(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131837
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】運動支援装置、運動支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20240920BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B71/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042314
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 潤
(72)【発明者】
【氏名】菅原 孝
(72)【発明者】
【氏名】中野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】山本 新之介
(72)【発明者】
【氏名】高梨 陸
(57)【要約】
【課題】利用者にとって適切な運動量を提示すること。
【解決手段】本開示に係る運動支援装置は、所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得する取得部と、会議の予定に基づいて、会議におけるユーザの運動量を算出する算出部と、ユーザの運動量を含む運動情報を出力する出力制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得する取得部と、
前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出する算出部と、
前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力する出力制御部と、
を備える、
運動支援装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記所定の時間において必要な前記ユーザの総運動量と、前記会議の数及び会議の予定時間とに基づいて、前記会議における前記運動量を算出する、
請求項1に記載の運動支援装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記会議の種類に基づいて、その会議における前記運動量を算出する、
請求項1又は請求項2に記載の運動支援装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記会議の予定として、前記会議の種類の情報を取得し、
前記算出部は、前記会議のうちの第1会議の種類が、前記会議のうちの第2会議よりも、会議における運動量を高く設定可能であることを示す場合、第1会議における運動量を、第2会議における運動量よりも高く設定して算出する、
請求項3に記載の運動支援装置。
【請求項5】
前記算出部は、運動量の算出対象となる対象会議と同じ種類の過去の会議である過去会議の状況についての検出結果を取得して、前記過去会議の状況の検出結果に基づいて、前記対象会議における運動量を設定する、
請求項3に記載の運動支援装置。
【請求項6】
前記ユーザの運動量に基づいて、前記ユーザの運動量を反映する運動情報を設定する運動情報設定部を更に備え、
前記運動情報設定部は、前記運動量を前記ユーザに示す情報を、前記運動情報として設定し、
前記出力制御部は、前記運動情報を前記ユーザに通知する、
請求項1又は請求項2に記載の運動支援装置。
【請求項7】
前記ユーザの運動量に基づいて、前記ユーザの運動量を反映する運動情報を設定する運動情報設定部を更に備え、
前記運動情報設定部は、前記運動量に基づいて、運動機器の動作条件を、前記運動情報として設定し、
前記出力制御部は、前記動作条件を前記運動機器に出力する、
請求項1又は請求項2に記載の運動支援装置。
【請求項8】
所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得するステップと、
前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出するステップと、
前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、
を含む、
運動支援方法。
【請求項9】
所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得するステップと、
前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出するステップと、
前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、
を、
コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運動支援装置、運動支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が実行すべき運動量を提示する技術が開示されている。例えば、特許文献1の技術では、利用者による摂取の目標である目標カロリーと摂取カロリーとに応じて、利用者が過剰に摂取した過剰カロリーを消費するために利用者が実行すべき運動の運動量を決定し、決定した運動量を利用者に提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように利用者にとって適切な運動量を提示する技術には、改善の余地がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者にとって適切な運動量を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る運動支援装置は、所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得する取得部と、前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出する算出部と、前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力する出力制御部と、を備える。
【0007】
本開示に係る運動支援方法は、所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得するステップと、前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出するステップと、前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、所定の時間におけるユーザの会議の予定を取得するステップと、前記会議の予定に基づいて、前記会議における前記ユーザの運動量を算出するステップと、前記ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示に係る運動支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る運動支援装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る運動支援装置が取得する予定表の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る運動支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0012】
<運動支援システムの構成>
図1は、本開示に係る運動支援システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本開示に係る運動支援システム1は、運動支援装置10と、運動機器100と、を備える。
【0013】
運動支援装置10は、ユーザUの健康増進のために、ユーザUの運動を支援する情報処理装置である。運動支援装置10は、ユーザUが使用する情報処理装置であってよく、例えば、PC(Personal Computer)、ノート型PC、スマートフォン、タブレット型端末、スマートウォッチ、ウェアラブル端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。運動支援装置10は、例えば、ユーザUの予定表を取得して、ユーザUの運動量を提示する。
【0014】
ここで、運動は、ユーザUが行う運動ともいえ、例えば会議中に行うことができる運動であってよい。運動は、運動機器を使用する運動や運動機器を使用しない運動が挙げられる。運動機器を使用する運動は、トレッドミル102を使用した運動、ダンベルを使用した運動等が挙げられる。運動機器を使用しない運動は、スクワットや腿上げ等が挙げられる。
【0015】
運動機器100は、ユーザUが行う運動を補助する運動機器である。本開示においては、運動機器100は、ユーザUが会議中に使用できる機器であることが好ましい。
【0016】
運動支援装置10と運動機器100は、図示しないネットワークにより接続される。ネットワークは、有線又は無線により相互に情報の送受信を可能に接続する通信網である。ネットワークが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))により実現されてよい。ネットワークが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、第4世代移動通信システム(4G)や第5世代移動通信システム(5G)を用いて実現されてよい。
【0017】
<運動機器>
