(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131796
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240920BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0241
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042264
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】友成 愛
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 崇史
(72)【発明者】
【氏名】大島 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】二宮 一浩
【テーマコード(参考)】
5E555
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA62
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA12
5E555CA41
5E555CA42
5E555CA44
5E555CA45
5E555CA47
5E555CB65
5E555EA03
5E555EA05
5E555FA00
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、第1特定部と、第2特定部と、推定部とを有する。第1特定部は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する。第2特定部は、第1特定部により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。推定部は、所定のエリアに関連するイベントを示すイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する第1特定部と、
前記第1特定部により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する第2特定部と、
前記所定のエリアにおけるイベントに関するイベント情報と、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、前記移動傾向の変化原因を推定する推定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1特定部は、
前記所定のエリアを構成する複数の小エリアに関するエリア情報と、前記複数の利用者の位置の推移を示す位置情報とに基づいて、前記複数の利用者が辿った前記小エリアの情報で構成される各移動パターンが全ての移動パターンに占める割合を所定期間ごとに算出し、
前記第2特定部は、
前記複数の利用者に対応する各移動パターンが全ての移動パターンに占める割合の時系列変化に基づいて、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定し、
前記推定部は、
前記所定のエリアで開催されたイベントの開催日を示す情報と、前記第2特定部により特定された前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、前記移動傾向の変化原因となるイベントを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記イベントに関連する広告に関する広告情報を含む前記イベント情報と、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、前記移動傾向の変化原因となるイベントを推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記イベントに関連する商品に関する商品情報を含む前記イベント情報と、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、前記移動傾向の変化原因となるイベントを推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1特定部は、
前記所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を利用者ごとに複数回特定し、
前記第2特定部は、
前記第1特定部により前記利用者ごとに複数回特定された前記移動傾向の特定結果に基づいて、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングを利用者ごとに特定し、
前記推定部は、
前記所定のエリアに対応するイベントに関するイベント情報と、前記利用者ごとに特定された前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、前記移動傾向の変化原因を前記利用者ごとに推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する第1特定工程と、
前記第1特定工程により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する第2特定工程と、
前記所定のエリアにおけるイベントに関するイベント情報と、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、前記移動傾向の変化原因を推定する推定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する第1特定手順と、
前記第1特定手順により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する第2特定手順と、
前記所定のエリアにおけるイベントに関するイベント情報と、前記移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、前記移動傾向の変化原因を推定する推定手順と
