(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131789
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B60S 3/04 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B60S3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042253
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】徳永 良二
(72)【発明者】
【氏名】金丸 慎治
(72)【発明者】
【氏名】澤田 源一
(72)【発明者】
【氏名】森本 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA04
3D026AA08
3D026AA19
3D026AA24
3D026AA26
3D026AA75
(57)【要約】
【課題】ダンプ式車両の洗浄品質を向上させる。
【解決手段】洗浄装置は、ノズル(31)を備える洗浄装置本体(3)と、車高センサ(5)と、制御部(4)と、を備える。車高センサ(5)は、荷箱または荷台が前記格納位置にある場合の車高に関する第1車高情報と、荷箱または荷台が前記傾斜位置にある場合の車高に関する第2車高情報とを取得する。制御部(4)は、車高センサ(5)からの第1車高情報および第2車高情報に基づいて、ノズル(31)の、上下方向における噴射方向を調節する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷箱または荷台を備える車両の後方から前記荷箱または荷台に向けて洗浄液を噴射し得るノズルを備える洗浄装置本体と、
前記車両の高さを検知する車高センサと、
制御部と、を備え、
前記荷箱または荷台は、格納位置と傾斜位置との間を起伏可能であり、
前記車高センサは、前記荷箱または荷台が前記格納位置にある場合の車高に関する第1車高情報と、前記荷箱または荷台が前記傾斜位置にある場合の車高に関する第2車高情報とを取得し、
前記制御部は、前記車高センサからの前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記ノズルの、上下方向における噴射方向を調節する、洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄装置本体は、
支柱と、前記支柱に支持される、昇降動作が可能な水平部と、を含み、
前記ノズルは、前記水平部に設けられている、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、
前記支柱は、前記第1方向または前記第2方向に移動可能に構成されており、
前記制御部は、前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記荷箱または荷台のダンプ角度に合わせた噴射ができるよう、前記支柱の位置および前記噴射方向を調節する、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記ノズルは、上下方向に首振り可能であり、
前記制御部は、前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記上下方向の首振り角度を決定する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記支柱は、前記車両の幅方向の両側に立設される、一対の支柱である、請求項2に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記ノズルを複数備えており、
前記複数のノズルは、前記水平部において水平方向に配列されている、請求項2に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両を洗浄するための洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックまたはパッカー車などの車両を洗浄するための洗浄装置が種々開発されている。例えば、特許文献1には、ごみピットにごみを投入したパッカー車のテールゲート内部を洗浄する洗浄装置が開示されている。特許文献2には、トラック型車両の洗車を行う洗車装置が開示されている。パッカー車またはトラック型車両などの車両のうち、荷箱または荷台をダンプアップさせることのできるダンプ式車種においては、荷箱または荷台をダンプアップさせた状態で荷箱または荷台を洗浄する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-302361号公報
