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特開2024-131881半導体装置及び半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131881
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20240920BHJP
   H10B 80/00 20230101ALI20240920BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240920BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H10B80/00
H01L21/60 311S
H01L23/30 B
H01L21/56 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042392
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 恵一
【テーマコード(参考)】
4M109
5F044
5F061
【Fターム(参考)】
4M109AA02
4M109BA04
4M109CA05
4M109CA21
4M109EA02
4M109EB12
5F044LL01
5F044RR18
5F044RR19
5F061AA02
5F061BA04
5F061CA05
5F061CA21
5F061CB02
5F061CB12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性の高い半導体装置及び信頼性の高い半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、配線基板10と、配線基板10の第1面10A側に設けられた第1半導体素子20と、配線基板10の第1面10A側に設けられた第2半導体素子30と、配線基板10の第1面10A側と第1半導体素子20の配線基板10側を向く面a面a側との間、及び、第2半導体素子30の側面A1面A1に設けられた第1樹脂組成物40と、有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板の第1面側に設けられた第1半導体素子と、
前記配線基板の前記第1面側に設けられた第2半導体素子と、
前記配線基板の前記第1面側と前記第1半導体素子の前記配線基板側を向く面側との間、及び、前記第2半導体素子の側面に設けられた第1樹脂組成物と、有する半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体素子は、フリップチップである請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2半導体素子と前記配線基板は、ボンディングワイヤで接続される請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1半導体素子が接合され第2半導体素子が載置された配線基板に第1樹脂組成物の前駆体を塗布する工程と、
前記第1樹脂組成物の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して前記第1樹脂組成物の前駆体を硬化させる工程と、
前記第1樹脂組成物の前駆体が硬化した部材の前記第2半導体素子と前記配線基板間にボンディングワイヤを形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1半導体素子は、フリップチップである請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NANDフラッシュメモリチップを積層したパッケージにおいて、配線基板上のNANDフラッシュメモリチップは封止樹脂に封止されている。例えば、厚い封止樹脂を用いることで、パッケージの変形を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開2011/0175218
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、信頼性の高い半導体装置及び信頼性の高い半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、配線基板と、配線基板の第1面側に設けられた第1半導体素子と、配線基板の第1面側に設けられた第2半導体素子と、配線基板の前記第1面側と前記第1半導体素子の前記配線基板側を向く面側との間、及び、第2半導体素子の側面に設けられた第1樹脂組成物と、有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図2】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図3】実施形態に係る半導体装置の製造方法のフローチャート。
図4】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図5】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図6】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図7】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図8】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図9】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図10】実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程模式図。
図11】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図12】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図13】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図14】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図15】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図16】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図17】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図18】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図19】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
図20】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図21】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図22】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図23】実施形態に係る半導体装置の模式断面図。
図24】実施形態に係る半導体装置の模式上面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図中の重複する符号は一部省略している。
【0008】
本明細書では、いくつかの要素に複数の表現の例を付している。なおこれら表現の例はあくまで例示であり、上記要素が他の表現で表現されることを否定するものではない。また、複数の表現が付されていない要素についても、別の表現で表現されてもよい。