本開示に係る運動機器100について、説明する。運動機器100は、例えばトレッドミルデスクである。
図1に示すように、運動機器(トレッドミルデスク)100は、トレッドミル102と、デスク106とを有する。なお、
図1に示す例では、トレッドミル102とデスク106とは、一体で示しているが、トレッドミル102と、デスク106とは、別体であってもよい。また、運動機器100は、トレッドミルデスクに限定されず、フィットネスバイクやダンベル、握力を鍛える運動機器等であってもよい。なお、運動強度や運動回数を自動で取得できない運動(ダンベル運動やスクワット等)の場合には、運動支援装置10に運動種目毎に運動強度等を予め登録しておくことが好ましい。また、ダンベル運動やスクワット等の運動の場合には、運動支援装置10が運動回数をユーザUの動作から検出することが好ましいが、ユーザUが数えてもてよい。
【0018】
トレッドミル102は、操作部103と、駆動装置104と、検出部105と、ベルトBとを含む。トレッドミル102は、操作部103の制御部103Cから発信される信号(動作条件)に基づいて駆動装置104が回動することで、ベルトBが駆動装置104の回動と連動して回転する。すなわち、トレッドミル102は、ユーザUが回転するベルトBに乗って歩いたり走ったりすることで運動することができるいわゆるランニングマシンである。
【0019】
操作部103は、ユーザUがトレッドミル102の動作を制御するための操作盤である。操作部103は、トレッドミル102を操作するための操作ボタン103Aと、操作結果やユーザUの運動状態を示す表示部103Bと、操作部103内に配置された制御部103Cとを含む。
【0020】
操作ボタン103Aは、ユーザUがトレッドミル102を操作するためのボタンである。操作ボタン103Aは、電源ボタンや速度調整ボタン、傾斜角度調整ボタン及び緊急停止ボタン等を含む。操作ボタン103Aは、ユーザUが操作ボタン103Aを押すことで、トレッドミル102の動作情報を受付ける。
【0021】
表示部103Bは、操作ボタン103Aが受付けた結果やユーザUの運動状態等を表示する。表示部103Bは、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどによって実現される。
【0022】
制御部103Cは、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部103Cは、トレッドミル102の動作を制御する。制御部103Cは、信号を発信することで、トレッドミル102の動作を制御する。制御部103Cは、操作ボタン103Aが受付けた情報を基に、信号を発信する。制御部103Cは、発信する信号により駆動装置104を制御する。制御部103Cが発信する信号は、動作条件である。動作条件は、ユーザUの操作や運動支援装置10から出力される運動条件であるともいえる。動作条件は、例えば、トレッドミル102の速度(ユーザUの歩行速度)やトレッドミル102の動作時間及び傾斜等である。動作条件は、例えば速度5km/h、傾斜+1%、20分動作等である。なお、制御部103Cは後述する運動支援装置10と一体であってもよい。
【0023】
ここで、方向、傾斜角度について説明する。本開示では、ユーザUが操作部103側を向いて立った場合における、ユーザUの進行・後退方向をX方向とする。言い換えれば、ベルトBの長手方向をX方向とする。さらに言えば、トレッドミル102の長手方向をX方向とするともいえる。X方向のうち、ユーザUの進行方向をX1方向とし、ユーザUの後退方向をX2方向とする。そして、X方向に直交する方向をY方向とする。言い換えれば、ベルトBの短手方向(奥行き方向)をY方向とする。さらに言えば、トレッドミル102の短手方向(奥行き方向)をY方向とするともいえる。Y方向のうち、ユーザUがX1方向を向いて立った場合における、ユーザUの右側をY1方向とし、左側をY2方向とする。また、鉛直方向をZ方向とする。Z方向のうち、鉛直方向上向きをZ1とし、鉛直方向下向きをZ2とする。トレッドミル102の傾斜角度は、道路の坂道の勾配と同様に示す。ベルトBのX2方向側の後端を支点として、床とベルトBが平行な状態から、ベルトBのX1方向側の先端がZ1方向に傾斜する方向を+方向とし、Z2方向に傾斜する方向を-方向とする。つまり、傾斜は、ベルトBを坂道とした場合に、ユーザUに対する上り坂や下り坂の傾斜(勾配)といえる。例えば傾斜+1%は、ベルトBを坂道とした場合に、ユーザUに対する上り坂の勾配が1%であるといえる。
【0024】
駆動装置104は、制御部103Cからの信号に基づいてベルトBの回転・停止を行う。駆動装置104は、例えば図示しないモータ等から構成される。駆動装置104は、モータ等の回転・停止と共にベルトBを回転・停止させる。駆動装置104は、X2方向にベルトBが回転するように駆動する。
