IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ナチュラルスタイルの特許一覧

<>
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図1
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図2
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図3
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図4
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図5
  • 特開-自走式作業機の経路生成装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131730
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】自走式作業機の経路生成装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20240920BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G01C21/36
A01B69/00 303M
A01B69/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042163
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】513224032
【氏名又は名称】株式会社ナチュラルスタイル
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 優一
【テーマコード(参考)】
2B043
2F129
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB11
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB01
2B043BB11
2B043BB14
2B043DA07
2B043DA13
2B043DA15
2B043DA17
2B043EB05
2B043EB15
2B043EC12
2B043EC13
2B043EC15
2B043ED12
2B043EE01
2B043EE06
2B043EE08
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC06
2F129CC15
2F129DD02
2F129DD21
2F129DD57
2F129EE02
2F129EE34
2F129EE52
2F129EE78
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF19
2F129FF32
2F129FF36
2F129FF57
2F129FF62
2F129GG14
2F129HH02
(57)【要約】
【課題】 感覚的な操作で往復直進経路の生成と修正を行うことができ、更に最適な往復直進経路の発見・選定も容易に行える自走式作業機の経路生成装置を提供することを提供すること。
【解決手段】 タッチパネルを備えた自走式作業機の経路生成装置において、作業領域及び周辺領域のマップを前記タッチパネルに表示するマップ出力手段と、所定間隔で配置された格子点を前記マップ上に表示する格子点出力手段と、前記作業領域内に配置された格子点を、所定のアルゴリズムにより線で繋いで往復直進経路を生成し、それをマップ上に表示する経路生成出力手段と、前記往復直進経路が表示された状態でタッチパネル操作による入力があったとき、前記格子点全体をスライド若しくは回転、または各格子点の間隔を拡縮させる格子点移動手段と、を備えた構成を採用した。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段および入力手段としてタッチパネルを備えた自走式作業機の経路生成装置において、
作業領域及び周辺領域のマップを前記タッチパネルに表示するマップ出力手段と、
所定間隔で配置された格子点を前記マップ上に表示する格子点出力手段と、
前記作業領域内に配置された格子点を、所定のアルゴリズムにより線で繋いで往復直進経路を生成し、それをマップ上に表示する経路生成出力手段と、
前記往復直進経路が表示された状態でタッチパネル操作による入力があったとき、前記格子点全体をスライド若しくは回転、または各格子点の間隔を拡縮させる格子点移動手段と、を備えた、自走式作業機の経路生成装置。
【請求項2】
前記格子点移動手段によって、少なくとも前記作業領域の内から外または外から内に格子点が移動したとき、前記所定のアルゴリズムに基づき往復直進経路を再生成する経路再生成手段を備えた、請求項1記載の自走式作業機の経路生成装置。
【請求項3】
