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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131728
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/16 20190101AFI20240920BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F16/16 100
G06F3/04842
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042161
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 浩明
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA31
5E555BA02
5E555BA71
5E555BB02
5E555BC17
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB34
5E555CB39
5E555CB42
5E555CC05
5E555DB13
5E555DB16
5E555DC21
5E555EA03
5E555EA08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ファイルやフォルダが属する階層構造が変更されたり、ファイルが別のフォルダに移動させられたりした場合であっても、ファイルの現在の所在をユーザに提示することを目的とする。
【解決手段】プロセッサは、ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させる。プロセッサは、第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、その受け付けたファイル又はフォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、
前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、
前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、
受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、更に、
前記第1階層構造と前記第2階層構造との差分をディスプレイに表示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、更に、
前記第2階層構造に属するファイルであってユーザによって指定されたファイルを、その指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダへ復元する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、ユーザから復元先のフォルダの選択を受け付ける、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ファイル毎に、ファイルに対する操作の履歴を示す履歴情報がファイルに紐付けられており、
前記プロセッサは、
前記履歴情報に基づいて、前記第2階層構造におけるファイルの所在を特定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
コンピュータが、
ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、
前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、
前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、
受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、
ように動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルやフォルダを階層構造によって管理する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、予め定められた分類対象領域に記憶されている複数の電子化ファイルを予め定められた分類条件に従って分類してディスプレイに表示させる装置が記載されている。また、ディスプレイに表示された分類状態を示す情報が、表示履歴情報としてハードディスクに記憶される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-252045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ファイルやフォルダが属する階層構造が変更されたり、ファイルが別のフォルダに移動させられたりすると、ユーザにおいてファイルの現在の所在が分からないことがある。
【0006】
本発明の目的は、ファイルやフォルダが属する階層構造が変更されたり、ファイルが別のフォルダに移動させられたりした場合であっても、ファイルの現在の所在をユーザに提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、情報処理システムである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記第1階層構造と前記第2階層構造との差分をディスプレイに表示させる、請求項1に記載の情報処理システムである。
【0009】
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記第2階層構造に属するファイルであってユーザによって指定されたファイルを、その指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダへ復元する、請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記プロセッサは、指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、ユーザから復元先のフォルダの選択を受け付ける、請求項3に記載の情報処理システムである。
【0011】
請求項5に係る発明は、ファイル毎に、ファイルに対する操作の履歴を示す履歴情報がファイルに紐付けられており、前記プロセッサは、前記履歴情報に基づいて、前記第2階層構造におけるファイルの所在を特定する、請求項1に記載の情報処理システムである。
【0012】
請求項6に係る発明は、コンピュータが、ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、ように動作させるプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1,5,6に係る発明によれば、ファイルやフォルダが属する階層構造が変更されたり、ファイルが別のフォルダに移動させられたりした場合であっても、ファイルの現在の所在をユーザに提示することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、過去の特定時点における階層構造と現在の階層構造との差分をユーザに提示することができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、指定されたファイルが過去に存在したフォルダにて、当該ファイルを操作することができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、指定されたファイルが過去に存在したフォルダが存在しない場合であっても、ユーザが選択した復元先のフォルダにて当該ファイルを操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る情報処理装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置の機能を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置による処理の流れを示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る情報処理装置による別の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】フォルダ画面の一例を示す図である。
図6】選択画面の一例を示す図である。
図7】階層構造の表示例を示す図である。
図8】操作メニュー画面の一例を示す図である。
図9】ファイルの現在の所在を表す画面の一例を示す図である。
図10】操作メニュー画面の一例を示す図である。
図11】フォルダの現在の所在を表す画面の一例を示す図である。
図12】選択画面の一例を示す図である。
図13】差分画面の一例を示す図である。
図14】ファイルの現在の所在を表す画面の一例を示す図である。
図15】フォルダ画面の一例を示す図である。