を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが所有する端末装置から位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて各種情報処理を行う技術が提案されている。たとえば、このような技術に関連して、ユーザの投稿内容から推測されるイベント内容とユーザ群の位置情報とに基づいて、イベント会場までの道のりにおけるデジタルサイネージに、イベントに対応する広告を配信して表示させる技術などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供する上で改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、第1特定部と、第2特定部と、推定部とを有する。第1特定部は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する。第2特定部は、第1特定部により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。推定部は、所定のエリアにおけるイベントに関するイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る移動傾向の変化原因の推定例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る位置情報記憶部に記憶される位置情報の概要を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るエリア情報記憶部に記憶されるエリア情報の概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るイベント情報記憶部に記憶されるイベント情報の概要を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置により実行される情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態または各変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[実施形態]
[1.実施形態に係るシステム構成]
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の概要を示す図である。
【0011】
まず、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の概要の説明に先駆けて、
図1を参照しつつ、実施形態に係る情報処理装置100を含む情報処理システムSYSの構成例について説明する。
【0012】
図1に示すように、情報処理システムSYSは、端末装置10と、管理者装置20と、情報処理装置100とを有している。端末装置10、管理者装置20、及び情報処理装置100は、有線または無線により、インターネットなどの所定のネットワーク(たとえば、
図4に示すネットワークN)に接続される。端末装置10、管理者装置20、及び情報処理装置100は、所定のネットワークを通じて相互に通信できる。なお、
図1に示す情報処理システムSYSの構成は一例であり、端末装置10-1や端末装置10-Nとは異なる他の端末装置が含まれていてもよいし、情報処理装置100とは異なる他の情報処理装置が含まれていてもよい。
【0013】
端末装置10は、各種オンラインサービスのサービス利用者である利用者UAにより使用される情報処理端末である。たとえば、各種オンラインサービスは、情報処理装置100の管理であるサービス事業者が運営するプラットフォームを通じて提供される。たとえば、端末装置10は、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現され得る。
図1によれば、利用者UA-1により使用される端末装置10-1および利用者UA-Nにより使用される端末装置10-Nがスマートフォンである場合が例示されている。
【0014】
以下の説明において、利用者UA-1や利用者UA-Nなどの各利用者を特に区別して説明する必要がない場合、利用者UAと総称して説明する。また、以下の説明において、端末装置10-1や端末装置10-Nなどの端末装置10を特に区別して説明する必要がない場合、端末装置10と総称して説明する。
【0015】
また、端末装置10は、無線通信を実行するための通信機能により、所定のネットワークに接続してもよい。たとえば、端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)や、4G(4th Generation:第4世代移動通信システム)や、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を実行するための通信機能を有していてもよい。
【0016】
また、端末装置10は、たとえば、情報処理装置100により提供されるウェブコンテンツを、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。なお、端末装置10は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0017】
利用者UAは、端末装置10を操作して、ウェブブラウザにより表示される各種オンラインサービスのウェブサイトやウェブコンテンツなどのサービス用コンテンツを利用できる。また、利用者UAは、各種オンラインサービスを利用するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「ユーザアプリ」と称する。)を情報処理装置100からダウンロードして、端末装置10にインストールしてもよい。この場合、利用者UAは、ユーザアプリを操作することにより、ユーザアプリ用に構成された各種オンラインサービスのサービス用コンテンツを利用できる。
【0018】
利用者UAは、各種オンラインサービスの利用に伴って、位置情報を含む各種情報を情報処理装置100にアップロードする。また、利用者UAが情報処理装置100にアップロードする情報は、歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead Reckoning:)による測位技術を利用して検出された端末装置10の位置や移動方位を示すPDR情報であってもよい。PDR情報として屋内の位置が測位される場合、高度や階数に関する情報が含まれていてもよい。
【0019】
管理者装置20は、情報処理装置100の管理者UBにより使用される情報処理端末である。管理者装置20は、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現され得る。
図1によれば、管理者装置20がノート型PCである場合が例示されている。
【0020】
また、管理者装置20は、無線通信を実行するための通信機能により、所定のネットワークに接続してもよい。たとえば、管理者装置20は、Bluetooth(登録商標)や、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を実行するための通信機能を有していてもよい。
【0021】
