(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131824
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】通信装置、通信確立方法及び報知方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20240920BHJP
G08B 21/14 20060101ALI20240920BHJP
G08B 21/16 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G08B25/00 520A
G08B21/14
G08B21/16
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042300
(22)【出願日】2023-03-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】東 慎士
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 信二
(72)【発明者】
【氏名】八束 大地
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】城井 哲史
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 環
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086AA38
5C086FA06
5C086FA17
5C087AA19
5C087AA37
5C087BB18
5C087BB72
5C087BB73
5C087BB76
5C087DD07
5C087EE14
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】検知器による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、検知器と通信装置との間でより確実に通信を確立させる。
【解決手段】ガス検知器(40)は、センサ部(SM)を備え、外部と通信可能な複数のガス検知器(30)から送信された検出情報であって、センサ部(SM)による所定イベントの検出結果を示す検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部(41T)と、検出情報が所定条件を満たす場合に、ガス検知器(30)と通信部(41T)との双方向の通信を確立するように、通信部(41T)を制御する制御部(41C)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定イベントを検出する第1検出部を備え、外部と通信可能な複数の検知器から送信された検出情報であって、前記第1検出部による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部と、
前記通信部によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出情報が前記所定条件を満たす場合に、前記少なくとも一部の検知器のそれぞれと前記通信部との1対1の双方向の通信を順に確立するように、前記通信部を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部との双方向の通信を確立した前記検知器に対して、報知を行うように指示する報知指示を送信するように前記通信部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記所定イベントを検出する第2検出部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の検知器は、
前記所定イベントとして所定ガスの濃度を検出するセンサ部と、
前記センサ部によって検出された前記所定ガスの濃度に応じて警報を報知するか否かを判定する判定部と、を前記第1検出部として備え、
前記判定部が警報を報知すると判定した場合、警報を報知する報知部を備え、
前記通信部は、前記判定部による判定結果を示す判定情報を前記検出情報として受信可能であり、
前記制御部は、前記通信部によって受信された前記判定情報が、前記所定条件として前記判定部によって警報を報知すると判定されたことを示す情報であることを満たす場合に、前記少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項6】
所定イベントを検出する複数の検知器から送信される検出情報であって、前記検知器による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記所定条件を満たすと判定した場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信装置との双方向の通信を確立するように、前記通信装置を制御する通信確立工程と、を備えることを特徴とする通信確立方法。
【請求項7】
所定イベントを検出する検出工程と、
前記検出工程によって検出された前記所定イベントの検出結果を示す検出情報を、複数の検知器から外部に送信する送信工程と、
前記送信工程において前記複数の検知器から送信された前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器に対して、前記通信装置との双方向の通信を確立するとともに報知を行うように指示をする報知工程と、を備えることを特徴とする報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信確立方法及び報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モバイルガス検知器と、モバイルガス検知器から送られるガス検出データを受信する受信管理部と、の間で通信が行われるガス検知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のガス検知システムは、モバイルガス検知器と、受信管理部を備える監視装置と、の間で通信が行われるものであるため、当該ガス検知システムでは、ユーザ間で機器を用いて通信を行うことは想定されていない。このため、上記ガス検知システムでは、何らかの異常が発生した場合、複数のユーザで情報を共有することができないという問題がある。
