(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013170
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズル
(51)【国際特許分類】
E04F 21/165 20060101AFI20240124BHJP
E04G 23/02 20060101ALI20240124BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240124BHJP
B05B 1/06 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
E04F21/165 R
E04G23/02 B
B05C5/00 A
B05B1/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115162
(22)【出願日】2022-07-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】505216472
【氏名又は名称】株式会社マスタックエフ
(74)【代理人】
【識別番号】100106378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 宏一
(72)【発明者】
【氏名】舩木 主税
【テーマコード(参考)】
2E176
4F033
4F041
【Fターム(参考)】
2E176AA23
2E176BB17
4F033AA01
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033NA01
4F041AA08
4F041AA17
4F041AA19
4F041AB01
4F041CB44
4F041CB54
(57)【要約】
【課題】屋根材補修用の必要かつ十分な量のシール材をひび割れや一部欠損が生じたスレート材の補強が必要な部分にのみ使用すると共に、補修作業を十分な安全性を確保しながら迅速かつ効率的に行う屋根材補修用シーリング用具のシーリングノズルを提供する。
【解決手段】シーリングノズル100のシーリングカートリッジ側のノズル基端部101の太さが太くなっており、ノズル先端部に向かうに従ってノズルの太さが徐々に細くなると共に、ノズル先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていき、これに合わせてシーリングノズルのノズル先端部102に向かうに従ってシーリングノズルとノズルのシール材吐出用流路が平たくなった形状をなすように変化し、ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されていることを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項2】
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴とする請求項1に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項3】
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部を形成可能とする請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項4】
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項5】
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根材を補修するのに好適に利用可能な屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高粘性度の液状接着剤等を塗布するための接着剤充填収容容器及びこの接着剤充填収容容器の一部をなしてこの中に収容された接着剤を吐出させるノズルの構造は一般的に知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。そして、接着剤の代わりにシール材を例えば屋根材の破損した部分を修繕するに際してこの破損した部分を補強するために屋根材補強用シール材を必要な箇所に塗布するために吐出させるノズル構造を備えた屋根材補強用シール材充填カートリッジ用具も同様に知られている。
【0003】
また、屋根材の一部として使用されるスレート材は、これを多数枚準備して部分的に重ね合わせた状態で建物の屋根の棟に並べて取り付けた構成となっており、このような多数枚のスレート材で構成された屋根の形態についても広く知られている。
【0004】
ここでスレート材は、従来ではアスベスト(石綿)を含有させることで、それ自体の強度を向上させていた。そのため、従来のスレート材においては、一部が破損したり全体的に割れて分断してしまったりするような不具合が比較的生じにくかった。
【0005】
しかしながら、近年においては飛散したアスベストを吸い込むことで、肺がんや悪性中皮腫等の深刻な健康被害に見舞われる恐れが高いことから、アスベストの使用が禁止されるようになった。その結果、スレート材の強度は、以前よりも低下して近年の異常気象に基づく劣悪な気象条件や屋根上での何らかの作業などの外的要因がスレート材に作用することで、スレート材の上面の一部が欠けてしまったりひび割れが生じてしまったりする現象が多く見られるようになってきた。
【0006】
このようなスレート材の一部欠損やひび割れの状態を放置したままとすると、本来的に強度の低下しているスレート材の内部応力が急激に高まり、スレート材自体の破損が進んでそれ自体が破断してしまうことも生じていた。そして、このようにスレート材が破断してもはや屋根材としての機能を果たさなくスレート片として屋根にとりあえず留まったままでいると、近年の異常気象による大型台風や勢力の強い低気圧、線状降水帯の発生に伴う強烈な集中豪雨等により、屋根から落下したり建物の外に向かって飛ばされたりして周囲環境を極めて危険な状態に晒すようになっていた。
【0007】
そのため、上述のようなスレート材にひび割れや欠損部分が生じた場合に何らかの対策を必ず行わなければならないが、スレート材の一部にひび割れや欠損部分が生じただけでスレート材自体を交換する対策を行うとコスト的にかなり負担になってしまうため、スレート材の表面の一部にひび割れや欠損部分に対応するそのスレート材の裏側の部分にシール材を塗布してこの部分を補強して修繕する対策を行うことが一般的となっている。
【0008】
この際、一部にひび割れや欠損部分が生じたスレート材とこれに隣接する水下側のスレート材との重なり部分の隙間から屋根材補修用シーリング用具のシーリングノズルを挿入して、ひび割れや欠損部分が生じているスレート材の裏側の部分にシール材をシーリングノズルから吐出させて塗布した上で硬化させる修繕方法が具体的に行なわれている。
【0009】
このような対策によって、上述のようなスレート屋根材の一部にひび割れや欠損部分が生じたことに起因して、これがきっかけとなってそのスレート材自体が破断して屋根材としての役目を果たさなくなるばかりか、悪天候下でのスレート片の落下や飛散などの極めて危険な状況の発生を防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001-353466号公報
【特許文献2】特表2010-513163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の屋根材補修用シーリング用具を用いてスレート材の補修作業を行った場合、
図10に示すように、上述したスレート材同士の重なり部の隙間からシーリングノズルを差し込んで補修に必要なシール材をシーリングノズルから吐出させてスレート材の裏側の必要な部分に塗布した後、スレート材の隙間から再びシーリングノズルを引き抜こうとする際に問題が生じる。
【0012】
具体的には、シール材は極めて粘性の高いスラリー状の液体のため、スレート材をその裏側から補強するためにシール材を塗布する領域だけ屋根材補修に必要かつ十分なだけのシール材をシーリングノズルから塗布してその時点でシーリングノズルからのシール材が吐出しないようにシールの吐出を所望の位置において止めることが難しい。
【0013】
そのため、本来の屋根材の補修部分とは異なる部分を介してシーリングノズルをスレート材同士の隙間からシーリングノズルを抜け出そうとしている間中ずっとシーリングノズルから余分なシール材が吐出し続けることになってしまう。
【0014】
その結果、余分なシール材が補修すべきスレート材とその水下側のスレート材の重なり部分の隙間付近に大量にたまってしまうと共に、シーリングノズルをこの隙間から引き出す際にノズル先端からシール材の1部が水下側のスレート材の上面に垂れ落ちてしまう。
【0015】
これと共に、上述したスレート材の重なり部分の隙間付近に大量にたまったシール材が硬化する前にこの隙間から水下側のスレート材の上面に流れ出してしまい、下流側のスレート材の上面にべったりと流れ落ちた状態でこのシール材が硬化してしまう。
【0016】
余分なシール材がスレート材の重なり部の間から垂れ流れたまま硬化している状態は、一般的に遠目で見てもかなり目立ってしまい、屋根自体の見栄えを極端に低下させてしまう。即ち、上述のような不具合は、遠目で見てほとんど目立たないスレート材のひび割れや一部破損を修繕してその部分を補強すべく行った作業が返って屋根全体の見栄えを著しく低下させてしまうという想定外の問題を生じさせてしまうことになる。
【0017】
本発明の目的は、上述した課題を解決すべく屋根材補修用の必要かつ十分な量のシール材をひび割れや一部欠損が生じたスレート材の補強が必要な部分にのみ使用すると共に、係る屋根の補修作業を十分な安全性を確保しながら迅速かつ効率的に行うことができる屋根材補修用シーリング用具のシーリングノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の請求項1に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端側端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されていることを特徴としている。
【0019】
また、本発明の請求項2に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、請求項1に記載の屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴としている。
【0020】
また、本発明の請求項3に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部を形成可能とすることを特徴としている。
【0021】
また、本発明の請求項4に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、請求項1に記載の屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴としている。
【0022】
また、請求項5に記載の屋根材の補修方法は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴としている。
【0023】