また、管理者装置20は、たとえば、情報処理装置100により提供されるウェブコンテンツを、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。なお、管理者装置20は、情報の表示処理を実現する制御情報を情報処理装置100などから受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0022】
管理者UBは、管理者装置20を操作して、各種オンラインサービスの各利用者の移動傾向の解析を要求する移動傾向解析要求を情報処理装置100に送信する。移動傾向解析要求には、たとえば、解析を要求する対象エリア(「所定のエリア」の一例)および対象期間(「所定期間」の一例)を示す情報が含まれる。なお、移動傾向解析要求には、解析対象となる利用者の属性を示す属性情報などの対象者を絞り込むための情報が含まれていてもよい。
【0023】
情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理として、各種オンラインサービスに関連する処理を実行する情報処理装置である。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。また、情報処理装置100がサーバ装置により実現される場合、単独のサーバ装置により実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0024】
また、情報処理装置100は、端末装置10との通信により、端末装置10に搭載されているセンサの検出結果を端末装置10から取得できる。センサの検出結果には、利用者UAの位置情報が含まれている。また、情報処理装置100は、管理者装置20との通信により、管理者装置20から移動傾向解析要求を受信する。
【0025】
情報処理装置100が利用者に提供する各種オンラインサービスには、インターネット接続や、検索サービスや、SNS(Social Networking Service)や、電子商取引サービスや、電子決済サービスや、オンラインゲームや、オンラインバンキングサービスや、オンライントレーディングサービスや、宿泊予約サービスや、チケット予約サービスや、動画配信サービスや、音楽配信サービスや、ニュース配信サービスや、地図情報サービスや、ルート検索サービスや、経路案内サービスや、路線情報サービスや、運行情報サービスや、天気情報サービスなどが含まれ得る。なお、各種オンラインサービスには、各種アプリケーションに対応するAPI(Application Programming Interface)サービスが含まれていてもよい。
【0026】
また、情報処理装置100は、以下に説明するように、実施形態に係る情報処理として、各種オンラインサービスのサービス利用者である各利用者の移動傾向を解析する移動傾向解析処理を実行す情報処理装置としても機能する。移動傾向解析処理は、各利用者の移動傾向の変化原因を推定する処理である。
【0027】
[2.実施形態に係る情報処理]
(2-1.情報処理の概要)
以下、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の概要について説明する。
【0028】
情報処理装置100は、位置情報記憶部121や、エリア情報記憶部122や、イベント情報記憶部123を有している。位置情報記憶部121は、各種オンラインサービスの利用に伴って、端末装置10からアップロードされる位置情報を利用者UAの位置履歴として記憶する。また、エリア情報記憶部122は、利用者UAが辿ったエリアを特定するために用いるエリア情報を記憶する。また、イベント情報記憶部123は、所定のエリアで関連するイベントに関するイベント情報を記憶する。
【0029】
また、情報処理装置100は、管理者UBから移動傾向解析要求を受け付けると、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する(ステップS01)。たとえば、情報処理装置100は、移動傾向解析要求に含まれる対象エリアに対応するエリア情報を取得する。また、情報処理装置100は、移動傾向解析要求に含まれる対象期間に基づいて複数の利用者UAの位置情報(またはPDR情報)を取得する。そして、情報処理装置100は、対象エリアとなる所定のエリアを構成する複数の小エリアに関するエリア情報と、複数の利用者UAの位置の推移を示す位置情報とに基づいて、複数の利用者UAが辿った小エリアの情報で構成される各移動パターンが全ての移動パターンに示す割合である占有率を所定期間ごとに算出する。情報処理装置100は、移動パターンに対応する利用者UAの有効人数に基づいて、移動パターンの占有率を算出できる。
【0030】
また、情報処理装置100は、複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する(ステップS02)。たとえば、情報処理装置100は、複数の利用者UAが辿った小エリアの各移動パターンの占有率の時系列変化に基づいて、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。
【0031】
また、情報処理装置100は、対象エリアに対応する所定のエリアに関連するイベントを示すイベント情報と、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、各利用者の移動傾向の変化原因を推定する(ステップS03)。たとえば、情報処理装置100は、所定のエリアで開催されたイベントの開催日時を示す情報と複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミング(たとえば、日付)とを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0032】
また、情報処理装置100は、イベントに関連する広告に関する広告情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、複数の利用者に対してイベントに関連する広告が行われたタイミングと、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。広告が行われたタイミングには、テレビ広告の放映時間や、ウェブ広告の配信日時などの情報が含まれていてもよい。
【0033】
また、情報処理装置100は、イベントに関連する商品に関する商品情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。たとえば、情報処理装置100は、イベントに関連する商品の変更に関する情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0034】
(2-1.移動傾向の変化原因の推定例)
