(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131818
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 9/23 20200101AFI20240920BHJP
【FI】
B62J9/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042291
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 瑠衣
(57)【要約】
【課題】ラゲッジボックスの容量を拡大する。
【解決手段】鞍乗り型車両1は、乗員が着座するシート12と、シート12の車幅方向の外側に配置されるラゲッジボックス30と、を有し、鞍乗り型車両1を車幅方向から見たときにラゲッジボックス30とシート12が重なるように配置され、ラゲッジボックス30の上面部36にグリップ部40が設けられ、ラゲッジボックス30のグリップ部40の少なくとも一部はシート12の座面12a以上の高さを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシート(12)と、前記シート(12)の車幅方向の外側に配置されるラゲッジボックス(30)と、を有する鞍乗り型車両(1)であって、
前記鞍乗り型車両(1)を車幅方向から見たときに前記ラゲッジボックス(30)と前記シート(12)が重なるように配置され、
前記ラゲッジボックス(30)の上面部(36)にグリップ部(40)が設けられ、
前記ラゲッジボックス(30)の前記グリップ部(40)の少なくとも一部は前記シート(12)の座面(12a)以上の高さを有することを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記ラゲッジボックス(30)は、車体側に設けられるケース保持部(50)に取り付けられ、
前記ラゲッジボックス(30)は、前記ケース保持部(50)に係合される係合部(53)を有し、
前記ケース保持部(50)は、溝部(51)と前記溝部(51)の開口を閉塞する遮蔽部(52)とを有し、
前記遮蔽部(52)は、前記ラゲッジボックス(30)の係合部(53)が前記ケース保持部(50)の溝部(51)に係合した状態で前記溝部(51)の開口を閉塞することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記ケース保持部(50)および前記係合部(53)が複数設けられ、
前記溝部(51)は、車体後方に向けて開口し、
前記遮蔽部(52)は、少なくとも最後方に設けられるケース保持部(50)に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記グリップ部(40)は、前記ラゲッジボックス(30)の車体側に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記シート(12)は、運転手ではない同乗者(P)が着座するリヤシート(12)であり、
前記グリップ部(40)は、前記リヤシート(12)に沿うように車体前後方向に延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記グリップ部(40)の前部(41)は、前記リヤシート(12)の座面(12a)より低いことを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記グリップ部(40)の後部(42)は、前記リヤシートの座面(12a)以上の高さを有することを特徴とする請求項6に記載の鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラゲッジボックスが取り付けられる鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鞍乗り型車両において、タンデムシートに着座する同乗者が把持する車幅方向両側のグラブレールにラゲッジボックスを着脱可能に設けた構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の構造において、ラゲッジボックスの容量を拡大する場合、ラゲッジボックスを車体前後方向または上下方向に拡大することが考えられるが、車体前後方向に拡大すると、同乗者の乗降性や居住性を損なう可能性がある。また、ラゲッジボックスを車体下方に拡大する場合はパワートレインとの位置関係から限界がある。