(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131729
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042162
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】寺社下 文也
(72)【発明者】
【氏名】下岡 達矢
(72)【発明者】
【氏名】三輪 拓哉
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AB05
5G064AC09
5G064AC10
5G064BA02
5G064BA07
5G064BA09
5G064CB16
5G064CB17
5G064CB18
5G064DA02
(57)【要約】
【課題】キュービクルの点検に要する時間を短縮できる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、キュービクルの点検データを出力する。情報処理システムは、キュービクルのログデータから警報情報を取得する取得部と、取得部が取得した警報情報を含むフォルダを作成する作成部と、作成部が作成したフォルダを含む点検データを出力する出力部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キュービクルの点検データを出力する情報処理システムであって、
キュービクルのログデータから警報情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記警報情報を含むフォルダを作成する作成部と、
前記作成部が作成した前記フォルダを含む点検データを出力する出力部と
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記ログデータに含まれる監視ユニットログから警報ログを取得し、
前記作成部は、前記取得部が取得した前記警報ログを含む前記フォルダを作成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記ログデータに含まれるメーターユニット警報監視履歴を取得し、
前記作成部は、前記取得部が取得した前記メーターユニット警報監視履歴を含む前記フォルダを作成する、請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記ログデータから複数の警報情報を取得し、
前記作成部は、前記取得部が取得した複数の前記警報情報が発生した年月毎にフォルダを作成し、年月毎に作成したフォルダに該当する警報情報を含める、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
キュービクルの接点入力信号を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記接点入力信号に基づいて、キュービクルの状態を判定する判定部と
をさらに備え、
前記取得部は、前記キュービクルのログデータに、前記判定部によるキュービクルの前記状態の判定結果を含める、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
キュービクルの接点情報を設定する設定部
をさらに備え、
前記判定部は、前記設定部が設定した前記接点情報と、前記接点入力信号とに基づいて、キュービクルの状態を判定する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部に記憶されているキュービクルの図面情報から特定する特定部
をさらに備え、
前記作成部は、前記警報情報に該当する機器および前記機器の図面情報をさらに含むフォルダを作成する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
キュービクルの点検データを出力する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
前記点検データに含まれるログデータから警報情報を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記警報情報を含むフォルダを作成するステップと、
前記作成するステップで作成した前記フォルダを含む点検データを出力するステップと
を有する、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
キュービクルの点検データに含まれるログデータから警報情報を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記警報情報を含むフォルダを作成するステップと、
前記作成するステップで作成した前記フォルダを含む点検データを出力するステップと
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キュービクルは、月次点検、年次点検などが行われ、月次点検、年次点検の際に、電流値、電圧値などの計測データが確認される。
キュービクルの点検に関して、ネットワーク上のクラウドサーバにより、複数のキュービクルの点検情報の管理を可能とする技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術は、通信ネットワーク上に配置されて、高圧受電設備を収容した複数のキュービクルの管理情報を蓄積したクラウドサーバと、通信ネットワークを介してクラウドサーバにアクセスし、蓄積されているキュービクルの管理情報を閲覧するための端末装置とを有する。クラウドサーバは管理情報として個々のキュービクルの試験結果・定期点検データを格納する点検データ記憶部を有し、端末装置から特定のキュービクルの試験結果・定期点検データをクラウドサーバに対して入力でき、且つ不特定のキュービクルの管理情報の閲覧ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キュービクルの点検では、前回の点検から今回の点検までの間に漏電電流等が原因で、計測データが閾値を超えたことによって警報が出た系統がないかを確認する必要がある。しかし、計測データを閲覧しても、電圧、電流、電力、温度などのパラメータが一つのファイルになっている場合や、複数のフォルダに散見していたりするため、確認したいデータを絞れず、見つけ出すのに時間を要する。
本発明の目的は、キュービクルの点検に要する時間を短縮できる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様は、キュービクルの点検データを出力する情報処理システムであって、キュービクルのログデータから警報情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記警報情報を含むフォルダを作成する作成部と、前記作成部が作成した前記フォルダを含む点検データを出力する出力部とを備える、情報処理システムである。
【0006】
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記ログデータに含まれる監視ユニットログから警報ログを取得し、前記作成部は、前記取得部が取得した前記警報ログを含む前記フォルダを作成する。
【0007】
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記ログデータに含まれるメーターユニット警報監視履歴を取得し、前記作成部は、前記取得部が取得した前記メーターユニット警報監視履歴を含む前記フォルダを作成する。
【0008】
(4)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記取得部は、前記ログデータから複数の警報情報を取得し、前記作成部は、前記取得部が取得した複数の前記警報情報が発生した年月毎にフォルダを作成し、年月毎に作成したフォルダに該当する警報情報を含める。
【0009】