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する移動傾向の変化原因の推定方法の一例について具体的に説明する。
図2は、実施形態に係る移動傾向の変化原因の推定例を説明するための図である。
【0035】
図2に示すように、情報処理装置100は、移動傾向解析要求に含まれる対象期間:「1月15日~2月14日」における各利用者UA(たとえば、利用者UA1~利用者UA-N)の位置情報を取得する(ステップS11)。
【0036】
また、情報処理装置100は、移動傾向解析要求に含まれる対象エリア:「エリアAX」を構成する複数の小エリアに関するエリア情報を取得し、取得したエリア情報と各利用者UAの位置の推移を示す位置情報とに基づいて、複数の利用者UAが辿った小エリアの移動パターンが全ての移動パターンに占める割合である占有率を所定期間ごとに算出する(ステップS12)。
図2では、対象エリアであるエリアAXが複数のエリアA、エリアB、エリアC、及びエリアDの複数の小エリアで構成されている例を示している。
【0037】
たとえば、情報処理装置100は、複数の利用者UAが辿った小エリアの移動パターンの占有率を日ごとに算出してもよいし、所定時間ごとに算出してもよい。また、情報処理装置100は、算出した移動パターンごとの占有率を整理する。
図2では、情報処理装置100が、対象期間:「1月15日~2月14日」における複数の利用者UAの各々の移動パターンの占有率を日ごとに算出し、算出した各移動パターンの占有率の日次の変化が所定の閾値未満(たとえば、3%未満)であった移動パターンを対応期間ごとにまとめて整理した例を示している。
【0038】
また、情報処理装置100は、各移動パターンの占有率の時系列変化に基づいて、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。
図2によれば、「1月15日~1月31日」までの期間と、「2月2日~2月14日」までの期間では、各移動パターンの占有率に大きな変化は見られないが、「2月1日」の各移動パターンの占有率は大きく変化している。そこで、
図2に示す場合、情報処理装置100は、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングとして、「2月1日」を特定する。
【0039】
また、情報処理装置100は、対象エリアであるエリアAXに対応するイベント情報を取得し、取得したイベント情報と、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、複数の利用者UAの移動傾向の変化原因となるイベントを推定する(ステップS13)。たとえば、
図2に示す場合、情報処理装置100は、エリアAXに対応するイベント情報を参照し、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定される「2月1日」のイベント情報を検索する。そして、情報処理装置100は、「2月1日」のイベントとして、「コンサート」、及び「試合(ボクシング)」の検索結果が取得された場合、これらのイベントを複数の利用者UAの移動傾向の変化原因として推定する。
【0040】
また、情報処理装置100は、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングに該当する複数のイベントが存在する場合、これらの複数のイベントの中から、移動傾向の変化原因となるイベントの絞り込みを実行してもよい。たとえば、情報処理装置100は、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミンの移動パターンの占有率の時間ごとの変化を算出する。そして、情報処理装置100は、複数の利用者UAの移動傾向が変化したと推定されるタイミングに該当する複数のイベントの開催時刻の情報と、移動パターンの占有率の時間ごとの変化とに基づいて、イベントの絞り込みを実行する。
【0041】
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定し、特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定し、所定のエリアに関連するイベントを示すイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定する。これにより、情報処理装置100は、管理者UBに対して、複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供できる。
【0042】
[3.実施形態に係る各装置の構成]
(3-1.端末装置10の構成)
図3を用いて、端末装置10の機能構成の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30と、記憶部40とを備える。
【0043】
(通信部11)
通信部11は、所定のネットワーク(たとえば、
図4に示すネットワークN)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0044】
(表示部12)
表示部12は、利用者Uが利用中のオンラインサービスに関する各種情報などを表示する表示デバイスにより実装される。たとえば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、利用者UAからのタッチ操作を受付可能なタッチスクリーンディスプレイにより構成されてもよい。
【0045】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスにより実装される。入力部13は、たとえば、文字や数字などを入力するためのボタンなどを有する。なお、上述の表示部12がタッチスクリーンディスプレイとして構成される場合、入力部13は表示部12の一部として実装されていてもよい。なお、入力部13は、利用者UAから音声入力を受け付ける音声入力機能を有していてもよい。
【0046】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(たとえば、緯度および経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは一例であり、GNSS(Global Navigation Satellite System)に含まれる他のシステムの衛星からの信号を受信可能に構成されていてもよい。
【0047】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。たとえば、測位部14は、位置補正のための補助的な測位手段として、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。また、測位部14は、位置の測位に際し、以下に説明する測位手段を組合せ利用してもよい。
