(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131738
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】繊維強化複合材料テープ
(51)【国際特許分類】
C09J 7/21 20180101AFI20240920BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20240920BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240920BHJP
C09J 7/50 20180101ALI20240920BHJP
【FI】
C09J7/21
C09J7/38
C09J201/00
C09J7/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042177
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(72)【発明者】
【氏名】大坪 誠
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA10
4J004AB01
4J004CA01
4J004CA08
4J040DF021
4J040JB09
(57)【要約】
【課題】貼り付けた領域に被着体の腐食が発生しない繊維強化複合材料テープを提供する。
【解決手段】本発明の繊維強化複合材料テープは、補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する補強層と、補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する粘着剤層とを備え、少なくとも一方の面は粘着性を有し、23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は粘着性を失わない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する補強層と、前記補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する粘着剤層とを備え、
少なくとも一方の面は粘着性を有し、
23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は前記粘着性を失わない繊維強化複合材料テープ。
【請求項2】
前記粘着剤層の23℃における引張弾性率が、0.1~30GPaである請求項1に記載の繊維強化複合材料テープ。
【請求項3】
前記補強繊維が炭素繊維である請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料テープ。
【請求項4】
前記スペーサがガラス繊維、およびガラスビーズからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材料テープに関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維はマトリクス樹脂と複合化した後、各種成形プロセスを通じて成形品として軽量化などを目的として金属部品代替として主に航空機部品などで利用が拡大している(例えば、特許文献1参照)。
また、近年では自動車の電動化に伴い車重が増加傾向であり、航続距離確保のために車体軽量化へのニーズが高まっていることから炭素繊維への期待が高まっている(例えば、特許文献1参照)。
炭素繊維等の補強繊維を含み、樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材料は、構造用複合材料として広く使用されている。そして、構造部材の表面の領域に上記繊維強化複合材料を設けることにより、構造部材の強度を改善することができる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-510013号公報
【特許文献2】特開2013-221114号公報
【特許文献3】特表2020-502348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、構造部材の繊維強化複合材料が設けられた領域に腐食が発生する場合があった。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであって、貼り付けた領域に被着体の腐食が発生しない繊維強化複合材料テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、上記腐食は、補強繊維と被着体との間の接触が原因であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]~[4]に関する。
[1]補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する補強層と、前記補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する粘着剤層とを備え、
少なくとも一方の面は粘着性を有し、
23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は前記粘着性を失わない繊維強化複合材料テープ。
[2]前記粘着剤層の23℃における引張弾性率が、0.1~30GPaである上記[1]に記載の繊維強化複合材料テープ。