図16】階層構造の表示例を示す図である。
図17】ファイルの現在の所在を表す画面の一例を示す図である。
図18】選択画面の一例を示す図である。
図19】階層構造の表示例を示す図である。
図20】ファイルが存在しないときに表示されるメッセージを示す図である。
図21】フォルダ画面の一例を示す図である。
図22】階層構造の表示例を示す図である。
図23】操作メニュー画面の一例を示す図である。
図24】復元が行われたときの画面の一例を示す図である。
図25】復元先を選択するための画面の一例を示す図である。
図26】フォルダ画面の一例を示す図である。
図27】選択画面の一例を示す図である。
図28】差分画面の一例を示す図である。
図29】ファイルの現在の所在を表す画面の一例を示す図である。
図30】復元が行われたときの画面の一例を示す図である。
図31】選択画面の一例を示す図である。
図32】差分画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して、実施形態に係る情報処理装置10について説明する。図1は、情報処理装置10のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
例えば、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話又はサーバ等である。情報処理装置10は、ファイルの所在を示す情報やフォルダの所在を示す情報を出力する。その出力先は、情報処理装置10自体であってもよいし、情報処理装置10以外の他の装置(例えば、ユーザが操作するPC等)であってもよい。例えば、情報処理装置10は、ファイルの所在やフォルダの所在をディスプレイに表示させる。そのディスプレイは、情報処理装置10に含まれるディスプレイであってもよいし、他の装置に含まれるディスプレイであってもよい。
【0020】
記憶装置12は、ファイルを記憶する装置であり、例えば、PC、サーバ又はその他の機器である。例えば、記憶装置12は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、各種のメモリ(例えばRAM、DRAM、NVRAM、ROM、等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせを含む。
【0021】
情報処理装置10と記憶装置12は、他の装置と通信する機能を有する。当該通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。例えば、情報処理装置10と記憶装置12は、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信経路Nを介して互いに通信する。
【0022】
本実施形態において提示の対象となるファイルは、情報処理装置10に記憶されていてもよいし、記憶装置12に記憶されていてもよい。つまり、情報処理装置10は、情報処理装置10自身に記憶されているファイルを対象として提示の処理を実行してもよいし、記憶装置12に記憶されているファイルを対象として提示の処理を実行してもよい。情報処理装置10は、他の装置(つまり、情報処理装置10及び記憶装置12以外の装置)に記憶されているファイルを対象として提示の処理を実行してもよい。同様に、提示の対象となるフォルダは、情報処理装置10によって管理されていてもよいし、記憶装置12によって管理されていてもよいし、他の装置によって管理されていてもよい。図1には、1つの記憶装置12が示されているが、記憶装置12の数は一例に過ぎない。情報処理装置10は、複数の記憶装置12のそれぞれに記憶されているファイルを対象として提示の処理を実行してもよい。なお、記憶装置12は、情報処理装置10に含まれてもよい。
【0023】
ファイルは、データ又はデータのセット(つまりデータの集合)である。例えば、データは、文書データ、画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)、図形データ又は音声データ等である。データの形式は特に限定されず、どのような形式であってもよい。ファイルは、プログラム(例えば、アプリケーションソフトウェアや、オペレーティングシステムを実現するプログラム等)であってもよい。つまり、ファイルは、ある処理を実行するための命令を含む実行ファイル等であってもよい。
【0024】
フォルダは、ファイルが格納される格納場所であり、ファイルを整理や管理するために用いられる。フォルダは、ディレクトリと称されることもある。
【0025】
ファイルとフォルダは、階層構造によって管理される。例えば、下位のフォルダが、上位のフォルダに格納され、ファイルや更に下位のフォルダが、当該下位のフォルダに格納される。
【0026】
ファイル履歴情報が、各ファイルに紐付けられている。ファイル履歴情報は、ファイルに対して行われた操作の内容を示す情報と、各特定時点におけるファイルの所在を示す情報と、を含む。
【0027】
例えば、ファイル名が変更された場合、変更前のファイル名を示す情報と、変更後のファイル名を示す情報とが、ファイル履歴情報に含まれる。
【0028】
特定時点におけるファイルの所在を示す情報は、特定時点におけるファイルの所在を示すパスやアドレスである。特定時点は、予め定められた時点(例えば、週末、月末、又は、1日のうちの特定の時刻等)である。特定時点毎のファイルの所在を示す情報が、ファイル履歴情報に含まれる。例えば、特定時点毎に、特定時点を示す情報(例えば、年月日や日時を示す情報)と、当該特定時点におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。これより、各特定時点におけるファイルの所在が特定される。
【0029】
例えば、特定時点毎に、ファイルの所在が確認されて、特定時点を示す情報と、当該特定時点におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。
【0030】
例えば、ファイルの最新の所在(つまり、最後の確認時におけるファイルの所在)が、当該ファイルの現在の所在として定められる。その最新の所在を示す情報(例えば、パスやアドレス)が、当該ファイルの現在の所在を示す情報として、当該ファイルのファイル履歴情報に含まれる。具体的には、その確認時(つまり特定時点)を示す情報(例えば、年月日や日時を示す情報)と、その確認時におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。
【0031】
次の確認時に(例えば次の月末に)においても同様に、当該次の確認時(つまり次の特定時点)を示す情報と、その確認時におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。例えば、当該ファイルが別のフォルダに格納される等して当該ファイルの所在が変わった場合、変更後の所在が、当該ファイルの現在の所在である。変更後の所在を示す情報(例えば、パスやアドレス)が、当該ファイルの現在の所在を示す情報として、当該ファイルのファイル履歴情報に含まれる。その確認よりも前の時点で、現在の所在を示す情報としてファイル履歴情報に含まれていた所在を示す情報は、過去の特定時点における所在を示す情報としてファイル履歴情報に含まれることになる。当該ファイルの所在が変わっていない場合においても、その確認時を示す情報と、その確認時におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。
【0032】
その次の確認時においても同様に、ファイルの所在が確認されて、確認時(つまり特定時点)を示す情報と、その確認時におけるファイルの所在を示す情報と、が紐付けられて、ファイル履歴情報に含まれる。
【0033】
フォルダ履歴情報が、各フォルダに紐付けられている。フォルダ履歴情報は、フォルダに対して行われた操作の内容を示す情報と、各特定時点におけるフォルダの所在を示す情報と、を含む。
【0034】
例えば、フォルダ名が変更された場合、変更前のフォルダ名を示す情報、及び、変更後のフォルダ名を示す情報が、フォルダ履歴情報に含まれる。
【0035】
特定時点におけるフォルダの所在を示す情報は、特定時点におけるフォルダの所在を示すパスやアドレスである。特定時点毎のフォルダの所在を示す情報が、フォルダ履歴情報に含まれる。例えば、特定時点毎に、特定時点を示す情報(例えば、年月日や日時を示す情報)と、当該特定時点におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。これにより、各特定時点におけるフォルダの所在が特定される。
【0036】
例えば、特定時点毎に、フォルダの所在が確認されて、特定時点を示す情報と、当該特定時点におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。
【0037】
例えば、フォルダの最新の所在(つまり、最後の確認時におけるフォルダの所在)が、当該フォルダの現在の所在として定められる。その最新の所在を示す情報(例えば、パスやアドレス)が、当該フォルダの現在の所在を示す情報として、当該フォルダのフォルダ履歴情報に含まれる。具体的には、その確認時(つまり特定時点)を示す情報(例えば、年月日や日時を示す情報)と、その確認時におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。
