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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131874
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042365
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】森永 雄司
(57)【要約】
【課題】寄生インダクタンスの低減化を図ることができる半導体モジュールを提供する。
【解決手段】
半導体チップQ1~Q4、第1電源端子51、第2電源端子52、第1中点端子61及び第2中点端子62を備え、ブリッジ回路が構成されている半導体モジュールであって、第1電源端子51と第2電源端子52とは隣接しており、第1中点端子61と第2中点端子62とは隣接しており、使用時においては、第1電源端子51と第2電源端子52とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れ、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の反対側に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体チップ、第1電源端子、第2電源端子、第1中点端子及び第2中点端子を備え、ブリッジ回路が構成されている半導体モジュールであって、
前記第1電源端子と前記第2電源端子とは隣接しており、
前記第1中点端子と前記第2中点端子とは隣接しており、
使用時においては、前記第1電源端子と前記第2電源端子とでは逆方向に電流が流れ、かつ、前記第1中点端子と前記第2中点端子とでは逆方向に電流が流れ、
前記第1電源端子のアウターリード部及び前記第2電源端子のアウターリード部と、前記第1中点端子のアウターリード部及び前記第2中点端子のアウターリード部とは、前記半導体モジュールの反対側に配置されていることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
前記半導体モジュールは、第1~第4配線パターンをさらに備え、
前記複数の半導体チップは、それぞれが第1電極及び第2電極を有する第1~第4半導体チップであり、
前記ブリッジ回路は、前記第1半導体チップ及び前記第3半導体チップをハイサイドとし、前記第2半導体チップ及び前記第4半導体チップをローサイドとするものであり、
前記第1配線パターンは、前記第1電源端子が接続されており、前記第1配線パターンの複数の辺のうちの1つの辺を第1辺としたとき、当該第1辺の所定範囲には、前記第1配線パターンを平面視したときに凹形状をなす凹部が形成され、前記凹部を挟む位置に前記第1半導体チップ及び前記第3半導体チップが搭載されており、
前記第2配線パターンは、前記第2電源端子が接続されており、平面視したときに、前記第1配線パターンの前記凹部によって三方が囲まれており、
前記第3配線パターンは、前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンに隣接し、前記第2半導体チップが搭載されているとともに前記第1中点端子が接続されており、
前記第4配線パターンは、前記第1配線パターン及び前記第2配線パターンに隣接し、前記第4半導体チップが搭載されているとともに前記第2中点端子が接続されており、
前記第1半導体チップの第1電極は、第1接続部材を介して前記第3配線パターンに接続されており、
前記第1半導体チップの第2電極は、前記第1配線パターンに接続されており、
前記第2半導体チップの第1電極は、第2接続部材を介して前記第2配線パターンに接続されており、
前記第2半導体チップの第2電極は、前記第3配線パターンに接続されており、
前記第3半導体チップの第1電極は、第3接続部材を介して前記第4配線パターンに接続されており、
前記第3半導体チップの第2電極は、前記第1配線パターンに接続されており、
前記第4半導体チップの第1電極は、第4接続部材を介して前記第2配線パターンに接続されており、
前記第4半導体チップの第2電極は、前記第4配線パターンに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記半導体モジュールは、第1~第4制御端子をさらに備え、
前記第1~第4半導体チップは、それぞれ前記第1~第4制御端子に接続されている制御電極をさらに有し、
前記第1~第4制御端子は、前記第1電源端子と前記第2電源端子とで囲まれた領域及び前記第1中点端子と前記第2中点端子とで囲まれた領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記第1制御端子のアウターリード部及び前記第3制御端子のアウターリード部と、前記第1電源端子の前記アウターリード部及び前記第2電源端子の前記アウターリード部とは、前記半導体モジュールの同じ側に配置されており、
前記第2制御端子のアウターリード部及び前記第4制御端子のアウターリード部と、前記第1中点端子の前記アウターリード部及び前記第2中点端子の前記アウターリード部とは、前記半導体モジュールの同じ側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記半導体モジュールは、第1~第4検出端子をさらに備え、
前記第1~第4半導体チップの前記第1電極は、それぞれ前記第1~第4検出端子にも接続されており、