[3]前記補強繊維が炭素繊維である上記[1]又は[2]に記載の繊維強化複合材料テープ。
[4]前記スペーサがガラス繊維、およびガラスビーズからなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の繊維強化複合材料テープ。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、貼り付けた領域に被着体の腐食が発生しない繊維強化複合材料テープを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[繊維強化複合材料テープ]
本発明の繊維強化複合材料テープは、補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する補強層と、補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する粘着剤層とを備え、少なくとも一方の面は粘着性を有し、23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は粘着性を失わない。
【0008】
(粘着性)
本発明の繊維強化複合材料テープは、少なくとも一方の面に粘着性を有する。これにより、繊維強化複合材料の成形加工を必要とせず、繊維強化複合材料テープを被着体に貼り付けるという簡単な作業で、被着体の強度を改善することができる。ここで、粘着性とは具体的にはタックを有することである。なお、タックとは、繊維強化複合材料テープが、低い圧力と短時間の接触で被着体表面と接着し得る機能をいう。本発明の繊維強化複合材料テープは、一方の面のみに粘着性を有してもよいし、両方の面に粘着性を有してもよい。ここで、繊維強化複合材料テープが一方の面のみに粘着性を有する場合は、粘着剤層は粘着性を有し、補強層は粘着性を有さない。一方、繊維強化複合材料テープが両方の面に粘着性を有する場合は、粘着剤層および補強層の両方の層が粘着性を有する。また、後述する通りに、補強層の両面に粘着剤層が設けられることで繊維強化複合材料テープが両方の面が粘着性を有してもよい。
【0009】
本発明の繊維強化複合材料テープは、23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は粘着性を失わない。これにより、繊維強化複合材料テープを常温および常圧の環境下で長期間保管した後でも、繊維強化複合材料の成形加工を必要とせず、繊維強化複合材料テープを被着体に貼り付けるという簡単な作業で、被着体の強度を改善することができる。ここで、繊維強化複合材料テープの粘着性が失われているか否かは、繊維強化複合材料テープの表面を指で触ることにより判断することができる。例えば、繊維強化複合材料テープの表面を指で触ったとき、ベタベタした感触が得られた場合は、繊維強化複合材料テープの表面は粘着性を有していることが分かる。一方、繊維強化複合材料テープの表面を指で触ったとき、ベタベタした感触が得らなかった場合は、繊維強化複合材料テープの表面の粘着性が失われていることが分かる。
繊維強化複合材料テープは、少なくとも一方の面が、上記のとおりに粘着性を失わなければよく、具体的には、粘着剤層の表面が上記のとおりに粘着性を失わなければよい。
【0010】
(補強層)
本発明の繊維強化複合材料テープにおける補強層は、補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する。
【0011】
<補強繊維>
本発明の繊維強化複合材料テープの補強層に使用される補強繊維には、例えば、綿、麻、亜麻、セルロース繊維等の天然繊維、鉄繊維、銅繊維、ステンレス繊維、黄銅繊維等の金属繊維、PAN(ポリアクリルニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維などが挙げられる。これらの補強繊維は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。補強繊維の強度の観点から、これらの補強繊維の中で、炭素繊維が好ましく、PAN系炭素繊維がより好ましい。また、補強層の強度の観点から、補強繊維は長繊維であることが好ましい。
【0012】
補強繊維が炭素繊維である場合、炭素繊維のフィラメント数は、好ましくは1000~36000であり、より好ましくは10000~30000であり、さらに好ましくは20000~28000である。また、補強繊維が炭素繊維である場合、繊度(Tex)は、好ましくは50~2500g/1000mであり、より好ましくは100~2000g/1000mであり、さらに好ましくは1000~2000g/1000mである。さらに、補強繊維が炭素繊維である場合、密度は、好ましくは1.0~2.0g/cm3であり、より好ましくは1.2~1.9g/cm3であり、さらに好ましくは1.5~1.9g/cm3である
【0013】
補強繊維が炭素繊維である場合、補強層における炭素繊維の目付は、補強層の強度の観点から、好ましくは50~1000g/m2であり、より好ましくは100~500g/m2であり、さらに好ましくは150~300g/m2である。
【0014】
補強層の強度の観点から補強繊維は布であることが好ましい。布には、例えば、織物、編物、組物、レース、ネック、フェルト、不織布などが挙げられる。これらの中で、補強層の強度の観点から、織物が好ましい。また、補強層において、補強繊維は、長繊維を並列に複数本並べたものも好ましい。
【0015】
