(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131716
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ストッカおよびストッカシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0835 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q10/0835
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042147
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋田 大起
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品の納入時に不要なコードが読み取られるのを確実に防止する。
【解決手段】配達業者により物品が納入される納品庫を備えるストッカは、配達業者の配達伝票に表示されたコードの読取処理を行う読取部と、配達伝票に表示されたコードのうち物品の納入時に読み取りが不要な不要コードを特定するための特定情報を、配達業者に対応付けた不要コード情報を記憶する記憶部と、物品の納入時に物品の配達業者に対応付けられた特定情報を不要コード情報から取得し、取得した特定情報に基づいて読取処理で不要コードを読み取らないように読取部の読取設定を行う制御部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達業者により物品が納入される納品庫を備えるストッカであって、
前記配達業者の配達伝票に表示されたコードの読取処理を行う読取部と、
前記配達伝票に表示されたコードのうち物品の納入時に読み取りが不要な不要コードを特定するための特定情報を、前記配達業者に対応付けた不要コード情報を記憶する記憶部と、
物品の納入時に該物品の前記配達業者に対応付けられた前記特定情報を前記不要コード情報から取得し、取得した前記特定情報に基づいて前記読取処理で前記不要コードを読み取らないように前記読取部の読取設定を行う制御部と、
を備えるストッカ。
【請求項2】
前記記憶部は、前記特定情報として前記不要コードの種類を示すコード名を、前記配達業者に対応付けて前記不要コード情報に記憶し、
前記制御部は、前記配達業者に対応付けられた前記コード名を前記不要コード情報から取得し、取得した前記コード名を指定することにより前記読取設定を行う、
請求項1に記載のストッカ。
【請求項3】
前記配達業者の認証情報を取得する取得部を備え、
前記制御部は、物品の納入時に、前記取得部により取得された前記認証情報に基づいて前記配達業者の認証を行う度に、認証した前記配達業者に対応付けられた前記特定情報を前記不要コード情報から取得して、前記読取設定を行う、
請求項1または2に記載のストッカ。
【請求項4】
前記配達業者を含む前記ストッカの利用者に対する報知を行う報知部を備え、
前記制御部は、前記読取処理で前記不要コードが検出された場合に、エラーを報知するように前記報知部を制御する、
請求項1または2に記載のストッカ。
【請求項5】
配達業者により物品が納入される納品庫と、前記配達業者の配達伝票に表示されたコードの読取処理を行う読取部と、を備えるストッカと、
前記配達伝票に表示されたコードのうち物品の納入時に読み取りが不要な不要コードを特定するための特定情報を、前記配達業者に対応付けた不要コード情報を記憶する記憶部と、
物品の納入時に該物品の前記配達業者に対応付けられた前記特定情報を前記不要コード情報から取得し、取得した前記特定情報に基づいて前記読取処理で前記不要コードを読み取らないように前記読取部の読取設定を行う制御部と、
を備えるストッカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカおよびストッカシステムを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の配達伝票に付されたバーコードなどのコードを読み取り、読取結果に基づく処理を行うものが知られている。例えば特許文献1には、作業員のバーコードスキャナの操作によりバーコードが読み取られると、バーコードの桁数が正しいかを判定し、桁数が正しくなければ、読取違いを報知することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の納品庫を備えて物品の受け渡しに用いられるストッカが、複数の異なる配達業者に共用される場合がある。その場合、配達業者が物品を納品庫に納入する際に、配達伝票から読み取るべきコードの種類が配達業者毎に異なることがある。このため、特許文献1のように桁数だけで判定すると、配達業者によっては読取違いを検出できなくなってしまう。読取違いのまま処理が進むと、物品の受取者に通知が正しく送信されないなど、物品の受け渡しが適切に行われないことがある。