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、キュービクルの接点入力信号を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記接点入力信号に基づいて、キュービクルの状態を判定する判定部とをさらに備え、前記キュービクルの前記ログデータには、前記判定部によるキュービクルの前記状態の判定結果が含まれる。
【0010】
(6)本発明の一態様は、上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、キュービクルの接点情報を設定する設定部をさらに備え、前記判定部は、前記設定部が設定した前記接点情報と、前記接点入力信号とに基づいて、キュービクルの状態を判定する。
【0011】
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部に記憶されているキュービクルの図面情報から特定する特定部をさらに備え、前記作成部は、前記警報情報に該当する機器および前記機器の図面情報をさらに含むフォルダを作成する。
【0012】
(8)本発明の一態様は、キュービクルの点検データを出力する情報処理システムが実行する情報処理方法であって、前記点検データに含まれるログデータから警報情報を取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記警報情報を含むフォルダを作成するステップと、前記作成するステップで作成した前記フォルダを含む点検データを出力するステップとを有する、情報処理方法である。
【0013】
(9)本発明の一態様は、コンピュータに、キュービクルの点検データに含まれるログデータから警報情報を取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記警報情報を含むフォルダを作成するステップと、前記作成するステップで作成した前記フォルダを含む点検データを出力するステップとを実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キュービクルの点検に要する時間を短縮できる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システム100が作成する点検データの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態の変形例1に係る情報処理システム100aの一例を示す図である。
【
図6】実施形態の変形例1に係る情報処理システム100aの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bの一例を示す図である。
【
図8】実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bの接点情報の設定例を示す図である。
【
図9】実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bの接点情報の設定例を示す図である。
【
図10】実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cの一例を示す図である。
【
図11】実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cに記憶されるキュービクルの図面情報の一例を示す図である。
【
図12】実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cに記憶されるキュービクルの図面情報の一例を示す図である。
【
図13】実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cが出力する監視画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本実施形態の情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0017】
(実施形態)
(情報処理システム)
図1は本発明の実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。
情報処理システム100の一例は、キュービクル1に収容される。キュービクル1は高圧受電設備を収容する。キュービクル1は、定期的に点検が行われる。例えば、キュービクル1は、1~2か月毎に点検が行われる。
【0018】
情報処理システム100は、キュービクル1の点検データを取得し、取得した点検データに含まれるログデータから警報情報を取得する。情報処理システム100は、取得した警報情報を含むフォルダを作成し、作成したフォルダを点検データに含めて出力する。点検データは、キュービクル1の点検の際に使用される。例えば、情報処理システム100は、点検データを、SDメモリーカード(SD Memory Card)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体に出力する。
キュービクル1の点検者は、記憶媒体に記憶された点検データを確認することによって、前回の点検から今回の点検までの間に異常がないかを確認できる。
【0019】
以下、情報処理システム100について詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理システム100の一例を示す図である。情報処理システム100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100は、例えば、入力部102と、取得部104と、作成部106と、出力部108と、記憶部110とを備える。
【0020】
入力部102は、情報を入力する。一例として、入力部102は、キーボードおよびマウスなどの操作部を有してもよい。この場合、入力部102は、ユーザによって当該操作部に対して行われる操作に応じた情報を入力する。他の例として、入力部102は、外部の装置から情報を入力してもよい。当該外部の装置は、例えば、可搬な記憶媒体であってもよい。入力部102には、キュービクル1の点検データが入力される。点検データの一例には、図面データと、ログデータと、メーターデータと、設定データとが含まれる。
【0021】
取得部104は、入力部102からキュービクル1の点検データを取得する。取得部104は、取得した点検データに含まれるログデータを取得し、取得したログデータから警報情報を取得する。ログデータには、監視ユニットログが格納されるフォルダと、エラーログが格納されるフォルダと、メーターユニット警報状態履歴が格納されるフォルダとが含まれる。
【0022】
監視ユニットログは、定時30分毎に定期的に取得される監視ユニットログ(以下「第1監視ユニットログ」ともいう)と、状態が変化した場合に取得される監視ユニットログ(以下「第2監視ユニットログ」ともいう)とを含む。第1監視ユニットログは、監視ユニットを示す情報、端子が接点入力設定か接点出力設定かを示す情報、接点の入力(出力)が現在あるかを示す情報、警報に設定していない接点が動作しているか否かを示す情報、警報に設定している接点が動作しているか否かを示す情報および接点が動作した発生日時を示す情報を含む。
【0023】
具体的には、第1監視ユニットログは、機器番号を示す情報、入出力種類を示す情報、状態を示す情報、非通常状態端子を示す情報、警報端子を示す情報および日時を示す情報を含む。機器番号を示す情報は、監視ユニットの機器番号である。入出力種類を示す情報は、入出力種類であり、端子毎の入出力状態である。状態を示す情報は、端子毎の入出力値である。非通常状態端子を示す情報は、通常状態値又は非通常状態値である。例えば、非通常状態値である場合に「1」(1=非通常状態端子)とする。警報端子を示す情報は、入出力値である。例えば、警報中である場合に「1」(1=警報中)とする。日時を示す情報は発生日時である。
【0024】
第2監視ユニットログは、監視ユニットを示す情報、端子が接点入力設定か接点出力設定かを示す情報、状態が変化した接点が入力(出力)された端子を示す情報、設定の入力出力)が現在あるかを示す情報、警報に設定していない接点が動作しているか否かを示す情報、警報に設定している接点が動作しているか否かを示す情報および接点が動作した発生日時を示す情報を含む。
