(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131855
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ウインカ装置
(51)【国際特許分類】
B62J 6/056 20200101AFI20240920BHJP
B62K 23/02 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B62J6/056
B62K23/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042333
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬之口 裕太
(72)【発明者】
【氏名】岩丸 虎喜
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一成
(57)【要約】
【課題】簡素な構成としながらウインカの点滅方式を変えることができるウインカ装置を提供する。
【解決手段】ウインカ装置は、可動接点(75、275)と固定接点(87、287)と操作子(60)とを有し、前記可動接点(75、275)は前記操作子(60)の操作に応じて可動し、前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)とが接して通電することでウインカ(32、35)を点滅させるウインカ装置において、複数の点滅方式により前記ウインカ(32、35)を点滅可能に構成され、前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)との接する通電時間に応じて前記ウインカ(32、35)の点滅方式を変更する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接点(75、275)と固定接点(87、287)と操作子(60)とを有し、前記可動接点(75、275)は前記操作子(60)の操作に応じて可動し、前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)とが接して通電することでウインカ(32、35)を点滅させるウインカ装置において、
複数の点滅方式により前記ウインカ(32、35)を点滅可能に構成され、
前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)との接する通電時間に応じて前記ウインカ(32、35)の点滅方式を変更する
ことを特徴とするウインカ装置。
【請求項2】
初期位置(L0)から移動した前記操作子(60)が前記初期位置(L0)に戻るように、前記操作子(60)に反力を付勢する付勢部材(65)を有し、
前記反力の変化量が所定の位置で変わる
ことを特徴とする請求項1に記載のウインカ装置。
【請求項3】
長手形状を有する前記操作子(60)と、
前記操作子(60)の可動域に設けられ且つ前記操作子(60)をガイドするガイド(53)と、を有し、
前記ガイド(53)は、前記操作子(60)が接触する複数の傾斜面(53a、53b)を有し、
前記複数の傾斜面(53a、53b)は、前記初期位置(L0)の前記操作子(60)の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度(θ1、θ2)が互いに異なる
ことを特徴とする請求項2に記載のウインカ装置。
【請求項4】
前記操作子(60)が、前記初期位置(L0)から移動する場合において、前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)とが接し始める接触開始位置を通過する場合に接触する前記傾斜面(53a)の傾斜角度(θ1)に比べて、前記操作子(60)が、前記接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置(L1)を通過する場合に接触する前記傾斜面(53b)の傾斜角度(θ2)が大きく、
前記複数の点滅方式は、前記ウインカ(32、35)を所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、前記ウインカ(32、35)の点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、
前記操作子(60)が前記接触開始位置を通過する場合に接触する前記傾斜面(53a)よりも、前記操作子(60)が接触する前記傾斜面の前記傾斜角度が大きい場合、前記ウインカ(32、35)の点滅が前記点滅継続方式となる
ことを特徴とする請求項3に記載のウインカ装置。
【請求項5】
車両(10)に設けられるウインカ装置であって、
前記複数の点滅方式は、前記ウインカ(32、35)を所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、前記ウインカ(32、35)の点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、
前記車両(10)が所定の速度以上の場合に、前記ウインカ(32、35)を前記所定回数点滅方式のみにより点滅させる
ことを特徴とする請求項1から4に記載のウインカ装置。
【請求項6】
揺動可能に支持された長手形状を有する前記操作子(60)と、
前記操作子(60)の可動域に設けられ且つ前記操作子(60)をガイドするガイド(53)と、
前記操作子(60)を前記ガイド(53)に当接させるように前記操作子(60)を前記ガイド(53)に向けて付勢する付勢部材(65)と、を備え、
前記ガイド(53)は、前記操作子(60)が接触する複数の傾斜面(53a、53b)を有し、
前記複数の傾斜面(53a、53b)は、初期位置(L0)の前記操作子(60)の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度(θ1、θ2)が互いに異なり、
前記操作子(60)を前記初期位置(L0)から移動させる場合において、前記操作子(60)が、前記可動接点(75、275)と前記固定接点(87、287)とが接し始める接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置(L1)を通過する場合に、前記操作子(60)は、前記接触開始位置で接触する前記傾斜面(53a)とは異なる傾斜角度(θ2)の前記傾斜面(53b)に接触する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のウインカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作子の操作に応じてウインカの点滅方式を変えるウインカ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のウインカ装置では、点滅方式毎に固定接点を設けており、可動接点が、どの固定接点に接触しているかに基づいて点滅方式を変えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のウインカの点滅方式では、固定接点が通電したか否かと点滅方式とが一対一に対応している。よって、特許文献1に記載の技術では、ウインカの点滅方式の種類に応じて固定接点を設ける必要があるため、部品点数が増大したり構造が複雑化したりし易いという課題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成としながらウインカの点滅方式を変えることができるウインカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ウインカ装置は、可動接点と固定接点と操作子とを有し、前記可動接点は前記操作子の操作に応じて可動し、前記可動接点と前記固定接点とが接して通電することでウインカを点滅させるウインカ装置において、複数の点滅方式により前記ウインカを点滅可能に構成され、前記可動接点と前記固定接点との接する通電時間に応じて前記ウインカの点滅方式を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