前記第1~第4検出端子は、前記第1電源端子と前記第2電源端子とで囲まれた領域及び前記第1中点端子と前記第2中点端子とで囲まれた領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記第1検出端子のアウターリード部及び前記第3検出端子のアウターリード部と、前記第1電源端子の前記アウターリード部及び前記第2電源端子の前記アウターリード部とは、前記半導体モジュールの同じ側に配置されており、
前記第2検出端子のアウターリード部及び前記第4検出端子のアウターリード部と、前記第1中点端子の前記アウターリード部及び前記第2中点端子の前記アウターリード部とは、前記半導体モジュールの同じ側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体チップからブリッジ回路を構成することが広く行われている。ブリッジ回路において、回路内の寄生インダクタンスが要因で損失やリンギングが発生することがある。特に、半導体チップとしてワイドバンドギャップ半導体を使用する場合においては、その高スルーレートと高い動作周波数により、回路内の寄生インダクタンスが要因で損失やリンギングが発生し易い。寄生インダクタンスは、配線経路長(電流経路長ともいう。)に大きく依存するので、寄生インダクタンスを低減するためにモジュール化することも考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
なお、特許文献1に開示されている半導体装置900は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンのときの電流経路は、図7の実線Aで示すように、第1電源端子911から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子921に至り、第1中点端子921から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子922から第4半導体チップQ4を通って第2電源端子912に至る経路である。
【0004】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンのときの電流経路は、図7の破線Bで示すように、第1電源端子911から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子922に至り、第2中点端子922から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子921から第2半導体チップQ2を通って第2電源端子912に至る経路である。
【0005】
なお、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンのときは第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2はともにオフしており、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンのときは第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4はともにオフしているが、半導体チップがオフしていることの記載は以下の説明においては省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/241239号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような電流経路を有する半導体モジュールは、単純にモジュール化しただけであるため、寄生インダクタンスの低減効果は不十分であり、これが問題となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、寄生インダクタンスの低減化を図ることができる半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の半導体モジュールは、複数の半導体チップ、第1電源端子、第2電源端子、第1中点端子及び第2中点端子を備え、ブリッジ回路が構成されている半導体モジュールであって、前記第1電源端子と前記第2電源端子とは隣接しており、前記第1中点端子と前記第2中点端子とは隣接しており、使用時においては、前記第1電源端子と前記第2電源端子とでは逆方向に電流が流れ、かつ、前記第1中点端子と前記第2中点端子とでは逆方向に電流が流れ、前記第1電源端子のアウターリード部及び前記第2電源端子のアウターリード部と、前記第1中点端子のアウターリード部及び前記第2中点端子のアウターリード部とは、前記半導体モジュールの反対側に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の半導体モジュールにおいては、第1電源端子と第2電源端子とは隣接しており、第1中点端子と第2中点端子とは隣接しており、使用時においては、第1電源端子と第2電源端子とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子と第2中点端子とでは逆方向に電流が流れる。このため、本発明の半導体モジュールは、第1電源端子及び第2電源端子に発生する磁界を相殺することができ、かつ、第1中点端子及び第2中点端子に発生する磁界を相殺することができることから、寄生インダクタンスの低減化が図ることができる半導体モジュールとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る半導体モジュール1の概念図である。
図2】実施形態に係る半導体モジュール1の内部構成の平面図である。
図3図2に示す半導体モジュール1のブリッジ回路100の等価回路図である。
図4】実施形態に係る半導体モジュール1の電流経路の説明図である。