具体的には、第2監視ユニットログは、機器番号を示す情報、入出力種類を示す情報、状態を示す情報、変化端子を示す情報、非通常状態端子を示す情報、警報端子を示す情報および日時を示す情報を含む。変化端子を示す情報は、状態変化対象端子であり、端子毎の入力出力値を示す。
【0025】
エラーログは、通信エラー、値の異常などのエラーの内容が保存される。
具体的には、エラーログは、システム機能を示す情報、電力計測機能を示す情報、デマンド電力監視機能を示す情報、漏電電流値計測機能を示す情報、温度計測機能を示す情報、変圧器診断機能を示す情報、警報出力機能を示す情報、データフラッシュ制御機能を示す情報およびフラッシュメモリ制御機能を示す情報を含む。さらに、エラーログは、SDカード制御機能を示す情報、設定機能を示す情報、カレンダー機能を示す情報、ファームウェア更新機能を示す情報、自己診断機能を示す情報、データ初期化機能を示す情報、仮想発電所(VPP: Virtual Power Plant)機能を示す情報、コンソール機能を示す情報、クラウド通信機能を示す情報、ブルートゥース(登録商標)通信機能を示す情報、空調機器制御機能を示す情報および蓄電池制御機能を示す情報を含む。
【0026】
システム機能を示す情報は、内部状態に関するエラー項目を含む。電力計測機能を示す情報は、電力計測エラー、マルチメータ通信エラーを示す情報を含む。デマンド電力監視機能を示す情報は、デマンド電力監視エラー、スマートメータ通信エラーを示す情報を含む。ここで、デマンド制御ログは別にある為、デマンド制御以外の情報である。漏電電流値計測機能を示す情報は、漏電電流値計測エラーを示す情報を含む。温度計測機能を示す情報は、温度計測エラー、温度センサ通信エラーを示す情報を含む。変圧器診断機能を示す情報は、変圧器診断エラーを示す情報を含む。警報出力機能を示す情報は、警報出力制御エラーを示す情報を含む。ここで、警報制御ログは別にある為、警報制御以外の情報である。
【0027】
データフラッシュ制御機能を示す情報は、データフラッシュ制御エラーを示す情報を含む。フラッシュメモリ制御機能を示す情報は、フラッシュメモリ制御エラーを示す情報を含む。SDカード制御機能を示す情報は、SDカード制御エラーを示す情報を含む。設定機能を示す情報は、設定更新エラーを示す情報を含む。カレンダー機能を示す情報は、日時管理エラーを示す情報、リアルタイムクロック(RTC: Real Time Clock)通信エラーを示す情報、ネットワークタイムプロトコル(NTP: Network Time Protocol)同期エラーを示す情報を含む。ファームウェア更新機能を示す情報は、ファームウェア受信エラー/更新エラー/結果エラーを示す情報を含む。自己診断機能を示す情報は、自己診断実施エラー/結果エラーを示す情報を含む。データ初期化機能を示す情報は、データ初期化実施エラー/結果エラーを示す情報を含む。
【0028】
仮想発電所機能を示す情報は、仮想発電所制御エラーを示す情報を含む。コンソール機能を示す情報は、コンソールコマンドエラーを示す情報を含む。クラウド通信機能を示す情報は、クラウド通信エラーを示す情報、ダイナミックホストコンフィギュレーションプロトコル(DHCP: Dynamic Host Configuration Protocol)通信エラーを示す情報、ネットワークタイムプロトコル通信エラーを示す情報、ドメインネームシステム(DNS: Domain Name System)通信エラーを示す情報、AWS IoT Core(Amazon Web Services Internet of Things Core)通信エラーを示す情報を含む。ブルートゥース通信機能を示す情報は、ブルートゥース通信エラーを示す情報、コマンド実行エラーを示す情報を含む。空調機器制御機能を示す情報は、空調制御エラーを示す情報を含む。ここで、デマンド制御ログは別にある為、デマンド制御以外の情報である。蓄電池制御機能を示す情報は、蓄電池制御エラーを示す情報を含む。
【0029】
メーターユニット警報状態履歴は、マルチメータを示す情報、マルチメータの警報出力、接点入出力端子の状態を示す情報、検出された警報を示す情報および警報を行った日時を示す情報が保存される。
具体的には、メーターユニット警報状態履歴は、マルチメータ番号を示す情報、警報出力、接点入力(DI)状態を示す情報、検出状態1を示す情報、検出状態2を示す情報、検出状態3を示す情報および日時を示す情報を含む。マルチメータ番号を示す情報は、警報対象マルチメータ番号を含む。警報出力、DI状態を示す情報は、警報出力、接点入出力端子の状態を示す情報を含む。検出状態1~3を示す情報は、デマンド電流値を示す情報および閾値を超過したことを示す情報、又は漏電電流値を示す情報および閾値を超過したことを示す情報を含む。日時を示す情報は、実行日時を示す情報を含む。検出状態1~3を示す情報は、設定にて、デマンド電流値を示す情報および閾値を超過したことを示す情報、又は漏電電流値を示す情報および閾値を超過したことを示す情報に変更できる。
【0030】
監視ユニットログが格納されるフォルダには、定時30分毎に取得されるログが格納されるフォルダと、状態が変化した場合に取得されるログが格納されるフォルダとが含まれる。取得部104は、定時30分毎に取得される監視ユニットログと、状態が変化した場合に取得される監視ユニットログと、エラーログと、メーターユニット警報状態履歴とから、警報情報に該当するものを取得する。
【0031】
作成部106は、取得部104から警報情報を取得する。作成部106は、取得した警報情報を格納するためのフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報を格納する。例えば、作成部106は、ログフォルダの下位に警報情報を格納するためのフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報を格納する。作成部106は、警報情報を格納したフォルダを含む点検データを作成する。
出力部108は、作成部106から点検データを取得する。出力部108は、取得した点検データを出力する。例えば、出力部108は、点検データを、SDメモリーカード、USBメモリなどの記録媒体に出力する。このように構成することによって、点検データを、ネットワーク(図示なし)を介して他の装置へ送信する場合と比較して、仮にネットワークに異常が発生し点検データを送信できなくなった場合でも、点検データを取得できる。
【0032】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム100が作成する点検データの一例を示す図である。
図3は、一例として、点検データがSDメモリーカードに格納された場合の例を示す。点検データは、図面データが格納される図面フォルダ(drawing)と、ログデータが格納されるログフォルダ(log)と、メーターデータが格納されるメータフォルダ(meter)と、設定データが格納される設定フォルダ(setting)とが含まれる。
【0033】
図面フォルダには、図面情報(函体)(drawing_box.csv)と、監視ユニット設定情報(drawing_dio.csv)と、監視ユニット端子の監視接点設定情報(drawing_dio_port.csv)と、マルチメータ設定情報(drawing_mm.csv)と、図面情報(面)(drawing_section.csv)と、図面情報(特殊面名称)(drawing_sp_name.csv)と、温度センサの設定情報(drawing_temp.csv)と、変圧器情報(drawing_trans.csv)とが格納される。
【0034】
監視ユニット設定情報は、監視ユニットの設置台数を示す情報、監視ユニットが設置されているキュービクルを示す情報を一覧表にしたものである。