【0009】
また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係や各層の厚みの比率などは現実のものと異なることがある。また、図面相互間において互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることもある。また、図面において、一部の符号を省略している。
【0010】
実施形態において表している物性値は、大気圧(1気圧)下で室温(25℃)下の値である。
【0011】
本明細書において、工程には独立した工程だけではなく、他の工程や他の処理との組み合わせも含まれる。本明細書中の数値条件において、複数の数値範囲が記載されている場合、その数値範囲の上限値又は下限値は、他の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中の数値条件の上限値と下限値が記載されている場合、上限値と下限値を組み合わせた数値範囲の条件に置き換えることもできる。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態は、半導体装置と半導体装置の製造方法に関する。図1に半導体装置100の模式断面図を示す。図2に半導体装置100の模式上面図を示す。図2の模式上面図は、図1のZ方向の上方から半導体装置100を見た図である。図2の模式図は、第1絶縁層13や第2樹脂組成物50等を不可視化した半導体装置100の上面である。図1の実施形態の半導体装置100は、より具体的には、NANDフラッシュメモリチップ等を搭載した半導体パッケージである。なお、X方向、Y方向及びZ方向は、互いに交差し、互いに直交することが好ましい。
【0013】
図1の断面図は、半導体装置100の中央付近の断面図である。実際の半導体装置では、1断面に一方のボンディングワイヤのみしか存在しない場合がある。
【0014】
図2の模式上面図は、第2半導体素子30、第3半導体素子60、第1中間層31及び第2中間層61の面の方向を示している。図1の模式断面図は、例えば、図2のS-S’の二点長鎖線の位置の断面図である。
【0015】
半導体装置100は、記憶装置の一例である。半導体装置100は、配線基板10、第1半導体素子20、導電性接合剤21、第2半導体素子30、第1中間層31、第1ボンディングワイヤ33、第3半導体素子60、第2中間層61、第2ボンディングワイヤ63、第1樹脂組成物40、第2樹脂組成物50、及び、半田ボール70を有する。
【0016】
配線基板10は、第1半導体素子20等の支持基板である。配線基板10はより具体的には、多層のプリント基板(PCB)である。配線基板10の2つの主面を第1面10A及び第2面10Bとする。図中の先端が矢印の引出線は、部材の面に付した符号を示している。第1面には、第1半導体素子20及び第2半導体素子30等が設けられている。配線基板10の第1面とは反対側の第2面側に半導体装置100の外部と接続端子である半田ボール70などの半球状の電極が設けられている。
【0017】
配線基板10は、配線12が設けられた基板11を有する。配線12は、第1面10A側の第1半導体素子20、第2半導体素子30及び第3半導体素子60等と半田ボール70を電気的に接続する。第1面10A側には、レジストなどの第1絶縁層13が設けられている。第1絶縁層13の開口部には、第1パッド14、第2パッド15及び第3パッド16が設けられている。
【0018】
第1パッド14は、導電性接合剤21を介して第1半導体素子20と接続する。第1パッド14は、例えば、2以上設けられている。
【0019】
第2パッド15は、第1ボンディングワイヤ33を介して第2半導体素子30と接続する。第2パッド15は、例えば、配線基板10の配線12上に2以上設けられている。
【0020】
第3パッド16は、第2ボンディングワイヤ63を介して第3半導体素子60と接続する。第3パッド16は、例えば、配線基板10の配線12上に2以上設けられている。
【0021】
配線基板10の第1面10Aとは反対側の第2面10B側には、半田ボール70が設けられている。第2面10B側の基板11には、配線12が設けられている。配線基板10の第2面10B側の表面には、レジストなどの第2絶縁層17が設けられている。第2絶縁層17の開口部には、配線12及び半田ボール70と接続する複数の第4パッド18が設けられている。
【0022】
半田ボール70は、半導体装置100の外部と電気的に接続する外部接続端子である。半導体装置100がBGA(Ball Grid Array)パッケージである場合、半導体装置100に複数の半田ボール70が設けられている。半導体装置のパッケージ形態に応じて、外部接続端子には好適な部材が選択される。
【0023】
第1半導体素子20は、配線基板10に載置されている。第1半導体素子20は、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の両方と回路が異なる半導体素子である。第1半導体素子20は、、導電性接合剤21(例えば、半田又)を介して配線基板10と電気的に接続している。第1半導体素子20は、配線基板10を介して、第2半導体素子30及び第3半導体素子60と電気的に接続する。
【0024】
第1半導体素子20の配線基板10側を向く面は、a面a(下面)である。第1半導体素子20の配線基板10側を向く面とは反対側の面は、b面b(上面)である。第1半導体素子20の第2半導体素子30側を向く面は、c面c(第2半導体素子30と対向する側面)である。第1半導体素子20の第3半導体素子60側を向く面は、d面d(第3半導体素子60と対向する側面)である。第1半導体素子20の第2半導体素子30及び第3半導体素子60側を向かない側面(図1の手前方向)は、e面e(半導体素子と非対向な側面)である。第1半導体素子20の第2半導体素子30及び第3半導体素子60側を向かない側面(図1の手前方向とは反対方向(後方))は、f面f(半導体素子と非対向な側面)である。
【0025】
第1半導体素子20の各面の形状は、矩形又は略矩形である。第1半導体素子20の各面の形状は、長方形、正方形、略長方形又は略正方形である。
【0026】
半導体装置100が記憶装置である場合、第1半導体素子20は、例えばコントローラチップである。コントローラチップは、第2半導体素子30及び第3半導体素子60(例えば、半導体メモリチップ)の読み書き及び消去などを制御する半導体チップである。
【0027】
第1半導体素子20は、フリップチップである。第1半導体素子20に直接的に接続したボンディングワイヤは、半導体装置100に含まれないことが好ましい。第1半導体素子20は、配線基板10とフリップチップ接続している。
【0028】
第1半導体素子20のa面a及びb面bのアスペクト比は、1又は1に近いことが好ましい。第1半導体素子20の幅はW1である。第1半導体素子20の幅W1は、a面aの幅とb面bの幅の平均距離である。第1半導体素子20の奥行きはL1である。第1半導体素子20の奥行きL1は、a面aの奥行きとb面bの奥行きの平均距離である。W1≧L1である場合、W1/L1は、1以上2以下が好ましく、1以上1.5以下がより好ましい。W1<L1である場合は、L1/W1は、1より大きく2以下が好ましく、1より大きく1.5以下がより好ましい。第1半導体素子20の高さはH1である。
【0029】
導電性接合剤21は、第1半導体素子20の図示しないパッドを配線基板10の第1面10A側に設けられている第1パッド14と電気的に接続する。導電性接合剤21は、例えば、第1半導体素子20に設けられた複数の導電性バンプであり、第1半導体素子20の複数のパッドと配線基板10の第1パッド14の両方と接続している。導電性接合剤21は、第1半導体素子20と配線基板10の間に存在する。
【0030】