【0048】
たとえば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位してもよい。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信などを行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0049】
たとえば、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。具体的には、測位部14は、Bluetooth機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0050】
たとえば、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0051】
たとえば、測位部14は、端末装置10によって決済などが行われた情報とともに、使用された位置に基づいて位置を測位してもよい。具体的には、端末装置10が駅改札や店舗などで使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済などが行われた情報とともに、使用された位置が記録される。そこで、測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位する。なお、この場合の位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサなどによって測位されてもよい。
【0052】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載される各種のセンサを含む。
図2に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。なお、上述の各センサ21~28は、端末装置10に搭載されるセンサの一例であり、センサ部20は、各センサ21~28のうちのいずれか一つまたは複数を備えてもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、
図3に例示する以外の視線検出センサや湿度センサなどのその他のセンサを備えていてもよい。
【0053】
加速度センサ21は、たとえば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、および、加速度などの端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度などに基づいて3軸方向の傾きなどの端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、たとえば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0054】
端末装置10は、上述の加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23などを備えることから、これらの各センサ21~23などを利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)などの技術を用いて端末装置10の位置を測位してもよい。これにより、GPSなどの測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0055】
また、端末装置10は、加速度センサ21を利用した歩数計により、利用者UAの歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、端末装置10は、ジャイロセンサ22を利用して、利用者UAの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、端末装置10は、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者UAが存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0056】
また、気温センサ24は、たとえば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、たとえば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、たとえば端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、たとえば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、たとえば端末装置10の周囲の画像を撮像する。たとえば、画像層センサ28は、利用者UAの顔画像を取得できる。
【0057】
端末装置10は、上述の気温センサ24などの検知結果に基づく端末装置10の周囲の環境や状況などから、端末装置10の位置の測位精度を向上できる。
【0058】
(制御部30)
制御部30は、たとえば、コントローラであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などのハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを備える。
【0059】
(送信部31)
送信部31は、たとえば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載された各センサ21~28によって検知された各種情報や、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報などを、通信部11を介して情報処理装置100へ送信できる。
【0060】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報処理装置100から提供される各種情報や、情報処理装置100からの各種情報の要求を受信できる。
【0061】
(処理部33)
処理部33は、表示部12などを含め、端末装置10全体を制御できる。たとえば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報処理装置100からの各種情報を表示部12へ出力することにより表示させる。
【0062】
(記憶部40)
記憶部40は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データなどが記憶される。
【0063】
(3-2.情報処理装置100の構成)
