(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013188
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20240124BHJP
C02F 9/00 20230101ALI20240124BHJP
C02F 1/72 20230101ALI20240124BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20240124BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
C02F1/44 E
C02F9/00
C02F1/72 Z
C02F1/461 101B
B01D61/58
C02F1/44 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023024692
(22)【出願日】2023-02-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(31)【優先権主張番号】202210851516.1
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517428687
【氏名又は名称】重▲慶▼文理学院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】関偉
(72)【発明者】
【氏名】何莉
(72)【発明者】
【氏名】謝志剛
(72)【発明者】
【氏名】王小平
(72)【発明者】
【氏名】田世超
(72)【発明者】
【氏名】楊粛博
(72)【発明者】
【氏名】張勇
(72)【発明者】
【氏名】宋丹
(72)【発明者】
【氏名】袁菱
【テーマコード(参考)】
4D006
4D050
4D061
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA07
4D006KA53
4D006KA55
4D006KA57
4D006KA72
4D006KB01
4D006KB30
4D006KE03P
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4D006PB08
4D006PB27
4D050AA12
4D050AB54
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4D050AB60
4D050AB63
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4D050BD03
4D050BD06
4D050BD08
4D050CA09
4D050CA10
4D061DA08
4D061DB18
4D061DC21
4D061DC22
4D061DC25
4D061DC27
4D061EA04
4D061EB01
4D061EB04
4D061EB16
4D061EB20
4D061EB39
4D061FA09
4D061FA16
4D061GC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作が簡単で、スラッジが発生せず、処理コストが低いという利点を有し、幅広い普及に適する、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置を提供する。
【解決手段】精密ろ過処理装置10、ナノ濾過処理装置11および逆浸透浄化装置12からなる廃水分離濃縮コンポーネント1、酸化錯体破壊コンポーネント2、電解回収コンポーネント3およびインテリジェント検出コンポーネント4を含み、錯体状態重金属を含有する廃水を精密ろ過、ナノ濾過および逆浸透精製前処理を行って、淡水を意図的に回収するとともに、濃縮廃水中の錯体状態重金属を酸化錯体破壊コンポーネントで酸化分解し、解離された重金属イオンを電解回収コンポーネントで還元回収する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水分離濃縮コンポーネント(1)と、酸化錯体破壊コンポーネント(2)と、電解回収
コンポーネント(3)と、およびインテリジェント検出コンポーネント(4)と、を含み
、
前記廃水分離濃縮コンポーネント(1)は、錯体状態重金属廃水を精密ろ過処理するため
の精密ろ過処理装置(10)、前記精密ろ過処理装置(10)によって処理された濃縮水
をナノ濾過処理するためのナノ濾過処理装置(11)、前記ナノ濾過処理装置(11)に
よって処理された濃縮水を逆浸透浄化処理するための逆浸透浄化装置(12)、精密ろ過
処理装置(10)、ナノ濾過処理装置(11)および逆浸透浄化装置(12)によって処
理された淡水を浄化処理するための淡水収集処理装置(13)を含み、
前記酸化錯体破壊コンポーネント(2)は、淡水収集処理装置(13)と連通する錯体破
壊チャンバー(20)、前記錯体破壊チャンバー(20)と連通する混合チャンバー(2
1)を含み、前記混合チャンバー(21)内に反応板(210)が設けられ、前記反応板