前記格子点出力手段および経路生成出力手段において、マップに固定表示された格子点および経路上に新しい格子点および経路を追加表示する経路追加手段を備えた、請求項1記載の自走式作業機の経路生成装置。
【請求項4】
前記所定のアルゴリズムが、各格子点に振られた列・行情報に基づき各格子点を昇順または降順に線で繋ぐ処理である、請求項1記載の自走式作業機の経路生成装置。
【請求項5】
前記タッチパネルに表示されたマップにタッチパネル操作を行って作業領域を指定する作業領域指定手段を備えた、請求項1記載の自走式作業機の経路生成装置。
【請求項6】
前記タッチパネルに表示された往復直進経路の座標データを自走式作業機に無線送信する送信部を備えた、請求項1記載の自走式作業機の経路生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行または自動航行を行う自走式作業機の経路生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、農業機械(トラクターやコンバイン、農薬散布ドローン等)や芝刈り機、清掃用ロボット等においてタブレット等の端末を使用して遠隔操作が可能な自走式(自動走行・航行式)の作業機が開発されている。これらの自走式作業機においては、遠隔操作用端末から経路データを受信し、その経路データに基づいて作業領域内を所定の経路で走行・航行できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1~6参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の自走式作業機の遠隔操作端末においては、GPS等の座標データをもとに往復直進経路(所定間隔で直進と往復を繰り返す経路)の生成を行うことができるものの、数値入力等によって経路の始点や終点、直進経路間の間隔などを設定する必要があったため、ユーザが感覚的な操作で経路生成を行うことが難しく、また慣れていないユーザは経路情報の入力に時間や手間がかかった。
【0004】
また上記従来の自走式作業機の遠隔操作端末では、往復直進経路を生成した後に経路の修正を行いたいときに設定画面で数値入力をやり直す必要があったため、経路修正にも手間がかかった。更に作業領域内の最適な往復直進経路(最適な起点や終点、方向、直進経路間の間隔など)を発見・選定するために経路の修正作業を繰り返す必要があったため、経路選定をスムーズに完了することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-128045号公報
【特許文献2】特開2017-163922号公報
【特許文献3】特開2017-182374号公報
【特許文献4】特許2018-99043号公報
【特許文献5】特開2020-86876号公報
【特許文献6】特許2020-118459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると自走式作業機の経路生成が行えるだけでなく、感覚的な操作で往復直進経路の生成と修正を行うことができ、更に最適な往復直進経路の発見・選定も容易に行える自走式作業機の経路生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、表示手段および入力手段としてタッチパネルを備えた自走式作業機の経路生成装置において、作業領域及び周辺領域のマップを前記タッチパネルに表示するマップ出力手段と、所定間隔で配置された格子点を前記マップ上に表示する格子点出力手段と、前記作業領域内に配置された格子点を、所定のアルゴリズムにより線で繋いで往復直進経路を生成し、それをマップ上に表示する経路生成出力手段と、前記往復直進経路が表示された状態でタッチパネル操作による入力があったとき、前記格子点全体をスライド若しくは回転、または各格子点の間隔を拡縮させる格子点移動手段と、を備えた構成を採用した(効果は後述する)。
【0008】
また本発明では、上記格子点移動手段によって、少なくとも上記作業領域の内から外または外から内に格子点が移動したとき、上記所定のアルゴリズムに基づき往復直進経路を再生成する経路再生成手段を設けることで、最適な経路の発見や選択が容易となる。
【0009】
また本発明では、上記格子点出力手段および経路生成出力手段において、マップに固定表示された格子点および経路上に新しい格子点および経路を追加表示する経路追加手段を備えることで、網の目状の経路や3次元の多層的な経路を生成することもできる。
【0010】
また本発明では、上記所定のアルゴリズムを、各格子点に振られた列・行情報に基づき各格子点を昇順または降順に線で繋ぐ処理とすることで、経路生成および経路再生成を簡単に行うことができる。
【0011】
また本発明では、上記タッチパネルに表示されたマップにタッチパネル操作を行って作業領域を指定する作業領域指定手段を設けることで、作業領域の指定や調整も同じタッチパネル上で簡単に行うことができる。
【0012】