導電性接合剤21は、Cuバンプを含む。配線基板10と接合前の導電性接合剤21は、例えば、Suを主体とするハンダ、Au(Au合金を含む)バンプ、Ag(合金を含む)バンプ、又はCu(Cu合金を含む)バンプ(Cuピラー)を含む。Cuバンプの表面にNi、Ni/Pd、Ni/Pd/Auメッキが施されている。
【0031】
複数の導電性接合剤21の間には、ギャップが存在する。
【0032】
第2半導体素子30は、配線基板10に載置されている。第2半導体素子30と配線基板10の間には、第1中間層31が設けられている。
【0033】
第2半導体素子30は、第5パッド32を有する。第2半導体素子30は、第5パッド32と第2パッド15間を接続する第1ボンディングワイヤ33を介して配線基板10と電気的に接続する。図2に示すように、Y方向に複数の第5パッド32が並んでいることが好ましい。
【0034】
第2半導体素子30の第1半導体素子20側を向く面は、A1面A1(第1半導体素子20と対向する側面)である。第2半導体素子30の配線基板10側(第1中間層31側)を向く面は、B1面B1(下面)である。第2半導体素子30の第1半導体素子20側を向く面とは反対側の面は、C1面C1(第1半導体素子20及び第3半導体素子60と非対向な側面)である。第2半導体素子30の配線基板10側とは反対側を向く面は、D1面D1(上面)である。第1半導体素子20と第2半導体素子30が並ぶ方向に沿っている第2半導体素子30の側面(図1の手前方向)は、E1面E1(手前側の側面)である。第1半導体素子20と第2半導体素子30が並ぶ方向に沿っている第2半導体素子30の側面(図1の後方側の方向)は、F1面F1(後方側の側面)である。
【0035】
第1中間層31は、例えば、ダイアタッチフィルム(DAF)が硬化した接着層である。第1中間層31は、例えば、エポキシ樹脂を含む。
【0036】
第1中間層31の第2半導体素子30側を向く面は、第2半導体素子30の第1中間層31側(配線基板10側)の面と直接的に接している。第1中間層31の配線基板10側を向く面は、配線基板10の第1中間層31側を向く面と直接的に接している。第1中間層31の配線基板10側を向く面は、第1絶縁層13の第1中間層31側を向く面と直接的に接している。
【0037】
第1中間層31の第2半導体素子30側を向く面は、第2半導体素子30の第1中間層31側(配線基板10側)の面の全面と直接的に接していることが好ましい。第1中間層31の配線基板10側を向く面の全面は、配線基板10の第1中間層31側を向く面と直接的に接していることが好ましい。第1中間層31の配線基板10側を向く面の全面は、第1絶縁層13の第1中間層31側を向く面と直接的に接していることが好ましい。
【0038】
第1中間層31の第1半導体素子20側を向く面は、A2面A2(第1半導体素子20と対向する側面)である。第1中間層31の配線基板10側を向く面は、B2面B2(下面)である。第1中間層31の第1半導体素子20側を向く面とは反対側の面は、C2面C2(第1半導体素子20及び第3半導体素子60と非対向な側面)である。第1中間層31の第2半導体素子30側を向く面は、D2面D2(上面)である。第1半導体素子20と第2半導体素子30が並ぶ方向に沿っている第1中間層31の側面(図1の手前方向)は、E2面E2(手前側の側面)である。第1半導体素子20と第2半導体素子30が並ぶ方向に沿っている第1中間層31の側面(図1の後方側の方向)は、F2面F2(後方側の側面)である。
【0039】
第3半導体素子60は、配線基板10に載置されている。第3半導体素子60と配線基板10の間には、第1中間層31が設けられている。
【0040】
第3半導体素子60は、第6パッド62を有する。第2半導体素子60は、第6パッド62と第3パッド16間を接続する第2ボンディングワイヤ63を介して配線基板10と電気的に接続する。図2に示すように、Y方向に複数の第6パッド62が並んでいることが好ましい。
【0041】
第3半導体素子60の第1半導体素子20側を向く面は、A3面A3(第1半導体素子20と対向する側面)である。第3半導体素子60の配線基板10側(第2中間層61側)を向く面は、B3面B3(下面)である。第3半導体素子60の第1半導体素子20側を向く面とは反対側の面は、C3面C3(第1半導体素子20及び第2半導体素子30と非対向な側面)である。第3半導体素子60の配線基板10側とは反対側を向く面は、D3面D3(上面)である。第1半導体素子20と第3半導体素子60が並ぶ方向に沿っている第3半導体素子60の側面(図1の手前方向)は、E3面E3(手前側の側面)である。第1半導体素子20と第3半導体素子60が並ぶ方向に沿っている第3半導体素子60の側面(図1の後方側の方向)は、F3面F3(後方側の側面)である。
【0042】
第2中間層61は、例えば、ダイアタッチフィルム(DAF)が硬化した接着層である。第2中間層61は、例えば、エポキシ樹脂を含む。
【0043】
第2中間層61の第3半導体素子60側を向く面は、第3半導体素子60の第2中間層61側(配線基板10側)の面と直接的に接している。第2中間層61の配線基板10側を向く面は、配線基板10の第2中間層61側を向く面と直接的に接している。第2中間層61の配線基板10側を向く面は、第1絶縁層13の第2中間層61側を向く面と直接的に接している。
【0044】
第2中間層61の第3半導体素子60側を向く面は、第3半導体素60の第2中間層61側(配線基板10側)の面の全面と直接的に接していることが好ましい。第2中間層61の配線基板10側を向く面の全面は、配線基板10の第2中間層61側を向く面と直接的に接していることが好ましい。第2中間層61の配線基板10側を向く面の全面は、第1絶縁層13の第2中間層61側を向く面と直接的に接していることが好ましい。
【0045】
第2中間層61の第1半導体素子20側を向く面は、A4面A4(第1半導体素子20と対向する側面)である。第2中間層61の配線基板10側を向く面は、B4面B4(下面)である。第2中間層61の第1半導体素子20側を向く面とは反対側の面は、C4面C4(第1半導体素子20及び第2半導体素子30と非対向な側面)である。第2中間層61の第3半導体素子60側を向く面は、D4面D4(上面)である。第1半導体素子20と第3半導体素子60が並ぶ方向に沿っている第2中間層61の側面(図1の手前方向)は、E4面E4(手前側の側面)である。第1半導体素子20と第3半導体素子60が並ぶ方向に沿っている第2中間層61の側面(図1の後方側の方向)は、F4面F4(後方側の側面)である。
【0046】
第2半導体素子30と第3半導体素子60の間に第1半導体素子20が設けられている。第2半導体素子30及び第3半導体素子60は、例えば、半導体メモリチップである。半導体メモリチップは、データの読み書きをする半導体チップである。
【0047】
第2半導体素子30及び第3半導体素子60として不揮発性メモリチップ、揮発性メモリチップを用いることができる。不揮発性メモリチップとしては、NANDメモリチップ、相変化メモリチップ、抵抗変化メモリチップ、強誘電体メモリチップ、磁気メモリチップ等を用いることができる。揮発性メモリチップとしては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を用いることができる。第2半導体素子30及び第3半導体素子60は、不揮発性メモリチップが好ましい。第2半導体素子30及び第3半導体素子60は、NANDメモリチップがより好ましい。
【0048】
半導体装置100に含まれる半導体メモリチップは、個体差を除き同一回路を有する同一構造の半導体チップであることが好ましい。例えば、第2半導体素子30と第3半導体素子60は、個体差を除き同一回路を有する同一構造の半導体メモリチップである。
【0049】
