(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131740
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/74 20200101AFI20240920BHJP
D06F 33/50 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/54 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/56 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/58 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/62 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/63 20200101ALI20240920BHJP
D06F 33/68 20200101ALI20240920BHJP
D06F 58/30 20200101ALI20240920BHJP
D06F 103/18 20200101ALN20240920BHJP
D06F 103/40 20200101ALN20240920BHJP
D06F 103/54 20200101ALN20240920BHJP
D06F 103/56 20200101ALN20240920BHJP
D06F 105/26 20200101ALN20240920BHJP
D06F 105/30 20200101ALN20240920BHJP
D06F 105/32 20200101ALN20240920BHJP
D06F 105/44 20200101ALN20240920BHJP
【FI】
D06F33/74
D06F33/50
D06F33/54
D06F33/56
D06F33/58
D06F33/62
D06F33/63
D06F33/68
D06F58/30
D06F103:18
D06F103:40
D06F103:54
D06F103:56
D06F105:26
D06F105:30
D06F105:32
D06F105:44
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042181
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 寛之
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AB23
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167AE13
3B167BA12
3B167BA28
3B167BA32
3B167BA37
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA41
3B167JB02
3B167JB03
3B167KA18
3B167KA83
3B167KA84
3B167KB02
3B167LA17
3B167LA23
3B167LC08
3B167LC10
3B167LC19
3B167LC20
3B167LE04
3B167LF01
3B167LF11
3B167LF22
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】洗濯機本体の投入口からドアが離間することによる不都合を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】洗濯機は、洗濯物が投入される投入口が前面部に設けられている洗濯機本体と、投入口を開閉するために洗濯機本体にヒンジにより回動可能に取り付けられているドアと、ドアが閉じられている状態でドアをロックするロック機構であって、ドアを介してヒンジと反対側に設けられているロック機構と、ドアが投入口から離間することを検知する離間センサと、ドアがロックされている状態でドアが投入口から離間することが離間センサにより検知される場合に所定の制御を実行する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物が投入される投入口が前面部に設けられている洗濯機本体と、
前記投入口を開閉するために前記洗濯機本体にヒンジにより回動可能に取り付けられているドアと、
前記ドアが閉じられている状態で前記ドアをロックするロック機構であって、前記ドアを介して前記ヒンジと反対側に設けられている前記ロック機構と、
前記ドアが前記投入口から離間することを検知する離間センサと、
前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に所定の制御を実行する制御部と、を備える洗濯機。
【請求項2】
前記洗濯機本体内に配置されている水槽と、
前記水槽内に空気を送る送風ファンと、を更に備え、
前記制御部は、前記送風ファンが回転しており、かつ前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に前記送風ファンの回転数を下げる制御を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記制御部は、前記送風ファンの前記回転数を下げる際に段階的に前記回転数を下げる、請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記洗濯機本体内に配置されている水槽と、