簡素な構成としながらウインカの点滅方式を変えることができるウインカ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
【
図2】ハンドルの左部周辺を示す鞍乗り型車両の背面図である。
【
図3】ウインカスイッチユニットを模式的に示す前上方から見た分解斜視図である。
【
図4】ウインカスイッチユニットを模式的に示す後下方から見た分解斜視図である。
【
図5】ウインカスイッチユニットの左右中心における縦断面図である。
【
図6】ボトムケースと揺動レバーとの関係を示す揺動軸の軸方向視を示す図である。
【
図7】揺動レバーの揺動ピンと可動部材とトップケースの関係を示す揺動軸の軸方向視を示す図である。
【
図8】揺動レバーの揺動ピンと可動部材とトップケースの関係を示す揺動軸の軸方向視を示す
図7とは異なる図である。
【
図9】ウインカ点滅システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図10】ウインカ点滅処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施の形態に係るウインカスイッチユニットの図である。
【
図12】本発明の第3の実施の形態に係るウインカスイッチユニットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
フロントフォーク14には、ヘッドライトユニット30が支持される。ヘッドライトユニット30の上方には、メータ表示装置31が配置される。ヘッドライトユニット30の後部であってメータ表示装置31の下方には、左右一対のフロントウインカ(ウインカ)32が支持される。
【0016】
リアフレーム20の後端部には、リアステー33を介してテールランプユニット34が支持される。テールランプユニット34の左右には、左右一対のリアウインカ(ウインカ)35が支持される。
【0017】
図2は、ハンドル21の左部周辺を示す鞍乗り型車両10の背面図である。
フロントフォーク14の上部にはハンドル21が設けられる。ハンドル21の左部には、左側のハンドルスイッチ40が配置される。ハンドルスイッチ40は、ハンドル21に固定される。本実施の形態のハンドルスイッチ40は、ウインカスイッチユニット41や、ホーンスイッチユニット42、方向スイッチユニット43などを備える。
【0018】
ハンドルスイッチ40の左側には、左側のグリップ46が装着される。ハンドルスイッチ40の右側には、クラッチレバー47や、左側のバックミラー48を支持するレバーホルダ49が支持される。
【0019】
図3は、ウインカスイッチユニット41を模式的に示す前上方から見た分解斜視図である。
図4は、ウインカスイッチユニット41を模式的に示す後下方から見た分解斜視図である。
図5は、ウインカスイッチユニット41の左右中心における縦断面図である。
ウインカスイッチユニット(ウインカ装置)41は、ハンドルスイッチ40に収容、搭載される。本実施の形態のウインカスイッチユニット41は、ボトムケース(第1の容器)50と、長手形状を有しボトムケース50に揺動可能に支持される揺動レバー(操作子)60と、揺動レバー60に連動して移動する可動部材70と、可動部材70を覆うトップケース(第2の容器)80と、を有する。
【0020】
本実施の形態では、ウインカスイッチユニット41の形状は、
図3~
図5に示す揺動レバー60が延びる方向を基準にして説明する。すなわち、
図3~
図5に示すように、揺動レバー60が前後方向に延び且つ、上下および左右に直交するように配置される場合について説明する。すなわち、本実施の形態では、ウインカスイッチユニット41の前後左右および上下は、車体の前後左右および上下と同一として説明する。
【0021】
図6は、ボトムケース50と揺動レバー60との関係を示す揺動軸52の軸方向視を示す図である。
ボトムケース50は、ブロック状に形成される。ボトムケース50は、上下方向に厚みを有する矩形板状のベース部51を有する。ベース部51の後部には、ベース部51の上面から上方に延びる揺動軸52が支持される。揺動軸52の径方向外側には、ベース部51の上面に対して上方に突出するガイド壁(ガイド)53が形成される。本実施の形態のガイド壁53は、左右対称に形成される。ガイド壁53は、左右中心(揺動レバー60の軸線L0が対応)から左右方向外側に進むに連れて後方に傾斜する短操作ガイド面(第1の傾斜面)53aと、短操作ガイド面53aの左右方向外端から延びて左右方向外側に進むに連れて後方に傾斜する長操作ガイド面53b(第2の傾斜面)と、を有する。短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bとの間には境界部53dが形成される。
【0022】
揺動軸52には、揺動レバー60が揺動可能に支持される。揺動レバー60は、前後方向に延びる。揺動レバー60は、前後方向に対して線対称に構成される。揺動レバー60は、前後方向に延びるレバー本体部61を有する。レバー本体部61には、上下方向に貫通する長孔61aが形成される。長孔61aは、レバー本体部61に沿って前後方向に延びる。長孔61aには、揺動軸52が挿通される。
レバー本体部61は、揺動軸52を中心にして左右方向に揺動可能である。また、レバー本体部61は長孔61aの前後長により揺動軸52に対して前後方向に移動可能である。
【0023】
図6に示すように、レバー本体部61に沿って延びる軸線をその揺動位置に応じて軸線L0、L1、L2で示す。よって、以下では、揺動レバー60が操作されていない状態の位置、すなわち、揺動レバー60の初期位置を揺動レバー60の軸線を用いて、初期位置L0とも表す。また、揺動レバー60が短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bのいずれにも接触する位置、すなわち、軸線が境界部53dを通過する位置を、変更位置L1とも表す。さらに、揺動レバー60が第三面53cに当接する位置を、限界位置L2とも表す。
【0024】
レバー本体部61の後方には、運転者(操作者)が操作する操作部62が支持される。操作部62は、前後方向に延びる軸部63を介してレバー本体部61の後部に支持される。操作部62を操作することにより、揺動レバー60のレバー本体部61を、左右に揺動させたり、前後に移動させたりすることが可能となる。
【0025】
図5に示すように、レバー本体部61の前部には、レバー本体部61に沿って延びる摺動ピン64が支持される。摺動ピン64は、レバー本体部61に対して進退可能に支持される。
【0026】