また、タンデムシートには同乗者が把持するグリップ部が設けられており、ラゲッジボックスの着脱のしやすさやグリップ部の把持しやすさを保持しつつラゲッジボックスを車体上方に拡大することは積載スペースの限られた鞍乗り型車両においては限界がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、車体側にグリップ部を設けずに、グリップ部をラゲッジボックスに設け、ラゲッジボックスの容量を拡大できる構造を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の鞍乗り型車両1は、乗員が着座するシート12と、シート12の車幅方向の外側に配置されるラゲッジボックス30と、を有し、鞍乗り型車両1を車幅方向から見たときにラゲッジボックス30とシート12が重なるように配置され、ラゲッジボックス30の上面部36にグリップ部40が設けられ、前記ラゲッジボックス30の前記グリップ部40の少なくとも一部はシート12の座面12a以上の高さを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車体側にグリップ部を設けずに、グリップ部をラゲッジボックスに設け、ラゲッジボックスの容量を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の鞍乗り型車両の左側面図である。
【
図2】本実施形態の鞍乗り型車両の後部構造を示す左側面図である。
【
図3】本実施形態の鞍乗り型車両の後部構造を示す平面図である。
【
図4】本実施形態のラゲッジボックスの取付構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち2つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本実施形態の鞍乗り型車両は、タンデムシート(以下、リヤシート)の車幅方向の両側または片側にラゲッジボックス(以下、パニアケース)が設けられ、パニアケースの上面部にグリップ部が設けられ、パニアケースのグリップ部の少なくとも一部がリヤシートの座面以上の高さを有する。このように構成したことにより、パニアケースの容量を拡大することができる。
【0011】
以下に、本実施形態の鞍乗り型車両の詳しい構成および機能について説明する。
【0012】
[車両の基本構成]
まず、
図1から
図3を参照して、本実施形態の鞍乗り型車両の基本構成について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の鞍乗り型車両の外観を示す左側面図である。
図2は、本実施形態の鞍乗り型車両の後部構造を示す左側面図である。
図3は、本実施形態の鞍乗り型車両の後部構造を示す平面図である。
【0014】
なお、以下の説明で参照する図に、理解の容易化のため、車体前後方向に対応するX方向と、車幅方向または車体左右方向に対応するY方向と、車体上下方向(鉛直方向)に対応するZ方向とを示している。
【0015】
以下の説明では、前/後、側方(左/右)、上/下などの記載は、車体を基準とした相対的な位置関係を示すものとする。また、符号に付されたL、Rは車幅方向の左側または右側の構成要素を示し、符号にL、Rを付していない場合は左右の構成要素を総称して示すものとする。
【0016】
本実施形態の鞍乗り型車両1は、例えば内燃機関を原動機とする自動二輪車であるが、電動機を原動機とする自動二輪車、あるいは内燃機関と電動機を組み合わせたハイドブリッド型の自動二輪車でもよい。
【0017】
本実施形態の鞍乗り型車両1は、車体前部において、前輪2が左右一対のフロントフォーク4の下端部に回転自在に支持されている。左右一対のフロントフォーク4は、不図示のボトムブリッジおよびヘッドパイプに接続されて、メインフレーム5の前端部により回転自在に支持されている。メインフレーム5はヘッドパイプから車体後方に延びており、ヘッドパイプにはハンドル6が固定される。これにより、ハンドル6での前輪2の操舵が可能である。
【0018】
また、車体中央部において、メインフレーム5は、パワートレイン7と変速機8からなるパワーユニットを支持している。本実施形態ではパワートレイン7として内燃機関を例示しているが、これに限られるものではなく、駆動用モータなどの動力源となるものであればよい。また、車体中央部には、運転者が着座するメインシート11が設けられ、メインシート11の前方には、燃料タンク10が配置されている。