【0038】
次の確認時に(例えば次の月末に)においても同様に、当該次の確認時(つまり次の特定時点)を示す情報と、その確認時におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。例えば、当該フォルダが別の場所に格納される等して当該フォルダの所在が変わった場合、変更後の所在が、当該フォルダの現在の所在である。変更後の所在を示す情報(例えば、パスやアドレス)が、当該フォルダの現在の所在を示す情報として、当該フォルダのフォルダ履歴情報に含まれる。その確認よりも前の時点で、現在の所在を示す情報としてフォルダ履歴情報に含まれていた所在を示す情報は、過去の特定時点における所在を示す情報としてフォルダ履歴情報に含まれることになる。当該フォルダの所在が変わっていない場合においても、その確認時を示す情報と、その確認時におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。
【0039】
その次の確認時においても同様に、フォルダの所在が確認されて、確認時(つまり特定時点)を示す情報と、その確認時におけるフォルダの所在を示す情報と、が紐付けられて、フォルダ履歴情報に含まれる。
【0040】
以上のようにして、各ファイルのファイル履歴情報と各フォルダのフォルダ履歴情報が更新される。その更新は、情報処理装置10によって行われてもよいし、ファイルが記憶されている装置(例えば、情報処理装置10、記憶装置12又はその他の装置)によって行われてもよいし、ファイルやフォルダに対して操作が行われた装置によって行われてもよい。
【0041】
また、各特定時点における階層構造を示す管理情報が作成される。管理情報は、記憶装置12に記憶されてもよいし、情報処理装置10に記憶されてもよいし、他の装置に記憶されてもよい。特定時点毎に階層構造を示す管理情報が作成されて、記憶装置12や情報処理装置10等に記憶される。例えば、特定時点毎に、特定時点における各ファイルの所在を示す情報と、特定時点における各フォルダの所在を示す情報と、に基づいて、階層構造を示す管理情報が作成される。管理情報は、情報処理装置10によって作成されてもよいし、記憶装置12や他の装置によって作成されてもよい。
【0042】
図1を参照して、情報処理装置10のハードウェアの構成について説明する。
【0043】
情報処理装置10は、通信装置14と、ユーザインターフェース(UI)16と、メモリ18と、プロセッサ20とを含む。
【0044】
通信装置14は、通信チップや通信回路等を有する1又は複数の通信インターフェースを含み、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信装置14は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。
【0045】
UI16は、ユーザインターフェースであり、ディスプレイと入力装置とを含む。ディスプレイは、液晶ディスプレイ又はELディスプレイ等である。入力装置は、キーボード、マウス、入力キー又は操作パネル等である。UI16は、ディスプレイと入力装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。
【0046】
メモリ18は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ18は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、各種のメモリ(例えばRAM、DRAM、NVRAM、ROM、等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。上述したファイルが、メモリ18に記憶されてもよい。また、上述した階層構造が、メモリ18に構築されてもよい。
【0047】
プロセッサ20は、情報処理装置10の各部の動作を制御する。
【0048】
プロセッサ20は、ユーザから過去の特定時点の指定を受け付ける。ユーザは、情報処理装置10のUI16を操作することで、過去の特定時点を指定してもよいし、他の装置(例えばユーザのPC等)を操作することで、過去の特定時点を指定してもよい。
【0049】
プロセッサ20は、その指定された特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させる。例えば、プロセッサ20は、ツリー構造によって階層構造を表現してもよいし、リストによって階層構造を表現してもよい。
【0050】
例えば、プロセッサ20は、その指定された特定時点における階層構造を示す管理情報を、情報処理装置10自身、記憶装置12又は他の装置から取得し、その管理情報が示す階層構造を第1階層構造としてディスプレイに表示させる。別の例として、プロセッサ20は、各フォルダのフォルダ履歴情報を参照することで、その指定された特定時点における各フォルダの所在を特定し、各フォルダの所在に基づいてフォルダの第1階層構造をディスプレイに表示させてもよい。
【0051】
例えば、プロセッサ20は、第1階層構造をUI16に含まれるディスプレイに表示させる。ユーザが他の装置(例えばユーザのPC等)を操作することで過去の特定時点を指定した場合、プロセッサ20は、第1階層構造を当該他の装置のディスプレイに表示させてもよい。
【0052】
また、プロセッサ20は、第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付ける。例えば、ユーザは、ディスプレイに表示されている第1階層構造において、ファイル又はフォルダを指定し、プロセッサ20は、その指定を受け付ける。
【0053】
プロセッサ20は、その指定されたファイル又はフォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる。例えば、プロセッサ20は、ツリー構造によって階層構造を表現してもよいし、リストによって階層構造を表現してもよい。
【0054】
ファイルが指定された場合、プロセッサ20は、現在の階層構造を示す管理情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定し、その所在をディスプレイに表示させる。別の例として、プロセッサ20は、その指定されたファイルのファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定し、その所在をディスプレイに表示させてもよい。
【0055】
フォルダが指定された場合、プロセッサ20は、現在の階層構造を示す管理情報を参照することで、当該フォルダの現在の所在を特定し、その所在をディスプレイに表示させる。別の例として、プロセッサ20は、その指定されたフォルダのフォルダ履歴情報を参照することで、当該フォルダの現在の所在を特定し、その所在をディスプレイに表示させてもよい。
【0056】
プロセッサ20は、所在をUI16のディスプレイに表示させてもよいし、その所在を他の装置(例えばユーザのPC等)のディスプレイに表示させてもよい。
【0057】
また、プロセッサ20は、第1階層構造と第2階層構造との差分をディスプレイに表示させてもよい。プロセッサ20は、その差分をツリー構造やリストによって表現する。
【0058】
以下、図2を参照して、情報処理装置10の機能について説明する。図2は、情報処理装置10の機能の一例を示すブロック図である。
【0059】
データ記憶部22は、ファイルを記憶する。データ記憶部22の一部又は全部は、情報処理装置10に含まれてもよいし、記憶装置12に含まれてもよいし、他の装置に含まれてもよい。
【0060】
時点選択部24は、ユーザによって指定された特定時点を選択する。再現表示部26は、特定時点における階層構造を再現してディスプレイに表示させる。操作選択部28は、ユーザによって指定されたファイルやフォルダを選択したり、ユーザによって指定された操作を選択したりする。探索部30は、ファイルやフォルダの現在の所在を探索し、その所在をディスプレイに表示させる。差分算出部34は、2つの特定時点がユーザによって指定された場合、当該2つの特定時点間の階層構造の差分を算出する。差分表示部36は、その差分をディスプレイに表示させる。これらの機能は、プロセッサ20によって実現される。
【0061】
以下、図3を参照して、情報処理装置10による処理の一例について説明する。図3は、その処理の流れを示すフローチャートである。ここでは一例として、データ記憶部22に記憶されているファイルを対象として処理が行われるものとする。
【0062】
まず、プロセッサ20は、ユーザから特定時点の指定を受け付ける(S01)。例えば、過去の特定時点がユーザによって指定され、プロセッサ20は、その過去の特定時点の指定を受け付ける。
【0063】
プロセッサ20は、ユーザによって指定された特定時点(例えば過去の特定時点)の管理情報をデータ記憶部22から取得する(S02)。
【0064】