【0005】
本開示は、物品の納入時に不要なコードが読み取られるのを確実に防止することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、
配達業者により物品が納入される納品庫を備えるストッカであって、
前記配達業者の配達伝票に表示されたコードの読取処理を行う読取部と、
前記配達伝票に表示されたコードのうち物品の納入時に読み取りが不要な不要コードを特定するための特定情報を、前記配達業者に対応付けた不要コード情報を記憶する記憶部と、
物品の納入時に該物品の前記配達業者に対応付けられた前記特定情報を前記不要コード情報から取得し、取得した前記特定情報に基づいて前記読取処理で前記不要コードを読み取らないように前記読取部の読取設定を行う制御部と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示のストッカでは、不要コードを特定するための特定情報を、配達業者に対応付けた不要コード情報を記憶する。また、物品の納入時に配達業者に対応付けられた特定情報を不要コード情報から取得し、不要コードを読み取らないように読取部の読取設定を行う。これにより、物品の納入時に不要なコードが読み取られるのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ストッカシステム10の構成の概略を示す構成図。
【
図5】読取設定関連処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】変形例のコード読取処理を示すフローチャート。
【
図8】変形例の読取設定関連処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、ストッカシステム10の構成の概略を示す構成図である。ストッカシステム10は、
図1に示すように、販売管理システム20と、ストッカ40と、ストッカ管理装置30とを備える。販売管理システム20と複数のストッカ40(ストッカ40A,40Bなど)とストッカ管理装置30は、インターネットなどのネットワーク12,13に接続されている。
【0011】
販売管理システム20は、店舗21(21A,21Bなど)が管理するシステムであり、販売管理装置22を備える。販売管理装置22は、ネットワーク12を介して、購入者14(利用者)の携帯端末15などと情報のやりとりを行い、購入者14に商品の情報を提供する。販売管理装置22には、商品の情報を含む商品データベース(DB)や、顧客(購入者14)の情報を含む顧客DB、商品の注文番号や商品を受け取るストッカ40の情報などを含む販売情報などが記憶されている。
【0012】
ストッカ40は、オフィスやコンビニエンスストア、駅、学校、マンション、ショッピングセンタなど様々な場所に設置されており、施錠可能な複数の納品庫(ボックス,収容ボックス)41を備える。ストッカ40では、いずれかの納品庫41を配達先として配達業者の配達者(納入者)19により商品(物品)が配達(納入)された後に、購入者14が当該納品庫41から商品を取り出して受け取ることで、店舗21から購入者14への商品の受け渡しが行われる。配達業者は、配達を専門で行う業者に限られず、店舗21の配達部門などを含む。また、ストッカ40は、1の配達業者だけでなく、複数の配達業者(配達業者A,Bなど)に利用可能となっている。なお、配達者19は、箱や袋などの梱包材17に梱包した商品を配達するが、便宜上、商品を配達するとして説明する。
【0013】
ストッカ40の各納品庫41は、商品などを納入(収容)可能な内部空間を有しており、前面の扉45と、扉45の施錠および解錠を行うロック機構45aと、納品庫41内の商品の有無を検出する物品センサ46(例えば光学式センサ)と、扉45の開閉を検出する開閉センサ47とを備える。また、ストッカ40は、1の納品庫41(制御ボックス)に制御装置50が収容されており、その扉45に、タッチパネル42とコードリーダ43とスピーカ44とが配設されている。
【0014】