また、請求項6に記載の屋根材補修用シーリング用具は、請求項1乃至請求項5に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具である。
【0024】
また、上述の屋根材補修用のシーリングノズルに関連して、このシーリングノズルを用いて屋根材を補修するにあたって、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法において、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端側端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されていることを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルを備えたシーリングカートリッジからなる屋根材補修用シーリング用具を用意し、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入し、
前記シーリングノズルのノズル先端のシール材吐出用開口部を前記補修すべきスレート材の所定の補修位置に達するまで前記挿入動作を行った後、この動作を止め、
前記シーリングノズルの先端を補修すべき屋根材の補修部分をその補修程度に応じてこの補修に必要かつ十分な量のシール材をノズル先端の吐出流路から吐出し、
前記スレート材の補修にあたって必要量のシール材を吐出した後、前記シーリングノズルを前記補修すべきスレート材とこの水下側に位置するスレート材の間の隙間から抜き出すことを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の第1の補修方法を行うのが好ましい。
【0025】
更には、上述の屋根材の第1の補修方法において、
前記シーリングノズルの前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴とする上述の第1の屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた第1の屋根材の補修方法の変形例を行うのが好ましい。
【0026】
また、上述の屋根材補修用のシーリングノズルに関連して、このシーリングノズルを用いて屋根材を補修するにあたって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部を形成可能とする上述の第1の屋根材補修方法及びその変形例に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた第2の屋根材の補修方法を行うのが好ましい。
【0027】
また、上述の屋根材補修用のシーリングノズルに関連して、このシーリングノズルを用いて屋根材を補修するにあたって、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた第2の屋根材の補修方法の変形例を行うのが好ましい。
また、上述の屋根材補修用のシーリングノズルに関連して、このシーリングノズルを用いて屋根材を補修するにあたって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴とする根材補修用シーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた第3の屋根材の補修方法を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、屋根材補修用の必要かつ十分な量のシール材をひび割れや一部欠損が生じたスレート材の補強が必要な部分にのみ使用すると共に、係る屋根の補修作業を十分な安全性を確保しながら迅速かつ効率的に行うことができる屋根材補修用シーリング用具のシーリングノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る屋根材補修用ノズルの正面図(
図1(a))、側面図(
図1(b))、底面図(
図1(c))、ノズル先端の開口部の平面図(
図1(d))、図中のノズル先端から若干離れた位置においてノズルを切断して開口部を広げた状態の平面図(
図1(e))である。
【
図2】従来のシーリングノズルの作成方法の手順の一例を示す図であり、先端に向かって縮径していく異形円筒パイプ状のシーリングノズルをその長手方向所定位置で鈍角をなすように折り曲げる直前の状態を示す斜視図(
図2(a-1))及びこの際のノズル先端の円形状をなす開口部形状を示す先端側端面図(
図2(b-1))、
図2(a-1)に示した状態から上記所定位置で鈍角をなすように折り曲げて従来型のシーリングノズルを完成させた状態を示す斜視図(
図2(a-2))及びこの際のノズル先端の円形状をなす開口部形状を示す先端側端面図(
図1(b-2))を示すと共に、本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズルの作成方法の手順の一例を示す図であり、先端に向かってノズル有るの断面積が小さくなっていくと共に、ノズルの外形が一定の方向に先端に向かうに従って平たく潰れた形状になっていく従来に比べて更に形状が変化した異形円筒パイプ状のシーリングノズルをその長手方向所定位置で鈍角をなすように折り曲げる直前の状態を示す斜視図(
図2(c-1))及びこの際のノズル先端の平べったく潰れたいわゆる陸上競技のトラックの形をより横に引き伸ばした形態の開口部形状を示す先端側端面図(
図2(d-1))、
図2(c-1)に示した状態から上記所定位置で鈍角をなすように折り曲げて従来型のシーリングノズルを完成させた状態を示す斜視図(
図2(c-2))及び平べったく潰れたいわゆる陸上競技のトラックの形をより横に引き伸ばした形態の開口部形状を示す先端側端面図(
図2(d-2))である。
【
図3】従来の屋根材補修用ノズルを用いて屋根上で実際に屋根材の補修作業を行っている一例を示す説明図(
図3(a))、スレート屋根材がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材とこの水下側のスレート屋根材との間にできたわずかな隙間に従来型のシーリングノズルを無理に突っ込んでシーリング材で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を押し込もうとしている状態を示す説明図(
図3(b))、同じくスレート屋根材がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材とこの水下側のスレート屋根材との間にできたわずかな隙間に従来型のシーリングノズルを無理に突っ込んでシーリング材で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を押し込もうとしているが、ノズル先端を本来シーリングすべき補強箇所まで到達させることができない状態を示す説明図(
図3(c))である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る屋根材補修用ノズルを用いて屋根上で実際に屋根材の補修作業を行っている一例を示す説明図(
図4(a))、スレート屋根材がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材とこの水下側のスレート屋根材との間にできたわずかな隙間に本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズルを無理することなく挿入してシーリング材で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を位置決めしている状態を示す説明図(
図4(b))、同じくスレート屋根材がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート材とこの水下側のスレート屋根材との間にできたわずかな隙間に本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズルを無理することなく挿入して突っ込んでシーリング材で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を位置決めして、ノズル先端を本来シーリングすべき補強箇所まで到達させた状態を示す説明図(
図4(c))である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る屋根材補修用ノズルの正面図(
図5(a))、側面図(
図5(b))、底面図(
図5(c))、ノズル先端の開口部を閉塞した状態を示す平面図(
図5(d))、図中のノズル先端から若干離れた位置においてノズルを切断して開口部を形成した状態の平面図(
図5(e))、
図5(e)に示したした切断部よりも更にノズル先端より若干離れた位置で切断してより大きなシール材吐出用開口部を形成させた状態を示す平面図(
図5(f))である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係る用ノズルの正面図(
図6(a))、側面図(
図6(b))、底面図(
図6(c))、ノズル先端の開口部を閉塞した状態を示す平面図(
図6(d))、図中のノズル先端を側面視で特定の角度をなすように切断して開口部を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部の折れ曲がった方向(
図6(b)に示す右斜め下側方向)角度から開口前の状態を示す平面図(
図6(e))である。
【
図7】
図6に示した本発明の第3の実施形態に係るノズルの先端に開口部を形成させるための方法と手順を示す説明図である。
【
図8】
図7に示した開口部の形成方法でノズル先端に開口部を形成させた後の本発明の第3の実施形態に係るノズルの正面図(
図8(a))、側面図(
図8(b))、底面図(
図8(c))、ノズル先端に形成された開口部を示す平面図(
図8(d))、図中のノズル先端を側面視で特定の角度をなすように切断して開口部を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部の折れ曲がった方向(
図8(b)に示す右斜め下側方向)から見た図であって、ノズル先端に形成された開口部を示す平面図(
図8(e))である。
【
図9】
図7及び
図8に示した第3の実施形態に係るノズルを用いて表面が部分的に欠けたスレート屋根材を補修する工程の一例をこれによって生じる特有の作用効果も含めて
図9(a)乃至
図9(e)の順に示す説明図である。
【
図10】
図9との比較図であって、従来の屋根材補修用ノズルを用いてスレート屋根材を補修する工程の一例をこの従来例によって生じる問題点も含めて
図10(a)乃至
図10(e)の順に時系列的に示す説明図である。
【
図11】複数の実施形態のすべてを含む本発明を実施する際に生じる特有の作用効果(
図11(a)及び
図11(b))を従来技術のノズルを用いると生じてしまう問題点(
図11(c))と比較して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の各実施形態を具体的に説明する前に、これらの各実施形態に共通する構成で、本発明の要旨をなす共通部分について説明する。なお、この説明にあたって記入する符号の番号については、3桁目の百の位が1となっているが、これはこの共通部分で代表的に1としたもので、これ以降の各実施形態の具体的説明においては、3桁目の百の位については実施形態の番号に対応させ、2桁目の十の位においてはシーリングノズルの各部位の名称に対応させ、1桁の位については前記各部位のより詳細な部分の説明に対応させるものとする。