プロセッサ20は、その管理情報が示す階層構造(例えばツリー構造やリスト)を第1階層構造としてディスプレイに表示させる(S03)。ファイルが第1階層構造に含まれてもよい。
【0065】
プロセッサ20が、第1階層構造において、ユーザからファイルの指定を受け付けていない場合(S04,No)、処理は終了する。
【0066】
プロセッサ20が、第1階層構造において、ユーザからファイルの指定を受け付けた場合(S04,Yes)、処理はステップS05に移行する。
【0067】
ステップS05において、プロセッサ20が、現在の所在の表示指示を受け付けていない場合(S05,No)、処理は終了する。
【0068】
ステップS05において、プロセッサ20が、現在の所在の表示指示を受け付けた場合(S05,Yes)、プロセッサ20は、ステップS04にて指定されたファイルの現在の所在を探索する(S06)。
【0069】
指定されたファイルが存在する場合(例えば、当該ファイルがデータ記憶部22に記憶されている場合)(S07,Yes)、プロセッサ20は、当該ファイルの格納先のフォルダをディスプレイに表示させる(S08)。
【0070】
指定されたファイルが存在しない場合(例えば、当該ファイルが削除された場合)(S07,No)、プロセッサ20は、エラーを示す情報をディスプレイに表示させる(S09)。例えば、プロセッサ20は、指定されたファイルが削除されたことを示す情報を、エラーを示す情報としてディスプレイに表示させる。
【0071】
以下、図4を参照して、情報処理装置10による別の処理の一例について説明する。図4は、その処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
まず、プロセッサ20は、ユーザから特定時点の指定を受け付ける(S11)。
【0073】
ユーザによって指定された特定時点の数nが1つである場合(S12,n=1)、プロセッサ20は、その指定された特定時点の管理情報をデータ記憶部22から取得する(S13)。プロセッサ20は、その管理情報が示す階層構造を第1階層構造としてディスプレイに表示させる(S14)。
【0074】
ユーザによって指定された特定時点の数nが2つである場合(S12,n=2)、プロセッサ20は、各特定時点の管理情報をデータ記憶部22から取得する(S15)。プロセッサ20は、2つの特定時点の階層構造の差分を算出し(S16)、その差分をディスプレイに表示させる(S17)。
【0075】
以下、実施例について説明する。以下に説明する各実施例においては、記憶装置12に記憶されているファイルとフォルダとを対象として処理が実行されるものとする。また、ユーザは情報処理装置10のUI16を操作し、各情報はUI16のディスプレイに表示されるものとする。
【0076】
(実施例1)
以下、実施例1について説明する。図5には、フォルダ画面38が示されている。フォルダ画面38は、現在存在するフォルダの全部又は一部の一覧を示す画面である。この一覧は、フォルダの階層構造であってもよい。例えば、ユーザがUI16を操作することで一覧の表示を指示すると、プロセッサ20は、フォルダ画面38をUI16のディスプレイに表示させ、現在存在するフォルダの一覧をフォルダ画面38に表示する。
【0077】
ユーザが指定したフォルダに格納されている1又は複数のフォルダが、フォルダ画面38に表示されてもよいし、最上位のフォルダに格納されている1又は複数のフォルダが、フォルダ画面38に表示されてもよい。
【0078】
例えば、再現ボタン40とアイコン42~50とが、フォルダ画面38に表示されている。再現ボタン40は、階層構造の再現を指示するためのボタンを表す画像である。アイコン42~50のそれぞれは、フォルダを表す画像である。フォルダ名を示す情報が、当該フォルダのアイコンに紐付けられて表示されている。例えば、アイコン42は、Aタスク用のフォルダを表す画像であり、フォルダ名「Aタスク」を示す情報が、アイコン42の隣に表示されている。他のフォルダについても同様である。
【0079】
現在においては、「Aタスク」、「Bタスク」、「Cタスク」、「Dタスク」及び「Zタスク」のそれぞれのフォルダが存在している。これらのフォルダは、ユーザ指定したフォルダに格納されているフォルダであってもよいし、最上位のフォルダに格納されているフォルダであってもよい。以下に説明する各実施例においても同様である。
【0080】
ユーザが、フォルダ画面38上で再現ボタン40を押すと、プロセッサ20は、図6に示されている選択画面52をUI16のディスプレイに表示させる。選択画面52は、特定時点を選択するための画面である。選択画面52上で選択された特定時点の階層構造が表示される。
【0081】
図6に示す例では、年単位で特定時点が管理されており、年単位で特定時点を選択することができる。例えば、現在、2021年、2022年及び2023年が、特定時点の一例に相当し、各年における階層構造を示す管理情報が作成されている。現在以外の特定時点(つまり、2021年、2022年及び2023年)については、ある日時(例えば、12月31日の12時)における階層構造が特定され、当該日時における階層構造を示す管理情報が、それぞれの年毎に作成されて記憶装置12に記憶されている。
【0082】
例えば、チェックボックス54~60と再現ボタン62が、選択画面52に表示されている。チェックボックス54~60は、特定時点を選択するための画像である。例えば、チェックボックス54は「現在」に対応し、チェックボックス56は「2021年」に対応し、チェックボックス58は「2022年」に対応し、チェックボックス60は「2023年」に対応する。再現ボタン62は、階層構造の再現を指示するためのボタンを表す画像である。
【0083】
図6に示す例では、チェックボックス56がユーザによって選択されている。つまり、階層構造を再現する特定時点として「2021年」がユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、2021年の階層構造を示す管理情報を記憶装置12から取得し、その管理情報が示す階層構造をディスプレイに表示させる。この階層構造は、第1階層構造の一例に相当する。
【0084】
図7には、2021年の階層構造の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、再現画面64をディスプレイに表示させ、2021年の階層構造を再現画面64に表示する。
【0085】
2021年の時点では、「Aタスク」、「Bタスク」、「Cタスク」、「Dタスク」、「Eタスク」及び「Zタスク」のそれぞれのフォルダが存在していた。図5に示されている現在の階層構造と2021年の時点における階層構造とを比較すると、2021年の時点ではフォルダ「Eタスク」は存在していたが、現在においてはフォルダ「Eタスク」は存在しない。従って、フォルダ「Eタスク」を表すアイコン66が、再現画面64に表示される。
【0086】
また、フォルダ「Aタスク」には、ファイル「X123456789.pdf」が格納されている。フォルダ「Bタスク」には、ファイル「X987654321.pdf」が格納されている。
【0087】
例えば、ボタン42aが、フォルダ「Aタスク」のアイコン42の隣に表示されている。ボタン42aがユーザによって押されると(例えばクリックやタッチされると)、プロセッサ20は、フォルダ「Aタスク」に格納されているファイルの一覧を再現画面64に表示する。ファイルの一覧が表示されている状態でボタン42aが押されると、プロセッサ20は、当該一覧を再現画面64に表示しない。フォルダ「Aタスク」以外のフォルダについても同様である。
【0088】
ファイル又はフォルダが再現画面64上にてユーザによって指定されると、プロセッサ20は、指定されたファイル又はフォルダに対する操作を選択するための画面(以下、「操作メニュー画面と称する」)をディスプレイに表示させる。
【0089】
例えば、ファイル「X123456789.pdf」とファイル「X987654321.pdf」がユーザによって指定されると、プロセッサ20は、これらのファイルに対する操作を選択するための操作メニュー画面をディスプレイに表示させる。
【0090】
図8には、その操作メニュー画面68が示されている。「ファイルの現在の所在を表示する」という操作が、操作メニュー画面68に表示されている。この操作は、再現画面64上で指定されたファイルの現在の所在を表示するという操作である。
【0091】
操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作がユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「X123456789.pdf」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。例えば、プロセッサ20は、ファイル履歴情報に含まれるパスやアドレスに基づいて、当該ファイルの現在の所在を特定する。プロセッサ20は、その特定した所在をディスプレイに表示させる。ファイル「X987654321.pdf」についても同様である。例えば、プロセッサ20は、ファイルが格納されているフォルダをディスプレイに表示させる。
【0092】
