(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131746
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】管理装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20240920BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H05K13/08 B
H05K13/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042187
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】児玉 開
(72)【発明者】
【氏名】辻澤 孝文
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353BC02
5E353BC03
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC13
5E353CC21
5E353HH51
5E353JJ21
5E353KK01
5E353LL03
5E353MM02
5E353MM08
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】検査装置による基板の検査結果の原因究明を容易にできる管理装置などを提供する。
【解決手段】管理装置100は、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に部品が実装された時の測定値である第1測定値と、(iii)閾値および第1測定値に基づき判定された、第1基板に部品が実装された時の部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)部品実装装置により部品が実装された基板を検査する検査装置350による、第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得部110と、閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果を一括して表示部210に表示させる制御部120と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサの測定値と比較することにより、前記部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に前記部品が実装された時の前記測定値である第1測定値と、(iii)前記閾値および前記第1測定値に基づき判定された、前記第1基板に前記部品が実装された時の前記部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)前記部品実装装置により前記部品が実装された前記基板を検査する検査装置による、前記第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得部と、
前記閾値、前記第1測定値、前記判定結果、および、前記第1検査結果を一括して表示部に表示させる制御部と、を備える、
管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、さらに、前記閾値を変更するための入力を取得し、
前記制御部は、前記入力に基づき、前記閾値を変更する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記部品実装装置による前記基板への前記部品の実装条件を変更するための入力を取得し、
前記制御部は、前記入力に基づき、前記部品実装装置に前記実装条件を変更させる、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1検査結果が不良であった場合に、前記検査装置による検査結果が不良であった第2基板に関する第2測定値を、前記第1測定値とともに前記表示部に表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する管理方法であって、
(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサの測定値と比較することにより、前記部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に前記部品が実装された時の前記測定値である第1測定値と、(iii)前記閾値および前記第1測定値に基づき判定された、前記第1基板に前記部品が実装された時の前記部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)前記部品実装装置により前記部品が実装された前記基板を検査する検査装置による、前記第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得ステップと、
前記閾値、前記第1測定値、前記判定結果、および、前記第1検査結果を一括して表示部に表示させる制御ステップと、を含む、
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に部品を実装する装置、および、部品が実装された基板の検査をする検査装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品が実装された基板の検査をする検査装置による検査結果は、例えば検査結果が基板の不良を示すような場合には、基板に部品を実装する装置にフィードバックされて当該装置の動作の一部が変更されたり、動作が停止されたりする。また、このような検査結果は、例えば、ディスプレイなどによって画像でユーザに通知される。この際に、検査結果が基板の不良を示すような場合には、例えばディスプレイに表示される検査結果をユーザが見て基板が不良と判定された原因を究明することになる。しかしながら、検査結果は膨大になることが多く、表示された検査結果をユーザが見て基板が不良と判定された原因を究明することが困難となることがある。