以下、実施形態に係る情報処理装置100の機能構成の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0064】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。情報処理装置100は、ネットワークNを介して、端末装置10などの他の装置との間で情報の送受信を行う。
【0065】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、制御部130による制御および演算に用いられるプログラムおよびデータを記憶する。たとえば、記憶部120は、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスクや光ディスクなどの記憶装置によって実現される。たとえば、記憶部120は、位置情報記憶部121と、エリア情報記憶部122と、イベント情報記憶部123とを有する。なお、記憶部120は、
図4に示す例には限られず、実施形態に係る情報処理を実行する上で必要となるデータなどを適宜記憶できる。
【0066】
(位置情報記憶部121)
位置情報記憶部121は、各種オンラインサービスの利用者(たとえば、利用者UAなど)に対する位置情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る位置情報記憶部121に記憶される位置情報の概要を示す図である。
【0067】
図5に示すように、位置情報記憶部121に記憶される位置情報は、「利用者ID」の項目や、「位置情報」の項目といった複数の項目を有している。位置情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0068】
「利用者ID」の項目には、各種オンラインサービスの利用者の各々を特定するための利用者識別情報である利用者IDが記憶される。「位置情報」の項目には、端末装置10において測位された利用者の各々の位置を示す位置情報が記憶される。
【0069】
(エリア情報記憶部122)
エリア情報記憶部122は、各種オンラインサービスの利用者が移動した所定のエリアを構成する複数の小エリアに関するエリア情報が記憶される。
図6は、実施形態に係るエリア情報記憶部122に記憶されるエリア情報の概要を示す図である。
【0070】
図6に示すように、エリア情報記憶部122に記憶されるエリア情報は、「対象エリア」の項目や、「構成エリア」の項目や、「座標情報」の項目といった複数の項目を有している。エリア情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0071】
「対象エリア」の項目には、各種オンラインサービスの利用者が移動し得る所定のエリアを示す情報が記憶される。「構成エリア」の項目には、所定のエリアを構成する小エリアに関する情報が記憶される。「座標情報」の項目には、小エリアの範囲を特定するための座標情報が記憶される。たとえば、「座標情報」の項目に記憶される座標情報は、端末装置10で測位された利用者の各々の位置情報と比較可能な情報であってもよい。
【0072】
(イベント情報記憶部123)
イベント情報記憶部123は、各種オンラインサービスの利用者が移動し得る所定のエリアに対応するイベントに関するイベント情報を記憶する。
図7は、実施形態に係るイベント情報記憶部123に記憶されるイベント情報の概要を示す図である。
【0073】
図7に示すように、イベント情報記憶部123に記憶されるイベント情報は、「エリア」の項目や、「日時」の項目や、「場所(位置)」の項目や、「イベント」の項目や、「広告」の項目や、「商品」の項目などといった複数の項目を有している。イベント情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
【0074】
図7に示すように、「エリア」の項目には、所定のエリアを示す情報が記憶される。「日時」の項目には、イベントが開催される日時を示す情報が記憶される。「場所(位置)」の項目には、イベントが開催される場所および位置を示す情報が記憶される。「イベント」の項目には、イベントの内容を示す情報が記憶される。「広告」の項目には、イベントに関連する広告に関する広告情報が記憶される。「商品」の項目には、イベントに関連する商品に関する商品情報が記憶される。商品情報には、商品の変更情報が含まれていてもよい。
【0075】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されてもよい。
【0076】
図3に示す制御部130は、第1特定部131と、第2特定部132と、推定部133とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する処理単位で複数の分割された内部構成を有していてもよい。また、制御部130は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよく、
図4に示す以外の他の機能部を有していもよい。
【0077】
(第1特定部131)
第1特定部131は、所定のエリアにおける複数の利用者(たとえば、利用者UAなど)の移動傾向を特定する。たとえば、第1特定部131は、所定のエリアを構成する複数の小エリアに関するエリア情報と、複数の利用者の位置の推移を示す位置情報とに基づいて、複数の利用者が辿った小エリアの情報で構成される各移動パターンが全ての移動パターンに占める割合(たとえば、占有率)を所定期間ごと(たとえば、日ごと)に算出してもよい。
【0078】
(第2特定部132)
第2特定部132は、第1特定部131により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。たとえば、第2特定部132は、複数の利用者が辿った小エリアの移動パターンが全ての移動パターンに占める割合(たとえば、占有率)の時系列変化に基づいて、移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定してもよい。
【0079】
(推定部133)
推定部133は、所定のエリアに対応するイベントに関するイベント情報と、複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定する。
【0080】
たとえば、推定部133は、所定のエリアで開催されたイベントの開催日を示す情報と、第2特定部132により特定された移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0081】