監視ユニット端子の監視接点設定情報は、監視ユニットの、No.0~15までの端子の内、どのNo.端子が、以下の(1)~(19)の項目のいずれかを監視しているかを一覧表とした設定資料である。監視ユニットの各端子には、(1)主遮断装置(投入/開放)、(2)過電流継電器(OCR)(動作/不動作)、(3)主遮断装置LBSヒューズ断(動作/不動作)、(4)MCCBトリップ(一括)(動作/不動作)、(5)漏電火災警報器(LGR)(動作/不動作)、(6)進相コンデンサ設備(SR・SC)異常(動作/不動作)、(7)絶縁監視装置(高圧)(動作/不動作)、(8)~(11)予備、(12)動力用変圧器1次側LBS(投入/開放)、(13)電灯用変圧器1次側LBS(投入/開放)、(14)動力用変圧器1次側LBSヒューズ断(動作/不動作)、(15)電灯用変圧器1次側LBSヒューズ断(動作/不動作)、(16)変圧器油温度高(動作/不動作)、(17)縁監視装置(低圧)(動作/不動作)、(18)高圧送り遮断装置(投入/開放)、(19)高圧送り過電流継電器(OCR)(動作/不動作)のいずれかが設定される。
【0035】
マルチメータ設定情報は、計測装置(メーターユニット)の設置台数を示す情報、一又は複数の計測装置の各々がキュービクルのどこを計測しているか(計測位置)を示す情報、一又は複数の計測装置の各々がキュービクルのどこに設置されているか(設置位置)を示す情報を一覧表とした設定資料である。
【0036】
温度センサの設定情報は、温度センサ(温度監視ユニット)の設置台数を示す情報、一又は複数の温度センサの各々がキュービクルのどこに設置されているか(設置位置)を示す情報を一覧表とした設定資料である。
【0037】
変圧器の設定情報は、変圧器の設置台数を示す情報、変圧器の種類は動力か、電灯かを示す情報、一又は複数の変圧器の各々がキュービクルのどこに設置されているか(設置位置)を示す情報を一覧表とした設定資料である。
【0038】
ログフォルダの下位には、警報ログが格納される警報フォルダ(alarm)と、監視ユニットログが格納される監視フォルダ(dio)と、エラーログが格納されるエラーフォルダ(error)と、メーターユニット警報状態履歴が格納されるメーターユニット警報状態フォルダ(meter_alarm)とが作成されている。
【0039】
警報フォルダの下位には、警報が発生した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダの各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々の下位には、年月に該当する警報ログが格納されている。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得された警報ログ(log_alarm_20211101.csv)が格納されている。
【0040】
監視フォルダの下位には、監視ユニットの番号が格納される複数の監視ユニットフォルダと、警報が発生した年が格納される複数の年フォルダ(年)とが作成されている。複数の監視ユニットフォルダの各々の下位には、警報が発生した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当する定時30分毎に取得される監視ユニットログが含まれる。
図3に示される例では、監視ユニット番号001フォルダの下位の2021年フォルダのさらに下位の11月フォルダに、2021年11月1日、定時30分毎に取得された監視ユニットログ(log_dio_30min_20211101.csv)が格納されている。
【0041】
複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当する状態が変化した場合に取得される監視ユニットログが作成されている。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に状態変化の際に取得された監視ユニットログ(log_dio_change_20211101.csv)が格納されている。
【0042】
エラーフォルダの下位には、エラーが発生した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当するエラーログが含まれる。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得されたエラーログ(log_error_20211101.csv)が格納されている。
【0043】
メーターユニット警報状態フォルダの下位には、メーターユニットが警報状態になった年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当するメーターユニットが警報状態になった履歴が含まれる。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日のメーターユニット警報状態履歴(log_meter_alarm_20211101.csv)が格納されている。
【0044】
メーターフォルダの下位には、漏電電流値が格納される漏電電流値フォルダ(lgr)と、力率注意値が格納される力率注意値フォルダ(pf)と、温度監視計測値が格納される温度監視計測値フォルダ(temperature)と、メーターユニット計測値が格納されるメーターユニット計測値フォルダ(transformer)とが作成されている。
【0045】
漏電電流値フォルダの下位には、漏電電流値を計測した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当する漏電電流値が含まれる。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得された漏電電流値(mtr_Igr_20211101.csv)が格納されている。
【0046】
力率注意値フォルダの下位には、力率注意値を取得した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当する力率注意値が含まれる。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得された力率注意値(mtr_pf_20211101.csv)が格納されている。
【0047】
温度監視計測値フォルダの下位には、温度監視計測値を取得した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当する温度監視計測値が格納されている。
図3に示される例では、2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得された温度監視計測値(mtr_temp_20211101.csv)が格納されている。
【0048】
メーターユニット計測値フォルダの下位には、メーターユニットの番号が格納される複数のメーターユニットフォルダと、デマンドフォルダ(demand)とが作成されている。デマンドフォルダには、各マルチメータから取得した電力値の30分平均した演算値が保存される。
複数のメーターユニットフォルダの各々の下位には、計測した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当するメーターユニット計測値が含まれる。
図3に示される例では、メーターユニット番号001フォルダの下位の2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得されたメーターユニット計測値(mtr_tr_001_20211101.csv)が格納されている。
【0049】
デマンドフォルダの各々の下位には、計測した年が格納される複数の年フォルダ(年)が作成されている。複数の年フォルダ(年)の各々の下位には、12個の月フォルダ(月)が作成されている。12個の月フォルダの各々には、年月に該当するメーターユニット30分平均電力が含まれる。
図3に示される例では、デマンドフォルダの下位の2021年フォルダの下位の11月フォルダに、2021年11月1日に取得されたメーターユニット30分平均電力(mtr_demand_20211101.csv)が格納されている。
【0050】
設定フォルダの下位には、変圧器情報が格納される変圧器情報フォルダ(transformer)が作成されている。
図3に示される例では、変圧器情報フォルダに、変圧器情報(cud_transformer.bin)が格納されている。また、設定フォルダに、設定値(cud_setting.csv)が格納されている。
【0051】
入力部102、取得部104、作成部106および出力部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0052】