具体的には、レバー本体部61には、前端から後方に延びる装着孔61bが形成される。装着孔61bの前端には、装着孔61bよりも小径の抜け止め部61cが形成される。抜け止め部61cの内周端による内周開口61dにより、装着孔61bの内外が連通する。摺動ピン64は、内周開口61dの内径に対応する柱状の本体部64aを有する。本体部64aの先端(前端)には、丸みを帯びた摺動部64bが形成される。本体部64aの後端には、後方に延びる複数の脚部64cが形成される。脚部64cは、本体部64aを周方向に互いに間隔を空けて本体部64aに支持される。脚部64cの後端には、脚部64cの径方向外側に突出する爪部64dが形成される。
【0027】
ここで、装着孔61bには、圧縮バネ(付勢部材)65が挿入される。圧縮バネ65が挿入された後に、装着孔61bには、摺動ピン64が挿入される。すなわち、脚部64cが、摺動ピン64の径方向中心に押し込まれて小径にされた状態で、内周開口61dから装着孔61bに挿入される。これにより、脚部64cが圧縮バネ65を後方に圧縮して圧縮バネ65により前方に付勢されると共に、脚部64cの径方向外側への復元により、爪部64dが装着孔61bの抜け止め部61cに抜け止め可能となる。摺動ピン64が装着孔61bに埋没、突出することにより、摺動ピン64がレバー本体部61に沿って進退可能となる。
なお、揺動レバー60は、例えば、左右半割の構成にして左右に組み付けることにより組み立ててもよい。
【0028】
レバー本体部61の前部上面には、上方に突出する揺動ピン66が一体に設けられる。レバー本体部61、操作部62、軸部63、摺動ピン64、圧縮バネ65、揺動ピン66により、本実施の形態の揺動レバー60が構成される。
【0029】
揺動レバー60は、ボトムケース50に装着される。すなわち、摺動ピン64がレバー本体部61側に押し込まれ、摺動ピン64をガイド壁53に対向させた状態で揺動軸52に装着される。このとき、圧縮バネ65のバネ力により摺動ピン64がガイド壁53に向かって付勢されガイド壁53を押すため、その反力としてレバー本体部61が後方に押される。後方に押されるレバー本体部61は、長孔61aの前端内周面に揺動軸52が当接した状態で保持される。
【0030】
揺動レバー60を、初期位置L0(
図6の一点鎖線)から右側の限界位置L2(
図6の二点鎖線)に向けて揺動させた場合には、摺動ピン64が短操作ガイド面53a、長操作ガイド面53bを押しながら、短操作ガイド面53a、境界部53d、長操作ガイド面53bの順に摺動する。すなわち、揺動レバー60が、変更位置L1(
図6の破線)を通過する。そして、揺動レバー60がガイド壁53の第三面53cに当接して限界位置L2に移動すると、左右方向外側への揺動が規制される。
【0031】
また、揺動レバー60を圧縮バネ54の付勢力に抗して前方に押すと、摺動ピン64が長孔51bに埋没すると共に、揺動軸52が長孔61a内を相対的に後方に移動して、揺動レバー60全体が前方に移動する(
図6の一点鎖線)。
【0032】
よって、レバー本体部61の上面の揺動ピン66は、揺動レバー60の移動に伴って左右方向に揺動したり、前後方向に移動したりする。
【0033】
ここで、操作ガイド面53a、53bの傾斜角度のそれぞれを、初期位置L0の揺動レバー60の長手方向、すなわち、軸線L0に垂直な線M1、M2と、操作ガイド面53a、53bの外表面(後面)とのなす角度とすると、長操作ガイド面53bの傾斜角度θ2は、短操作ガイド面53aの傾斜角度θ1よりも大きく構成される。換言すれば、長操作ガイド面53bの傾斜角度θ2は、短操作ガイド面53aの傾斜角度θ1よりも急に構成される。これにより、摺動ピン64が短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bとの一方から他方に移動する際に、圧縮バネ65等に大きな変化を生じさせ易く、短操作ガイド面53a、長操作ガイド面53bのいずれかのみに当接して移動する場合に比べて、大きな変化量を生じさせることができる。よって、運転者に操作感の変化を感じさせ易くできる。
【0034】
また、短操作ガイド面53aと、短操作ガイド面53aの左右方向外端部分における軸線L1とのなす角度φ1と、長操作ガイド面53bと、長操作ガイド面53bの左右方向外端部分における軸線L2とのなす角度φ2と、のそれぞれは、90度より大きくなるように構成される。これにより、揺動レバー60の軸線の方向の圧縮バネ65の付勢力を利用して揺動レバー60を初期位置L0に戻す反力を揺動レバー60に付与することが可能になっている。なお、
図6では、揺動レバー60の操作部62を左側に移動させた場合のみ、角度θ1、θ2、φ1、φ2を図示するが、本実施の形態では左右対称であるため、揺動レバー60の操作部62を右側に移動させた場合における左側の角度も、右側の角度θ1、θ2、φ1、φ2と大きさは同様である。
【0035】
図7は、揺動レバー60の揺動ピン66と可動部材70とトップケース80の関係を示す揺動軸52の軸方向視を示す図である。
図7では、トップケース80はその一部のみを図示する。
図3~
図5、
図7に示すように、揺動ピン66には、可動部材70が係合する。可動部材70は、上下方向に厚みを有する略板状のベース部71を有する。ベース部71の下面には、ボトムケース50に向かって突出する被押圧部72が形成される。被押圧部72は、壁状に形成されており、揺動ピン66の前側を包囲するように形成される。被押圧部72は、揺動レバー60が初期位置L0から移動する場合に、揺動レバー60の揺動ピン66に押される。
【0036】
本実施の形態の被押圧部72は、左右対称である。被押圧部72は、左右中心を示す軸線L0から離間した位置から延出し左右方向外側に進むに連れて後方に傾斜する第一面72aと、第一面72aの左右方向外端から後方に延びる第二面72bと、を有する。左右の第一面72aの左右方向内端には、前方に凹んだ凹部72cが形成される。凹部72cは左右中心を示す軸線L0に対して左右対称に形成される。凹部72cは、揺動ピン66が進入可能な左右幅を有する。
【0037】
可動部材70の前端には、上方に突出する突出リブ74が形成される。突出リブ74は、左右方向に延びる板状である。突出リブ74は、上方のトップケース80の溝81a(
図5参照)に係合する。溝81aは、上方に凹んでおり、前後幅を有し左右方向に延びる。突出リブ74が溝81aに係合することにより、可動部材70は左右方向への移動可能であると共に、前後方向への移動が許容される。溝81aの前後幅は突出リブ74の厚みよりやや大きい。
【0038】
可動部材70の前面には、前方に突出する可動接点75が設けられる。本実施の形態では、可動接点75は、左右一対設けられている。可動接点75は、可動部材70の内部で互いに電気的に接続される。
【0039】
図5に示すように、ベース部71の後端部には、前方に円柱状に刳り貫かれた装着孔71aが形成される。装着孔71aには、前後方向に延びる可動バネ(第2の付勢部材)77が装着される。可動バネ77の後端には、半球状の摺動体78が支持される。本実施の形態の摺動体78は、径が、装着孔71aの径よりも小さく、装着孔71aに進入可能に構成される。摺動体78は、可動バネ77が圧縮された状態でトップケース80の後壁83に当接する。これにより、可動部材70が左右方向に移動する際に、可動部材70は、可動バネ77のバネ力により前方に付勢されながら左右方向に移動可能となる。
【0040】