前記水槽内に空気を送る送風ファンと、
前記水槽から排出される空気が流れる排気風路と、
前記排気風路を流れる空気を前記洗濯機本体外に排出するために前記排気風路を開閉する排気ダンパと、を更に備え、
前記制御部は、前記排気ダンパが閉じられており、前記送風ファンが回転しており、かつ前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に前記排気ダンパを開ける制御を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記洗濯機本体内に配置されている水槽と、
前記水槽内に空気を送る送風ファンと、
前記水槽内に送る空気を加熱する加熱装置と、を更に備え、
前記制御部は、前記加熱装置が空気を加熱しており、前記送風ファンが回転しており、かつ前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に前記加熱装置の出力を下げる制御を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記洗濯機本体内に配置されている水槽と、
前記水槽内の水を前記洗濯機本体外に排出する排水経路と、
前記排水経路を開閉する排水弁と、を更に備え、
前記制御部は、前記排水弁が閉弁しており、かつ前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に前記排水弁を開弁する制御を実行する、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記制御部は、前記水槽内の水位が前記投入口の下端よりも低い水位になるまで前記排水弁を開弁する制御を継続する、請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記離間センサは、前記ヒンジ及び前記ロック機構よりも低い位置に配置されており、前記ドアの下部が前記投入口から離間することを検知する、請求項6に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に洗濯機が開示されている。特許文献1の洗濯機は、洗濯物が投入される投入口が前面部に設けられている洗濯機本体と、投入口を開閉するために洗濯機本体にヒンジにより回動可能に取り付けられているドアと、ドアが閉じられている状態でドアをロックするロック機構であって、ドアを介してヒンジと反対側に設けられているロック機構と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の洗濯機では、洗濯機本体の投入口を開閉するドアが閉じられてロックされている状態であっても、例えば、洗濯機が振動したときの衝撃によりドアが洗濯機本体の投入口から僅かに離間することがある。そうすると、例えば、洗濯運転中に洗濯液が投入口から漏れ出ることや、乾燥運転中に乾燥空気が投入口から漏れ出ること等の不都合が生じることがある。そこで本明細書は、洗濯機本体の投入口からドアが離間することによる不都合を抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する洗濯機は、洗濯物が投入される投入口が前面部に設けられている洗濯機本体と、前記投入口を開閉するために前記洗濯機本体にヒンジにより回動可能に取り付けられているドアと、前記ドアが閉じられている状態で前記ドアをロックするロック機構であって、前記ドアを介して前記ヒンジと反対側に設けられている前記ロック機構と、前記ドアが前記投入口から離間することを検知する離間センサと、前記ドアがロックされている状態で前記ドアが前記投入口から離間することが前記離間センサにより検知される場合に所定の制御を実行する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】実施例の洗濯機本体内の構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例の洗濯機2について図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示すように、洗濯機2は、洗濯機本体4と、洗濯機本体4に取り付けられているドア6と、洗濯機本体4内に配置されている水槽10と、水槽10内に配置されている回転槽12とを備えている。また、洗濯機2は、水槽10に接続されている給水経路60、排水経路64、及び送風経路40を備えている。洗濯機2は、例えば、水平に対して傾斜した回転槽12を備える斜めドラム式の洗濯機である。洗濯機2は、洗濯物を洗濯する洗濯運転を実行可能である。また、洗濯機2は、洗濯物を乾燥させる乾燥運転を実行可能な洗濯乾燥機であってもよい。
【0008】
洗濯機本体4は、略箱型に構成されている。洗濯機本体4の前面部には、洗濯物が投入される投入口24が設けられている。投入口24の周囲にはパッキン26が取り付けられている。投入口24は、略円形に構成されており、洗濯機本体4の前面部の略中央部に設けられている。また、洗濯機本体4の上面部には操作パネル80が設けられている。操作パネル80は、例えば、タッチパネルから構成されている。操作パネル80は、洗濯機2に関する様々な情報を表示可能である。また、操作パネル80は、洗濯機2に関する様々なユーザ操作を受け付け可能である。
