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特開2024-131812情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131812
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042284
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 知紘
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】利用者に対して適切な飲食物を提案することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、第1利用者が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得部と、取得部によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定部と、特定部によって特定された変遷の特徴に基づいて、第2利用者に対して第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う提案部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1利用者が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記飲食履歴情報に基づいて、前記第1利用者によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記変遷の特徴に基づいて、第2利用者に対して前記第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う提案部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提案部は、
前記第2利用者に対して所定の飲食物を前記第1利用者に提供するか否かの提案を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提案部は、
前記第2利用者に対して前記第1利用者が所望すると推定される飲食物の提案を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記取得部によって取得された前記飲食履歴情報に基づいて、前記第1利用者が摂取した前記飲食物のカテゴリの変遷の特徴を学習した推定モデルを生成する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2利用者から提供飲食物の候補のカテゴリの指定を第1カテゴリの指定として受け付ける受付部を備え、
前記提案部は、
前記特定部によって特定された前記カテゴリの変遷の特徴に基づいて、前記第1利用者が将来摂取を所望する飲食物のカテゴリを第2カテゴリとして推定し、前記第1カテゴリと前記第2カテゴリとの比較結果に基づいて、前記第2利用者に対して前記第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提案部は、
前記第1カテゴリと前記第2カテゴリとが一致するか否かに基づいて、前記提供飲食物の候補を前記第2利用者に対して提案するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提案部は、
前記第1カテゴリと前記第2カテゴリとが一致しない場合、前記第2カテゴリまたは前記第2カテゴリの飲食物を前記第2利用者に提案する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提案部は、
前記第1カテゴリと前記第2カテゴリとが一致せず且つ前記第1カテゴリが前記第1利用者によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、前記第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、前記提供飲食物の候補を前記第2利用者に対して提案するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提案部は、
前記第1カテゴリと前記第2カテゴリとが一致せず且つ前記第1カテゴリが前記第1利用者によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、前記第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に加えて、さらに前記第1利用者の体調に基づいて、前記提供飲食物の候補を前記第2利用者に対して提案するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特定部は、
前記推定モデルを前記第1利用者の状態毎に生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特定部は、
前記推定モデルを複数の前記第1利用者を含むグループ毎に生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1利用者が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記飲食履歴情報に基づいて、前記第1利用者によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定された前記変遷の特徴に基づいて、第2利用者に対して前記第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う提案工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
第1利用者が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記飲食履歴情報に基づいて、前記第1利用者によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定手順と、
前記特定手順によって特定された前記変遷の特徴に基づいて、第2利用者に対して前記第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う提案手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、献立を提案する献立提案システムが知られている。例えば、特許文献1には、食材の在庫情報に基づいて、利用者に提案する献立を選択し、選択した献立を利用者に提案する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-182283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、例えば、利用者が食べ飽きている飲食物などが利用者に提案されてしまうといった課題があり、改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して適切な飲食物を提案することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、第1利用者が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得部と、取得部によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定部と、特定部によって特定された変遷の特徴に基づいて、第2利用者に対して第1利用者に提供する飲食物に関する提案を行う提案部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者に対して適切な飲食物を提案することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、複数の端末装置2と連携し、オンラインで各種の情報を複数の利用者Uに提供する情報処理装置であり、例えば、1以上のサーバまたはクラウドシステムなどにより実現される。
