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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131856
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】通信機器、及び水回り機器ユニット
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20240920BHJP
   H04W 4/33 20180101ALI20240920BHJP
   H04W 16/20 20090101ALI20240920BHJP
   E03D 11/00 20060101ALI20240920BHJP
   E03C 1/05 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
H04W4/33
H04W16/20
E03D11/00 A
E03C1/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042336
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】沓澤 寛人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寿治
(72)【発明者】
【氏名】野田 高弘
【テーマコード(参考)】
2D038
2D039
2D060
5K067
【Fターム(参考)】
2D038GA00
2D038KA01
2D038ZA00
2D039AA04
2D039CC01
2D039CD00
2D039CD01
2D039CD04
2D039FA01
2D039FB00
2D060BA03
2D060BB02
2D060CA04
2D060CA07
2D060CD01
5K067BB45
(57)【要約】
【課題】通信性能の低下を抑止することができる通信機器。
【解決手段】通信機器50は、小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の制御を行う制御部(23,33)との通信を行う第1通信部70と、ルータ装置75との通信を行う第2通信部71と、を備えており、小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の外部に設置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水回り機器の制御を行う制御部との通信を行う第1通信部と、外部機器との通信を行う第2通信部と、を備えており、
前記水回り機器の外部に設置される通信機器。
【請求項2】
前記外部機器は、ルータ装置である請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記通信機器は、前記水回り機器の後端より後方に設けられる請求項1に記載の通信機器。
【請求項4】
複数の水回り機器と通信する前記通信機器であって、
前記第1通信部は、前記水回り機器の夫々に備えられた前記制御部と通信を行う請求項1に記載の通信機器。
【請求項5】
複数の前記水回り機器は並んで配置されており、
前記通信機器は、各前記水回り機器の間に形成された空間に設けられる請求項4に記載の通信機器。
【請求項6】
前記第2通信部は、通信アンテナ部を有し、
前記通信アンテナ部を収容する筐体と、
前記筐体の取り付け面に取り付けられ、前記筐体を引っ掛ける金属ブラケットと、
を備えており、
前記筐体の取り付け面は、前記金属ブラケットに前記筐体を引っ掛けた状態において、前記金属ブラケットの配置されない干渉抑制領域を有し、
前記通信アンテナ部は、前記干渉抑制領域と前後方向に重なる位置に配置される請求項1に記載の通信機器。
【請求項7】
前面に開口部が形成されており、前記水回り機器の後端面より後方に配置された収容部内に配置される請求項1に記載の通信機器。
【請求項8】
前記水回り機器の上端よりも上方に配置されている請求項1に記載の通信機器。
【請求項9】
前記水回り機器は、自動水石鹸供給装置であり、
前記第1通信部は、前記自動水石鹸供給装置の前記制御部から、前記自動水石鹸供給装置のポンプの動作状態に関する情報を受信し、
前記第2通信部は、前記動作状態に関する情報を前記外部機器に対して送信する請求項1に記載の通信機器。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の通信機器と、
水回り機器と、
前記水回り機器の制御を行う制御部と、