タッチパネル42は、商品の配達者19や購入者14への情報の表示や、配達者19や購入者14による操作の入力が行われる。コードリーダ43は、例えば配達者19が所持したり梱包材17に貼付された商品の配達伝票DSに示された各種コードや、購入者14の携帯端末などに示された各種コードを読み取る。各種コードとしては、バーコードやQRコード(登録商標)などの2Dコードが挙げられる。なお、ストッカ40に、手持ち式のコードリーダが配置されていてもよい。スピーカ44は、物品の納入や受取に関する操作案内やエラーメッセージなどを、複数の音声出力孔を介して音声で出力する。
【0015】
制御装置50は、制御部52と、記憶部53と、通信部58とを備える。制御部52は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され、タッチパネル42の表示制御や入力制御を行う他、コードリーダ43により読み取られた情報を入力したり、スピーカ44への音声出力指示を出力したりする。また、制御部52は、各納品庫41の物品センサ46からの検出信号や開閉センサ47からの検出信号を入力したり、各納品庫41のロック機構45aへの施錠信号や解錠信号などを出力したりする。記憶部53は、USBメモリやHDDなどにより構成され、各種アプリケーションプログラムや各種情報を記憶する。通信部58は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行う。
【0016】
記憶部53には、納品庫情報54や不要コード情報55などが記憶される。図示は省略するが、納品庫情報54には、納品庫41毎に、商品の有無の情報や、商品の納品者(店舗21,配達者19)の情報、商品の受け取りに必要な情報などが記憶されている。不要コード情報55には、
図2に示すように、配達業者と、不要コードの名称である不要コード名(特定情報)とが対応付けて記憶されている。不要コードは、配達業者の配達伝票DSに表示(印字)されているものの、ストッカ40への商品の納入時にコードリーダ43による読み取りが不要なものである。なお、記憶部53には、図示は省略するが、店舗21毎や配達業者(配達者19)毎に定められた認証コードの情報なども記憶されている。
【0017】
ここで、
図3,
図4は、配達伝票DSの一例を示す説明図である。
図3は、配達業者Aの配達伝票DSとし、
図4は、配達業者Bの配達伝票DSとする。配達伝票DSは、配達業者によってサイズや表示内容などが異なることがあるが、配達に必要な情報として、例えば商品の配達先(納入先)のストッカ40(宛先)に関する情報や、物品名(商品名)や配達予定日などの情報、バーコードやQRコード(登録商標)などの各種コードなどが表示される。また、各種コードとして複数種類のコードが表示されることもある。例えば、配達業者Aの配達伝票DSには、互いに種類の異なるコード(バーコード)C1,C2が表示され、配達業者Bの配達伝票DSには、互いに種類の異なるコード(バーコード)C3,C4が表示されている。なお、バーコードの種類としては、例えば周知のJANやITF、CODE39、NW-7などが挙げられる。これらのうち、例えばコードC1,C3が、商品の配達番号(注文番号,配達パスワード)を示し、ストッカ40に商品を納入する際に読み取りが必要なものである。また、コードC2,C4は、例えばそれぞれ配達業者A,B内での管理番号や配達伝票DS自体の管理番号などを示し、ストッカ40で読み取りが不要なものである。記憶部53の不要コード情報55には、配達伝票DSに表示された各種コードのうちコードC2,C4のような不要コードの種類を示すコード名が、配達業者に対応付けて記憶されている。また、コードリーダ43は、任意のコードを読み取らないように設定を変更することが可能である。この設定変更は、例えば制御装置50から、不要コードのコード名の指定を受信することにより、コードリーダ43で行うことが可能となっている。
【0018】
ストッカ管理装置30は、ネットワーク12,13を介してストッカ40や販売管理装置22と情報のやりとりを行う。ストッカ管理装置30は、制御部32と、記憶部33と、通信部38とを備える。制御部32は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部33は、HDDなどにより構成され、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。通信部38は、ストッカ40などの外部機器と通信を行う。記憶部33には、各ストッカ40の納品庫情報54と同様の納品庫情報を含んだストッカ情報などが記憶されている。
【0019】
