(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131798
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042266
(22)【出願日】2023-03-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 ▲隆▼顕
(72)【発明者】
【氏名】栗原 親史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB22
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】不正に購入される商品を推定すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、取得部と、受付部と、評価部とを備える。取得部は、出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する。受付部は、取得部によって取得された伝票番号を基に配送業者から商品の配送状況を受け付ける。評価部は、受付部によって受け付けられた配送状況に基づく出品者の配送態様に応じて出品者を評価する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した前記配送態様と前記発送業者から受け付けた前記発送状況との比較結果に基づいて前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した前記配送態様と前記配送業者から受け付けた前記配送状況が異なる場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、
前記出品者によって発送された複数の商品の発送状況に基づいて、前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した期限までに前記商品を発送しなかった場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価部は、
前記伝票番号が前記配送業者に登録されていないと判定された場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記評価部は、
前記出品者による配送依頼元が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価部は、
前記出品者による配送依頼先が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
前記出品者が配送を依頼する際に前記配送業者が発行した前記伝票番号を取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、
前記出品者に対して前記配送業者があらかじめ発行した前記伝票番号を取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネットを介した販売が盛んに行われている。例えば、電子商店街の健全な運営を目的として、各出品者を評価する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、出品者を適切に評価するうえで改善の余地があった。例えば、従来術技術では、各出品者が商品を発送する際の発送態様に基づいて、出品者を評価することについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出品者を適切に評価することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、出品者を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る出品者情報記憶部に格納する情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る出品情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る発送方法記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る注文情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る評価処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、実施形態に係る情報処理は、
図1に示す情報処理装置1によって実現される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、各種ECサイトを運営する情報処理装置である。各種ECサイトは、ネットショッピング、ネットオークション、フリーマーケット等を含む。
【0012】
情報処理装置1は、ECサイトを通じて、出品者SHから出品された商品をユーザUに対して販売する。なお、情報処理装置1は、例えば、クラウドシステムやサーバによって実現される。
【0013】
図1に示すユーザ端末100は、ユーザUが所有する端末装置である。例えば、ユーザUは、ユーザ端末100を操作し、各種ECサイトを通じて出品者SHによって出品された商品を購入することができる。なお、
図1では、ユーザ端末100がスマートフォンである場合を例示しているが、ユーザ端末100は、PC(Personal computer)など、その他の機器であってもよい。
【0014】
図1に示す配送業者データベース200は、配送業者が所有するデータベースであり、配送業者が集荷した荷物の配送状況を管理するデータベースである。
【0015】
図1に示すように、情報処理装置1は、ユーザUから商品の注文を受け付けると(ステップS1)、該当する出品者SHに対して、注文情報を通知する(ステップS2)。注文情報は、注文された商品、注文個数、注文日時、注文者、配送先等に関する情報を含む。
【0016】
出品者SHは、注文情報を受けて、配送業者を通じて商品を指定された配送先へ発送する(ステップS3)。つづいて、情報処理装置1は、出品者から伝票番号を取得する。なお、伝票番号は、配送業者が商品の配送状況を管理するための番号である。