【0005】
本発明は、検査装置による基板の検査結果の原因究明を容易にできる管理装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る管理装置は、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサの測定値と比較することにより、前記部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に前記部品が実装された時の前記測定値である第1測定値と、(iii)前記閾値および前記第1測定値に基づき判定された、前記第1基板に前記部品が実装された時の前記部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)前記部品実装装置により前記部品が実装された前記基板を検査する検査装置による、前記第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得部と、前記閾値、前記第1測定値、前記判定結果、および、前記第1検査結果を一括して表示部に表示させる制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る管理方法は、コンピュータが実行する管理方法であって、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサの測定値と比較することにより、前記部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に前記部品が実装された時の前記測定値である第1測定値と、(iii)前記閾値および前記第1測定値に基づき判定された、前記第1基板に前記部品が実装された時の前記部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)前記部品実装装置により前記部品が実装された前記基板を検査する検査装置による、前記第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得ステップと、前記閾値、前記第1測定値、前記判定結果、および、前記第1検査結果を一括して表示部に表示させる制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検査装置による基板の検査結果の原因究明を容易にできる管理装置などを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る部品実装システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る表示部に表示される画像を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る表示部に表示される画像を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る表示部に表示される画像を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る表示部に表示される画像を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る管理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップおよびステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0012】
また、本明細書において、同じなどの要素間の関係性を示す用語、ならびに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0013】
また、本明細書において、「第1」または「第2」などの序数詞は、特に断りのない限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、構成要素を区別する目的で用いられている。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る部品実装システムの構成について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係る部品実装システム400の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
部品実装システム400は、基板に部品を圧着することでディスプレイパネルなどを生産するためのシステムである。部品実装システム400では、例えば、基板に設けられた電極部にACF(Anisotropic Conductive Film)などの異方性導電部材を貼着し、異方性導電部材を介して基板と部品とを熱圧着させる。
【0017】
基板としては、樹脂などからなるフレキシブル基板が例示される。なお、基板は、ガラス基板などが用いられた液晶パネルまたは有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどのディスプレイパネルでもよい。
【0018】
部品としては、IC(Integrated Circuit)チップ、TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip on Film)、または、FPC(Flexible Printed Circuit)などが例示される。
【0019】
部品実装システム400は、部品実装設備300と、管理システム200と、を備える。
【0020】
部品実装設備300は、基板に部品を実装するための部品実装ラインである。