また本発明では、上記タッチパネルに表示された往復直進経路の座標データを自走式作業機に無線送信する送信部を設けることで、自走式作業機を離れた場所からリモート操作することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の自走式作業機の経路生成装置は、マップ表示画面の作業領域内に配置された格子点を線で繋いで往復直進経路を自動的に生成することができるだけでなく、往復直進経路が表示された状態でタッチパネルを操作し、格子点全体をスライド若しくは回転、または各格子点の間隔を拡縮させることで経路の修正をユーザが感覚的に行うことができるたため、操作に慣れていないユーザであっても簡単に使用することができる。
【0014】
また本発明の経路生成装置は、上記のタッチパネル操作で経路の修正も容易に行えるため、最適な経路の発見や選定も容易に短時間で行える。更に本発明の経路生成装置は、各種の自走式作業機の遠隔操作端末として使用することができるため、無人式の農業用機械や農業用ドローン、掃除用ロボットなど、幅広い分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態における自走式作業機の経路生成装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の第一実施形態における自走式作業機の経路生成装置の処理フローを示すフロー図である。
図3】本発明の第一実施形態におけるタッチパネルのマップ表示画面を示す説明図である。
図4】本発明の第一実施形態におけるタッチパネルの経路表示画面を示す説明図である。
図5】本発明の第一実施形態におけるタッチパネルの経路表示画面を示す説明図である。
図6】本発明の変更例におけるタッチパネルの経路表示画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図1図6に基づいて説明する。なお図中、符号1で指示するものは、経路生成装置であり、符号Pで指示するものは、タッチパネルである。また符号Aで指示するものは、自走式の作業機であり、符号Wで指示するものは、GPSマップサーバである。また符号Gで指示するものは、マップ生成装置である。
【0017】
「経路生成装置のハードウェア構成」
本実施形態の経路生成装置1のハードウェア構成について説明する。本実施形態では、図1の機能ブロック図に示すように経路生成装置1に、主記憶部11(メモリ等)、演算部12(CPU等)、制御部13(CPU等)、補助記憶部14(ハードディスク、SSD等)を備え、更に表示部15(出力手段)とパネル入力部16(入力手段)が一体となったタッチパネルPを備えた通信機能付きのタブレット端末を使用している。このタブレット端末に関しては、タッチパネルPを備えた通信機能付きのコンピュータであれば、スマホやPDA(携帯情報端末)、ディスクトップPC、ノートPCなどを使用することもできる。そして、これらのハードウェアをソフトウェアで連動させて装置の記憶手段、入力手段および出力手段としている。
【0018】
なお上記タッチパネルPのパネル入力部16に対する入力操作には、タップやダブルタップ、長押し、スクロール、ドラッグ、スワイプ、ピンチ、回転などが含まれ、各種入力操作に対応した機能が紐づけられている。また本実施形態では、経路生成装置1は一つのコンピュータの構成となっているが、サーバクライアント等の分散システムやクラウドシステム等を採用して複数のコンピュータを協働して機能を実現する場合には、経路生成装置1の一部として外部のハードウェア(WebサーバやDBサーバ等)を利用することもできる。
【0019】
上記経路生成装置1と連携する外部のハードウェアには、まず通信機能を備えた自走式作業機A(例えば、農薬散布や肥料散布等を行う農業用ドローンや農業用のコンバインやトラクタ、芝刈り機、清掃用ロボット、除雪機、除染用ロボット、釣り用ロボット、漁業用ロボットなど)が含まれる。その他にも、必要に応じてGPSマップサーバW(位置情報からGPSマップデータを取得する場合など)、マップ生成装置G(各種センサによって生成されるフロア内のマップデータを取得する場合など)を使用することができる。またこれらの外部装置と経路生成装置1は、ネットワーク(インターネットや無線LANなど)を介して接続し、相互にデータ通信可能な状態としている。
【0020】
「経路生成装置のソフトウェア構成」
[1]マップ出力手段について
[1-1]マップデータ取得手段
次に本実施形態のソフトウェア構成について図2に示すフロー図に沿って説明する。まず事前準備として作業領域が含まれるマップデータを取得する。マップデータを保有していない場合には、GPSマップサーバWまたはマップ生成装置Gから取得する。具体的には、図1に示すGPSマップサーバWまたはマップ生成装置Gのマップデータ送信部と、経路生成装置1のマップデータ受信部17との間でマップデータの送受信を行い、経路生成装置1側で受信したマップデータを補助記憶部14のマップデータ記憶部14aに記憶する。このマップデータは外部装置(DBサーバや外部記憶装置)に記憶することもできる。なおマップデータは、外部記憶媒体(例えば、CDやUSB等)から取得することもできる。また経路生成装置1自体にマップ生成機能を持たせることもできる。