可動部材70の上方には、トップケース80が配置される。トップケース80は、図示しない固定具によりボトムケース50に固定される。これにより、揺動レバー60や可動部材70が、ボトムケース50とトップケース80に収容される。
【0041】
トップケース80は、上下方向に厚みを有する矩形板状のベース部81を有する。ベース部81には、ボトムケース50に向かって突出する前後左右の前壁82、後壁83、左壁84、右壁85(
図4参照)が形成される。ベース部81、前壁82、後壁83、左壁84、および右壁85により、上方に凹んだ収容スペース80a(
図4、
図5参照)が形成される。
【0042】
前壁82には、後方に突出する固定接点87が設けられる。固定接点87は複数設けられる。本実施の形態では、固定接点87は、3つ設けられる。固定接点87は、左右中心に対して左右対称に配置される。3つの固定接点87は、左右方向に等間隔に配置される。固定接点87は、一対の可動接点75の間隔と同一の間隔で配置される。固定接点87には、可動部材70の可動接点75が接触可能に配置される。隣接する一組の固定接点87には、一対の可動接点75が同時ないし略同時に接触する。
固定接点87のそれぞれには、図示しない配線がウインカスイッチユニット41の外部から延びている。本実施の形態では、3本の配線が延びている。
【0043】
図7に示すように、後壁83の前面には、平面視で凹凸形状を有するガイド面88が設けられる。ガイド面88は、左右方向に延びて後方に凹むように湾曲する中央部88aと、中央部88aの左右両端に接続され前方に突出する山部88bと、山部88bの左右方向外端に接続され山部88bよりも後方に凹んだ谷部88cと、谷部88cの左右方向外端に接続され左右方向に延びる延出部88dと、を有する。
【0044】
中央部88aは、左右中心上に設けられている。また、山部88bは、可動部材70が初期位置L0から左右方向外側に移動する場合に、可動接点75が固定接点87に接触を開始し始める接触開始位置(
図7の破線)に応じて形成される。すなわち、可動部材70が接触開始位置に移動する場合に、摺動体78が移動する位置に山部88bが形成される。
【0045】
ここで、ガイド面88には、可動部材70の後方の摺動体78が摺動可能に当接される。よって、ガイド面88の凹凸形状により、可動バネ77の圧縮量が左右の移動位置に応じて異なり、可動部材70が前方に付勢される力が左右の移動位置によって異なる。
【0046】
中央部88aには、揺動レバー60が初期位置L0に移動する場合に摺動体78が当接する。また、可動部材70が接触開始位置に移動する際には、山部88bにより、摺動体78を介して可動バネ77がさらに圧縮され、可動部材70には、より大きな前方への付勢力が作用する。よって、可動接点75が固定接点87に接近する場合には、可動接点75が固定接点87に速やかに近接し易く、火花の発生が抑制される。
【0047】
可動部材70が接触開始位置を左右方向外側に通過して、摺動体78が山部88bを越えると、摺動体78が谷部88cに移動するため、可動バネ77が弾性的に復元され、可動部材70の移動位置が保持される。この際に、可動部材70には、操作移動抵抗の変化が生じ、いわゆる、クリック感が得生じる。
【0048】
本実施の形態では、右側で隣接する一組の固定接点87が通電する場合を、左ウインカ入力として処理する。また、左側で隣接する一組の固定接点87が通電する場合を、右ウインカ入力として処理する。なお、固定接点87のいずれもが通電しなくなると、キャンセル入力として処理する。
【0049】
図6、
図7に示すように、揺動レバー60が初期位置L0に保持されている場合から、例えば、揺動レバー60の後端部の操作部62を左側に操作すると、揺動レバー60が揺動軸52を中心に回動して前側の摺動ピン64は右側に移動する。このとき、摺動ピン64は圧縮バネ65により前方のガイド壁53に付勢されているため、摺動ピン64がガイド壁53に当接しながら右側に移動する。よって、運転者は、ガイド壁53の傾斜形状による圧縮バネ65の圧縮量などに応じた反力を受けながら、揺動レバー60を操作することになる。
【0050】
さらに、操作部62を左側に操作して、いわゆる、長操作をすると、前側の摺動ピン64はさらに右側に移動し、短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bとの境界部53dを通過して変更位置L1(
図6の破線)を通過する。このとき、短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bとの傾斜角度θ1、θ2が有意に異なっており、運転者は、摺動ピン64と、短操作ガイド面53aと、長操作ガイド面53bと、圧縮バネ65との関係に起因した操作力の大きな変化を感じながら移動させることになる。
【0051】
そして、さらに操作部62を左側に操作すると、揺動レバー60が、右側の限界位置L2に到達して、揺動レバー60の揺動が規制される。
【0052】
本実施の形態では、左右対称であるため、操作部62を右側に移動させる場合も、操作部62を左側に移動させる場合と同様である。
【0053】
また、揺動レバー60を短操作または長操作をしている際に、運転者が操作部62から手を離すと、摺動ピン64には軸線L0~L2方向に沿った前方への付勢力が作用するため、摺動ピン64には、ガイド壁53の傾斜形状に応じて初期位置L0に戻る力が作用する。よって、揺動レバー60が初期位置L0に戻ろうとする。
【0054】
また、操作部62を前方に押すと、揺動レバー60では、長孔61aにおいて揺動軸52が後方に相対的に移動し、揺動レバー60が前方に移動する。このとき、摺動ピン64は、ボトムケース50のガイド壁53に押されて圧縮バネ65が圧縮される。よって、操作部62から手を離すと、圧縮バネ65が復元するため、揺動レバー60が元の位置に戻る。
【0055】
ここで、揺動レバー60には、揺動ピン66が設けられている。よって、揺動ピン66は、揺動レバー60の移動に応じて、揺動レバー60と一体に左右に揺動移動したり、前方に押し込み移動したりする。
【0056】
すなわち、揺動レバー60が初期位置L0に移動している場合には(
図6の実線)、揺動ピン66が初期位置L0に保持される(
図7の実線)。ここで、揺動レバー60の操作部62を左側に移動させると、揺動軸52を中心にして揺動ピン66が右側に移動する。この際に、揺動ピン66が可動部材70の被押圧部72の傾斜した第一面72aに当接し、被押圧部72は、揺動ピン66に押されて揺動ピン66と共に右側に移動する。よって、可動部材70が右側に移動して、可動部材70の前端の可動接点75が、右側で隣接する一組の固定接点87に当接する(
図7の破線)。すなわち、固定接点87が通電する。
【0057】
さらに、揺動レバー60の操作部62を左側に移動させて揺動ピン66を右側に移動させた場合には、揺動ピン66が限界位置L2に移動する(
図7の一点鎖線)。本実施の形態では、揺動レバー60が、接触開始位置(
図7の破線)と限界位置L2(
図8の破線)との間に位置する場合には、可動接点75が、その固定接点87に当接した状態が保持されるように構成される。すなわち、右側で隣接する一組の固定接点87が通電した状態が継続される。
【0058】
図8は、揺動レバー60の揺動ピン66と可動部材70とトップケース80の関係を示す揺動軸52の軸方向視を示す
図7とは異なる図である。