【0021】
部品実装設備300は、ローダ310と、ACF貼着装置320と、仮圧着装置330と、本圧着装置340と、検査装置350と、アンローダ360と、センサ370と、を備える。ローダ310から、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、本圧着装置340、検査装置350、および、アンローダ360は、この順で連結されている。基板は、ローダ310から、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、本圧着装置340、検査装置350、および、アンローダ360の順に搬送される。
【0022】
ローダ310は、基板をACF貼着装置320に搬入する装置である。
【0023】
ローダ310は、例えば、基板を搬送する移動機構と、ローダ310が備える移動機構などの機構を制御したり管理システム200と通信したりするコンピュータと、により実現される。当該コンピュータは、例えば、管理システム200などと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0024】
ACF貼着装置320は、ローダ310から搬入された例えば矩形状の基板を受け取り、基板の周縁にある複数の電極部のそれぞれに、接着部材であるACFを貼着する装置である。言い換えると、ACF貼着装置320は、基板の電極部にACFを貼り付ける貼着作業を行う。そして、ACF貼着装置320は、ACFが貼着された基板を、仮圧着装置330に搬出する。複数の電極部のそれぞれは、例えば、複数の電極から構成されている。
【0025】
また、ACF貼着装置320には、センサ371が設けられている。
【0026】
センサ371は、ACF貼着装置320におけるパーティクルまたは静電気量などの状態を検出するセンサである。ACF貼着装置320は、センサ371の検出結果に基づき、自装置が正常か異常かを判定する。判定結果は、例えば、管理システム200(具体的には、管理装置100)に出力される。
【0027】
ACF貼着装置320は、例えば、基板を搬送する移動機構と、基板にACFを貼着する貼着機構と、ACF貼着装置320が備える移動機構および貼着機構などの機構を制御したり管理システム200と通信したりするコンピュータと、により実現される。当該コンピュータは、例えば、管理システム200などと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0028】
仮圧着装置330は、基板のACFが貼着された領域(すなわち、圧着対象部位)に部品を搭載して仮圧着する仮圧着作業を行う装置である。例えば、仮圧着装置330は、図示しない部品供給装置から供給された部品を、ACFを介して基板に仮圧着させる。部品供給装置は、仮圧着装置330に部品を供給する部品供給作業を行う装置である。仮圧着装置330は、ACF貼着装置320から搬出された基板を受け取り、基板のACFが貼着されている部位に、部品供給装置から供給された部品を搭載して仮圧着する仮圧着作業を行う。そして、仮圧着装置330は、部品が仮圧着された基板を、本圧着装置340に搬出する。
【0029】
また、仮圧着装置330には、センサ372が設けられている。
【0030】
センサ372は、仮圧着装置330におけるパーティクルまたは静電気量などの状態を検出するセンサである。仮圧着装置330は、センサ372の検出結果に基づき、自装置が正常か異常かを判定する。判定結果は、例えば、管理システム200に出力される。
【0031】
仮圧着装置330は、例えば、基板を搬送する移動機構と、基板に部品を仮圧着する仮圧着ヘッドなどの仮圧着機構と、仮圧着装置330が備える移動機構および仮圧着機構などの機構を制御したり管理システム200と通信したりするコンピュータと、により実現される。当該コンピュータは、例えば、管理システム200などと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0032】
本圧着装置340は、仮圧着装置330によって基板に仮圧着された部品を基板に本圧着(つまり、熱圧着)する本圧着作業を行う装置である。こうすることで、基板に形成された電極部と部品とはACFを介して電気的に接続される。言い換えると、この本圧着によって、部品が基板に実装される。
【0033】
また、本圧着装置340には、センサ373が設けられている。
【0034】
センサ373は、本圧着装置340におけるパーティクルまたは静電気量などの状態を検出するセンサである。本圧着装置340は、センサ373の検出結果に基づき、自装置が正常か異常かを判定する。判定結果は、例えば、管理システム200に出力される。
【0035】
本圧着装置340は、例えば、基板を搬送する移動機構と、基板に部品を本圧着する本圧着ヘッドなどの本圧着機構と、本圧着装置340が備える移動機構および本圧着機構などの機構を制御したり管理システム200と通信したりするコンピュータと、により実現される。当該コンピュータは、例えば、管理システム200などと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0036】
なお、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および/または、本圧着装置340は、部品実装装置の一例である。部品実装装置は、搬入された基板に部品を実装する部品実装作業を実行する。この部品実装作業によって、実装基板が生産される。
【0037】
なお、以下では、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および/または、本圧着装置340を部品実装装置と記載する場合がある。
【0038】
本圧着装置340は、生産した実装基板を検査装置350に搬出する。
【0039】