(210)の側壁に複数の取付口(2100)が均一に設けられ、各前記取付口(210
0)内にフィラーバッグ(2101)が充填され、混合チャンバー(21)内の前記反応
板(210)に対向する位置に屈曲搖動板(211)が設けられ、前記屈曲搖動板(21
1)に第1吸上げポンプ(212)を介して酸化剤タンク(2120)が接続され、屈曲
搖動板(211)上であって反応板(210)に対向する側壁に複数の発射穴(2110
)が設けられ、前記屈曲搖動板(211)の底端に屈曲搖動板(211)の左右搖動を制
御するための駆動ラック(2111)が設けられ、
前記電解回収コンポーネント(3)は、垂直方向に沿って前記錯体破壊チャンバー(20
)内に設けられた電極取付筒(30)、前記電極取付筒(30)の外壁に設けられた複数
の陽極板(31)、隣接する2つの前記陽極板(31)間に設けられた複数の陰極板(3
2)、各陽極板(31)および陰極板(32)に電気的に接続された直流電源(33)を
含み、前記陰極板(32)は、内層電極板(320)、前記内層電極板(320)の外壁
を覆う内層電極板保護シェル(321)を含み、前記内層電極板保護シェル(321)の
外壁にグリッドパターンで分布された複数のバリアストリップ(322)が設けられ、グ
リッドパターン領域内に炭素系還元パッチ(323)が設けられ、前記インテリジェント
検出コンポーネント(4)は、精密ろ過処理装置(10)、ナノ濾過処理装置(11)、
淡水収集処理装置(13)、第1吸上げポンプ(212)、陽極板(31)および陰極板
(32)に電気的に接続されたコントローラー(40)、淡水収集処理装置(13)内の
水質を検出するための水質検出装置(41)を含む、ことを特徴とする錯体状態重金属廃
水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項2】
前記駆動ラック(2111)は、混合チャンバー(21)の内部底端に設けられた固定板
(2112)、水平方向に沿って前記固定板(2112)の上端に設けられた取付ベース
(2113)、水平方向に沿って前記取付ベース(2113)の上端に設けられた回転軸
(2114)、前記回転軸(2114)の外壁に嵌設されてVフレーム(2115)を介
して前記屈曲搖動板(211)の底端に接続された取付リング(2116)、回転軸(2
114)を回転させるように駆動する正逆モータ(2117)を含む、ことを特徴とする
請求項1に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項3】
前記反応板(210)は複数あり、複数の反応板(210)は順次接続されて円弧状の構
造を形成し、各反応板(210)の外壁に複数の透過穴(213)が均一に設けられ、前
記透過穴(213)の断面は二等辺三角形構造である、ことを特徴とする請求項1に記載
の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項4】
前記フィラーバッグ(2101)内のフィラーは遷移金属を担持したセラミック粒子であ
り、前記酸化剤タンク(2110)内の酸化剤は液体過硫酸塩である、ことを特徴とする
請求項1に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項5】
前記電極取付筒(30)の上端に液体噴霧コンポーネント(34)が設けられ、前記液体
噴霧コンポーネント(34)は、底端が電極取付筒(30)内に挿入された挿入ロッド(
340)、前記挿入ロッド(340)の頂端に設けられ挿入ロッド(340)の外壁に沿
って上下に摺動する調整スリーブ(341)、周方向に沿って前記調整スリーブ(341
)の外壁に分布され一端が調整スリーブ(341)の外壁にヒンジで接続された噴霧板(
342)、調整スリーブ(341)と噴霧板(342)間に設けられた複数の第1電動伸
縮ロッド(343)を含み、各前記噴霧板(342)は接続管を介して混合チャンバー(
21)に接続され、接続部に第2吸上げポンプ(344)が設けられ、各噴霧板(342
)の底端に複数の噴霧口(3420)が均一に設けられる、ことを特徴とする請求項1に
記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項6】
前記噴霧板(342)は隣接する陽極板(31)と陰極板(32)の間に設けられ、電極
取付筒(30)の外壁に前記噴霧板(342)と1対1に対応する摺動式垂直溝(300
)が設けられ、前記調整スリーブ(341)の外壁に摺動式垂直溝(300)に沿って上
下に摺動する複数のT字形の係合柱(3410)が設けられ、前記電極取付筒(30)内
に挿入ロッド(340)の底端に接続された第2電動伸縮ロッド(301)が設けられる
、ことを特徴とする請求項5に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理
装置。
【請求項7】
各前記噴霧板(342)の底端に、垂直攪拌ローラ(3421)が設けられ、前記垂直攪
拌ローラ(3421)の頂部にマイクロモータ(3422)が接続される、ことを特徴と