【0009】
ドア6は、ヒンジ20を介して洗濯機本体4に回動可能に取り付けられている。ドア6は、ヒンジ20を中心にして回動することにより洗濯機本体4の投入口24を開閉する。ヒンジ20は、洗濯機本体4とドア6に固定されており、ドア6を回動可能に支持している。ヒンジ20は、洗濯機本体4の前面部において、投入口24の横に固定されている。ヒンジ20は、洗濯機本体4の高さ方向において、投入口24の中央部と略同じ高さ位置に配置されている。また、ヒンジ20は、ドア6の高さ方向において、ドア6の中央部と略同じ高さ位置においてドア6に固定されている。
【0010】
洗濯機本体4とドア6はロック機構22を備えている。ロック機構22は、ドア6が洗濯機本体4の投入口24を閉鎖している状態でドア6をロックする。ロック機構22は、洗濯機本体4の前面部及びドア6の後面部に設けられている。ロック機構22は、ドア6を介してヒンジ20と反対側の位置に設けられている。例えば、ドア6の右側にヒンジ20が設けられており、ドア6の左側にロック機構22が設けられている。ロック機構22は、洗濯機本体4の投入口24の横に設けられている。ロック機構22は、洗濯機本体4の高さ方向において、投入口24の中央部と略同じ高さ位置に配置されている。ロック機構22は、ドア6が閉じられている状態でドア6をロックする。ドア6が閉じられてロックされている状態では、ドア6がパッキン26に密着することにより投入口24が気密かつ液密に閉鎖される。
【0011】
ロック機構22は、例えば、ロックピン又はロック爪と、ロックピン又はロック爪が挿入されるロック孔とを備えている(いずれも不図示)。例えば、ロックピン又はロック爪がドア6に設けられており、ロック孔が洗濯機本体4に設けられている。ロックピン又はロック爪は、例えば、バネの復元力や磁石の磁力によってロック孔に対して進退する。ロック機構22は、例えば、ロックピン又はロック爪がロック孔と係合することによりロック状態となる。ロック機構22は、例えば、ドア6が閉じられている状態で、洗濯運転や乾燥運転が開始されることをトリガーとしてドア6をロックする。なお、ロック機構22の機械的構成は特に限定されない。
【0012】
図2及び
図3を参照して洗濯機本体4内の構成について説明する。洗濯機本体4内に配置されている水槽10は、水を貯留可能である。水槽10内に配置されている回転槽12は、洗濯物を収容可能である。回転槽12は、回転可能な状態で水槽10内に配置されており、モータ14により回転駆動される。回転槽12が回転することにより回転槽12内の洗濯物が洗濯される。
【0013】
給水経路60は、上流端が給水源(例えば、水道)に接続されており、下流端が水槽10に接続されている。給水経路60は、給水源から供給される水を水槽10内に供給する。給水経路60には、給水弁62が設けられている。給水弁62が開弁すると水槽10内に水が供給される。
【0014】
排水経路64は、上流端が水槽10に接続されており、下流端が排水先(例えば、排水パン)に接続されている。排水経路64は、水槽10から排出される水を排水先へ排出する。排水経路64には、排水弁66が設けられている。排水弁66が開弁すると水槽10内の水が排水先に排出される。
【0015】
送風経路40は、回転槽12内の洗濯物を乾燥させるための空気を循環させる通路である。送風経路40は、上流側から順に、排気風路41と、熱交換風路42と、給気風路43とを備えている。排気風路41の上流端は、水槽10の上部に設けられている排気口71に接続されている。水槽10内及び回転槽12内の空気が排気口71を通じて排気風路41に排出される。排気風路41の下流端は、熱交換風路42に接続されている。排気風路41を流れた空気は、熱交換風路42へ送られる。
【0016】
排気風路41の途中には、排気風路41を流れる空気を洗濯機本体4外へ排出するための排気ダンパ45が設けられている。排気ダンパ45は、排気風路41の一部を開閉する。排気ダンパ45が開状態である場合は、排気風路41を流れる空気が排気ダンパ45から洗濯機本体4外へ排出される。排気ダンパ45が閉状態である場合は、排気風路41内の空気が排出されない。
【0017】
熱交換風路42は、排気風路41と給気風路43の間に設けられている。熱交換風路42の上流端が排気風路41に接続されており、熱交換風路42の下流端が給気風路43に接続されている。熱交換風路42を流れた空気が給気風路43へ送られる。
【0018】
給気風路43の下流端は、水槽10の後部に設けられている給気口72に接続されている。給気風路43を流れた空気が給気口72を通じて水槽10内及び回転槽12内に供給される。回転槽12内に供給される空気により回転槽12内の洗濯物の乾燥が行われる。
【0019】
洗濯機2は、送風経路40内の空気を除湿及び加熱して空気を乾燥させるヒートポンプ50を備えている。送風経路40の熱交換風路42内には、ヒートポンプ50の蒸発器54及び凝縮器52が配置されている。熱交換風路42を流れる空気の流れ方向において、蒸発器54が凝縮器52よりも上流側に配置されている。ヒートポンプ50の蒸発器54及び凝縮器52により、熱交換風路42を流れる空気が除湿及び加熱される。
