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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131771
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】商品収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 11/46 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
G07F11/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042228
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】武井 俊樹
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046BA01
3E046BB01
3E046CB06
3E046CC03
3E046CC04
3E046CD01
3E046DA01
3E046EA13
3E046FA03
3E046GA02
3E046HA01
(57)【要約】
【課題】収納商品の増大化を図ること。
【解決手段】前面に前面開口10aを有した直方状の本体キャビネット10と、本体キャビネット10の内部に前面開口10aを臨む態様で画成された商品収容庫11と、商品収容庫11に前後に複数列設置され、かつ商品を収納する複数の商品ラック13と、前面開口10aを開閉する態様で本体キャビネット10に揺動可能に設けられた外扉30及び内扉50とを備えた商品収納装置1であって、複数の商品ラック13は、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも少なくとも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、上部内扉52は、商品を収納する扉側商品ラック60が背面521に設けられ、前面開口10aを閉塞する場合に、扉側商品ラック60が前列に設置された商品ラック13のスペースSに配置されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に前面開口を有した直方状の本体キャビネットと、
前記本体キャビネットの内部に前記前面開口を臨む態様で画成された商品収容庫と、
前記商品収容庫に前後に複数列設置され、かつ商品を収納する複数の商品ラックと、
前記前面開口を開閉する態様で前記本体キャビネットに揺動可能に設けられた扉体と
を備えた商品収納装置であって、
前記複数の商品ラックは、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも少なくとも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、
前記扉体は、商品を収納する扉側商品ラックが背面に設けられ、前記前面開口を閉塞する場合に、前記扉側商品ラックが前記前列に設置された商品ラックのスペースに配置されることを特徴とする商品収納装置。
【請求項2】
前記扉側商品ラックは、前記扉体における揺動軸と反対側の自由端近傍に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記扉側商品ラックは、前記扉体の背面から離隔するに連れて幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項4】
前記扉側商品ラックは、前記扉体の背面の幅方向に沿って変位可能であることを特徴とする請求項1に記載の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動販売機等の商品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動販売機等の商品収納装置においては、装置本体(自動販売機本体)の内部における断熱構造の商品収容庫に複数の商品ラックが設けられている。複数の商品ラックは、それぞれ商品を上下方向に沿って収容しており、払出指令に応じて最下位の商品を下方から払い出すものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-190866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の商品収納装置は、各商品ラックが前後方向にスライド可能なものであったが、収納商品の種類の増大させるために、複数の商品ラックが商品収容庫に前後2列となるように設けられたものも知られている。
【0005】
この場合、前列の商品ラックは、後列の商品ラックよりも1つ少なく設けられており、後列の商品ラックの商品補充等を可能にするために、左右方向にスライド可能である。