【0005】
本開示の一態様は、検知器による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、検知器と通信装置との間でより確実に通信を確立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様の通信装置は、所定イベントを検出する第1検出部を備え、外部と通信可能な複数の検知器から送信された検出情報であって、前記第1検出部による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部と、前記通信部によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御する制御部と、を備える。
【0007】
通信装置は、検知器より送信された検出情報が所定条件を満たす場合に、複数の検知器の少なくとも一部の検知器と通信部との双方向の通信を確立するように通信部を制御する。これにより、検知器による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、検知器と通信装置との間でより確実に通信を確立させることができる。
【0008】
本開示の第2態様の通信装置では、第1態様の通信装置において、前記制御部は、前記検出情報が前記所定条件を満たす場合に、前記少なくとも一部の検知器のそれぞれと前記通信部との1対1の双方向の通信を順に確立するように、前記通信部を制御してもよい。複数の検知器のそれぞれと通信部との1対1の双方向の通信が順に確立されるため、通信装置は、複数の検知器のそれぞれと双方向の通信を行うことができる。
【0009】
本開示の第3態様の通信装置では、第1態様または第2態様の通信装置において、前記制御部は、前記通信部との双方向の通信を確立した前記検知器に対して、報知を行うように指示する報知指示を送信するように前記通信部を制御してもよい。通信装置は、検知器と双方向の通信を確立した上で、検知器に対して報知を行うように促すことができる。
【0010】
本開示の第4態様の通信装置は、第1態様または第2態様の通信装置において、前記所定イベントを検出する第2検出部を備えてもよい。通信装置において、検知器との間で通信を確立する機能と、所定イベントを検出する機能と、を兼ねることができる。
【0011】
本開示の第5態様の通信装置では、第1態様または第2態様の通信装置において、前記複数の検知器は、前記所定イベントとして所定ガスの濃度を検出するセンサ部と、前記センサ部によって検出された前記所定ガスの濃度に応じて警報を報知するか否かを判定する判定部と、を前記第1検出部として備え、前記判定部が警報を報知すると判定した場合、警報を報知する報知部を備え、前記通信部は、前記判定部による判定結果を示す判定情報を前記検出情報として受信可能であり、前記制御部は、前記通信部によって受信された前記判定情報が、前記所定条件として前記判定部によって警報を報知すると判定されたことを示す情報であることを満たす場合に、前記少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御してもよい。
【0012】
通信装置は、複数の検知器より送信された判定情報が、警報を報知すると判定されたことを示す情報である場合に、複数の検知器の少なくとも一部の検知器に対して双方向の通信を確立する。これにより、初めに警報を報知する検知器のユーザ以外の他のユーザも安全を確保するために行動することができる。よって、複数の検知器のユーザの安全を確保することができる。
【0013】
本開示の第6態様の通信確立方法は、所定イベントを検出する複数の検知器から送信される検出情報であって、前記検知器による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定工程と、前記判定工程で前記所定条件を満たすと判定した場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信装置との双方向の通信を確立するように、前記通信装置を制御する通信確立工程と、を備える。
【0014】
本開示の第7態様の報知方法は、所定イベントを検出する検出工程と、前記検出工程によって検出された前記所定イベントの検出結果を示す検出情報を、複数の検知器から外部に送信する送信工程と、前記送信工程において前記複数の検知器から送信された前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器に対して、前記通信装置との双方向の通信を確立するとともに報知を行うように指示をする報知工程と、を備える。
【0015】
検知器による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、検知器と通信装置との間でより確実に通信を確立させることができ、複数の検知器の少なくとも一部の検知器に対して通信を確立して報知を行うように促すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によれば、検知器による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、検知器と通信装置との間でより確実に通信を確立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の実施形態に係るガス検知システムを説明する図である。
【
図2】
図1に示すガス検知システムが備えるガス検知器を示す平面図である。
【
図3】
図1に示すガス検知システムが備えるガス検知器の電気的な構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示したガス検知システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示したガス検知システムの別の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<ガス検知システム>