図5】シミュレーションを行う際に実施形態に係る半導体モジュール1との比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの内部構成の平面図である。
図6】比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの電流経路の説明図である。
図7】特許文献1に記載されている半導体装置900の内部構成の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の半導体モジュールの実施形態について説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る半導体モジュール1の概念図である。図1の概念図は、主な電流経路(制御系や検出系の電流経路を除外した、比較的大きな電流が流れる電流経路)を構成する構成要素(部材)を示す図である。図1における黒丸は、構成要素の区切りを示すものである。
図2は、実施形態に係る半導体モジュール1の内部構成の平面図である。
【0014】
以下、図1及び図2を参照して実施形態に係る半導体モジュール1の内部構成について説明する。
【0015】
実施形態に係る半導体モジュール1は、図1及び図2に示すように、複数の半導体チップ、第1電源端子51、第2電源端子52、第1中点端子61及び第2中点端子62を備え、ブリッジ回路が構成されている。また、半導体モジュール1は、第1~第4配線パターン10~40をさらに備える。半導体モジュール1における複数の半導体チップは、第1~第4半導体チップQ1~Q4である。半導体モジュール1におけるブリッジ回路は、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするものである。このようなブリッジ回路において、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンする動作と、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする動作とを交互に繰り返す。
【0016】
なお、第1~第4配線パターン10~40は、第1配線パターン10、第2配線パターン20、第3配線パターン30、第4配線パターン40である。また、以下の説明において、第1~第4半導体チップQ1~Q4をまとめて説明する場合には、「第1」、「第2」等を省略して、「半導体チップQ1~Q4」と表記する場合もある。また、第1~第4配線パターン10~40も同様に、第1~第4配線パターン10~40をまとめて説明する場合には、「第1」、「第2」等を省略して、「配線パターン10~40」と表記する場合もある。
【0017】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、半導体チップQ1~Q4はMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるとし、その平面視形状は矩形をなしているものとして説明する。また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、セラミック(アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等)からなるベースに金属(銅)を直接接合したセラミック基板であるDCB(Direct Copper Bonding)基板70上に配線パターン10~40が形成されているものとする。なお、本発明の半導体モジュールに用いる基板はDCB基板に限られるものではなく、AMB(Active Metal Brazing)基板のような他のセラミック基板や、銅ベースやアルミニウムベースの金属ベース基板等を用いることもできる。セラミック基板に接合する金属としては、銅以外の金属(例えば、アルミニウム)を用いることもできる。
【0018】
半導体チップQ1~Q4はそれぞれソース電極(第1電極)S、ドレイン電極(第2電極)D、ゲート電極(制御電極)Gを有しているが、半導体チップQ1~Q4として縦型トランジスタチップ(SiやSiC材料で構成されるMOSFET等の縦型トランジスタチップ)を用いた場合のドレイン電極Dは、半導体チップQ1~Q4における配線パターン10~40側の面(半導体チップQ1~Q4の裏面)に設けるように構成する。なお、実施形態に係る半導体モジュール1においては、半導体チップQ1~Q4として縦型トランジスタチップを用いた場合を例示している。従って、ドレイン電極Dは配線パターン10~40側に設けられていて目視できないため、ドレイン電極を示す符号「D」は図示されていない。また、ゲート電極Gは、半導体チップQ1~Q4におけるソース電極S側の面に設けられている。
【0019】
また、半導体チップQ1~Q4は、本発明の要旨を変更しない範囲であれば適宜変更可能であり、例えば、半導体チップQ1~Q4として、例えば、横型トランジスタチップ(例えば、GaNオンSi材料で構成されるGaN-HEMT、その他GaオンSi材料で構成される化合物半導体トランジスタ等)を用いてもよい。なお、横型トランジスタチップの場合、ドレイン電極Dを含め、ゲート電極G及びソース電極Sは、半導体チップの表面に複数形成すると好適である。また、半導体チップQ1~Q4は、トランジスタチップに限定せず、回路アプリケーションに対応して、適宜、トランジスタチップをダイオードチップに置き換えた変形的構成としてもよい。このような変形的構成にすれば、適宜トーテムポール型ブリッジレスPFC回路等にも適応可能となる。
【0020】
第1配線パターン10は、第1電源端子51が接続されており、当該第1配線パターン10の複数の辺のうちの1つの辺を第1辺11としたとき、当該第1辺11の所定範囲には、当該第1配線パターン10を平面視したときに凹形状をなす凹部12が形成されている。ここで、第1配線パターン10では、図2において、第1配線パターン10の図示の左右方向(x軸に沿った方向)に延在する辺のうちの図示の上側に位置する辺を第1辺11としている。