(情報処理システム100の動作)
図4は、本実施形態に係る情報処理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図4を参照して、情報処理システム100に点検データが入力されてからの処理について説明する。
(ステップS1-1)
入力部102に、キュービクル1の点検データが入力される。
(ステップS2-1)
取得部104は、入力部102からキュービクル1の点検データを取得する。取得部104は、取得した点検データに含まれるログデータを取得し、取得したログデータから警報情報を取得する。
【0053】
(ステップS3-1)
作成部106は、取得部104から警報情報を取得する。作成部106は、取得した警報情報を格納するためのフォルダを作成する。
(ステップS4-1)
作成部106は、作成したフォルダに警報情報を格納する。
【0054】
(ステップS5-1)
作成部106は、警報情報を格納したフォルダを含む点検データを作成する。
(ステップS6-1)
出力部108は、作成部106から点検データを取得する。出力部108は、取得した点検データを出力する。
【0055】
前述した実施形態では、一例として、出力部108は、点検データを、SDメモリーカード、USBメモリなどの記録媒体に出力する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、出力部108は、ネットワーク(図示なし)を介して、他の装置へ送信するようにしてもよい。このように構成することによって、点検者は、情報処理システム100が設置されている場所まで移動することなく、点検データを取得できる。
【0056】
本実施形態に係る情報処理システム100によれば、情報処理システム100は、キュービクル1のログデータから警報情報を取得する取得部104と、取得部104が取得した警報情報を含むフォルダを作成する作成部106と、作成部106が作成したフォルダを含む点検データを出力する出力部108とを備える。
【0057】
このように構成することによって、ログデータから取得された警報情報を含むフォルダを作成できるため、キュービクル1の点検者は、作成されたフォルダを確認することによって、前回の点検から今回の点検までの期間中にキュービクル1内にて警報、異常の兆候があったかを判断できる。具体的には、点検者は、警報情報を含むフォルダと、メーターユニット警報履歴を確認することで、キュービクル1内にて警報、異常の兆候があったかを判断できる。
【0058】
漏電電流については、メーターフォルダに保存されている漏電電流値を確認することで警報値を超えているかは判断できる。しかし、メーターフォルダの下位には、漏電電流値フォルダ、力率注意値フォルダ、温度監視計測値フォルダおよびメーターユニット計測値フォルダが作成されているため、漏電電流値フォルダを探すのに手間を要する。情報処理システム100は、点検に際して、真っ先に良否を判断できるように、漏電の警報があった時点でのログデータを保存し、ファイルは別の構成にする。
つまり、異常の原因をピンポイントで探すことができるように、監視のポイントは別ファイルで作成され、別フォルダに格納される。原因調査で必要なパラメータのみのファイルを分け、別フォルダに格納されることにより、温度や漏電電流などの確認したい内容をすぐにピックアップして参照できる。点検データは、容易に絞り込むことができるファイル構成のため、点検日時の計測データを検索する時間を削減できる。
【0059】
情報処理システム100において、取得部104は、ログデータに含まれる監視ユニットログから警報ログを取得し、作成部106は、取得部104が取得した警報ログを含むフォルダを作成する。
このように構成することによって、情報処理システム100は、監視ユニットログから警報ログを取得できるため、監視ユニットログに含まれるログのうち、警報ログに該当するものを別フォルダに格納することができる。
【0060】
情報処理システム100において、ログデータに含まれるメーターユニット警報監視状態履歴を取得し、作成部106は、取得部104が取得したメーターユニット警報監視状態履歴を含むフォルダを作成する。
このように構成することによって、情報処理システム100は、ログデータに含まれるメーターユニット警報監視状態履歴を含むフォルダを作成できる。このため、点検者は、フォルダを確認することによって、警報情報およびメーターユニット警報監視状態履歴を参照することが可能になる。
【0061】
情報処理システム100において、取得部104は、ログデータから複数の警報情報を取得し、作成部106は、取得部104が取得した複数の警報情報が発生した年月毎にフォルダを作成し、年月毎に作成したフォルダに該当する警報情報を含める。
このように構成することによって、情報処理システム100は、年月毎に作成したフォルダに警報情報を含めることができるため、点検者は、年月毎にフォルダが作成されていない場合と比較して、確認したい警報情報を探すことが容易になる。
例えば、警報が発報された場合の現場対応にて、原因調査のため、警報が発報された正確な日時や、前兆があったかを調べる際に、警報に関する閲覧したい日時のデータのみをピックアップし、確認できるため、異常が起こった日時、前兆がいつからあったかを確認する時間を短縮できる。
【0062】
(実施形態の変形例1)
実施形態の変形例1に係る情報処理システム100aは、
図1を適用できる。ただし、キュービクル1に情報処理システム100の代わりに情報処理システム100aが含まれる点で異なる。
情報処理システム100aは、情報処理システム100の機能に加えて、キュービクル1の接点入力信号を受け付け、受け付けた接点入力信号に基づいて、キュービクル1の状態を判定する。情報処理システム100aは、キュービクル1のログデータに、キュービクル1の状態の判定結果を含める。
【0063】
以下、情報処理システム100aについて詳細に説明する。
図5は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100aの一例を示す図である。情報処理システム100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100aは、例えば、入力部102aと、受付部103aと、取得部104aと、判定部105aと、作成部106と、出力部108と、記憶部110とを備える。
【0064】
入力部102aには、キュービクル1の接点入力信号が入力される。例えば、キュービクル1で予め設定されている許容値を超える漏電電流が漏電絶縁監視機器(図示なし)によって検知された場合に、漏電絶縁監視機器は、接点入力信号を接点入力機器(図示なし)に出力する。接点入力機器は、漏電絶縁監視機器から取得した接点入力信号を、入力部102aへ出力する。
【0065】
受付部103aは、入力部102aに入力されたキュービクル1の接点入力信号を受け付ける。
判定部105aは、受付部103aが受け付けた接点入力信号を取得し、取得した接点入力信号に基づいて、キュービクル1の状態を判定する。例えば、判定部105aは、接点入力信号に基づいて、キュービクル1に含まれる開閉器、遮断器、警報器など高圧受電設備の状態を判定する。
取得部104aは、判定部105aから高圧受電設備の状態の判定結果を取得する。取得部104aは、取得した高圧受電設備の状態の判定結果を、ログデータに含める。
【0066】
入力部102a、受付部103a、取得部104aおよび判定部105aは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0067】
(情報処理システム100aの動作)
図6は、本実施形態に係る情報処理システム100aの動作の一例を示すフローチャートである。
図6を参照して、情報処理システム100aに、キュービクル1の接点入力信号が入力されてからの処理について説明する。
(ステップS1-2)
入力部102に、キュービクル1の接点入力信号が入力される。
(ステップS2-2)
受付部103aは、入力部102aに入力されたキュービクル1の接点入力信号を受け付ける。
【0068】
(ステップS3-2)
判定部105aは、受付部103aが受け付けた接点入力信号に基づいて、キュービクル1の状態を判定する。