以下、ガス検知システム100について
図1~
図3を用いて具体的に説明する。
図1は、本開示の実施形態に係るガス検知システム100を説明する図である。
図2は、
図1に示すガス検知システム100が備えるガス検知器30を示す平面図である。
図3は、
図1に示すガス検知システム100が備えるガス検知器30及び40の電気的な構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
なお、本実施形態では、検知器として所定ガスを検知するガス検知器30と、通信装置としてデータ通信が可能なガス検知器40と、を用いた場合を例示して説明する。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、所定イベントを検出する検知器と、検知器と通信可能な通信装置と、を含んだ通信ネットワークを構築した検知システムであればよい。当該通信装置としては、例えば、他にスマートフォンまたはタブレットなどの携帯情報端末が挙げられる。ガス検知システム100は、
図1に示すように、複数、例えば、4つのガス検知器30a、30b、30c及び30d(以下、“30”で総称する。)と、ガス検知器40と、を備える。
【0020】
<ガス検知器>
ガス検知器30は、
図2に示すように、例えば、四角形状に構成された本体部31を備える。本体部31は、例えば、合成樹脂製の箱体を有しており、当該箱体は作業者等のユーザの手で持ち運び可能に構成されている。換言すれば、ガス検知器30は、携帯可能なモバイル端末として機能するようになっている。
【0021】
また、5つのセンサ部SMを設置するための設置領域32が、例えば本体部31の正面側に設けられている。設置領域32には、例えば、円形状に各々開口された開口部を備える、スロット32a、32b、32c、32d及び32eが設けられている。そして、5つのセンサ部SMがそれぞれスロット32a、32b、32c、32d及び32eに着脱可能に取り付けられている。
【0022】
さらに、音声出力部33が、例えば本体部31の正面側に設けられている。音声出力部33は、例えば、スピーカなどを含むものであり、センサ部SMの検出結果を示す検出情報を示す音声を出力することにより、検出情報を外部に報知する報知部を構成している。検出情報は、例えば、センサ部SMによって検出される所定ガスの濃度を示す濃度情報である。また、表示部34が、例えば本体部31の正面側に設けられている。表示部34は、例えば、液晶ディスプレイパネルを用いて構成されており、センサ部SMの検出結果などの検出情報を表示することにより、検出情報を外部に報知する報知部を構成している。
【0023】
ガス検知器30は、例えば、爆発性雰囲気下の区画で使用可能なガス検知器である。具体的にいえば、ガス検知器30は、防爆構造規格(例えば、国際規格「IEC 60079-0:2017」及び「IEC 60079-1:2014」)に適合する構造体に構成されている。
【0024】
換言すれば、ガス検知器30は、爆発性雰囲気下の区画内で所定ガスを検出可能であるとともに、たとえ、当該区画内でガス爆発が生じたとしても損傷の発生を極力抑制して動作を維持できたり、自機が着火源にならず爆発を防止したりするように構成されている。なお、ここでいう爆発性雰囲気とは、該当区画内の雰囲気において、爆発を生じる可能性がある雰囲気であることを示している。換言すれば、爆発を発生し得る、ガス濃度以上の可燃性ガスを含む雰囲気をいう。
【0025】
<ガス検知器の電気的な構成>
次に、
図3の符号A1を参照して、ガス検知器30の電気的な構成について具体的に説明する。
図3の符号A1は、ガス検知器30の電気的な構成を示す。
図3の符号A1に示すように、ガス検知器30は、センサ部SMと、本体部31と、を備える。ガス検知器30においては、
図2に示すように、5つのセンサ部SMが設けられている。各センサ部SMは、所定ガスを検出するためのガスセンサモジュールとしてモジュール化されたものである。
【0026】
具体的にいえば、センサ部SMは、例えば、定電位電解式センサ、NDIR(Non-Dispersive Infrared)センサ、接触燃焼式センサ、半導体式センサまたはMEMS(Micro Electro Mechanical System)型のセンサエレメントを含んでいる。また、センサ部SMは、上記センサエレメントでのセンシング形式等に応じて、所定ガスとして、例えば、メタンガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、酸素ガス、一酸化炭素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、塩素ガスまたはアンモニアガスのいずれかを検出するよう構成されている。
【0027】
なお、例えば、ガス検知器30において、5つのセンサ部SMのうち、2つのセンサ部SMを用いて、同一種類の所定ガスを検出してもよいし、互いに異なる種類の所定ガスを検出してもよい。また、センサ部SMは、所定ガスの濃度の測定値等を検出してもよい。
【0028】
センサ部SMは、所定イベントを検出する第1検出部の一例である。本実施形態では、ガス検知器30が、所定イベントとして所定ガスの濃度を検出するセンサ部SMを備える場合を例示している。ただし、本開示はこれに限定されず、ガス検知器30が、所定イベントとしてガス検知器30における故障の発生を検出する第1検出部を備える構成でもよい。また、本開示は、ガス検知器30が、所定イベントとして操作受付部(図示せず)に対して警報停止などのユーザからの操作指示の受付を検出する第1検出部を備える構成でもよい。
【0029】
また、ガス検知器30においては、本体部31は、制御部31Cと、通信部31Tと、報知部31Hと、を備えており、本体部31に着脱可能なセンサ部SMと互いに独立して構成されている。報知部31Hは、上述したように、音声出力部33と、表示部34と、を含んでいる。
【0030】
制御部31Cは、例えば、CPU、MCU(Micro Controller Unit)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを含んで構成されている。また、ガス検知器30は、所定の制御プログラムを保持した記憶部(図示せず)を備えており、制御部31Cは、当該制御プログラムに従って、ガス検知器30の各部の制御を行う。