【0021】
なお、「凹部12」は、基板70の厚み方向にへこんだ凹部ではなく、図2において破線枠Zで囲まれた領域内に示されているように、第1配線パターン10を平面視したとき、基板70の平面上において、図示のy軸に沿った紙面下方向に凹状にへこんだ凹部である。
【0022】
また、第1配線パターン10には、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3が搭載されている。ここで、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3は、凹部12を挟む位置に搭載されている。なお、凹部12が形成されている位置は、第1配線パターン10における図示のx軸に沿った左右方向のほぼ中央付近であるとする。
【0023】
続いて、第2配線パターン20について説明する。第2配線パターン20は、第2電源端子52が接続されており、平面視したときに、第1配線パターン10の凹部12によって三方が囲まれている。
【0024】
続いて、第3配線パターン30及び第4配線パターン40について説明する。第3配線パターン30及び第4配線パターン40は、第1配線パターン10の第1辺11に沿って左右方向に並んで配置されている。
【0025】
第3配線パターン30は、第1配線パターン10及び第2配線パターン20に隣接し、第2半導体チップQ2が搭載されているとともに第1中点端子61が接続されている。
【0026】
第4配線パターン40は、第1配線パターン10及び第2配線パターン20に隣接し、第4半導体チップQ4が搭載されているとともに第2中点端子62が接続されている。
【0027】
本明細書における「隣接」とは、同種の2つの構成要素に着目したときに、その間に当該2つの構成要素と同種の構成要素が配置されていない状態のことをいう。
【0028】
配線パターン10~40がこのような配置となっていることにより、第2配線パターン20は、第1配線パターン10、第3配線パターン30及び第4配線パターン40で囲まれており、基板70の中央付近に位置するものとなる。
【0029】
次に、半導体チップQ1~Q4について説明する。
第1半導体チップQ1のソース電極Sは、アルミニウムワイヤーなどの第1接続部材81を介して第3配線パターン30に接続されている。また、第1半導体チップQ1のドレイン電極Dは、第1配線パターン10に接続されている。
【0030】
第2半導体チップQ2のソース電極Sは、アルミニウムワイヤーなどの第2接続部材82を介して第2配線パターン20に接続されている。また、第2半導体チップQ2のドレイン電極Dは、第3配線パターン30に接続されている。
【0031】
第3半導体チップQ3のソース電極Sは、アルミニウムワイヤーなどの第3接続部材83を介して第4配線パターン40に接続されている。また、第3半導体チップQ3のドレイン電極Dは、第1配線パターン10に接続されている。
【0032】
第4半導体チップQ4のソース電極Sは、アルミニウムワイヤーなどの第4接続部材84を介して第2配線パターン20に接続されている。また、第4半導体チップQ4のドレイン電極Dは、第4配線パターン40に接続されている。
【0033】
半導体モジュール1は、第1~第4制御端子T11~T14及び第1~第4検出端子T21~T24をさらに備える。第1~第4制御端子T11~T14及び第1~第4検出端子T21~T24は、第1電源端子51と第2電源端子52とで囲まれた領域及び第1中点端子61と第2中点端子62とで囲まれた領域の外側に配置されている。また、基板70に述形成されている配線パターンとしては、上述した配線パターン10~40の他に、第1~第4制御配線パターン111~114と、第1~第4検出配線パターン121~124とが存在する。
【0034】
第1~第4制御端子T11~T14は、それぞれ対応する第1~第4制御配線パターン111~114に接続されている。また、第1~第4検出端子T21~T24は、それぞれ対応する第1~第4検出配線パターン121~124に接続されている。
【0035】
第1~第4制御配線パターン111~114は、半導体チップQ1~Q4の各ゲート電極Gにそれぞれアルミニウムワイヤーなどの接続部材を介して接続されている。このため、半導体チップQ1~Q4のゲート電極Gは、それぞれ第1~第4制御端子T11~T14に接続されているといえる。
【0036】
一方、第1~第4検出配線パターン121~124は、半導体チップQ1~Q4の各ソース電極Sにそれぞれアルミニウムワイヤーなどの接続部材を介して接続されている。このため、半導体チップQ1~Q4のソース電極Sは、それぞれ第1~第4検出端子T21~T24にも接続されているといえる。
【0037】
続いて、第1、第2電源端子51,52及び第1、第2中点端子61,62について説明する。第1電源端子51及び第2電源端子52は、ブリッジ回路への電力を供給する端子であり、電流の流れとしてみた場合、第1電源端子51が電流の入力側、第2電源端子52が電流の出力側であるとする。
【0038】
第1電源端子51は第1配線パターン10に接続されている。第2電源端子52は第1配線パターン10を非接触で跨いで第2配線パターン20に接続されている。これら第1電源端子51と第2電源端子52とは隣接している。また、第1電源端子51及び第2電源端子52の近傍にはデカップリングコンデンサ90が配置され、当該デカップリングコンデンサ90の一端が第1配線パターン10に接続され、他端が第2配線パターン20に接続されている。デカップリングコンデンサ90は、電源電圧の変動を回避したり、各種ノイズを除去したりする機能を有している。