【0031】
また、本発明の各実施形態において説明する水平方向や垂直方向(横方向や縦方向)、上下左右の方向については、各図面に記載した内容に対応させるものとする。
【0032】
また、以下に説明する各実施形態については、本発明の内容をあくまで例示的に示したものに過ぎず、本発明の範囲はこの実施形態の内容に限定されず、本発明の本来的有する作業効果を生じさせれば、様々な変形形態が考えられる。また、本発明の実施形態で具体的に特定した形状、材質、寸法等に本発明は限定されるものでないことは言うまでもない。
【0033】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る屋根材補修用ノズルの正面図(
図1(a))、側面図(
図1(b))、底面図(
図1(c))、ノズル先端の開口部の平面図(
図1(d))、図中のノズル先端から若干離れた位置においてノズルを切断して開口部を広げた状態の平面図(
図1(e))である。
【0034】
なお、
図1(d)に示す比較的小さいトラック状の開口部は、
図1(b)の開口部をそのまま端面図で見て示したものである。一方、
図1(e)の比較的大きいトラック状の開口部は、例えば
図1(b)の先端部からある程度の距離だけ離間した位置において、ノズル流路の中心軸線に対して垂直方向に切断した状態となっている。
【0035】
本発明に係る屋根材補修用のシーリングノズル(以下「屋根材補修用のシーリングノズル」又は「シーリングノズル」若しくは単に「ノズル」とする)100は、屋根材補修用シーリングカートリッジに例えばねじ込みによって着脱自在に備わる屋根材補修用のシーリングノズルである。なお、本発明に使用するシーリングノズルの材質としては、従来から使用されている一般的なシーリングノズルと同様な樹脂材が使用されている。
【0036】
シーリングノズル100は、これが取り付けられるシーリングカートリッジ側のノズル基端部101の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部101に対応するシール材吐出用流路111のノズル断面積もこれに合わせて大きくなっている。その上、シーリングノズル100のノズル先端部102に向かうに従ってシーリングノズル100の太さが徐々に細くなると共に、このノズル先端部102に対応するシール材吐出用流路121の断面積も徐々に小さくなっている。
【0037】
シーリングノズル100のノズル基端部101には、シーリングノズル100をシーリングカートリッジ(図示せず)に着脱自在に取り付けることができるようにシーリングカートリッジのシール材吐出部の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部109が形成されている。
【0038】
そして、本発明の特徴的構成として、シーリングノズル100のノズル先端部102に向かうに従ってシーリングノズル100の太さが徐々に細くなると共に、このノズル先端部102に対応するシール材吐出用流路121の断面積も徐々に小さくなっていき、かつこれに合わせてシーリングノズル100のノズル先端部102に向かうに従ってシーリングノズル100及びこのシーリングノズル100のシール材吐出用流路121が双方とも平たくなった形状をなすように変化していく。
【0039】
また、シーリングノズル100のノズル先端部102とノズル基端部101の間の所定位置において、ノズル中間折れ曲がり部150が形成されている。これによって、ノズル中間折れ曲がり部150からノズル基端側端部までがノズル基端側延在部をなし、ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしている。
【0040】
シーリングノズル100の平たくなった形状をなすように変化していく部分と、ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係について説明する。この両者の関係は、屋根材補修用のシーリングノズル100を、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材11と、このスレート材11の水下側に位置するスレート材12との重なり部分の隙間に合わせて、シーリングノズル100のノズル先端部102及びこのノズル先端部102からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、屋根材補修用のシーリングノズル100のノズル基端部101に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、補修が必要なスレート材11とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材12の双方から離間する方向、即ちスレート材同士の隙間13から離れる方向であって水下側スレート材12の上面からの離れる方向に位置するような関係となるように、ノズル基端部とノズル先端部とがノズル中間折れ曲がり部150を介してつながっている。
【0041】
これに加えて、ノズル中間折れ曲がり部150の折れ曲がり度合いに関しては、ノズル基端側延在部の中心軸線とノズル先端側延在部の中心軸線とがノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、ノズル基端部とノズル先端部とがノズル中間折れ曲がり部を介してつながっている。
【0042】
図2は、従来のシーリングノズル500と本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズル100の作成形態及びそれに基づく構造の違いの一例を示す比較図である。具体的には、
図2の上側の図は、従来のシーリングノズル500の作成方法の手順の一例を示す図であり、先端に向かって縮径していく異形円筒パイプ状のシーリングノズル500Aをその長手方向所定位置で鈍角をなすように折り曲げる直前の状態を示す斜視図(
図2(a-1))及びこの際のノズル先端の円形状をなす開口部形状を示す先端側端面図(
図2(b-1))、
図2(a-1)に示した状態から上記所定位置で鈍角をなすように折り曲げて従来型のシーリングノズル500を完成させた状態を示す斜視図(
図2(a-2))及びこの際のノズル先端の円形状をなす開口部形状を示す先端側端面図(
図2(b-2))である。
【0043】
また、
図2の下側の図は、本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズル100の作成方法の手順の一例を示す図であり、先端に向かってノズル流路521の断面積が小さくなっていくと共に、ノズルの外形が一定の方向に先端に向かうに従って平たく潰れた形状になっていく従来に比べて、更に形状が変化した異形円筒パイプ状のシーリングノズルをその長手方向所定位置で鈍角をなすように折り曲げる直前の状態を示す斜視図(
図2(c-1))及びこの際のノズル先端の平べったく潰れたいわゆる陸上競技のトラックの形をより横に引き伸ばした形態のシール材吐出用開口部125を示す先端側端面図(
図2(d-1))、
図2(c-1)に示した状態から上記所定位置で鈍角をなすように折り曲げて従来型のシーリングノズル500を完成させた状態を示す斜視図(
図2(c-2))及び平べったく潰れたいわゆる陸上競技のトラックの形をより横に引き伸ばした形態の開口部形状を示す先端側端面図(
図2(d-2))である。
【0044】
図2から分かるように、略円筒形状のノズル500をこの第1の実施形態と従来技術とにおいて、同様に所定の位置で折り曲げているが、シール材吐出用開口部525の端面視円形形状については変化することがなく、従来技術においては第1の実施形態に係るシール材吐出用開口部125は、平たく潰れたトラック形状となっている。また、第1の実施形態のシール材吐出用開口部125の平たく潰れたトラック形状の長手方向はほぼ直角で交わるように形成されている。
【0045】
また、
図3は、以下の図面から構成されている。具体的には、
図3(a)は、
従来の屋根材補修用ノズル500を用いて屋根上で実際に屋根材の補修作業を行っている一例を示す説明図である。また、
図3(b)は、スレート屋根材11がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材11とこの水下側のスレート屋根材12との間にできた僅かな隙間に従来型のシーリングノズル500を無理に突っ込んで、シーリング材900で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端520を押し込もうとしている状態を示す説明図である。また、
図3(c)は、同じくスレート屋根材11がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材11とこの水下側のスレート屋根材12との間にできた僅かな隙間に従来型のシーリングノズル500を無理に突っ込んでシーリング材900で屋根材を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を押し込もうとしているが、ノズル先端520を本来シーリングすべき補強箇所まで到達させることができない状態を示す説明図である。
【0046】
また、
図4は、本発明の第1の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル100を用いて屋根上で実際に屋根材の補修作業を行っている一例を示す説明図(
図4(a))、スレート屋根材11がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材11とこの水下側のスレート屋根材12との間にできた僅かな隙間に本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズル100を無理することなく挿入してシーリング材900でスレート屋根材11を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を位置決めしている状態を示す説明図(
図4(b))、同じくスレート屋根材11がひび割れたり欠けたりした状態を示すと共に、このひび割れたり欠けたりしたスレート屋根材11とこの水下側のスレート屋根材12との間にできた僅かな隙間に本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズル100を無理することなく挿入してシーリング材900でスレート屋根材11を補強すべき場所(二点鎖線と細かいドットで示す略円形領域までノズル先端を位置決めして、ノズル先端部102を本来シーリングすべき補強箇所まで到達させた状態を示す説明図(
図4(c))である。
【0047】
これらの図面及びその図面の説明からに明らかなように、本発明の第1の実施形態に係るシーリングノズル100によると、屋根上作業者が実際に屋根に上がって補修すべき箇所の状態を見て、必要なシール量やシーリングノズル100のノズル先端部102が補修すべき水上側のスレート屋根材11とこの下側に位置する水下側のスレート屋根材12との間にできた隙間13の間から、無理なく補修箇所まで挿入できる。
【0048】
また、
図1(d)及び(e)からも明らかなように、シーリングノズル100の開口部125がこのように一方向に平たく潰れた形状を有しているので、ノズル先端部102をスレート屋根材11、12間の隙間13に差し込む際に、