【0031】
制御部31Cは、センサ部SMからの所定ガスの検出結果について、センサ部SMに予め記憶されている校正データを用いた所定演算を施す。そして、制御部31Cは、その所定演算結果を上記検出結果として報知部31Hに報知させる。なお、このように制御部31Cが、センサ部SMに記憶されている校正データを用いて所定演算を行うので、ガス検知器30では、センサ部SMの交換作業を容易に行うことができる。
【0032】
制御部31Cは、判定部35を有しており、判定部35は、検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部35は、センサ部SMによって検出された所定ガスの濃度に応じて警報を報知するか否かを判定する。判定部35は、所定イベントを検出する第1検出部の一例である。
【0033】
判定部35は、警報を報知するか否かの判定結果を所定イベントとして検出する。判定部35による判定結果を示す判定情報は、検出情報の一例である。判定部35は、例えば、所定ガスの濃度が所定値以上である場合、警報を報知すると判定し、所定ガスの濃度が所定値未満である場合、警報を報知しないと判定してもよい。
【0034】
通信部31Tは、例えば、I/Oポート(入出力回路)を備えた通信インターフェース部を含んで構成されている。通信部31Tは、制御部31Cからの指示に従って、センサ部SMの検出結果を示す検出情報を含む接続要求情報を、ガス検知器30の外部に送信する。
【0035】
また、通信部31Tは、当該接続要求情報をガス検知器30の外部に送信する送信部の機能と、所定の情報をガス検知器30の外部から受信する受信部の機能と、を有する。また、通信部31Tは、受信部及び送信部から構成されるものであってもよい。さらに、通信部31Tは、判定部35による判定結果を示す判定情報を含む接続要求情報を、ガス検知器30の外部に送信してもよい。
【0036】
接続要求情報は、通信部31Tからガス検知器30の外部に一方向に送信される、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信でのアドバタイズであり、通信部31Tからガス検知器30の外部に通信部31Tとの接続を要求する情報である。ガス検知器30は、上記BLE通信でのペリフェラルとして機能する。
【0037】
図3の符号A2を参照して、ガス検知器40の電気的な構成について具体的に説明する。
図3の符号A2は、ガス検知器40の電気的な構成を示す。ガス検知器40の構成は、ガス検知器30の構成と同じであってもよい。また、
図3の符号A2に示すように、ガス検知器40は、センサ部SM2と、本体部41と、を備える。センサ部SM2及び本体部41の構成はそれぞれ、センサ部SM及び本体部31の構成と同じであってもよい。センサ部SM2は、所定イベントを検出する第2検出部の一例である。
【0038】
ガス検知器40においては、本体部41は、制御部41Cと、通信部41Tと、報知部41Hと、を備える。ガス検知器40は、ユーザの手で持ち運び可能に構成されている。換言すれば、ガス検知器40は、携帯可能なモバイル端末として機能するようになっている。ガス検知器40は、ガス検知器30とは別のガス検知器である。つまり、ガス検知器40は、ガス検知器30とは別体のものである。ガス検知器40は、上記BLE通信でのセントラルとして機能する。
【0039】
通信部41Tは、通信部31Tと同様に構成されており、ガス検知器30から接続要求情報を受信可能な受信部の機能と、接続要求情報に含まれる検出情報をガス検知器40の外部に送信する送信部の機能と、を有する。また、通信部41Tは、受信部及び送信部から構成されるものであってもよい。
【0040】
通信部41Tは、外部と通信可能な複数のガス検知器30から送信された検出情報であって、第1検出部による所定イベントの検出結果を示す検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能なものである。
【0041】
ここで、双方向の通信とは、互いの機器(複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30とガス検知器40)が受信・送信の双方向で通信を行うことである。また、双方向の通信を確立するとは、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30とガス検知器40との通信接続が完了し、双方向の通信が可能となることである。
【0042】
具体的には、まず、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30の通信部31Tが送信した接続要求情報を、ガス検知器40の通信部41Tが受信し、通信部41Tがガス検知器30に接続要求情報を送信する。これにより、ガス検知器30とガス検知器40との接続が完了し、双方向の通信が可能となる。双方向の通信が確立すると、通信が確立したガス検知器30に対してガス検知器40が報知指示を送信し、ガス検知器40に対してガス検知器30が報知指示の受信完了を送信する、といった双方向の通信が可能となる。報知指示については後述する。
【0043】
具体的には、例えば、通信部41Tは、センサ部SMによる所定ガスの検出結果を示す検出情報を受信可能であってもよい。また、通信部41Tは、判定部35による判定結果を示す判定情報を検出情報として受信可能であってもよい。ガス検知器40は、センサ部SM2及び通信部41Tを備えることにより、ガス検知器30との間で通信を確立する機能と、所定イベントを検出する機能と、を兼ねることができる。
【0044】
報知部41Hは、報知部31Hと同様に構成されており、音声出力部43と、表示部44と、を含んでいる。音声出力部43及び表示部44の構成はそれぞれ、音声出力部33及び表示部34の構成と同じであってもよい。制御部41Cは、制御部31Cと同様に構成されており、ガス検知器40が備える記憶部(図示せず)に記憶された所定の制御プログラムに従って、ガス検知器40の各部の制御を行う。
【0045】