【0039】
一方、第1中点端子61及び第2中点端子62は、図示しない負荷が接続される端子である。第1中点端子61は第3配線パターン30に接続されており、第2中点端子62は第4配線パターン40に接続されている。これら第1中点端子61と第2中点端子62とは隣接している。そして、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときとでは、第1中点端子61と第2中点端子62との間を流れる電流の向きが反転する。
【0040】
実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときには、第1中点端子61から第2中点端子62へと電流が流れ、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときには、第2中点端子62から第1中点端子61へと電流が流れる。実施形態に係る半導体モジュール1における全体的な電流経路については後述する。
【0041】
また、図1及び図2に示すように、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の反対側に配置されている。ここで、「半導体モジュール1の反対側」というのは、図2の場合を例にとると、半導体モジュール1の図示の上側と図示の下側である。また、アウターリード部というのは、樹脂封止したときに樹脂の外側に存在する部分のことをいう。なお、実施形態1に係る半導体モジュール1は樹脂封止されているが、図2においては半導体モジュール1の内部構成を示すため、樹脂については符号Mで示す外縁のみを表示している。後述する図4図6においても同様である。
【0042】
なお、第1制御端子T11のアウターリード部及び第3制御端子T13のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。また、第2制御端子T12のアウターリード部及び第4制御端子T14のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。
【0043】
また、第1検出端子T21のアウターリード部及び第3検出端子T23のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されている。さらに、第2検出端子T22のアウターリード部及び第4検出端子T24のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュールの同じ側に配置されている。
【0044】
図3は、図2に示す半導体モジュール1のブリッジ回路100の等価回路図である。なお、図3において、図2と同一構成要素には同一符号が付されている。図3に示すブリッジ回路100は、前述したように、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするブリッジ回路である。
【0045】
このようなブリッジ回路100において、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4の各ゲート電極Gに所定の電圧が同時に印加されることにより、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンする。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2の各ゲート電極Gに所定の電圧が同時に印加されることにより、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする。
【0046】
ここで、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路は、図3の実線Aで示すように、第1電源端子51から第1半導体チップQ1を通って第1中点端子61に至り、第1中点端子61から図示しない負荷を通った後に、第2中点端子62から第4半導体チップQ4を通って第2電源端子52に至る経路である。
【0047】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路は、図3の破線Bで示すように、第1電源端子51から第3半導体チップQ3を通って第2中点端子62に至り、第2中点端子62から図示しない負荷を通った後に、第1中点端子61から第2半導体チップQ2を通って第2電源端子52に至る経路である。
【0048】
このような電流経路を、実施形態に係る半導体モジュール1の電流経路の説明図である図4を参照して具体的に説明する。なお、図4は、図1に示す半導体モジュール1に電流経路を加えた図であり、図4における半導体モジュールとしての構成は図1と同様である。但し、図4においては、図2に示した各構成要素を示す符号は、一部が省略されており、主に、電流経路の説明に必要な構成要素の符号が記載されている。
【0049】
第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路は、図4の実線Aで示す経路となる。具体的には、第1電源端子51から第1配線パターン10に入り、当該第1配線パターン10に搭載されている第1半導体チップQ1のドレイン電極D(図示せず。)からソース電極Sを経て、当該ソース電極Sと第3配線パターン30とを接続する第1接続部材81を介して第3配線パターン30を通って第1中点端子61へと流れる。その後、図示しない負荷を経て第2中点端子62から第4配線パターン40に入り、当該第4配線パターン40に搭載されている第4半導体チップQ4のドレイン電極D(図示せず。)からソース電極Sを経て、当該ソース電極Sと第2配線パターン20とを接続する第4接続部材84を介して第2配線パターン20を通って第2電源端子52へと流れる。