【0021】
[1-2]マップデータ読込・出力手段
次に上記補助記憶部14や外部装置に記憶されたマップデータを読み込んで(ステップS1)、図3(a)に示すようにタッチパネルP上にマップ画面として出力する(ステップS2)。この際、タッチパネルP上に表示された拡大・縮小アイコンB1等のパネル入力部16、或いはその他入力部18(例えば、タブレットの押しボタン等)を操作してマップ画面のズームイン/ズームアウトを適宜行うことができる。マップの表示形式(例えば、イラスト表示や写真表示等)については特に限定されないが、後述の格子点や経路を容易に識別できるようにシンプルなイラスト表示とすることが好ましい。
【0022】
[1-3]作業領域指定手段
次に上記タッチパネルPに表示されたマップ画面においてタッチパネル操作を行い、図3(a)に示すようにマップ内の作業領域Fを特定・指定する(ステップS3)。具体的には、作業領域Fとして指定したい部分の輪郭をタップ操作して複数のアンカーポイントD1(パスを操作するための点)を生成すると共に、これらのアンカーポイントD1を繋ぐパスL(線)を自動生成することでパスL内側を作業領域Fとして指定する。また作業領域Fの輪郭が直線状ではなく曲線状の場合には、図3(b)に示すようにアンカーポイントD1を近距離に複数生成することでパスLを曲線状にカーブさせることができる。この際、作業領域Fとそれ以外の周辺領域Mはユーザが識別し易いように色分けされてタッチパネルP上に表示される。これによりマップ上の作業領域Fの指定を直感的な操作で簡単に行うことができる。なお指定した作業領域Fは、ファイルを保存して補助記憶部14の作業領域記憶部14bに記憶させることで再利用することもできる。
【0023】
[2]経路表示手段について
[2-1]格子点出力手段
上記マップ上における作業領域Fの指定が完了した後は、図3(b)の経路生成アイコンB2等のパネル入力部16、或いはその他入力部18(例えば、タブレットの押しボタン等)の操作によって経路表示画面に進む(ステップS4)。経路表示画面では、図4(a)に示すように所定間隔で配置された格子点D2(図中の黒点)を、予め設定された格子点情報(各格子点の列・行情報、初期間隔情報)に基づきタッチパネルPのマップ上に出力し(ステップS5)、マップ全体に表示する(ステップS6)。なお格子点D2の列方向・行方向の間隔はそれぞれ等間隔となっている。
【0024】
[2-2]経路生成出力手段
更に経路表示画面では、上記作業領域F内に配置された格子点D2を所定のアルゴリズムにより線で繋いで往復直進経路R(等間隔で往復直進走行を行う経路)を自動生成し(ステップS5)、格子点Dと一緒にマップ上に表示する(ステップS6)。この往復直進経路Rは、等間隔に並んだ直線または格子点と、これらをジグザグ状に繋ぐ線とから構成される。本実施形態では、上記各格子点D2に振られた列・行情報に基づき各格子点D2を昇順または降順に線で繋ぐ処理を行って往復直進経路Rを生成している。具体的には、作業領域F内に配置された格子点D2のうち、同じ列情報の格子点D2群を行情報が最小のものから最大のものに昇順(或いは最大のものから最小のものに降順)に繋ぐと共に、列情報が次位の格子点D2群同士を行情報が最大または最小のもの同士でジグザグに繋いで往復直進経路Rを生成している。
【0025】
[3]経路修正手段について
[3-1]タッチパネルの回転操作
次に上記往復直進経路Rの修正手段について説明する。図4(a)の経路表示画面でタッチパネルPに回転操作の入力があったとき(ステップS7)、図4(b)に示すようにマップ全体に配置された格子点D全体が回転し、それに合わせて往復直進経路Rも一緒に回転する。この格子点移動手段により感覚的な操作で作業領域F内のどの方向に直進するのかを修正することができる。例えば、作業領域Fの長手方向に合わせて往復直進経路Rを回転させれば、往復回数を最小限に抑えることができ、また作業領域Fの輪郭の一辺に沿うように往復直進経路Rを回転させることもできる。
【0026】
[3-2]タッチパネルのピンチ操作
更に上記図4(b)の経路表示画面でタッチパネルPにピンチイン操作による入力があったとき(ステップS7)、図5(a)に示すようにマップ全体に配置された格子点D2全体の間隔が縮小し、それに合わせて往復直進経路Rの隣り合う直進経路の間隔も縮小する。一方、図示しないがピンチアウト操作の入力があった場合には、格子点D2全体の間隔が拡大し、それに合わせて往復直進経路Rの隣り合う直進経路の間隔も拡大する。この格子点移動手段により感覚的な操作で作業領域F内での往復回数や往復位置を修正することができる。例えば、自走式作業機Aの直進時の作業幅に合わせて直進経路の間隔をピンチイン・ピンチアウト操作により調整することができる。
【0027】
[3-3]タッチパネルのスライド操作
更に上記図5(a)の経路表示画面でタッチパネルPにスライド操作による入力があったとき(ステップS7)、図5(b)に示すようにマップ全体に配置された格子点D2全体が入力方向にスライドし、それに合わせて往復直進経路Rもスライドする。この格子点移動手段により感覚的な操作で作業領域F内での往復直進経路Rの始端・終端の位置や直進経路の位置を修正することができる。例えば、直進経路の位置を中央に寄せたり、往復直進経路Rの始端・終端の位置や直進経路の位置が作業領域Fの輪郭線(パス)から離れていたときに近い位置まで移動させることができる。