図8では、トップケース80はその一部のみを図示する。
ここで、本実施の形態では、可動接点75が接触開始位置(
図7の破線)を通過する際には、可動部材70の後端の摺動体78が、ガイド面88の山部88bを乗り越え、谷部88cに移動する。よって、可動部材70は、可動バネ77および摺動体78により谷部88cの位置に保持される。
【0059】
このとき、運転者が操作部62から手を離すと、揺動レバー60は、摺動ピン64とガイド壁53の作用により初期位置L0に戻ろうとする。よって、揺動ピン66が限界位置L2から左側に移動し、谷部88cに保持された可動部材70の被押圧部72に当接する(
図8の一点鎖線)。よって、可動部材70により、揺動ピン66が初期位置L0に戻ろうとする状態が保持される(
図8の一点鎖線)。
【0060】
この状態で、操作部62が前方に押されると、揺動レバー60と共に揺動ピン66が軸方向前方に移動する。よって、揺動ピン66が被押圧部72を押し、可動部材70は被押圧部72の傾斜形状により初期位置L0に戻る左右方向の力を受ける。よって、可動部材70には、可動バネ77のバネ力に抗しながら、摺動体78が山部88bを乗り越えようとする力が作用する。揺動ピン66が更に前方に移動し、被押圧部72の凹部75cに進入すると、可動部材70には、摺動体78が山部88bを乗り越えようとする力が作用し、可動部材70は初期位置L0に戻る。この際に、一対の可動接点75は、固定接点87から離間するため、固定接点87が非通電となり、キャンセル入力となる。
なお、本実施の形態では、初期位置L0に戻ろうとする揺動ピン66が、谷部88cに保持された可動部材70の被押圧部72に当接するが、当接しないように被押圧部72を形成してもよい。
【0061】
本実施の形態では、揺動レバー60やボトムケース50は、揺動レバー60を初期位置L0から限界位置L2に向けて、通常の操作方法で操作する場合に、可動接点75が固定接点87に当接し始める接触開始位置(
図7の破線)から、揺動レバー60が変更位置L1(
図6の破線)に到達するまでに、所定の時間が経過するように構成される。具体的には、ガイド壁53の大きさや、圧縮バネ65の弾性力、揺動レバー60の大きさなどが所定の時間が経過するように構成される。換言すれば、所定の時間だけ操作部62を操作することにより、揺動レバー60が変更位置L1を通過するように構成される。よって、所定の時間だけ、通常に操作を行うと、運転者は摺動ピン64と短操作ガイド面53aと長操作ガイド面53bと、圧縮バネ65の関係に起因した操作力の大きな変化を感じることができる、ということもできる。なお、所定の時間は、本実施の形態では、0.1秒である。
【0062】
図9は、ウインカ点滅システム200の全体構成を示すブロック図である。
鞍乗り型車両10は、ウインカ点滅システム200を備える。ウインカ点滅システム200は、制御部100を備える。制御部100は、ECU(Electronic Control Unit)等を備えるコンピュータ装置である。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random access memory)等のメモリと、を備える。メモリは、プロセッサが実行する制御プログラムを記憶する。また、メモリは、プロセッサが制御プログラムの実行時に処理されるデータや処理結果のデータを記憶する。プロセッサが、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、制御部100の各種の機能的構成を実現する。
【0063】
制御部100には、信号入力要素として、車輪速センサ111、IMU112、ウインカスイッチユニット41などが電気的に接続される。各信号入力要素111、112、141から出力された電気信号は、制御部100に入力される。
【0064】
車輪速センサ111は、前輪13の回転速度に基づいて、鞍乗り型車両10の車体速度、すなわち、走行速度を検出する。
【0065】
IMU(Inertial Measurement Unit)112は、車体フレーム11に設けられ、鞍乗り型車両10の前後加速度及び横加速度、ロール角(バンク角)などを検出する。
【0066】
ウインカスイッチユニット41は、固定接点87と可動接点75が接触すると、接触した固定接点87に応じた通電が制御部100に入力される。
【0067】
制御部100には、信号出力要素として、フロント駆動部121と、リア駆動部122とが電気的に接続されている。
【0068】
フロント駆動部121は、左右一対のフロントウインカ32を点滅駆動する。フロント駆動部121は、制御部100の制御により、左右一対のフロントウインカ32を点滅させる。
図9では、左側のフロントウインカ32を、左側のフロントウインカ32Lとして示し、右側のフロントウインカ32を、右側のフロントウインカ32Rとして示す。
【0069】
リア駆動部122は、左右一対のリアウインカ35を点滅駆動する。リア駆動部122は、制御部100の制御により、左右一対のリアウインカ35を点滅させる。
図9では、左側のリアウインカ35を、左側のリアウインカ35Lとして示し、右側のリアウインカ35を、右側のリアウインカ35Rとして示す。
【0070】
図10は、ウインカ点滅処理の一例を示すフローチャートである。
本実施の形態の制御部100は、ウインカスイッチユニット41の通電に基づいてフロントウインカ32およびリアウインカ35を点滅させるウインカ点滅処理を実行する。
制御部100は、
図10に示す処理を、メインスイッチがONになっている間、所定の周期で繰り返し実行する。
【0071】
ステップST11において、制御部100は、左ウインカ入力があるか否かを判定する。具体的には、制御部100は、ウインカスイッチユニット41から通電入力に基づいて可動接点75と、右側で隣接する一対の固定接点87が通電したか否かを判定する。
制御部100は、左ウインカ入力があると判定する場合(ステップST11;YES)、ステップST12に処理を進める。
制御部100は、左ウインカ入力があると判定しない場合、すなわち、左ウインカ入力がないと判定する場合(ステップST11;NO)、ステップST21に処理を進める。
【0072】
ステップST12において、制御部100は、左ウインカ入力の通電時間の計測を開始する。
【0073】
ステップST13において、制御部100は、通電時間が閾値以下か否かを判定する。具体的には、閾値としては、一例として0.1秒が設定される。よって、制御部100は、通電時間が、0.1秒以下か否かを判定する。
制御部100は、通電時間が閾値以下であると判定する場合(ステップST13;YES)、ステップST14に処理を進める。
制御部100は、通電時間が閾値より大きいと判定する場合(ステップST13;NO)、ステップST15に処理を進める。
【0074】
ステップST14において、制御部100は、左側のフロントウインカ32Lおよびリアウインカ35Lを所定回数点滅させる。本実施の形態では、制御部100は、毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するように、左側のフロントウインカ32Lおよびリアウインカ35Lを所定回数点滅させる。所定回数は、本実施の形態では、3回であるが、1回以上10回以下の任意の点滅回数が可能である。制御部100は、ステップST14の処理を実行すると、ウインカ点滅処理を終了する。
【0075】