【特許文献2】特開平8-276830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様は、ダンプ式車両の洗浄品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る洗浄装置は、荷箱または荷台を備える車両の後方から前記荷箱または荷台に向けて洗浄液を噴射し得るノズルを備える洗浄装置本体と、前記車両の高さを検知する車高センサと、制御部と、を備え、前記荷箱または荷台は、格納位置と傾斜位置との間を起伏可能であり、前記車高センサは、前記荷箱または荷台が前記格納位置にある場合の車高に関する第1車高情報と、前記荷箱または荷台が前記傾斜位置にある場合の車高に関する第2車高情報とを取得し、前記制御部は、前記車高センサからの前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記ノズルの、上下方向における噴射方向を調節する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、ダンプ式車両の洗浄品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る洗浄装置の概略側面図であり、車両の後面を洗浄している様子を示している。
【
図2】上記洗浄装置の概略側面図であり、車両の荷箱内部を洗浄している様子を示している。
【
図3】本発明の実施形態に係る洗浄装置の概略正面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る洗浄装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示に係る洗浄装置が洗浄対象とする車両は、ダンプ式車両であってよい。ダンプ式車両は、例えば、ダンプ式トラックまたはダンプ式パッカー車であってよい。ダンプ式車両とは、荷箱または荷台を備えており、当該荷箱または荷台が格納位置と傾斜位置との間を起伏可能な車両である。このようなダンプ可能な荷箱または荷台を備えるパッカー車またはトラックの場合、荷箱または荷台の内部の洗浄が必要となる場合がある。
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
<洗浄装置の概要>
本実施形態において、車両Xを洗浄する洗浄装置100について、
図1から
図4を参照して説明する。本実施形態では、車両Xがダンプ式パッカー車である場合について例示している。
図1は、洗浄装置100の概略側面図である。
図1は、車両Xの後面を洗浄している様子を示している。
図2は、洗浄装置100の概略側面図である。
図2は、車両Xの荷箱内部を洗浄している様子を示している。
図3は、洗浄装置100の洗浄装置本体3の概略正面図である。
図4は、洗浄装置100の構成を示すブロック図である。本明細書および図面において、xy平面が水平面であるようにxyz座標を定義する。x軸方向は、車両Xの進行方向であり、y軸方向は、車両Xの車幅方向である。本実施形態では、車両Xがパッカー車である例を示しているが、車両Xはパッカー車に限定されず、トラックであってもよい。例えば、洗浄装置100が洗浄する車両Xは、荷箱または荷台を備える、ダンプ式パッカー車またはダンプ式トラックであってよい。
【0011】
本実施形態の洗浄装置100は、洗浄装置本体3と、車高センサ5と、制御部4とを備える。洗浄装置100は、センサ2を備えていてもよい。
【0012】
制御部4は、洗浄装置本体3の各部を制御する。制御部4は、洗浄装置本体3に備えられていてもよく、あるいは、洗浄装置本体3の外部に位置していてもよい。制御部4は、不図示の通信装置等により、洗浄装置本体3または後述する各種センサとの間における情報の送受信を行い、洗浄装置本体3を制御してもよい。制御部4は、例えば、CPU等のプロセッサで構成され、メモリに格納された制御プログラムがプロセッサ上で実行されることにより、各制御が実現される。
【0013】
洗浄装置本体3は、1つ以上のノズル31を備えている。洗浄装置本体3は、車両Xの後方から、荷箱または荷台に向けて洗浄液を噴射することにより車両Xを洗車する。
【0014】
洗浄装置本体3は、支柱32と、支柱32に支持される水平部33とを含み、ノズル31は、水平部33に設けられている。支柱32は、
図3に示すように、車両Xの幅方向の両側に立設される、一対の支柱であってよい。また、水平部33は、対をなす2つの支柱32間に架設されていてもよい。例えば、洗浄装置100において、複数のノズル31が、水平部33において水平方向に配列されていてもよい。
【0015】
水平部33は、支柱32に対して、昇降動作可能に支持されていてもよい。洗浄装置本体3は、水平部33をZ軸方向に沿って昇降移動させる駆動機構(図示せず)を備えていてもよい。駆動機構は、制御部4によって制御され得る。水平部33は、制御部4が駆動機構を制御することにより、Z軸方向に昇降移動し得る。水平部33が昇降移動しつつ、車両Xを洗浄することにより、より高品質な洗車が可能となる。
【0016】
ノズル31は、車両Xの洗浄面に向けて洗浄液を噴射する。車両Xの洗浄面は、例えば、車両Xの後面、あるいは車両Xが有する荷箱または荷台の内面などであってよい。ノズル31は、噴射される洗浄液の拡がりを規定するスプレー角度を調整可能に構成されていてもよい。また、ノズル31は、首振り可能であってもよい。
【0017】