第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20の下面側を封止する絶縁性の部材である。第1樹脂組成物40は、配線基板10と第1半導体素子20の間に設けられている。第1樹脂組成物40は、配線基板10の第1面10A側と直接的に接している。第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20の下面(a面a)側と直接的に接している。さらに、第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30の側面にも設けられている。第1樹脂組成物40が設けられている第2半導体素子30の側面は、例えば、A1面A1である。
【0050】
第1樹脂組成物40は、例えば、エポキシ樹脂とフィラーを含む。第1樹脂組成物40は、例えば、アンダーフィルが硬化した絶縁体である。
【0051】
第1樹脂組成物40は、半導体装置100の外表面に露出していないことが好ましい。
【0052】
配線基板10の第1面10A側と第1半導体素子20の配線基板10側を向く面(a面a)側との間に設けられている第1樹脂組成物40は、導電性接合剤21の間のギャップに存在している。
【0053】
第1樹脂組成物40は、c面c側の第1半導体素子20の側面及びd面d側の第1半導体素子20の側面に設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40は、c面c側の第1半導体素子20の側面の全面又は/及びd面d側の第1半導体素子20の側面の全面に設けられていてもよい。
【0054】
第1樹脂組成物40は、e面e側の第1半導体素子20の側面及びf面f側の第1半導体素子20の側面に設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40は、e面e側の第1半導体素子20の側面の全面又は/及びf面f側の第1半導体素子20の側面の全面に設けられていてもよい。
【0055】
第1樹脂組成物40は、b面b側の第1半導体素子20の面にも設けられていてもよい。第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20の側面に沿って設けられていて、さらにb面b側の第1半導体素子20の面にも設けられていてもよい。b面b側の第1半導体素子20の面の中央には第1樹脂組成物40が設けられていないことが好ましい。言い換えると、第1半導体素子20は、第1樹脂組成物40の単体で封止されていないことが好ましい。
【0056】
第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20と第2半導体素子30の間の配線基板10の第1面10A側にも設けられていることが好ましい。第1半導体素子20と第2半導体素子30の間に設けられている第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20と配線基板10の間に設けられている第1樹脂組成物40と直接的に接していることが好ましい。第1半導体素子20と第2半導体素子30の間に設けられている第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30の側面と直接的に接していることが好ましい。
【0057】
第1樹脂組成物40は、第1樹脂組成物40が設けられている第2半導体素子30の側面と同じ方向を向く第1中間層31の側面にも設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40が設けられている第1中間層31の側面は、例えば、A2面A2である。
【0058】
第1樹脂組成物40は、第1中間層31の下面(B2面B2)と接していないことが好ましい。第1樹脂組成物40が第1中間層31と配線基板10の間に存在する場合、第1中間層31と配線基板10との接着性が低下して固定強度が低下しやすい。第1樹脂組成物40が第1中間層31と配線基板10の間に存在する場合、第1樹脂組成物40の厚みによって第2半導体素子30が配線基板10の第1面10Aに対して斜めに設けられやすい。
【0059】
第1樹脂組成物40は、第1ボンディングワイヤ33と直接的に接していないことが好ましい。
【0060】
第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられていると、第1ボンディングワイヤ33を形成する際に、より具体的には、第1ボンディングワイヤ33を形成する際の超音波振動によって、第2半導体素子30が動くことを抑制することができる。半導体装置100の製造過程で、第2半導体素子30が動くと第1ボンディングワイヤ33の信頼性が低下する可能性があるが、第1樹脂組成物40によって第2半導体素子30が動くことを抑制し、第1ボンディングワイヤ33による接続の信頼性を高めることができる。
【0061】
第2半導体素子30のアスペクト比が高い場合において、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられている効果は顕著になる。第2半導体素子30のアスペクト比が高い場合、超音波振動の影響が大きくなる。例えば、超音波振動でB1面B1方向に1°[θ]の角度回転した場合、アスペクト比が3の第2半導体素子30は、アスペクト比が1の第2半導体素子30よりも移動距離が3倍になる。超音波振動によって、第2半導体素子30が上下方向に動く場合もアスペクト比が高いほど移動距離が大きくなる。
【0062】
第2半導体素子30の幅はW2である。第2半導体素子30の幅W2は、B1面B1の幅とD1面D1の幅の平均距離である。第2半導体素子30の奥行きはL2である。第2半導体素子30の奥行きL2は、B1面B1の奥行きとD1面D1の奥行きの平均距離である。本実施形態ではW2<L2である。第2半導体素子30のアスペクト比(L2/W2)は、1より大きく10以下が好ましい。第2半導体素子30のアスペクト比が大きい場合に、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられていることによる効果が顕著になる。
【0063】
第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられている高さ(配線基板10と第1中間層31の積層方向における第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に直接的に接している距離)は、H2の25%以上100%以下が好ましく、50%以上100%以下がより好ましい。配線基板10と第1中間層31の積層方向における第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に直接的に接している距離は、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に直接的に接している部分の平均距離である。
【0064】
第2半導体素子30の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられている高さは、H2の25%以上100%未満が好ましく、50%以上100%未満がより好ましい。第2半導体素子30の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の上面(D1面D1)に設けられていると、第1ボンディングワイヤ33と接続する第5パッド32にも第1樹脂組成物40が形成されやすい。第5パッド32にも第1樹脂組成物40が形成されていると、第1ボンディングワイヤ33を形成できない可能性や第1ボンディングワイヤ33の信頼性が低下することがある。そこで、第2半導体素子30の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面に設けられている高さは、H2の25%以上95%以下が好ましく、50%以上90%以下がより好ましい。
【0065】