【0050】
一方、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路は、図3の破線Bで示す経路となる。具体的には、第1電源端子51から第1配線パターン10に入り、当該第1配線パターン10に搭載されている第3半導体チップQ3のドレイン電極D(図示せず。)からソース電極Sを経て、当該ソース電極Sと第4配線パターン40とを接続する第3接続部材83を介して第4配線パターン40を通って第2中点端子62へと流れる。その後、図示しない負荷を経て第1中点端子61から第3配線パターン30に入り、当該第3配線パターン30に搭載されている第2半導体チップQ2のドレイン電極D(図示せず。)からソース電極Sを経て、当該ソース電極Sと第2配線パターン20とを接続する第2接続部材82から第2配線パターン20を通って第2電源端子52へと流れる。
【0051】
このように、半導体モジュール1の使用時においては、第1電源端子51と第2電源端子52とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れる。
【0052】
また、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路及び第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路は、図4の実線A及び破線Bで示すように、第2配線パターン20とその周辺に形成される。これは、配線パターン10~40の配置と、半導体チップQ1~Q4の配置、第1、第2電源端子51,52及び第1、第2中点端子61、62の配置によるものである。
【0053】
このように、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1電源端子51と第2電源端子52とが隣接しており、第1中点端子61と第2中点端子62とが隣接している。また、半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンする動作を行ったときと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする動作を行ったときとのいずれにおいても、第1電源端子51を流れる電流の向きと第2電源端子52を流れる電流の向きとが反対方向となり、かつ、第1中点端子61を流れる電流の向きと第2中点端子62を流れる電流の向きとが反対方向となる。このように、流れる電流の向きが異なる端子を隣接させることで、発生する磁界を相殺することができ、これによって寄生インダクタンスの低減化を図ることができる。
【0054】
以上説明したように、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、寄生インダクタンスを低減化できる効果が得られるが、これらの効果を検証するために発明者がシミュレーションを行った。以下、発明者がシミュレーションを行った結果について説明する。
【0055】
図5は、実施形態に係る半導体モジュール1との比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの内部構成の平面図である。なお、以下の説明においては、比較を行うために準備した半導体モジュール1Aは単に「半導体モジュール1A」と表記する場合もある。
【0056】
半導体モジュール1Aは、基本的には実施形態に係る半導体モジュール1と同様の構成要素を有している。なお、図5においては、半導体モジュール1Aの構成要素を示す符号は、説明に必要な符号が示されている。ここで、半導体モジュール1Aにおいては、実施形態に係る半導体モジュール1における第1~第4配線パターン10~40を第1~第4配線パターン210~240とし、第1、第2電源端子51、52を第1、第2電源端子251,252、第1、第2中点端子61,62を第1、第2中点端子261,262とし、第1~第4接続部材81~84を第1~第4接続部材281~284とする。
【0057】
なお、実施形態に係る半導体モジュール1における第1~第4半導体チップQ1~Q4は、半導体モジュール1Aにおいても第1~第4半導体チップQ1~Q4とし、実施形態に係る半導体モジュール1における基板70は半導体モジュール1Aにおいても基板70とする。また、ここでも第1~第4半導体チップQ1~Q4をまとめて説明する場合には、半導体チップQ1~Q4と表記する場合もあり、第1~第4配線パターン210~240をまとめて説明する場合には、配線パターン210~240と表記する場合もある。
【0058】
半導体モジュール1Aのブリッジ回路の構成は、実施形態に係る半導体モジュール1と同様であり、第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3をハイサイドとし、第2半導体チップQ2及び第4半導体チップQ4をローサイドとするブリッジ回路であり、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンし、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンする。
【0059】
また、半導体モジュール1Aにおいては、実施形態に係る半導体モジュール1と同様に、第1電源端子251は第1配線パターン210に接続され、第2電源端子252は第1配線パターン210を非接触で跨いで第2配線パターン220に接続されている。また、第1中点端子261は第3配線パターン230に接続され、第2中点端子262は第4配線パターン240に接続されている。