【0017】
情報処理装置1は、出品者SHから受け取った伝票番号を基に、出品者SHが発送した商品の配送状況を配送業者データベース200から取得する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、商品の配送完了するまで、所定の周期で配送状況を配送業者データベース200から取得する。
【0018】
その後、情報処理装置1は、配送状況に基づいて、出品者SHを評価する。例えば、情報処理装置1は、出品者SHが予め出品時に登録した商品の発送態様と、実際の発送態様との齟齬に応じて、出品者SHを評価する。
【0019】
具体的には、出品者SHが「入金確認後、2日以内に商品を発送します」と登録し、商品を出品していたとする。この場合に、例えば、3日後以降に商品の発送が行われた場合、情報処理装置1は、出品者SHの評価を下げる。
【0020】
また、他の例として、出品者SHが「冷凍配送」として商品を出品していた場合に、実際には、「冷蔵配送」だった場合、情報処理装置1は、出品者SHの評価を下げる。また、情報処理装置1は、出品者SHが予め出品時に登録した商品の発送態様と、実際の発送態様との齟齬がない場合には、出品者SHの評価を上げる。
【0021】
また、情報処理装置1は、出品者SHから取得した伝票番号が配送業者データベース200に登録されていない場合、すなわち、配送業者データベース200に伝票番号が存在しない場合、出品者SHの評価を下げる。この場合、出品者SHは、情報処理装置1に対して偽の伝票番号を登録し、商品を発送したと見せかけることで、商品の決済を進めさせる等の悪用が考えられる。そのため、この場合、情報処理装置1は、出品者SHの評価を下げる対応に加え、さらに、注文事態をキャンセルするようにしてもよい。
【0022】
また、ECサイトによる発注先は全国各地に分散することが想定される。これに対し、特定の出品者SHによる発送先のラストワンマイル配送会社営業拠点が特定地域に集中している場合、マネーロンダリング等の不正を行っている可能性が示唆される。
【0023】
そのため、情報処理装置1は、各出品者SHによる発送先(ラストワンマイル配送会社営業拠点)の分散度を算出し、分散度が閾値以下、すなわち、特定地域に集中している場合、出品者SHを調査対象としてリストアップしてもよい。
【0024】
これにより、出品者SHによるECサイトの悪用を防ぐことができるので、より健全なECサイトの運営を行うことができる。
【0025】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、出品者SHから取得した伝票番号を基に配送業者データベース200から配送状況を取得し、出品者SHが登録した発送態様と、実際の発送態様とに応じて出品者SHを評価する。
【0026】
これにより、実施形態に係る情報処理装置1は、出品者SHを適切に評価することができる。なお、ここでは、発送態様に基づいて出品者SHを評価する場合について説明したが、情報処理装置1は、発送態様に基づく出品者SHの評価を一つの指標として、出品者SHに対する口コミなど、その他の指標に基づく出品者SHの評価を総合的に考慮し、出品者SHを評価するようにしてもよい。
【0027】
〔2.情報処理装置〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0028】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部2は、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、ユーザ端末100、出品者端末、配送業者データベース200などの各々との間で情報の送受信を行う。
【0029】
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部3は、出品者情報記憶部31と、出品情報記憶部32と、配送方法記憶部33と、注文情報記憶部34とを備える。
【0030】
出品者情報記憶部31は、出品者SHに関する各種情報を記憶する。
図3は、実施形態に係る出品者情報記憶部31に格納する情報の一例を示す図である。
図3に示すように、出品者情報記憶部31は、「出品者ID」、「名称」、「URL」、「評価」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0031】
「出品者ID」項目には、各出品者SHを識別するための識別子が格納される。「名称」項目には、対応する出品者IDによって識別される出品者SHの名称に関する情報が格納される。
【0032】
「URL」項目には、対応する出品者IDによって識別される出品者SHの販売ページのURLに関する情報が格納される。「評価」項目には、対応する出品者IDによって識別される出品者SHに対する評価に関する情報が格納される。
【0033】
図2の説明に戻り、出品情報記憶部32について説明する。出品情報記憶部32は、出品情報を記憶する。出品情報は、出品者SHがECサイトへ出品した商品に関する情報を含む。
【0034】
図4は、実施形態に係る出品情報記憶部32に格納される情報の一例を示す図である。
図4に示すように、出品情報記憶部32は、「商品ID」、「出品者ID」、「商品情報」、「発送日数」、「発送方法ID」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0035】
「商品ID」項目には、出品された商品を識別するための識別子が格納される。「出品者ID」項目には、対応する商品IDによって識別される商品の出品者SHを識別するための識別子が格納される。
【0036】
「商品情報」項目には、対応する商品IDによって識別される商品に関する情報が格納される。商品情報は、商品名、販売価格、商品の状態、在庫数、商品レビュー等を含む。「発送日数」項目には、ユーザが商品を購入後に商品が発送されるまでの日数に関する情報が格納される。「発送方法ID」項目には、商品の発送方法を識別するための情報が格納される。なお、発送方法IDに対応する発送方法の具体例については、
図5を用いて後述する。
【0037】