センサ2は、車両Xがダンプアップ状態であるか否かを検出するためのセンサである。センサ2は、例えば、車両Xの車幅方向の両側に位置する基部20に支持され、例えば、一方の基部20に設けられた受光素子(図示せず)と、当該受光素子に向かって光等を照射する、他方の基部20に設けられた発光素子21とを含む光軸センサであってよい。当該発光素子21は、例えば、レーザ素子、またはLED(Light Emitting Diode)素子等を含む。この場合、センサ2は、発光素子21からの光が受光素子によって検出されたか否かにより、受光素子と発光素子との間における物体の有無を検出する。本実施形態において、センサ2は、車両Xの荷箱または荷台の有無を検出する。センサ2は、車両Xの停車位置において、非ダンプアップ時(
図1)に光軸が遮られ、ダンプアップ時(
図2)に光軸が遮られない位置に設けられ得る。制御部4は、センサ2が荷箱または荷台があることを検出すると、車両Xがダンプアップしていない状態であると判定してもよい。また、制御部4は、センサ2が荷箱または荷台がないことを検出すると、車両Xがダンプアップしている状態であると判定してもよい。
【0018】
車高センサ5は、車両Xの車高に関する情報を取得するセンサである。車高センサ5は、車両Xの荷箱または荷台が格納位置にある場合の車高に関する第1車高情報と、荷箱または荷台が傾斜位置にある場合の車高に関する第2車高情報とを取得する。格納位置とは、車両Xがダンプアップしていない状態における荷箱または荷台の位置を意味する。傾斜位置とは、車両Xがダンプアップしている状態における荷箱または荷台の位置を意味する。車高センサ5は、複数の光電センサ51を含む。光電センサは、透過型光電センサであってもよいし、反射型光電センサであってもよい。複数の光電センサ51は、
図1および
図2に示すように、停止位置に位置する車両Xの側面に対向する位置に、上下方向に1列に配置されていてもよい。
【0019】
また、車高センサ5は、車両Xの車幅に関する情報を取得してもよい。例えば、車高センサ5は、停止位置に位置する車両Xの一側面に対向する位置に、受光素子と発光素子とを備えていてもよい。車高センサ5は、発光素子から出射した光が車両Xの側面で反射され、受光素子において検出されるまでの時間に基づき、車高センサ5から車両Xまでの距離を測定し得る。つまり、車高センサ5は、車両Xの車幅に関する情報として、車高センサ5と、車両Xとの距離に関する情報を取得してもよい。
【0020】
(制御部の制御について)
以下では、
図1および
図2を用いて、車両Xの洗車動作において制御部4が行う制御について説明する。本実施形態では、一例として、車両Xがパッカー車であり、車両Xの後面および荷箱内部を洗浄する一連の洗車動作について説明する。
【0021】
[洗浄開始まで]
まず、洗車対象である車両Xは、洗浄装置本体3に対して後ろ向きに進行する。車両Xの運転手は、後輪が停車位置に到達するまで進行させた後、車両Xを停車させる。停車位置は、
図1に示すような地面に対して凸形状を有する車輪止め7であってもよいし、表示または音声などで案内することにより停車位置を指示する停車指示システムであってもよい。
図1に示すような車止め7の場合、制御部4は、車止め7の本体部70に設けられるセンサが、車両Xの車輪が接触または予め規定された距離まで接近したことを検知することにより、車両Xが停止位置に停止したと判定してもよい。
【0022】
[後面洗浄工程]
制御部4は、車両Xが、停止位置に停車したと判定すると、洗車動作を開始する。制御部4は、センサ2が荷箱または荷台があることを検出すると、車高センサ5から第1車高情報を取得する。制御部4が第1車高情報を取得するタイミングは、後面洗浄工程中に限定されず、後面洗浄工程の前であってもよいし、後であってもよい。制御部4は、ノズル制御部45を有している。ノズル制御部45は、ノズル31を制御することにより、車両Xの後面を洗浄する。制御部4は、車高センサ5から車両Xの車幅に関する情報を取得してもよい。ノズル制御部45は、当該車両Xの車幅に関する情報に基づいて、ノズル31の水平方向における噴射方向を調節してもよい。車幅に関する第1情報に基づいて、ノズル31の水平方向における噴射方向を調節できることにより、車幅に応じて周囲への飛水を低減する制御を行うことができる。
【0023】
制御部4は、ノズル31を上下方向に首振りさせながら車両Xを洗浄してもよい。制御部4は、必要に応じて、首振り角度決定部を備えていてもよい。制御部4は、第1車高情報に基づいて、ノズル31の上下方向の首振り角度を決定してもよい。また、ノズル制御部45は、ノズル31を左右方向に首振りさせながら車両Xを洗浄してもよい。さらに、ノズル制御部45は、ノズル31を旋回させながら車両Xを洗浄してもよい。首振りまたは旋回しながら、洗浄液を噴射しつつ、車両Xを洗浄することにより、洗浄能力を向上させることができる。
【0024】