図9には、その表示例が示されている。図9には画面70が示されている。画面70は、再現画面64上で指定されたファイルが現在格納されているフォルダを表す画面である。操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」操作が指定されると、プロセッサ20は、画面70をディスプレイに表示させる。
【0093】
ファイル「X123456789.pdf」は、現在、フォルダ「2021年度実績」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、フォルダ「2021年度実績」を表すアイコン72を画面70に表示する。また、プロセッサ20は、ファイル「X123456789.pdf」とフォルダ「2021年度実績」とを含むツリー構造(ファイル「X123456789.pdf」がフォルダ「2021年度実績」に格納されていることを表現する構造)を画面70に表示する。ファイル「X987654321.pdf」についても同様に、ファイル「X987654321.pdf」を格納するフォルダ「2021年度実績」が表示される。
【0094】
図7に示されている再現画面64上で、フォルダ「Eタスク」がユーザによって指定されると、プロセッサ20は、このフォルダに対する操作を選択するための操作メニュー画面をディスプレイに表示させる。
【0095】
図10には、その操作メニュー画面74が示されている。「フォルダの現在の所在を表示する」という操作が、操作メニュー画面74に表示されている。この操作は、再現画面64上で指定されたフォルダの現在の所在を表示するという操作である。
【0096】
操作メニュー画面74上で「フォルダの現在の所在を表示する」という操作がユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「Eタスク」のフォルダ履歴情報を参照することで、当該フォルダの現在の所在を特定する。例えば、プロセッサ20は、フォルダ履歴情報に含まれるパスやアドレスに基づいて、当該フォルダの現在の所在を特定する。プロセッサ20は、その特定した所在をディスプレイに表示させる。
【0097】
図11には、その表示例が示されている。図11には画面76が示されている。画面76は、再現画面64上で指定されたフォルダの現在の所在を示す画面である。プロセッサ20は、操作メニュー画面74上で「フォルダの現在の所在を表示する」操作が指定されると、画面76をディスプレイに表示させる。
【0098】
フォルダ「Eタスク」は、現在、フォルダ「2021年度実績」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、フォルダ「2021年度実績」を表すアイコン72を画面76に表示する。また、プロセッサ20は、フォルダ「Eタスク」とフォルダ「2021年度実績」とを含むツリー構造(フォルダ「Eタスク」がフォルダ「2021年度実績」に格納されていることを表現する構造)を画面76に表示する。
【0099】
図11に示す例では、フォルダ「Eタスク」の名称が、「2021年度Eタスク」に変更されている。この場合、プロセッサ20は、変更後の名称「2021年度Eタスク」を画面76に表示する。変更後の名称「2021年度Eタスク」を示す情報は、フォルダ「Eタスク」のフォルダ履歴情報に含まれているため、プロセッサ20は、フォルダ履歴情報を参照することで変更後の名称を特定し、変更後の名称を画面76に表示する。
【0100】
(実施例2)
以下、実施例2について説明する。図12には、選択画面52が示されている。例えば、図5に示されているフォルダ画面38上で再現ボタン40が押されると、プロセッサ20は、選択画面52をディスプレイに表示させる。
【0101】
図12に示す例では、2つのチェックボックス(例えば、チェックボックス54,56)がユーザによって選択されている。つまり、「現在」と「2021年」が特定時点としてユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、現在の階層構造を示す管理情報と2021年の階層構造を示す管理情報とを記憶装置12から取得し、現在の階層構造と2021年の階層構造との差分を算出する。プロセッサ20は、その算出された差分をディスプレイに表示させる。
【0102】
差分の基準となる時点は、2つの特定時点の中でより古い時点である。上記の例では、2021年は、現在よりも古い時点であるため、プロセッサ20は、2021年を基準として2021年の階層構造と現在の階層構造との差分を算出する。もちろん、プロセッサ20は、より新しい特定時点を基準として差分を算出してもよい。また、ユーザが、2つの特定時点の中から基準となる時点を選択してもよい。
【0103】
図13には、その差分の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、差分画面78をディスプレイに表示させ、現在の階層構造と2021年の階層構造との差分を差分画面78に表示する。その差分は、階層構造を有する。
【0104】
プロセッサ20は、削除されたファイルを示すファイル名、移動させられたファイルを示すファイル名、削除されたフォルダを示すフォルダ名、及び、移動させられたフォルダを示すフォルダ名を、これら以外のファイルやフォルダと区別して表示する。例えば、プロセッサ20は、削除されたファイルを示すファイル名、移動させられたファイルを示すファイル名、削除されたフォルダを示すフォルダ名、及び、移動させられたフォルダを示すフォルダ名を、第1の特定の色(例えば赤色)や斜線で表示する。
【0105】
図13に示す例では、ファイル「X123456789.pdf」は、2021年の段階ではフォルダ「Aタスク」に格納されていたが、現在ではフォルダ「Aタスク」に格納されていない。そのため、プロセッサ20は、ファイル「X123456789.pdf」のファイル名上に斜線を引く。
【0106】
プロセッサ20は、追加されたファイルを示すファイル名、及び、追加されたフォルダを示すフォルダ名を、これら以外のファイルやフォルダと区別して表示する。例えば、プロセッサ20は、追加されたファイルを示すファイル名、及び、追加されたフォルダを示すフォルダ名を、第2の特定の色(例えば青色)で表示する。
【0107】
図13に示す例では、ファイル「X987654321.pdf」は、2021年の段階ではフォルダ「Cタスク」に格納されていなかったが、現在ではフォルダ「Cタスク」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、ファイル「X987654321.pdf」のファイル名を、第2の特定の色(例えば青色)で表示する。第2の特定の色は、第1の特定の色とは異なる色である。図13では説明の便宜上、破線でファイル「X987654321.pdf」のファイル名を囲むことで、そのファイル名が第2の特定の色で表示されていることを表現している。
【0108】
また、ファイル「X123456789.pdf」は、2021年の段階ではフォルダ「Zタスク」に格納されていなかったが、現在ではフォルダ「Zタスク」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、ファイル「X123456789.pdf」のファイル名を、第2の特定の色(例えば青色)で表示する(図13中の破線を参照)。
【0109】
ファイル又はフォルダが差分画面78上でユーザによって指定されると、プロセッサ20は、指定されたファイル又はフォルダに対する操作を選択するための操作メニュー画面をディスプレイに表示する。ファイルが指定された場合、図8に示されている操作メニュー画面68が表示される。フォルダが指定された場合、図10に示されている操作メニュー画面74が表示される。
【0110】
例えば、削除されたファイルとして表示されているファイル「X123456789.pdf」が、差分画面78上でユーザによって指定されると、プロセッサ20は、ファイル用の操作メニュー画面68(図8参照)をディスプレイに表示させる。
【0111】
操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」操作が指定されると、プロセッサ20は、図14に示されている画面80をディスプレイに表示させる。画面80は、差分画面78上で指定されたファイルが現在格納されているフォルダを表す画面である。
【0112】
ファイル「X123456789.pdf」は、現在、フォルダ「Zタスク」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、フォルダ「Zタスク」を表すアイコン50を画面80に表示する。また、プロセッサ20は、ファイル「X123456789.pdf」とフォルダ「Zタスク」とを含むツリー構造(ファイル「X123456789.pdf」がフォルダ「Zタスク」に格納されていることを表現する構造)を画面80に表示する。
【0113】
差分画面78上でフォルダが指定された場合、操作メニュー画面74が表示される。操作メニュー画面74上で「フォルダの現在の所在を表示する」操作が指定された場合、プロセッサ20は、差分画面78上で指定されたフォルダが現在の所在をディスプレイに表示させる。