図2の説明に戻り、配送方法記憶部33について説明する。配送方法記憶部33は、発送方法に関する情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る配送方法記憶部33に格納される情報の一例を示す図である。
【0038】
図5に示すように、配送方法記憶部33は、「発送方法ID」、「配送業者」、「配送タイプ」、「配送所要時間」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「発送方法ID」項目には、各配送方法を識別するための識別子が格納される。
【0039】
「配送業者」は、対応する発送方法IDによって識別される配送方法の配送業者に関する情報が格納される。「配送タイプ」項目には、対応する発送方法IDによって識別される配送方法の配送タイプに関する情報が格納される。
【0040】
図5では、配送タイプとして、対面受渡しやポスト投函を例示しているが、これに限定されるものではない。「配送所要時間」項目には、対応する発送方法IDによって識別される配送方法の配送所要時間に関する情報が格納される。配送所要時間は、出品者SHが商品を配送業者へ受渡してから、ユーザUのもとに届くまでに要する時間である。例えば、配送所要時間は、出品者SHの住所に基づいて算出される。
【0041】
図2の説明に戻り、注文情報記憶部34について説明する。注文情報記憶部34は、注文情報を記憶する。注文情報は、ECサイトを通じてユーザが注文した商品に関する情報である。
【0042】
図6は、実施形態に係る注文情報記憶部34に格納される情報の一例を示す図である。
図6に示すように、注文情報記憶部34は、「注文ID」、「出品者ID」、「商品情報」、「発送先」、「注文日時」、「伝票番号」、「発送方法ID」、「発送ステータス」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0043】
「注文ID」項目には、ECサイトで行われた各注文を識別するための識別子に関する情報が格納される。「出品者ID」項目には、対応する注文IDによって識別される注文の受注者となる出品者SHを識別するための識別子に関する情報が格納される。
【0044】
「商品情報」項目には、注文された商品に関する情報が格納される。「発送先」項目には、注文された商品の配送先に関する情報が格納される。「注文日時」項目には、注文が行われた日時に関する情報が格納される。「伝票番号」項目には、配送業者による伝票番号に関する情報が格納される。「発送方法ID」項目には、発送方法を識別するための識別子に関する情報が格納される。「発送ステータス」項目には、現在の配送状況に関する情報が格納される。
【0045】
図2の説明に戻り、制御部4について説明する。制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0046】
図2に示すように、制御部4は、仲介処理部41と、取得部42と、受付部43と、評価部44とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部4が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0047】
仲介処理部41が、ECサイトにおける商品の売買を仲介する。例えば、仲介処理部41は、出品者SHから商品の販売を受け付けるとともに、ユーザUに対して出品者SHが出品した商品を販売する。
【0048】
また、仲介処理部41は、ユーザUが商品を購入すると、注文情報を注文情報記憶部34に登録するとともに、出品者SHに対して注文情報を通知する。また、仲介処理部41は、注文された商品の決済処理等に関する各種処理を行う。
【0049】
また、仲介処理部41は、例えば、後述する評価部44による出品者SHの評価に応じて、ECサイトに掲載する商品の商品順序を決定するようにしてもよく、評価が低い出品者SHの出品を停止するようにしてもよい。
【0050】
取得部42は、出品者SHが配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する。例えば、出品者SHは、配送業者へ商品を受渡し後、所定の入力ツールを通じて伝票番号を情報処理装置1へ通知する。
【0051】
取得部42は、かかる入力ツールを通じて伝票番号を取得する。取得部42は、注文情報記憶部34に取得した伝票番号を登録する。なお、伝票番号は、出品者SHが配送を依頼する際に配送業者によって発行されたものであってもよく、出品者SHに対して予め配送業者が発行したものであってもよい。例えば、発送業者にとって大口の顧客である出品者SHには、配送業者が伝票番号が予め発行される場合がある。
【0052】
受付部43は、取得部42によって取得された伝票番号を基に配送業者から商品の配送状況を受け付ける。具体的には、受付部43は、伝票番号をキーとして配送業者の配送業者データベース200(
図1参照)に対して問い合わせを行い、かかる伝票番号の商品の配送状況を受け付ける。
【0053】
例えば、受付部43は、商品が配送先に配送されるまでの期間、所定の周期で配送状況を受け付ける。また、受付部43は、受け付けた配送状況に基づいて、注文情報記憶部34の「配送ステータス」(
図6参照)を更新する。また、例えば、受付部43は、伝票番号が配送業者データベース200に登録されていない場合には、「配送ステータス」をエラーとして登録を行う。
【0054】
評価部44は、受付部43によって受け付けられた配送状況に基づいた出品者の配送態様に応じて出品者を評価する。例えば、配送態様は、運送会社、発送タイプ、配送までに掛かった日数、商品の梱包状態等が含まれる。
【0055】
この際、例えば、評価部44は、ECサイトの倉庫から直接商品が発送される場合には、出品者SHを評価しないようにしてもよい。また、評価部44は、商品が予約販売である場合、あるいは、商品が取り寄せ販売である場合には、商品の販売日時以降、あるいは、商品の取り寄せ後に、出品者SHの評価を開始するようにしてもよい。
【0056】
評価部44は、出品者SHがあらかじめ登録した発送態様と配送業者から受け付けた配送状況が異なる場合に、出品者SHの評価を下げる。具体的には、まず、評価部44は、出品情報記憶部32に登録された配送方法IDを基に、配送方法記憶部33から出品者SHが登録した商品の発送方法を特定する。