【0025】
検出部105は、ユーザUの運動状態やトレッドミル102の動作状態を検出する。検出部105は、例えばユーザUの脈拍や心拍数、歩行速度等を検出する。検出部105は、例えばトレッドミル102の電源のON,OFF、トレッドミル102の回転速度や動作時間等を検出する。検出部105は、センサやカメラ等によって実現される。検出部105は、例えば、デスク106の操作部103側の両端から、X2方向に延在する延在部や操作部103等に設けられてよい。
【0026】
ベルトBは、駆動装置104の作動に基づいて、回転・停止する。ベルトBは、ユーザUが乗って運動を行うための帯状の部材である。ベルトBは、X2方向に回転する。
【0027】
デスク106は、物品を載せることができる机である。デスク106は、天板部106Aと支持部106Bとを含む。天板部106Aは、ユーザUが物品を置くことができる部材である。天板部106Aは、例えばユーザUが使用する端末装置を置くことができる部材である。支持部106Bは、天板部106Aを支持する部材である。従って、ユーザUは、端末装置をデスク106に載せ、動作するトレッドミル102のベルトBに乗って歩いたり走ったりすることで、仕事(例えば会議)をしながら運動することができる。
【0028】
以上が運動機器100の構成及び動作であるが、運動機器100の構成や動作は以上説明したものに限られず、任意のものであってよい。また、運動機器100は必須の構成ではなく、運動支援システム1は、少なくとも運動支援装置10を有していればよい。運動機器100が無い場合でも、ユーザUは、運動機器100を使用しない運動が可能である。
【0029】
<運動支援装置>
本開示に係る運動支援装置について説明する。
図2は、本開示に係る運動支援装置の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、運動支援装置10は、通信部20と、入力部30と、表示部40と、検出部50と、制御部60と、記憶部70と、を備える。
【0030】
通信部20は、運動支援装置10と外部を相互に通信可能に接続し、運動支援装置10と外部との間で相互に情報を送受信する。通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LANカード、アンテナ等によって実現されてよい。そして、通信部20は、ネットワークと有線又は無線で接続され、例えば、運動機器100との間で相互に情報の送受信を行う。
【0031】
入力部30は、ユーザUから各種の情報の入力を受付ける。入力部30は、例えば、キーボードやマウスにより実現されて、ユーザUから入力された各種の情報を受付けてよい。また、入力部30は、タッチパネルであってよく、表示面(例えば表示部40)を介してユーザUから入力された各種の情報を受付けてよい。例えば、入力部30は、ユーザUの身長や体重、体脂肪率等の健康情報やトレッドミル102の最低・最高速度や傾斜や連続可動時間等の情報、職場の情報、運動機器100の種類や運動機器100の有無等をユーザUの入力操作に従って受付ける。入力部30は、ユーザUの予定をユーザUの入力によって受付けてもよい。
【0032】
表示部40は、ユーザUに各種の情報を表示する。表示部40は、後述する出力制御部64の出力内容に従って情報を表示する。表示部40は、例えば出力制御部64からの運動情報の通知を表示する。表示部40は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、マイクロLEDディスプレイなどによって実現される。
【0033】
制御部60は、制御装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部60は、取得部61と、算出部62と、運動情報設定部63と、出力制御部64と、を含む。制御部60は、記憶部70からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、取得部61と、算出部62と、運動情報設定部63と、出力制御部64とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部60は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、取得部61と、算出部62と、運動情報設定部63と、出力制御部64との少なくとも一部を、ハードウェアで実現してもよい。
【0034】
<会議>
ここで、予定表及び会議について、
図3を用いて、説明する。
図3は、本開示に係る運動支援装置が取得する予定表の一例を示す図である。
【0035】