そのため、前列の商品ラックをスライドさせるためのスペースが必要となり、結果的に、かかるスペースがデッドスペースとなってしまい、収納商品の増大化が困難であった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、収納商品の増大化を図ることができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る商品収納装置は、前面に前面開口を有した直方状の本体キャビネットと、前記本体キャビネットの内部に前記前面開口を臨む態様で画成された商品収容庫と、前記商品収容庫に前後に複数列設置され、かつ商品を収納する複数の商品ラックと、前記前面開口を開閉する態様で前記本体キャビネットに揺動可能に設けられた扉体とを備えた商品収納装置であって、前記複数の商品ラックは、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも少なくとも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、前記扉体は、商品を収納する扉側商品ラックが背面に設けられ、前記前面開口を閉塞する場合に、前記扉側商品ラックが前記前列に設置された商品ラックのスペースに配置されることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記扉側商品ラックは、前記扉体における揺動軸と反対側の自由端近傍に設けられたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記扉側商品ラックは、前記扉体の背面から離隔するに連れて幅寸法が漸次小さくなることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記商品収納装置において、前記扉側商品ラックは、前記扉体の背面の幅方向に沿って変位可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の商品ラックが、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも少なくとも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、扉体が前面開口を閉塞する場合に、該扉体の背面に設けられた扉側商品ラックが前列に設置された商品ラックのスペースに配置されるので、前列の商品ラックを変位させるためのスペースを、収納商品の領域として有効に活用することができ、収納商品の増大化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置の内部構造を模式的に示す断面側面図である。
図2図2は、図1に示した商品ラックを示す斜視図である。
図3図3は、図1に示した商品ラックを示す断面図である。
図4図4は、図2及び図3に示した商品ラックの要部の分解斜視図である。
図5図5は、図4に示した係止孔にフック部が係止した状態を示す説明図である。
図6図6は、図1に示した下部内扉の正面図である。
図7図7は、図1に示した下部内扉の横断面図である。
図8図8は、図6及び図7に示した商品搬出扉の斜視図である。
図9図9は、図8に示した商品搬出扉が開放位置までスライドした状態を示す下部内扉の横断面図である。
図10図10は、図6に示した樋部材を示す側面図である。
図11図11は、図1に示した商品収納装置の模式図である。
図12図12は、図1に示した商品収納装置の模式図である。
図13図13は、図1等に示した商品収納装置の変形例を模式的に示す模式図である。
図14図14は、図1等に示した商品収納装置の変形例を模式的に示す模式図である。
図15図15は、図1等に示した商品収納装置の他の変形例を模式的に示す模式図である。
図16図16は、図1等に示した商品収納装置の他の変形例を模式的に示す模式図である。
図17図17は、図5に示した係止孔の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態である商品収納装置の内部構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示する商品収納装置1は、例えば冷凍食品等を商品として販売する自動販売機であり、本体キャビネット10、外扉30及び内扉50を備えている。
【0015】
本体キャビネット10は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって前面に前面開口10aを有した直方体状に構成されたもので、その内部に断熱構造の商品収容庫11を有している。
【0016】
この商品収容庫11には、冷却ユニット12、商品ラック13及びシュータ14が配設されている。
【0017】
冷却ユニット12は、商品収容庫11の内部雰囲気を冷却するためのもので、冷媒回路12a及び送風ファン12bを備えて構成されている。冷媒回路12aは、蒸発器121、圧縮機122、凝縮器123及び膨張機構124を冷媒管路にて順次接続して構成されており、内部に冷媒が封入されている。
【0018】
蒸発器121は、商品収容庫11の後方側下方部に設置されている。圧縮機122は、本体キャビネット10における商品収容庫11の下方の機械室15に設置されている。この圧縮機122は、図示せぬ制御部から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に蒸発器121より冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮するものである。
【0019】
凝縮器123は、機械室15において圧縮機122よりも前方側に設置されている。この凝縮器123は、圧縮機122で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構124は、例えば電子膨張弁等により構成されており、凝縮器123で凝縮した冷媒を断熱膨張させて蒸発器121に送出するものである。
【0020】
このような冷媒回路12aでは、蒸発器121に送出された冷媒と、該蒸発器121の周囲空気との間で熱交換が行われ、該冷媒が蒸発することにより周囲空気が冷却される。
【0021】