また、推定部133は、イベントに関連する広告に関する広告情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。たとえば、推定部133は、複数の利用者に対してイベントに関連する広告が行われたタイミングと、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。広告が行われたタイミングには、テレビ広告の放映時間や、ウェブ広告の配信日時などの情報が含まれていてもよい。
【0082】
また、推定部133は、イベントに関連する商品に関する商品情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。たとえば、推定部133は、イベントに関連する商品の変更に関する情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0083】
[4.実施形態に係る処理手順]
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置100により実行される情報提供処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130により実行される。
図8に示す処理手順は、情報処理装置100の稼働中、繰り返し実行される。
【0084】
図8に示すように、第1特定部131は、通信部110を通じて、管理者UB(
図1参照)から移動傾向解析要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。
【0085】
第1特定部131は、管理者UBから移動傾向解析要求を受け付けたと判定した場合(ステップS101;Yes)、移動傾向解析要求に含まれる対象エリアに対応するエリア情報を取得する(ステップS102)。
【0086】
また、第1特定部131は、移動傾向解析要求に含まれる対象期間に対応する各利用者の位置情報を取得する(ステップS103)。
【0087】
また、第1特定部131は、ステップS102で取得したエリア情報と、ステップS103で取得した位置情報とに基づいて、複数の利用者が辿った小エリアの情報で構成される各移動パターンの占有率を所定期間ごとに算出する(ステップS104)。
【0088】
また、第2特定部132は、ステップS104で算出した各移動パターンの占有率の時系列変化に基づいて、複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する(ステップS105)。
【0089】
また、推定部133は、対象エリアに対応するイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因となるイベントを推定する(ステップS106)。
【0090】
また、推定部133は、通信部110を通じて、ステップS106において、移動傾向の変化原因と推定したイベントに関する情報を、通信部110を通じて、管理者装置20に送信することにより、管理者UBに提供して(ステップS107)、
図8に示す処理手順を終了する。
【0091】
上述のステップS101において、第1特定部131は、管理者UBから移動傾向解析要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS101;No)、
図8に示す処理手順を終了する。
【0092】
[5.変形例]
本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムは、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、上記実施形態の変形例について説明する。
【0093】
(5-1.利用者ごとの移動傾向に基づく移動傾向の変化原因の推定について)
上記実施形態において、情報処理装置100は、利用者ごとの移動傾向に基づく移動傾向の変化原因の推定を行ってもよい。
【0094】
たとえば、第1特定部131は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を利用者ごとに複数回特定する。つまり、第1特定部131は、平日の午前および午後、又は休日の午前および午後などの日々の生活における利用者の移動傾向を利用者ごとに継続して特定する。そして、第1特定部131は、利用者ごとに継続して特定した利用者の移動傾向に関する情報を記憶部120に記録しておく。
【0095】
また、第2特定部132は、第1特定部131により利用者ごとに複数回特定された移動傾向の特定結果に基づいて、利用者ごとに移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。たとえば、第2特定部132は、移動傾向の特定結果から、平日の午前および午後、又は休日の午前および午後などの所定のタイミングに対応する規則的な移動パターンを利用者ごとに特定する。また、第2特定部132は、移動傾向の特定結果から、所定のタイミングごとに特定した規則的な移動パターンとは異なる変則的な移動パターンを利用者ごとに特定する。そして、第2特定部132は、変則的な移動パターンが特定されたタイミングを利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングとして利用者ごとに特定する。
【0096】
また、推定部133は、所定のエリアに対応するイベントに関するイベント情報と、利用者ごとに特定された移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を利用者ごとに推定する。たとえば、推定部133は、イベント情報に含まれるイベントの開催日時と、対象となる利用者について特定した移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを比較して、対象となる利用者の移動傾向の変化原因を推定する。推定部133は、他の利用者についても同様に、移動傾向の変化原因を推定する。
【0097】
このように、情報処理装置100は、利用者の規則的な移動パターンとは異なる変則的な移動パターンから、移動傾向の変化原因を利用者ごとに推定できる。たとえば、情報処理装置100は、所定のエリアが小売店などの店舗の内部であれば、該当店舗内で催される試食販売や特売などのイベントを変化原因として推定できる。また、情報処理装置100は、変化原因が試食販売であると推定された利用者の人数により、試食販売を行った販売人のパフォーマンスを判定することもできる。
【0098】
(5-2.システム構成について)
上記実施形態では、実施形態に係る情報処理システムSYSが、各種オンラインサービスに関連する処理を実行する情報処理装置として機能するとともに、実施形態に係る情報処理として、各種オンラインサービスのサービス利用者である各利用者の移動傾向を解析する移動傾向解析処理を実行す情報処理装置としても機能する情報処理装置100を有する例を説明した。しかしながら、この例には特に限定される必要はなく、実施形態に係る情報処理システムSYSは、移動解析処理を実行する情報処理装置としてのみ機能する情報処理装置100と、各種オンラインサービスに関連する処理を実行する他の情報処理装置とをそれぞれ有して構成されていてもよい。
