいて、前記通知部による通知を行うか否かを判定する、構成1から構成5のいずれか1項に記載の通知装置。
構成6の通知装置によれば、移動体の目的地またはその近傍に移動体を留置して、電子会議に参加できる場合に、通知を抑制できる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0088】
(構成7)移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、を備える、通知装置。
構成7の通知装置によれば、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議が、移動体の移動中に終了する可能性がある場合に、ユーザへの通知を行う。このため、ユーザは、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。従って、ユーザが移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0089】
(構成8)コンピュータにより、移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得し、前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定し、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて通知を実行する、通知方法。
構成8の通知方法によれば、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議と、移動体の移動時間との対応をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、移動体の移動中に電子会議が終了する可能性がある場合に、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0090】
(構成9)コンピュータにより、移動体に搭乗しているユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定し、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に通知を実行する、通知方法。
構成9の通知方法によれば、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議が、移動体の移動中に終了する可能性がある場合に、ユーザへの通知を行う。このため、ユーザは、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。従って、ユーザが移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0091】
(構成10)コンピュータを、移動体が移動する目的地と、前記目的地に前記移動体が到着する到着予定時刻とを取得する取得部と、前記移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記電子会議の終了予定時刻と前記到着予定時刻とを比較し、比較結果に基づいて前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、して機能させる、プログラム。
構成10のプログラムをコンピュータが実行することにより、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議と、移動体の移動時間との対応をユーザに知らせることができる。これにより、ユーザは、移動体の移動中に電子会議が終了する可能性がある場合に、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。このため、ユーザは移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0092】
(構成11)コンピュータを、移動体に搭乗しているユーザが、前記移動体の移動中に電子会議に参加するか否かを判定する会議判定部と、前記ユーザに対する通知、または、前記電子会議に関する処理を行う外部装置に対する情報の出力を行う通知部と、前記ユーザが前記移動体の移動中に電子会議に参加する場合に、前記移動体が目的地までの移動に要する移動時間と、前記電子会議が行われる会議時間とを比較し、前記会議時間が前記移動時間より短い場合に前記通知部によって通知を実行させる通知制御部と、して機能させる、プログラム。
構成11のプログラムをコンピュータが実行することにより、移動体に搭乗しているユーザが参加する電子会議が、移動体の移動中に終了する可能性がある場合に、ユーザへの通知を行う。このため、ユーザは、移動体の移動時間を調整するなど、対策を講じることができる。従って、ユーザが移動体の中で会議に集中することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【符号の説明】
【0093】
1…車両(移動体)、2…会議サーバ、3…ユーザ端末、10…通知装置、13…通信装置、14…GNSS、15…タッチパネル、16…スピーカ、17…マイク、18…カメラ、100…プロセッサ、101…受付部、102…取得部、103…通知制御部、104…通信状態判定部、105…通知部、106…会議判定部、107…経路探索部、108…経路案内部、120…メモリ、121…制御プログラム、122…アプリ(プログラム)、123…地図DB、124…探索条件。
図1
図2
図3
図4
図5
図6