【0028】
[3-4]経路再生成出力手段
また上記タッチパネルPへの格子点移動入力(ステップS7)の際、格子点移動があった場合には、経路再生成出力手段により作業領域F内の格子点D2を繋ぎ直して往復直進経路Rが自動的に再生成される(ステップS8)。この経路再生成出力は、作業領域F内外・外内への移動があった場合のみ実行することもできる。具体的には、作業領域Fの外側に出た格子点D2と往復直線経路Rの連結を切断し、作業領域Fの内側に入った新たな格子点D2と新たな連結を行い経路を再生成する(図4図5参照)。これにより上記経路修正においてタッチパネルPへの回転・ピンチイン・ピンチアウト・スライド操作を行いながら最適な往復直進経路Rの選択や発見が容易となる。なお上記往復直進経路Rを再生成するアルゴリズムは最初の経路生成と同様であり、経路(再)生成プログラムは補助記憶部14の経路(再)生成プログラム記憶部14dに記憶しておくことができる。
【0029】
[4]経路送信手段について
上記作業領域F内の往復直進経路Rが決まったときには、図3(b)の送信アイコンB3等のパネル入力部16、或いはその他入力部18(例えば、タブレットの押しボタン等)の操作(ステップS9)によって、タッチパネルPに表示された往復直進経路Rの座標データ(経路データ)を自走式作業機Aに無線送信することができる(ステップS10)。具体的には、図5(b)に示す経路表示画面の送信アイコンB3をタップ操作して入力を行い、経路生成装置1の経路データ送信部19から作業機Aの経路データ受信部に経路データを送信できる。これにより自走式作業機Aから離れた場所から作業機Aをリモート操作することができる。また経路データの送信時には、座標データを作業機Aの制御プログラムに対応するデータに加工・編集して送信することもできる。
【0030】
[5]その他の変更例について
[5-1]経路生成アプリケーション
本実施形態では、上記ソフトウェアをタブレット端末に導入された経路生成装置1の一部として説明しているが、上記ソフトウェアを経路生成アプリケーションとしてインターネットを介して異なるユーザの端末にダウンロード可能に構成することもできる。またクラウドシステムとする場合には、サーバ側で経路生成処理を行い、生成された経路データをユーザ端末に一端ダウンロードして、或いはサーバから直接自走式作業機Aに送信することもできる。
【0031】
[5-2]3次元の経路生成
本実施形態では、二次元の経路生成が可能な経路生成装置1について説明しているが、空中を航行するドローン等の場合には二次元の座標データだけでなく高さ方向を位置を指定する座標データを付加して三次元の経路データを生成することもできる(例えば、往復直線経路Rの決定後、データ送信前に高さ調整の入力画面を出力するなど)。
【0032】
[5-3]自走式作業機との一体化
本実施形態では、自走式作業機Aを遠隔操作できる独立した経路生成装置1の構成について説明しているが、自走式作業機Aと経路生成装置1を一体化した構成を採用することもできる。例えば、自走式作業機Aに経路生成装置1を内蔵し、自走式作業機AにタッチパネルP式の操作パネルを付設して経路生成処理を行うこともできる。
【0033】
[5-4]経路追加手段
本実施形態では、上記格子点出力手段および経路生成出力手段において一つの往復直進経路を生成しているが、図6に示すようにマップに固定表示された格子点D2および経路R上に新しい格子点D2および経路Rを別レイヤーで追加表示する経路追加手段を設けることもできる。これにより作業領域F内を縦横に走行する網の目状の経路や、高さが異なる3次元の経路を生成することもできる。
【0034】
図6に示す変更例では、画面右上に表示されている経路追加アイコンをクリックすることで新しい格子点および経路が生成表示されると共に、経路名の左右のチェックボックスをクリックすることで該当経路のレイヤーを指定して修正や削除を行うことができる。また図6に示す状態から更に経路追加アイコンをクリックすることで経路を3つ以上生成することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 経路生成装置
11 主記憶部
12 演算部
13 制御部
14 補助記憶部
14a マップデータ記憶部
14b 作業領域記憶部
14c 格子点情報記憶部
14d 経路生成プログラム記憶部
15 表示部
16 パネル入力部
17 マップデータ受信部
18 その他入力部
19 経路データ送信部
P タッチパネル
A 作業機
W GPSマップサーバ
G マップ生成装置
1 拡大・縮小アイコン
2 経路生成アイコン
3 送信アイコン
1 アンカーポイント
2 格子点
L パス
R 経路
F 作業領域
M 周辺領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6