する請求項5に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水処理の技術分野に属し、具体的には錯体状態重金属廃水から重金属を回収
する資源処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錯体重金属廃水の発生源は多く、産業廃水の排出は環境における錯体重金属汚染の主要発
生源である。大量の錯体重金属を含有する産業廃水には、主に金属精錬、プリント基板、
印刷・染色、製紙、電気メッキなどから廃水が含まれ、産業廃水中の遊離金属イオンが水
域に排出され、自然水域中のOH-、Cl-、SO4
2-、NH4
+、有機酸、アミノ酸、腐
植酸、フルボ酸などと結合して様々な錯体またはキレートを生成する。
既存の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する装置は以下の欠点を有する。廃水に意図
的に浄化および錯体破壊処理することができず、汚水処理量が大幅に増加し、作業効率が
低下する同時に、酸化錯体破壊の時、添加薬剤が堆積しやすく、錯体破壊効果が低下し、
電解還元の時、電解時間が長く、重金属の回収率が低い。
【発明の概要】
【0003】
上記の問題について、本発明は、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置
を提供する。
本発明の技術的解決策として、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置は
、廃水分離濃縮コンポーネント、酸化錯体破壊コンポーネント、電解回収コンポーネント
およびインテリジェント検出コンポーネントを含み、
前記廃水分離濃縮コンポーネントは、錯体状態重金属廃水を精密ろ過処理するための精密
ろ過処理装置、前記精密ろ過処理装置によって処理された濃縮水をナノ濾過処理するため
のナノ濾過処理装置、前記ナノ濾過処理装置によって処理された濃縮水を逆浸透浄化処理
するための逆浸透浄化装置、精密ろ過処理装置、ナノ濾過処理装置および逆浸透浄化装置
によって処理された淡水を浄化処理するための淡水収集処理装置を含み、
前記酸化錯体破壊コンポーネントは、淡水収集処理装置と連通する錯体破壊チャンバー、
前記錯体破壊チャンバーと連通する混合チャンバーを含み、前記混合チャンバー内に反応
板が設けられ、前記反応板の側壁に複数の取付口が均一に設けられ、各前記取付口内にフ
ィラーバッグが充填され、混合チャンバー内の前記反応板に対向する位置に屈曲搖動板が
設けられ、前記屈曲搖動板に第1吸上げポンプを介して酸化剤タンクが接続され、屈曲搖
動板上であって反応板に対向する側壁に複数の発射穴が設けられ、前記屈曲搖動板の底端
に屈曲搖動板の左右搖動を制御するための駆動ラックが設けられ、
前記電解回収コンポーネントは、垂直方向に沿って前記錯体破壊チャンバー内に設けられ
た電極取付筒、前記電極取付筒の外壁に設けられた複数の陽極板、隣接する2つの前記陽
極板間に設けられた複数の陰極板、各陽極板および陰極板に電気的に接続された直流電源
を含み、前記陰極板は、内層電極板、前記内層電極板の外壁を覆う内層電極板保護シェル
を含み、前記内層電極板保護シェルの外壁にグリッドパターンで分布された複数のバリア
ストリップが設けられ、グリッドパターン領域内に炭素系還元パッチが設けられ、前記イ
ンテリジェント検出コンポーネントは、精密ろ過処理装置、ナノ濾過処理装置、淡水収集
処理装置、第1吸上げポンプ、陽極板および陰極板に電気的に接続されたコントローラー
、淡水収集処理装置内の水質を検出するための水質検出装置を含む。
本発明の一側面によれば、前記駆動ラックは、混合チャンバーの内部底端に設けられた固
定板、水平方向に沿って前記固定板の上端に設けられた取付ベース、水平方向に沿って前
記取付ベースの上端に設けられた回転軸、前記回転軸の外壁に嵌設されてVフレームを介
して前記屈曲搖動板の底端に接続された取付リング、回転軸を回転させるように駆動する
正逆モータを含み、正逆モータが屈曲搖動板の左右搖動を駆動する時、酸化剤が各発射穴
から反応板に吹き付けられ、この時、酸化剤が反応板外壁のフィラーバッグに十分に接触
し反応して、強い酸化性の硫酸ラジカルを生成し、錯体状態の金属を衝撃して錯体を酸化
分解させ、その錯体状態を破壊し、錯体破壊の目的を達成する。
本発明の一側面によれば、前記反応板は複数あり、複数の反応板は順次接続されて円弧状
の構造を形成し、各反応板の外壁に複数の透過穴が均一に設けられ、前記透過穴の断面は
二等辺三角形構造であり、複数の反応板を接続して円弧状の構造を形成することで、錯体
破壊チャンバー内に入った酸化剤と反応板間の接触面積を増加させ、強い酸化性の硫酸ラ
ジカルの生成効率を高め、錯体破壊効果を向上させる。
本発明の一側面によれば、前記フィラーバッグ内のフィラーは遷移金属を担持したセラミ
ック粒子であり、前記酸化剤タンク内の酸化剤は液体過硫酸塩である。
本発明の一側面によれば、前記電極取付筒の上端に液体噴霧コンポーネントが設けられ、
前記液体噴霧コンポーネントは、底端が電極取付筒内に挿入された挿入ロッド、前記挿入
ロッドの頂端に設けられ挿入ロッドの外壁に沿って上下に摺動する調整スリーブ、周方向