制御部4は、昇降制御部44を備えていてもよい。昇降制御部44は、上述した駆動機構を制御することにより、水平部33を昇降動作させる。例えば、洗浄装置100は、水平部33を往復させつつ、車両Xの後面を洗浄してもよい。制御部4は、車高センサ5から第1車高情報を取得し得る。昇降制御部44は、取得した第1車高情報に基づいて、上述した駆動機構を制御することにより、水平部33を昇降動作させてもよい。洗浄装置100が、車両Xの車高に応じた範囲において水平部33を昇降動作させながら洗浄することにより、高品質かつ周囲への飛水を低減した洗車を実現することができる。
【0025】
[荷箱洗浄工程]
洗浄装置100は、後面洗浄工程が終了すると、続いて、荷箱内部を洗浄する荷箱洗浄工程を実施する。車両Xの運転手は、音声ガイドなどの案内に従って、
図2に示すように、蓋部を開き、荷箱がダンプ状態となるよう操作する。
【0026】
制御部4は、センサ2が荷箱または荷台がないことを検出すると、車高センサ5から第2車高情報を取得する。ノズル制御部45は、制御部4が非ダンプ時に取得した第1車高情報と、第2車高情報とに基づいて、ノズル31の上下方向における噴射方向を調節してもよい。
【0027】
より具体的には、制御部4は、データ記憶部41およびノズル方向決定部43を備えていてもよい。データ記憶部41には、例えば、種々の車両に関する車両データが記憶されている。当該車両データは、第1車高情報、第2車高情報、車幅データ、および規定のダンプ角度などの、各車両に関する各種データを含む。ダンプ角度は、ダンプ時における、荷箱または荷台が傾いている角度を意味し、
図2においてダンプ角度θで示されている。ノズル方向決定部43は、データ記憶部41が記憶する情報と、車高センサ5から取得した第1車高情報、第2車高情報、および車幅データとを照合することにより、車両Xのダンプ時における洗浄に適切な、上下方向における噴射方向を決定してもよい。より具体的には、ノズル方向決定部43は、上下方向における噴射方向の決定において、水平方向とノズルの噴射方向とがなす角を、ダンプ角度θに合わせるよう、噴射方向を決定してもよい。ノズル制御部45は、ノズル方向決定部43が決定した噴射方向に基づいて、ノズル31を制御してもよい。
【0028】
あるいは、データ記憶部41には、第1情報として、第1車高情報、第2車高情報、車幅データなどの車両データが記憶されていてもよい。また、データ記憶部41には、第2情報として、各車両データと紐づけられた、荷箱洗浄工程におけるノズル31の噴射方向を定めた第1方向情報が記憶されていてもよい。ノズル制御部45は、車高センサ5から取得した第1車高情報、第2車高情報、および車幅データを、データ記憶部41が記憶する情報と照合することにより車種を特定してもよい。ノズル制御部45は、特定した車種の第1方向情報に基づいて、ノズル31の噴射方向を制御してもよい。
【0029】
車両により、ダンプ角度θは異なる。上述した構成により、洗浄装置100は、ノズル31の上下方向における噴射方向を車両Xの規定のダンプ角度θに応じた方向に調節することができる。これにより、ダンプ時の荷箱内の洗浄品質を向上させることができる。
【0030】
また、制御部4は、ノズル31を首振りさせながら荷箱内部を洗浄してもよい。制御部4は、必要に応じて、首振り角度決定部を備えていてもよい。制御部4は、第1車高情報および第2車高情報に基づいて、ノズル31の上下方向の首振り角度を決定してもよい。例えば、データ記憶部41には、第1情報として、第1車高情報、第2車高情報、車幅データなどの車両データが記憶されていてもよい。また、データ記憶部41には、第2情報として、各車両データと紐づけられた、荷箱洗浄工程におけるノズル31の首振り角度を定めた首振り角度情報が記憶されていてもよい。ノズル制御部45は、車高センサ5から取得した第1車高情報、第2車高情報、および車幅データを、データ記憶部41が記憶する情報と照合することにより車種を特定してもよい。ノズル制御部45は、特定した車種の第1方向情報に基づいて、ノズル31の首振り角度を制御してもよい。上下方向の首振り角度とは、側方から見たときに、首振り動作を行うノズル31における最も上方向に向いているときの噴射方向と、最も下方向に向いているときの噴射方向とがなす角を意味する。
【0031】
[蓋部洗浄工程]
洗浄装置100は、荷箱洗浄工程が終了すると、続いて、蓋部の裏側を洗浄する蓋部洗浄工程を実施する。
【0032】
制御部4は、移動制御部47を備えていてもよい。洗浄装置本体3は、洗浄装置本体3を、洗浄装置本体3の設置面に設けられたレール6に沿って移動させる第2駆動機構(図示せず)を備えていてもよい。より具体的には、車両の前部から後部に向かう方向を第1方向(X軸正方向)、第1方向の反対に向かう方向を第2方向(X軸負方向)とした場合、支柱32は、第1方向または第2方向に移動可能に構成されている。移動制御部47は、車高センサ5から取得する第1車高情報および第2車高情報に基づいて、ノズル31が蓋部の裏側を洗浄することができる位置まで、洗浄装置本体3を第1方向に移動させてもよい。
【0033】