を具備している水回り機器ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信機器、及び水回り機器ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の小便器システムは、小便器の外部に設けられ、小便器を制御する制御部と、小便器の内部に設けられ、外部機器と通信する通信部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-35408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の小便器システムは、小便器の内部に通信部を設けているため、小便器に取り付けられた給水配管等の電波干渉による通信性能の低下の虞があった。
【0005】
本開示は、上記の事情に基づいて完成されたものであって、通信性能の低下を抑止することができる通信機器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の通信機器は、水回り機器の制御を行う制御部との通信を行う第1通信部と、外部機器との通信を行う第2通信部と、を備えており、前記水回り機器の外部に設置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1の通信機器を具備した水回り機器ユニットを設置したトイレ室を示す斜視図である。
図2】実施形態1の通信機器の配置を示す拡大平面図である。
図3】実施形態1の通信機器と通信を行う自動水石鹸供給装置の構造を示す模式図である。
図4】実施形態1の通信機器の機能を示すブロック図である。
図5】実施形態1の通信機器を示す斜視図である。
図6】実施形態1の通信機器の内部を示す断面図である。
図7】実施形態1の通信機器を示す背面図である。
図8】実施形態1の通信機器が備える金属ブラケットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本開示の通信機器、及び水回り機器ユニットを具体化した実施形態1を図1から図8を参照して説明する。説明の便宜上、図1及び図2において、ライニング7の立ち上がる方向が「上方向」であり、ライニング7側からみて、小便器20が配置される方向が「前方向」である。図5から図8において、上方向を「U」、右方向を「R」、前方向を「F」である。
【0009】
本実施形態1の水回り機器ユニット10は、図1に示すように、トイレ室に備えられ、5つの小便器20、自動水石鹸供給装置30、及び通信機器50を有している。小便器20、及び自動水石鹸供給装置30は、水回り機器に対応する。
【0010】
5つの小便器20は、ライニング7の前壁に沿って、取り付けられている。各小便器20は、便鉢部、吐水具である図示しないスプレッダー、及び小便制御部23を備えている。各小便器20の後端縁21Bは、図2に示すように、ライニング7の前端面7Sに接している。小便器20は、上部に小便センサ24を有している。小便センサ24は、小便器20の前に立つ使用者等を検知する。スプレッダーは、小便器20の鉢面上部に設けられている。小便制御部23は、小便器20の内部に配置されている。小便制御部23は、マイクロコンピュータなどを備え、小便センサ24が使用者を検知すると、スプレッダーから自動的に洗浄水を吐水して便器洗浄を実行するように制御する。小便制御部23は、小便センサ24で検知した検知情報を、後述する通信機器50へと送信する。小便制御部23は、通信機器50の後述する小便器用通信線差込口52に繋がる通信線Lが繋がって延び出ている。
【0011】
ライニング7は、図1に示すように、箱状をなし、第1ライニング9、第2ライニング11、及び第3ライニング13で形成されている。ライニング7は収容部に対応する。第1ライニング9は、後述する手洗装置31に並んで立ち上がっている。第2ライニング11は、第1ライニング9と向かいあうように立ち上がっている。第3ライニング13は、第1ライニング9の端部と、第2ライニング11の端部とを繋ぐように立ち上がっている。ライニング7の上面は、着脱自在な板材を有している。ライニング7は、上方からみて、コの字状に形成されている。第1ライニング9の前端面9Sに、2つの小便器20が間隔を開けて並ぶように配置されている。第1ライニング9は、開口部12を形成している。開口部12は図示しない蓋部材が着脱自在に取り付けられる。第1ライニング9内に収容された通信機器50は、開口部12を開放して、点検を行うことができる。第1ライニング9内に収容された通信機器50は、第1ライニング9の上面の板材を取り外して、点検を行うことができる。第3ライニング13の前端面13Sに1つの小便器20が配置されている。第2ライニング11の前端面11Sに2つの小便器20が、間隔を開けて並ぶように配置されている。
【0012】