に沿って前記調整スリーブの外壁に分布され一端が調整スリーブの外壁にヒンジで接続さ
れた噴霧板、調整スリーブと噴霧板間に設けられた複数の第1電動伸縮ロッドを含み、各
前記噴霧板は接続管を介して混合チャンバーに接続され、接続部に第2吸上げポンプが設
けられ、各噴霧板の底端に複数の噴霧口が均一に設けられ、噴霧板の設置により、混合チ
ャンバー内で反応された酸化剤液体が隣接する陽極板と陰極板間に噴霧され、局所の集中
を避け、電解反応速度を高める同時に、第1電動伸縮ロッドの延伸および圧縮によって、
各噴霧板の噴霧角度および噴霧範囲を調整し、各噴霧板の噴霧角度および範囲を調整する
ことで、反応後の含有量の異なる酸化剤液体を均一に噴霧し、電解反応の徹底性を高め、
重金属の回収率を向上させる。
本発明の一側面によれば、前記噴霧板は隣接するの陽極板と陰極板間に設けられ、電極取
付筒の外壁に前記噴霧板と1対1に対応する摺動式垂直溝が設けられ、前記調整スリーブ
の外壁に摺動式垂直溝に沿って上下に摺動する複数のT字形の係合柱が設けられ、前記電
極取付筒内に挿入ロッドの底端に接続された第2電動伸縮ロッドが設けられ、第2電動伸
縮ロッドによって挿入ロッドを電極取付筒内で上下に摺動させ、噴霧板も同期して摺動し
、上記のプロセスにより噴霧板から汚水に異なる深さで反応後の酸化剤液体を噴霧し、反
応後の酸化剤液体を汚水と十分に接触させ、汚水中の重金属の回収量を向上させる。
本発明の一側面によれば、各前記噴霧板の底端に垂直攪拌ローラが設けられ、前記垂直攪
拌ローラの頂部にマイクロモータが接続され、マイクロモータによって垂直攪拌ローラの
攪拌を駆動し、反応後の酸化剤液体と汚水の混合均一性を高め、さらに重金属の回収効果
を向上させる。
本発明は、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理方法をさらに開示し、上記
錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置を使用し、具体的には、
S1、錯体状態重金属を含有する廃水を精密ろ過処理装置内に注入して精密ろ過処理した
後、一次淡水と一次濃縮水を得、次に、得られた淡水をナノ濾過処理装置内に注入してナ
ノ濾過処理し、二次淡水と二次濃縮水に分離し、得られた二次淡水を逆浸透浄化装置内に
注入して精製処理して、三次淡水と三次濃縮水を得、最後に、上記の三次淡水を淡水収集
処理装置内に注入し、水質検出装置によって処理された水体の水質を検出および浄化し、
処理標準に達した時点、回収および利用し、上記一次濃縮水、二次濃縮水および三次濃縮
水を錯体破壊チャンバー内に注入するステップと、
S2、コントローラーによって第1吸上げポンプを起動し、酸化剤タンク内の酸化剤を屈
曲搖動板内に吸上げ、正逆モータによって回転軸を時計回りと反時計回りに交互に回転さ
せ、屈曲搖動板を反応板に沿って各角度で回転させ、各発射穴を介して酸化剤を反応板に
噴霧し、このとき、酸化剤が反応板の外壁のフィラーバッグと十分に接触し反応して、強
い酸化性の硫酸ラジカルを含有する液体を生成し、混合チャンバーに蓄積するステップと
、
S3、錯体破壊チャンバー内の廃水を処理する必要がある場合、第2吸上げポンプを介し
て混合チャンバー内の強い酸化性の硫酸ラジカルを含有する液体を各噴霧板内に吸上げ、
各噴霧口から廃水に均一に噴霧し、金属イオンを錯体状態から解離させる同時に、直流電
源から各陽極板と陰極板に通電し、内層電極板保護シェルの外壁に炭素系還元パッチが設
けられるため、錯体状態から解離された金属イオンを陰極板に還元し、陰極板に沈殿させ
、溶液中の金属イオンが完全に回収されると、水中の水素イオンが水素ガスに還元されて
析出し、同時に、陽極板上で酸化反応が起こり、微小気泡が発生するステップと、
S4、上記工程では、第1電動伸縮ロッドの延伸と圧縮によって各噴霧板の噴霧角度と噴
霧範囲を調整することもでき、第2電動伸縮ロッドによって挿入ロッドを電極取付筒内で
上下に摺動させ、噴霧板も同期して摺動することで、噴霧板の噴霧深さを調整し、マイク
ロモータによって垂直攪拌ローラの攪拌を駆動し、反応後の酸化剤液体と汚水の混合均一
性を向上させるステップと、を含む。
【0004】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
(1)本発明は、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置を提供し、錯体
状態重金属を含有する廃水を精密ろ過、ナノ濾過および逆浸透精製前処理することで、水
体を淡水と濃縮水に分け、次に、淡水を意図的に回収および利用し、省エネと排出削減の
効果があり、濃縮水中の重金属を錯体破壊および回収し、上記の前処理によって、重金属
回収時の汚水処理量を大幅に増加し、重金属の回収効率を向上させ、この装置は、錯体破
壊酸化によって重金属を回収する同時に、淡水浄化も同期して行われ、作業効率を大幅に
高め、プロセス全体は操作が簡単で、スラッジが発生せず、処理コストが低いという利点
があり、幅広い普及に適している。
(2)本発明は、複数の反応板を接続して円弧状の構造を形成し、各反応板に複数のフィ