検査装置350は、本圧着装置340から受け取った基板(実装基板)を検査する装置である。例えば、検査装置350は、基板における部品の実装状態を検査する。そして、検査装置350は、その検査の結果を基板検査結果として管理システム200に通知する。
【0040】
検査装置350は、例えば、検査カメラを備える。検査カメラは、基板に実装されている部品を、基板を介して下方から撮像する。また、基板の全体、または、基板における部品が実装されている部位は、透光性を有する部材として構成されている。したがって、検査カメラによる撮像によって、部品と基板との接合部位が映し出された検査画像が生成される。検査装置350は、例えば画像処理によって、予め保持している正解画像と検査画像とを比較することで、基板が良品であるか不良品であるかを判定する。つまり、検査装置350は、基板が良か不良かを判定し、判定結果を管理装置100に出力する。
【0041】
検査装置350は、例えば、圧痕検査装置および/または部品位置ずれ検査装置により実現される。例えば、検査装置350は、実装工程(例えば、ACF貼着工程、仮圧着工程および本圧着工程)の後に、基板における部品の実装状態(具体的には、COG(Chip On Glass)またはFOG(Film On Glass)の実装状態)を、基板に貼着されたACFに含まれる導電粒子の圧痕数、圧痕コントラスト、および、部品(具体的には、ICまたはFPCなど)の位置ずれなどを検査する。例えば、検査装置350は、基板における部品のXYθ方向の位置ずれなどを検査する。
【0042】
アンローダ360は、本圧着装置340から受け取った基板を、部品実装設備300の下流の装置に搬送したり、保管したりする装置である。
【0043】
アンローダ360は、例えば、基板を搬送する移動機構と、アンローダ360が備える移動機構などの機構を制御したり管理システム200と通信したりするコンピュータと、により実現される。当該コンピュータは、例えば、管理システム200などと通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0044】
センサ370は、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および/または、本圧着装置340などの部品実装装置の状態を検出するためのセンサである。例えば、センサ370は、センサ371とセンサ372とセンサ373とを含むセンサ群である。
【0045】
なお、以下では、センサ371とセンサ372とセンサ373とを特に区別しない場合、センサ370として説明する場合がある。
【0046】
センサ370は、例えば、パーティクルの数、静電気量、本圧着装置340における本圧着での荷重、本圧着装置340における部品と基板との接合部の温度、および/または、本圧着の時間などを検出する。例えば、センサ370は、パーティクルセンサ、静電気センサ、荷重センサ、ロードセル、および/または、熱電対などにより実現される。
【0047】
なお、センサ371とセンサ372とセンサ373とで検出される測定項目は、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
管理システム200は、部品実装設備300の各装置を管理するためのシステムである。例えば、管理システム200は、部品実装設備300の各装置と通信することで各装置から各種情報を取得し、取得した各種情報を、画像などを用いてユーザに通知する。また、例えば、管理システム200は、部品実装設備300の各装置が用いる閾値および実装条件などを管理(記憶)しており、ユーザからの指示(入力)に基づき、部品実装設備300の各装置が用いる閾値および実装条件などを変更する。
【0049】
管理システム200は、管理装置100と、表示部210と、入力部220と、記憶部230と、を備える。
【0050】
管理装置100は、部品実装設備300の各装置と通信することで各装置から各種情報を取得し、取得した各種情報を、画像などを用いてユーザに通知するための装置である。
【0051】
管理装置100は、例えば、コンピュータであって、部品実装システム400が備える各装置と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、信号の送受信をするための入出力ポート、および、プログラムを実行するプロセッサなどにより実現される。
【0052】
管理装置100は、取得部110と、制御部120と、を備える。
【0053】
取得部110は、部品実装設備300、入力部220、および、記憶部230などから各種情報を取得する処理部である。例えば、取得部110は、センサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、第1測定値と、部品実装装置の状態の判定結果と、検査装置350による、第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する。
【0054】
ここでいう閾値は、例えば、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値である。本実施の形態では、部品実装装置は、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340である。例えば、取得部110は、ACF貼着装置320がセンサ371の測定値と比較することで自装置の状態を判定するための閾値を記憶部230またはACF貼着装置320から取得する。また、例えば、取得部110は、仮圧着装置330がセンサ372の測定値と比較することで自装置の状態を判定するための閾値を記憶部230または仮圧着装置330から取得する。また、例えば、取得部110は、本圧着装置340がセンサ373の測定値と比較することで自装置の状態を判定するための閾値を記憶部230または本圧着装置340から取得する。
【0055】