【0020】
また、熱交換風路42内には送風ファン30が配置されている。送風ファン30は、熱交換風路42を流れる空気の流れ方向において凝縮器52よりも上流側に配置されている。送風ファン30は、回転可能な状態で熱交換風路42内に配置されており、モータ32の動作により回転する。送風ファン30が回転することにより、熱交換風路42の上流側から下流側へ空気が送られる。これにより、送風経路40を通じて水槽10内及び回転槽12内の空気が循環する。
【0021】
ヒートポンプ50は、冷媒循環路55と、圧縮機51と、凝縮器52(加熱用熱交換器)と、膨張弁53と、蒸発器54(除湿用熱交換器)とを備えている。圧縮機51の動作により冷媒が冷媒循環路55を循環する。ヒートポンプ50は、冷媒循環路55を循環する冷媒の熱により、送風経路40を流れる乾燥用の空気を除湿及び加熱する。ヒートポンプ50により除湿及び加熱された乾燥空気が送風経路40から水槽10内及び回転槽12内に供給される。水槽10内及び回転槽12内に供給される乾燥空気により回転槽12内の洗濯物の乾燥が行われる。なお、ヒートポンプ50の原理についてはよく知られているので、詳細な説明は省略する。
【0022】
図4に示すように、洗濯機2は、更に、離間センサ90と、水位センサ92と、制御部100とを備えている。制御部100は、例えば、CPU、ROM、RAMを備えており、所定のプログラムに基づいて様々な制御や処理を実行する。制御部100が実行する制御や処理については後述する。
【0023】
離間センサ90は、洗濯機2のドア6(
図1及び
図2参照)が閉じられてロックされている状態で、洗濯機本体4の投入口24からドア6が離間することを検知する。離間センサ90の構成は特に限定されない。離間センサ90は、例えば、電気的及び/又は磁気的な方式によりドア6が投入口24から離間することを検知する。離間センサ90は、ドア6が投入口24から離間することにより生じる電気的及び/又は磁気的な現象を用いてドア6が投入口24から離間することを検知する。例えば、離間センサ90は、電磁誘導方式、電界結合方式、電磁波方式の構成を備えていてもよい。また、離間センサ90は、接触式又は非接触式の構成であってもよい。以下では、離間センサ90の一例について説明する。
【0024】
離間センサ90は、例えば、非接触式の電磁誘導方式の構成であり、
図1及び
図2に示すように、洗濯機本体4に固定された本体側ユニット90aと、ドア6に固定されたドア側ユニット90bとを備えている。本体側ユニット90aとドア側ユニット90bは、ドア6が閉じられている状態で対向配置されている。本体側ユニット90aとドア側ユニット90bは、それぞれ、金属線が巻き回されたコイル(不図示)を備えている。離間センサ90は、コイルに電流が流れている状態で、ドア側ユニット90bが本体側ユニット90aから離間することによって生じる磁界の変化により、ドア6が投入口24から離間することを検知する。離間センサ90は、離間検知機能の他に給電機能を備えていてもよい。例えば、本体側ユニット90aからドア側ユニット90bへ電力が供給されてもよい。ドア側ユニット90bへ供給された電力は、ドア6に設けられている電気機器に供給されてもよい。
【0025】
離間センサ90は、洗濯機本体4の高さ方向において、ヒンジ20及びロック機構22よりも低い位置に配置されている。離間センサ90は、ヒンジ20及びロック機構22よりも下側においてドア6が投入口24から離間することを検知する。離間センサ90は、ドア6の下部が投入口24から離間することを検知する。
【0026】
変形例では、離間センサ90は、洗濯機本体4の高さ方向において、ヒンジ20及びロック機構22よりも高い位置に配置されていてもよい。この場合、離間センサ90は、ヒンジ20及びロック機構22よりも上側においてドア6が投入口24から離間することを検知する。離間センサ90は、ドア6の上部が投入口24から離間することを検知する。
【0027】
洗濯機2の水位センサ92(
図4参照)は、水槽10内の水位を検知する。水位センサ92は、例えば、水槽10に接続されているチューブ(不図示)を備えており、水槽10からチューブ内に流入する水がチューブ内で上下動することによって生じるチューブ内の圧力変動により水槽10内の水位を検知する。なお、水位センサ92の構成は特に限定されない。
【0028】
上記の洗濯機2では、ドア6が閉じられてロックされている状態であっても、例えば洗濯機2が振動したときの衝撃によりドア6が洗濯機本体4の投入口24から僅かに離間することがある。より詳細には、ヒンジ20とロック機構22を支点としてドア6が僅かに回動することにより、ドア6の下部又は上部が投入口24から僅かに離間することがある。
【0029】
次に、制御部100が実行する制御について説明する。制御部100は、洗濯機本体4の投入口24を開閉するドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合に所定の制御を実行する。制御部100は、例えば、離間センサ90の本体側ユニット90aとドア側ユニット90bとの間の距離が所定の基準距離(例えば、1cm)以上になる場合に、そのときの磁界の状態によりドア6が投入口24から離間したと判断する。
【0030】
(第1の制御)
