(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131828
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】AI描画アートフレームシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/14 20060101AFI20240920BHJP
G06T 11/80 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G06F3/14 360A
G06T11/80 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042304
(22)【出願日】2023-03-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイトの掲載日:令和5年1月1日 ・ウェブサイトのアドレス:https://kawashimadaichi.tokyo/ https://kawashimadaichi.tokyo/portfolio/ai-art-frame ・ウェブサイトの掲載日:令和4年12月30日 ・ウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/daichi000daichi?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1608786740759912450%7Ctwgr%5E9c996acd4d1b1397ba6fa57074ceb1744ae86c8b%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fkawashimadaichi.tokyo%2Fportfolio%2Fai-art-frame
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523098496
【氏名又は名称】川島 大地
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】川島 大地
【テーマコード(参考)】
5B050
5B069
【Fターム(参考)】
5B050BA06
5B050CA05
5B050DA10
5B050FA02
5B069BA00
(57)【要約】
【課題】AI描画アートフレームの技術に関し、独創性のある画像を表示でき、鑑賞するユーザの意思も反映可能とする。
【解決手段】小型コンピュータ101上の画像生成AIモジュール部112は、テキスト入力部111が入力したテキストを、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに入力することにより、前記テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する。この画像データは、SPI送信部113、SPI受信部120、画像書込み部121を介して、電子ペーパーディスプレイ部122に書き込まれて表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストを入力するテキスト入力部と、
前記テキスト入力部が入力したテキストを、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに入力することにより、前記テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する画像生成AIモジュール部と、
前記画像生成AIモジュール部にて生成された前記画像データを送信する送信部と、
を備えるコンピュータと、
電子ペーパーディスプレイ部と、
前記送信部から送信された前記画像データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記画像データを前記電子ペーパーディスプレイ部に書き込むことにより、前記電子ペーパーディスプレイ部に前記画像データに対応する画像を表示させる画像書込み部と、
を備える電子ペーパー装置と、
を具備するAI描画アートフレームシステム。
【請求項2】
ユーザが任意のテキストを入力して前記テキスト入力部に送信するテキスト入力・送信部を備えたユーザ端末を更に具備する、請求項1に記載のAI描画アートフレームシステム。
【請求項3】
前記コンピュータと前記電子ペーパー装置は物理的に分離しており、
前記送信部と前記受信部は無線で前記画像データを通信する、
請求項1又は2に記載のAI描画アートフレームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AI描画アートフレームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトフレームに関連する従来技術として、額のディスプレイ部分の表面が液晶表示パネル(FPD)となっており、該液晶表示パネルが情報処理装置により駆動されるようにしたものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、顔認識手段が認識した人物の画像を、アバタ情報記憶手段に記憶されているアバタ情報に基づいて加工することで、変化に富んだ面白みのある画像を生成できるようにした従来技術も知られている(例えば特許文献2)。
【0004】
更に、電子ペーパーを用いて絵画を表示できるようにした従来技術も知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実登3094701号公報
【特許文献2】特開2014-082777号公報