ステップST15において、制御部100は、走行速度が所定の速度以上か否かを判定する。具体的には、制御部100は、車輪速センサ111の検出値に基づいて走行速度を取得する。そして、制御部100は、その走行速度に基づいて、走行速度が所定の速度以上か否かを判定する。所定の速度としては、一例として、時速50kmである。すなわち、制御部100は、走行速度が時速50km以上であるか否かを判定する。これにより、鞍乗り型車両10が高速で走行中であるか否かを判定する。
【0076】
制御部100は、走行速度が所定の速度以上であると判定する場合(ステップST15;YES)、ステップST14に処理を進める。すなわち、鞍乗り型車両10が高速で走行中の場合には、車線変更の操作と想定されるため、所定回数点滅を実行するステップST14に処理を進める。これにより、運転者が高速時に誤って長操作をした場合であっても誤操作を防止可能となる。
制御部100は、走行速度が所定の速度未満であると判定する場合(ステップST15;NO)、ステップST16に処理を進める。
【0077】
ステップST16において、制御部100は、左側へのロール角が所定の閾値以下か否かを判定する。具体的には、制御部100は、IMU112の検出値に基づいて、鞍乗り型車両10のロール角を検出し、そのロール角が所定の閾値以下か否かを判定する。閾値としては、例えば、5度である。これにより、鞍乗り型車両10がバンクしているか否かを判定する。
【0078】
制御部100は、ロール角が所定の閾値以上であると判定する場合(ステップST16;YES)、ステップST17に処理を進める。
制御部100は、ロール角が所定の閾値未満であると判定する場合(ステップST16;NO)、ステップST14に処理を進める。すなわち、鞍乗り型車両10のロール角が小さい場合には、車線変更の操作と想定されるため、所定回数点滅を実行するステップST14に処理を進める。これにより、運転者が略直進時に誤って長操作をした場合であっても、誤操作を防止可能となる。
【0079】
ステップST17において、制御部100は、左側のフロントウインカ32および左側のリアウインカ35の継続点滅を開始する。本実施の形態では、制御部100は、毎分60回以上120回以下の一定の周期で、左側のフロントウインカ32および左側のリアウインカ35の点滅を開始する。
【0080】
ステップST18において、制御部100は、キャンセル入力があるか否かを判定する。具体的には、制御部100は、可動接点75が固定接点87から離間したか否かに基づいて、キャンセル入力があるか否かを判定する。
制御部100は、キャンセル入力があると判定する場合(ステップST18;YES)、ステップST19に処理を進める。
制御部100は、キャンセル入力がないと判定する場合(ステップST18;NO)、ステップST18の処理を繰り返す。
【0081】
ステップST19において、制御部100は、左側のフロントウインカ32および左側のリアウインカ35の継続点滅を終了して、ウインカ点滅処理を終了する。
【0082】
ステップST21において、制御部100は、右ウインカ入力があるか否かを判定する。具体的には、制御部100は、左側で隣接する一組の固定接点87が通電したか否かを判定する。
制御部100は、右ウインカ入力があると判定する場合(ステップST21;YES)、ステップST22に処理を進める。
制御部100は、右ウインカ入力があると判定しない場合、すなわち、右ウインカ入力がないと判定する場合(ステップST21;NO)、ステップST11に処理を戻す。
【0083】
ステップST22~ST29は、対象が左側に代えて、右側となる点以外は、ステップST12~ST19と同様である。よって、その説明は省略する。
【0084】
本実施の形態の鞍乗り型車両(車両)10では、ウインカスイッチユニット41の通電時間に基づいて、ウインカ32、35の点滅方式を変えるため、ウインカ32、35の点滅方式毎に固定接点が設けられる場合に比べて、固定接点の数を減らし易く、構成を簡素にし易い。一方で、通電時間によって点滅方式を切り替える場合には、短操作を行いたい場合であっても、運転者の誤操作により長操作を行ってしまい、通電時間が長時間となる場合が考えられるが、高速時や、バンク時などの鞍乗り型車両10の旋回が想定されない状況では、継続点滅に代えて、所定回数点滅のみが実行される。これにより、運転者のキャンセル入力のし忘れによるウインカの点滅継続を抑制することができる。
【0085】
特に、ウインカスイッチユニット41は、ボトムケース50や揺動レバー60を備えている。よって、例えば、運転者が操作部62を左側に移動させる場合に、通電時間が所定の時間経過すると想定される位置に操作ガイド面53a、53bとの境界部53dを設けることにより、運転者が短操作をしようとする場合には反力を小さくし、運転者が長操作をしようとした場合には、反力を大きくなるように構成することで、操作力の変化を運転者に与え易くできる。よって、簡素な構造で運転者に点滅方式が変更されることを伝達することができる。
【0086】
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、可動接点75と固定接点87と揺動レバー60とを有し、可動接点75は揺動レバー60の操作に応じて可動し、可動接点75と固定接点87とが接して通電することでウインカ32、35を点滅させるウインカスイッチユニット41において、複数の点滅方式によりウインカ32、35を点滅可能に構成され、可動接点75と固定接点87との接する通電時間に応じてウインカ32、35の点滅方式を変更する。
この構成によれば、接点の通電時間に応じてウインカ32、35の点滅方式を変えることができるため、一つの固定接点87の通電状態に変化が無くてもウインカ32、35の点滅方式を変えることができる。よって、ウインカスイッチユニット41において、部品点数が増大したり構造が複雑化したりすることを抑制し易く、簡素な構成としながらウインカ32、35の点滅方式を変えることができる。よって、ウインカスイッチユニット41の部品点数などを抑制し易く、コスト削減に繋がる。
【0087】
本実施の形態では、初期位置L0から移動した揺動レバー60が初期位置L0に戻るように、揺動レバー60に反力を付勢する圧縮バネ65を有し、前記反力の変化量が所定の位置で変わる。具体的には、本実施の形態では、揺動レバー60を初期位置L0から移動させる場合において、揺動レバー60が、可動接点75と固定接点87とが接し始める接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置L1を通過する場合に、反力は、揺動レバー60が接触開始位置から変更位置L1の間に位置する場合に比べて、変化量が大きく変化する。
この構成によれば、揺動レバー60を接触開始位置から変更位置L1に移動させる場合に、ウインカ32、35の点滅方式を切り替えるための通電時間が経過するように構成した場合に、揺動レバー60の操作力の変化によって、ウインカ32、35の点滅方式を変更することを運転者に分かり易くできる。
【0088】
また、本実施の形態では、長手形状を有する揺動レバー60と、揺動レバー60の可動域に設けられ且つ揺動レバー60をガイドするガイド壁53と、を有し、ガイド壁53は、揺動レバー60が接触する操作ガイド面53a、53bを有し、操作ガイド面53a、53bは、初期位置L0の揺動レバー60の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度θ1、θ2が互いに異なる。