【0012】
端末装置2の利用者Uは、他の利用者Uに対して飲食物を提供する。図1に示す例では、他の利用者Uを第1利用者U1とし、端末装置2の利用者Uを第2利用者U2として表している。情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1が所望すると推定される飲食物を提案する飲食物提案サービスを提供する。
【0013】
まず、情報処理装置1は、第1利用者U1が過去に摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を内部の記憶部または外部のサーバなどから取得する(ステップS1)。
【0014】
飲食履歴情報は、第1利用者U1または第2利用者U2によって登録された情報であるが、第1利用者U1または第2利用者U2による食材の購入履歴や第1利用者U1または第2利用者U2による飲食物の購入履歴などに基づいて、第1利用者U1が摂取したと推定された飲食物の履歴の情報であってもよく、これらの情報を含んでいてもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS1の処理において取得した飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する(ステップS2)。以下において、第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を飲食変遷特徴と記載する場合がある。
【0016】
情報処理装置1は、例えば、ステップS2の処理において取得した飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1の飲食変遷特徴を機械学習によって特定する。例えば、情報処理装置1は、ステップS1の処理において取得した飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1の飲食変遷特徴を学習した推定モデルを生成する。
【0017】
情報処理装置1によって生成される推定モデルは、第1利用者U1が過去に摂取した飲食物に関する情報を入力とし、第1利用者U1が次以降に所望すると推定される飲食物に関する情報を出力とするモデルである。
【0018】
情報処理装置1は、例えば、推定モデルを第1利用者U1の状態毎に生成することができる。第1利用者U1の状態は、例えば、体調が悪い状態、体調が良い状態、悪い感情の状態、良い感情の状態などであるが、かかる例に限定されない。悪い感情は、例えば、怒り、恐れ、悲しみなどであり、良い感情は、例えば、楽しみ、喜びなどである。
【0019】
また、情報処理装置1は、推定モデルを複数の第1利用者U1を含むグループ毎に生成することもできる。グループは、例えば、属性が共通する第1利用者U1のグループであり、例えば、性別、年齢、居住地、職業、年収などの組み合わせが共通する第1利用者U1のグループ、または飲食物の嗜好が共通する第1利用者U1のグループなどである。
【0020】
飲食物の嗜好が共通する第1利用者U1のグループは、例えば、予め定められた期間において摂取した飲食物が類似する第1利用者U1のグループ、または予め定められた期間において摂取した飲食物のカテゴリが類似する第1利用者U1のグループなどである。
【0021】
情報処理装置1は、例えば、第1利用者U1が摂取した飲食物のカテゴリの変遷の特徴を学習した推定モデルを生成する。かかる推定モデルは、第1利用者U1が過去に摂取した飲食物のカテゴリの情報を特徴量として入力し、第1利用者U1が次以降に所望すると推定される飲食物のカテゴリの情報を出力とするモデルである。
【0022】
飲食物のカテゴリは、例えば、脂っぽい、さっぱり、味が濃い、甘い、辛い、酸っぱい、苦いなどといった味覚で分類されたカテゴリであるが、かかる例に限定されない。例えば、飲食物のカテゴリは、柔らかい、硬い、トロトロ、モチモチ、サクサクなどといった食感による分類であってもよく、味覚と食感との組み合わせで分類されたカテゴリであってもよく、味覚と食感と香りとの組み合わせで分類されたカテゴリであってもよい。
【0023】
また、飲食物のカテゴリは、例えば、日本料理、中華料理、イタリア料理、フランス料理、インド料理、韓国料理、タイ料理、メキシコ料理などといった地域的な分類のカテゴリであってもよい。
【0024】
また、飲食物のカテゴリは、地域的な分類のカテゴリとしてさらに細分化されたカテゴリ、例えば、日本料理であれば、そば・うどん、天ぷら、とんかつ、鍋物、お好み焼き、カレーライス、牛丼、寿司などのカテゴリであってもよい。
【0025】
また、飲食物のカテゴリは、味覚、食感、および香りのうちの1つと地域的な分類のカテゴリとの組み合わせであってもよい。例えば、飲食物のカテゴリは、さっぱりした日本料理、味が濃い牛丼、酸っぱいインド料理などであってもよい。
【0026】
また、飲食物のカテゴリは、原材料のカテゴリを含んでいてもよく、カロリーで区分けされるカテゴリを含んでいてもよく、栄養分(例えば、栄養バランス、油脂成分の含有率や炭水化物成分の含有率など)で区分けされるカテゴリを含んでいてもよい。
【0027】
情報処理装置1は、ステップS1の処理において取得した飲食履歴情報から第1利用者U1によって摂取された複数の飲食物の各々のカテゴリを判定する。そして、情報処理装置1は、第1利用者U1によって連続するn個の摂取回において摂取されたn個の飲食物のカテゴリの情報(時系列データ)を複数含む学習用データを生成し、生成した学習用データを用いて推定モデルを生成する。
【0028】
推定モデルは、連続するm個の摂取回において摂取されたm個の飲食物のカテゴリの情報を特徴料として入力し、推定モデルから出力されるk個の飲食物のカテゴリの情報を出力とするモデルである。mは、例えば、n未満の自然数であり、kは、1以上の整数である。n、m、およびkの間の関係は、例えば、n=m+kである。
【0029】
推定モデルは、例えば、マルコフ過程(マルコフモデル)またはリカンレントニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)などである。マルコフ過程は、状態遷移が確率的に生じるシステムの確率モデルであり、例えば、N階マルコフ過程などである。Nは、例えば、上述したnと同じ値である。
【0030】
情報処理装置1は、機械学習以外の統計処理によって、第1利用者U1の飲食変遷特徴を特定することもできる。また、情報処理装置1は、飲食物に関する変遷の複数種類のパターンである変遷パターンの中から第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷と最も類似する変遷パターンで示される飲食物に関する変遷を、第1利用者U1の飲食変遷特徴として特定することもできる。
【0031】
つづいて、情報処理装置1は、第2利用者U2の端末装置2から送信される提案要求を受け付ける(ステップS3)。提案要求には、例えば、対象者特定情報と、提供飲食物候補情報とが含まれている。
【0032】
対象者特定情報は、第1利用者U1を特定する情報を含む。提供飲食物候補情報は、第1利用者U1に提供する飲食物(以下、提供飲食物と記載する場合がある)の候補であって第2利用者U2によって指定された提供飲食物の候補を示す情報を含む。情報処理装置1は、提供飲食物の候補を示す情報に基づいて、提供飲食物の候補のカテゴリを判定する。
【0033】
提供飲食物の候補のカテゴリは、第1カテゴリの一例である。提供飲食物候補情報で示される情報は、提供飲食物の候補を示す情報に限定されず、提供飲食物の候補のカテゴリを示す情報であってもよい。
【0034】