【0114】
(実施例3)
以下、実施例3について説明する。図15には、フォルダ画面82が示されている。フォルダ画面82は、現在存在するフォルダの一覧を示す画面である。例えば、ユーザがUI16を操作することで一覧の表示を指示すると、プロセッサ20は、フォルダ画面82をUI16のディスプレイに表示させ、現在存在するフォルダの一覧をフォルダ画面82に表示する。
【0115】
例えば、再現ボタン40とアイコン84とが、フォルダ画面82に表示されている。現在においては、フォルダ「組織図」が存在し、ファイル「組織図2022FH.pdf」がフォルダ「組織図」に格納されている。
【0116】
例えば、ユーザが、2年前(例えば2021年)にフォルダ「組織図」に格納されていたファイル(例えば、「2021年時の組織図」のファイル)を確認したいが、当該ファイルの現在の所在が分からず、現在の所在を知りたいものとする。
【0117】
ユーザが、フォルダ画面82上で再現ボタン40を押すと、プロセッサ20は、図6に示されている選択画面52をUI16のディスプレイに表示させる。
【0118】
図6に示す例では、「2021年」に対応するチェックボックス56がユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、2021年の階層構造を示す管理情報を記憶装置12から取得し、その管理情報が示す階層構造をディスプレイに表示させる。
【0119】
図16には、2021年の階層構造の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、再現画面86をディスプレイに表示させ、2021年の階層構造を再現画面86に表示する。
【0120】
2021年の時点では、フォルダ「組織図」が存在しており、ファイル「組織図2021FH.pdf」が、フォルダ「組織図」に格納されている。ファイル「組織図2021FH.pdf」は、「2021年時の組織図」を表すファイルであり、ユーザが確認したいファイルである。
【0121】
再現画面86上でファイル「組織図2021FH.pdf」がユーザによって指定されると、プロセッサ20は、図8に示すように、ファイル用の操作メニュー画面68をディスプレイに表示させる。
【0122】
操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作がユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「組織図2021FH.pdf」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。
【0123】
図17には、その表示例が示されている。図17には画面88が示されている。画面88は、再現画面86上で指定されたファイルが現在格納されているフォルダを表す画面である。操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」操作が指定されると、プロセッサ20は、画面88をディスプレイに表示させる。
【0124】
ファイル「組織図2021FH.pdf」のファイル名は、ファイル名「Org-chart_2021FH.pdf」に変更されており、ファイル「組織図2021FH.pdf」は、現在、フォルダ「過去の組織図」に格納されている。プロセッサ20は、フォルダ「過去の組織図」を表すアイコン90を画面88に表示する。また、プロセッサ20は、ファイル「Org-chart_2021FH.pdf」とフォルダ「過去の組織図」とを含むツリー構造(ファイル「Org-chart_2021FH.pdf」がフォルダ「過去の組織図」に格納されていることを表現する構造)を画面88に表示する。
【0125】
上記の処理によれば、例えば、組織変更や、時間経過に伴うファイル分類の変更等に起因して、ファイルの所在が変わった場合であっても、当該ファイルの現在の所在がユーザに提示される。上記の例では、ユーザが2021年時の組織図のファイルを確認したい場合において、当該ユーザが、当該ファイルの現在の所在を知らない場合であっても、当該ファイルの現在の所在が当該ユーザに提示される。
【0126】
(実施例4)
以下、実施例4について説明する。例えば、ユーザが、3年前(例えば2020年)にフォルダ「組織図」に格納されていたファイル(例えば、「2020年時の組織図」のファイル)を確認したいが、当該ファイルの現在の所在が分からず、現在の所在を知りたいものとする。
【0127】
図15に示すように、フォルダ画面82がディスプレイに表示されている。再現ボタン40が押されると、プロセッサ20は、図18に示すように、選択画面52をディスプレイに表示させる。
【0128】
図18に示す例では、「2020年」に対応するチェックボックス92がユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、2020年の階層構造を示す管理情報を記憶装置12から取得し、その管理情報が示す階層構造をディスプレイに表示させる。
【0129】
図19には、2020年の階層構造の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、再現画面94をディスプレイに表示させ、2020年の階層構造を再現画面94に表示する。
【0130】
2020年の時点では、フォルダ「組織図」が存在しており、ファイル「組織図2020FH.pdf」が、フォルダ「組織図」に格納されている。
【0131】
再現画面94上でファイル「組織図2020FH.pdf」がユーザによって指定されると、プロセッサ20は、図8に示すように、ファイル用の操作メニュー画面68をディスプレイに表示させる。
【0132】
操作メニュー画面68上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作がユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「組織図2020FH.pdf」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。
【0133】
実施例4では、ファイル「組織図2020FH.pdf」は、削除されている、又は、所在が不明な場所に移動させられている。この場合、プロセッサ20は、図20に示すように、「現在、当該ファイルは存在しません。」等といったメッセージをディスプレイに表示させる。
【0134】
上記の処理によれば、例えば、組織変更や、時間経過に伴うファイル分類の変更等に起因して、ファイルの所在が不明な場合、当該ファイルの所在が不明であることがユーザに提示される。
【0135】
(実施例5)
以下、実施例5について説明する。図21には、フォルダ画面96が示されている。フォルダ画面96は、現在存在するフォルダの一覧を示す画面である。例えば、ユーザがUI16を操作することで一覧の表示を指示すると、プロセッサ20は、フォルダ画面96をUI16のディスプレイに表示させ、現在存在するフォルダの一覧をフォルダ画面96に表示する。
【0136】
例えば、再現ボタン40とアイコン98とが、フォルダ画面96に表示されている。現在においては、フォルダ「売上報告」が存在し、ファイル「2022売上報告書.pdf」がフォルダ「売上報告」に格納されている。
【0137】
例えば、ユーザが、昨年度(例えば2021年)の売上報告書を確認したいと考えているが、昨年度の売上報告書のファイルの所在が分からず、現在の所在を知りたいものとする。また、ユーザは、当該ファイルが過去に特定のフォルダに格納されていたことは認識しているものとする。
【0138】
ユーザが、フォルダ画面96上で再現ボタン40を押すと、プロセッサ20は、図6に示されている選択画面52をUI16のディスプレイに表示させる。
【0139】
図6に示す例では、「2021年」に対応するチェックボックス56がユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、2021年の階層構造を示す管理情報を記憶装置12から取得し、その管理情報が示す階層構造をディスプレイに表示させる。
【0140】
図22には、2021年の階層構造の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、再現画面100をディスプレイに表示させ、2021年の階層構造を再現画面100に表示する。
【0141】
2021年の時点では、フォルダ「売上報告」が存在しており、ファイル「2021売上報告書.pdf」が、フォルダ「売上報告」に格納されている。
【0142】
再現画面100上でファイル「2021売上報告書.pdf」がユーザによって指定されると、プロセッサ20は、ファイル用の操作メニュー画面をディスプレイに表示させる。
【0143】
図23には、その操作メニュー画面102が示されている。「ファイルの現在の所在を表示する」という操作Aと「復元」という操作Bとが、操作メニュー画面102に表示されている。操作Aは、再現画面100上で指定されたファイルの現在の所在を表示するという操作である。操作Bは、その指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダへ復元するという操作である。