【0019】
また、車体後部において、後輪3がスイングアーム9により回転自在に支持されている。また、車体後部には、運転者ではない同乗者Pが着座するリヤシート12が設けられ、リヤシート12の車幅方向両側にはパニアケース30が設けられている。
【0020】
シートフレーム13は、シート11、12の車幅方向の両側に設けられている。シートフレーム13は、車幅方向の幅が車体後方に向けて狭まるように車体後方に延びており、後端部にパニアケースを取り付けるための台座となるリヤキャリア22が設けられている。リヤキャリア22は、リヤフェンダ23の上方まで延びている。なお、リヤシート12の車体前方の位置には、同乗者Pが把持するベルト部12aが車幅方向に掛け渡されている。また、リヤキャリア22を同乗者Pが把持するグリップ部として使用してもよい。
【0021】
また、車体前部は、上述した各車体部品が外部から見えないように、フロントカバー16により覆われている。同様に、車体後部も、上述した各車体部品が外部から見えないように、リヤカバー18により覆われている。フロントカバー16にはヘッドライトユニット17が設けられ、リヤカバー18にはテールライトユニット19が設けられている。また、フロントカバー16の上方にはウィンドシールド20と左右一対のバックミラー21が設けられている。
【0022】
[パニアケースの取付構造]
次に、
図1から
図3に加えて、
図4を参照して、本実施形態の鞍乗り型車両におけるパニアケースの取付構造について説明する。
【0023】
図4は、本実施形態のパニアケースの取付構造を説明する図である。
【0024】
本実施形態の鞍乗り型車両1は、リヤシート12の車幅方向両側にパニアケース30がシートフレーム13に対して着脱可能に設けられている。パニアケース30は、車幅方向の中心に対して左右対称の形状で配置される。パニアケース30は、車幅方向の両側ではなく、片側だけに設けられてもよい。
【0025】
パニアケース30は、樹脂材料により一体成形されるボックス部31とグリップ部40を備え、グリップ部40は同乗者Pが把持可能な十分な剛性を有する。グリップ部40は、パニアケース30を単体(車両に取り付けられていない状態)で持ち運ぶ場合にも使用される。
【0026】
ボックス部31は、車体側方から見たときに車体後方に傾斜する平行四辺形の外形を有し、車幅方向の外側の側面部32が開閉可能である。ボックス部31の側面部32には、ボックス部31を開閉する蓋部33が設けられている。ボックス部31は、車体前後方向、上下方向および幅方向にサイズを有する箱体状であり、前面部34、後面部35、上面部36、底面部37、外側面部32および内側面部38を備える。蓋部33は、外側面部32に設けられている。前面部34と後面部35は車幅方向から見て略平行な形状を有し、上面部36および底面部37も車幅方向から見て略平行な形状を有する。内側面部38は後述するケース保持部50および係合部53によりシートフレーム13に取り付けられる。前面部34は、車幅方向から見たときにリヤシート12の前端部付近に位置する。後面部35は、リヤシート12の後端部より後方の位置であって、リヤフェンダ23と略同じ位置にある。上面部36および底面部37は、外側面部32から車幅方向の内側に向けて傾斜する形状を有する。さらに、上面部36は、前面部34から車体後上方に傾斜する前傾斜部36aと、後面部35から車体前上方に傾斜する後傾斜部36bを有する。
【0027】
グリップ部40は、ボックス部31の上面部36に設けられている。グリップ部40は、前アーム部41と、後アーム部42と、前アーム部41と後アーム部42を連結するグリップアーム部43とを備える。前アーム部41は、上面部36の前傾斜部36aおよび後傾斜部36bが交差する頂点から上方に延びている。後アーム部42は、上面部36の後傾斜部36bにおける後面部35の近傍から上方に延びている。後アーム部42は、前アーム部41よりも上方に長く延びており、前アーム部41と、後アーム部42と、グリップアーム部43と、後傾斜部36bとにより三角形状の空間を形成する。上面部36を車体上方から見たときに、前アーム部41は後アーム部42よりも車幅方向の外側に位置し、または、後アーム部42は前アーム部41よりも車幅方向の内側に位置し、グリップアーム部43がシートフレーム13に沿って車体前後方向に延びている。
【0028】