また、第1測定値とは、例えば、(ii)第1基板に部品が実装された時の測定値である。第1基板は、部品実装装置によって部品が実装される基板の一例である。例えば、取得部110は、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340が、基板(第1基板)に、ACFを貼着し、部品を仮圧着し、さらに本圧着した際の、センサ371、372および373の測定値を、センサ371、372および373(具体的には、センサ371、372および373を備えるACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340)のそれぞれから第1測定値として取得する。
【0056】
また、判定結果とは、(iii)閾値および第1測定値に基づき判定された、第1基板に部品が実装された時の部品実装装置の状態の判定結果である。例えば、取得部110は、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340が、基板に、ACFを貼着し、部品を仮圧着し、さらに本圧着した際にセンサ371、372および373で検出された第1測定値と閾値とに基づく、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340の状態の判定結果を、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340のそれぞれから取得する。
【0057】
また、第1検査結果とは、例えば、(iv)部品実装装置により部品が実装された基板を検査する検査装置350による、第1基板の検査結果である。例えば、取得部110は、検査装置350から第1基板の検査結果を取得する。
【0058】
また、例えば、取得部110は、ユーザによって例えば入力部220が用いられて入力された情報(単に入力ともいう)を取得する。例えば、取得部110は、閾値を変更するための入力を取得する。また、例えば、取得部110は、部品実装装置による基板への部品の実装条件を変更するための入力を取得する。
【0059】
なお、取得部110が取得する情報は、例えば、外部サーバと通信する、管理装置100が備える通信インターフェースなどを介して取得部110に取得されてもよい。
【0060】
制御部120は、取得部110が取得した情報に基づき、表示部210を制御する、具体的には、表示部210に表示される画像を制御する処理部である。例えば、制御部120は、取得部110が取得した閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果を一括して表示部210に表示させる。
【0061】
また、例えば、制御部120は、第1検査結果が不良であった場合に、検査装置350による検査結果が不良であった第2基板に関する第2測定値を、第1測定値とともに表示部210に表示させる。
【0062】
第2基板は、部品実装装置によって部品が実装される基板の一例である。第2基板は、例えば、第1基板より過去に部品が部品実装装置によって実装されて検査装置350により検査された基板である。第1基板と第2基板とは、例えば、同種の部品が実装された実装基板である。
【0063】
第2測定値は、例えば、第2基板に部品が実装された時の測定値である。例えば、取得部110は、ACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340が、基板(第2基板)に、ACFを貼着し、部品を仮圧着し、さらに本圧着した際の、センサ371、372および373の測定値を、センサ371、372および373(具体的には、センサ371、372および373を備えるACF貼着装置320、仮圧着装置330、および、本圧着装置340)のそれぞれから第2測定値として取得する。
【0064】
例えば、制御部120は、第1検査結果が、第1基板が不良であることを示す場合には、検査装置350による検査結果が不良であった、第1基板よりも過去に生産された第2基板が生産される際にセンサ371、372、および、373に検出された測定値である第2測定値を、第1測定値とともに表示部210に表示させる。
【0065】
また、例えば、制御部120は、取得部110が取得した情報に基づき、部品実装装置が用いる各種情報を変更する。例えば、制御部120は、取得部110が取得した入力に基づき、閾値を変更する。また、例えば、制御部120は、取得部110が取得した入力に基づき、部品実装装置に実装条件を変更させる。
【0066】
取得部110および制御部120などの各処理部は、例えば、プロセッサと、当該プロセッサが実行する制御プログラムが記憶されたメモリとによって実現される。
【0067】
表示部210は、管理装置100(より具体的には、制御部120)の制御に基づいて画像を表示するディスプレイである。表示部210は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示デバイスによって実現される。
【0068】
入力部220は、ユーザの操作を受け付けるユーザインターフェースである。入力部220は、マウス、キーボード、タッチパネルおよび/またはハードウェアボタンなどによって実現される。
【0069】
なお、表示部210および入力部220は、タッチパネルディスプレイなどにより一体で実現されてもよい。
【0070】
記憶部230は、センサ370の閾値、および、部品実装設備300が備える本圧着装置340などの各装置における部品の基板への実装条件などを記憶するストレージである。また、記憶部230は、例えば、過去に生産した実装基板の生産時の実装条件、当該生産時のセンサ370の検出結果(測定値)、および/または、当該実装基板の検査装置350による検査結果などを含む生産履歴が記憶されている。
【0071】
記憶部230は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリなどにより実現される。