【特許文献3】特開2009-015275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、何れの従来技術も、例えば鑑賞中のユーザの意思を反映できるようなオリジナリティのある画像を表示することはできず、独創性に欠けるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、独創性のある画像を表示でき、鑑賞するユーザの意思も反映可能なAI描画アートフレームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
態様の一例のAI描画アートフレームシステムは、テキストを入力するテキスト入力部と、テキスト入力部が入力したテキストを、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに入力することにより、テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する画像生成AIモジュール部と、画像生成AIモジュール部にて生成された画像データを送信する送信部と、を備えるコンピュータと、電子ペーパーディスプレイ部と、送信部から送信された画像データを受信する受信部と、受信部が受信した画像データを電子ペーパーディスプレイ部に書き込むことにより、電子ペーパーディスプレイ部に画像データに対応する画像を表示させる画像書込み部と、を備る電子ペーパー装置とを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、独創性のある画像を表示でき、鑑賞するユーザの意思も反映することが可能なAI描画アートフレームシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のAI描画アートフレームシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」と記載)について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、AI描画アートフレームシステム100の実施形態のブロック図である。
【0012】
画像を生成する機能を備える例えば手のひらサイズ大の小型コンピュータ101は、テキスト入力部111と、画像生成AIモジュール部112と、Bluetooth通信部110とを具備する。なお、通信方法としては、Wi-Fiを用いても良いし、テキストを記述したファイルを保存したSDカードなどの記憶媒体を直接小型コンピュータに読み込ませても良い。
【0013】
テキスト入力部111は、画像生成のためのテキストを入力する。テキストは、予め用意されているデータセットの中から例えばランダムに選択されるようにしてもよいし、後述するようにユーザが自由に指定できるようにしてもよい。
【0014】
画像生成AIモジュール部112は、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに、テキスト入力部111が入力したテキストを入力することにより、テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する。
【0015】
このような画像生成AIモジュール部112としては、例えば、ミュンヘン大学のCompVisグループが開発したStable Diffusionと呼ばれるソフトウェアモジュールを利用することができる。このソフトウェアモジュールを、小型コンピュータ101の例えば不揮発性メモリに記憶させ、小型コンピュータ101のプロセッサがそのソフトウェアモジュールをメインメモリにロードして実行することにより、画像生成AIモジュール部112を実現することができる。
【0016】
SPI送信部113は、例えば、SPI:Serial Peripheral Interface規格に従って、画像生成AIモジュール部112にて生成された画像データを、電子ペーパー装置102に送信する。
【0017】
小型コンピュータ101のBluetooth通信部110は、Bluetoothの無線通信規格に従って、後述するユーザ端末103からユーザが指定したテキストを受信し、テキスト入力部111に引き渡す。なお、先述のように、通信にはWi-Fiを用いても良いし、テキストを記述したファイルを保存したSDカードなどの記憶媒体を直接小型コンピュータに読み込ませても良い。
【0018】
本実施形態では、電子的なアートフレームとして電子ペーパーを採用する。即ち、電子ペーパー装置102は、電子ペーパーディスプレイ部122と、SPI受信部120と、画像書込み部121を備える。
【0019】
SPI受信部120は、前述した小型コンピュータ101のSPI送信部113から送信された画像データを、SPI規格に従って例えば有線で受信する。
【0020】
画像書込み部121は、SPI受信部120が受信した画像データを電子ペーパーディスプレイ部123に書き込むことにより、電子ペーパーディスプレイ部123に画像データに対応する画像を表示させる。
【0021】
上述の構成により電子ペーパー装置102は、電子的なアートフレームを構成する。例えば部屋の壁掛けディスプレイとして、1台以上の電子ペーパー装置102が設置されてよい。小型コンピュータ101と電子ペーパー装置102を物理的に分離して無線により通信を行う場合、電子ペーパー装置102にはBLE(Blootooth Low Energy)やWi-Fiなどの無線による画像受信部を設ける。
【0022】
上述の構成に加えて、AI描画アートフレームシステム100は、アートフレームを鑑賞するユーザが所持・操作可能なユーザ端末103を備えてよい。ユーザ端末103は、タッチパネルディスプレイ130と、テキスト入力・送信部131と、Bluetooth通信部132とを備える。なお、先述の通り、Wi-Fiによる通信としても良いし、SDカードなどの記憶媒体から読み込む方式でも良い。
【0023】
テキスト入力・送信部131は、例えばユーザ端末103上で動作するアプリケーションプログラムである。ユーザは、タッチパネルディスプレイ130で任意のテキストを入力する。Bluetooth通信部132が小型コンピュータ101のBluetooth通信部110と通信を行うことによって、タッチパネルディスプレイ130から入力されたテキストが、テキスト入力・送信部131から小型コンピュータ101内のテキスト入力部111に送られる。