制御部41Cは、判定部45を有している。判定部45は、判定部35と同様に構成されており、通信部41Tによって受信された検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部45は、通信部41Tによって受信された検出情報としての濃度情報であって、ガス検知器30のセンサ部SMによって検出される所定ガスの濃度を示す濃度情報に応じて警報を報知するか否かを判定する。判定部45は、例えば、所定ガスの濃度が所定値以上である場合、警報を報知すると判定し、所定ガスの濃度が所定値未満である場合、警報を報知しないと判定してもよい。
【0046】
<ガス検知システムの動作例>
次に、
図4及び
図5も参照して、本実施形態のガス検知システム100の動作例について具体的に説明する。
図4は、
図1に示したガス検知システム100の動作例を示すフローチャートである。
図5は、
図1に示したガス検知システム100の別の動作例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、まず
図4を用いて、本実施形態のガス検知システム100の通信確立方法について説明する。
【0047】
図4に示すように、ガス検知器30の第1検出部は、所定イベントを検出する(S1)。ステップS1は検出工程の一例である。具体的には、ガス検知器30のセンサ部SMは、所定イベントとして所定ガスの濃度を検出する。
【0048】
なお、ステップS1において、ガス検知器30の第1検出部は、所定イベントとしてガス検知器30における故障の発生を検出してもよい。また、ガス検知器30の第1検出部は、所定イベントとして上記操作受付部に対して警報停止などのユーザからの操作指示の受付を検出してもよい。さらに、ガス検知器30の判定部35は、所定イベントとして警報を報知するか否かの判定結果を検出してもよい。
【0049】
また、判定部35が警報を報知すると判定した場合、報知部31Hは警報を報知する。具体的には、音声出力部33は、警報を示す音声を出力することにより警報を報知する。また、表示部34は、警報を示す警報情報を表示することにより警報を報知する。
【0050】
ガス検知器30の第1検出部が所定イベントを検出した後、通信部31Tは、制御部31Cからの指示に従って、ガス検知器30の第1検出部による所定イベントの検出結果を示す検出情報をガス検知器30の外部に送信する(S2)。なお、複数のガス検知器30の通信部31Tが、第1検出部によって検出された所定イベントの検出結果を示す検出情報を外部に送信してもよい。ステップS2は送信工程の一例である。
【0051】
具体的には、通信部31Tは、センサ部SMによる所定ガスの濃度を示す濃度情報を検出情報としてガス検知器30の外部に送信する。なお、ステップS2において、通信部31Tは、ガス検知器30の第1検出部による検出結果であって、ガス検知器30における故障の発生の検出結果を示す検出情報をガス検知器30の外部に送信してもよい。
【0052】
また、通信部31Tは、ガス検知器30の第1検出部による検出結果であって、上記操作受付部に対して警報停止などのユーザからの操作指示の受付の検出結果を示す検出情報をガス検知器30の外部に送信してもよい。さらに、通信部31Tは、判定部35による判定結果を示す判定情報を検出情報としてガス検知器30の外部に送信してもよい。
【0053】
次に、ガス検知器40の通信部41Tは、複数のガス検知器30の通信部31Tから送信される検出情報であって、ガス検知器30による所定イベントの検出結果を示す検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信する(S3)。ステップS3は受信工程の一例である。なお、ステップS3において、表示部44は、通信部41Tによって受信された検出情報を表示してもよい。
【0054】
通信部41Tが検出情報を受信した後、判定部45は、通信部41Tによって受信された検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する(S4)。ステップS4は判定工程の一例である。具体的には、判定部45は、所定条件としてセンサ部SMによって検出された所定ガスの濃度が所定値以上であることを満たしているか否かを判定する。
【0055】
なお、判定部45は、ガス検知器30の第1検出部による検出結果が所定条件を満たしているか否かを判定してもよい。この場合、当該所定条件は、ガス検知器30の第1検出部による検出結果が、ガス検知器30において故障が発生していることを示すことである。
【0056】
また、上記所定条件は、ガス検知器30の第1検出部による検出結果が、上記操作受付部に対して警報停止などのユーザからの操作指示の受付があったことを示すことであってもよい。さらに、上記所定条件は、通信部41Tによって受信された判定情報が、ガス検知器30の判定部35によって警報を報知すると判定されたことを示す情報となることであってもよい。
【0057】
さらに、通信部41Tが受信する検出情報には、ガス検知器30が、報知部31Hによって警報が報知されている警報状態にあることを示す警報情報が含まれていてもよい。この場合、判定部45は、通信部41Tによって受信された検出情報に上記警報情報が含まれているか否かを確認することによって、所定条件としてガス検知器30が警報状態にあることを満たしているか否かを判定する。
【0058】
判定部45が、通信部41Tによって受信された検出情報が所定条件を満たさないと判定した場合(S4でNO)、ステップS1に戻る。一方、判定部45が、通信部41Tによって受信された検出情報が所定条件を満たすと判定した場合(S4でYES)を考える。この場合、制御部41Cは、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30の通信部31Tと、通信装置としてのガス検知器40の通信部41Tと、の双方向の通信を確立するように、ガス検知器40の通信部41Tを制御する(S5)。ステップS5は通信確立工程の一例である。
【0059】