ラーバッグを設けることで、フィラーを反応板に均一に分散させる同時に、反応板の対向
側での屈曲搖動板の搖動によって、酸化剤を噴霧し、錯体破壊チャンバー内に入った酸化
剤と反応板間の接触面積を増加し、酸化剤とフィラーを十分に反応させ、強い酸化性の硫
酸ラジカルの生成効率を向上させ、錯体破壊効果を高める。
(3)本発明は、電極取付筒によって複数の陽極板と複数の陰極板を交差して分布し、複
数の電解が同時に行われることに相当し、電解時間を短縮し、重金属の回収効率を大幅に
向上させる同時に、隣接して分布される陽極板と陰極板間に噴霧板を設けることで、混合
チャンバー内の反応後の酸化剤液体を隣接する陽極板と陰極板間に噴霧させ、局所の集中
を避け、電解反応速度を高める同時に、第1電動伸縮ロッドの延伸と圧縮により、各噴霧
板の噴霧角度と噴霧範囲を調整し、反応後の異なる含有量の酸化剤液体を均一に噴霧し、
電解反応の徹底性を確保し、第2電動伸縮ロッドによって挿入ロッドを電極取付筒内で上
下に摺動させ、噴霧板も同期して摺動し、噴霧板から汚水に異なる深さで反応後の酸化剤
液体を噴霧し、反応後の酸化剤液体と汚水を十分に接触させ、汚水中の重金属の回収量を
向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】本発明の屈曲搖動板と駆動ラックの接続構造の概略図である。
【
図5】本発明の電極取付筒に取り付けられた噴霧板の上面図である。
【
図6】本発明の電極取付筒に取り付けられた噴霧板の正面図である。
【
図7】本発明の液体噴霧コンポーネントと電極取付筒の接続概略図である。
【0006】
[符号の説明]
1 廃水分離濃縮コンポーネント
10 精密ろ過処理装置
11 ナノ濾過処理装置
12 逆浸透浄化装置
13 淡水収集処理装置
2 酸化錯体破壊コンポーネント
20 錯体破壊チャンバー
21 混合チャンバー
210 反応板
2100 取付口
2101 フィラーバッグ
211 屈曲搖動板
2110 発射穴
2111 駆動ラック
2112 固定板
2113 取付ベース
2114 回転軸
2115 Vフレーム
2116 取付リング
2117 正逆モータ
212 第1吸上げポンプ
2120 酸化剤タンク
213 透過穴
3 電解回収コンポーネント
30 電極取付筒
300 摺動式垂直溝
301 第2電動伸縮ロッド
31 陽極板
32 陰極板
320 内層電極板
321 内層電極板保護シェル
322 バリアストリップ
323 炭素系還元パッチ
33 直流電源
34 液体噴霧コンポーネント
340 挿入ロッド
341 調整スリーブ
3410 T字形の係合柱
342 噴霧板
3420 噴霧口
3421 垂直攪拌ローラ
3422 マイクロモータ
343 第1電動伸縮ロッド
344 第2吸上げポンプ
4 インテリジェント検出コンポーネント
40 コントローラー
41 水質検出装置
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の内容をさらに理解するために、以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1
図1、2に示すように、錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置は、廃水
分離濃縮コンポーネント1、酸化錯体破壊コンポーネント2、電解回収コンポーネント3
およびインテリジェント検出コンポーネント4を含み、
廃水分離濃縮コンポーネント1は、錯体状態重金属廃水を精密ろ過処理するための精密ろ
過処理装置10、精密ろ過処理装置10によって処理された濃縮水をナノ濾過処理するた
めのナノ濾過処理装置11、ナノ濾過処理装置11によって処理された濃縮水を逆浸透浄
化処理するための逆浸透浄化装置12、精密ろ過処理装置10、ナノ濾過処理装置11お
よび逆浸透浄化装置12によって処理された淡水を浄化処理するための淡水収集処理装置
13を含み、
酸化錯体破壊コンポーネント2は、淡水収集処理装置13と連通する錯体破壊チャンバー
20、錯体破壊チャンバー20と連通する混合チャンバー21を含み、混合チャンバー2
1内に反応板210が設けられ、反応板210の側壁に3つの取付口2100が均一に設
けられ、各取付口2100内にフィラーバッグ2101が充填され、混合チャンバー21
内の反応板210に対向する位置に屈曲搖動板211が設けられ、屈曲搖動板211に第
1吸上げポンプ212を介して酸化剤タンク2120が接続され、屈曲搖動板211上で
あって反応板210に対向する側壁に24個の発射穴2110が設けられ、屈曲搖動板2
11の底端に屈曲搖動板211の左右搖動を制御するための駆動ラック2111が設けら
れ、
図2、4に示すように、反応板210が3つあり、3つの反応板210が順次接続されて
円弧状の構造を形成し、各反応板210の外壁に14個の透過穴213が均一に設けられ
、透過穴213の断面が二等辺三角形構造であり、
図3に示すように、駆動ラック2111は、混合チャンバー21の内部底端に設けられた
固定板2112、水平方向に沿って固定板2112の上端に設けられた取付ベース211
3、水平方向に沿って取付ベース2113の上端に設けられた回転軸2114、回転軸2