図11(a-2)に示すようなくさび作用による水上側のスレート屋根材11への好ましくない力を局所的に作用させずに、ノズル先端部102をこれらスレート屋根材11、12間の隙間13の所定の位置まで挿入させることが可能になる。
【0049】
なお、第1の実施形態の変形例として、次のような形態が考えられる。具体的には、第1の実施形態においては、ノズル基端側延在部の中心軸線とノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されていた。
【0050】
しかしながら、この変形例においては、図面では示さないが、第1の実施形態の代わりに、ノズル基端側延在部の中心軸線とノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていても良い。この場合、ノズル基端部とノズル先端側延在部とがノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有するようにつながっていると、第1の実施形態と同様の作用効果を発生させることができる。
【0051】
続いて、本発明の第2の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル200について図面に基づき説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル200の正面図(
図5(a))、側面図(
図5(b))、底面図(
図5(c))、ノズル先端部202の開口部を閉塞した状態を示す平面図(
図5(d))、図中のノズル先端部202から若干離れた位置においてシーリングノズル200を切断して開口部225を形成した状態の平面図(
図5(e))、
図5(e)に示したした切断部よりも更にノズル先端部202より若干離れた位置で切断してより大きなノズル吐出用開口部226を形成させた状態を示す平面図(
図5(f))である。
【0052】
第2の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル200は、ノズル先端部202においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないようにノズル先端部202が閉塞された構成を有している。そして、シーリングノズル200のノズル先端部202からノズル基端部201に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路211,221は、ノズル先端部202からノズル基端部201に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成されている。更には、ノズル先端部201からノズル中間折れ曲がり部250に向かって平たくなった領域の所定位置においてノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部225、226を形成可能な構成となっている。
【0053】
本発明の第2の実施形態に係るシーリングノズル200がこのような構成をとることによって、屋根上作業者が実際に屋根に上って補修すべき箇所に行くまでシーリングノズル200のノズル先端部202が閉塞した状態を保つことができるので、実際の作業までにノズル先端部201に異物が入り込んでノズルのシール材吐出用流路221が詰まってしまうことで、屋根上作業を行おうとする際にシール材900が所望の量だけ吐出しなくなったりシール材吐出用流路221が完全に詰まってシーリングノズル200の役目を果たせなくなったりする事態の発生を防止できる。
【0054】
また、本発明の第2の実施形態に係るシーリングノズル200が上述のような構成を有することによって、屋根上作業者が実際に屋根に上がって補修すべき箇所の状態を見て、必要なシール量やノズル先端が補修すべき水上側のスレート屋根材11とこの下側に位置する水下側のスレート屋根材12との間にできた隙間13の間から、無理なく補修箇所まで挿入できるかどうかを判断すると共に、スレート屋根材11の破損の程度に応じてその補修に必要な量のシール材900を補修すべきスレート屋根材11とこれと重なる水下側のスレート屋根材12との隙間13に迅速に吐出して補修するのに最適なシール材吐出用流路の開口部の大きさをその場で見極め、ノズル先端部202から最適な場所でノズル自体を切断しても開口部225を形成せしめることができる。
【0055】
また、第1の実施形態と同様に、
図1(d)乃至(f)からも明らかなように、シーリングノズル200の開口部225が、ノズル中間折れ曲がり部250から一方向に平たく潰れた形状を有しているので、ノズル先端部202をスレート屋根材同士の隙間13に差し込む際に、
図11(b)に示すようなくさび作用による水上側のスレート屋根材11への好ましくない力を局所的に作用させずに、ノズル先端部202をこれらスレート屋根材11、12間の隙間13の所定の位置まで挿入させることが可能になる。
【0056】
また、
図11(b)に示すように従来のシーリングノズル500を押し込み力Fで無理矢理押し込んだ場合に補修すべきスレート屋根材の水下側下端部(下側面11aの水下側下端部)にくさび作用によって大きな力Rが局所的に発生して本来補修すべきはずのスレート屋根材11が逆によりひどく破損してしまうような事態が発生するのを回避できる。
【0057】
続いて、本発明の第3の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル300について図面に基づき説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズル300の正面図(
図6(a))、側面図(
図6(b))、底面図(
図6(c))、ノズル先端部302のシール材吐出用開口部を閉塞した状態を示す平面図(
図6(d))、図中のノズル先端部302を側面視で特定の角度をなすように切断してシール材吐出用開口375を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部370の折れ曲がった方向(
図6(b)に示す右斜め下側方向)角度から開口前の状態を示す平面図(
図6(e))である。
【0058】
また、
図7は、
図6に示した本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズル300の先端に開口部375を形成させるための方法と手順を示す説明図である。また、
図8は、
図7に示した開口部の形成方法でノズル先端部302に開口部375を形成させた後の本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズルの正面図(
図8(a))、側面図(
図8(b))、底面図(
図8(c))、ノズル先端部302に形成されたシール材吐出用開口部375を示す平面図(
図8(d))、図中のノズル先端部302を側面視で特定の角度をなすように切断してシール材吐出用開口部375を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部370の折れ曲がった方向(
図8(b)に示す右斜め下側方向)から見た図であって、ノズル先端部302に形成されたシール材吐出用開口部375を示す平面図(
図8(e))である。
【0059】
続いて、本発明の第3の実施形態に係る屋根材補修用のシーリングノズル300について図面に基づき説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズル300の正面図(
図6(a))、側面図(
図6(b))、底面図(
図6(c))、ノズル先端の開口部を閉塞した状態を示す平面図(
図6(d))、図中のノズル先端を側面視で特定の角度をなすように切断してシール材吐出用開口部375を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部の折れ曲がった方向(
図6(b)に示す右斜め下側方向)から開口前の状態を示す平面図(
図6(e))である。
【0060】
また、
図7は、
図6に示した本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズル300の先端にシール材吐出用開口部375を形成させるための方法と手順を示す説明図である。また、
図8は、
図7に示したシール材吐出用開口部375の形成方法でノズル先端部302にシール材吐出用開口部375を形成させた後の本発明の第3の実施形態に係るシーリングノズル300の正面図(
図8(a))、側面図(
図8(b))、底面図(
図8(c))、ノズル先端部302に形成されたシール材吐出用開口部375を示す平面図(
図8(d))、図中のノズル先端部302を側面視で特定の角度をなすように切断してシール材吐出用開口部375を形成する直前をノズル先端側折れ曲がり部の折れ曲がった方向(
図8(b)に示す右斜め下側方向)から見た図であって、ノズル先端に形成された開口部を示す平面図(
図8(e))である。
【0061】
第3の実施形態に係るシーリングノズル300は、ノズル先端部302においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないようにノズル先端部302が閉塞されている(
図6(d),(e)において点線で示す流路先端閉塞部322参照)。そして、ノズル先端側延在部320のノズル先端部近傍において、ノズル中間折れ曲がり部350の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部370が形成されている(
図6参照)。
【0062】
ノズル先端側延在部320においてノズル先端側折れ曲がり部370よりも基端側に向かって延在する部分であって、ノズル中間折れ曲がり部350とノズル先端側折れ曲がり部370の双方によって形成される内側領域と合致させるようにノズル先端側折れ曲がり部370の一部を切断することで、シール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面とノズル中間折れ曲がり部350からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすようにシール材吐出用開口部375を形成可能になっている(
図7の左側の(a-1)乃至(a-3)から右側の(b-1)乃至(b-3)の変化状態に参照)。
【0063】
そして、上述のようにノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、シール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面とノズル中間折れ曲がり部からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすようにシール材吐出用開口部375が形成されている(
図8参照)。
【0064】
なお、第3の実施形態においては、切断の角度によってシール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面とノズル中間折れ曲がり部350からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行をなしていることが分かる。
【0065】