【0099】
(5-3.適用サービスについて)
また、実施形態に係る情報処理装置100により実行される上述の情報処理は、経路案内サービス以外の他のサービスにも適用できる。たとえば、所定の行動を促す(または、指示する)行動指示情報を利用者Uに提供するサービスであれば、どのようなサービスに適用してもよい。この場合、情報処理装置100は、上記実施形態と同様に、行動指示情報を提供した後の利用者Uの行動の内容に基づいて、行動指示情報を利用者Uに提供する他のサービスを評価できる。具体例を示せば、情報処理装置100は、料理のレシピ情報を提供サービスにおいて、利用者Uにより参照される参照回数が所定の閾値未満であるレシピ情報を、参照回数が所定の閾値以上であるレシピ情報よりも相対的に高く評価できる。すなわち、情報処理装置100は、レシピ情報を参照したり、操作したりする回数が少ないほど、レシピ情報を高く評価できる。
【0100】
[6.効果]
実施形態に係る情報処理装置100は、第1特定部131と、第2特定部132と、推定部133とを有する。第1特定部131は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定する。第2特定部132は、第1特定部131により特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定する。推定部133は、所定のエリアに関連するイベントを示すイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定する。
【0101】
また、第1特定部131は、所定のエリアを構成する複数の小エリアに関するエリア情報と、複数の利用者の位置の推移を示す位置情報とに基づいて、複数の利用者が辿った小エリアの情報で構成される各移動パターンが全ての移動パターンに占める割合を所定期間ごとに算出してもよい。第2特定部132は、複数の利用者に対応する各移動パターンが全ての移動パターンに占める割合の時系列変化に基づいて、移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定してもよい。推定部133は、所定のエリアで開催されたイベントの開催日を示す情報と、第2特定部132により特定された移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0102】
また、推定部133は、イベントに関連する広告に関する広告情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0103】
また、推定部133は、イベントに関連する商品に関する商品情報を含むイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとを突合して、移動傾向の変化原因となるイベントを推定してもよい。
【0104】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、上述した各部により実行される処理、又は各部により実行される処理のいずれかの組合せにより、たとえば、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を特定し、特定された複数の利用者の移動傾向が変化したと推定されるタイミングを特定し、所定のエリアに関連するイベントを示すイベント情報と、移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を推定できる。これにより、管理者UBに対して、複数の利用者の移動傾向の変化原因を推察するための情報を提供できる。
【0105】
また、第1特定部131は、所定のエリアにおける複数の利用者の移動傾向を利用者ごとに複数回特定してもよい。また、第2特定部132は、第1特定部131により利用者ごとに複数回特定された移動傾向の特定結果に基づいて、移動傾向が変化したと推定されるタイミングを利用者ごとに特定してもよい。推定部133は、所定のエリアに対応するイベントに関するイベント情報と、利用者ごとに特定された移動傾向が変化したと推定されるタイミングとに基づいて、移動傾向の変化原因を利用者ごとに推定してもよい。
【0106】
[7.ハードウェア構成]
また、上述してきた実施形態および各変形例に係る情報処理装置は、たとえば、
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、実施形態及び各変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0107】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0108】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0109】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USBなどにより実現される。
【0110】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0111】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0112】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0113】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0114】
[8.その他]
上記実施形態などにおいて説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0116】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0117】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0118】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0119】
N ネットワーク
SYS 情報処理システム
10 端末装置
20 管理者装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 位置情報記憶部
122 エリア情報記憶部
123 イベント情報記憶部
130 制御部
131 第1特定部
132 第2特定部
133 推定部