第2利用者U2は、端末装置2を操作することで、第1利用者U1を指定し、提供飲食物の候補を指定することによって、対象者特定情報を端末装置2から情報処理装置1に送信させる。情報処理装置1は、ステップS3において提案要求を受け付けることによって、対象者特定情報と、提供飲食物候補情報とを受け付ける。
【0035】
図1の(a)に示す例では、第2利用者U2は、端末装置2を操作することで、第1利用者U1の名前を1つ目の入力枠に入力し、提供飲食物の候補を2つ目の入力枠に入力した後、提案要求ボタンを選択(例えば、タップまたはクリック)することによって、端末装置2から提案要求が情報処理装置1に送信される。
【0036】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS2の処理において特定した飲食変遷特徴に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う(ステップS4)。
【0037】
例えば、情報処理装置1は、ステップS2の処理において特定した飲食変遷特徴に基づいて、第1利用者U1が将来摂取を所望する飲食物のカテゴリを第2カテゴリとして推定する。
【0038】
情報処理装置1は、例えば、直前の連続する複数の摂取回において摂取された複数の飲食物のカテゴリの情報を特徴量として推定モデルに入力し、推定モデルから出力される1または複数の飲食物のカテゴリの情報を第1利用者U1が所望するカテゴリ(以下、所望カテゴリと記載する場合がある)の情報として推定する。所望カテゴリは、第2カテゴリの一例である。
【0039】
例えば、情報処理装置1は、直前の連続するm個の摂取回において摂取されたm個の飲食物のカテゴリの情報を特徴量として推定モデルに入力し、推定モデルから出力されるk個の飲食物のカテゴリの情報を所望カテゴリの情報として推定する。
【0040】
また、情報処理装置1は、ステップS2の処理において特定した飲食変遷特徴が変遷パターンで特定される場合、かかる変遷パターンから、第2カテゴリを推定する。例えば、情報処理装置1は、変遷パターンのうち直前の連続する複数の摂取回において摂取された複数の飲食物のカテゴリの変遷と一致または類似する箇所を特定し、その箇所から続く1以上のカテゴリを変遷パターンから抽出することで、第2カテゴリを推定する。
【0041】
情報処理装置1は、例えば、第2利用者U2に対して所定の飲食物を第1利用者U1に提供するか否かの提案を行う。所定の飲食物は、例えば、ステップS3で受け付けられた提供飲食物候補情報で示される提供飲食物の候補であり、提供飲食物候補情報で示される提供飲食物の候補がカテゴリ「脂っこい」の飲食物である場合、所定の飲食物は、脂っこい飲食物である。
【0042】
情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとの比較結果に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う。例えば、情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致するか否かに基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定する。
【0043】
情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致する場合、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。例えば、情報処理装置1は、第1カテゴリおよび第2カテゴリがカテゴリ「酸っぱい」である場合、第2利用者U2の端末装置2に対し、文字列「ご指定の飲食物でよさそう」などの情報を含む提案情報を送信することによって、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して第2利用者U2に提案する。
【0044】
また、情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致しない場合、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。例えば、第1カテゴリが「脂っぽい」であり、第2カテゴリがカテゴリ「さっぱり」であるとする。
【0045】
この場合、情報処理装置1は、第2利用者U2の端末装置2に対し、文字列「もっとさっぱりしたものがいいかも」などの情報を含む提案情報を送信することによって、図1の(b)に示すように、提提供飲食物の候補以外の飲食物を第2利用者U2に提案する。これにより、第2利用者U2は、第1利用者U1に良かれと思って作った料理を第1利用者U1が不満に思ってしまうといった状況を回避する可能性を高めることができる。
【0046】
図1の(b)に示す提案情報では、文字列「もっとさっぱりしたものがいいかも」などの情報に加えて、第2カテゴリの飲食物として、文字列「冷やし中華」、文字列「冷やしうどん」、文字列「ざるそば」、文字列「冷やしパスタ」などの情報が含まれる。これにより、第2利用者U2は、第1利用者U1に提供することが適切である推定される飲食物を容易に把握することができる。
【0047】
また、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1が所望すると推定される飲食物の提案を行う。例えば、情報処理装置1は、ステップS3で受け付けた提案要求に提供飲食物候補情報が含まれていない場合、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案する。
【0048】
また、情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0049】
例えば、情報処理装置1は、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定する。連続性のスコアは、第1カテゴリの飲食物を連続してどのくらいの回数食べても平気であるかを示すスコアであり、回数で示される。
【0050】
連続性のスコアは、第1利用者U1または第2利用者U2によって登録された値であってもよく、第1利用者U1または第2利用者U2による食材の購入履歴や第1利用者U1または第2利用者U2による飲食物の購入履歴などに基づいて、第1利用者U1が連続摂取可能であると推定された値であってもよい。例えば、連続性のスコアは、第1利用者U1が連続摂取した回数の平均値、中央値、最大値、またはこれらの値から補正値(<1)を乗じた値などである。
【0051】
情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリであって、その連続摂取の回数と連続性のスコアとを比較する。
【0052】
そして、情報処理装置1は、連続摂取の回数が連続性のスコア未満であれば、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案し、そうでなければ、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案せずに、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。
【0053】
また、情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に加えて、さらに第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つに基づいて、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0054】
例えば、情報処理装置1は、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴と第1カテゴリの飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つとに基づいて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定する。