一方、シール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面とノズル中間折れ曲がり部350からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線が鋭角をなす形態については具体的に図示していないが、この形態についても第3の実施形態に含まれるものである。
【0066】
図9は、
図7及び
図8に示した第3の実施形態に係るシーリングノズル300を用いて表面が部分的に欠けたスレート屋根材を補修する工程の一例をこれによって生じる特有の作用効果も含めて
図9(a)乃至
図9(e)の順に示す説明図である。また、
図10は、
図9との比較図であって、従来の屋根材補修用のシーリングノズル500を用いてスレート屋根材を補修する工程の一例をこの従来例によって生じる問題点も含めて
図10(a)乃至
図10(e)の順に時系列的に示す説明図である。
【0067】
これらの図面を比較することで次のようなことが理解できる。従来の屋根材補修用シーリング用具を用いてスレート材11の補修作業を行った場合、
図10に示すように、上述したスレート材11、12の重なり部の隙間13からシーリングノズル500を差し込んで補修に必要なシール材900をシーリングノズル500から吐出させ、スレート材の裏側の必要な部分に塗布した後、スレート材11、12の隙間から再びシーリングノズル500を引き抜こうとする際に問題が生じる。
【0068】
具体的には、シール材900は極めて粘性の高いスラリー状の液体のため、補修すべきスレート材11をその裏側から補強するために、シール材900を塗布する領域だけ屋根材補修に必要かつ十分なだけのシール材900をシーリングノズル500から塗布してその時点でシーリングノズル500からのシール材900が吐出しないようにシール材900の吐出を所望の位置において止めることが難しい。これは、
図10(a)から
図10(b)に視覚的に示す過程より理解することができる。
【0069】
即ち、シーリングノズル500をスレート材11及び12の間の隙間から引き抜く際に、
図10(d),(e)に示すように、余分なシール材910は本来吐出すべきでない水下側のスレート材12の上面に流れ下がっていくと共に、シーリングノズル500の先端からシール材920が垂れ落ちて流下し続ける極めて不適切な状態をこれらの図面から理解することができる。
【0070】
そのため、本来のスレート材11の補修部分とは異なる部分に亘ってシーリングノズル500をスレート材11、12の隙間13からシーリングノズル500を抜き出そうとしている間中ずっとシーリングノズル500から余分なシール材900が吐出し続けることになってしまう。これは、
図10(b)から
図10(c)に視覚的に示す過程より理解することができる。
【0071】
その結果、余分なシール材900が補修すべきスレート材11とその水下側のスレート材12の重なり部分の隙間13の付近に大量に溜ってしまうと共に、シーリングノズル300をこの隙間13から引き出す際にノズル先端部302からシール材900の一部が水下側のスレート材12の上面に垂れ落ちてしまう。これは、
図10(c)から
図10(d)に視覚的に示す過程より理解することができる。
【0072】
これと共に、上述したスレート材11,12の重なり部分の隙間13の付近に大量に溜ったシール材900が硬化する前にこの隙間13から水下側のスレート材12の上面に流れ出してしまい、水下側のスレート材12の上面にべったりと流れた状態でこのシール材900が硬化してしまう。これは、
図10(d)から
図10(e)に視覚的に示す過程より理解することができる。
【0073】
余分なシール材900がスレート材11,12の重なり部の隙間13から垂れ流れたまま硬化している状態は、一般的に遠目で見てもかなり目立ってしまい、屋根自体の見栄えを極端に低下させてしまう。即ち、上述のような不具合は、遠目で見て殆ど目立たない補修すべきスレート材11のひび割れや一部破損を修繕してその部分を補強すべく行った作業が、反って屋根全体の見栄えを著しく低下させてしまうという想定外の問題を生じさせてしまうことになる。
【0074】
しかしながら、第3の実施形態に係るシーリングノズル300を用いて表面が部分的に欠けたスレート屋根材11を補修する際に、このような不具合が発生するのを防止することが理解できる。具体的には、
図9(a)において補修すべきスレート材11とこの水下側に配置されたスレート材12との重なり部の隙間13にシーリングノズル300を挿入し、
図9(b)において補修すべきスレート材11の補修部分の下側面11aに必要かつ十分なシール材900を塗布する。このシール材塗布作業を終えた後に、
図9(c)に示すようにシーリングノズル300のノズル先端部302のシール材吐出用開口部375を補修後のスレート材11の下側面に押し付けながら、
図9(d)に示すようにシーリングノズル300を補修後のスレート材11とその水下側のスレート材12の隙間13から引き抜く。
【0075】
この押し付け過程において、非常に粘性の高いシール材900は、ノズル先端部302のシール材吐出用開口部375からその粘性により吐出し続けることなく、いわゆる水切りのごときシール切りによってシール材吐出用開口部375からのシール材900の吐出を強制的に止めることができる。
【0076】
その結果、シール材吐出用開口部375からのシール材900の吐出が完全に行われなくなった状態で、
図9(d)から
図9(e)に示すように、シール材吐出用開口部375からシール材900が垂れ落ちることなく、補強のためのシール材900を塗布したスレート材11とその水下側のスレート材12との間に形成される隙間13からシーリングノズル300を無理なく引き抜くことができる。
【0077】
これによって、従来のようにスレート材11,12同士の隙間13からシーリングノズル300を抜き出そうとしている間中ずっと、本来のスレート材11の補修部分とは異なる不要な部分に亘シーリングノズル300から余分なシール材900が吐出し続けてしまうことをなくす。
【0078】
その結果、上述のようなこのシール材塗布作業を終えた後に、
図9(c)に示すように、シーリングノズル300のノズル先端部302のシール材吐出用開口部375を補修後のスレート材11の下側面11aに押し付けながら、
図9(d)に示すようにシール材900を補修後のスレート材11とその水下側のスレート材12との隙間13から引き抜く工程を屋根上作業者が意識的に行うことによって、補修すべきスレート材11の本来の補修箇所に対応する下側面11aとこれに対向する水下側のスレート材12との間に補修に際して必要かつ十分な量のシール材900を塗布した後に、余分なシール材900をその水下側に吐出し続けて上述の従来のような問題が生じることがないことを屋根上作業者が認識することができ、補修作業後のシーリングノズル300をスレート屋根材11,12同士の隙間13から安心して引き抜くことができる(
図10(d)から
図10(e)に至るまでの過程参照)。
【0079】
続いて、本発明に係る屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法について説明する。なお、以下の記載内容は、上述した各実施形態に係るシーリングノズルを用いたスレート屋根材の補修方法を順々に説明していくものである。
【0080】
最初に、本発明の全体内容において共通する本発明の屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その1について以下に具体的に説明する。
【0081】
最初に本発明に係るシーリングノズル100を備えた屋根材シーリング用具を準備する。この準備は、補修すべきスレート材11の備わった屋根に上る前に予め準備しておくか、実際に補修すべきスレート材の備わった屋根上で準備するかの何れでも良い。なお、ここでいう本発明に係るシーリングノズル100は、上述した詳細な説明の冒頭で説明したシーリングノズル100の構成と同様であるが、念のため以下に説明する。本発明に係るシーリングノズル100は、屋根材シーリング用具を構成するシーリングカートリッジに着脱自在に取り付けることができるようになっているものであり、シーリングノズル100のシーリングカートリッジ側のノズル基端部101の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部101に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっているが、シーリングノズルの先端部に向かうに従ってシーリングノズル100の太さが徐々に細くなると共に、このノズル先端部202に対応するシール材吐出用流路121の断面積も徐々に小さくなっていき、かつこれに合わせてシーリングノズル100のノズル先端部102に向かうに従ってシーリングノズル100及びこのシーリングノズル100のシール材吐出用流路121が双方ともどんどん平たくなっていく形状に変化していくようになっている。
【0082】
更には、本発明に係るシーリングノズル100は、ノズル先端部102とノズル基端部101の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部150が形成され、ノズル中間折れ曲がり部150からノズル基端部101までがノズル基端部延在部110をなし、ノズル中間折れ曲がり部150からノズル先端部102までがノズル先端側延在部120となっている。
【0083】
そして、平たくなった形状をなすように変化していく部分と、ノズル中間折れ曲がり部150の折れ曲がり方向との関係が、屋根材補修用のシーリングノズル100を、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材11と、このスレート材11の水下側に位置するスレート材12との重なり部分の隙間13に合わせて、シーリングノズル100のノズル先端部202及びこのノズル先端部202からノズル先端側延在部120の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間13に挿入した際に、シーリングノズル100のノズル基端部101に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部(雌ネジ109が形成された開口部)が、補修が必要なスレート材11とこのスレート材11の下側部分に位置する水下側スレート材12の双方から離間する方向に位置する形状(姿勢)となるようにノズル基端部101とノズル先端部102とが形成されている。
【0084】
これに加えて、本発明に係るシーリングノズル100は、ノズル基端部101の中心軸線とノズル先端部102の中心軸線とがノズル中間折れ曲がり部150において鈍角をなすように、ノズル基端部延在部110とノズル先端側延在部120とが形成されている。
【0085】
そして、最初の工程において、このシーリングノズル100を適当な時点で屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて本発明に係るシーリングノズル100を備えたシーリングカートリッジからなる屋根材補修用シーリング用具を用意する。
【0086】
続く工程として、このシーリングノズル100を実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材11と、このスレート材11の水下側に位置するスレート材12との重なり部分の隙間13に合わせて、シーリングノズル100のノズル先端部102及びこのノズル先端部102からノズル先端側延在部120の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間13に挿入する。