第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30の角に設けられていて直接的に接していることが好ましい。第2半導体素子30の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第2半導体素子30の回転を効果的に抑制することができる。第2半導体素子30の2以上の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第2半導体素子30の回転をさらに効果的に抑制することができる。第2半導体素子30の角は、第2半導体素子30の側面と側面が接する部位である。
【0066】
実施形態において、角は、角をなす側面を含んでいる。つまり、角に設けられている第1樹脂組成物40は、角をなす2つの側面に設けられていて、その2つの側面と直接的に接している。
【0067】
第2半導体素子30の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは長いことが好ましい。アスペクト比が大きい場合、第2半導体素子30の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが長いことで第2半導体素子30の回転を効果的に抑制することができる、第2半導体素子30の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは、(W2+L2)の25%以上90%以下が好ましく、90%以上100%以下がより好ましい。
【0068】
第1樹脂組成物40は、D1面D1側の第2半導体素子30の面は設けられていないことが好ましい。言い換えると、第2半導体素子30は、第1樹脂組成物40の単体で封止されていないことが好ましい。
【0069】
第1中間層31の側面にも第1樹脂組成物40が設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40によって、超音波振動を加えて第1ボンディングワイヤ33を第2半導体素子30に接合する際の振動に対する第2半導体素子30の動きを抑制することができる。
【0070】
第1樹脂組成物40は、第1中間層31の角に設けられていて直接的に接していることが好ましい。第1中間層31の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第1中間層31の回転を効果的に抑制することができる。第1中間層31の2以上の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第1中間層31の回転をさらに効果的に抑制することができる。第1中間層31の角は、第1中間層31の側面と側面が接する部位である。
【0071】
第1中間層31の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは長いことが好ましい。アスペクト比が大きい場合、第1中間層31の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが長いことで第1中間層31の回転を効果的に抑制することができる、第2半導体素子30の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが好ましくは(W2+L2)の25%以上90%以下、より好ましくは90%以上100%以下を満たすことで、第1中間層31の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さも好ましい値になる。
【0072】
図1の断面図に示すように、第1樹脂組成物40は、c面cとA1面A1の間がくぼんでいることが好ましい。c面cとA1面A1の間で第1樹脂組成物40の高さが最も低い部分の高さをh1とする。第1樹脂組成物40の高さは、配線基板10の第1面10Aから配線基板10と第1中間層31の積層方向に向かう第1樹脂組成物40の距離である。c面c側の第1半導体素子20と第1樹脂組成物40の界面で最も高さが高い位置の高さをh2とする。第2半導体素子30のA1面A1と第1樹脂組成物40の界面で最も高さが高い位置の高さをh3とする。h1、h2及びh3は、h1<h2及びh1<h3を満たすことが好ましく、1.1xh1<h2及び1.1h1<h3を満たすことがより好ましく、1.2xh1<h2及び1.2h1<h3を満たすことがさらにより好ましい。
【0073】
第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60の側面に設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40が設けられている第3半導体素子60の側面は、例えば、A3面A3である。第1半導体素子20と第3半導体素子60の間に設けられている第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20と配線基板10の間に設けられている第1樹脂組成物40と直接的に接していることが好ましい。
【0074】
第1樹脂組成物40は、第1半導体素子20のd面d側と第3半導体素子60の間の配線基板10の第1面10A側にも設けられていることが好ましい。第1半導体素子20と第3半導体素子60の間に設けられている第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60の側面と直接的に接していることが好ましい。
【0075】
第1樹脂組成物40は、第1樹脂組成物40が設けられている第3半導体素子60の側面と同じ方向を向く第2中間層61の側面にも設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40が設けられている第2中間層61の側面は、例えば、A4面A4である。
【0076】
第1樹脂組成物40は、第2中間層61の下面(B4面B4)と接していないことが好ましい。第1樹脂組成物40が第2中間層61と配線基板10の間に存在する場合、第2中間層61と配線基板10との接着性が低下して固定強度が低下しやすい。第1樹脂組成物40が第2中間層61と配線基板10の間に存在する場合、第1樹脂組成物40の厚みによって第3半導体素子60が配線基板10の第1面10Aに対して斜めに設けられやすい。
【0077】
第1樹脂組成物40は、第2ボンディングワイヤ63と直接的に接していないことが好ましい。
【0078】
第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられていると、第2ボンディングワイヤ63を形成する際に、より具体的には、第2ボンディングワイヤ63を形成する際の超音波振動によって、第3半導体素子60が動くことを抑制することができる。半導体装置100の製造過程で、第3半導体素子60が動くと第2ボンディングワイヤ63の信頼性が低下する可能性があるが、第1樹脂組成物40によって第3半導体素子60が動くことを抑制し、第2ボンディングワイヤ63による接続の信頼性を高めることができる。
【0079】
第3半導体素子60のアスペクト比が高い場合において、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられている効果は顕著になる。第3半導体素子60のアスペクト比が高い場合、超音波振動の影響が大きくなる。例えば、超音波振動でB1面B1方向に1°[θ]の角度回転した場合、アスペクト比が3の第3半導体素子60は、アスペクト比が1の第3半導体素子60よりも移動距離が3倍になる。超音波振動によって、第3半導体素子60が上下方向に動く場合もアスペクト比が高いほど移動距離が大きくなる。
【0080】
第3半導体素子60の幅はW3である。第3半導体素子60の幅W3は、B3面B3の幅とD3面D3の幅の平均距離である。第3半導体素子60の奥行きはL3である。第3半導体素子60の奥行きL3は、B3面B3の奥行きとD3面D3の奥行きの平均距離である。本実施形態ではW3<L3である。第3半導体素子60のアスペクト比(L3/W3)は、1より大きく10以下が好ましい。第3半導体素子60のアスペクト比が大きい場合に、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられていることによる効果が顕著になる。第3半導体素子60の高さはH3である。