図3に示す予定表は、所定の時間(例えば1週間)の予定が示された予定表である。予定には会議の予定も含まれる。すなわち、予定表とは、所定の時間における、予定されている会議の時間帯を示す情報である。予定表は、ユーザUにより設定されてもよいし、自動で設定されてもよい。なお、所定の時間は、未来における時間帯を指し、1週間に限定されず、1日や1か月等であってもよい。
【0036】
本開示において、それぞれの会議には、種類が設定されていることが好ましい。会議の種類は、例えば、予定表に会議の予定を入力する際に、会議の予定時間帯と共に設定されてよい。会議の種類とは、その会議の属性であり、種類毎に会議の内容が異なるものといえる。例えば、会議の種類は、定例会議、報告会議、連絡会議などに分類されていてよい。また、会議の種類は、会議の場所、参加者、人数、参加者の発話量、会議の時間帯、会議の時間の長さ、Webカメラの使用の有無、会議でのユーザUの役割等によっても分類されていてよい。
図3に示す例では、定例会議と連絡会議と報告会議とが種類Aとして設定されており、アイディア会議が種類Bとして設定されており、ユーザUが発話せず、会議内容を記録する会議が種類Cとして設定されている。また、WebカメラをONにする会議は、
図3には図示していないが、ユーザUの発言や会議における役割にかかわらず、種類Dとして設定されてよい。なお、ここでは、会議の種類として、種類A~Dの4つを例示しているが、4つに限定されず、任意に設定されてよい。例えば、会議の種類の情報は、ユーザUが発話せず、会議内容を記録する場合には、種類Cを種類Bとして設定してもよい。また、種類の分類の仕方の上記に限られず任意に設定されてよい。
【0037】
<予定の取得>
図2に戻り、取得部61について説明する。取得部61は、所定の時間におけるユーザUの会議の予定を取得する。本実施形態では、取得部61は、ユーザUの予定表から、ユーザUの会議の予定を取得する。すなわち例えば、後述する記憶部70に予定表が記憶されており、取得部61は、記憶部70に記憶された予定表から、ユーザUの会議の予定を読み出してよい。ここでの会議の予定とは、所定の時間において予定されている会議の時間帯の情報である。ただし、取得部61は、会議の予定として、会議の時間帯に加えて、予定されている会議の種類の情報も取得してよい。ここでの取得部61が取得した会議の予定の情報は、後述する記憶部70に出力し、記憶部70記憶させてよい。
【0038】
<運動量の算出>
算出部62は、取得部61が取得した会議の予定に基づいて、会議におけるユーザUの運動量を算出する。すなわち、算出部62は、会議の予定に基づいて、会議で行うべき運動の運動量を算出する。例えば、算出部62は、ユーザUの、所定の時間において必要なユーザUの運動量を、総運動量として取得する。総運動量は、適宜設定されてよい。そして、算出部62は、この総運動量と、所定の時間において予定されている会議の数と、それぞれの会議の時間とに基づいて、会議における運動量を算出してよい。例えば、算出部62は、所定の時間において予定されている会議の数とそれぞれの会議の時間とを乗じた値で、総運動量を除して、会議の単位時間当たりの運動量である単位運動量を算出する。そして、算出部62は、所定の時間におけるそれぞれの会議について、単位運動量と会議の予定時間とを乗じた値を、会議における運動量を算出する。ただし、運動量の算出方法はこれに限られず任意であってよい。また、算出部62は、この総運動量と、所定の時間において予定されている会議の数と、それぞれの会議の時間とに基づいて、会議における運動量を算出してよいとしたがこれに限定されない。例えば、算出部62は、所定の時間において予定されている会議の数で、総運動量を除して、1回の会議における運動量である単位会議運動量を算出する。そして、算出部62は、所定の時間におけるそれぞれの会議について、単位会議運動量により会議における運動量を算出する。
【0039】
上述の例では、算出部62は、会議の時間に基づき、会議での運動量を算出していたが、算出部62は、会議の種類にも基づいて、会議での運動量を算出することが好ましい。すなわち、算出部62は、運動量の算出対象となる会議の種類と、その会議の時間長さとに基づいて、その会議での運動量を算出する。
【0040】
例えば、算出部62は、それぞれの会議について、会議の種類に基づいて、その会議で単位時間当たりに割り当て可能な運動量(単位運動量)を設定し、単位運動量に基づいて、会議における運動量を算出してよい。例えば、算出部62は、会議の種類と単位運動量との対応関係を予め設定しておき、算出対象となる会議の種類と対応する単位運動量を、その会議の単位運動量に設定して、その会議の運動量を算出する。すなわち、所定の時間における会議のうちで、一部の会議を第1会議とし、第1会議よりも単位運動量が低い会議を第2会議とする。すなわち、第1会議は、第2会議よりも、運動量を高く設定可能である。この場合、算出部62は、第1会議における運動量を第2会議における運動量よりも高く設定して算出する。単位運動量の設定方法は任意であってよいが、種類D、種類C、種類B、種類Aの順で、単位運動量を高く設定してよい。すなわち例えば、所定の時間における会議に、種類A、種類Bの2種類の会議が設定されている場合には、種類Aの会議が第1会議となり、種類Bの会議が第2会議となる。