蓋部の裏側が洗浄可能な状態となったことが確認されると、ノズル制御部45は、ノズル31の噴射方向を蓋部の裏側に向くよう、ノズル31を制御する。具体的には、例えば、データ記憶部41には、第1情報として、第1車高情報、第2車高情報、車幅データなどの車両データが記憶されていてもよい。また、データ記憶部41には、第2情報として、各車両データと紐づけられた、蓋部洗浄工程におけるノズル31の噴射方向を定めた第2方向情報が記憶されていてもよい。ノズル制御部45は、車高センサ5から取得した第1車高情報、第2車高情報、および車幅データを、データ記憶部41が記憶する情報と照合することにより車種を特定してもよい。ノズル制御部45は、特定した車種の第2方向情報に基づいて、ノズル31の噴射方向を制御してもよい。
【0034】
蓋部洗浄工程において、ノズル方向決定部43および移動制御部47は、データ記憶部41が記憶する情報と、各種センサから取得した情報とを照合することにより、車両Xのダンプ時における洗浄に適切な、ノズル31の噴射方向および支柱32の位置を調節してもよい。より具体的には、ノズル方向決定部43および移動制御部47は、データ記憶部41が記憶する情報と、各種センサから取得した情報とを照合することにより、車両Xのダンプ時における洗浄に適切な、ノズル31の噴射方向および支柱32の位置を決定してもよい。
【0035】
ノズル31を首振りさせ、水平部33を昇降動作させながら蓋部の裏側を洗浄してもよい。移動制御部47は、第2駆動機構を制御することにより、洗浄装置本体3をX軸方向に沿って往復動作させてもよい。
【0036】
〔まとめ〕
(1)本開示の態様1に係る洗浄装置は、荷箱または荷台を備える車両の後方から前記荷箱または荷台に向けて洗浄液を噴射し得るノズルを備える洗浄装置本体と、前記車両の高さを検知する車高センサと、制御部と、を備え、前記荷箱または荷台は、格納位置と傾斜位置との間を起伏可能であり、前記車高センサは、前記荷箱または荷台が前記格納位置にある場合の車高に関する第1車高情報と、前記荷箱または荷台が前記傾斜位置にある場合の車高に関する第2車高情報とを取得し、前記制御部は、前記車高センサからの前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記ノズルの、上下方向における噴射方向を調節する。
【0037】
当該構成により、非ダンプ時およびダンプ時における車高情報に基づいて、ノズルの上下方向における噴射方向を調節することができる。これにより、ダンプ時においても適切な噴射方向で洗浄液を噴射することができ、ダンプ式車両の洗浄品質を向上させることができる。
【0038】
(2)本開示の態様2に係る洗浄装置は、上記態様1において、支柱と、前記支柱に支持される、昇降動作が可能な水平部と、を含み、前記ノズルは、前記水平部に設けられている。
【0039】
当該構成により、ノズルを有する水平部が昇降動作可能であることにより、より高品質な洗車を実現することができる。
【0040】
(3)本開示の態様3に係る洗浄装置は、上記態様2において、前記車両の前部から後部に向かう方向を第1方向、前記第1方向の反対に向かう方向を第2方向とした場合、前記支柱は、前記第1方向または前記第2方向に移動可能に構成されており、前記制御部は、前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記荷箱または荷台のダンプ角度に合わせた噴射ができるよう、前記2本の支柱の位置および前記噴射方向を調節する。
【0041】
当該構成により、ダンプ時の荷箱内部などの洗浄において、支柱を移動させることができる。これにより、ノズルの噴射方向をより容易に、あるいはより適切に調整することができる。
【0042】
(4)本開示の態様4に係る洗浄装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記ノズルは、上下方向に首振り可能であり、前記制御部は、前記第1車高情報および前記第2車高情報に基づいて、前記上下方向の首振り角度を決定する。
【0043】
当該構成によってノズルを首振りさせることにより、洗浄品質をより向上させることができる。
【0044】
(5)本開示の態様5に係る洗浄装置は、上記態様2において、前記支柱は、前記車両の幅方向の両側に立設される、一対の支柱である。
【0045】
上記構成により、水平部を安定して保持し得る洗浄装置を実現できる。
【0046】
(6)本開示の態様6に係る洗浄装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記ノズルを複数備えており、前記複数のノズルは、前記水平部において水平方向に配列されている。
【0047】
上記構成により、複数のノズルによって洗車効率および洗車品質を向上させることができる。
【0048】
(7)本開示の態様7に係る洗浄装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記車両は、ダンプ式パッカー車またはダンプ式トラックである。
【0049】
上記構成により、ダンプ式パッカー車またはダンプ式トラックのダンプ時における洗浄品質を向上させることができる。
【0050】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100 洗浄装置
2 センサ
3 洗浄装置本体
4 制御部
5 車高センサ
6 レール
31 ノズル
32 支柱
33 水平部