【0055】
情報処理装置1は、飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つと飲食物の連続摂回数との関係をカテゴリ毎に学習した判定モデルを用いて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定することができる。
【0056】
判定モデルは、例えば、飲食物の連続摂回数をラベルとして、飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つと飲食物の連続摂回数とを含む学習データを用いて情報処理装置1によって生成される。判定モデルは、例えば、ニューラルネットワークまたは隠れマルコフモデルなどであるが、かかる例に限定されない。
【0057】
体調、感情、および満足度は、例えば、第1利用者U1または第2利用者U2によって登録されるが、情報処理装置1によって推定されてもよい。情報処理装置1は、例えば、第1利用者に装着された各種のセンサ(例えば、血圧、心拍数、血中酸素濃度、呼吸数、加速度、皮膚電機活動、表情、睡眠、ストレス、脳波などを検出するセンサ)の検出結果を取得し、かかる検出結果に基づいて、体調、感情、および満足度を推定する。
【0058】
上述した判定モデルは、飲食物のカテゴリにおける連続性のスコアを出力するが、飲食物毎の連続性のスコアを出力するモデルであってもよい。情報処理装置1は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ提供飲食物の候補が第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物になる場合、提供飲食物の候補における連続性のスコアを判定する。
【0059】
そして、情報処理装置1は、連続摂取の回数が連続性のスコア未満であれば、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案し、そうでなければ、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案せずに、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。なお、提供飲食物の候補における連続性のスコアの判定方法は、カテゴリにおける連続性のスコアの判定方法と同様である。
【0060】
また、情報処理装置1は、感情や体調が悪くなる直前の数日間または感情や体調が悪くなった時の数日間に第1利用者U1が摂取した飲食物の類似性を判定し、判定した類似性に基づいて、飲食物のカテゴリまたは飲食物の連続性のスコアを補正することもできる。
【0061】
例えば、情報処理装置1は、感情や体調が悪くなる直前の数日間または感情や体調が悪くなった時の数日間に連続摂取した飲食物を類似する飲食物である第1飲食物として判定する。そして、情報処理装置1は、第1飲食物の上述した連続性のスコアを補正することもできる。例えば、情報処理装置1は、第1飲食物の上述した連続性のスコアに1未満の係数を乗算した値を補正後の連続性のスコアとすることができる。
【0062】
第1利用者U1は、1人に限定されず、例えば、家族などのように複数人の単位であってもよい。情報処理装置1は、対象者特定情報によって指定される第1利用者U1が複数である場合、対象者特定情報によって指定される各第1利用者U1の飲食変遷特徴に基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0063】
例えば、情報処理装置1は、第1カテゴリと各第1利用者U1の第2カテゴリとが一致しない場合、各第1利用者U1の第2カテゴリまたは各第1利用者U1の第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案することができる。この場合、第2利用者U2は、第1利用者U1に含まれてもよい。
【0064】
また、情報処理装置1は、第1カテゴリと各第1利用者U1の第2カテゴリとが一致しない場合、複数の第1利用者U1の第2カテゴリのうち最も多い第2カテゴリまたは当該第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案することもできる。
【0065】
また、推定モデルは、上述した推定モデルと同様の情報を特徴量として入力し、第1利用者U1の所望度合いを示すスコアをカテゴリ毎に出力するモデルであってもよい。この場合、情報処理装置1は、カテゴリ毎のスコアをお薦め度合いを示すスコアとして第2利用者U2に提供したり、カテゴリ毎のスコアの逆数または当該逆数に係数を乗算した値を非お薦め度合いを示すスコアとして第2利用者U2に提供したりすることができる。
【0066】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および端末装置2を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0067】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2とを含む。
【0068】
複数の端末装置2は、互いに異なる利用者Uによって用いられる。端末装置2は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC、ウェアラブルデバイスである。ウェアラブルデバイスは、例えば、スマートグラス、またはスマートウォッチなどであるが、かかる例に限定されない。利用者Uは、情報処理装置1などから提供されるサービスを利用する利用者である。
【0069】
情報処理装置1および端末装置2の各々は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1などが複数含まれてもよい。
【0070】
ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)およびLTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの移動体通信網などを含む。
【0071】
端末装置2は、移動体通信網、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0072】
〔3.情報処理装置1の構成〕
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0073】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、通信モジュールやNIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0074】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部11は、利用者情報記憶部20を有する。
【0075】
〔3.2.1.利用者情報記憶部20〕
利用者情報記憶部20は、利用者Uに関する各種の情報を記憶する。図4は、実施形態に係る利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
【0076】
図4に示す例では、利用者情報記憶部20に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID(Identifier)」、「属性情報」および「履歴情報」といった項目の情報を含む。「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別子であり、利用者U毎に付される情報である。
【0077】
「属性情報」は、「利用者ID」に対応付けられた利用者Uの属性を示す属性情報である。利用者Uの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成などの複数の属性項目を含む。