粘着剤層が、被着体および補強層の間の熱膨張係数の差により発生する応力を緩和するようにするために、補強層の熱膨張係数は、後述の粘着剤層の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。具体的には、補強層の熱膨張係数は、好ましくは-3~10ppm/℃である。補強層の熱膨張係数が-3~10ppm/℃であると、粘着剤層が、被着体および補強層の間の熱膨張係数の差により発生する応力を緩和することができるので、粘着剤層が、粘着剤層および補強層の界面で剥がれることを抑制することができる。また、補強繊維としての繊維強化複合材料テープを十分に補強することができる。このような観点から、補強層の熱膨張係数は、より好ましくは-1~5ppm/℃であり、さらに好ましくは0~3ppm/℃である。なお、補強層の熱膨張係数は、JIS K 7197-1991に準拠して測定することができる。補強層の熱膨張係数は、補強層を構成する樹脂の種類および補強層に含まれる補強繊維の種類等により調整することができる。
【0016】
<マトリックス樹脂>
本発明の繊維強化複合材料テープの補強層に使用されるマトリックス樹脂は、室温の状態で半硬化の状態を長時間維持することが可能である樹脂、例えば、室温の状態で、安定なBステージを作ることができるマトリックス樹脂であれば、特に限定されない。
マトリックス樹脂としては、加熱により活性される硬化剤又は架橋剤と、該硬化剤又は架橋剤により少なくとも一部が硬化される樹脂から構成されるものなどが挙げられる。ここで、硬化剤としては、熱潜在性硬化剤、ホットメルト型シェルに封入された硬化剤、塊状の架橋剤などが挙げられる。また、樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ、これらを併用してもよい。樹脂は、Bステージ(半硬化)状態となることで粘着性を有するものを使用すればよい。樹脂としてエポキシ樹脂を使用することで、繊維強化複合材料テープの補強効果を高くしやすくなる。また、アクリル樹脂を使用することで、Bステージ状態において粘着性を持たせやすくなる。
マトリックス樹脂は、少なくともエポキシ樹脂を含むことが好ましく、エポキシ樹脂とアクリル樹脂の両方を含むことがより好ましい。エポキシ樹脂とアクリル樹脂を併用する場合には、アクリル樹脂がBステージ状態で粘着性を有し、かつエポキシ樹脂が加熱により活性される硬化剤又は架橋剤により硬化されるものを使用することが好ましい。
【0017】
マトリックス樹脂としては、より具体的には、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂、エポキシ樹脂とホットメルト型シェルに入った硬化剤とを含有する樹脂、(メタ)アクリル系ポリマーと塊状の架橋剤とを含有する樹脂等が挙げられる。さらに、繊維強化複合材料テープの強度の観点から、本発明の繊維強化複合材料テープの補強層に使用されるマトリックス樹脂は、加熱することにより完全に硬化することが好ましい。これにより、補強繊維としての繊維強化複合材料テープを十分に補強することができる。
【0018】
(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂における(メタ)アクリル系ポリマーは、例えば紫外線照射により(メタ)アクリル系モノマーを含むモノマーを重合させて得られたものである。これにより、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂は、半硬化の状態であり、粘着性を有する。また、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂を加熱すると、エポキシ樹脂は硬化し、樹脂を完全に硬化する。したがって、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂は、加熱しない限り、半硬化の状態であり、粘着性を有する。
【0019】
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーを重合したポリマーや、(メタ)アクリル系モノマーと該(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なビニル系モノマーとを共重合してなる共重合体などが挙げられる。
【0020】
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基の一部又は全部が環状構造を構成する、環状構造を有するアルキル(メタ)アクリレートであってもよい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シクロヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレートが好適である。
【0021】
上記(メタ)アクリル系ポリマーにおいて、上記アルキル(メタ)アクリレートに由来する成分の構成比の好ましい下限は65質量%、好ましい上限は95質量%である。上記アルキル(メタ)アクリレートに由来する成分の構成比のより好ましい下限は70質量%、より好ましい上限は90質量%である。
【0022】