114の外壁に嵌設されてVフレーム2115を介して屈曲搖動板211の底端に接続さ
れた取付リング2116、回転軸2114を回転させるように駆動する正逆モータ211
7を含み、
フィラーバッグ2101内のフィラーは、遷移金属Ni、Mn、Feを担持したセラミッ
ク粒子であり、酸化剤タンク2110内の酸化剤は液体過硫酸塩であり、
図1、5に示すように、電解回収コンポーネント3は、垂直方向に沿って錯体破壊チャン
バー20内に設けられた電極取付筒30、電極取付筒30の外壁に設けられた3つの陽極
板31、隣接する2つの陽極板31間に設けられた3つの陰極板32、各陽極板31およ
び陰極板32に電気的に接続された直流電源33を含み、陰極板32は、内層電極板32
0、内層電極板320の外壁を覆う内層電極板保護シェル321を含み、内層電極板保護
シェル321の外壁にグリッドパターンで分布された4つのバリアストリップ322が設
けられ、グリッドパターン領域内に炭素系還元パッチ323が設けられ、インテリジェン
ト検出コンポーネント4は、精密ろ過処理装置10、ナノ濾過処理装置11、淡水収集処
理装置13、第1吸上げポンプ212、陽極板31および陰極板32に電気的に接続され
たコントローラー40、淡水収集処理装置13内の水質を検出するための水質検出装置4
1を含む。
【0008】
実施例2
本実施例は以下のように実施例1と異なる。
図1、6、7に示すように、電極取付筒30の上端に液体噴霧コンポーネント34が設け
られ、液体噴霧コンポーネント34は、底端が電極取付筒30内に挿入された挿入ロッド
340、挿入ロッド340の頂端に設けられ挿入ロッド340の外壁に沿って上下に摺動
する調整スリーブ341、周方向に沿って調整スリーブ341の外壁に分布され一端が調
整スリーブ341の外壁にヒンジで接続された噴霧板342、調整スリーブ341と噴霧
板342間に設けられた6つの第1電動伸縮ロッド343を含み、各噴霧板342は接続
管を介して混合チャンバー21に接続され、接続部に第2吸上げポンプ344が設けられ
、各噴霧板342の底端に15個の噴霧口3420が均一に設けられ、
図5に示すように、噴霧板342は隣接するの陽極板31と陰極板32間に設けられ、電
極取付筒30の外壁に噴霧板342と1対1に対応する摺動式垂直溝300が設けられ、
調整スリーブ341の外壁に摺動式垂直溝300に沿って上下に摺動する6つのT字形の
係合柱3410が設けられ、電極取付筒30内に挿入ロッド340の底端に接続された第
2電動伸縮ロッド301が設けられ、
各噴霧板342の底端に、垂直攪拌ローラ3421が設けられ、垂直攪拌ローラ3421
の頂部にマイクロモータ3422が接続される。
実施例2の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置の使用方法は、具体的
に、
S1、錯体状態重金属を含有する廃水を精密ろ過処理装置10内に注入して精密ろ過処理
した後、一次淡水と一次濃縮水を得、次に、得られた淡水をナノ濾過処理装置11内に注
入してナノ濾過処理し、二次淡水と二次濃縮水に分離し、得られた二次淡水を逆浸透浄化
装置12内に注入して精製処理して、三次淡水と三次濃縮水を得、最後に、上記の三次淡
水を淡水収集処理装置13内に注入し、水質検出装置41によって処理された水体の水質
を検出および浄化し、処理標準に達した時点、回収および利用し、上記一次濃縮水、二次
濃縮水および三次濃縮水を錯体破壊チャンバー20内に注入するステップと、
S2、コントローラー40によって第1吸上げポンプ212を起動し、酸化剤タンク21
20内の酸化剤を屈曲搖動板211内に吸上げ、正逆モータ2117によって回転軸21
14を時計回りと反時計回りに交互に回転させ、屈曲搖動板211を反応板210に沿っ
て各角度で回転させ、各発射穴2110を介して酸化剤を反応板に噴霧し、このとき、酸
化剤が反応板210の外壁のフィラーバッグ2101と十分に接触し反応して、強い酸化
性の硫酸ラジカルを含有する液体を生成し、混合チャンバー21に蓄積するステップと、
S3、錯体破壊チャンバー20内の廃水を処理する必要がある場合、第2吸上げポンプ3
44を介して混合チャンバー21内の強い酸化性の硫酸ラジカルを含有する液体を各噴霧
板342内に吸上げ、各噴霧口3420から廃水に均一に噴霧し、金属イオンを錯体状態
から解離させる同時に、直流電源33から各陽極板31と陰極板32に通電し、内層電極
板保護シェル321の外壁に炭素系還元パッチ323が設けられるため、錯体状態から解
離された金属イオンを陰極板32に還元し、陰極板32に沈殿させ、溶液中の金属イオン
が完全に回収されると、水中の水素イオンが水素ガスに還元されて析出し、同時に、陽極
板31上で酸化反応が起こり、微小気泡が発生するステップと、
S4、上記工程では、第1電動伸縮ロッド343の延伸と圧縮によって各噴霧板342の
噴霧角度と噴霧範囲を調整することもでき、第2電動伸縮ロッド301によって挿入ロッ
ド340を電極取付筒30内で上下に摺動させ、噴霧板342も同期して摺動することで
、噴霧板342の噴霧深さを調整し、マイクロモータ3422によって垂直攪拌ローラ3