自動水石鹸供給装置30は手洗装置31に取り付けられている。手洗装置31は、キャビネット34、及び手洗鉢40を備えている。自動水石鹸供給装置30は、図3に示すように、ノズル28、供給路44、ポンプ32、水石鹸タンク45、人体検知センサ46、及び水石鹸制御部33を有している。自動水石鹸供給装置30は、手洗鉢40の開口近傍に設けられる。供給路44、ポンプ32、及び水石鹸タンク45は、キャビネット34内に収容されている。
【0013】
ノズル28は、供給路44を介してポンプ32と接続されている。ポンプ32は、駆動によって、水石鹸タンク45の内部に収納されている石鹸水をノズル28の吐出口28Aへ供給する。水石鹸タンク45は、内部に設けられた空間に石鹸水を貯留する。水石鹸タンク45は開閉可能となっており、貯留した水石鹸の残量が少なくなれば、水石鹸を補充できる。人体検知センサ46は、使用者の手43などを検出する。人体検知センサ46は、非接触式センサである。
【0014】
水石鹸制御部33は、マイクロコンピュータなどを備え、人体検知センサ46からの検出処理の結果に基づいてポンプ32の動作を制御する。ポンプ32は、人体検知センサ46が使用者の手43などを検出すると駆動し、所定量の水石鹸をノズル28の吐出口28Aから吐出する。水石鹸制御部33は、人体検知センサ46の検出情報を、通信線Lを介して、後述する通信機器50の第1通信部70へ送信する。
【0015】
通信機器50は、図1及び図2に示すように、第1ライニング9の奥側に設置されている。通信機器50は、第1ライニング9の前端面9Sに配置された小便器20より後方に設けられている。これにより、通信機器50は小便器20を使用する使用者の邪魔にならない。通信機器50の下端面50Sは、小便器20の上端面21Uより上方に設けられている。通信機器50は、トイレ室において5つ並ぶ小便器20のうち、第1ライニング9の前端面9Sに配置される小便器20Aと、第3ライニング13の前端面13Sに配置される小便器20Bの間に配置されている。
【0016】
通信機器50は、図1から図3に示すように、小便制御部23、及び水石鹸制御部33と、通信線Lを介して通信可能に接続されている。通信線Lは、シリアルケーブル(例えば、多対多の通信が可能なRS485インターフェイス)、いわゆるLANケーブルのようなツイストペアケーブル、その他の有線ケーブルである。
【0017】
通信機器50は、図4に示すように、第1通信部70と、第2通信部71を備えている。第1通信部70は、水回り機器からの水回り機器に関する情報を受信する。第1通信部70は、小便制御部23、及び水石鹸制御部33と通信線Lで接続されている。
【0018】
通信機器50は、図5から図8に示すように、直方体形状の筐体49、通信線接続部51、通信アンテナ部62、金属ブラケット55、及び電源線56を備えている。通信線接続部51は第1通信部70に繋がっている。通信線接続部51は小便制御部23、及び水石鹸制御部33から伸びた各通信線Lを接続している。各通信線Lは、筐体49に形成された配策口48を通って、通信線接続部51に接続している。第1通信部70は、小便制御部23、及び水石鹸制御部33と有線接続されるため、近接位置に配置された水回り機器による通信障害を発生する虞がない。第1通信部70が小便制御部23、及び水石鹸制御部33から受信する情報は、小便器20、及び自動水石鹸供給装置30に関する情報である。小便器20に関する情報は、例えば、小便器20の洗浄回数である。自動水石鹸供給装置30に関する情報は、例えば、後述するポンプ32の駆動回数である。
【0019】
通信線接続部51は、図6に示すように、5つの小便器用通信線差込口52と、3つの大便器用通信線差込口53と、1つの自動水石鹸装置用通信線差込口54で構成されている。各小便器用通信線差込口52は、各小便制御部23と繋ぐことができる。各大便器用通信線差込口53は、図示しない大便器に設けられた大便制御部を繋ぐことができる。自動水石鹸装置用通信線差込口54は、水石鹸制御部33と繋ぐことができる。通信機器50は、小便制御部23、及び水石鹸制御部33から配策される各通信線Lを、通信機器50内の通信線接続部51にて接続している。
【0020】
通信アンテナ部62は、筐体49内に配置されており、第2通信部71を構成している。通信アンテナ部62は、図6に示すように、筐体49内部の上端部左側の点線で囲まれた部分に位置している。
【0021】
第2通信部71は、通信アンテナ部62を介して、後述するルータ装置75と、電波を送受信する。第2通信部71は、第1通信部70からの小便器20、及び自動水石鹸供給装置30に関する情報を、特定された一つの水回り機器に対応づけて、ルータ装置75に送信できる。第2通信部71は、ルータ装置75からの複数の水回り機器に対する指示情報を受信する。第1通信部70は、第2通信部71が受信した指示情報を水回り機器に送信する。指示情報は、水回り機器の設定情報などである。これにより、各小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の、設定値の変更を一括で行える。