本実施形態の鞍乗り型車両1は、乗員が着座するメインシート11およびリヤシート12と、リヤシート12の外側方に着脱可能に取り付けられるパニアケース30とを有し、車幅方向から見たときにパニアケース30とリヤシート12が重なって配置され、パニアケース30の上面部36にグリップ部40が設けられ、パニアケース30のグリップ部40の少なくとも一部(後アーム部42)はリヤシート12の座面12a以上の高さを有する。詳しくは、パニアケース30のグリップ部40の後アーム部42およびグリップアーム部43の後部はリヤシート12の座面12a以上の高さを有する。これにより、乗員が乗車中に把持できるグリップ部40がパニアケース30に設けられるので、車体側(例えば、シートフレーム13)にグリップ部を設ける必要がなくなり、パニアケース30の容量を車体上方に拡大することができる。
【0029】
図4に示すように、パニアケース30は、内側面部38がシートフレーム13に設けられたケース保持部50に取り付けられる。ケース保持部50は、車体後方に向けて開口するU字状の溝部51と溝部51の開口を閉塞する遮蔽部52とを有する。遮蔽部52は、少なくとも最後方に設けられるケース保持部50に設けられている。遮蔽部52は、ケース保持部50の溝部51が形成された後端上部に回動自在に軸支され、溝部51の開口を閉塞した状態でロック部52aにより固定される。パニアケース30の内側面部38には、ケース保持部50の溝部51に係合する複数の係合部53が設けられている。
図4の例では、係合部53は、パニアケース30の内側面部38の車体前方側、車体後方側および車体下方側の3箇所に設けられている。なお、係合部53は3箇所に限らず、パニアケース30の外形に応じて、上方と下方の2箇所あるいは4箇所以上設けられてもよい。係合部53は、内側面部38から車幅方向に突出する円柱状の軸部53aと、軸部53aの端部に設けられる円盤状のフランジ部53bとを有する。フランジ部53bの外径は軸部53aの外径より大きく、溝部51の開口(
図4の上下方向の開口幅)よりも大きい外径を有する。軸部53aの外径は,溝部51の開口(
図4の上下方向の開口幅)よりも小さい外径を有する。
【0030】
パニアケース30は、車体後方からスライドさせて係合部53の軸部53aをケース保持部50の溝部51に係合させ、係合部53が溝部51から脱落しないように遮蔽部52を回転させて溝部51の開口を閉塞した状態でロック部52aで固定する。この場合、遮蔽部52は、少なくとも最後方に設けられているケース保持部50におよび係合部53を閉塞する。これにより、パニアケース30を車体後方からスライドさせてケース保持部50に係合できるので、狭い場所でも大型のパニアケース30の着脱がしやすくなる。また、部品コストを最小限に抑え、パニアケース30の着脱に要する操作性を改善できる。なお、本実施形態では、車体側にロック保持部を設け、パニアケース30に係合部53を設けた構成であるが、車体側に係合部53を設け、パニアケース30にロック保持部50を設けた構成としてもよい。
【0031】
また、パニアケース30にグリップ部40を設けることにより走行中に前方向にかかる荷重に対しても従来の構造に比べて剛性が高くなる。なお、遮蔽部の構成は、
図4(a)に示すように遮蔽部52を回転させる機構だけでなく、
図4(b)に示すように溝部51の上端から下端にわたってロックピン54を通してケース保持部50に螺合してロックする構成、ロック部材55を上方から下方にスライドさせてロックする構成としてもよい。
【0032】
また、グリップ部40は、
図3に示すように、車体フレームを構成するシートフレーム13およびリヤシート12に沿うように(リヤシート12およびシートフレーム13と平行に)で車体前後方向に延びている。これにより、グリップ部40が車体の近くに配置されるので、同乗者Pが把持しやすい構成となる。
【0033】
また、
図3に示すように、グリップ部40は、パニアケース30の上面部36における車体側に配置されるので、同乗者Pが車体の近くで把持しやすい構成となる。なお、車体側とは、
図3に示す車体上方から見た平面視でパニアケース30の蓋部33も含めた中心線Qよりも車体側である。
【0034】
また、
図1に示すように、グリップ部40の前アーム部41およびグリップアーム部43の前部はリヤシート12の座面12aよりも低い位置にある。これにより、同乗者Pの乗降性を損なうことなく、パニアケース30の容量を拡大できる。また、グリップ部40の後アーム部42およびグリップアーム部43の後部はリヤシート12の座面12a以上の高さを有する。これにより、同乗者Pの居住性を損うことなく、パニアケース30にグリップ部40を設けることができる。