【0087】
このスレート材11,12同士の隙間13へのシーリングノズル100の差し込み挿入作業を行うにあたって、シーリングノズル100のノズル先端部102のシール材吐出用開口部125を補修すべきスレート材11の所定の補修位置に達するまで挿入動作を行った後、この差し込み挿入動作を止める。
【0088】
続く工程として、補修すべきスレート材11の補修部分をその補修程度に応じてこの補修に必要かつ十分な量のシール材900をシーリングノズル100のノズル先端部102のシール材吐出用開口部125からから吐出させる。
【0089】
続く工程として、スレート材11の補修にあたって必要量のシール材900を吐出した後、シーリングノズル100を補修すべきスレート材11とこの水下側に位置するスレート材12の間の隙間から抜き出す。そして、これらの各工程を順番に行うことで、本発明に係る屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズル100を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法による実際の補修作業を完了する。
【0090】
なお、本発明に係る屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その1において、上述したシーリングノズルを用いる代わりに以下のようなシーリングノズルを用いても良い。このシーリングノズルは、上述した第1の実施形態の変形例に係るシーリングノズルの構成に対応しているが、ここで念のために再度このシーリングノズルの構成について説明する。
【0091】
具体的には、このシーリングノズルは、第1の実施形態に係るシーリングノズルのようにノズル基端側延在部の中心軸線とノズル先端側延在部の中心軸線とがノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっている。更には、ノズル基端部とノズル先端側延在部とがノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有している。このようなシーリングノズルを用いても、屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その1と同等の作用効果を発生させることができる。
【0092】
次いで、本発明の屋根材補修用のシーリングノズル200を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その2について、以下に具体的に説明する。なお、この屋根材の補修方法その2の基本的工程は上述した屋根材の補修方法その1と共通するので、両者の相違点のみについて以下に説明する。
【0093】
本発明の屋根材補修用のシーリングノズル200を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方その2においては、上述したこの屋根材の補修方法その1において使用した第1の実施形態に対応するシーリングノズル100の代わりに、上述した第2の実施形態に係るシーリングノズル200を使用することを特徴としている。そのため、このシーリングノズル200の構成については、第2の実施形態と共通するが、念のためこの構成を再度説明する。
【0094】
具体的には、屋根材補修用シーリンジカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズル200を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その2において使用するシーリングノズル200は、ノズル先端部202においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないようにノズル先端部202が閉塞されており、ノズル先端部202近傍において平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、ノズル基端部201からノズル先端部202に向かうに従ってその流路断面積が小さくかつ平たい細長の形状になるように形成されている。
【0095】
そして、屋根材の補修方法その2を実施するにあたって、ノズル先端部201からノズル基端部220に向かって平たくなった領域の所定位置においてノズル先端側延在部220を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部225,227を形成するようになっている。
【0096】
これによって、屋根上作業者は実際に屋根に上って補修すべきスレート材11の補修の程度を調べた上で、この補修に必要な必要かつ十分のシール材900の吐出量の見当を付け、これに応じてスレート材11の補修に必要なシール材900を迅速かつ十分に吐出して補修作業を素早く終えることができるように制限がノズル200に形成すべきシール材吐出用開口部225,226,…の最適な大きさを考える。そして、これに対応する部分でシーリングノズル200を切断して最適な大きさのシール材吐出用開口部225,226,…を形成する。
【0097】
次いで、本発明の屋根材補修用のシーリングノズル300を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その3について、以下に具体的に説明する。なお、この屋根材の補修方法その3の基本的工程についても、上述した屋根材の補修方法その1と共通するので、両者の相違点のみについて以下に説明する。
【0098】
本発明の屋根材補修用のシーリングノズルを備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その3においては、上述したこの屋根材の補修方法その1において使用した第1の実施形態に対応するシーリングノズル100の代わり(こ、上述した第3の実施形態に係るシーリングノズル300を使用することを特徴としている。そのため、そのシーリングノズル300の構成については、第3の実施形態と共通するが、念のためこの構成を再度説明する。
【0099】
具体的には、屋根材補修用シーリンジカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズル300を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その3において使用するシーリングノズル300は、シール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面と、ノズル中間折れ曲がり部350からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線が互いに平行又は鋭角をなすようにシール材吐出用開口部375が形成されるようになっている。なお、このシール材吐出用開口部375は、予め形成しても良いが、以下の手順でスレート材補修作業の直前に屋根上作業者がシーリングノズル300のノズル先端部302を切断して形成しても良い。
【0100】
後者の作業方法に関してして以下に説明する。後者のシーリングノズル300は、ノズル先端部302においてシール材吐出用開口部が形成されないようにノズル先端部302が閉塞されている。そして、ノズル先端側延在部320のノズル先端部302の近傍において、ノズル中間折れ曲がり部350の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部370が形成されている。
【0101】
シーリングノズル300のノズル先端側延在部320においては、ノズル先端側折れ曲がり部370よりもノズル基端側に向かって延在する部分であって、ノズル中間折れ曲がり部350とノズル先端側折れ曲がり部370の双方によって形成される内側領域と合致させるように、ノズル先端側折れ曲がり部370の一部を切断することで、シール材吐出用開口部375の開口縁部376を含む仮想平面とノズル先端側折れ曲がり部370からノズル先端部302までのシール材900の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすようにシール材吐出用開口部375が形成されるようになっている。
【0102】
なお、このシール材吐出用開口部375は、上述したようにスレート材11の補修の際に屋根上作業者がノズル先端部302をこの部分でシール材吐出用開口部375を形成させるための所定の切断面に沿って切断することによって形成しても良く、成型品としてのシール材吐出用開口部375が形成されるように予め作成しておいても良い。
【0103】
上述した本発明の屋根材補修用のシーリングノズル300を備えた屋根材補修用シーリング用具を用いた屋根材の補修方法その3によって生じる特有のメリットについて、強調する意味合いで再度以下に記載する。具体的には、
図9(a)において補修すべきスレート材11とこの水下側に配置されたスレート材12との間の隙間13にシーリングノズル300を挿入し、
図9(b)において補修すべきスレート材11の補修部分の下側面に必要かつ十分なシール材900を塗布する。
【0104】
このシール材塗布作業を終えた後に、
図9(c)に示すように、シーリングノズル300のノズル先端部302のシール材吐出用開口部375を補修後のスレート材11の下側面11aに押し付けながら、
図9(d)に示すように、シール材900を補修後のスレート材11とその水下側のスレート材12の重なり部の隙間13から引き抜く。この押し付け過程において、非常に粘性の高いシール材900は、ノズル先端部302のシール材吐出用開口部375からその粘性により吐出し続けることなく、いわゆる水切りのごとくシール切りによってシール材吐出用開口部からのシール材900の吐出を強制的に止めることができる。
【0105】
その結果、シール材吐出用開口部375からのシール材900の吐出が完全に行われなくなった状態で、
図9(d)から
図9(e)に示すように、シール材吐出用開口部375からシール材900が垂れ流れることもなく、補強のためのシール材900を塗布したスレート材11とその水下側のスレート材12の重なり部における隙間13から、シーリングノズル300を引き抜くことができる。
【0106】
これによって、従来のように本来の屋根材の補修部分とは異なる部分を介してシーリングノズル300をスレート材11,12同士の隙間13から抜き出そうとしているにおいてシール材吐出用開口部375から余分なシール材900が吐出し続けることがなくなる。
【0107】
以上のようなシール材塗布作業を終えた後に、
図9(c)に示すように、シーリングノズル300のノズル先端部302のシール材吐出用開口部375を補修後のスレート材11の下側面に押し付けながら、
図9(d)に示すようにシール材900を補修後のスレート材11とその水下側のスレート材12の重なり部の隙間13から引き抜く工程を屋根上作業者が意識的に行うことによって、補修すべきスレート材11の本来の補修箇所に対応する下側面11aとこれに対向する水下側のスレート材12との間に補修に関して必要かつ十分な量のシール材900を塗布した後に余分なシール材900をその水下側に吐出し上述した従来の問題が生じることがないことを屋根上作業者が認識しながら作業可能となり、補修作業後のシーリングノズル300をスレート屋根材同士の隙間から安心して引き抜くことができる(
図10(d)から