【0057】
つづいて、評価部44は、受付部43によって受け付けれた実際の商品の発送状況が出品者SHが登録した商品の発送方法と合致するか否かを判定し、判定結果に応じて、出品者SHの評価を行う。
【0058】
例えば、評価部44は、出品者SHがあらかじめ登録した期限までに商品を発送しなかった場合に、出品者の評価を下げる。ここでの期限は、「注文後何日以内に発送」など、出品者SHが商品の出品時に予め登録した発送までの日時である。
【0059】
この場合、評価部44は、かかる期限までに商品が出品者SHから配送業者へ受け渡されなかった場合、例えば、配送業者データベース200に登録されなかった場合に、出品者SHの評価を下げることになる。
【0060】
なお、例えば、天候等によって配送業者による配送が遅延することがある。そのため、評価部44は、発送期限までに出品者SHが発送を行ったか否かについて出品者SHを評価し、商品が到着した日時については出品者SHの評価対象から除外するようにしてもよい。
【0061】
また、評価部44は、伝票番号がエラーである場合についても、出品者SHの評価を下げる。例えば、エラーの原因として出品者SHが適当な伝票番号を入力したことが考えられる。
【0062】
例えば、この場合、評価部44は、取得部42を通じて、正しい伝票番号を出品者SHから取得し、かかる伝票番号がエラーであった場合に、出品者SHの評価を下げるようにしてもよい。
【0063】
また、評価部44は、出品者SHによる配送依頼元や出品者SHによる配送依頼先に基づいて、出品者SHの評価を行うようにしてもよい。例えば、通常であれば、同じ出品者SHであれば、同じ拠点から商品が出品されるため、配送依頼元は同じになる。
【0064】
これに対し、同じ出品者SHであっても配送依頼元が点在する場合には、複数の出品者SHが同一の出品者名義で商品を配送している可能性がある。そのため、評価部44は、出品者SHごとに配送依頼元を集計し、配送依頼元が閾値を超えて点在している場合、出品者SHの評価を下げる。
【0065】
また、複数のユーザUによって商品が購入される場合、通常であれば配送依頼先も点在することになる。これに対し、例えば、出品者SHによって配送された商品の配送依頼元が集中している場合、不正な注文が含まれる可能性がある。
【0066】
そのため、評価部44は、出品者SHごとに配送依頼先を集計し、配送依頼先が閾値を超えて点在している場合、出品者SHの評価を下げる。
【0067】
このように、評価部44は、配送依頼元や配送依頼先に基づいて出品者SHの評価を行うことで、出品者SHによるECサイトの悪用を抑制することができる。
【0068】
また、評価部44は、例えば、出品者SHによる商品の梱包状態に応じて出品者SHを評価するようにしてもよい。例えば、評価部44は、梱包が悪く商品が破損していた場合、梱包材が破れていた場合等に、出品者SHの評価を下げる。
【0069】
この場合、評価部44は、例えば、商品を受け取ったユーザUによる配送業者や、ECサイトのカスタマーサービスへの問い合わせ等に基づき、商品の梱包に基づいた出品者SHの評価を行うことができる。
【0070】
そして、評価部44は、個別の商品の発送状況に関する出品者SHの評価を終えると、出品者SHごとに発送状況に関する総合評価を行う。例えば、総合評価は、5点満点で行われる。
【0071】
この際、評価部44は、例えば、ユーザレビューなど、その他の評価指標を用いて、総合評価を行うようにしてもよい。そして、評価部44は、総合評価の結果を出品者情報記憶部31に登録する。
【0072】
〔3.処理フロー〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る評価処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理は、商品の販売毎に繰り返し実行される。
【0073】
図7に示すように、情報処理装置1は、ユーザUに対して商品を販売し(ステップS101)、出品者SHに対して商品の発送依頼を行う(ステップS102)。つづいて、情報処理装置1は、出品者SHから伝票番号を取得する(ステップS103)。
【0074】
つづいて、情報処理装置1は、伝票番号を基に、商品の配送状況を取得する(ステップS104)。つづいて、情報処理装置1は、商品が発送完了したか否かを判定し(ステップS105)、発送完了していた場合(ステップS105;Yes)、ステップS105へ進み、発送完了していなかった場合(ステップS105;No)、ステップS104の処理を行う。
【0075】
つづいて、情報処理装置1は、出品者SHが予め登録した配送条件と、伝票番号に基づき取得した発送状況とを比較する(ステップS106)。そして、情報処理装置1は、ステップS106の比較結果に応じて、出品者SHを評価し(ステップS107)、処理を終了する。
【0076】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、情報処理装置1が、商品の配送状況に基づいて、出品者SHを評価する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、各出品者SHの商品の発送状況に基づき、商品を評価するようにしてもよい。
【0077】
具体的には、情報処理装置1は、商品ごとに発送状況を集計し、その集計結果に基づき、正常に発送されやすい商品、遅延などのトラブルが発生しやすい商品等を判別するようにしてもよい。
【0078】
〔5.効果〕
実施形態に係る情報処理装置1は、出品者SHが配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得部42と、取得部42によって取得された伝票番号を基に配送業者から商品の配送状況を受け付ける受付部43と、受付部43によって受け付けられた配送状況に基づいた出品者の配送態様に応じて出品者を評価する評価部44とを備える。
【0079】
また、評価部44は、出品者があらかじめ登録した発送態様に基づいて出品者を評価し、出品者SHがあらかじめ登録した発送態様と配送業者から受け付けた配送状況が異なる場合に、出品者SHの評価を下げる。
【0080】