(メタ)アクリル系モノマーとしては、上記のアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリル系モノマーや、ビニル系モノマー(総称して、「その他のモノマー」ともいう)を使用してもよい。具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーや、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマーや、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルアセトアミド、N-アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのその他のモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルアセトアミドが好適である。
【0023】
上記共重合体において、上記その他のモノマーに由来する成分の構成比の好ましい下限は5質量%、好ましい上限は35質量%である。上記その他のモノマーに由来する成分の構成比のより好ましい下限は10質量%、より好ましい上限は30質量%である。
【0024】
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、一般的にエポキシ樹脂接着剤に用いられる従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。上記エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、接着強度、耐久性、耐衝撃性、耐熱性等の性能とコストとのバランスに優れることから、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
【0025】
(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂における上記エポキシ樹脂の配合量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対する好ましい下限が5質量部、好ましい上限が100質量部であり、上記(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対するより好ましい下限が10質量部、より好ましい上限が80質量部である。
【0026】
アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とは、エポキシ樹脂の熱潜在性硬化剤であって、アミンのアダクト体、アミンの変性物等のアミン系化合物を主成分とする熱潜在性硬化剤をいう。また、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤には、イミダゾール系化合物は含まれない。
【0027】
(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂における上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100質量部に対する好ましい下限が5質量部、より好ましい下限が10質量部、更に好ましい下限が20質量部であり、上記エポキシ樹脂100質量部に対する好ましい上限が80質量部であり、より好ましい上限が60質量部、更に好ましい上限が50質量部である。
【0028】
(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂は、フィラー、粘着付与樹脂、シランカップリング剤、光ラジカル重合開始剤、酸化防止剤などの添加剤を適宜含有してもよい。
また、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂としては、例えば、特開2012-236992号公報に記載されている後硬化テープに使用される樹脂等を使用することもできる。
【0029】
エポキシ樹脂とホットメルト型シェルに入った硬化剤とを含有する樹脂におけるエポキシ樹脂は、以下のものである。このエポキシ樹脂は、エポキシ基がポリエステル骨格の末端についているモノマー、もしくはエポキシ基がポリオール骨格の末端についているモノマーを高分子量化して得られたエポキシ樹脂と、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂とを混合して半硬化させたものであり、粘着性を有する。この樹脂を加熱すると、ホットメルト型シェルが溶けて、ホットメルト型シェルから硬化剤が放出される。これにより、半硬化したエポキシ樹脂は完全に硬化する。
【0030】
(メタ)アクリル系ポリマーと塊状の硬化剤とを含有する樹脂における(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリルモノマーを含むモノマーを例えば紫外線を照射して重合したものである。(メタ)アクリル系ポリマーは、カルボキシル基等の官能基を有するモノマーを含有してもよい。
補強層や後述する粘着剤層において、架橋剤は塊状で反応しづらいので、(メタ)アクリルポリマーは架橋剤により完全に硬化した状態ではなく、半硬化の状態であり、粘着性を有する。そして、半硬化した樹脂を加熱することにより、(メタ)アクリルポリマーと塊状の架橋剤との反応が進行して樹脂は完全に硬化するとよい。
【0031】
上述の樹脂の中で、(メタ)アクリル系ポリマーとエポキシ樹脂とアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する樹脂が好ましい。
【0032】