ガス検知器40は、ガス検知器30より送信された検出情報が所定条件を満たす場合に、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30と通信部41Tとの双方向の通信を確立するように通信部41Tを制御する。これにより、ガス検知器30による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、ガス検知器30とガス検知器40との間でより確実に通信を確立させることができる。
【0060】
また、通信部41Tによって受信された判定情報が、所定条件として判定部35によって警報を報知すると判定されたことを示す情報であることを満たす場合(S4でYES)を考える。この場合、ステップS5において、制御部41Cは、少なくとも一部のガス検知器30の通信部31Tと、ガス検知器40の通信部41Tと、の双方向の通信を確立するように、通信部41Tを制御してもよい。
【0061】
ガス検知器40は、複数のガス検知器30より送信された判定情報が、警報を報知すると判定されたことを示す情報である場合に、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30に対して双方向の通信を確立する。これにより、初めに警報を報知するガス検知器30のユーザ以外の他のユーザも安全を確保するために行動することができる。よって、複数のガス検知器30のユーザの安全を確保することができる。
【0062】
<ガス検知システムの別の動作例>
次に、
図5を用いて、ガス検知システム100の報知方法について説明する。
図5に示すステップS11~S14の処理はそれぞれ、
図4に示すステップS1~S4の処理と同じ処理である。
【0063】
ステップS14の処理の後、判定部45が、通信部41Tによって受信された検出情報が所定条件を満たすと判定した場合(S14でYES)を考える。この場合、制御部41Cは、ガス検知器30に対して、通信装置としてのガス検知器40との双方向の通信を確立するとともに報知を行うように指示をする(S15)。具体的には、制御部41Cは、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30に対して、ガス検知器40との双方向の通信を確立するとともに報知を行うように指示をする。ステップS15は報知工程の一例である。
【0064】
また、ステップS15において、制御部41Cは、通信部41Tとの双方向の通信を確立したガス検知器30に対して、報知を行うように指示する報知指示を送信するように通信部41Tを制御する。これにより、ガス検知器40は、ガス検知器30と双方向の通信を確立した上で、ガス検知器30に対して報知を行うように促すことができる。
【0065】
制御部41Cが通信部31Tに対して、ガス検知器40との双方向の通信を確立するとともに報知を行うように指示をした後、ガス検知器30の通信部31Tは、ガス検知器40の通信部41Tとの双方向の通信を確立する。また、ガス検知器30の報知部31Hは、報知を行う(S16)。
【0066】
具体的には、例えば、報知部31Hは警報を報知する。この場合、音声出力部33は、警報を示す音声を出力することにより警報を報知し、表示部34は、警報を示す警報情報を表示することにより警報を報知する。また、報知部31Hは、ガス検知器30のユーザに対して避難を指示する内容を報知してもよい。この場合、音声出力部33は、避難を指示する内容を示す音声を出力し、表示部34は、避難を指示する内容を表示する。
【0067】
ガス検知器30による所定イベントの検出結果を示す検出情報が所定条件を満たした場合に、ガス検知器30とガス検知器40との間でより確実に通信を確立させることができる。また、複数のガス検知器30の少なくとも一部のガス検知器30に対して通信を確立して報知を行うように促すことができる。
【0068】
<ガス検知システムについての補足>
ガス検知システム100において、例えば、
図5に示すステップS11及びS12の処理を実行するガス検知器30aを第1ガス検知器30a、ガス検知器40を第2ガス検知器40と称してもよい。また、ガス検知器30b、30c及び30dをそれぞれ、第3ガス検知器30b、30c及び30dと称してもよい。
【0069】
さらに、第1ガス検知器30aが備えるセンサ部SM、通信部31T、制御部31C、判定部35、報知部31H、音声出力部33及び表示部34をそれぞれ、第1センサ部SM、第1通信部31T、第1制御部31C、第1判定部35、第1報知部31H、第1音声出力部33及び第1表示部34と称してもよい。
【0070】
第2ガス検知器40が備えるセンサ部SM2、通信部41T、制御部41C、判定部45、報知部41H、音声出力部43及び表示部44をそれぞれ、第2センサ部SM2、第2通信部41T、第2制御部41C、第2判定部45、第2報知部41H、第2音声出力部43及び第2表示部44と称してもよい。
【0071】
第3ガス検知器30b、30c及び30dが備えるセンサ部SM、通信部31T、制御部31C、判定部35、報知部31H、音声出力部33及び表示部34をそれぞれ、第3センサ部SM、第3通信部31T、第3制御部31C、第3判定部35、第3報知部31H、第3音声出力部33及び第3表示部34と称してもよい。
【0072】
〔変形例1〕
ステップS5において、制御部41Cは、検出情報が所定条件を満たす場合に、少なくとも一部のガス検知器30のそれぞれと通信部41Tとの1対1の双方向の通信を順に確立するように、通信部41Tを制御してもよい。この場合、例えば、通信部41Tは、ガス検知器30a~30dの通信部31Tに対して、1対1の双方向の通信を順に確立する。複数のガス検知器30のそれぞれと通信部41Tとの1対1の双方向の通信が順に確立されるため、ガス検知器40は、複数のガス検知器30のそれぞれと双方向の通信を行うことができる。
【0073】
〔変形例2〕
ステップS5において、制御部41Cは、通信部41Tと、少なくとも一部のガス検知器30のそれぞれと、の1対多の通信の接続状態を維持するように、通信部41Tを制御してもよい。この場合、制御部41Cは、当該接続状態を維持した上で、通信部41Tと、少なくとも一部のガス検知器30のそれぞれと、の双方向の通信を順に確立するように、通信部41Tを制御する。このとき、制御部41Cは、双方向の通信において通信のタイミングが重複しないように、通信部41Tを制御する。
【0074】
〔変形例3〕