【0035】
以上のように、本実施形態によれば、車体側にグリップ部を設けずに、グリップ部40をパニアケース30に設け、パニアケース30の容量を拡大することができる。
【0036】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、本発明の鞍乗り型車両は、自動二輪車に限られず、原動機付自転車などの鞍乗り型車両全般に適用可能である。
【0037】
[実施形態のまとめ]
上述した実施形態は、少なくとも以下の鞍乗り型車両を開示する。
【0038】
<態様1>
乗員が着座するシート12と、前記シート12の車幅方向の外側に配置されるラゲッジボックス30と、を有する鞍乗り型車両1であって、
前記鞍乗り型車両1を車幅方向から見たときに前記ラゲッジボックス30と前記シート12が重なるように配置され、
前記ラゲッジボックス30の上面部36にグリップ部40が設けられ
前記ラゲッジボックス30の前記グリップ部40の少なくとも一部は前記シート12の座面12a以上の高さを有する。
【0039】
態様1によれば、乗員が乗車中に把持できるグリップ部40がパニアケース30に設けられるので、車体側にリヤグリップを設ける必要がなくなり、パニアケース30の容量を拡大することができる。
【0040】
<態様2>
態様1において、前記ラゲッジボックス30は、車体側に設けられるケース保持部50に取り付けられ、
前記ラゲッジボックス30は、前記ケース保持部50に係合される係合部53を有し、
前記ケース保持部50は、溝部51と前記溝部51の開口を閉塞する遮蔽部52とを有し、
前記遮蔽部52は、前記ラゲッジボックス30の係合部53が前記ケース保持部50の溝部51に係合した状態で前記溝部51の開口を閉塞する。
【0041】
態様2によれば、パニアケース30を車体後方からスライドさせてケース保持部50に係合させることができるので、狭い場所でも大型のパニアケース30の着脱がしやすくなる。
【0042】
<態様3>
態様2において、前記ケース保持部50および前記係合部53が複数設けられ、
前記溝部51は、車体後方に向けて開口し、
前記遮蔽部52は、少なくとも最後方に設けられるケース保持部50に設けられている。
【0043】
態様3によれば、部品コストを最小限に抑え、パニアケース30の着脱に要する操作性を改善できる。
【0044】
<態様4>
態様1から3のいずれかにおいて、前記グリップ部40は、前記ラゲッジボックス30の車体側に配置される。
【0045】
態様4によれば、同乗者Pが車体の近くで把持しやすい構成となる。
【0046】
<態様5>
態様1から4のいずれかにおいて、前記シート12は、運転手ではない同乗者Pが着座するリヤシート12であり、
前記グリップ部40は、前記リヤシート12に沿うように車体前後方向に延びている。
【0047】
態様5によれば、グリップ部40が車体の近くに配置されるので、同乗者Pが把持しやすい構成となる。
【0048】
<態様6>
態様5において、前記グリップ部40の前部41は、前記リヤシート12の座面12aより低い。
【0049】
態様6によれば、同乗者Pの乗降性を損なうことなく、パニアケース30の容量を拡大できる。
【0050】
<態様7>
態様6において、前記グリップ部40の後部42は、前記リヤシート12の座面12a以上の高さを有する。
【0051】
態様7によれば、同乗者Pの居住性を損うことなく、パニアケース30にグリップ部40を設けることができる。
【符号の説明】
【0052】
1…鞍乗り型車両
2…前輪
3…後輪
4…フロントフォーク
5…メインフレーム
6…ハンドル
7…パワートレイン
8…変速機
9…スイングアーム
10…燃料タンク
11…メインシート
12…リヤシート
12a…座面
12b…ベルト
13…シートフレーム
16…フロントカバー
17…ヘッドライトユニット
18…リヤカバー
19…テールライトユニット
20…ウィンドシールド
21…バックミラー
22…リヤキャリア
23…リヤフェンダ
30…パニアケース(ラゲッジボックス)
31…ボックス部
32…外側面部
33…蓋部
34…前面部
35…後面部
36…上面部
36a前傾斜部
36b…後傾斜部
37…底面部
38…内側面部
40…グリップ部
41…前アーム部
42…後アーム部
43…グリップアーム部
50…ケース保持部
51…溝部
52…遮蔽部
52a…ロック部
53…係合部
53a…軸部
53b…フランジ部
54…ロックピン
55…ロック部材
P…同乗者
Q…パニアケース30の中心線