【0060】
但し、半導体モジュール1Aにおいては、第1中点端子261及び第2中点端子262は隣接しておらず、基板70の両端部(左端部及び右端部)に離間して配置され、かつ、半導体モジュール1Aの第1電源端子251及び第2電源端子252と同じ側に配置されている。
【0061】
また、半導体モジュール1Aにおいては、第1半導体チップQ1は第1接続部材281を介して第3配線パターン230に接続され、第2半導体チップQ2は第2接続部材282を介して第2配線パターン220に接続され、第3半導体チップQ3は、第3接続部材283を介して第4配線パターン240に接続され、第4半導体チップQ4は、第4接続部材284を介して第2配線パターン220に接続されている。
【0062】
図6は、比較を行うために準備した半導体モジュール1Aの電流経路の説明図である。なお、図6は、図5に示す半導体モジュール1Aに電流経路を加えた図であり、図6における半導体モジュール1Aとしての構成は図5に示した半導体モジュール1Aと同様である。半導体モジュール1Aの電流経路は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときは、図6において実線Aで示すような経路となる。また、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときは、図6において破線Bで示すような経路となる。
【0063】
ここで、実施形態に係る半導体モジュール1において発生する寄生インダクタンスと半導体モジュール1Aにおいて発生する寄生インダクタンスとをシミュレーションによって比較した結果を説明する。ここでは、ブリッジ回路のオン・オフ動作の周波数を100kHzとして、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がオンしたときの電流経路に発生する寄生インダクタンスと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がオンしたときの電流経路に発生する寄生インダクタンスとを測定した。
【0064】
半導体モジュール1Aにおいては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路A(図6参照。)に発生する寄生インダクタンスは、48.4ナノヘンリー(48.4nH)であり、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路B(図6参照。)に発生する寄生インダクタンスは、36.3ナノヘンリー(36.3nH)であった。
【0065】
一方、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路A(図4参照。)に発生する寄生インダクタンスは、27.3ナノヘンリー(27.3nH)であり、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路B(図4参照。)に発生する寄生インダクタンスは、25.5ナノヘンリー(25.5nH)であった。
【0066】
この結果から、実施形態に係る半導体モジュール1は、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときと、第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときのいずれの場合においても、半導体モジュール1Aに比べて、寄生インダクタンスを低減できることが確認された。
【0067】
以上説明したように、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1電源端子51と第2電源端子52とは隣接しており、第1中点端子61と第2中点端子62とは隣接しており、使用時においては、第1電源端子51と第2電源端子52とでは逆方向に電流が流れ、かつ、第1中点端子61と第2中点端子62とでは逆方向に電流が流れる。このため、実施形態に係る半導体モジュール1は、第1電源端子51及び第2電源端子52に発生する磁界を相殺することができ、かつ、第1中点端子61及び第2中点端子62に発生する磁界を相殺することができることから、寄生インダクタンスの低減化が図ることができる半導体モジュールとなる。
【0068】
また、実施形態に係る半導体モジュール1においては、第1配線パターン10は、第1電源端子51が接続されており、第1辺11の所定範囲には凹部12が形成され、凹部12を挟む位置に第1半導体チップQ1及び第3半導体チップQ3が搭載されており、第2配線パターン20は、第2電源端子52が接続されており、平面視したときに、第1配線パターン10の凹部12によって三方が囲まれており、第3配線パターン30は、第1配線パターン10及び第2配線パターン20に隣接し、第2半導体チップQ2が搭載されているとともに第1中点端子61が接続されており、第4配線パターン40は、第1配線パターン10及び第2配線パターン20に隣接し、第4半導体チップQ4が搭載されているとともに第2中点端子62が接続されており、第1半導体チップQ1のソース電極Sは、第1接続部材81を介して第3配線パターン30に接続されており、第1半導体チップQ1のドレイン電極Dは、第1配線パターン10に接続されており、第2半導体チップQ2のソース電極Sは、第2接続部材82を介して第2配線パターン20に接続されており、第2半導体チップQ2のドレイン電極Dは、第3配線パターン30に接続されており、第3半導体チップQ3のソース電極Sは、第3接続部材83を介して第4配線パターン40に接続されており、第3半導体チップQ3のドレイン電極Dは、第1配線パターン10に接続されており、第4半導体チップQ4のソース電極Sは、第4接続部材84を介して第2配線パターン20に接続されており、第4半導体チップQ4のドレイン電極Dは、第4配線パターン40に接続されている。