【0022】
金属ブラケット55は、ライニング7内の壁面に固定され、図7に示すように、通信機器50の取り付け面(後側)を引っ掛けて通信機器50をライニング7内の壁面に取り付けている。金属ブラケット55は、図7及び図8に示すように、縦長矩形の金属板を加工して形成されている。通信機器50は、取り付け面の上端部に干渉抑制領域65を有している。干渉抑制領域65は、図7に示すように、通信機器50の取り付け面の上端部の斜線を付した領域であり、金属ブラケット55の配置されない領域である。金属ブラケット55は、通信アンテナ部62の配置位置と、前後方向に重ならないように、上端部を左右内側に切り欠くよう形成されている。金属ブラケット55は、通信機器50の背面と連結するための係合部57を備えている。係合部57は、後方からみて、金属ブラケット55の左右端部から垂直前方向に折り曲げて形成された側面部58と、側面部58を、外側に垂直方向に折り曲げて形成された前面部59を有している。前面部59の中央部分は、通信機器50の取り付け面に嵌着固定するための湾曲部60を有している。係合部57は、側面部58と前面部59により、後方からみて、段形状をなしている。
【0023】
金属ブラケット55は、下端部の左右中央部分から下方に突出する掛け部61を有している。掛け部61は、通信機器50の凹部66に収容され、引っ掛けた状態となっている。金属ブラケット55に通信機器50の取り付け面を引っ掛けた状態において、通信機器50の筐体49内に配置された通信アンテナ部62は、干渉抑制領域65と前後に重なる位置に配置される。通信アンテナ部62は、金属ブラケット55から、10mm以上の距離を有する。これにより、通信機器50は、ルータ装置75との通信障害の起こる虞がない。
【0024】
金属ブラケット55は、図7、及び図8に示すように、固定孔63A,63Bを形成している。固定孔63A,63Bは、ライニング7内の壁面に対して垂直方向に開口した孔部である。金属ブラケット55は、固定孔63A,63Bにネジやビス等の固定具を挿通させ、壁面にねじ込むことで、壁面に固定される。固定孔63Aは、金属ブラケット55の上端部に、左右方向中央部に配置されている。固定孔63Bは、金属ブラケット55の上下方向における中央部、かつ左右方向における中央部に配置されている。固定孔63Aと、固定孔63Bは、上下方向に並ぶように配置されている。固定孔63Aの左右における中心から上下方向に延びる中心線Dは、固定孔63Bの左右幅の内側に位置している。金属ブラケット55は、上下方向に並ぶ固定孔63A,63Bの2点で壁面に固定されるため、金属ブラケット55に引っ掛けた通信機器50の筐体49を前方に引っ張った際に、金属ブラケット55の上端部、及び下端部がライニング7内の壁面から離れるように、金属ブラケット55全体が、くの字形状に折り曲げられる虞がない。
【0025】
電源線56は、図6及び図7に示すように、筐体49の下面から延びている。電源線56の先端に設けられた図示しない電源プラグは、第1ライニング9内に設けられたコンセント(図示省略)に接続する。コンセントは、小便器20の上端面21Uより上側に位置する。
【0026】
ルータ装置75は、図1に示すように、インターネット等の広域通信網を介してクラウドサーバ85に接続し得る。ルータ装置75は、Wi-Fi(登録商標)によって第2通信部71との無線通信を行う。ルータ装置75は、自身を中心としたLAN(Local Area Network)を構築している。ルータ装置75には、第2通信部71の他、仮想サーバ、PC、スマートフォンなどの端末機器が接続されうる。
【0027】
クラウドサーバ85は、例えば、クラウド環境に設けられた仮想サーバである。クラウドサーバ85は、図4に示すように、インターネット等の広域通信網を介して、ルータ装置75と接続可能となっている。クラウドサーバ85は、インターネット等の広域通信網を介して携帯端末90とも通信可能となっている。クラウドサーバ85は、制御部86と、記憶部87と、を有している。制御部86は、ルータ装置75から、例えば、特定の一つの自動水石鹸供給装置30と関連付けられた、ポンプ駆動回数などの情報を受信する。記憶部87は、ルータ装置75から受信される自動水石鹸供給装置30のポンプ駆動回数などの情報を保存する。記憶部87は、水石鹸の補充時期である残量閾値を予め保存できる。制御部86は、記憶部87に保存された自動水石鹸供給装置30のポンプ駆動回数などの情報を読み出す。制御部86は、読み出したポンプ駆動回数と、水石鹸の残量閾値等から、補充を行うべきかを判定する。制御部86は、補充を行うべきと判断した場合には、補充警告情報を携帯端末90に送信する。