図10(e)に至るまでの過程参照)。
【0108】
最後に、上述した本発明に係る屋根材補修用のシーリングノズル及びこれを用いたスレート材の補修方法に関する特有の優位点について再度確認する。本発明に係る屋根材補修用のシーリングノズル300は、上述した本発明において共通する実施の形態の内容において記載したように、ノズル先端に向かうに従って、特定の方向に平べったくなった外形を有すると共に、ノズル吐出流路もこれに応じて特定の方向に平たい流路形状として変化していく特有の構成を有している。
【0109】
そして、この平べったくなる方向は、これに対応するノズル先端部302に形成されたシール材吐出用開口部375の開口縁部376における長手方向が、補修すべきスレート材11とその水下側のスレート材12との間の隙間13の延在方向と一致するようになっている。
【0110】
これによって、スレート材11,12同士の隙間13が小さかったり狭くなったりしてもシーリングノズル300のノズル先端部302に形成されたシール材吐出用開口部375をこの隙間13から補修すべきスレート
図11の補修部分に相当する領域まで無理なく差し込むことができるとともに、シール材補修後にシールノズル300をスレート材11,12の隙間13から何ら問題なくスムーズに抜け出すことができる。これによって、以下に説明するシーリングノズル300によるスレート材11,12の隙間部分を過度に開け拡げるような力を加えることがない。
【0111】
この特有の構成に基づく従来例のシーリングノズルと比較した場合の顕著なる作用効果については、
図11から容易に理解することができる。
図11は、複数の実施形態のすべてを含む本発明を実施する際に生じる特有の作用効果(
図11(a)及び
図11(b))を従来技術のノズルを用いると生じてしまう問題点(
図11(c))と比較して示す説明図である。
【0112】
従来のシーリングノズルの欠点としては、
図11(b)に示すように、その折曲がり部からノズル先端側に向かった部分においてもノズルの断面形状が円形になっているので、このノズルの垂直方向(
図11における水上側のスレート材、水下側のスレート材との間の非常に狭くなった隙間方向)に、無理矢理比較的大きな外径形状を要するノズル先端部を本来シール材900で補強しなければならない部位に到達するまで、無理矢理押し込もうとすることになる(
図11(b)の太字の矢印で示す押し込み力F参照)。
【0113】
このようなノズルの無理な押し込み挿入動作によって、くさび作用により上側スレート材の水下側端部に局所的に無理な押し上げ力(
図11(b)の太字の矢印で示す押し上げ力R参照)が発生してしまう。その結果、アスベストを含まないが故に局所的な力の作用に対して脆弱性が大きくなっているスレート材の部分にヒビ割れや欠けなどの破損が生じてしまい、本来修理して補強すべきはずのスレート材を全く修理できないばかりか、逆によりひどく破損させてしまうことになる。
【0114】
しかしながら、本発明による屋根材補修用のシーリングノズルによると、ノズルの開口部が、上述のように一方向に平たく潰れた形状を有しているので、ノズル先端をスレート板の間の隙間に差し込む際に、
図11(a-1)及び(a-2)に示すように、僅かな力(
図11(a-1)の細い矢印f参照)に示すようにノズル挿入時に補修すべき上側のスレート材を無理矢理押し上げることなく、補修に必要なシール材900の吐出位置までノズル先端開口部をスレート材同士の隙間に沿って差し込んで行くことができる。
【0115】
即ち、
図11(b)に示すようなくさび作用による水上側のスレート材への好ましくない力を局所的に作用させることを心配しながら屋根上作業者が補修作業を進めることがない。屋根上作業者は、ノズル先端をこれらスレート間の隙間の所定の位置まで安心して迅速に挿入させることが可能となり、スレート材の補修作業の効率化を確実に向上させることができる。
【0116】
これに加えて、上述した実施形態においても紹介したように、屋根上作業者が実際に屋根に上がって補修すべき箇所の状態を見て、必要なシール量やノズル先端が補修すべき水上側のスレート材とこの下側に位置する水下側のスレート材との間にできた隙間の間から、無理なく補修箇所まで挿入できるかどうかを判断して、必要に応じて
図1(e)のような太さになるように、ノズルの先端から所定の位置の部分を更に切断が可能とする。これによって、スレート材の補修の程度に合わせた必要な吐出量を有するシーリングノズルを補修すべき屋根の補修場所において作成することができる。
【0117】
なお、上述した各実施形態及びその変形例については、本発明の内容をあくまで例示的に示したものに過ぎず、本発明の範囲はこの実施形態の内容に限定されず、本発明の本来的有する作業効果を生じさせれば、様々な変形形態が考えられる。また、本発明の実施形態で具体的に特定した形状、材質、寸法等に本発明は限定されるものでないことは言うまでもない。
【0118】
例えば、第1の実施形態を説明する
図1に示すように、上述したシーリングノズルの特定の方向に平たくなっていく先端側延在部120の内部のこれに対応したシール材900の吐出流路121において、この実施形態と異なる流路の延在方向に例えば
図1(x)に示すような仕切り部125を流路の延在方向において丁度幅方向中央に延在させることで、平たくなった先端延在部120において2つの流路121a,121bを形成するようにしても良い。これは、第2及び第3の実施形態における先端側延在部220,320においても同様である。
【0119】
同じく、第1の実施形態を説明する
図1に示すように、上述したシーリングノズルの特定の方向に平たくなっていく先端側延在部120の内部のこれに対応したシール材900の吐出流路121において、この実施形態と異なる流路の延在方向に例えば
図1(y)に示すように仕切り部126,127を2箇所設けてシール材吐出用の開口部の長手方向に亘って3分割するようにすることで、平たくなった先端延在部120において3つの流路121a,121b,121cを形成するようにしても良い。これは、第2及び第3の実施形態における先端側延在部220,320においても同様である。
【0120】
このように先端側延在部のシール材吐出用流路に上述の仕切りを設けることによって、ノズル折り曲げ部からノズル先端部に向かって平たくなっていく先端側延在部がこれらの仕切り板によって例えば部分的に潰れないようにする補強材としての役目を果たす。これによって、スレート材を補修するにあたってシーリングノズルの平たくなっていく部分の強度を向上させる。
【符号の説明】
【0121】
11 スレート材(スレート屋根材)
11a 下側面
12 スレート材(スレート屋根材)
13 隙間
100 シーリングノズル
101 ノズル基端部
102 ノズル先端部
110 ノズル先端側延在部
111 シール材吐出用流路
120 ノズル先端側延在部
121 シール材吐出用流路
125 シール材吐出用開口部
150 ノズル中間折れ曲がり部
200 シーリングノズル
201 ノズル基端部
202 ノズル先端部
210 ノズル基端側延在部
220 ノズル先端側延在部
225,226,227 ノズル吐出用開口部
250 ノズル中間折れ曲がり部
300 シーリングノズル
302 ノズル先端部
320 ノズル先端側延在部
322 流路先端閉塞部
350 ノズル中間折れ曲がり部
370 ノズル先端側折れ曲がり部
375 シール材吐出用開口部
376 開口縁部
500 従来のシーリングノズル
500A 異形円筒パイプ状のシーリングノズル
520 ノズル先端
521 ノズル流路
900 シール材(シーリング材)
F 押し込み力
R 押し上げ力
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部を形成可能とすることを特徴とする屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項2】
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項3】
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項4】
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項5】
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴とする請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項7】
請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項8】
請求項4に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項9】
請求項5に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の請求項1に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのノズル吐出用開口部を形成可能とすることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
また、本発明の請求項3に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、請求項4に記載の屋根材の補修方法は、請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴としている。
また、請求項5に記載の屋根材の補修方法は、請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、かつ
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であって前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで、前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部を形成可能になったことを特徴としている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、請求項6に記載の屋根材補修用シーリング用具は、請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具である。
また、請求項7に記載の屋根材補修用シーリング用具は、請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具である。
また、請求項8に記載の屋根材補修用シーリング用具は、請求項4に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具である。
また、請求項9に記載の屋根材補修用シーリング用具は、請求項5に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具である。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのシール材吐出用開口部を形成可能とすることを特徴とする屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項2】