【0081】
第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられている高さ(配線基板10と第2中間層61の積層方向における第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に直接的に接している距離)は、H2の25%以上100%以下が好ましく、50%以上100%以下がより好ましい。配線基板10と第2中間層61の積層方向における第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に直接的に接している距離は、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に直接的に接している部分の平均距離である。
【0082】
第3半導体素子60の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられている高さは、H3の25%以上100%未満が好ましく、50%以上100%未満がより好ましい。第3半導体素子60の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の上面(D3面D3)に設けられていると、第2ボンディングワイヤ63と接続する第6パッド62にも第1樹脂組成物40が形成されやすい。第6パッド62にも第1樹脂組成物40が形成されていると、第2ボンディングワイヤ63を形成できない可能性や第2ボンディングワイヤ63の信頼性が低下することがある。そこで、第3半導体素子60の上にさらに別の半導体素子が設けられていない場合、第1樹脂組成物40が第3半導体素子60の側面に設けられている高さは、H3の25%以上95%以下が好ましく、50%以上90%以下がより好ましい。
【0083】
第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60の角に設けられていて直接的に接していることが好ましい。第3半導体素子60の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第3半導体素子60の回転を効果的に抑制することができる。第3半導体素子60の2以上の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第3半導体素子60の回転をさらに効果的に抑制することができる。第3半導体素子60の角は、第3半導体素子60の側面と側面が接する部位である。
【0084】
第3半導体素子60の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは長いことが好ましい。アスペクト比が大きい場合、第3半導体素子60の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが長いことで第3半導体素子60の回転を効果的に抑制することができる、第3半導体素子60の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは、(W3+L3)の25%以上90%以下が好ましく、90%以上100%以下がより好ましい。
【0085】
第1樹脂組成物40は、D3面D3側の第3半導体素子60の面は設けられていないことが好ましい。言い換えると、第3半導体素子60は、第1樹脂組成物40の単体で封止されていないことが好ましい。
【0086】
第2中間層61の側面にも第1樹脂組成物40が設けられていることが好ましい。第1樹脂組成物40によって、超音波振動を加えて第2ボンディングワイヤ63を第3半導体素子60に接合する際の振動に対する第3半導体素子60の動きを抑制することができる。
【0087】
第1樹脂組成物40は、第2中間層61の角に設けられていて直接的に接していることが好ましい。第2中間層61の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第2中間層61の回転を効果的に抑制することができる。第2中間層61の2以上の角に第1樹脂組成物40が直接的に接していると第2中間層61の回転をさらに効果的に抑制することができる。第2中間層61の角は、第2中間層61の側面と側面が接する部位である。
【0088】
第2中間層61の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さは長いことが好ましい。アスペクト比が大きい場合、第2中間層61の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが長いことで第2中間層61の回転を効果的に抑制することができる、第3半導体素子60の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さが好ましくは(W3+L3)の25%以上90%以下、より好ましくは90%以上100%以下を満たすことで、第2中間層61の側面に第1樹脂組成物40が設けられている長さも好ましい値になる。
【0089】
図1の断面図に示すように、第1樹脂組成物40は、d面dとA3面A3の間がくぼんでいることが好ましい。d面dとA3面A3の間で第1樹脂組成物40の高さが最も低い部分の高さをh4とする。第1樹脂組成物40の高さは、配線基板10の第1面10Aから配線基板10と第2中間層61の積層方向に向かう第1樹脂組成物40の距離である。d面d側の第1半導体素子20と第1樹脂組成物40の界面で最も高さが高い位置の高さをh5とする。第3半導体素子60のA1面A1と第1樹脂組成物40の界面で最も高さが高い位置の高さをh6とする。h4、h5及びh6は、h4<h5及びh4<h6を満たすことが好ましく、1.1xh4<h5及び1.1h4<h6を満たすことがより好ましく、1.2xh4<h5及び1.2h4<h6を満たすことがさらにより好ましい。
【0090】
第1パッド14は、第1樹脂組成物40と直接的に接していてもよい。
【0091】
第2パッド15、第3パッド16、第5パッド32及び第6パッド62は、第1樹脂組成物40と直接的に接していないことが好ましい。第2パッド15、第3パッド16、第5パッド32及び第6パッド62と第1樹脂組成物40が直接的に接していると、第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63が形成し難く、信頼性が低下する可能性がある。
【0092】
第2樹脂組成物50は、配線基板10の第1面10A側に設けられた絶縁体である。第2樹脂組成物50は、いわゆるモールド樹脂である。第2樹脂組成物50は、半導体装置100の外装材であることが好ましい。第2樹脂組成物50は、例えば、エポキシ樹脂とフィラーを含む。
【0093】
第2樹脂組成物50は、第1半導体素子20の上面(b面b)と直接的に接していることが好ましい。第2樹脂組成物50は、第2半導体素子30の上面(D1面D1)と直接的に接していることが好ましい。第2樹脂組成物50は、第3半導体素子60の上面(D3面D3)と直接的に接していることが好ましい。
【0094】
第1パッド14は、第2樹脂組成物50と直接的に接していない。
【0095】
第2パッド15、第3パッド16、第5パッド32及び第6パッド62は、第2樹脂組成物50と直接的に接していてもよい。
【0096】
第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63は、第2樹脂組成物50で封止されている。
【0097】