補強層におけるマトリックス樹脂の目付は、補強層の強度の観点から、好ましくは50~1000g/m2であり、より好ましくは100~500g/m2であり、さらに好ましくは150~300g/m2である。また、これにより、補強繊維としての繊維強化複合材料テープを十分に補強することができる。
【0033】
(粘着剤層)
本発明の繊維強化複合材料の粘着剤層は、補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する。粘着剤層は、少なくとも補強層の一方の面に設けられればよいが、両面に設けられてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤は、粘着性を有すれば、特に限定されないが、上記した補強層のマトリックス樹脂として列挙したものから適宜選択して使用すればよい。上記したマトリックス樹脂を使用することで、マトリックス樹脂を半硬化(すなわち、Bステージ状態)にすることで粘着剤層に粘着性を付与できる。また、半硬化の状態(すなわち、Bステージ状態)を長期間保持することで23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は粘着性を失わないようにすることもできる。また、樹脂としては、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の少なくともいずれかを含有することが好ましいが、繊維強化複合材料テープの補強効果を高くしやすい観点から、エポキシ樹脂を含むことがより好ましく、さらに粘着性を付与する観点から、エポキシ樹脂とアクリル樹脂の両方を含有することがさらに好ましい。
また、粘着剤層と補強層との間の接合を強固にするという観点から、粘着剤層を構成する粘着剤は、補強層のマトリックス樹脂と同じものであることが好ましい。
また、粘着剤層におけるマトリックス樹脂を加熱等により完全に硬化させることにより、繊維強化複合材料テープの被着体に対する接合をさらに強固にすることができる。
【0034】
粘着剤層における粘着剤の目付は、粘着剤層の粘着力の観点から、好ましくは10~1000g/m2であり、より好ましくは30~500g/m2であり、さらに好ましくは50~300g/m2である。
【0035】
粘着剤層に含まれるスペーサは、絶縁性を有し、補強層の補強繊維と被着体との間に隙間を生じさせることができるものであれば特に限定されない。スペーサには、例えば、絶縁性繊維、絶縁性ビーズ、絶縁性粒子、絶縁性ウィスカー等が挙げられる。これらの中で、絶縁性繊維が好ましい。
【0036】
絶縁性繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素、ボロン繊維、バサルト繊維などの無機繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ポリアリレート繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの有機繊維、綿、麻、亜麻、セルロース繊維などの天然繊維などが挙げられる。
絶縁性繊維を使用する場合、絶縁性繊維は布であることが好ましい。布には、例えば、織物、編物、組物、レース、ネック、フェルト、不織布などが挙げられる。絶縁性繊維は、不織布が好ましい。布の場合にはスペーサ中に、粘着剤を含浸させて粘着剤層を構成すればよい。
絶縁性ビーズとしては、ガラスビーズ、アルミナビーズ、シリカビーズなどの無機ビーズ、スチレンビーズ、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、ポリメタクリル酸メチルビーズなどのポリマービーズなどが挙げられる。絶縁性ビーズを使用する場合には、粘着剤中に絶縁性ビーズを分散させればよい。
【0037】
粘着剤層におけるスペーサの目付は、補強層の補強繊維と被着体との接触を防止するという観点から、好ましくは5~100g/m2であり、より好ましくは10~50g/m2であり、さらに好ましくは20~40g/m2である。
【0038】
粘着剤層の粘着力の観点および補強層の補強繊維と被着体との接触を防止するという観点から、粘着剤層におけるスペーサの質量に対する粘着剤の質量の質量比(粘着剤/スペーサ)は、好ましくは1~200であり、より好ましくは2~50であり、さらに好ましくは4~15である。
【0039】
粘着剤層の熱膨張係数は、好ましくは-3~10ppm/℃である。粘着剤層の熱膨張係数が-3~10ppm/℃であると、粘着剤層が、被着体および補強層の間の熱膨張係数の差により発生する応力を緩和するので、粘着剤層が、粘着剤層および補強層の界面で剥がれることを抑制することができる。このような観点から、粘着剤層の熱膨張係数は、より好ましくは-1~5ppm/℃であり、さらに好ましくは0~3ppm/℃である。なお、粘着剤層の熱膨張係数は、粘着剤層を完全に硬化させたときの値であり、サンプルを作製する際の硬化方法は、後述する引張弾性率と同様である。また、粘着剤層の熱膨張係数は、JIS K 7197-1991に準拠して測定することができる。粘着剤層の熱膨張係数は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類および粘着剤層に含まれるスペーサの種類等により調整することができる。
【0040】