(ステップS4-2)
入力部102aに、キュービクル1の点検データが入力される。
(ステップS5-2)
取得部104aは、判定部105aから高圧受電設備の状態の判定結果を取得する。取得部104aは、取得した高圧受電設備の状態の判定結果を、ログデータに含める。
【0069】
ステップS6-2~S10-2は、
図4のステップS2-1~S6-1と同様であるため説明を省略する。
図6に示すフローチャートにおいて、ステップS4-2は、ステップS1-2の前、ステップS2-2の前およびステップS3-2の前のいずれかで実行されてもよい。
【0070】
実施形態の変形例1に係る情報処理システム100aによれば、情報処理システム100aは、情報処理システム100において、キュービクル1の接点入力信号を受け付ける受付部103aと、受付部103aが受け付けた接点入力信号に基づいて、キュービクルの状態を判定する判定部105aとをさらに備える。取得部104aは、キュービクル1のログデータに、判定部105aによるキュービクル1の状態の判定結果を含める。
【0071】
このように構成することによって、キュービクル1の状態の判定結果をログデータに含めることができる。キュービクル1の状態の判定結果を含むログデータから警報情報を含むフォルダを作成できるため、キュービクル1の点検者は、作成されたフォルダを確認することによって、前回の点検から今回の点検までの期間中にキュービクル1内にて警報、異常の兆候があったかを判断できる。
【0072】
(実施形態の変形例2)
実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bは、
図1を適用できる。ただし、キュービクル1に情報処理システム100の代わりに情報処理システム100bが含まれる点で異なる。
情報処理システム100bは、情報処理システム100aの機能に加えて、接点入力機器などの子機の接点情報を、情報処理システム100bに設定できるようにしたものである。接点情報には、子機の台数、通信設定、子機に入力される接点機器および接点仕様、接点状態が警報か正常かを示す情報などが含まれる。情報処理システム100bは、接点入力信号を取得した場合に、設定されている接点情報に基づいて、子機の接点状態が正常であるか、警報(異常)であるかを判定する。
【0073】
以下、情報処理システム100bについて詳細に説明する。
図7は、実施形態の変形例に係る情報処理システム100bの一例を示す図である。情報処理システム100bは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100bは、例えば、入力部102aと、受付部103aと、取得部104aと、判定部105bと、作成部106と、設定部107bと、出力部108と、記憶部110とを備える。
【0074】
設定部107bは、キュービクル1に含まれる接点入力機器などの子機の接点情報を設定する。
図8は、実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bの接点情報の設定例を示す図である。ここでは、一例として、情報処理システム100bに、子機1~3が接続されている場合について説明する。
【0075】
設定部107bには、子機1~3の各々について、以下の接点情報が設定されている。
子機1について、接点(1)がオンになった場合には警報、接点(2)がオフになった場合には警報、接点(3)がオンになった場合に警報である。
子機2について、接点(4)がオンになった場合には警報、接点(5)がオンになった場合には警報である。
子機3について、接点(6)がオフになった場合には警報、接点(7)がオフになった場合には警報、接点(8)がオフになった場合に警報である。
図7に戻り、説明を続ける。
【0076】
判定部105bは、設定部107bが設定した設定情報と、接点入力信号とに基づいて、子機1~3の状態を判定する。
図8を参照して具体的に説明する。
例えば、子機1から、接点(1)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機1について接点(1)がオンになった場合には警報であることが含まれるので、接点(1)が警報状態であると判定する。
【0077】
例えば、子機1から、接点(2)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機1について接点(2)がオフになった場合には警報であることが含まれるので、接点(2)が正常状態であると判定する。
【0078】
例えば、子機1から、接点(3)がオフであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機1について接点(3)がオンになった場合には警報であることが含まれるので、接点(3)が正常状態であると判定する。
【0079】
例えば、子機2から、接点(4)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機2について接点(4)がオンになった場合には警報であることが含まれるので、接点(4)が警報状態であると判定する。
【0080】
例えば、子機2から、接点(5)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機2について接点(5)がオンになった場合には警報であることが含まれるので、接点(5)が警報状態であると判定する。
【0081】
例えば、子機3から、接点(6)がオフであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機3について接点(6)がオフになった場合には警報であることが含まれるので、接点(6)が警報状態であると判定する。
【0082】
例えば、子機3から、接点(7)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機3について接点(7)がオフになった場合には警報であることが含まれるので、接点(7)が正常状態であると判定する。
【0083】
例えば、子機3から、接点(8)がオンであることを示す接点入力信号が出力された場合、判定部105bは、受付部103aから接点入力信号を取得する。判定部105bは、取得した接点入力信号に基づいて、設定情報に子機3について接点(8)がオフになった場合には警報であることが含まれるので、接点(8)が正常状態であると判定する。
【0084】
キュービクル1に子機1~3に加えて、子機4が増設された場合について説明する。設定部107bは、キュービクル1の子機4の接点情報を設定する。
図9は、実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bの接点情報の設定例を示す図である。ここでは、一例として、情報処理システム100bに、子機1~3が接続されている状態で、子機4が増設された場合について説明する。
子機4は、接点(9)~(11)を有する。この場合、設定部107bは、子機4について、接点(9)~(11)の接点情報を設定する。
【0085】
判定部105bおよび設定部107bは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0086】
実施形態の変形例2では、一例として、情報処理システム100bに子機1~3が接続された場合、さらに子機4が追加で接続された場合について説明したがこの例に限られない。例えば、情報処理システム100bに、1~2台の子機が接続されてもよいし、4台以上の子機が接続されてもよい。また、情報処理システム100bに、複数の子機が追加で接続されてもよい。また、子機へさらに一又は複数の子機を接続するようにしてもよい。
【0087】
実施形態の変形例2に係る情報処理システム100bによれば、情報処理システム100bは、情報処理システム100aにおいて、キュービクル1の接点情報を設定する設定部107bをさらに備える。判定部105bは、設定部107bが設定した設定情報と、接点入力信号とに基づいて、キュービクルの状態を判定する。