このため、半導体モジュール1においては、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路(実線A)及び第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路(破線B)は、主に第2配線パターン20とその周辺に形成される。これにより、第1半導体チップQ1及び第4半導体チップQ4がともにオンしたときの電流経路及び第3半導体チップQ3及び第2半導体チップQ2がともにオンしたときの電流経路をそれぞれ短くすることができ、ブリッジ回路の動作時における寄生インダクタンスの一層の低減化を図ることが可能となる。
【0069】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1~第4制御端子T11~T14は、第1電源端子51と第2電源端子52とで囲まれた領域及び第1中点端子61と第2中点端子62とで囲まれた領域の外側に配置されているため、第1電源端子51及び第2電源端子52に発生する磁界の相殺並びに第1中点端子61及び第2中点端子62に発生する磁界の相殺を第1~第4制御端子T11~T14が妨げない構成とすることが可能となる。
【0070】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1制御端子T11のアウターリード部及び第3制御端子T13のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されており、第2制御端子T12のアウターリード部及び第4制御端子T14のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュールの同じ側に配置されているため、第1~第4制御端子T11~T14の配置を分散させることが可能となる。
【0071】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1~第4検出端子T21~T24は、第1電源端子51と第2電源端子52とで囲まれた領域及び第1中点端子61と第2中点端子62とで囲まれた領域の外側に配置されているため、第1電源端子51及び第2電源端子52に発生する磁界の相殺並びに第1中点端子61及び第2中点端子62に発生する磁界の相殺を第1~第4検出端子T21~T24が妨げない構成とすることが可能となる。
【0072】
また、実施形態に係る半導体モジュール1によれば、第1検出端子T21のアウターリード部及び第3検出端子T23のアウターリード部と、第1電源端子51のアウターリード部及び第2電源端子52のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されており、第2検出端子T22のアウターリード部及び第4検出端子T24のアウターリード部と、第1中点端子61のアウターリード部及び第2中点端子62のアウターリード部とは、半導体モジュール1の同じ側に配置されているため、第1~第4検出端子T21~T24の配置を分散させることが可能となる。
【0073】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0074】
(1)本発明に係る構成要素の形状、数、大きさ、位置等は、図2に示したものに限定されず、本発明の特徴を損ねない限りにおいて、適宜変更することができる。
【0075】
(2)半導体チップQ1~Q4は、MOSFETに限らず、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など他の半導体チップであってもよい。
【0076】
(3)前述の実施形態においては、半導体モジュール1は4個の半導体チップQ1~Q4を備えるものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は半導体チップの数が4個ではない半導体モジュールにも適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1・・・半導体モジュール、1A・・・比較を行うために準備した半導体モジュール、10・・・第1配線パターン、11・・・第1配線パターンの第1辺、12・・・凹部、20・・・第2配線パターン、30・・・第3配線パターン、40・・・第4配線パターン、51・・・第1電源端子、52・・・第2電源端子、61・・・第1中点端子、62・・・第2中点端子、70・・・基板、81~84・・・第1~第4接続部材、90・・・デカップリングコンデンサ、111~114・・・第1~第4制御配線パターン、121~124・・・第1~第4検出配線パターン、210・・・半導体モジュール1Aの第1配線パターン、220・・・半導体モジュール1Aの第2配線パターン、230・・・半導体モジュール1Aの第3配線パターン、240・・・半導体モジュール1Aの第4配線パターン、251・・・半導体モジュール1Aの第1電源端子、252・・・半導体モジュール1Aの第2電源端子、261・・・半導体モジュール1Aの第1中点端子、262・・・半導体モジュール1Aの第2中点端子、Q1・・・第1半導体チップ、Q2・・・第2半導体チップ、Q3・・・第3半導体チップ、Q4・・・第4半導体チップ、G・・・半導体チップQ1~Q4のゲート電極、S・・・半導体チップQ1~Q4のソース電極、T11~T14・・・第1~第4制御端子、T21~T24・・・第1~第4検出端子、M・・・樹脂の外縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7