次に、図3の半導体装置100の製造方法のフローチャート、図4から図10の工程模式図を参照して、半導体装置100の製造方法について説明する。フローチャート及び工程模式図には、半導体装置100の製造方法の一部を示している。フローチャートには、第3半導体素子60について省略しているが、製造方法に関する第2半導体素子30の説明について、第3半導体素子60に適用可能である。
【0098】
半導体装置100の製造方法は、第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体を塗布する工程、第1樹脂組成物40の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体を硬化させる工程と、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程を有する。
【0099】
図3の半導体装置100の製造方法のフローチャートに示すように、半導体装置100の製造方法は、配線基板10に第1半導体素子20を載置する工程(S01)、配線基板10と第1半導体素子20を接合する工程(S02)、第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)、第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体を塗布する工程(S04)、第1樹脂組成物40の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体を硬化させる工程(S05)と、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)とを有する。
【0100】
配線基板10に第1半導体素子20を載置する工程(S01)に関して、図4及び図5の工程模式図を参照して説明する。図4の工程模式図は、配線基板10の工程模式図である。図4の配線基板10とコレット71や吸着ノズルで吸着させた第1半導体素子20載置して図5の工程模式図の部材を得る。配線基板10は、例えば、第1半導体素子20のエリアが開口したクランプで固定されている。図4を含めた工程模式図では、1つ分の半導体装置100の配線基板10が示されているが、横方向及び縦方向に同じパターンが複数形成されていて、最終的に個片化される。
【0101】
配線基板10と第1半導体素子20を接合する工程(S02)に関して、図6の工程模式図を参照して説明する。図5の工程模式図に示す部材の導電性接合剤21を加熱して導電性接合剤21と第1パッド14を接合させる。加熱は、第1半導体素子20を載置する際に行ってもよいし、載置後にリフロー炉で加熱してもよい。
【0102】
第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)に関して、図7の工程模式図を参照して説明する。図6の工程模式図に示す第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30及び第3半導体素子60を載置して図7の工程模式図に示す部材を得る。第1半導体素子20及び第3半導体素子60は、第1樹脂組成物40の前駆体を塗布する前に載置される。
【0103】
第2半導体素子30に第1中間層31(より具体的には、硬化前の第1中間層31)が設けられた部材を配線基板10に載置する。第1中間層31が接着層として働き、第2半導体素子30が配線基板10に固定される。第1中間層31の硬化は、この工程(S03)で行ってもよい。
【0104】
第3半導体素子60に第2中間層61(より具体的には、硬化前の第2中間層61)が設けられた部材を配線基板10に載置する。第2中間層61が接着層として働き、第3半導体素子60が配線基板10に固定される。第2中間層61の硬化は、この工程(S03)で行ってもよい。
【0105】
配線基板10と第1半導体素子20を接合する工程(S02)と第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)の間に、配線基板10の洗浄を行って、クランプを取り外し、第2半導体素子30及び第3半導体素子60のエリアが開口した第2クランプで固定することが好ましい。
【0106】
第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体41を塗布する工程(S04)に関して、図8の工程模式図を参照して説明する。図7の部材に第1樹脂組成物40の前駆体41であるアンダーフィルを塗布する。図8の工程模式図において、例えばキャピラリーを使用して、第1半導体素子20と第2半導体素子30の間及び第1半導体素子20と第3半導体素子60の間に第1樹脂組成物40の前駆体41を注入する。第1樹脂組成物40の前駆体は、毛細管現象で第1半導体素子20と配線基板10の間に入り込み、例えば、分子間力で第2半導体素子30及び第3半導体素子60の側面に付着する。
【0107】
キャピラリーで第1樹脂組成物40の前駆体41を注入する位置と量を調整することで、第1樹脂組成物40が設けられる第2半導体素子30及び第3半導体素子60の側面を変えることができる。
【0108】
第1半導体素子20の上面の中央に第1樹脂組成物40の前駆体41は塗布されず、硬化後において第1半導体素子20の上面の中央には第1樹脂組成物40が設けられないように塗布量を調整し、塗布位置を調整し、加圧及び加熱を行うことが好ましい。
【0109】
第2半導体素子30及び第3半導体素子60の上面に第1樹脂組成物40の前駆体41が付着せず、硬化後も第2半導体素子30及び第3半導体素子60の上面に第1樹脂組成物40が設けられないように塗布量を調整し、塗布位置を調整し、加圧及び加熱を行うことが好ましい。
【0110】
第2パッド15及び第3パッドに第1樹脂組成物40の前駆体41が付着せず、硬化後も第2パッド15及び第3パッドに第1樹脂組成物40が設けられないように塗布量を調整し、塗布位置を調整し、加圧及び加熱を行うことが好ましい。
【0111】
配線基板10と第1中間層31との間及び配線基板10と第2中間層61との間には第1樹脂組成物40の前駆体41が入り込まないため、硬化後に配線基板10と第1中間層31との間及び配線基板10と第2中間層61との間には第1樹脂組成物40が存在しないことが好ましい。
【0112】
第1樹脂組成物40の前駆体41を塗布する際に、第1半導体素子20と第2半導体素子30の間、及び、第1半導体素子20と第3半導体素子60の間には、第1樹脂組成物40が広がることを防ぐ部材、例えば、絶縁性の壁は設けられていない。第1半導体素子20と第2半導体素子30の間、及び、第1半導体素子20と第3半導体素子60の間は、平坦であることが好ましい。第1半導体素子20と第2半導体素子30の間、及び、第1半導体素子20と第3半導体素子60の間に例えば微細な凹凸が含まれていてもよい。第1半導体素子20と第2半導体素子30の間、及び、第1半導体素子20と第3半導体素子60の間に存在する凸部の高さ(第1中間層31が設けられている配線基板10の面を基準とした高さ又は第2中間層61が設けられている配線基板の面を基準とした高さ)は、第1中間層31の高さ未満であり、第2中間層61の高さ未満であることが好ましい。
【0113】
第1樹脂組成物40の前駆体の塗布前に、プラズマなどで図7の工程模式図の部材を洗浄することが好ましい。
【0114】
第1樹脂組成物40の前駆体41が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)に関して、図9の工程模式図を参照して説明する。図8の部材を加圧加熱雰囲気で処理して、第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化(キュア)させて、図9の部材が得られる。第1樹脂組成物40の前駆体41が硬化すると第1樹脂組成物40が得られる。この硬化は、不完全な硬化(プレキュア)でもよい。不完全な硬化を行う場合、後工程で再加熱してさらに硬化(ポストキュア)させることが好ましい。
【0115】
この工程(S05)の加圧加熱によって、第1中間層31及び第2中間層61を硬化させてもよい。