【0028】
携帯端末90は、端末表示部92と、端末制御部91を備えている。端末制御部91は、クラウドサーバ85の制御部86から、残量警告情報など、水回り機器に関する情報を受信する。端末制御部91は、クラウドサーバ85の制御部86から受信した、残量警告情報を、端末表示部92に表示する。作業者は、水石鹸の残量警告の表示を、携帯端末90の表示部を見て確認できる。
【0029】
以上説明したように、実施形態1の通信機器50は、小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の制御を行う制御部(23,33)との通信を行う第1通信部70と、外部機器であるルータ装置75との通信を行う第2通信部71と、を備えている。通信機器50は、小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の外部に設置される。この構成によれば、通信機器は、小便器等に取り付けられた給水配管等から遠ざかる位置に配置されるため、電波干渉による通信性能の低下を抑止することができる。
【0030】
外部機器は、ルータ装置75である。この構成によれば、通信機器50は、クラウドサーバや、スマートフォンなどの外部ネットワーク機器と接続できる。
【0031】
通信機器50は、小便器20の後端縁21Bより後方に設けられる。小便器20の後端縁21Bは、小便器20の陶器部分の後端縁を指す。小便器20は、例えば小便器20から排出する給水管や排水管を含まない。この構成によれば、通信機器50は、小便器20の使用時に邪魔にならない。
【0032】
通信機器50は、5つの小便器20、及び自動水石鹸供給装置30と通信する。第1通信部70は、5つの小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の夫々に備えられた小便制御部23、及び水石鹸制御部33と通信を行う。この構成によれば、通信機器50は、複数の水回り機器からの水回り機器の情報を受信したり、複数の水回り機器の設定変更を一括して行うことができる。
【0033】
複数の小便器20は並んで配置されている。通信機器50は、小便器20の間に形成された空間に設けられる。この構成によれば、通信機器50は、小便器20に取り付けられた給水配管や、小便器20の洗浄水の吐水範囲とずれた位置に配置されるため、これらとの電波干渉による通信性能の低下を抑制できる。
【0034】
通信機器50の第2通信部71は、通信アンテナ部62を有している。通信機器50は、通信アンテナ部62を収容する筐体49と、筐体49の取り付け面に取り付けられ、筐体49を引っ掛ける金属ブラケット55とを備えている。筐体49の取り付け面は、金属ブラケット55に筐体49を引っ掛けた状態において、金属ブラケット55の配置されない干渉抑制領域65を有している。通信アンテナ部62は、干渉抑制領域65と前後方向に重なる位置に配置される。この構成によれば、通信アンテナ部62が、電波を送受信する際に、金属ブラケット55との電波干渉による通信性能の低下を抑制できる。
【0035】
通信機器50は、前面に開口が形成されており、小便器20の後端縁21Bより後方に配置されたライニング7内に配置される。この構成によれば、通信機器50の取出しやメンテナンスを容易に行える。
【0036】
通信機器50は、小便器20の上端面21Uよりも上方に配置されている。この構成によれば、小便器20等に取り付けられた給水配管等から遠ざかる位置に配置されるため、電波干渉や、小便器の使用による故障を防止できる。
【0037】
通信機器50は、自動水石鹸供給装置30と通信する場合において、第1通信部70は、自動水石鹸供給装置30の水石鹸制御部33から、自動水石鹸供給装置30のポンプ32の駆動回数に関する情報を受信し、第2通信部71は、駆動回数に関する情報をルータ装置75に対して送信する。この構成によれば、自動水石鹸供給装置30の動作に関する情報を、クラウドサーバや、スマートフォンなどの外部ネットワーク機器に送信できる。
【0038】
水回り機器ユニット10は、通信機器50と、5つの小便器20と、自動水石鹸供給装置30と、5つの小便器20、及び自動水石鹸供給装置30の制御を行う制御部(23,33)とを具備している。この構成によれば、5つの小便器20、及び自動水石鹸供給装置30に関する情報について、通信機器50と通信できる。
【0039】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
【0040】