送風ファン12bは、商品収容庫11において、蒸発器121の前方側に設置されている。この送風ファン12bは、制御部から与えられる指令により回転駆動するもので、回転駆動する場合に、蒸発器121により冷却された空気を商品収容庫11の内部に送風するものである。そのような冷却ユニット12により、商品収容庫11の内部雰囲気を所定の温度(例えば-5℃以下の冷凍温度)に冷却して維持することができる。
【0022】
図2及び図3は、それぞれ図1に示した商品ラック13を示すものであり、図2は斜視図であり、図3は断面図である。これら図2及び図3に示すように、商品ラック13は、ラック本体131と、前面扉132と、払出ガイド133とを備えて構成されている。
【0023】
ラック本体131は、前面に補充口131a及び下面に払出口131bを有した箱状の形態を成している。このラック本体131の内部には、払出機構16が設置されている。
【0024】
払出機構16は、例えば金属製の棒状体が上下方向に螺旋状に巻回されることによって形成されたスパイラル16aにより構成されている。このような払出機構16は、スパイラル16aの各ピッチ間に商品を拘束することで該商品を収納して商品の収納領域を画成している。
【0025】
そして、払出機構16は、スパイラル16aが中心軸回りに回転することにより、各ピッチ間に拘束される商品を漸次下方に向けて搬出するとともに、最も下方のピッチ間に拘束された商品(最下位の商品)を払出口131bより下方に向けて払い出すものである。
【0026】
そのようなスパイラル16aを貫通する態様で、抑え部材17が設けられている。抑え部材17は、例えば板金等を加工して構成されるものであり、上下方向に沿って延在する基部171と、基部171の上端部分より前方に向けて延在する前延部172と、基部171の下端部分より後方に向けて延在する後延部173と、後延部173の後端部分より上方に向けて延在する上延部174とが一体的に成形されて構成されている。
【0027】
かかる抑え部材17は、前延部172が例えばネジ等によりスパイラル16aの上端部分を保持する部材に取り付けられており、図4に示すように上延部174に形成されたフック部174aがラック本体131の後面に形成された異形状の係止孔18の縁部に係止して設けられている。ここで、係止孔18は、図5に示すように、フック部174aの進入を許容する矩形状の第1孔部181と、この第1孔部181に連通するとともに該第1孔部181よりも上下寸法の小さい第2孔部182とを有している。抑え部材17は、フック部174aが係止孔18の第1孔部181を前方から挿入し、該フック部174aが第1孔部181から第2孔部182に相対的に変位して第2孔部182の下縁部に係止している。そして、第2孔部182の上下寸法は、フック部174aの上下寸法よりも小さく形成されており、これにより、フック部174aが第2孔部182(係止孔18)から離脱することを抑制している。
【0028】
前面扉132は、左側の前面扉132Lと右側の前面扉132Rとを備えて構成されている。左側の前面扉132Lは、補充口131aの左半分を覆うのに十分な大きさを有した扉体であり、該補充口131aの左半分を開閉する態様で左端部がラック本体131に揺動可能に設けられている。右側の前面扉132Rは、補充口131aの右半分を覆うのに十分な大きさを有した扉体であり、該補充口131aの右半分を開閉する態様で右端部がラック本体131に揺動可能に設けられている。
【0029】
払出ガイド133は、複数(図示の例では2つ)の板金等を加工して形成されており、払出口131bの前縁部に設けられている。この払出ガイド133は、払出機構16が駆動する場合に最下位の商品の一部を載置し、かつ該最下位の商品が前記払出機構16から払い出された後に該最下位の商品を回動させて落下させ、払出口131bから下方に払い出される商品の姿勢を調整するものである。
【0030】
そのような商品ラック13は、商品収容庫11に前後2列となるように例えば7つ設けられている。より詳細に説明すると、前列に3つ設けられており、後列に4つ設けられている。前列に設けられた商品ラック13は、図1に示すように、レール部材19に吊り下げ支持されており、それぞれが左右方向に沿って変位可能である。
【0031】
シュータ14は、各商品ラック13から払い出された商品を前方に向けて搬出するものであり、出口部分14aに向けて左右寸法が絞られつつ、漸次下方に傾斜する態様で形成されている。
【0032】
外扉30は、本体キャビネット10の前面開口10aを覆うためのもので、本体キャビネット10の左側縁部に開閉可能に配設されている。図には明示していないが、この外扉30の前面には、ディスプレイウィンドウ、商品選択ボタン、紙幣挿通口、硬貨投入口、返却レバー、一体表示器、硬貨返却口、商品取出口31等々、商品を販売する際に必要となるものが設けられている。尚、商品取出口31は、利用者が商品取出部32に搬出された商品を取り出すための開口であり、商品取出扉33により開閉されるものである。
【0033】
内扉50は、本体キャビネット10と外扉30との間に配設されている。内扉50は、商品収容庫11の前面を覆うことにより、商品収容庫11を断熱するものであり、商品収容庫11の下部前面を覆う下部内扉51と、商品収容庫11の上部前面を覆う上部内扉52とにより構成されている。
【0034】
下部内扉51には、商品搬出口51a及び商品搬出扉53が設けられている。商品搬出口51aは、シュータ14の出口部分14aの前方となる個所に形成されている。この商品搬出口51aは、大型の商品の通過を許容できるようその開口面積が従来のものよりも拡大された矩形状をなすものである。
【0035】
商品搬出扉53は、図6及び図7に示すように、商品搬出口51aを閉塞するのに十分な大きさを有した断熱扉である。この商品搬出扉53は、上述したように開口面積が拡大された商品搬出口51aに対応するべく、断熱板531が拡大化されており、該商品搬出扉53の前面カバー532よりも断熱板531が右方に突出している。