【0041】
また場合例えば、算出部62は、総運動量と、会議の数と、それぞれの会議の時間と、それぞれの会議における単位運動量と、に基づいて、会議における運動量を算出してよい。算出部62は、会議における運動量が、その会議の単位運動量と会議時間とを乗じた値以下となるように、会議における運動量を算出してよい。
【0042】
また例えば、算出部62は、会議の時間帯毎にユーザUの運動量を異ならせて算出してよい。言い換えれば、算出部62は、会議の時間帯毎にユーザUの運動量を設定して算出する。算出部62は、例えば、会議が13:00開始の場合には、昼食を摂取した直後であるため、15:00開始の会議よりも運動量を低くしてよい。
【0043】
算出部62は、会議の参加者に応じて、ユーザUの運動量を設定して算出してもよい。この場合、算出部62は、参加者の人数に応じて、ユーザUの運動量を設定して算出する。例えば、会議の参加者が少ない程、運動量を低く設定してよい。すなわち例えば、会議の参加者が、ユーザUと、ほか1人の合計2人の場合には、2人以上の会議よりも運動量を低く算出する、もしくは、運動量をゼロとしてよい。また、算出部62は、会議の参加者の立場に応じて、ユーザUの運動量を設定して算出してよい。例えば、算出部62は、会議の参加者が同僚や部下である場合の運動量を会議の参加者が部長や役員、取引先等である場合の運動量よりも、高く設定してよい(すなわち参加者の立場が高い程、運動量を低く設定してよい)。
【0044】
算出部62は、算出した運動量を運動情報記憶部75へ出力する。
【0045】
<運動情報の設定>
運動情報設定部63は、運動情報記憶部75から、算出部62によって算出された会議における運動量を読み出して、会議における運動量を反映した運動情報を設定する。運動情報設定部63は、会議における運動量に基づいて、会議における運動量を反映した運動情報を設定する。運動情報は、運動量を反映した任意の情報であってもよく、または、運動量を含む情報であってもよい。例えば、運動情報は、会議における運動量をユーザUに通知する情報であってよい。この場合、運動情報設定部63は、所定の時間の会議毎に、運動量を示す情報を、運動情報として設定する。また例えば、運動情報は、運動機器100の動作条件を示す情報であってよい。すなわち、この場合、運動情報設定部63は、運動量に基づいて、所定の時間の会議毎に、運動機器100の動作条件を、運動情報として設定する。例えば、動作条件は、運動機器100の、強度や動作時間をいう。具体的に、例えばトレッドミル102の速度を6km/hで30分動作すること等が挙げられる。
【0046】
また、運動情報設定部63は、ユーザUが実際に行った過去の運動量にも基づき、運動情報を設定してよい。この場合例えば、運動情報設定部63は、ユーザUが運動を行う対象会議において、ユーザUが、算出部62が算出した運動量を超えた運動を行った場合、もしくは、少なく運動を行った場合や運動することができなかった場合には、次回の会議における運動情報を更新して設定する。例えば運動情報設定部63は、ユーザUが運動を行う前に算出した運動量と実際にユーザUが行った運動量との差分を算出し、その差分に基づいて、運動情報を設定する。運動情報設定部63は、ユーザUが、算出部62が算出した運動量を超える運動量を行った場合には、次回ユーザUが行う運動のレベルを低く設定してもよい。より具体的には、
図3に示す例では、例えば、種類Aの定例会議において、ユーザUが、算出部62が算出した運動量を超えた場合には、次回の会議における運動量のレベルが低くなるように更新して設定してもよい。また、運動情報設定部63は、ユーザUが、算出部62が算出した運動量が未達成の場合には、次回ユーザUが行う運動量のレベルを高く設定してもよい。この場合、運動情報設定部63は、ユーザUの運動量の達成基準、すなわち閾値を設定することが好ましい。運動情報設定部63は、例えば、ユーザUが実際に行った運動量が、算出部62が算出した運動量の50%未満である場合には、次回ユーザUが行う運動の運動量のレベルを高く設定する。例えば、種類Aの定例会議において、ユーザUが、算出部62が算出した運動量の40%しか運動できなかった場合には、次回の会議における運動量のレベルが高くなるように更新して設定してもよい。
【0047】
<運動情報の出力>