【0072】
[画像の具体例]
続いて、表示部210に表示される画像の具体例について説明する。
【0073】
図2~
図5は、それぞれ、実施の形態に係る表示部210に表示される画像を示す図である。
【0074】
図2は、閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果が一括して表示部210に表示される際の画像(一括画像ともいう)の具体例を示す図である。
【0075】
「パネルNo.」は、例えば、部品が実装された各基板を固有に示す識別情報である。
【0076】
「帯電量」、「パーティクル」、および、「本圧着荷重」は、センサ370によって検出される測定項目である。
【0077】
「閾値A0」および「閾値B0」などは、閾値の具体例である。
【0078】
「A1」および「A2」などは、測定値の具体例である。
【0079】
「圧痕」、「圧痕コントラスト」および「位置ずれX」などの位置ずれを示す情報は、検査装置350によって検査される検査項目である。
【0080】
検査結果における「OK」および「NG」は、検査装置350による検査結果を示す。
【0081】
なお、本例では、検査結果が「NG」、つまり、基板が不良と判定された場合の「NG」のセルにハッチングを付している。
【0082】
また、本例では、判定結果は、測定値が示されるセルにおけるハッチングの有無で示されている。例えば、測定値が示されるセルにおいてハッチング付されている「G3」は、判定結果が異常であることを示し、測定値が示されるセルにおいてハッチング付されていない「A1」などは、判定結果が正常であることを示す。
【0083】
なお、判定結果の表示は、ハッチングではなく、任意の表示態様で実現されてよい。例えば、判定結果が異常である場合(例えば、センサ370による測定値が閾値を超える場合)には、該当する測定値のセルが赤色で表示され、判定結果が正常である場合(例えば、センサ370による測定値が閾値以下の場合)には、該当する測定値のセルが白色で表示されてもよい。
【0084】
また、例えば、ユーザは、入力部220を操作することで「選択」のアイコンを選択することで、閾値の変更を入力したり、実装条件の変更の入力を行う。
【0085】
図3は、閾値の変更の入力を受け付ける際に表示部210に表示される画像(閾値変更画像ともいう)の具体例を示す図である。具体的には、
図3は、ユーザが、
図2に示す画像において、「閾値G0」が示されるセルにおける「変更」を選択した場合に表示部210に表示される画像の具体例を示す図である。
【0086】
閾値変更画像には、例えば、現在の閾値を示す情報と、変更後の閾値の入力を受け付ける受付部とが含まれる。
図3に示す例では、現在の閾値は「現在の設定値:〇〇〇(例えば、G0)」のように閾値変更画像に示されている。
【0087】
例えば、ユーザは、入力部220を操作することで変更後の閾値を入力する。
図3に示す例では、変更後の閾値は「新たな設定値:×××」のように閾値変更画像に示されている。制御部120は、当該入力に基づき、例えば、記憶部230に記憶されている閾値を変更したり、変更後の閾値を部品実装装置に送信することで、部品実装装置が用いる閾値を変更させたりする。
【0088】
例えば、作業者は、一括画像において、変更したい閾値が示されるセルを選択する。当該選択を、入力部220を介して取得部110が取得し、制御部120は、取得部110が当該選択を取得した場合に、
図3に示す閾値変更画像を表示部210に表示させる。作業者は、閾値変更画像において、新たな設定値(閾値)を入力し、決定ボタンを選択する。当該新たな閾値を、入力部220を介して取得部110が取得し、制御部120は、取得部110が当該新たな閾値を取得した場合に、例えば、記憶部230に記憶されている閾値を、取得部110に取得された新たな閾値に変更する。また、制御部120または部品実装設備300における対応する装置は、変更された閾値に基づいて判定をやり直し、制御部120は、この後に一括画像を表示部210に表示させる際には、新たな判定結果に基づき、つまり、新たな閾値に基づき、一括画像を更新する。これにより、例えば、一括画像における判定結果を示す情報(例えば、セルの色などの表示態様)が変更される。
【0089】
図4は、部品実装装置の実装条件の変更の入力を受け付ける際に表示部210に表示される画像(実装条件変更画像ともいう)の具体例を示す図である。具体的には、
図4は、ユーザが、
図2に示す画像において、部品実装設備300の構成が示されている箇所における「本圧着装置」と示されているセルにおける「変更」、または、「本圧着荷重P1-1」もしくは「本圧着荷重P2-1」などが示されるセルにおける「変更」を選択した場合に表示部210に表示される画像の具体例を示す図である。
【0090】
実装条件変更画像には、例えば、現在の実装条件を示す情報と、変更後の実装条件の入力を受け付ける受付部とが含まれる。また、
図4に示す例では、「最大荷重」、「下降速度」、「上昇速度」および「加圧時間」のような具体的な実装条件が実装条件変更画像に示されている。また、
図4に示す例では、現在の実装条件は「現在の設定値」の下でかつ「最大荷重」および「下降速度」などの具体的な実装条件の横に「〇〇〇」のように実装条件変更画像に示されている。
【0091】
例えば、ユーザは、入力部220を操作することで変更後の実装条件を入力する。
図4に示す例では、変更後の実装条件は「×××」のように実装条件変更画像に示されている。制御部120は、当該入力に基づき、例えば、記憶部230に記憶されている実装条件を変更したり、変更後の実装条件を部品実装装置に送信することで、部品実装装置の実装条件を変更させたりする。
【0092】
例えば、作業者は、一括画像において、実装条件を変更したい装置が示されるセルを選択する。当該選択を、入力部220を介して取得部110が取得し、制御部120は、取得部110が当該選択を取得した場合に、