こうして構成されたストッカシステム10の動作を説明する。まず、購入者14は、携帯端末15などを操作して、販売管理装置22が提供する商品情報から希望する商品を選択し、商品の受取を希望する受取希望のストッカ40の情報などを入力して、商品の発注を行う。販売管理装置22は、商品の発注を受けると、購入者14の情報や受取希望のストッカ40の情報に商品の発注番号を付して販売情報として記憶すると共に、ストッカ管理装置30へ送信する。ストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40のストッカ情報(納品庫情報)や他の商品の配達(配送)予定などから、空き納品庫の有無を確認し、空き納品庫があれば配達先に決定し、ストッカ40の情報を販売管理装置22に送信する。なお、ストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40に空き納品庫がなければ、空きがない旨を販売管理装置22に送信する。販売管理装置22は、空きがない旨を受信すると、購入者14の携帯端末15にその旨を送信して、受取希望のストッカ40を変更させたり、注文のキャンセルを受け付けたりする。また、販売管理装置22は、ストッカ管理装置30から配達先のストッカ40の情報を受信すると、商品の配達番号(発注番号)などを示す各種コードや配達先のストッカ40の宛先情報、物品名などの各種情報を配達伝票DSに印刷して、配達者19に配達指示を行う。この配達指示に基づいて、配達者19は、配達先のストッカ40まで商品を配達して商品を納入する。
【0020】
こうして構成されたストッカシステム10において、配達業者(配達者19)が商品をストッカ40に納入する際に配達伝票DSのコードの読取に関する処理を説明する。
図5は、読取設定関連処理の一例を示すフローチャートである。この読取設定関連処理は、例えばタッチパネル42に表示される処理選択画面上で、納品処理が選択された場合に、制御部52により実行される。
【0021】
読取設定関連処理では、制御部52は、まず配達業者の認証が完了するのを待つ(S100)。例えば、制御部52は、認証番号の入力画面をタッチパネル42に表示し、入力された認証番号が、記憶部53に記憶している認証番号と一致することに基づいて認証を行う。なお、認証番号は、タッチパネル42に入力されるものに限られず、コードリーダ43により読み取ってもよい。また、制御部52は、所定時間が経過しても配達業者の認証が完了しない場合には、読取設定関連処理を終了して処理選択画面に戻る。
【0022】
次に、制御部52は、認証した配達業者に対応する不要コード(読取不要コード)が、記憶部53の不要コード情報55に登録されているか否かを判定する(S110)。制御部52は、配達業者に対応する不要コードが不要コード情報55に登録されていると判定すると、認証した配達業者に対応する不要コード(不要コード名)を不要コード情報55から取得する(S120)。例えば制御部52は、配達業者Aを認証した場合には、不要コード名としてコードC2を読み出し、配達業者Bを認証した場合には、不要コード名としてコードC4を読み出す。続いて、制御部52は、読み出した不要コードを読み取らないようにコードリーダ43の読取設定を変更して(S130)、S140に進む。上述したように、制御部52は、不要コードのコード名の指定をコードリーダ43に送信することで、コードリーダ43に読取要否の設定を変更させて、指定したコード名を読取不要に設定する。そして、制御部52は、コードリーダ43に配達伝票DSのコードを読み取らせる指示をタッチパネル42に表示して(S140)、読取設定関連処理を終了する。
【0023】
また、制御部52は、S110で配達業者に対応する不要コードが登録されていないと判定すると、S120,S130の処理をスキップし、S140の処理を実行して読取設定関連処理を終了する。なお、前回のS130の処理に伴ってコードリーダ43で行われた読取要否の設定が維持される構成の場合、制御部52は、S110で不要コードが登録されていないと判定すると、不要コードのリセット指示をコードリーダ43に送信することで、コードリーダ43に読取要否の設定を変更(リセット)させればよい。
【0024】
図6は、コード読取処理の一例を示すフローチャートである。このコード読取処理は、コードリーダ43により実行される。コードリーダ43は、配達者19がかざした配達伝票DSからコード(コード形状)を検出するのを待つ(S200)。コードリーダ43は、コードを検出すると、上述したS130の処理に伴って行った不要コードの設定をしているか否かを判定し(S210)、不要コードの設定をしていないと判定すると、S230に進む。また、コードリーダ43は、不要コードの設定をしていると判定すると、S200で検出したコードが、例えば上述したコードC2,C4などの不要コードに一致するか否かを判定する(S220)。