このように構成することによって、情報処理システム100bは、キュービクル1の接点情報を設定できるため、子機から接点入力信号を受信することで、子機に接続される接点入力機器の状態が警報か正常かを判断できる。また、子機を後付けで増設および、子機へ新たな接点機器の追加をしても、子機から新たに接続される接点機器の仕様を、子機に設定または子機が状態を判断する必要がない。この場合、親機が子機の接点状態が変化したことを受信することで、子機に接続される接点機器の状態が警報か正常かを判断できる。
【0088】
つまり、高圧受電設備の開閉器、遮断器、警報器などの機器の状態を確認する際に、接点入力機(子機)を用いて、各接点から状態信号を受け取り、親機へ送信することで警報状態を判断し、知らせることができる。監視機器の接点仕様、警報・正常状態の情報を親機に設定することで、新たに追加する子機への設定を行う必要なく、システムとして組み込むことが可能である。
【0089】
従来は、監視したい接点機器によって、接点仕様にはa接点、b接点等あり、接点仕様や、接点状態が警報なのか正常なのかをあらかじめ各機器に設定しておく必要があった。初めからシステムとして組み込まれている子機については、あらかじめ設定してある接点機器の情報を持っているため、接点機器が警報か正常かを子機が判断できても、子機の増設や、新たに接点機器を追加するものについては、子機に接続される接点機器の仕様がわからないため、接点仕様および接点機器が警報状態か正常状態かを子機ごとに設定しなければ、接点機器の状態を判断することができなかった。
【0090】
(実施形態の変形例3)
実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cは、
図1を適用できる。ただし、キュービクル1に情報処理システム100の代わりに情報処理システム100cが含まれる。
情報処理システム100cは、情報処理システム100の機能に加えて、キュービクルの図面情報を記憶する。
【0091】
以下、情報処理システム100cについて詳細に説明する。
図10は、実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cの一例を示す図である。情報処理システム100cは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。情報処理システム100cは、例えば、入力部102と、取得部104と、作成部106cと、出力部108と、特定部109cと、記憶部110とを備える。
【0092】
記憶部110は、キュービクルの図面情報を記憶する。
図11は、実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cに記憶されるキュービクルの図面情報の一例を示す図である。
図11は、キュービクルの外観図を示す。
【0093】
図12は、実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cに記憶されるキュービクルの図面情報の一例を示す図である。
図12は、キュービクルに含まれる装置の構成の一例を示す。
図12に示される一例では、キュービクル1には、主遮断装置1-1、主遮断装置LBS(高圧交流負荷開閉器)ヒューズ断1-2、MCCB(配線用遮断器)トリップ(一括)1-3、進相コンデンサ設備(SR-SC)異常1-4、動力用変圧器1次側LBS1-5が含まれる。
【0094】
キュービクル1には、電灯用変圧器1次側LBS1-6、動力用変圧器1次側LBSヒューズ断1-7、電灯用変圧器1次側LBSヒューズ断1-8、変圧器油温度高1-9、絶縁監視装置(低圧)1-10が含まれる。キュービクル1には、高圧送り遮断装置1-11、高圧送りLBSヒューズ断1-12、高圧器過負荷(THR)1-13、換気扇異常1-14、系統連系保護継電器(OVGR)1-15が含まれる。
【0095】
キュービクル1には、系統連系保護継電器(RPR)1-16、系統連系保護継電器(UVR)1-17、系統連系保護継電器故障1-18、過電流継電器(OCR)1-19、高圧送り過電流継電器(OCR)1-20が含まれる。キュービクル1には、高圧送り地絡継電器(GR)1-21、デジタル入力機器1-22~1-23、外付け温度センサー1-24、コントロールユニット1-25、マルチメータ(MM)1-26~1-29が含まれる。キュービクル1には、EMS(Element Management System)1-30、2-CT(変流器)1-31、2-VT(計器用変成器)1-32、2-CT1-33、変圧器1-34、ZCT(零相変流器)1-35、2-CT1-36、変圧器1-37、ZCT1-38、2-CT1-39、変圧器1-40、ZCT1-41が含まれる。
【0096】
デジタル入力機器1-22~1-23は監視ユニットに含まれ、外付け温度センサー1-24は温度監視ユニットに含まれ、コントロールユニット1-25はコントロールユニットに含まれ、マルチメータ(MM)1-26~1-29はメーターユニットに含まれ、EMS1-30はネットワークユニットに含まれる。
【0097】
主遮断装置1-1、主遮断装置LBS(高圧交流負荷開閉器)ヒューズ断1-2、MCCB(配線用遮断器)トリップ(一括)1-3、進相コンデンサ設備(SR-SC)異常1-4、動力用変圧器1次側LBS1-5、電灯用変圧器1次側LBS1-6、動力用変圧器1次側LBSヒューズ断1-7、電灯用変圧器1次側LBSヒューズ断1-8、変圧器油温度高1-9、絶縁監視装置(低圧)1-10、高圧送り遮断装置1-11、高圧送りLBSヒューズ断1-12、高圧器過負荷(THR)1-13は、デジタル入力機器1-22と接続され、デジタル入力機器1-22に接点入力信号を出力する。
【0098】
換気扇異常1-14、系統連系保護継電器(OVGR)1-15、系統連系保護継電器(RPR)1-16、系統連系保護継電器(UVR)1-17、系統連系保護継電器故障1-18は、デジタル入力機器1-23と接続され、デジタル入力機器1-23に接点入力信号を出力する。
【0099】
デジタル入力機器1-22、デジタル入力機器1-23、外付け温度センサー1-24、コントロールユニット1-25およびマルチメータ1-26~1-29は互いに接続される。デジタル入力機器1-22~1-23は、キュービクル1内の接点機器の状態監視接点先につながる機器が動作したことをコントロールユニット1-25へ通知する。外付け温度センサー1-24は、キュービクル1内の温度計測を行う。コントロールユニット1-25は、各ユニットからデータを収集し、ネットワークユニットへ送信する。マルチメータ1-26~1-29は、キュービクル1内の電力計測を行い、電力計測の結果をコントロールユニットへ送信する。
【0100】
EMS1-30はコントロールユニット1-25と接続され、2-CT1-31および2-VT1-32はマルチメータ1-26と接続され、2-CT1-33、変圧器1-34およびZCT1-35はマルチメータ1-27と接続され、2-CT1-36、変圧器1-37およびZCT1-38はマルチメータ1-28と接続される。2-CT1-39、変圧器1-40およびZCT1-41はマルチメータ1-29と接続される。EMS1-30は、コントロールユニットが収集したデータをクラウドへ送信する。
【0101】
キュービクルの図面情報の一例は、キュービクルの識別番号と、キュービクルの面数と各面の名称と、キュービクル内の変圧器の設置箇所を示す情報と、キュービクル内の指示計器の設置箇所を示す情報と計測している系統を示す情報と、キュービクル内の接点機器および接点入力機器の設置箇所を示す情報と、キュービクル内の温度センサーの設置箇所を示す情報とが含まれる。
【0102】
キュービクルの識別番号は、キュービクルを識別するための情報(番号)である。キュービクルの識別番号により、どのキュービクルかを判断できる。
キュービクルの面数と各面の名称は、キュービクル1が何面体であるかを判断するための情報である。キュービクルの各面の名称をキュービクルに搭載される機器と紐づけることで、どの面に何の機器が搭載されているかを判断できる。
【0103】
キュービクル内の変圧器の設置箇所を示す情報は、変圧器がどこに設置されているかを示す情報である。キュービクル内の変圧器の設置箇所を示す情報により、変圧器がどこにあるかを判断できる。また、変圧器と計測機器とを紐づけることで、どの系統を計測しているか判断できる。