また、評価部44は、出品者SHによって発送された複数の商品の発送状況に基づいて、出品者SHを評価する。また、評価部44は、出品者SHがあらかじめ登録した期限までに商品を発送しなかった場合に、出品者SHの評価を下げる。
【0081】
また、評価部44は、伝票番号が配送業者に登録されていないと判定された場合に、出品者SHの評価を下げる。また、評価部44は、出品者SHによる配送依頼元が点在するか否かに応じて出品者SHを評価する。
【0082】
また、評価部44は、出品者SHによる配送依頼先が点在するか否かに応じて出品者SHを評価する。また、評価部44は、出品者SHによる配送依頼元が点在するか否かに応じて出品者SHを評価する。
【0083】
また、取得部42は、出品者SHが配送を依頼する際に配送業者が発行した伝票番号を取得する。また、取得部42は、出品者SHに対して配送業者があらかじめ発行した伝票番号を取得する。
【0084】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、出品者を適切に評価することができる。
【0085】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0086】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0087】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0088】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(
図8では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0089】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0090】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0092】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0093】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0094】
例えば、上述した情報処理装置は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0095】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0096】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0097】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 出品者情報記憶部
32 出品情報記憶部
33 配送方法記憶部
34 注文情報記憶部
41 仲介処理部
42 取得部
43 受付部
44 評価部
100 ユーザ端末
200 配送業者データベース
SH 出品者
U ユーザ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価部と
を備え、
前記評価部は、
前記出品者による配送依頼元が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価部と
を備え、
前記評価部は、
前記出品者による配送依頼先が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した前記配送態様と前記配送業者から受け付けた前記配送状況との比較結果に基づいて前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した前記配送態様と前記配送業者から受け付けた前記配送状況が異なる場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、
前記出品者によって発送された複数の商品の発送状況に基づいて、前記出品者を評価すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価部は、
前記出品者があらかじめ登録した期限までに前記商品を発送しなかった場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記評価部は、
前記伝票番号が前記配送業者に登録されていないと判定された場合に、前記出品者の評価を下げること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記出品者に対して前記配送業者があらかじめ発行した前記伝票番号を取得すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価工程と
を含み、
前記評価工程は、
前記出品者による配送依頼元が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価手順と
をコンピュータに実行させ、
前記評価手順は、
前記出品者による配送依頼元が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付工程と、
前記受付工程によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価工程と
を含み、
前記評価工程は、
前記出品者による配送依頼先が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
出品者が配送業者へ商品の配送を依頼する際の伝票番号を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記伝票番号を基に前記配送業者から前記商品の配送状況を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた前記配送状況に基づく前記出品者の配送態様に応じて前記出品者を評価する評価手順と
をコンピュータに実行させ、
前記評価手順は、
前記出品者による配送依頼先が点在するか否かに応じて前記出品者を評価すること
を特徴とする情報処理プログラム。