この構成によれば、揺動レバー60が異なる傾斜角度θ1、θ2の操作ガイド面53a、53bの間を接触しながら移動することにより、揺動レバー60に作用する反力を変化させることができる。よって、異なる傾斜角度θ1、θ2の操作ガイド面53a、53bの間でウインカ32、35の点滅方式を切り替えることにより、ウインカ32、35の点滅方式の切り替えることを操作者に分かり易くできる。
【0089】
また、本実施の形態では、揺動レバー60が接触開始位置を通過する場合に接触する短操作ガイド面53aの傾斜角度θ1に比べて、揺動レバー60が変更位置L1を通過する場合に接触する長操作ガイド面53bの傾斜角度θ2が大きく、複数の点滅方式は、ウインカ32、35を所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、ウインカ32、35の点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、揺動レバー60が接触開始位置を通過する場合に接触する短操作ガイド面53aよりも、揺動レバー60が接触する傾斜面の傾斜角度が大きい場合、ウインカ32、35の点滅が点滅継続方式となる。
この構成によれば、揺動レバー60が接触する傾斜面の傾斜角度が大きくなるほど揺動レバー60に作用する反力を大きくすることができるため、所定回数点滅方式までは力のいらない操作、点滅継続方式までは力のいる操作とすることで、点滅方式の入力を操作者に分からせ易くできる。このとき、本実施の形態の制御部100は、ウインカ32、35を点滅させる場合に、通電時間が、揺動レバー60が接触開始位置から変更位置L1に移動すると想定される所定の時間を越えない場合に、ウインカ32、35を所定回数点滅方式により点滅させ、通電時間が、所定の時間を越えた場合に、ウインカ32、35を点滅継続方式により点滅させる。
【0090】
また、本実施の形態では、鞍乗り型車両10に設けられるウインカスイッチユニット41であって、複数の点滅方式は、ウインカ32、35を所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、ウインカの点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、鞍乗り型車両10が所定の速度以上の場合に、ウインカ32、35を所定回数点滅方式のみにより点滅させる。
この構成によれば、速度に応じた適切な点滅方式にすることができる。本実施の形態では、右左折が想定されない高速時、具体的には、走行速度が時速50km以上の場合に、所定回数点滅方式のみにより点滅させることにより、点滅継続方式になることを防ぐことができ、操作者の誤操作を抑制できる。
【0091】
また、本実施の形態では、揺動可能に支持された長手形状を有する揺動レバー60と、揺動レバー60の可動域に設けられ且つ揺動レバー60をガイドするガイド壁53と、揺動レバー60をガイド壁53に当接させるように揺動レバー60をガイド壁53に向けて付勢する圧縮バネ65と、を備え、ガイド壁53は、揺動レバー60が接触する操作ガイド面53a、53bを有し、操作ガイド面53a、53bは、初期位置L0の揺動レバー60の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度θ1、θ2が互いに異なり、揺動レバー60を初期位置L0から移動させる場合において、揺動レバー60が、可動接点75と固定接点87とが接し始める接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置L1を通過する場合に、揺動レバー60は、接触開始位置で接触する短操作ガイド面53aとは異なる傾斜角度θ2の長操作ガイド面53bに接触する。
この構成によれば、揺動レバー60を接触開始位置から変更位置L1に移動させる場合に、ウインカ32、35の点滅方式を切り替えるための通電時間が経過するように構成した場合に、揺動レバー60の操作力の変化量が大きく変わることによって、ウインカ32、35の点滅方式を変更することを運転者に分かり易くできる。
【0092】
[第2の実施の形態]
本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0093】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係るウインカスイッチユニット241の図である。
第2の実施の形態に係るウインカスイッチユニット241では、第1の実施の形態の可動部材70とトップケース80とに代えて、第2の実施の形態の可動部材270とトップケース280とを備える。可動部材270とトップケース280とでは、可動部材270の可動接点275が一つであり、一つの可動接点275に対応してトップケース280の固定接点287が設けられている点が、第1の実施の形態とは異なる。
【0094】
具体的には、第2の実施の形態に係る可動部材270の前面には、左右中心上に一つの可動接点275が設けられる。可動接点275には、ウインカスイッチユニット241の外部から延びる図示しない配線が接続される。
【0095】
第2の実施の形態に係るトップケース280では、揺動ピン66が揺動移動に応じて変更位置L1を通過する前に可動接点275が移動する位置に、固定接点287が設けられる。固定接点287は左右中心に左右対称に設けられる。固定接点287は計2つ設けられる。固定接点287からは、図示しない配線が延びている。本実施の形態では、2本設けられる。
【0096】
第2の実施の形態では、可動接点275や固定接点287の数が第1の実施の形態とは異なるが、第1の実施の形態と同様に、ウインカスイッチユニット241の通電時間に基づいて、ウインカ32、35の点滅方式を変えるため、ウインカ32、35の点滅方式毎に固定接点が設けられる場合に比べて、固定接点の数を減らし易く、構成を簡素にし易くなっている。
【0097】
[第3の実施の形態]
本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1または第2の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
【0098】
図12は、本発明の第3の実施の形態に係るウインカスイッチユニット341の図である。
第3の実施の形態に係るウインカスイッチユニット341では、第1の実施の形態のボトムケース50に代えて、第2の実施の形態のボトムケース350を有する点が、第1の実施の形態と異なる。
【0099】
具体的には、第3の実施の形態に係るボトムケース350では、ガイド壁353において、第1の実施の形態の短操作ガイド面53aが延長された形状の操作ガイド面353aを有する。換言すれば、ガイド壁353からは、第1の実施の形態の長操作ガイド面53bが省略されている。操作ガイド面353aの左右方向外端には、ダンパバネ(第3の付勢部材)301が配置される。ダンパバネ301は、操作ガイド面353aに沿って延びている。ダンパバネ301は、第三面353cよりも左右外側に凹んだ装着部353bに装着される。ダンパバネ301は、境界部53dに対応する位置で揺動レバー60に接触する。揺動レバー60が変更位置L1を通過して更に揺動された場合には、ダンパバネ301が圧縮される。よって、揺動レバー60には、ダンパバネ301による弾性力が付与され、初期位置L0に向けて付勢される。