【0104】
キュービクル内の指示計器の設置箇所を示す情報と計測している系統を示す情報とは、指示計器がどの系統を計測しているかを示す情報である。キュービクル内の指示計器の設置箇所を示す情報と計測している系統を示す情報とにより、指示計器がどの系統を計測しているかを判断できる。
【0105】
キュービクル内の接点機器および接点入力機器の設置箇所を示す情報は、監視したい接点機器、接点入力機器の搭載箇所を示す情報である。キュービクル内の接点機器および接点入力機器の設置箇所を示す情報により、監視したい接点機器、接点入力機器の搭載箇所を読み取ることができ、異常が起きている機器の系統、搭載箇所を早急に検知できる。
【0106】
キュービクル内の温度センサーの設置箇所を示す情報は、キュービクル内のどの面に温度センサーが搭載されているかを示す情報である。キュービクル内の温度センサーの設置箇所を示す情報により、キュービクル内のどの面に温度センサーが搭載されているかを判断できる。
【0107】
特定部109cは、取得部104から警報情報を取得する。特定部109cは、取得した警報情報に基づいて、警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部に記憶されているキュービクルの図面情報から特定する。
【0108】
作成部106cは、取得部104から警報情報を取得し、特定部109cから警報情報に該当する機器の図面情報を取得する。作成部106cは、取得した警報情報と機器の図面情報とを格納するためのフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報と機器の図面情報とを格納する。例えば、作成部106cは、ログデータの下位にフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報と機器の図面情報とを格納する。作成部106cは、警報情報と機器の図面情報とを格納したフォルダを含む点検データを作成する。
【0109】
作成部106cおよび特定部109cは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。
また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0110】
(情報処理システム100cの動作)
図13は、実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cの動作の一例を示すフローチャートである。
図13を参照して、情報処理システム100cに、キュービクル1の点検データが入力されてからの処理について説明する。
(ステップS1-3)
入力部102に、キュービクル1の点検データが入力される。
(ステップS2-3)
取得部104は、入力部102からキュービクル1の点検データを取得する。取得部104は、取得した点検データに含まれるログデータを取得し、取得したログデータから警報情報を取得する。
【0111】
(ステップS3-3)
特定部109cは、取得部104から警報情報を取得する。特定部109cは、取得した警報情報に基づいて、警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部に記憶されているキュービクル1の図面情報から特定する。
(ステップS4-3)
作成部106cは、取得部104から警報情報を取得し、特定部109cから警報情報に該当する機器の図面情報を取得する。作成部106cは、取得した警報情報と機器の図面情報とを格納するためのフォルダを作成する。
(ステップS5-3)
作成部106cは、作成したフォルダに警報情報と機器の図面情報とを格納する。
【0112】
(ステップS6-3)
作成部106cは、警報情報と機器の図面情報とを格納したフォルダを含む点検データを作成する。
(ステップS7-3)
出力部108は、作成部106cから点検データを取得する。出力部108は、取得した点検データを出力する。
【0113】
前述した実施形態の変形例3では、特定部109cが、警報情報に基づいて、警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部110に記憶されているキュービクルの図面情報から特定する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、特定部109cは、警報情報に該当する機器の図面情報とともに、又は警報情報に該当する機器の図面情報の代わりに警報情報に該当する系統情報を、記憶部110に記憶されているキュービクル1の図面情報から特定するようにしてもよい。
【0114】
作成部106cは、取得部104から警報情報を取得し、特定部109cから警報情報に該当する機器の図面情報及び警報情報に該当する系統情報とのいずれか一方又は両方を取得する。作成部106cは、取得した警報情報と、機器の図面情報及び警報情報に該当する系統情報のいずれか一方又は両方とを格納するためのフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報と、機器の図面情報及び警報情報に該当する系統情報のいずれか一方又は両方とを格納する。
【0115】
例えば、作成部106cは、ログデータの下位にフォルダを作成し、作成したフォルダに警報情報と、機器の図面情報及び警報情報に該当する系統情報のいずれか一方又は両方とを格納する。作成部106cは、警報情報と、機器の図面情報及び警報情報に該当する系統情報のいずれか一方又は両方とを格納したフォルダを含む点検データを作成する。
このように構成することによって、キュービクル1の計測値や警報状態等の値が、どの系統を計測しているか、機器がどこに設置されているか等がわかるようになるため、図面を見なくても、キュービクル内部の情報を画面上で構成される表示で確認することができる。
【0116】
前述した実施形態の変形例3において、出力部108は、監視結果を表示装置(図示なし)に出力するようにしてもよい。
図14は、実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cが出力する監視画面の一例を示す図である。
図14によれば、監視画面には、高圧受電盤について、マルチメータによって計測される電圧、電流、電力、警報等が含まれ、低圧動力盤のトランス1について、マルチメータによって計測される電圧、電流、電力、警報等が含まれる。
【0117】
実施形態の変形例3に係る情報処理システム100cによれば、情報処理システム100cは、情報処理システム100において、警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部110に記憶されているキュービクル1の図面情報から特定する特定部109cをさらに備える。作成部106cは、警報情報に該当する機器および機器の図面情報をさらに含むフォルダを作成する。
このように構成することによって、警報情報に該当する機器の図面情報を、記憶部110に記憶されているキュービクル1の図面情報から特定できるため、警報情報に該当する機器がキュービクル1のどの部分であるかを確認できる。つまり、データベースなどに保存された図面資料(スキャンデータ)と照らし合わせることなく、キュービクルの情報を確認できる。
【0118】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、実施形態の変形例1から変形例3が適宜組み合わされてもよい。また、例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0119】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0120】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0121】
1…キュービクル、100、100a、100b、100c…情報処理システム、102、102a…入力部、103a…受付部、104、104a…取得部、105a、105b…判定部、106、106c、…作成部、107b…設定部、108…出力部、109c…特定部、110…記憶部