【0025】
コードリーダ43は、S210で不要コードの設定をしていないと判定するか、S220で不要コードに一致しない、即ち上述したコードC1,C3などであると判定すると、検出したコードを解析しコード情報としての配達番号を読み取り(S230)、読取結果(配達番号)を制御部52に送信して(S240)、コード読取処理を終了する。
【0026】
こうしてコードが読み取られると、例えば次のように処理が行われる。制御部52は、コード読取結果として配達番号を受信すると、空き納品庫を解錠して商品の納入を促し、その納品庫41の扉45が閉鎖されて商品を検知すると、納品が完了したと判断してストッカ情報を更新する。制御部52は、その納品庫41を商品有りの状態に変更し、認証した配達業者(配達者19)の情報や、商品の受け取りに必要な情報(S240の配達番号)をストッカ情報に登録する。また、制御部52は、納品完了の旨と、S240の配達番号を、ストッカ管理装置30に送信する。ストッカ管理装置30は、それらの情報を販売管理装置22に送信する。販売管理装置22は、配達番号に基づいて、購入者14に配達完了通知を送信する。配達完了通知を受けた購入者14は、配達完了通知の配達番号に基づいて携帯端末15に表示されたコードを、ストッカ40のコードリーダ43に読み取らせる。制御部52は、読み取ったコード情報(配達番号)が、記憶部53に記憶している配達番号と一致していれば、該当する納品庫41を解錠して、商品を受け取らせる。
【0027】
また、コードリーダ43は、コード読取処理のS220で、検出したコードが不要コードに一致すると判定すると、S200に戻る。即ち、本実施形態では、不要コードに一致するコードを検出しても、そのコードの読取処理を行わず、制御部52に読取結果を送信しないのである。このため、読取対象ではない不要コードが誤って読み取られることにより、誤った情報(番号)がストッカ管理装置30や販売管理装置22に送信されるのを防止することができる。例えば、上述したコードC2,C4などの不要コードから読み取られた誤った情報が販売管理装置22に送信された場合、販売管理装置22は、受信した情報から購入者14を特定することができず、購入者14に配達完了通知を送信することができないという問題が生じる。本実施形態では、コードリーダ43に不要コードを読み取らせないから、そのような問題が生じるのを確実に防止することができる。
【0028】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の納品庫41が本開示の納品庫に相当し、ストッカ40がストッカに相当し、コードリーダ43が読取部に相当し、記憶部53が記憶部に相当し、読取設定関連処理のS120,S130を実行する制御部52が制御部に相当する。また、タッチパネル42と読取設定関連処理のS100を実行する制御部52が取得部に相当する。
【0029】
以上説明した本実施形態のストッカ40は、配達業者に対応付けた不要コードの情報を不要コード情報55に記憶する。また、商品の納入時に配達業者に対応付けられた不要コードを不要コード情報55から取得し、不要コードを読み取らないようにコードリーダ43の読取設定を行う。これにより、商品の納入時に不要なコードが読み取られるのを確実に防止することができる。
【0030】
また、不要コードの種類を示すコード名を、配達業者に対応付けて不要コード情報55に記憶し、制御部52は、配達業者に対応付けられたコード名を取得して、そのコード名を指定することにより読取設定を行う。このため、コード名を指定する簡易な処理で、不要なコードが読み取られるのを確実に防止することができる。
【0031】
また、制御部52は、商品の納入時に、配達業者(配達者19)の認証を行う度に、配達業者に対応付けられたコード名を不要コード情報55から取得して読取設定を行う。このため、配達業者が変わる度に読取設定を確実に変更することができるから、配達業者毎に不要コードが異なる場合でも、不要コードが読み取られるのを確実に防止することができる。
【0032】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0033】
上述した実施形態では、コードリーダ43は、コード読取処理のS220で不要コードに一致すると判定すると、そのままS200に戻ったが、次の変形例のようにしてもよい。