図4に示す実装条件変更画像を表示部210に表示させる。作業者は、実装条件変更画像において、新たな設定値(実装条件)を入力し、決定ボタンを選択する。当該新たな実装条件を、入力部220を介して取得部110が取得し、制御部120は、取得部110が当該新たな実装条件を取得した場合に、例えば、記憶部230に記憶されている実装条件を、取得部110に取得された新たな実装条件に変更する。また、制御部120は、実装条件が変更された、部品実装設備300における対応する装置に新たな実装条件を通知し、実装条件を新たな実装条件に変更させる。これにより、当該装置は、新たな実装条件で処理を行う。
【0093】
なお、
図4では本圧着装置340の実装条件の変更について説明したが、ACF貼着装置320および仮圧着装置330などの部品実装設備300が備える装置の実装条件も同様に、一括画像において対応するセルが選択された際に、当該装置の実装条件を変更するための実装条件変更画像が表示され、実装条件の変更がなされてもよい。
【0094】
図5は、第2測定値が第1測定値とともに一括して表示部210に表示される際の画像(NG比較画像ともいう)の具体例を示す図である。具体的には、
図5は、ユーザが、
図2に示す画像において、パネルNo.3の検査の圧痕の「NG」が示されるセルを選択して、さらに「圧痕」が示されるセルにおける「履歴表示」を選択した場合に表示部210に表示される画像の具体例を示す図である。例えば、制御部120は、当該入力を取得部110が取得した場合に、過去の測定値および過去の検査結果などの過去のデータの中から、検査結果の圧痕が過去にNGとなった基板、つまり、過去の圧痕の検査で検査装置350が不良と判定した基板を抽出し、抽出した基板の測定値および検査結果などのデータと、ユーザによって選択されたセルに対応する基板(本例では、パネルNo.3の基板)の測定値および検査結果などのデータとを一括で表示部210に表示させる。
図5に示す例では、パネルNo.3の基板の測定値が第1測定値の一例であり、パネルAおよびパネルBの基板の測定値が第2測定値の一例である。
【0095】
また、本例では、検査結果が「NG」、つまり、基板が不良と判定された場合の測定値のセルにハッチングを付している。例えば、測定値が示されるセルにおいてハッチング付されている「105」および「280」は、判定結果が異常であることを示し、測定値が示されるセルにおいてハッチング付されていない「80」などは、判定結果が正常であることを示す。
【0096】
これにより、過去の履歴を今回の検査結果とともにユーザが一目で比較しながら参照できるため、検査結果が不良である場合のユーザによる原因究明を容易化できる。例えば、No.3の基板の検査結果の「圧痕」の検査項目が「NG」(つまり、不良)である場合に、センサ370による測定値がすべて閾値内(つまり、正常)であるとする。ここで、例えば、
図5に示すようなNG比較画像が表示されることで、「圧痕」の検査項目の検査結果が「NG」である過去のデータの一覧が表示される。NG比較画像から、No.3の基板と、パネルAの基板との測定値の傾向が類似しているとする。このような場合に、例えば、パネルAの基板の検査結果が「NG」となった原因が「センサB」だったとき、No.3の基板の検査結果が「NG」となった原因もセンサBの可能性が高いと作業者が判断できる。このように、同じ検査項目がNGだった場合には、関連する部品またはユニットの交換などの判断材料になり得る。
【0097】
なお、例えば、閾値と測定値との差分の大きさに基づき、表示態様が変更されてもよい。例えば、不良と判定された基板の測定値(例えば、閾値より大きい測定値)について、閾値と測定値との差分が10未満である場合と、10以上である場合とで、セルが異なる表示態様とされてもよい。
【0098】
これにより、異常と判定された測定値であってもどの程度閾値から離れているのかが一目でユーザに分かりやすくできる。
【0099】
[処理手順]
続いて、実施の形態に係る管理装置100の処理手順について詳細に説明する。
【0100】
図6は、実施の形態に係る管理装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
取得部110は、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に部品が実装された時の測定値である第1測定値と、(iii)閾値および第1測定値に基づき判定された、第1基板に部品が実装された時の部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)部品実装装置により部品が実装された基板を検査する検査装置350による、第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する(S10)。
【0102】
次に、制御部120は、取得部110が取得した、閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果を一括して表示部210に表示させる(S20)。
【0103】
[効果など]
以下、本明細書の開示内容から得られる技術を例示し、例示される技術から得られる効果などについて説明する。
【0104】
技術1は、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に部品が実装された時の測定値である第1測定値と、(iii)閾値および第1測定値に基づき判定された、第1基板に部品が実装された時の部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)部品実装装置により部品が実装された基板を検査する検査装置350による、第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得部110と、閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果を一括して表示部210に表示させる制御部120と、を備える、管理装置100である。