【0078】
サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などに関する複数の属性項目を含む。例えば、サイコグラフィック属性における複数の属性項目の各々は、車、服、旅行、ゲーム、キャンプ、バイク、電車、家電、またはパソコンなどといった利用者Uの興味関心を有する対象である。
【0079】
「履歴情報」は、利用者Uによる飲食物の摂取に関連する摂取履歴の情報とサービスの利用履歴の情報などを含む履歴情報である。摂取履歴の情報は、摂取飲食物情報、飲食日時情報、飲食時利用者情報などを飲食物の摂取毎に含む。
【0080】
摂取飲食物情報は、利用者Uが摂取した飲食物を示す情報を含む。飲食日時情報は、利用者Uが摂取した飲食物のカテゴリを示す情報、利用者Uが飲食物を摂取した日時を示す情報を含む。
【0081】
飲食時利用者情報は、利用者Uが飲食物を摂取したときの利用者Uの体調、感情、および満足度を示す情報、利用者Uが飲食物を摂取したときの利用者Uの生体情報を検出する各種のセンサの検出結果を示す情報などを含む。
【0082】
サービスの利用履歴の情報は、例えば、利用者Uの決済履歴情報、利用者Uの検索履歴情報、利用者Uの閲覧履歴情報、および利用者Uの設定履歴情報などを含む。
【0083】
利用者Uの決済履歴情報には、利用者Uが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、または実施設などにおいて購入した商品に関する購入履歴情報、利用者Uが決済サービスを用いてオンライン、実店舗、実施設などにおいて有料で利用したサービスに関するサービス利用履歴情報などが含まれる。
【0084】
購入履歴情報には、利用者Uが購入した商品の情報、購入費用の情報、購入日時、購入店舗の情報などが含まれる。サービス利用履歴情報には、利用者Uが利用したサービスの情報、利用費用の情報、利用日時、利用店舗の情報などが含まれる。
【0085】
利用者Uの検索履歴情報は、例えば、検索サイトでのウェブコンテンツの検索履歴の情報、各種のウェブサイトでの検索履歴の情報などである。利用者Uの閲覧履歴情報は、利用者Uの各サイトでの商品情報の閲覧履歴の情報を含む。
【0086】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などによって、端末装置2内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0087】
処理部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により一部または全部が実現されてもよい。
【0088】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、特定部32と、提案部33とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0089】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、外部の情報処理装置や端末装置2などから通信部10を介して種々の情報を取得し、取得した情報を記憶部11に記憶させる。
【0090】
例えば、取得部30は、外部の情報処理装置または端末装置2などから通信部10を介して利用者Uの情報である利用者情報を取得し、取得した利用者情報を利用者情報記憶部20の利用者情報テーブルに追加する。
【0091】
また、取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。例えば、取得部30は、利用者Uの情報である利用者情報を利用者情報記憶部20などから取得する。取得部30によって取得される利用者情報は、例えば、上述した属性情報および履歴情報のうちの少なくとも1つ以上の情報の一部または全部を含む。
【0092】
例えば、取得部30は、第1利用者U1が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する。
【0093】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、通信部10を介して端末装置2から各種の要求や情報などを受け付ける。例えば、受付部31は、利用者Uの端末装置2から送信される提案要求を受け付ける。提案要求には、例えば、上述したように、対象者特定情報と、提供飲食物候補情報とが含まれている。
【0094】
対象者特定情報は、第1利用者U1を特定する情報を含む。提供飲食物候補情報は、第1利用者U1に提供する飲食物である提供飲食物の候補のカテゴリであって第2利用者U2によって指定された提供飲食物の候補を示す情報を含む。
【0095】
提供飲食物の候補のカテゴリは、第1カテゴリの一例である。提供飲食物候補情報で示される情報は、提供飲食物の候補を示す情報に限定されず、提供飲食物の候補のカテゴリを示す情報であってもよい。
【0096】
〔3.3.3.特定部32〕
特定部32は、取得部30によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴である飲食変遷特徴を特定する。
【0097】
特定部32は、例えば、取得部30によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1の飲食変遷特徴を機械学習によって特定する。例えば、特定部32は、取得部30によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1の飲食変遷特徴を学習した推定モデルを生成する。
【0098】
特定部32によって生成される推定モデルは、第1利用者U1が過去に摂取した飲食物に関する情報を特徴量として入力し、第1利用者U1が次以降に所望すると推定される飲食物に関する情報を出力とするモデルである。
【0099】
特定部32は、例えば、推定モデルを第1利用者U1の状態毎に生成することができる。第1利用者U1の状態は、例えば、体調が悪い状態、体調が良い状態、悪い感情の状態、良い感情の状態などであるが、かかる例に限定されない。悪い感情は、例えば、怒り、恐れ、悲しみなどであり、良い感情は、例えば、楽しみ、喜びなどである。
【0100】
また、特定部32は、推定モデルを複数の第1利用者U1を含むグループ毎に生成することもできる。グループは、例えば、属性が共通する第1利用者U1のグループであり、例えば、性別、年齢、居住地、職業、年収などの組み合わせが共通する第1利用者U1のグループ、または飲食物の嗜好が共通する第1利用者U1のグループなどである。
【0101】
飲食物の嗜好が共通する第1利用者U1のグループは、例えば、予め定められた期間において摂取した飲食物が類似する第1利用者U1のグループ、または予め定められた期間において摂取した飲食物のカテゴリが類似する第1利用者U1のグループなどである。
【0102】
特定部32は、例えば、第1利用者U1が摂取した飲食物のカテゴリの変遷の特徴を学習した推定モデルを生成する。かかる推定モデルは、第1利用者U1が過去に摂取した飲食物のカテゴリの情報を入力とし、第1利用者U1が次以降に所望すると推定される飲食物のカテゴリの情報を出力とするモデルである。
【0103】
飲食物のカテゴリは、例えば、脂っぽい、さっぱり、味が濃い、甘い、辛い、酸っぱい、苦いなどといった味覚で分類されたカテゴリであるが、かかる例に限定されない。例えば、飲食物のカテゴリは、柔らかい、硬い、トロトロ、モチモチ、サクサクなどといった食感による分類であってもよく、味覚と食感との組み合わせで分類されたカテゴリであってもよく、味覚と食感と香りとの組み合わせで分類されたカテゴリであってもよい。
【0104】