【0036】
また商品搬出扉53においては、図8に示すように、上端部に複数のローラ533が設けられており、これらローラ533が下部内扉51の前面に設けられた上レール54に転動可能に配置されることで商品搬出口51aの前方側に配設されている。
【0037】
そのような商品搬出扉53は、下部内扉51の上レール54の上方部分に設けられた扉駆動部55の駆動により、上レール54の延在方向、すなわち左右方向に沿ってスライド可能である。より詳細に説明すると、商品搬出扉53は、図6及び図7に示したような商品搬出口51aを閉塞する閉塞位置と、図9に示すように最も右方にスライドした開放位置との間でスライド可能である。そして、商品搬出扉53は、常態においては、閉塞位置に配置されて商品搬出口51aを閉塞している。
【0038】
そのような商品搬出扉53には、前面カバー532の右端部分に遮蔽部材534が設けられている。遮蔽部材534は、例えば板金等を加工して形成されたものであり、前面カバー532の右端部分の下方部に取り付けられている。この遮蔽部材534は、図7に示したように、大型の商品に対応するために従来よりも拡大化された商品取出部32の右端部分(該右端部分に遮蔽板が設けられている場合にはその遮蔽板)と、閉塞位置に配置された商品搬出扉53との隙間の一部を閉塞する態様で設けられている。かかる遮蔽部材534は、図9に示すように商品搬出扉53が開放位置にスライドした場合に、本体キャビネット10の右面に設けられた補強金20により形成された進入孔21に進入するようにされている。
【0039】
かかる商品搬出扉53は、開放位置にスライドした場合に、シュータ14から搬出された商品が商品搬出口51aを通過することを許容するものである。これにより、商品が商品取出部32に搬出され、商品取出口31を通じて利用者により取り出し可能である。
【0040】
ところで、図1図6等に示すように、下部内扉51の下方部分、すなわち本体キャビネット10における商品収容庫11と機械室15とを区画する床部材22の前面には、樋部材23が取り付けられている。
【0041】
樋部材23は、商品収容庫11の内外の温度差によって主に内扉50の表面や商品搬出扉53に生じる結露水等を、機械室15に配設された図示せぬ蒸発皿に案内するものである。そして、そのような樋部材23には、ガイド24が設けられている。
【0042】
ガイド24は、例えば板金を加工して形成されたものであり、閉塞位置に配置された商品搬出扉53における断熱板531の右端部分の下方域に配置されている。かかるガイド24は、図10に示すように、断熱板531の右端部分、すなわち前面カバー532よりも右方に突出している部分に生じて滴下した結露水を、樋部材23に案内するためのものである。
【0043】
上部内扉52は、上記外扉30と同様に、左端部分が本体キャビネット10の左側縁部に揺動可能に支承されている。この上部内扉52は、開く方向に揺動する場合、商品収容庫11の上部前面を開放し、各商品ラック13に対して商品の補充等を行うことができる。
【0044】
そして、そのような上部内扉52の背面521における右端部分、すなわち自由端部分の近傍には、図11及び図12に示すように、扉側商品ラック60が設けられている。扉側商品ラック60は、上記商品ラック13と前後方向が異なる以外は同様の構成を有しており、商品を内部に収納しつつ下方の払出口(図示せず)より払い出すものである。
【0045】
かかる扉側商品ラック60は、上部内扉52が閉じる方向に揺動して商品収容庫11の上部前面を閉塞する場合、前列の商品ラック13と後列の商品ラック13との数の差により生じたスペースS、すなわち、前列のすべての商品ラック13を左方側に変位させて生じたスペースSに進入して配置されている。そして、内部の図示せぬ払出機構が駆動することにより最下位の商品をシュータ14に払い出すことが可能である。
【0046】
以上説明したように、本発明の実施の形態である商品収納装置1によれば、複数の商品ラック13は、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、上部内扉52は、商品を収納する扉側商品ラック60が背面521に設けられ、前面開口10aを閉塞する場合に、扉側商品ラック60が前列に設置された商品ラック13のスペースSに配置されるので、前列の商品ラック13を変位させるためのスペースSを、収納商品の領域として有効に活用することができ、収納商品の増大化を図ることができる。
【0047】
上記商品収納装置1によれば、扉側商品ラック60が上部内扉52における揺動軸と反対側の自由端部分の近傍に設けられているので、上部内扉52を開く方向に揺動させるための揺動量を必要最小限にすることができ、補充作業等の作業スペースを良好に確保することができる。
【0048】
上記商品収納装置1によれば、遮蔽部材534が、大型の商品に対応するために従来よりも拡大化された商品取出部32の右端部分と閉塞位置に配置された商品搬出扉53との隙間の一部を閉塞する態様で設けられているので、かかる隙間に手指等が侵入することを抑制することができる。
【0049】
図13及び図14は、それぞれ図1等に示した商品収納装置1の変形例を模式的に示す模式図である。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を割愛する。
【0050】
これら図13及び図14に示す商品収納装置2は、上部内扉52の背面521における右端部分、すなわち自由端部分の近傍には、扉側商品ラック61が設けられている。扉側商品ラック61は、上記商品ラック13とは前後方向が異なる以外は略同様の構成を有しており、商品を内部に収納しつつ下方の払出口(図示せず)より払い出すものである。