制御部100は、水槽10内に空気を送る送風ファン30が回転しており、かつ投入口24を開閉するドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合に、送風ファン30の回転数を下げる第1の制御を実行する。制御部100は、例えば、乾燥運転の実行中に第1の制御を実行する。このとき、制御部100は、
図5に示すように、送風ファン30の回転数を連続的に下げてもよい。また、制御部100は、
図6に示すように、送風ファン30の回転数を段階的に下げてもよい。例えば、制御部100は、第1の時間T1にわたり送風ファン30の回転数を第1の回転数R1とし、第2の時間T2にわたり送風ファン30の回転数を第2の回転数R2とし、第3の時間T3にわたり送風ファン30の回転数を第3の回転数R3とする。第2の回転数R2は第1の回転数R1未満の回転数であり、第3の回転数R3は第2の回転数R2未満の回転数である。
【0031】
上記の構成によれば、送風ファン30により水槽10内に送られる空気がドア6と投入口24との隙間から洗濯機本体4外に漏れ出ることを抑制することができる。
【0032】
(第2の制御)
制御部100は、排気風路41を開閉する排気ダンパ45が閉じられており、水槽10内に空気を送る送風ファン30が回転しており、かつ投入口24を開閉するドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合に排気ダンパ45を開ける第2の制御を実行する。制御部100は、例えば、乾燥運転の実行中に第2の制御を実行する。排気ダンパ45が開くことにより、排気風路41を流れる空気が洗濯機本体4外に排出される。
【0033】
上記の構成によれば、送風ファン30により送られる空気を適切な場所(排気ダンパ45)から排出することができる。そのため、ドア6と投入口24との隙間から洗濯機本体4外に空気が漏れ出ることを抑制することができる。
【0034】
(第3の制御)
制御部100は、水槽10内に空気を送る送風ファン30が回転しており、水槽10内に送る空気をヒートポンプ50(加熱装置の一例)が加熱しており、かつ投入口24を開閉するドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合にヒートポンプ50の圧縮機51の出力を下げる第3の制御を実行する。制御部100は、例えば、乾燥運転の実行中に第3の制御を実行する。ヒートポンプ50の圧縮機51の出力が下がることにより、水槽10内に送られる空気の温度が下がる。
【0035】
上記の構成によれば、ドア6と投入口24との隙間から高温の空気が漏れ出ることを抑制することができる。
【0036】
(第4の制御)
制御部100は、排水経路64を開閉する排水弁66が閉弁しており、かつ投入口24を開閉するドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合に排水弁66を開弁する第4の制御を実行する。制御部100は、例えば、洗濯運転の実行中に第4の制御を実行する。排水弁66が開弁することにより、水槽10内の水(又は洗濯液)が排出されて水槽10内の水位が低下する。
【0037】
制御部100は、水槽10内の水位(即ち、水位センサ92により検出される水位)が投入口24の下端よりも低い水位になるまで排水弁66を開弁する制御を継続する。制御部100は、水槽10内の水位(即ち、水位センサ92により検出される水位)が投入口24の下端よりも低い水位になる場合に、排水弁66を閉弁する。
【0038】
上記の構成によれば、水槽10内の水(又は洗濯液)が排出されることにより、ドア6と投入口24との隙間から水(又は洗濯液)が漏れ出ることを抑制することができる。
【0039】
(第5の制御)
制御部100は、ドア6が閉じられてロックされている状態でドア6が投入口24から離間することが離間センサ90により検知される場合に操作パネル80に所定の情報を表示する第5の制御を実行してもよい。例えば、制御部100は、エラー情報を操作パネル80に表示する。また、制御部100は、ドア6に設けられている窓の清掃を促す情報、投入口24の周囲に取り付けられているパッキン26の清掃を促す情報、洗濯機2の周囲に水が漏れ出していないかの確認を促す情報等を操作パネル80に表示する。制御部100は、例えば、洗濯運転中、洗濯運転後、乾燥運転中、乾燥運転後等に操作パネル80に上記の情報を表示する。
【0040】
以上、実施例の洗濯機2について説明した。上記の構成によれば、洗濯機本体4の投入口24からドア6が離間したとしても、それに応じて制御部100が所定の制御を実行することにより、ドア6が投入口24から離間することによる不都合を抑制することができる。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
2:洗濯機、4:洗濯機本体、6:ドア、10:水槽、12:回転槽、14:モータ、20:ヒンジ、22:ロック機構、24:投入口、26:パッキン、30:送風ファン、32:モータ、40:送風経路、41:排気風路、42:熱交換風路、43:給気風路、45:排気ダンパ、50:ヒートポンプ、51:圧縮機、52:凝縮器、53:膨張弁、54:蒸発器、55:冷媒循環路、60:給水経路、62:給水弁、64:排水経路、66:排水弁、71:排気口、72:給気口、80:操作パネル、90:離間センサ、90a:本体側ユニット、90b:ドア側ユニット、92:水位センサ、100:制御部