また、飲食物のカテゴリは、例えば、日本料理、中華料理、イタリア料理、フランス料理、インド料理、韓国料理、タイ料理、メキシコ料理などといった地域的な分類のカテゴリであってもよい。また、飲食物のカテゴリは、地域的な分類のカテゴリとしてさらに細分化されたカテゴリ、例えば、日本料理であれば、そば・うどん、天ぷら、とんかつ、鍋物、お好み焼き、カレーライス、牛丼、寿司などのカテゴリであってもよい。
【0105】
また、飲食物のカテゴリは、味覚、食感、および香りのうちの1つと地域的な分類のカテゴリとの組み合わせであってもよい。例えば、飲食物のカテゴリは、さっぱりした日本料理、味が濃い牛丼、酸っぱいインド料理などであってもよい。
【0106】
また、飲食物のカテゴリは、原材料のカテゴリを含んでいてもよく、カロリーで区分けされるカテゴリを含んでいてもよく、栄養分(例えば、栄養バランス、油脂成分の含有率や炭水化物成分の含有率など)で区分けされるカテゴリを含んでいてもよい。
【0107】
特定部32は、取得部30によって取得された飲食履歴情報から第1利用者U1によって摂取された複数の飲食物の各々のカテゴリを判定する。そして、特定部32は、第1利用者U1によって連続するn個の摂取回において摂取されたn個の飲食物のカテゴリの情報(時系列データ)を複数含む学習用データを生成し、生成した学習用データを用いて推定モデルを生成する。
【0108】
推定モデルは、連続するm個の摂取回において摂取されたm個の飲食物のカテゴリの情報を入力とし、推定モデルから出力されるk個の飲食物のカテゴリの情報を出力とするモデルである。mは、例えば、n未満の自然数であり、kは、1以上の整数である。n、m、およびkの間の関係は、例えば、n=m+kである。
【0109】
推定モデルは、例えば、マルコフ過程またはリカンレントニューラルネットワークなどである。マルコフ過程は、状態遷移が確率的に生じるシステムの確率モデルであり、例えば、N階マルコフ過程などである。Nは、例えば、上述したnと同じ値である。
【0110】
特定部32は、機械学習以外の統計処理によって、第1利用者U1の飲食変遷特徴を特定することもできる。また、特定部32は、飲食物に関する変遷の複数種類のパターンである変遷パターンの中から第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷と最も類似する変遷パターンで示される飲食物に関する変遷を、第1利用者U1の飲食変遷特徴として特定することもできる。
【0111】
〔3.3.4.提案部33〕
提案部33は、特定部32によって特定された飲食変遷特徴に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う。
【0112】
例えば、提案部33は、提案要求が受付部31によって受け付けられた場合、特定部32によって特定された飲食変遷特徴に基づいて、第1利用者U1が将来摂取を所望する飲食物のカテゴリを第2カテゴリとして推定する。
【0113】
提案部33は、例えば、直前の連続する複数の摂取回において摂取された複数の飲食物のカテゴリの情報を特徴量として推定モデルに入力し、推定モデルから出力される1または複数の飲食物のカテゴリの情報を第1利用者U1が所望するカテゴリである所望カテゴリの情報として推定する。所望カテゴリは、第2カテゴリの一例である。
【0114】
例えば、提案部33は、直前の連続するm個の摂取回において摂取されたm個の飲食物のカテゴリの情報を特徴量として推定モデルに入力し、推定モデルから出力されるk個の飲食物のカテゴリの情報を所望カテゴリの情報として推定する。
【0115】
また、提案部33は、特定部32によって特定された飲食変遷特徴が変遷パターンで特定される場合、かかる変遷パターンから、第2カテゴリを推定する。例えば、提案部33は、変遷パターンのうち直前の連続する複数の摂取回において摂取された複数の飲食物のカテゴリの変遷と一致または類似する箇所を特定し、その箇所から続く1以上のカテゴリを変遷パターンから抽出することで、第2カテゴリを推定する。
【0116】
提案部33は、例えば、第2利用者U2に対して所定の飲食物を第1利用者U1に提供するか否かの提案を行う。所定の飲食物は、例えば、受付部31によって受け付けられた提供飲食物候補情報で示される提供飲食物の候補である。提案部33は、提供飲食物候補情報で示される提供飲食物の候補のカテゴリを判定する。提供飲食物候補情報で示される提供飲食物の候補がカテゴリ「脂っこい」の飲食物である場合、所定の飲食物は、脂っこい飲食物であるが、提供飲食物の候補そのものであってもよい。
【0117】
提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとの比較結果に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う。例えば、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致するか否かに基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定する。
【0118】
提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致する場合、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。例えば、提案部33は、第1カテゴリおよび第2カテゴリがカテゴリ「酸っぱい」である場合、第2利用者U2の端末装置2に対し、文字列「ご指定の飲食物でよさそう」などの情報を含む提案情報を送信することによって、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して第2利用者U2に提案する。
【0119】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致しない場合、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。例えば、第1カテゴリが「脂っぽい」であり、第2カテゴリがカテゴリ「さっぱり」であるとする。
【0120】
この場合、提案部33は、第2利用者U2の端末装置2に対し、文字列「もっとさっぱりしたものがいいかも」を含む提案情報を送信することによって、図1の(b)に示すように、提供飲食物の候補以外の飲食物を第2利用者U2に提案する。これにより、第2利用者U2は、第1利用者U1に良かれと思って作った料理を第1利用者U1が不満に思ってしまうといった状況を回避する可能性を高めることができる。
【0121】
図1の(b)に示す提案情報では、文字列「もっとさっぱりしたものがいいかも」などの情報に加えて、第2カテゴリの飲食物として、文字列「冷やし中華」、文字列「冷やしうどん」、文字列「ざるそば」、文字列「冷やしパスタ」などの情報が含まれる。これにより、第2利用者U2は、第1利用者U1に提供することが適切である推定される飲食物を容易に把握することができる。
【0122】
また、提案部33は、第2利用者U2に対して第1利用者U1が所望すると推定される飲食物の提案を行う。例えば、提案部33は、受付部31によって受け付けられた提案要求に提供飲食物候補情報が含まれていない場合、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案する。
【0123】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0124】
例えば、提案部33は、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定する。連続性のスコアは、第1カテゴリの飲食物を連続してどのくらいの回数食べても平気であるかを示すスコアであり、回数で示される。
【0125】
連続性のスコアは、第1利用者U1または第2利用者U2によって登録された値であってもよく、第1利用者U1または第2利用者U2による食材の購入履歴や第1利用者U1または第2利用者U2による飲食物の購入履歴などに基づいて、第1利用者U1が連続摂取可能であると推定された値であってもよい。例えば、連続性のスコアは、第1利用者U1が連続摂取した回数の平均値、中央値、最大値、またはこれらの値から補正値(<1)を乗じた値などである。