(1)実施形態1の外部機器は、ルータ装置75である。これに対し、外部機器は、ルータ装置である必要はない。
(2)実施形態1の通信機器50は、小便器20の後端縁21Bより後方に設けられている。これに対し、通信機器は、水回り機器の後端面より後方に設けられる必要はない。
(3)実施形態1の通信機器50は、複数の水回り機器と通信し、第1通信部70は、前記水回り機器の夫々に備えられた制御部(23,33)と通信を行う。これに対し、通信機器は、複数の水回り機器と通信する必要はない。家庭用トイレにおいて、一つの水回り機器に使用するものでもよい。
(4)実施形態1の複数の水回り機器は並んで配置されており、通信機器50は、各水回り機器の間に形成された空間に設けられている。これに対し、通信機器50は、各水回り機器の間に形成された空間に設けられる必要はない。例えば、水回り機器の背面側に配置されてもよい。
(5)実施形態1の通信機器50において、金属ブラケット55に筐体49を引っ掛けた状態において、通信アンテナ部62は、干渉抑制領域65と前後方向に重なる位置に配置される。これに対し、金属ブラケット55に筐体49を引っ掛けた状態において、通信アンテナ部62は、干渉抑制領域65と前後方向に重なる位置に配置される必要はない。
(6)実施形態1の通信機器50は、ライニング7内に配置されている。これに対し、通信機器は、ライニング内に配置される必要はない。
(7)実施形態1の通信機器50は、小便器20の上端よりも上方に配置されている。これに対し、通信機器は、水回り機器の上方に配置される必要はない。
(8)実施形態1の第1通信部70及び第2通信部71は、自動水石鹸供給装置30の動作状態に関する情報を送受信している。これに対し、第1通信部70、及び第2通信部71の送受信する情報は、自動水石鹸供給装置30の動作状態に関する情報に限られない。
(9)実施形態1の水回り機器ユニット10に用いられる水回り機器は、5つの小便器20、自動水石鹸供給装置30である。これに対し、水回り機器ユニットに用いられる水回り機器は、大便器でもよい。水回り機器ユニットに用いられる水回り機器は、浴室、洗面所などの他の水回り機器でもよい。
(10)実施形態1において、通信機器50が送受信した水回り機器に関する情報は、ポンプ駆動回数の情報である。これに対し、水回り機器に関する情報は、ポンプ駆動回数に限られない。水回り機器に関する情報は、例えば、小便器や大便器の洗浄回数や、大便器のつまり検知に関する情報でもよい。
(11)実施形態1の端末表示部92に表示される警告情報は、水石鹸の補充を促すものである。表示される警告情報は、水石鹸の残量など、水石鹸の補充を促すものに限られない。
(12)実施形態1の通信機器50の下端面50Sは、小便器20の上端面21Uより高い位置に配置される。これに対し、通信機器の下端面は、小便器の上端面より高い位置に配置される必要はない。通信機器の上端が、小便器の上端面より高い位置に配置されていてもよい。
(13)実施形態1のルータ装置75は、第2通信部71の他、インターネットなどの広域通信網を介して、クラウドサーバ85と接続している。ルータ装置75は、第2通信部71の他、PC、スマートフォンなどの端末機器が接続されてもよい。
(14)実施形態1のクラウドサーバ85の制御部86は、読み出したポンプ駆動回数と、水石鹸の残量閾値から、水石鹸を水石鹸タンク45補充するべきと判断した場合に、補充警告情報を携帯端末90に送信する。携帯端末90に補充を行うべきか否かを判断する専用アプリケーションをインストールして、端末制御部が、補充を行うべきか否かを判断するような構成としてもよい。
(15)実施形態1の通信機器50の前面は、小便器20の後端縁21Bよりも後方に設けられている。通信機器の少なくとも一部が、小便器の後端縁よりも後方に設けられていればよい。例えば、通信機器の取り付け面が小便器の後端縁よりも後方に設けられていてもよい。
(16)実施形態1の通信機器50は、トイレ室において5つ並ぶ小便器20のうち、第1ライニング9の前端面9Sに配置される小便器20Aと、第3ライニング13の前端面13Sに配置される小便器20Bの間に配置されている。通信機器は、トイレ室において5つ並ぶ小便器、及び自動水石鹸供給装置の間に形成される5つの空間のいずれかに設けられていればよい。
【符号の説明】
【0041】
10…水回り機器ユニット、12…開口部、20、30…水回り機器(20…小便器、30…自動水石鹸供給装置)、23,33…制御部、32…ポンプ、49…筐体、50…通信機器、55…金属ブラケット、62…通信アンテナ部、65…干渉抑制領域、70…第1通信部、71…第2通信部、75…外部機器(ルータ装置)
図1
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