図7の変形例のコード読取処理では、コードリーダ43は、S220で不要コードに一致すると判定すると、配達者19が不要コードを読み取らせていると判断し、読取対象エラーを制御部52に送信して(S250)、S200に戻る。また、
図8の変形例の読取設定関連処理では、制御部52は、読取対象エラーを受信したか否かを判定し(S150)、読取対象エラーを受信したと判定すると、不要コードが読み取られている旨のエラーを報知して(S160)、読取設定関連処理を終了する。S150では、例えば配達者19が読み取らせているコードは読取不要である旨を、タッチパネル42に表示したり、スピーカ44から音声メッセージを出力したり、警告音を出力したりする処理が行われる。
【0034】
このように、変形例では、コード読取処理で不要コードが検出された場合に、エラーを報知するから、コードリーダ43に正しいコードを読み取らせるように配達者19に促すことができる。したがって、配達者19が、不要コードであることを気付かずに不要コードを読み取らせ続けるのを防止して、納品処理をスムーズに行わせることができる。
【0035】
実施形態では、不要コード情報55に不要コードのコード名を記憶させたが、コード名に限られず、不要コードを特定するための特定情報を記憶させればよい。例えば、特定情報として、コードの先頭から1桁目または所定桁目の値(数字や文字など)、先頭から所定桁数分の値の組合せ、コードの末尾から1桁目または所定桁目の値、末尾から所定桁数分の値の組合せ、コードの桁数(全桁数)、コードの桁数が偶数か奇数かなどを記憶させでもよく、これらを複合させた情報を記憶させてもよい。
【0036】
実施形態では、配達業者の認証を行う度に不要コードの設定を行ったが、これに限られない。例えば、配達者19から読取設定の指示が受け付けられた場合に、不要コードの設定を行ってもよい。
【0037】
実施形態では、不要コード情報55がストッカ40の制御装置50の記憶部53に記憶されたが、これに限られない。例えば、不要コード情報がストッカ管理装置30の記憶部33に記憶されており、制御部52が通信により不要コードの特定情報を取得してもよい。また、ストッカ40の制御部52がコードリーダ43の読取設定を行ったが、ストッカ管理装置30の制御部32など、ストッカ40外の制御部がコードリーダ43の読取設定を行ってもよい。
【0038】
ここで、本開示のストッカは、以下のように構成してもよい。例えば、本開示のストッカにおいて、前記記憶部は、前記特定情報として前記不要コードの種類を示すコード名を、前記配達業者に対応付けて前記不要コード情報に記憶し、前記制御部は、前記配達業者に対応付けられた前記コード名を前記不要コード情報から取得し、取得した前記コード名を指定することにより前記読取設定を行うものとしてもよい。こうすれば、コード名を指定する簡易な処理で、不要なコードが読み取られるのを確実に防止することができる。
【0039】
本開示のストッカにおいて、前記配達業者の認証情報を取得する取得部を備え、前記制御部は、物品の納入時に、前記取得部により取得された前記認証情報に基づいて前記配達業者の認証を行う度に、認証した前記配達業者に対応付けられた前記特定情報を前記不要コード情報から取得して、前記読取設定を行うものとしてもよい。こうすれば、配達業者が変わる度に読取設定を変更するから、不要なコードが読み取られるのをより確実に防止することができる。
【0040】
本開示のストッカにおいて、前記配達業者を含む前記ストッカの利用者に対する報知を行う報知部を備え、前記制御部は、前記読取処理で前記不要コードが検出された場合に、エラーを報知するように前記報知部を制御するものとしてもよい。こうすれば、配達業者に、正しいコードを読み取らせるように促すことができる。
【0041】
本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1または2に記載のストッカ」を「請求項1ないし3のいずれか1項に記載のストッカ」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、商品を収容するストッカの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 梱包材、19 配達者、20 販売管理システム、21,21A,21B 店舗、22 販売管理装置、30 ストッカ管理装置、32 制御部、33 記憶部、38 通信部、40,40A,40B ストッカ、41 納品庫、42 タッチパネル、43 コードリーダ、44 スピーカ、45 扉、45a ロック機構、46 物品センサ、47 開閉センサ、50 制御装置、52 制御部、53 記憶部、54 納品庫情報、55 不要コード情報、58 通信部。