出力制御部64は、運動情報を出力する。運動情報が、運動量をユーザUに通知する情報である場合、出力制御部64は、運動情報をユーザUに通知する。出力制御部64は、例えば表示部40にプッシュ通知で運動情報を通知し、ユーザUがプッシュ通知を選択すると、運動量が表示されるように運動情報を出力する。また例えば、出力制御部64は、会議の予定時刻や、会議のリマインダを通知する際に、運動情報を表示部40に表示させてよい。また、運動情報が、運動機器100の動作条件を示す情報である場合、出力制御部64は、動作条件を運動機器100に出力してよい。この場合、運動機器100は、会議の予定時刻に、設定された動作条件で動作してよい。出力制御部64は、出力制御部64が出力した動作条件で、運動機器100を制御して、動作させてもよい。
【0048】
記憶部70は、各種の情報を記憶する。制御部60の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部70が保存する制御部60用のプログラムは、運動支援装置10が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。記憶部70は、予定情報記憶部71と、健康情報記憶部72と、職場情報記憶部73と、過去会議情報記憶部74と、運動情報記憶部75と、を含む。予定情報記憶部71と、健康情報記憶部72と、職場情報記憶部73と、過去会議情報記憶部74と、運動情報記憶部75とは、制御部60で実行する各プログラムの処理のパラメータの情報を記憶する。なお、健康情報記憶部72と職場情報記憶部73とは、必須の構成ではない。
【0049】
予定情報記憶部71は、制御部60が取得した予定表や会議の予定を記憶する。
【0050】
健康情報記憶部72は、ユーザUの健康情報を記憶する。健康情報記憶部72は、ユーザUの身長や体重、年齢、脂肪率等を記憶する。
【0051】
職場情報記憶部73は、職場の情報を記憶する。職場情報記憶部73は、ユーザUが入力した職場の場所(勤務先、自宅、貸しオフィス等)、会議室の広さ、机や椅子の数等を記憶する。なお、職場情報記憶部73が記憶する情報は必須ではない。
【0052】
過去会議情報記憶部74は、検出部50が検出した会議の情報を記憶する。過去会議情報記憶部74は、取得部61から検出部50が検出した検出結果(会議の状況)を取得して記憶する。過去会議情報記憶部74は、検出部50から直接検出結果を取得して記憶してもよい。
【0053】
運動情報記憶部75は、算出部62が算出した運動量を記憶する。運動情報記憶部75は、運動情報設定部63が設定した運動情報を記憶する。運動情報記憶部75は、ユーザUの運動量や運動機器100の動作条件を記憶する。運動情報記憶部75は、運動機器100について記憶してもよい。運動情報記憶部75は、ユーザUが入力した情報から運動機器100の有無や種類及び設定等を記憶してもよい。運動情報記憶部75は、ユーザUの運動状態を記憶してもよい。運動情報記憶部75は、ユーザUの健康情報を記憶してもよい。
【0054】
<処理フロー>
図4は、運動支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
運動支援装置10は、ユーザUの予定表から会議の予定を取得し(ステップS10)、会議の予定に基づいて、会議におけるユーザUの運動量を算出する(ステップS12)。次に、運動支援装置10は、ユーザUの運動量に基づいて、ユーザUの運動量を反映して、運動情報を設定する(ステップS14)。そして、運動支援装置10は、運動情報を出力する(ステップS16)。
【0056】
<他の例>
上記の説明では、算出部62は、会議毎に設定された会議の種類に基づいて、会議における運動量を算出していた。一方、本例においては、過去の会議の状況の検出結果に基づいて、未来の(所定の時間の)会議での運動量を算出する。以下で具体的に説明する。
【0057】
本例においては、検出部50は、会議の状況を検出する。検出部50は、カメラやマイク等により実現される。会議の状況とは、その会議におけるユーザU自身や他の参加者の動作や、会議室の環境などを指す。すなわち例えば、検出部50は、ユーザUや参加者の人数や視線やしぐさ及び発話等を、会議の状況として検出してよい。また例えば、検出部50は、会議室の広さや机や椅子の数等を、会議の状況として検出してもよい。
【0058】
ここで、運動量の算出対象となる会議を対象会議とし、対象会議と同じ種類の過去の会議を、過去会議とする。すなわち対象会議が種類Aの会議である場合、過去会議は、それよりも過去に開催された種類Aの会議である。取得部61は、検出部50が検出した過去会議の状況の検出結果を取得する。算出部62は、過去会議の状況の検出結果に基づいて、対象会議における運動量を算出する。例えば、算出部62は、過去会議の状況において、ユーザUの負荷が低いほど(例えばユーザUの発話量が少ない程)、対象会議の運動量を高く設定してよい。
【0059】
<効果>
本開示に係る運動支援装置10は、所定の時間におけるユーザUの会議の予定を取得する取得部61と、会議の予定に基づいて、会議におけるユーザUの運動量を算出する算出部62と、ユーザの運動量を含む運動情報を出力する出力制御部64と、を備える。