【0126】
提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリであって、その連続摂取の回数と連続性のスコアとを比較する。
【0127】
そして、提案部33は、連続摂取の回数が連続性のスコア未満であれば、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案し、そうでなければ、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案せずに、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。
【0128】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に加えて、さらに第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つに基づいて、第1カテゴリまたは第1カテゴリの飲食物を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0129】
例えば、提案部33は、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴と第1カテゴリの飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つとに基づいて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定する。
【0130】
提案部33は、飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つと飲食物の連続摂回数との関係をカテゴリ毎に学習した判定モデルを用いて、第1カテゴリにおける連続性のスコアを判定することができる。
【0131】
判定モデルは、例えば、飲食物の連続摂回数をラベルとして、飲食物の連続摂取時の第1利用者U1の体調、感情、および満足度のうちの少なくとも1つと飲食物の連続摂回数とを含む学習データを用いて提案部33によって生成される。判定モデルは、例えば、ニューラルネットワークまたは隠れマルコフモデルなどであるが、かかる例に限定されない。
【0132】
体調、感情、および満足度は、例えば、第1利用者U1または第2利用者U2によって登録されるが、提案部33によって推定されてもよい。提案部33は、例えば、第1利用者に装着された各種のセンサ(例えば、血圧、心拍数、血中酸素濃度、呼吸数、加速度、皮膚電機活動、表情、睡眠、ストレス、脳波などを検出するセンサ)の検出結果を取得し、かかる検出結果に基づいて、体調、感情、および満足度を推定する。
【0133】
上述した判定モデルは、飲食物のカテゴリにおける連続性のスコアを出力するが、飲食物毎の連続性のスコアを出力するモデルであってもよい。提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ提供飲食物の候補が第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物になる場合、提供飲食物の候補における連続性のスコアを判定する。
【0134】
そして、提案部33は、連続摂取の回数が連続性のスコア未満であれば、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案し、そうでなければ、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案せずに、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。なお、提供飲食物の候補における連続性のスコアの判定方法は、カテゴリにおける連続性のスコアの判定方法と同様である。
【0135】
また、提案部33は、感情や体調が悪くなる直前の数日間または感情や体調が悪くなった時の数日間に第1利用者U1が摂取した飲食物の類似性を判定し、判定した類似性に基づいて、飲食物のカテゴリまたは飲食物の連続性のスコアを補正することもできる。
【0136】
例えば、提案部33は、感情や体調が悪くなる直前の数日間または感情や体調が悪くなった時の数日間に連続摂取した飲食物を類似する飲食物である第1飲食物として判定する。そして、提案部33は、第1飲食物の上述した連続性のスコアを補正することもできる。例えば、提案部33は、第1飲食物の上述した連続性のスコアに1未満の係数を乗算した値を補正後の連続性のスコアとすることができる。
【0137】
第1利用者U1は、1人に限定されず、例えば、家族などのように複数人の単位であってもよい。提案部33は、対象者特定情報によって指定される第1利用者U1が複数である場合、対象者特定情報によって指定される各第1利用者U1の飲食変遷特徴に基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定することもできる。
【0138】
例えば、提案部33は、第1カテゴリと各第1利用者U1の第2カテゴリとが一致しない場合、各第1利用者U1の第2カテゴリまたは各第1利用者U1の第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案することができる。この場合、第2利用者U2は、第1利用者U1に含まれてもよい。
【0139】
また、提案部33は、第1カテゴリと各第1利用者U1の第2カテゴリとが一致しない場合、複数の第1利用者U1の第2カテゴリのうち最も多い第2カテゴリまたは当該第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案することもできる。
【0140】
また、推定モデルは、上述した推定モデルと同様の情報を特徴量として入力し、第1利用者U1の所望度合いを示すスコアをカテゴリ毎に出力するモデルであってもよい。この場合、提案部33は、カテゴリ毎のスコアをお薦め度合いを示すスコアとして第2利用者U2に提供したり、カテゴリ毎のスコアの逆数または当該逆数に係数を乗算した値を非お薦め度合いを示すスコアとして第2利用者U2に提供したりすることができる。
【0141】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0142】
図5に示すように、情報処理装置1の処理部12は、飲食変遷特徴の特定タイミングになったか否かを判定する(ステップS10)。特定タイミングは、例えば、予め定められた周期で到来するタイミングであるが、かかる例に限定されない。
【0143】
処理部12は、飲食変遷特徴の特定タイミングになったと判定した場合(ステップS10:Yes)、第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴である飲食変遷特徴を特定する(ステップS11)。
【0144】
処理部12は、ステップS11の処理が終了した場合、または飲食変遷特徴の特定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS10:No)、提案要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。
【0145】
処理部12は、提案要求を受け付けたと判定した場合(ステップS12:Yes)、飲食変遷特徴に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う(ステップS13)。
【0146】