【0144】
操作メニュー画面102上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作Aがユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「2021売上報告書.pdf」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。上述した各実施例と同様に、プロセッサ20は、ファイルとフォルダとによって構成される階層構造(例えばツリー構造)をディスプレイに表示させる。
【0145】
操作メニュー画面102上で「復元」という操作Bがユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「2021売上報告書.pdf」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルが過去に格納されていたフォルダに当該ファイルを復元する。復元するとは、当該ファイルが過去に格納されていたフォルダに当該ファイルを格納することである。プロセッサ20は、当該ファイルが過去に格納されていたフォルダをディスプレイに表示させ、ユーザが復元を指示した場合に、当該ファイルを当該フォルダに格納してもよい。当該ファイルが、当該ファイルが過去に格納されていたファイルに復元された場合、当該ファイルが現在格納されているフォルダから当該ファイルが削除されてもよいし、削除されなくてもよい。
【0146】
図24には、復元が行われたときの表示例が示されている。図24には画面104が示されている。ファイル「2021売上報告書.pdf」は、現在はフォルダ「売上報告」に格納されていないが、過去にフォルダ「売上報告」に格納されていた。この場合、プロセッサ20は、ファイル「2021売上報告書.pdf」をフォルダ「売上報告」に復元する。つまり、プロセッサ20は、ファイル「2021売上報告書.pdf」をフォルダ「売上報告」に格納する。プロセッサ20は、ユーザの指示がなくても、ファイル「2021売上報告書.pdf」をフォルダ「売上報告」に格納してもよい。別の例として、画面104が表示された後にユーザが格納の指示を与えた場合に、プロセッサ20は、ファイル「2021売上報告書.pdf」をフォルダ「売上報告」に格納してもよい。
【0147】
指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、プロセッサ20は、ユーザから復元先のフォルダの選択を受け付け、その選択されたフォルダに当該ファイルを復元してもよい。
【0148】
例えば、ファイル「2021売上報告書.pdf」が過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、プロセッサ20は、復元先を選択するための画面をディスプレイに表示させる。
【0149】
図25には、選択画面106が示されている。選択画面106は、復元先を選択するための画面である。選択画面106には、復元先の候補となるフォルダの一覧が表示される。
【0150】
例えば、プロセッサ20は、ユーザが指定したファイル「2021売上報告書.pdf」に関連すると推測されるフォルダの一覧を選択画面106に表示する。ユーザが指定したファイルは2021年の売上報告書に関するファイルである。この場合、プロセッサ20は、2021年に関するフォルダ(例えば、フォルダ名に文字列「2021」を含むフォルダ)や、2021年の売上報告に関するフォルダ(例えば、フォルダ名に文字列「2021年売上報告」を含むフォルダ)を、ユーザが指定したファイルに関連すると推測されるフォルダとして、選択画面106に表示する。別の例として、プロセッサ20は、記憶装置12によって管理されている全てのフォルダの一覧を選択画面106に表示してもよいし、ユーザによって指定された年度に関するフォルダの一覧を選択画面106に表示してもよい。ユーザによって検索キーが入力され、その検索キーに基づいてフォルダが検索された場合、プロセッサ20は、検索されたフォルダの一覧を選択画面106に表示してもよい。図25に示す例では、フォルダ「2021年度売上報告」を表すアイコン108等が、選択画面106に表示されている。
【0151】
ユーザが選択画面106上でフォルダを選択すると、プロセッサ20は、その選択されたフォルダにファイル「2021売上報告書.pdf」を復元する。
【0152】
上記の処理によれば、ユーザによって指定されたファイルが、当該ファイルが過去に格納されていたフォルダに格納され、ユーザに提示される。
【0153】
(実施例6)
以下、実施例6について説明する。図26には、フォルダ画面110が示されている。フォルダ画面110は、現在存在するフォルダの一覧を示す画面である。例えば、ユーザがUI16を操作することで一覧の表示を指示すると、プロセッサ20は、フォルダ画面110をUI16のディスプレイに表示させ、現在存在するフォルダの一覧をフォルダ画面110に表示する。
【0154】
例えば、再現ボタン40とアイコン112とが、フォルダ画面110に表示されている。現在においては、フォルダ「40_テスト」が存在し、ファイル「テスト報告書サマリ」がフォルダ「40_テスト」に格納されている。
【0155】
例えば、ユーザが、2022年12月から現在にかけてのテスト業務の成果物を確認したいものとする。
【0156】
ユーザが、フォルダ画面110上で再現ボタン40を押すと、プロセッサ20は、図27に示されている選択画面114をUI16のディスプレイに表示させる。選択画面114は、特定時点を選択するための画面である。選択画面114上で選択された特定時点の階層構造が表示される。
【0157】
図27に示す例では、月単位で特定時点が管理されており、月単位で特定時点を選択することができる。例えば、現在、2022年10月、2022年11月及び2022年12月が、特定時点の一例に相当し、各月における階層構造を示す管理情報が作成されている。現在以外の特定時点(つまり、2022年10月、2022年11月及び2022年12月)については、ある日時(例えば月末)における階層構造が特定され、当該日時における階層構造を示す管理情報が、それぞれの月毎に作成されて記憶装置12に記憶されている。
【0158】
例えば、チェックボックス116~122と再現ボタン62が、選択画面114に表示さている。チェックボックス116~122は、特定時点を選択するための画像である。例えば、チェックボックス116は「現在」に対応し、チェックボックス118は「2022年10月」に対応し、チェックボックス120は「2022年11月」に対応し、チェックボックス122は「2022年12月」に対応する。
【0159】
図27に示す例では、チェックボックス116,122がユーザによって選択されている。つまり、「現在」と「2022年12月」が特定時点としてユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、現在の階層構造を示す管理情報と2022年12月の階層構造を示す管理情報とを記憶装置12から取得し、現在の階層構造と2022年12月の階層構造との差分を算出する。プロセッサ20は、その算出された差分をディスプレイに表示させる。
【0160】
図28には、その差分の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、差分画面124をディスプレイに表示させ、現在の階層構造と2022年12月の階層構造との差分を差分画面124に表示する。その差分は、階層構造を有する。
【0161】
ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」及びファイル「テスト4.ppxt」が、2022年12月から現在の間にフォルダ「40_テスト」から削除され又は他のフォルダに移動させられている。ファイル「テスト報告書サマリ」が、2022年12月から現在の間にフォルダ「40_テスト」に格納されている。
【0162】
例えば、ユーザが差分画面124上でファイル「テスト1.pptx」を指定すると、プロセッサ20は、図23に示すように、ファイル用の操作メニュー画面102をディスプレイに表示させる。
【0163】
操作メニュー画面102上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作Aがユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「テスト1.pptx」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。
【0164】
図29には、その表示例が示されている。図29には画面126が示されている。画面126は、操作メニュー画面102上で「ファイルの現在の所在を表示する」操作Aが指定されると、プロセッサ20は、画面126をディスプレイに表示させる。
【0165】