【0024】
この結果、小型コンピュータ101内の画像生成AIモジュール部112が、ユーザが入力した任意のテキストをイメージできる画像の画像データを生成し、電子ペーパー装置102の電子ペーパーディスプレイ部122に表示することができる。
【0025】
以上説明した実施形態において、機械学習モデルを用いた画像生成は、通常、消費電力が多く、処理能力の高いハイスペックのコンピュータが必要になる。これに対して本実施形態では、電子ペーパー装置102の採用と、電子ペーパー装置102で画像表示を行っているバックグラウンドで、小型コンピュータ101上で画像生成AIモジュール部112のプログラムを実行する。小型コンピュータ101上で画像生成AIモジュール部112のプログラムを実行するにはある程度の実行時間(1~3時間程度)がかかるが、その時間ごとに電子ペーパーディスプレイ部122に表示される画像を切り替えるようにし、その間に画像生成AIモジュール部112を実行するようにすればよい。
【0026】
電子ペーパー装置102では、電子ペーパーディスプレイ部122が、通常多く使用されるモニタとは異なり、画像書込み部121が画像データを電子ペーパーディスプレイ部122に書き込む期間以外は、一度表示した画像を固定するのに電源が不要でCPUの処理能力を消費しない。このため、画像を表示している間に小型コンピュータ101が自身のCPUを画像の生成に割くことができ、省電力かつ小型の市販コンピュータでもAIによる連続的な画像生成が可能になる。小型コンピュータ101と電子ペーパー装置102は1つの装置(アートフレーム)とすることができるが、コンピュータを搭載した親機と電子ペーパーによる画像表示機能のみを備えた子機とに物理的に分離して設け、親機に設けた送信部と子機に設けた受信部が無線で画像データを通信するものとしてもよい。子機は小さいバッテリーによる駆動でもよいため、場所を選ばずに稼働が可能となる。親機と子機は1対1に限定されず、1対複数、複数対1、複数対複数とすることもできる。
【0027】
AIによる画像生成をコンピュータに実装するためにはこれまで専門知識に基づくシステム構築が必要だったが、本実施形態では、例えばユーザ端末103からBluetoothの無線経由でテキストを指定するだけで、ユーザが自分の意図に沿った画像を生成することが可能となり、例えばスマートフォンなどからでも誰でも、手軽に通信して独創性に富んだ画像を生成することが可能となる。
【符号の説明】
【0028】
100 AI描画アートフレームシステム
101 小型コンピュータ
102 電子ペーパー装置
103 ユーザ端末
110、132 Bluetooth通信部
111 テキスト入力部
112 画像生成AIモジュール部
113 SPI送信部
120 SPI受信部
121 画像書込み部
122 電子ペーパーディスプレイ部
130 タッチパネルディスプレイ
131 テキスト入力・送信部
【手続補正書】
【提出日】2024-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキストを入力するテキスト入力部と、
前記テキスト入力部が入力したテキストを、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに入力することにより、前記テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する画像生成AIモジュール部と、
前記画像生成AIモジュール部にて生成された前記画像データを送信する送信部と、
を備えるコンピュータと、
電子ペーパーディスプレイ部と、
前記送信部から送信された前記画像データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記画像データを前記電子ペーパーディスプレイ部に書き込むことにより、前記電子ペーパーディスプレイ部に前記画像データに対応する画像を表示させる画像書込み部と、
を備える電子ペーパー装置と、
を具備し、
前記電子ペーパー装置の前記電子ペーパーディスプレイ部が画像表示を行っているバックグラウンドで、前記コンピュータの前記画像生成AIモジュール部が前記画像データを生成し、前記画像データの生成にかかる時間毎に前記電子ペーパーディスプレイ部に表示される画像を切り替えるAI描画アートフレームシステム。
【請求項2】
ユーザが任意のテキストを入力して前記テキスト入力部に送信するテキスト入力・送信部を備えたユーザ端末を更に具備する、請求項1に記載のAI描画アートフレームシステム。
【請求項3】
前記コンピュータと前記電子ペーパー装置は物理的に分離しており、
前記送信部と前記受信部は無線で前記画像データを通信する、
請求項1又は2に記載のAI描画アートフレームシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
態様の一例のAI描画アートフレームシステムは、テキストを入力するテキスト入力部と、テキスト入力部が入力したテキストを、多くのテキストから夫々イメージできるような各画像に対応する画像データを生成するように機械学習された機械学習モデルに入力することにより、テキストからイメージされる画像に対応する画像データを生成する画像生成AIモジュール部と、画像生成AIモジュール部にて生成された画像データを送信する送信部と、を備えるコンピュータと、電子ペーパーディスプレイ部と、送信部から送信された画像データを受信する受信部と、受信部が受信した画像データを電子ペーパーディスプレイ部に書き込むことにより、電子ペーパーディスプレイ部に画像データに対応する画像を表示させる画像書込み部と、を備える電子ペーパー装置と、を具備し、電子ペーパー装置の電子ペーパーディスプレイ部が画像表示を行っているバックグラウンドで、コンピュータの画像生成AIモジュール部が画像データを生成し、画像データの生成にかかる時間毎に電子ペーパーディスプレイ部に表示される画像を切り替える。