【0060】
これにより、予定表から会議の予定を取得することで、会議の時間における運動量を提示することができる。そのため、利用者(ユーザ)は、会議中に効率よく運動することができる。従って、運動支援装置10は、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0061】
本開示に係る運動支援装置10の算出部62は、所定の時間において必要なユーザUの総運動量と、会議の数及び会議の予定時間とに基づいて、会議における運動量を算出する。
【0062】
これにより、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0063】
本開示に係る運動支援装置10の算出部62は、会議の種類に基づいて、その会議における運動量を算出する。
【0064】
これにより、会議の種類によって運動量を調整できる。そのため、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0065】
本開示に係る運動支援装置10の取得部61は、会議の予定として、会議の種類の情報を取得し、算出部62は、会議のうちの第1会議の種類が、会議のうちの第2会議よりも、会議における運動量を高く設定可能であることを示す場合、第1会議における運動量を、第2会議における運動量よりも高く設定して算出する。
【0066】
これにより、会議の種類によって運動量を調整でき、運動強度も調整できる。そのため、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0067】
本開示に係る運動支援装置10の算出部62は、運動量の算出対象となる対象会議と同じ種類の過去の会議である過去会議の状況についての検出結果を取得して、過去会議の状況の検出結果に基づいて、対象会議における運動量を設定する。
【0068】
これにより、過去会議の状況から同じ種類の対象会議の状況も予測することが可能となる。そのため、運動量の算出対象となる対象会議に適した運動量を設定することができ、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0069】
本開示に係る運動支援装置10の運動情報設定部63は、運動量をユーザUに示す情報を、運動情報として設定し、出力制御部64は、運動情報をUユーザに通知する。
【0070】
これにより、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0071】
本開示に係る運動支援装置10の運動情報設定部63は、運動量に基づいて、運動機器100の動作条件を、運動情報として設定し、出力制御部64は、動作条件を運動機器100に出力する。
【0072】
これにより、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0073】
本開示に係る運動支援方法は、所定の時間におけるユーザUの会議の予定を取得するステップと、会議の予定に基づいて、会議におけるユーザUの運動量を算出するステップと、ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、を含む。
【0074】
これにより、予定表から会議の予定を取得することで、会議の時間における運動量を提示することができる。そのため、利用者(ユーザ)は、会議中に効率よく運動することができる。従って、運動支援装置10は、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0075】
本開示に係るプログラムは、所定の時間におけるユーザUの会議の予定を取得するステップと、会議の予定に基づいて、会議におけるユーザUの運動量を算出するステップと、ユーザの運動量を含む運動情報を出力するステップと、を、コンピュータに実行させる。
【0076】
これにより、予定表から会議の予定を取得することで、会議の時間における運動量を提示することができる。そのため、利用者(ユーザ)は、会議中に効率よく運動することができる。従って、運動支援装置10は、利用者にとって適切な運動量を提示することができる。
【0077】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 運動支援システム
10 運動支援装置
20 通信部
30 入力部
40 表示部
50 検出部
60 制御部
61 取得部
62 算出部
63 運動情報設定部
64 出力制御部
70 記憶部
71 予定情報記憶部
72 健康情報記憶部
73 職場情報記憶部
74 過去会議情報記憶部
75 運動情報記憶部
100 運動機器
102 トレッドミル
106 デスク
U ユーザ