ステップS15において、制御部41Cは、通信部41Tとの双方向の通信を確立したガス検知器30に対して、音声出力を行うように指示する報知指示を送信してもよい。この場合、ステップS16において、音声出力部33は音声を出力する。これにより、報知指示を受信したガス検知器30のユーザは、音声出力部33から音声を確認できるため、ガス検知器30を操作していない状態でも、安全を確保するために早急に行動することができる。
【0075】
〔変形例4〕
ステップS5において、制御部41Cは、複数のガス検知器30のうち、所定条件を満たす検出情報を送信したガス検知器30を、通信部41Tとの双方向の通信を確立する通信確立対象から除外してもよい。この場合、制御部41Cは、複数のガス検知器30のうち、当該通信確立対象から除外したガス検知器30以外のガス検知器30と通信部41Tとの双方向の通信を確立するように、通信部41Tを制御する。
【0076】
所定条件を満たす検出情報を送信したガス検知器30を通信確立対象から除外することにより、通信確立対象から除外したガス検知器30との通信の確立にかかる時間を省略できる。よって、ガス検知器40と、通信確立対象から除外したガス検知器30以外のガス検知器30と、の双方向の通信を効率良く確立することができる。
【0077】
〔変形例5〕
ステップS5において、制御部41Cは、複数のガス検知器30のうち、所定条件を満たす検出情報を送信したガス検知器30についても、通信部41Tとの双方向の通信を確立する通信確立対象に含めるように、通信部41Tを制御してもよい。また、ステップS5において、制御部41Cは、所定条件を満たす検出情報を送信したガス検知器30よりも他のガス検知器30を優先して、他のガス検知器30と通信部41Tとの双方向の通信を確立するように、通信部41Tを制御してもよい。
【0078】
〔変形例6〕
ガス検知器40が備える記憶部(図示せず)には、グループ設定情報が記憶されていてもよい。グループ設定情報は、通信部41Tが通信可能な少なくとも1つのガス検知器30が設定された情報である。通信部41Tは、上記記憶部に記憶されているグループ設定情報で設定されているガス検知器30と通信が可能であってもよい。この場合、ステップS4において、判定部45は、グループ設定情報で設定されているガス検知器30の通信部31Tから送信された検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する。
【0079】
ガス検知器40のユーザは、ガス検知器40が備える操作受付部(図示せず)を操作することにより、グループ設定情報を変更可能である。これにより、ガス検知器40のユーザは、ガス検知器40が通信可能なガス検知器30を指定することができる。
【0080】
〔変形例7〕
本実施形態のステップS2において、ガス検知器30の通信部31Tは、複数のセンサ部SMによって検出される、異なる種類の所定ガスのそれぞれの濃度を示す濃度情報を、ガス検知器30の外部に送信してもよい。この場合、ステップS4において、判定部45は、所定条件として複数種類の所定ガスのうち少なくとも1種類の所定ガスの濃度が所定値以上であることを満たしているか否かを判定してもよい。
【0081】
〔変形例8〕
本実施形態において、ガス検知器30は、ガス検知器30の周囲の温度及び湿度を検出する温湿度検出部(図示せず)を備えてもよい。また、ガス検知器30は、温湿度検出部によって検出されたガス検知器30の周囲の温度及び湿度から、暑さの度合いを示す暑さ情報を生成する情報生成部(図示せず)を備えてもよい。温湿度検出部は第1検出部の一例である。
【0082】
温湿度検出部は本体部31に内蔵されている温湿度センサであり、情報生成部は制御部31Cに含まれる。暑さ情報は、例えば暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)で示される情報であってもよく、暑さの度合いに応じて色で示される情報であってもよい。また、ガス検知器30は、温湿度検出部に代えて、ガス検知器30の周囲の温度を検出する温度検出部と、ガス検知器30の周囲の湿度を検出する湿度検出部と、を備えてもよい。温度検出部及び湿度検出部は第1検出部の一例である。
【0083】
通信部31Tは、ステップS2において、情報生成部によって生成された暑さ情報を検出情報として、ガス検知器30の外部に送信してもよい。この場合、ステップS4において、判定部45は、通信部41Tによって受信された暑さ情報が、所定条件として所定値以上であることを満たしているか否かを判定する。
【0084】
〔変形例9〕
通信部31Tは、ステップS2において、ガス検知器30の第1検出部が所定イベントを検出したことをトリガーとして、接続要求情報をガス検知器30の外部に送信してもよい。
【0085】
また、通信部31Tは、接続要求情報をガス検知器30の外部に定期的に送信していてもよい。この場合、通信部31Tは、ステップS2において、ガス検知器30の第1検出部が所定イベントを検出したとき、所定イベントの検出の次の接続要求情報の定期的な送信タイミングで、当該接続要求情報に検出情報を含めて送信する。
【0086】
さらに、通信部31Tは、同様に接続要求情報をガス検知器30の外部に定期的に送信する場合を考える。この場合、通信部31Tは、ステップS2において、ガス検知器30の第1検出部が所定イベントを検出すると、所定イベントの検出の次の接続要求情報の定期的な送信タイミングを待たずに、検出情報を含む接続要求情報を送信してもよい。なお、通信部31Tは、接続要求情報の定期的な送信の周期を短くして、ステップS2において、検出情報を含む接続要求情報を送信してもよい。
【0087】
また、通信部31Tが、接続要求情報をガス検知器30の外部に定期的に送信する場合、定期的に送信する接続要求情報に、所定イベントに関する情報を常に含めてもよい。さらに、通信部31Tは、第1検出部が所定イベントを検出した場合のみ、所定イベントの検出があったことを示す情報を、定期的に送信する接続要求情報に含めてもよい。
【0088】
〔変形例10〕