【0051】
かかる扉側商品ラック61は、上部内扉52の背面521から離隔するに連れて幅寸法が漸次小さくなる態様で形成されている。この扉側商品ラック61は、上部内扉52が閉じる方向に揺動して商品収容庫11の上部前面を閉塞する場合、前列の商品ラック13と後列の商品ラック13との数の差により生じたスペースS1、すなわち、前列のすべての商品ラック13を左方側に変位させて生じたスペースS1に進入して配置されている。そして、内部の図示せぬ払出機構が駆動することにより最下位の商品をシュータ14に払い出すことが可能である。
【0052】
そのような商品収納装置2によれば、複数の商品ラック13は、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、上部内扉52は、商品を収納する扉側商品ラック61が背面521に設けられ、前面開口10aを閉塞する場合に、扉側商品ラック61が前列に設置された商品ラック13のスペースS1に配置されるので、前列の商品ラック13を変位させるためのスペースS1を、収納商品の領域として有効に活用することができ、収納商品の増大化を図ることができる。しかも、扉側商品ラック61は、上部内扉52の背面521から離隔するに連れて幅寸法が漸次小さくなる態様で形成されているので、上部内扉52を閉じる方向に揺動させる際に上記スペースS1に速やかに進入させることができる。
【0053】
図15及び図16は、それぞれ図1等に示した商品収納装置1の他の変形例を模式的に示す模式図である。上述した実施の形態と同一の構成を有するものには同一の符号を付してその説明を割愛する。
【0054】
これら図15及び図16に示す商品収納装置3は、上部内扉52の背面521に扉側商品ラック62が設けられている。扉側商品ラック62は、上記商品ラック13とは前後方向が異なる以外は略同様の構成を有しており、商品を内部に収納しつつ下方の払出口(図示せず)より払い出すものである。かかる扉側商品ラック62は、上部内扉52の背面521の幅方向に沿って変位可能に設けられている。
【0055】
そのような扉側商品ラック62は、上部内扉52が閉じる方向に揺動して商品収容庫11の上部前面を閉塞する場合、前列の商品ラック13と後列の商品ラック13との数の差により生じたスペースS2に進入して配置されている。そして、内部の図示せぬ払出機構が駆動することにより最下位の商品をシュータ14に払い出すことが可能である。
【0056】
そのような商品収納装置3によれば、複数の商品ラック13は、前列に設置されたものが後列に設置されたものよりも1つ少なく、かつ前列に設置されたものは左右方向に変位可能であり、上部内扉52は、商品を収納する扉側商品ラック62が背面521に設けられ、前面開口10aを閉塞する場合に、扉側商品ラック62が前列に設置された商品ラック13のスペースS2に配置されるので、前列の商品ラック13を変位させるためのスペースS2を、収納商品の領域として有効に活用することができ、収納商品の増大化を図ることができる。しかも、扉側商品ラック62は、上部内扉52の背面521の幅方向に沿って変位可能に設けられているので、前列の商品ラック13に形成されたスペースS2の位置に合わせて変位させてから該スペースS2に進入させることができる。
【0057】
図17は、図4及び図5に示した係止孔18の変形例を示す模式図である。この図17に示すように、係止孔18′は、フック部174aの進入を許容する矩形状の第1孔部181と、この第1孔部181に連通するとともに該第1孔部181よりも上下寸法の小さい第2孔部183とを有している。この第2孔部183は、下縁部が第1孔部181の下縁部よりも下方側に設けられている。
【0058】
抑え部材17は、フック部174aが係止孔18′の第1孔部181を前方から挿入し、該フック部174aが第1孔部181から第2孔部183に相対的に変位して第2孔部183の下縁部に係止している。そして、第2孔部183の上下寸法は、フック部174aの上下寸法よりも小さく形成されており、これにより、フック部174aが第2孔部183(係止孔18′)から離脱することを抑制している。特に、第2孔部183の下縁部が第1孔部181の下縁部より下方に設けられているので、第2孔部183に相対的に変位したフック部174aが第1孔部181に変位することを規制することができる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0060】
上述した実施の形態では、扉側商品ラック60,61,62は、上部内扉52の背面521に1つ設けられていたが、本発明においては、複数設けられていてもよい。
【0061】
上述した実施の形態では、前列の商品ラック13が後列の商品ラック13よりも1つ少ないものとして説明したが、本発明においては、前列の商品ラックが後列の商品ラックに対して2つ以上少なくてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…商品収納装置、10…本体キャビネット、10a…前面開口、11…商品収容庫、12…冷却ユニット、13…商品ラック、131…ラック本体、132…前面扉、133…払出ガイド、14…シュータ、16…払出機構、16a…スパイラル、17…抑え部材、18…係止孔、19…レール部材、30…外扉、31…商品取出口、32…商品取出部、33…商品取出扉、50…内扉、51…下部内扉、51a…商品搬出口、52…上部内扉、521…背面、53…商品搬出扉、60…扉側商品ラック、S…スペース。
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