ファイル「テスト1.pptx」は、現在、フォルダ「41_テスト済スクリプト」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、フォルダ「41_テスト済スクリプト」を表すアイコン128を画面126に表示する。ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」及びファイル「テスト4.ppxt」が、現在、フォルダ「41_テスト済スクリプト」に格納されている。プロセッサ20は、ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」、ファイル「テスト4.ppxt」及びフォルダ「41_テスト済スクリプト」を含むツリー構造を、画面126に表示する。
【0166】
操作メニュー画面102上で「復元」という操作Bがユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「テスト1.pptx」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルが過去に格納されていたフォルダに当該ファイルを復元する。
【0167】
図30には、復元が行われたときの表示例が示されている。図30には画面130が示されている。ファイル「テスト1.pptx」は、現在はフォルダ「40_テスト」に格納されていないが、過去にフォルダ「40_テスト」に格納されていた。この場合、プロセッサ20は、ファイル「テスト1.pptx」をフォルダ「40_テスト」に復元する。つまり、プロセッサ20は、ファイル「テスト1.pptx」をフォルダ「40_テスト」に格納する。
【0168】
指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、プロセッサ20は、ユーザから復元先のフォルダの選択を受け付け、その選択されたフォルダに当該ファイルを復元してもよい。
【0169】
(実施例7)
以下、実施例7について説明する。例えば、ユーザが、2022年10月から12月にかけてのテスト業務の成果物を確認したいものとする。
【0170】
例えば、図26に示されているフォルダ画面110が、ディスプレイに表示されている。ユーザが、フォルダ画面110上で再現ボタン40を押すと、プロセッサ20は、図31に示すように、選択画面114をUI16のディスプレイに表示させる。
【0171】
図31に示す例では、チェックボックス118,122がユーザによって選択されている。つまり、「2022年12月」と「2022年10月」が特定時点としてユーザによって選択されている。この状態で再現ボタン62が押されると、プロセッサ20は、2022年12月の階層構造を示す管理情報と2022年10月の階層構造を示す管理情報とを記憶装置12から取得し、2022年12月の階層構造と2022年10月の階層構造との差分を算出する。プロセッサ20は、その算出された差分をディスプレイに表示させる。
【0172】
図32には、その差分の表示例が示されている。例えば、プロセッサ20は、差分画面132をディスプレイに表示させ、2022年12月の階層構造と2022年10月の階層構造との差分を差分画面132に表示する。その差分は、階層構造を有する。
【0173】
ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」及びファイル「テスト4.ppxt」が、2022年10月から2022年12月の間にフォルダ「40_テスト」に格納されている。
【0174】
例えば、ユーザが差分画面132上でファイル「テスト1.pptx」を指定すると、プロセッサ20は、図10に示すように、ファイル用の操作メニュー画面74をディスプレイに表示させる。
【0175】
操作メニュー画面74上で「ファイルの現在の所在を表示する」という操作がユーザによって指定された場合、プロセッサ20は、指定されたファイル「テスト1.pptx」のファイル履歴情報を参照することで、当該ファイルの現在の所在を特定する。
【0176】
図29には、その表示例が示されている。ファイル「テスト1.pptx」は、現在、フォルダ「41_テスト済スクリプト」に格納されている。そのため、プロセッサ20は、フォルダ「41_テスト済スクリプト」を表すアイコン128を画面126に表示する。ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」及びファイル「テスト4.ppxt」が、現在、フォルダ「41_テスト済スクリプト」に格納されている。プロセッサ20は、ファイル「テスト1.ppxt」、ファイル「テスト2.ppxt」、ファイル「テスト3.ppxt」、ファイル「テスト4.ppxt」及びフォルダ「41_テスト済スクリプト」を含むツリー構造を、画面126に表示する。
【0177】
上述した情報処理装置10の機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、複数の装置を含む情報処理システムによって実現されてもよい。つまり、情報処理装置10の一部の機能が、他の装置によって実現されてもよい。情報処理装置10の一部の機能が他の装置によって実現される場合、情報処理装置10と当該他の装置とによって情報処理システムが構成されて、当該情報処理システム全体によって、上述した処理が実行されてもよい。また、情報処理装置10と記憶装置12とによってシステムが構成されてもよいし、ユーザが操作する端末装置が当該システムに含まれてもよい。
【0178】
情報処理装置10の機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。例えば、情報処理装置10のプロセッサ20が、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで、情報処理装置10の機能が実現される。プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、メモリに記憶される。
【0179】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0180】
(付記)
(((1)))
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、
前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、
前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、
受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、
情報処理システム。
(((2)))
前記プロセッサは、更に、
前記第1階層構造と前記第2階層構造との差分をディスプレイに表示させる、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記プロセッサは、更に、
前記第2階層構造に属するファイルであってユーザによって指定されたファイルを、その指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダへ復元する、
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記プロセッサは、
指定されたファイルが過去に格納されていたフォルダが存在しない場合、ユーザから復元先のフォルダの選択を受け付ける、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
ファイル毎に、ファイルに対する操作の履歴を示す履歴情報がファイルに紐付けられており、
前記プロセッサは、
前記履歴情報に基づいて、前記第2階層構造におけるファイルの所在を特定する、
(((1)))から(((4)))のいずれか1つに記載の情報処理システム。
(((6)))
コンピュータが、
ユーザから過去の特定時点の指定を受け付け、
前記特定時点におけるフォルダの階層構造である第1階層構造をディスプレイに表示させ、
前記第1階層構造において、ユーザからファイル又はフォルダの指定を受け付け、
受け付けた前記ファイル又は前記フォルダの所在であって、現在の階層構造である第2階層構造における所在をディスプレイに表示させる、
ように動作させるプログラム。
(((1)))に係る情報処理システム、(((5)))に係る情報処理システム又は(((6)))に係るプログラムによれば、ファイルやフォルダが属する階層構造が変更されたり、ファイルが別のフォルダに移動させられたりした場合であっても、ファイルの現在の所在をユーザに提示することができる。
(((2)))に係る情報処理システムによれば、過去の特定時点における階層構造と現在の階層構造との差分をユーザに提示することができる。
(((3)))に係る情報処理システムによれば、指定されたファイルが過去に存在したフォルダにて、当該ファイルを操作することができる。
(((4)))に係る情報処理システムによれば、指定されたファイルが過去に存在したフォルダが存在しない場合であっても、ユーザが選択した復元先のフォルダにて当該ファイルを操作することができる。
【符号の説明】
【0181】
10 情報処理装置、12 記憶装置、20 プロセッサ。
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