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部には、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部が備わり、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴とする屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項3】
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部とが形成されている代わりに、当該ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とがそれぞれ曲線状をなしてつながっていることで、前記ノズル基端部と前記ノズル先端側延在部とが前記ノズル中間折れ曲がり部において折れ曲がった形状に近似した略連続曲線をなす中心軸線を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項4】
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側折れ曲がり部において、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部であって前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部において当該シール材吐出用開口部を前もって備える形態か、又は前記ノズル先端側折れ曲がり部が閉塞されており、かつ前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで形成されるシール材吐出用開口部であって周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部を備える何れかの形態をなしており、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成される形態となったことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項5】
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側折れ曲がり部において、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部であって前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部において当該シール材吐出用開口部を前もって備える形態か、又は前記ノズル先端側折れ曲がり部が閉塞されており、かつ前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで形成されるシール材吐出用開口部であって周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部を備える何れかの形態をなしており、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成される形態となったことを特徴とする請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズル。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項7】
請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項8】
請求項4に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【請求項9】
請求項5に記載の屋根材補修用のシーリングノズルを屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けた屋根材補修用シーリング用具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の請求項1に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部においてシール材吐出用流路の開口部が形成されないように当該ノズル先端部が閉塞されており、
前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域に形成されたシール材吐出用流路は、当該ノズル先端部からノズル基端部に向かうに従ってその流路断面積が大きくなっていくように形成され、かつ
前記ノズル先端部は閉塞しており、前記ノズル先端部からノズル基端部に向かって平たくなった領域の所定位置において前記ノズル先端側延在部を切断することにより、この切断場所に応じた所望の大きさのシール材吐出用開口部を形成可能とすることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に係る屋根材補修用シーリング用具に備わる屋根材補修用のシーリングノズルは、
屋根材補修用シーリングカートリッジに備わる屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記シーリングノズルのシーリングカートリッジ側のノズル基端部の太さが太くなっており、かつこのノズル基端部に対応するノズル断面積もこれに合わせて大きくなっており、
前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズルの太さが徐々に細くなると共に、この先端部に対応するシール材吐出用流路の断面積も徐々に小さくなっていきかつこれに合わせて前記シーリングノズルのノズル先端部に向かうに従って当該シーリングノズル及びこのシーリングノズルのシール材吐出用流路が双方とも平たくなった形状をなすように変化していき、かつ
前記ノズル先端部とノズル基端部の間の所定位置においてノズル中間折れ曲がり部が形成され、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル基端部までがノズル基端側延在部をなし、当該ノズル中間折れ曲がり部からノズル先端側端部までがノズル先端側延在部をなしており、
前記平たくなった形状をなすように変化していく部分と、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向との関係が、前記シーリングノズルを、屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付けて実際に屋根上に備わる補修が必要なスレート材と、このスレート材の水下側に位置するスレート材との重なり部分の隙間に合わせて、当該シーリングノズル先端部及びこの先端部からノズル先端側延在部の平たく形成された部分の少なくとも一部をこの隙間に挿入した際に、前記シーリングノズルのノズル基端部に備わるシーリングカートリッジ結合用開口部が、前記補修が必要なスレート材とこのスレート材の下側部分に位置する水下側スレート材の双方から離間する方向に位置するような関係となるように前記ノズル基端部と前記ノズル先端部とが形成され、かつ
前記ノズル基端側延在部の中心軸線と前記ノズル先端側延在部の中心軸線とが前記ノズル中間折れ曲がり部において鈍角をなすように、当該ノズル基端側延在部とノズル先端側延在部が形成されている屋根材補修用シーリングカートリッジに取り付ける屋根材補修用のシーリングノズルであって、
前記ノズル先端部には、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部が備わり、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成されていることを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、請求項4に記載の屋根材の補修方法は、請求項1又は請求項2に記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側折れ曲がり部において、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部であって前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部において当該シール材吐出用開口部を前もって備える形態か、又は前記ノズル先端側折れ曲がり部が閉塞されており、かつ前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで形成されるシール材吐出用開口部であって周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部を備える何れかの形態をなしており、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成される形態となったことを特徴としている。
また、請求項5に記載の屋根材の補修方法は、請求項3に記載の屋根材補修用のシーリングノズルにおいて、
前記ノズル先端側延在部のノズル先端部近傍において、前記ノズル中間折れ曲がり部の折れ曲がり方向と同様の折れ曲がり方向に折れ曲がったノズル先端側折れ曲がり部が形成され、
前記ノズル先端側折れ曲がり部において、周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部であって前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部において当該シール材吐出用開口部を前もって備える形態か、又は前記ノズル先端側折れ曲がり部が閉塞されており、かつ前記ノズル先端側延在部において前記ノズル先端側折れ曲がり部よりも基端側に向かって延在する部分であり前記ノズル中間折れ曲がり部とノズル先端側折れ曲がり部の双方によって形成される内側領域と合致させるように前記ノズル先端側折れ曲がり部の一部を切断することで形成されるシール材吐出用開口部であって周囲に開口縁部を有したシール材吐出用開口部を備える何れかの形態をなしており、
前記シール材吐出用開口部の開口縁部を含む仮想平面と前記ノズル中間折れ曲がり部から前記ノズル先端部までのシール材の流路をなすノズル中心軸線とが互いに平行又は鋭角をなすように当該シール材吐出用開口部が形成される形態となったことを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
11 スレート材(スレート屋根材)
11a 下側面
12 スレート材(スレート屋根材)
13 隙間
100 シーリングノズル
101 ノズル基端部
102 ノズル先端部
110 ノズル基端側延在部
111 シール材吐出用流路
120 ノズル先端側延在部
121 シール材吐出用流路
125 シール材吐出用開口部
150 ノズル中間折れ曲がり部
200 シーリングノズル
201 ノズル基端部
202 ノズル先端部
210 ノズル基端側延在部
220 ノズル先端側延在部
225,226,227 ノズル吐出用開口部
250 ノズル中間折れ曲がり部
300 シーリングノズル
302 ノズル先端部
320 ノズル先端側延在部
322 流路先端閉塞部
350 ノズル中間折れ曲がり部
370 ノズル先端側折れ曲がり部
375 シール材吐出用開口部
376 開口縁部
500 従来のシーリングノズル
500A 異形円筒パイプ状のシーリングノズル
520 ノズル先端
521 ノズル流路
900 シール材(シーリング材)
F 押し込み力
R 押し上げ力