421の攪拌を駆動し、反応後の酸化剤液体と汚水の混合均一性を向上させるステップと
、を含む。
【0009】
試験例
従来技術の装置と実施例1~2の資源処理装置を使用して、それぞれ錯体状態重金属を含
有する廃水を資源処理して、該廃水から重金属を回収し、次に、重金属検出装置によって
処理前後の廃水中の各重金属元素の含有量を検出し、得られた検出結果を表1および表2
に示す。
表1:錯体状態重金属を含有する廃水の処理前の各重金属元素の含有量表
【0010】
【0011】
表2:従来技術の装置と実施例1~2の資源処理装置を使用して錯体状態重金属を含有す
る廃水を処理した後の廃水中の各重金属元素の含有量表
【0012】
【0013】
表1および表2から分かるように、従来技術の装置で処理された錯体状態重金属を含有す
る廃水では、処理後の廃水中のCr元素の残留量が0.5mg/Lであり、Sb元素の残
留量が2.3mg/Lであり、Cd元素の残留量が0.25mg/Lであり、Niの元素
の残留量が0.64mg/Lであり、廃水中の各重金属元素の残留量が実施例1と実施例
2の装置で処理された廃水中の重金属の残留量よりも顕著に高く、つまり、従来技術と比
較すると、本発明の実施例1と実施例2の資源処理装置による廃水中の各重金属元素の回
収率がより高いため、実施例1と実施例2の資源処理装置の性能がより高い。
実施例1の資源処理装置で処理された錯体状態重金属を含有する廃水では、処理後の廃水
中のCr元素の残留量が0.001mg/Lであり、Sb元素の残留量が0.015mg
/Lであり、Cd元素の残留量が0.05mg/Lであり、Niの元素の残留量が0.0
17mg/Lであり、実施例2の資源処理装置で処理された錯体状態重金属を含有する廃
水では、処理後の廃水中のCr元素の残留量が0mg/Lであり、Sb元素の残留量が0
.001mg/Lであり、Cd元素の残留量が0.02mg/Lであり、Niの元素の残
留量が0mg/Lであり、つまり、実施例1の資源処理装置よりも、実施例2の装置によ
る廃水中の各重金属元素の回収率がより高いため、実施例2は最良の実施例である。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置であって、
廃水分離濃縮コンポーネント(1)と、酸化錯体破壊コンポーネント(2)と、電解回収
コンポーネント(3)と、およびインテリジェント検出コンポーネント(4)と、を含み
、
前記廃水分離濃縮コンポーネント(1)は、錯体状態重金属廃水を精密ろ過処理するため
の精密ろ過処理装置(10)、前記精密ろ過処理装置(10)によって処理された濃縮水
をナノ濾過処理するためのナノ濾過処理装置(11)、前記ナノ濾過処理装置(11)に
よって処理された濃縮水を逆浸透浄化処理するための逆浸透浄化装置(12)、精密ろ過
処理装置(10)、ナノ濾過処理装置(11)および逆浸透浄化装置(12)によって処
理された淡水を浄化処理するための淡水収集処理装置(13)を含み、
前記酸化錯体破壊コンポーネント(2)は、淡水収集処理装置(13)と連通する錯体破
壊チャンバー(20)、前記錯体破壊チャンバー(20)と連通する混合チャンバー(2
1)を含み、前記混合チャンバー(21)内に反応板(210)が設けられ、前記反応板
(210)の側壁に複数の取付口(2100)が均一に設けられ、各前記取付口(210
0)内にフィラーバッグ(2101)が充填され、混合チャンバー(21)内の前記反応
板(210)に対向する位置に屈曲搖動板(211)が設けられ、前記屈曲搖動板(21
1)に第1吸上げポンプ(212)を介して酸化剤タンク(2120)が接続され、屈曲
搖動板(211)上であって反応板(210)に対向する側壁に複数の発射穴(2110
)が設けられ、前記屈曲搖動板(211)の底端に屈曲搖動板(211)の左右搖動を制
御するための駆動ラック(2111)が設けられ、
前記電解回収コンポーネント(3)は、垂直方向に沿って前記錯体破壊チャンバー(20
)内に設けられた電極取付筒(30)、前記電極取付筒(30)の外壁に設けられた複数
の陽極板(31)、隣接する2つの前記陽極板(31)間に設けられた複数の陰極板(3
2)、各陽極板(31)および陰極板(32)に電気的に接続された直流電源(33)を
含み、前記陰極板(32)は、内層電極板(320)、前記内層電極板(320)の外壁
を覆う内層電極板保護シェル(321)を含み、前記内層電極板保護シェル(321)の
外壁にグリッドパターンで分布された複数のバリアストリップ(322)が設けられ、グ
リッドパターン領域内に炭素系還元パッチ(323)が設けられ、前記インテリジェント
検出コンポーネント(4)は、精密ろ過処理装置(10)、ナノ濾過処理装置(11)、
淡水収集処理装置(13)、第1吸上げポンプ(212)、陽極板(31)および陰極板
(32)に電気的に接続されたコントローラー(40)、淡水収集処理装置(13)内の
水質を検出するための水質検出装置(41)を含み、
前記電極取付筒(30)の上端に液体噴霧コンポーネント(34)が設けられ、前記液体
噴霧コンポーネント(34)は、底端が電極取付筒(30)内に挿入された挿入ロッド(
340)、前記挿入ロッド(340)の頂端に設けられ挿入ロッド(340)の外壁に沿