【0100】
第3の実施の形態でも、例えば、運転者が操作部62を左側に移動させる場合に、通電時間が所定の時間経過すると想定される位置にダンパバネ301を配置することで、運転者が長操作をしようとした場合には、操作力の変化を運転者に与え易くできる。よって、簡素な構造で運転者に点滅方式が変更されることを伝達することができる。
【0101】
[他の実施の形態]
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
【0102】
上記実施の形態では、制御部100がウインカスイッチユニット41の通電状態に基づいてフロントウインカ32やリアウインカ35を点滅させる構成を説明したが、これに限定されない。例えば、ウインカスイッチユニット41や車輪速センサ111などの各種の電気状態をリレー回路に入力することによって、リレー回路がフロントウインカ32やリアウインカ35を点滅させる構成でもよい。
【0103】
上記実施の形態では、ボトムケース50のガイド壁53には、平面状の短操作ガイド面53aと、平面状の長操作ガイド面53bとが形成される構成を説明したが、操作ガイド面53a、53bは湾曲面でもよい。すなわち、湾曲面状の短操作ガイド面53aと、湾曲面状の長操作ガイド面53bとが接続される位置が屈曲状の境界部を形成すればよい。
【0104】
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として前輪13と後輪15とを有する自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
【0105】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0106】
(構成1)可動接点と固定接点と操作子とを有し、前記可動接点は前記操作子の操作に応じて可動し、前記可動接点と前記固定接点とが接して通電することでウインカを点滅させるウインカ装置において、複数の点滅方式により前記ウインカを点滅可能に構成され、前記可動接点と前記固定接点との接する通電時間に応じて前記ウインカの点滅方式を変更することを特徴とするウインカ装置。
この構成によれば、接点の通電時間に応じてウインカの点滅方式を変えることができるため、一つの固定接点の通電状態に基づいてウインカの点滅方式を変えることができる。よって、部品点数が増大したり構造が複雑化したりすることを抑制し易く、簡素な構成としながらウインカの点滅方式を変えることができる。
【0107】
(構成2)初期位置から移動した前記操作子が前記初期位置に戻るように、前記操作子に反力を付勢する付勢部材を有し、前記反力の変化量が所定の位置で変わることを特徴とする構成1に記載のウインカ装置。
この構成によれば、操作子を接触開始位置から変更位置に移動させる場合に、ウインカの点滅方式を切り替えるための通電時間が経過するように構成した場合に、操作子の操作力の変化によって、ウインカの点滅方式を変更することを操作者に分かり易くできる。
【0108】
(構成3)長手形状を有する前記操作子と、前記操作子の可動域に設けられ且つ前記操作子をガイドするガイドと、を有し、前記ガイドは、前記操作子が接触する複数の傾斜面を有し、前記複数の傾斜面は、前記初期位置の前記操作子の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度が互いに異なることを特徴とする構成2に記載のウインカ装置。
この構成によれば、操作子が異なる傾斜角度の傾斜面の間を接触しながら移動することにより、操作子に作用する反力を変化させることができる。よって、異なる傾斜角度の傾斜面の間でウインカの点滅方式を切り替えることにより、ウインカの点滅方式の切り替わることを操作者に分かり易くできる。
【0109】
(構成4)前記操作子が、前記初期位置から移動する場合において、前記可動接点と前記固定接点とが接し始める接触開始位置を通過する場合に接触する前記傾斜面の傾斜角度に比べて、前記操作子が、前記接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置を通過する場合に接触する前記傾斜面の傾斜角度が大きく、前記複数の点滅方式は、前記ウインカを所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、前記ウインカの点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、前記操作子が前記接触開始位置を通過する場合に接触する前記傾斜面よりも、前記操作子が接触する前記傾斜面の前記傾斜角度が大きい場合、前記ウインカの点滅が点滅継続方式となることを特徴とする構成3に記載のウインカ装置。
この構成によれば、操作子が接触する傾斜面の傾斜角度が大きくなるほど操作子に作用する反力を大きくすることができるため、所定回数点滅方式までは力のいらない操作、点滅継続方式までは力のいる操作とすることで、点滅方式の入力を操作者に分からせ易くできる。
【0110】
(構成5)車両に設けられるウインカ装置であって、前記複数の点滅方式は、前記ウインカを所定回数点滅させる所定回数点滅方式と、前記ウインカの点滅を継続させる点滅継続方式と、を含み、前記車両が所定の速度以上の場合に、前記ウインカを前記所定回数点滅方式のみにより点滅させることを特徴とする構成1から4に記載のウインカ装置。
この構成によれば、速度に応じた適切な点滅方式にすることができる。
【0111】
(構成6)揺動可能に支持された長手形状を有する前記操作子と、前記操作子の可動域に設けられ且つ前記操作子をガイドするガイドと、前記操作子を前記ガイドに当接させるように前記操作子を前記ガイドに向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記ガイドは、前記操作子が接触する複数の傾斜面を有し、前記複数の傾斜面は、初期位置の前記操作子の長手方向に直交する直交方向に対する角度である傾斜角度が互いに異なり、前記操作子を前記初期位置から移動させる場合において、前記操作子が、前記可動接点と前記固定接点とが接し始める接触開始位置を通過した後に移動する所定の変更位置を通過する場合に、前記操作子は、前記接触開始位置で接触する前記傾斜面とは異なる傾斜角度の前記傾斜面に接触することを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のウインカ装置。
この構成によれば、操作子を接触開始位置から変更位置に移動させる場合に、ウインカの点滅方式を切り替えるための通電時間が経過するように構成した場合に、操作子の操作力の変化によって、ウインカの点滅方式を変更することを操作者に分かり易くできる。
【符号の説明】
【0112】
10 鞍乗り型車両(車両)
33 フロントウインカ(ウインカ)
35 リアウインカ(ウインカ)
41 ウインカスイッチユニット(ウインカ装置)
53 ガイド壁(ガイド)
53a 短操作ガイド面(傾斜面)
53b 長操作ガイド面(傾斜面)
60 揺動レバー(操作子)
65 圧縮バネ(付勢部材)
75 可動接点
87 固定接点
241 ウインカスイッチユニット(ウインカ装置)
275 可動接点
287 固定接点
341 ウインカスイッチユニット(ウインカ装置)
L0 軸線(初期位置)
L1 軸線(変更位置)
L2 軸線(限界位置)