粘着剤層の23℃における引張弾性率は、好ましくは0.1~30GPaである。粘着剤層の23℃における引張弾性率が0.1~30GPaであると、粘着剤層が、被着体および補強層の間の熱膨張係数の差により発生する応力を緩和するので、粘着剤層が、粘着剤層および補強層の界面で剥がれることを抑制することができる。このような観点から、粘着剤層の23℃における引張弾性率は、より好ましくは0.5~20GPaであり、さらに好ましくは1~10GPaである。なお、粘着剤層の23℃における引張弾性率は、粘着剤層を硬化させたときの引張弾性率であり、例えば後述の実施例に記載の方法により測定することができる。粘着剤層の引張弾性率は、粘着剤層を構成する粘着剤の種類および粘着剤層に含まれるスペーサの種類等により調整することができる。
【0041】
[繊維強化複合材料テープの製造方法]
本発明の繊維強化複合材料テープは、例えば、粘着剤層前駆体および補強層前駆体を作製して、これらを重ね合わせて積層体を得て、積層体を半硬化させて得ることができる。
【0042】
(粘着剤層前駆体の作製)
(1)スペーサが絶縁繊維の場合
粘着剤層前駆体は、絶縁性繊維に、半硬化させる前の液体の樹脂を含浸させて得るとよい。具体的には、離型処理を施したフィルムの上に絶縁性繊維を広げ、絶縁性繊維に、半硬化させる前の液体の樹脂(以下、塗液と呼ぶことがある)を適量たらすとよい。その後、離型処理を施した別のフィルムを上からかぶせて、上からローラーで複数回しごくなどして、塗液を絶縁性繊維に含浸させ粘着剤層前駆体を得るとよい。各前駆体において、塗液には、樹脂以外にも各種添加剤を配合していてもよい。
【0043】
(2)スペーサが絶縁性ビーズの場合
半硬化させる前の液体の樹脂と絶縁性ビーズを混合して、絶縁性ビーズ含有塗液を作製し、絶縁性ビーズ含有塗液から粘着剤層前駆体を得るとよい。絶縁性ビーズ含有塗液は、例えば、離型処理を施したフィルムの上に塗布し、その後、離型処理を施した別のフィルムを上からかぶせて、粘着剤層前駆体を得るとよい。
【0044】
(補強層前駆体の作製)
補強層前駆体は、補強繊維に、半硬化させる前の液体の樹脂を含浸させて得るとよい。具体的には、離型処理を施したフィルム上に補強繊維を配置し、その補強繊維に、半硬化させる前の液体の樹脂(以下、塗液と呼ぶということがある)を適量たらす。その後、離型処理を施した別のフィルムを上からかぶせて、例えば、上からローラーで複数回しごくなどして、塗液を補強繊維に含浸させ補強層前駆体を得るとよい。
【0045】
(重ね合わせ)
次に、上記のように得られた粘着剤層前駆体および補強層前駆体を重ね合わせることで積層して、粘着剤層前駆体および補強層前駆体に含有されるモノマーを重合させるなどしてこれらを半硬化して、粘着剤層と補強層とを有する繊維強化複合材料テープを得るとよい。
重ね合わせは、例えば、上記のようにして得られた粘着剤層前駆体および補強層前駆体のそれぞれ片側のフィルムを剥がし、剥がした面同士を積層させて積層体を作製したのち、ローラーで複数回しごいて粘着剤層前駆体と補強層前駆体を良くなじませて行うとよい。その後、加熱や紫外線照射により、粘着剤層前駆体と補強層前駆体を半硬化させるとよいが、好ましくは紫外線照射により半硬化させることが好ましい。紫外線照射は、例えば、積層体の片面ずつ、積層体の両面に紫外線を照射して各前駆体に含有されるモノマーなどを重合させるとよい。
【0046】
本発明の繊維強化複合材料テープは、構造部材の強度を改善するために使用され、特に、自動車、航空宇宙、建設、風力エネルギーおよびスポーツ用品の分野の構造部材に、好適に使用される。
【0047】
本発明の繊維強化複合材料テープは、腐食の発生を抑制することができるので、腐食が発生しやすい金属母材に接着されて使用されることが好ましい。金属母材には、例えば、炭素鋼、鋳鉄、耐酸鋳鉄、低合金鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、タンタル、ジルコニウム、チタン等が挙げられる。
【0048】
本発明の繊維強化複合材料テープは、例えば、本発明の繊維強化複合材料テープの粘着性を利用して、金属母材に接着される。その後、加熱などにより、本発明の繊維強化複合材料テープを完全に硬化させて、本発明の繊維強化複合材料テープと金属母材との間の接着強度を向上させることが好ましい。これにより、本発明の繊維強化複合材料テープにより、金属母材の強度がさらに改善される。
【0049】
[構成体]
本発明の構成体は、本発明の繊維強化複合材料テープと、本発明の繊維強化複合材料テープの粘着剤層側の面に設けられ金属母材とを含む。これにより、本発明の構成体は、軽くて強度が高いものとなる。
【実施例0050】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0051】
[常温および常圧の環境下での保管性]
補強層前駆体の両面に粘着剤層前駆体を重ね合わせて、3層構造の積層体を得た。
その後、主波長365nmの蛍光ランプで2mWの紫外線を片面ずつ5分間照射して半硬化材を得た。
常温および常圧環境下での保管性は半硬材作成直後および23℃大気圧下で1か月保管した半硬化材それぞれの引張せん断接着力により以下の基準で評価した。
〇:せん断接着力として1MPa以上
×:せん断接着力として1MPa未満
【0052】
それぞれの半硬化材を20mm×20mmの平面形状を有するようにカットし、2枚のアルミ板(20mm×50mm×2mm)を貼り合わせて引張せん断試験片を得た。
得られた試験片を23℃で20分間養生した後、引張り試験機を用いて、23℃およびクロスヘッドスピード50mm/分の条件で、せん断引っ張り試験を行った。最大破壊強度をせん断接着力として評価した。
評価結果を表1に示す。
【0053】
【0054】