って上下に摺動する調整スリーブ(341)、周方向に沿って前記調整スリーブ(341
)の外壁に分布され一端が調整スリーブ(341)の外壁にヒンジで接続された噴霧板(
342)、調整スリーブ(341)と噴霧板(342)間に設けられた複数の第1電動伸
縮ロッド(343)を含み、各前記噴霧板(342)は接続管を介して混合チャンバー(
21)に接続され、接続部に第2吸上げポンプ(344)が設けられ、各噴霧板(342
)の底端に複数の噴霧口(3420)が均一に設けられ、
前記噴霧板(342)は隣接する陽極板(31)と陰極板(32)の間に設けられ、電極
取付筒(30)の外壁に前記噴霧板(342)と1対1に対応する摺動式垂直溝(300
)が設けられ、前記調整スリーブ(341)の外壁に摺動式垂直溝(300)に沿って上
下に摺動する複数のT字形の係合柱(3410)が設けられ、前記電極取付筒(30)内
に挿入ロッド(340)の底端に接続された第2電動伸縮ロッド(301)が設けられ、
各前記噴霧板(342)の底端に、垂直攪拌ローラ(3421)が設けられ、前記垂直攪
拌ローラ(3421)の頂部にマイクロモータ(3422)が接続され、
前記資源処理装置は、
S1、錯体状態重金属を含有する廃水を精密ろ過処理装置10内に注入して精密ろ過処理
した後、一次淡水と一次濃縮水を得、次に、得られた淡水をナノ濾過処理装置11内に注
入してナノ濾過処理し、二次淡水と二次濃縮水に分離し、得られた二次淡水を逆浸透浄化
装置12内に注入して精製処理して、三次淡水と三次濃縮水を得、最後に、上記の三次淡
水を淡水収集処理装置13内に注入し、水質検出装置41によって処理された水体の水質
を検出および浄化し、処理標準に達した時点、回収および利用し、上記一次濃縮水、二次
濃縮水および三次濃縮水を錯体破壊チャンバー20内に注入するステップと、
S2、コントローラー40によって第1吸上げポンプ212を起動し、酸化剤タンク21
20内の酸化剤を屈曲搖動板211内に吸上げ、正逆モータ2117によって回転軸21
14を時計回りと反時計回りに交互に回転させ、屈曲搖動板211を反応板210に沿っ
て各角度で回転させ、各発射穴2110を介して酸化剤を反応板に噴霧し、このとき、酸
化剤が反応板210の外壁のフィラーバッグ2101と十分に接触し反応して、強い酸化
性の硫酸ラジカルを含有する液体を生成し、混合チャンバー21に蓄積するステップと、
S3、錯体破壊チャンバー20内の廃水を処理する必要がある場合、第2吸上げポンプ3
44を介して混合チャンバー21内の強い酸化性の硫酸ラジカルを含有する液体を各噴霧
板342内に吸上げ、各噴霧口3420から廃水に均一に噴霧し、金属イオンを錯体状態
から解離させる同時に、直流電源33から各陽極板31と陰極板32に通電し、内層電極
板保護シェル321の外壁に炭素系還元パッチ323が設けられるため、錯体状態から解
離された金属イオンを陰極板32に還元し、陰極板32に沈殿させ、溶液中の金属イオン
が完全に回収されると、水中の水素イオンが水素ガスに還元されて析出し、同時に、陽極
板31上で酸化反応が起こり、微小気泡が発生するステップと、
S4、上記工程では、第1電動伸縮ロッド343の延伸と圧縮によって各噴霧板342の
噴霧角度と噴霧範囲を調整することもでき、第2電動伸縮ロッド301によって挿入ロッ
ド340を電極取付筒30内で上下に摺動させ、噴霧板342も同期して摺動することで
、噴霧板342の噴霧深さを調整し、マイクロモータ3422によって垂直攪拌ローラ3
421の攪拌を駆動し、反応後の酸化剤液体と汚水の混合均一性を向上させるステップと
、
を含む方法により錯体状態重金属廃水から重金属を回収する、
ことを特徴とする錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項2】
前記駆動ラック(2111)は、混合チャンバー(21)の内部底端に設けられた固定板
(2112)、水平方向に沿って前記固定板(2112)の上端に設けられた取付ベース
(2113)、水平方向に沿って前記取付ベース(2113)の上端に設けられた回転軸
(2114)、前記回転軸(2114)の外壁に嵌設されてVフレーム(2115)を介
して前記屈曲搖動板(211)の底端に接続された取付リング(2116)、回転軸(2
114)を回転させるように駆動する正逆モータ(2117)を含む、ことを特徴とする
請求項1に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項3】
前記反応板(210)は複数あり、複数の反応板(210)は順次接続されて円弧状の構
造を形成し、各反応板(210)の外壁に複数の透過穴(213)が均一に設けられ、前
記透過穴(213)の断面は二等辺三角形構造である、ことを特徴とする請求項1に記載
の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。
【請求項4】
前記フィラーバッグ(2101)内のフィラーは遷移金属を担持したセラミック粒子であ
り、前記酸化剤タンク(2110)内の酸化剤は液体過硫酸塩である、ことを特徴とする
請求項1に記載の錯体状態重金属廃水から重金属を回収する資源処理装置。