【0105】
部品実装装置は、例えば、ACF貼着装置320、仮圧着装置330および/または本圧着装置340である。
【0106】
これによれば、基板ごとに検査結果と測定値とをユーザが一目で簡単に比較しながら確認できるため、検査結果が不良である場合のユーザによる原因究明を容易化できる。
【0107】
技術2は、取得部110は、さらに、閾値を変更するための入力を取得し、制御部120は、当該入力に基づき、閾値を変更する、技術1に記載の管理装置100である。
【0108】
これによれば、閾値を検査結果に基づき適切な値にユーザが再設定できる。
【0109】
技術3は、取得部110は、部品実装装置による基板への部品の実装条件を変更するための入力を取得し、制御部120は、当該入力に基づき、部品実装装置に実装条件を変更させる、技術1または2に記載の管理装置100である。
【0110】
これによれば、実装条件を検査結果に基づき適切な値にユーザが再設定できる。
【0111】
技術4は、制御部120は、第1検査結果が不良であった場合に、検査装置350による検査結果が不良であった第2基板に関する第2測定値を、第1測定値とともに表示部210に表示させる、技術1から3のいずれかに記載の管理装置100である。
【0112】
第2基板は、例えば、第1基板より過去に部品が実装されて検査された基板である。
【0113】
これによれば、過去の履歴を今回の検査結果とともにユーザが一目で比較しながら参照できるため、検査結果が不良である場合のユーザによる原因究明を容易化できる。例えば、検査結果が不良となっても、センサ370の閾値の設定が緩すぎると、閾値を超える測定値がなく、不良の原因究明が困難な場合がある。また、例えば、検査結果が不良となっても、閾値の設定が厳しすぎると、閾値を超える測定値の異常が複数のセンサ370において検出され、不良の原因究明が困難な場合がある。このような場合、例えば、作業者は、過去の検査結果で不良が発生した基板(第2基板)に部品を実装した際のセンサ370による測定値(第2測定値)と今回の測定値(第1測定値)を比較し、両者に類似した傾向がみられないか、を検討する。これにより、閾値に依存することなく原因究明を行うことができ、原因究明を容易化できる。さらには、検査結果を基準に、閾値の設定の見直しや変更を行うことができるため、実装基板における不良品の発生を抑制しながら部品実装設備300による実装基板の生産性を向上できる。
【0114】
技術5は、管理装置100などのコンピュータが実行する管理方法であって、(i)基板に部品を実装するための部品実装装置が備えるセンサ370の測定値と比較することにより、部品実装装置の状態が正常か異常かを判定するための基準となる閾値と、(ii)第1基板に部品が実装された時の測定値である第1測定値と、(iii)閾値および第1測定値に基づき判定された、第1基板に部品が実装された時の部品実装装置の状態の判定結果と、(iv)部品実装装置により部品が実装された基板を検査する検査装置350による、第1基板の検査結果である第1検査結果と、を取得する取得ステップ(S10)と、閾値、第1測定値、判定結果、および、第1検査結果を一括して表示部210に表示させる制御ステップ(S20)と、を含む、管理方法である。
【0115】
これによれば、管理装置100と同様の効果を奏する。
【0116】
なお、本開示の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0117】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る管理装置などについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0118】
例えば、部品実装設備300における検査装置350の配置および数は、任意でよい。例えば、検査装置350は、アンローダ360の次の工程に配置されてもよいし、本圧着装置340の次の工程とアンローダ360の次の工程との両方に配置されてもよい。
【0119】
また、管理装置100は、部品実装設備300が備える機構を制御してもよい。この場合、例えば、部品実装装置は、当該機構を制御するためのコンピュータを備えなくてもよい。
【0120】
また、例えば、閾値および第1測定値に基づく部品実装装置の状態の判定は、管理装置100が行ってもよい。
【0121】
また、例えば、管理装置100は、1台の単体のコンピュータとして実現されてもよいし、部品実装設備300などの設備を制御しているコンピュータにより実現されてもよい。つまり、部品実装設備300のいずれかの装置が、管理装置100が実行する処理を実行することで、管理装置100として実現されてもよい。
【0122】
また、例えば、上記実施の形態では、管理装置100の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0123】
また、管理装置の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0124】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0125】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、基板に部品を実装するシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0127】
100 管理装置
110 取得部
120 制御部
200 管理システム
210 表示部
220 入力部
230 記憶部
300 部品実装設備
310 ローダ
320 ACF貼着装置
330 仮圧着装置
340 本圧着装置
350 検査装置
360 アンローダ
370、371、372、373 センサ
400 部品実装システム