処理部12は、ステップS13の処理が終了した場合、または提案要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS12:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS14)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0147】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS14:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS14:Yes)、図5に示す処理を終了する。
【0148】
〔5.変形例〕
また、上述した例では、情報処理装置1が提案情報を生成して端末装置2に表示させるが、提案情報は、端末装置2主体の処理により表示されてもよい。例えば、情報処理装置1は、API(Application Programming Interface)などのインターフェイスを介して端末装置2から入力された情報に基づき、複数の情報を端末装置2に提供し、端末装置2が情報処理装置1から提供された複数の情報に基づいて提案情報を生成して表示させるものであってもよい。
【0149】
また、図1では、端末装置2と情報処理装置1とが別装置である場合を示したが、情報処理装置1における上述した機能を端末装置2が有してもよい。この場合、端末装置2が上述した処理を行う情報処理装置として機能する。
【0150】
上述した第2利用者U2は、第1利用者U1の家族、第1利用者U1のホームへルパーなどであるが、第1利用者U1が利用する飲食店の店長や従業員であってもよく、第1利用者U1に食事を届ける宅配業者であってもよい。
【0151】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。図6は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0152】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラム、およびコンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0153】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0154】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイおよびプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0155】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0156】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0157】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0158】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0159】
例えば、上述した情報処理装置1は、端末装置とサーバコンピュータとで実現してもよく、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0160】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0161】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、第1利用者U1が摂取した飲食物の履歴の情報を含む飲食履歴情報を取得する取得部30と、取得部30によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1によって摂取される飲食物に関する変遷の特徴を特定する特定部32と、特定部32によって特定された変遷の特徴に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う提案部33とを備える。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0162】
また、提案部33は、第2利用者U2に対して所定の飲食物を第1利用者U1に提供するか否かの提案を行う。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0163】
また、提案部33は、第2利用者U2に対して第1利用者U1が所望すると推定される飲食物の提案を行う。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0164】
また、特定部32は、取得部30によって取得された飲食履歴情報に基づいて、第1利用者U1が摂取した飲食物のカテゴリの変遷の特徴を学習した推定モデルを生成する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0165】
また、情報処理装置1は、第2利用者U2から提供飲食物の候補のカテゴリの指定を第1カテゴリの指定として受け付ける受付部31を備え、提案部33は、特定部32によって特定されたカテゴリの変遷の特徴に基づいて、第1利用者U1が将来摂取を所望する飲食物のカテゴリを第2カテゴリとして推定し、第1カテゴリと第2カテゴリとの比較結果に基づいて、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する飲食物に関する提案を行う。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0166】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致するか否かに基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0167】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致しない場合、第2カテゴリまたは第2カテゴリの飲食物を第2利用者U2に提案する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0168】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定する。
【0169】
また、提案部33は、第1カテゴリと第2カテゴリとが一致せず且つ第1カテゴリが第1利用者U1によって連続して摂取される飲食物のカテゴリになる場合、第1カテゴリの飲食物の連続摂取の履歴に加えて、さらに第1利用者U1の体調に基づいて、提供飲食物の候補を第2利用者U2に対して提案するか否かを決定する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0170】
また、特定部32は、推定モデルを第1利用者U1の状態毎に生成する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0171】
また、特定部32は、推定モデルを複数の第1利用者U1を含むグループ毎に生成する。これにより、情報処理装置1は、第2利用者U2に対して第1利用者U1に提供する適切な飲食物を提案することができる。
【0172】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0173】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0174】
1 情報処理装置
2 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 利用者情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 特定部
33 提案部
100 情報処理システム
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6