[粘着剤層の引張弾性率]
各実施例、比較例と同様に作製した粘着剤層前駆体を、補強層前駆体に重ね合わせない以外は同様にして、各実施例と同様の条件で半硬化させた。その後、炉内温度150℃に設定したオーブンで30分熱処理して接着剤層硬化物を得た。得られた接着剤層硬化物をJIS K 7161に従って引張試験を行い、引張弾性率を求めた。
【0055】
[繊維強化複合材料テープの補強効果]
(評価用試料の作製)
繊維強化複合材料テープの補強効果を確認するため、以下の手順で評価用試料の作製を行った。
(1)金属母材をアセトンで十分洗浄した。なお、金属母材として実施例1および比較例1では冷間圧延鋼板(SPCC)(厚み0.6mm、幅15mm、長さ100mm)を用い、実施例2および比較例2ではアルミ合金(A7050)(厚み1mm、幅15mm、長さ100mm)を用いた。
(2)繊維強化複合材テープの離型PETフィルムの粘着面側を剥がし、繊維強化複合材テープを金属母材に貼り付けた。
(3)繊維強化複合材テープの余剰部分をトリムした。
(4)繊維強化複合材テープが貼り合わされた金属母材を炉内温度150℃に設定したオーブンで30分熱処理を行い、評価用試料を作製した。
【0056】
(測定)
JIS K 7074に準拠して、得られた評価用試料の曲げ試験を行い、変位荷重曲線を取得した。そして、得られた変位荷重曲線の最大荷重により、繊維強化複合材料テープの補強効果を評価した。なお、未補強のSPCC板、およびアルミ合金板の曲げ試験における最大荷重はそれぞれ60Nおよび210Nであった。
【0057】
[冷熱試験耐性]
繊維強化複合材料テープの補強効果の評価に使用した評価用試料と同様にして作製して評価用試料を用意した。評価用試料を-20℃の温度の0%の湿度の条件下で15分保持、および80℃の温度の98%の湿度の条件下で15分保持のサイクルを50サイクル実施して冷熱試験を実施した。そして、冷熱試験後の評価用試料を観察し、以下の基準で評価した。
○:粘着剤層及び補強層の剥離がなかった。
×:粘着剤層もしくは補強層の剥離があった。
【0058】
[腐食の発生]
腐食発生状況は以下の通り塩水交互浸漬試験を行った。
繊維強化複合材料テープを貼り付けた金属母材について、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液への10分間の浸漬と50分間の大気解放とを繰り返し、1週間後に腐食状況を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:腐食なし。
×:腐食あり。
【0059】
[実施例1の繊維強化複合材料テープの作製]
(塗液の作製)
表1に従って、光重合により(メタ)アクリル系ポリマーとなるモノマー、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学社製「jER828」)、エポキシ熱潜在性硬化剤、光ラジカル重合開始剤(チバガイギー社製「イルガキュア651」)、および、その他の配合成分を均一に混合して塗液を得た。得られた塗液に窒素を吹き込んで酸素を追い出した。
【0060】
(粘着剤層前駆体の作製)
シリコン離形処理を施したPETフィルムの上にガラス繊維のサーフェイスマット(日東紡製、MF 30P 104)を広げ、グローブボックス内に窒素を吹き込んで酸素を追い出した後、ガラス繊維のサーフェイスマットの上に、得られた塗液を適量たらした。
その後、PETフィルムを上からかぶせて、上からローラーで複数回しごいて塗液をサーフェイスマットに含浸させ粘着剤層前駆体を得た。
PETフィルムを除いた粘着層純分としては、繊維目付30g/m2、樹脂目付200g/m2であった。
【0061】
(補強層前駆体の作製)
シリコン離形処理を施したPETフィルム上にストランド幅8mmに開繊させたPAN系炭素繊維(東レ製、T-700SC-24000)を並列に10本並べて、ずれないように1本1本仮止めテープでフィルムに固定した。
その後サーフェイスマットと同様に塗液を炭素繊維に含浸させ補強層前駆体を得た。
PETフィルムを除いた補強層純分としては繊維目付210g/m2、樹脂目付200g/m2であった。
【0062】
(繊維強化複合材料テープの作製)
粘着剤層前駆体および補強層前駆体のそれぞれ片側のPETフィルムを剥がし、剥がした面同士を積層させたのち、ローラーで複数回しごいて粘着剤層前駆体と補強層前駆体を良くなじませた。
その後、主波長365nmの蛍光ランプで2mWの紫外線を片面5分間ずつ照射してモノマーを重合させて半硬化状態の粘着剤層が形成された実施例1の繊維強化複合材料テープを得た。
評価結果を以下の表2に示す。
【0063】
[比較例の繊維強化複合材料テープの作製]
比較例の繊維強化補強テープは実施例において粘着剤層の重ね合わせを行わずに、補強材層を直接金属母材に貼り付けたこと以外は同様の方法でサンプルを作成し、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0064】
【0065】
実施例1及び2の繊維強化複合材料テープは、補強繊維およびマトリクス樹脂を含有する補強層と、補強層の一方の面に設けられ、絶縁性のスペーサを含み、粘着性を有する粘着剤層とを備え、少なくとも一方の面は粘着性を有し、23℃の温度および大気圧の環境下で少なくとも1ヶ月間は粘着性を失わない。したがって、実施例1および2の繊維強化複合材料テープは、繊維強化複合材料テープか粘着剤層が剥がれること、および被着体に腐食が発生することを抑制することができた。