ガス検知器40の制御部41Cは、判定部45を含まなくてもよい。この場合、ステップS1より後に、ガス検知器30の判定部35が、検出情報が所定条件を満たすか否かを判定し、ステップS2において、ガス検知器30の通信部31Tが、判定部35による判定結果及び検出情報をガス検知器30の外部に送信する。そして、ステップS3において、ガス検知器40の通信部41Tが、当該判定結果及び検出情報を受信し、ステップS4の処理が実行されることなく、制御部41Cが判定部35による判定結果に応じてステップS5の処理を実行する。
【0089】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
30、30a~30d ガス検知器(検知器)
40 ガス検知器(通信装置)
41C 制御部
31H 報知部
41T 通信部
35 判定部(第1検出部)
SM センサ部(第1検出部)
SM2 センサ部(第2検出部)
【手続補正書】
【提出日】2023-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定イベントを検出する第1検出部を備え、外部と通信可能な複数の検知器から送信された検出情報であって、前記第1検出部による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部と、
前記通信部によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器のそれぞれと前記通信部との1対1の双方向の通信を順に確立するように、前記通信部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
所定イベントを検出する第1検出部を備え、外部と通信可能な複数の検知器から送信された検出情報であって、前記第1検出部による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部と、
前記通信部によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記通信部との双方向の通信を確立した前記検知器に対して、報知を行うように指示する報知指示を送信するように前記通信部を制御することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
所定イベントを検出する第1検出部を備え、外部と通信可能な複数の検知器から送信された検出情報であって、前記第1検出部による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく受信可能な通信部と、
前記通信部によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数の検知器のうち、前記検出情報を送信した検知器を、前記通信部との双方向の通信を確立する通信確立対象から除外し、
前記複数の検知器のうち、前記通信確立対象から除外した検知器以外の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
前記所定イベントを検出する第2検出部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記検出情報が前記所定条件を満たす場合に、2つ以上の前記検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記複数の検知器は、
前記所定イベントとして所定ガスの濃度を検出するセンサ部と、
前記センサ部によって検出された前記所定ガスの濃度に応じて警報を報知するか否かを判定する判定部と、を前記第1検出部として備え、
前記判定部が警報を報知すると判定した場合、警報を報知する報知部を備え、
前記通信部は、前記判定部による判定結果を示す判定情報を前記検出情報として受信可能であり、
前記制御部は、前記通信部によって受信された前記判定情報が、前記所定条件として前記判定部によって警報を報知すると判定されたことを示す情報であることを満たす場合に、前記少なくとも一部の検知器と前記通信部との双方向の通信を確立するように、前記通信部を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
所定イベントを検出する複数の検知器から送信される検出情報であって、前記検知器による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記所定条件を満たすと判定した場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器のそれぞれと前記通信装置との1対1の双方向の通信を順に確立するように、前記通信装置を制御する通信確立工程と、を備えることを特徴とする通信確立方法。
【請求項8】
所定イベントを検出する複数の検知器から送信される検出情報であって、前記検知器による前記所定イベントの検出結果を示す前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で前記所定条件を満たすと判定した場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器と前記通信装置との双方向の通信を確立するように、前記通信装置を制御する通信確立工程と、を備え、
前記通信確立工程において、前記複数の検知器のうち、前記検出情報を送信した検知器を、前記通信装置との双方向の通信を確立する通信確立対象から除外し、前記複数の検知器のうち、前記通信確立対象から除外した検知器以外の検知器と前記通信装置との双方向の通信を確立するように、前記通信装置を制御することを特徴とする通信確立方法。
【請求項9】
所定イベントを検出する工程と、
前記所定イベントを検出する工程によって検出された前記所定イベントの検出結果を示す検出情報を、複数の検知器から外部に送信する工程と、
前記複数の検知器から外部に送信する工程において前記複数の検知器から送信された前記検出情報を、双方向の通信を確立することなく通信装置で受信する工程と、
前記通信装置で受信する工程によって受信された前記検出情報が所定条件を満たす場合に、前記複数の検知器の少なくとも一部の検知器に対して、前記通信装置との双方向の通信を確立するとともに双方向の通信を確立した前記検知器に対して報知を行うように指示をする工程と、
前記検知器は前記通信装置からの指示に基づいて報知を行う工程と、を備えることを特徴とする報知方法。