【0116】
第1樹脂組成物40の第1半導体素子20と第2半導体素子30間のくぼみ及び第1半導体素子20と第3半導体素子60の間のくぼみは、第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体41を塗布する工程(S04)又は/及び第1樹脂組成物40の前駆体41が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)で形成される。
【0117】
第2半導体素子30の上にさらに半導体素子を載置させる場合、第1樹脂組成物40の前駆体41が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)の前後に第2半導体素子30の上にさらに半導体素子を載置させることができる。第3半導体素子60の上にさらに半導体素子を載置させる場合、第1樹脂組成物40の前駆体41が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)の前後に第3半導体素子60の上にさらに半導体素子を載置させることができる。
【0118】
第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)の前に、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上にさらに半導体素子を載置させる場合、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上に載置された半導体素子の側面にも第1樹脂組成物40を設けることができる。従って、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上に載置された半導体素子もボンディングワイヤを形成する際の超音波振動に起因する動きが抑制されることが好ましい。
【0119】
第1樹脂組成物40の前駆体41を硬化させる工程(S05)の後に、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上にさらに半導体素子を載置させる場合、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上に半導体素子を載置する時に第2半導体素子30及び第3半導体素子60が動きにくく安定していることが好ましい。第1樹脂組成物40によって第2半導体素子30及び第3半導体素子60が安定しているため、第2半導体素子30及び第3半導体素子の上に載置された半導体素子も安定することが好ましい。この場合、第2半導体素子30及び第3半導体素子60上にさらに半導体素子を載置させた後に、第1樹脂組成物40の前駆体を塗布し、硬化させることで第2半導体素子30及び第3半導体素子60上に載置させた半導体素子の動きも抑制させる。
【0120】
第1樹脂組成物40の前駆体41が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)に関して、図10の工程模式図を参照して説明する。図9の部材の第1樹脂組成物40も第1樹脂組成物40の前駆体41も形成されていない第2パッド15と第1樹脂組成物40も第1樹脂組成物40の前駆体41も形成されていない第5パッド32の間に第1ボンディングワイヤ33を形成する。また、図9の部材の第1樹脂組成物40も第1樹脂組成物40の前駆体41も形成されていない第3パッド16と第1樹脂組成物40も第1樹脂組成物40の前駆体41も形成されていない第6パッド62の間に第2ボンディングワイヤ63を形成する。第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63の形成によって、図10の工程模式図の部材を得ることができる。
【0121】
第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63の形成時に、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の側面に第1樹脂組成物40が設けられているため、超音波振動でボンディングワイヤを形成する際に超音波振動によって、第2半導体素子30及び第3半導体素子60が動くことが抑制されている。第2半導体素子30及び第3半導体素子60のアスペクト比が大きい場合に、超音波振動による第2半導体素子30及び第3半導体素子60の動きが大きくなり易いが、第1樹脂組成物40によって超音波振動による第2半導体素子30及び第3半導体素子60の動きが抑制されている。従って、アスペクト比が高い第2半導体素子30及び第3半導体素子60を用いた場合にも信頼性の高いボンディングワイヤを形成することができる。
【0122】
第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63の形成時に、接続するパッドに第1樹脂組成物40も第1樹脂組成物40の前駆体41も形成されていないことで、ボンディングワイヤの信頼性が高いことが好ましい。
【0123】
図10の工程模式図の部材に第2樹脂組成物50を形成し、さらに第4パッド18に半田ボール70を形成するなどして、半導体装置100を製造することができる。
【0124】
実施形態の半導体装置は、動きの抑制効果以外にも下記の利点を備える。第1樹脂組成物40が配線基板10と第1中間層31との間及び配線基板10と第2中間層61との間に入り込まないため、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の平坦性が高くなることが好ましい。第2半導体素子30及び第3半導体素子60の高い平坦性は、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の上に載置する半導体素子の平坦性の向上に寄与することが好ましい。第2半導体素子30及び第3半導体素子60の高い平坦性は、第1ボンディングワイヤ33及び第2ボンディングワイヤ63の信頼性の向上に寄与することが好ましい。第2半導体素子30及び第3半導体素子60の高い平坦性は、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の上に載置する半導体素子に形成するボンディングワイヤの信頼性の向上にも寄与することが好ましい。第2半導体素子30及び第3半導体素子60の高い平坦性は、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の上に載置する半導体装置の平坦性の向上にも寄与する。これらのことから、第2半導体素子30及び第3半導体素子60の高い平坦性は、半導体装置100の信頼性の向上に寄与し、歩留まりの向上にも寄与する。
【0125】
(第2実施形態)
第2実施形態は、半導体装置とその製造方法に関する。第2実施形態の半導体装置200は、第1実施形態の半導体装置100の変形例である。第1実施形態から第2実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0126】
第2実施形態の半導体装置200の断面模式図を図11に示す。第2実施形態の半導体装置200は、第3パッド16、第3半導体素子60及び第2ボンディングワイヤ63が省略されていること以外は、第1実施形態の半導体装置100と同様である。
【0127】
第1実施形態の半導体装置100の製造方法は、第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)で、第3半導体素子60も載置していたが、第2実施形態の半導体装置200の製造方法では、第3半導体素子60を載置しない。また、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)において、第2ボンディングワイヤ63の形成も行なわない。また、第3半導体素子60が用いられない半導体装置200の配線基板10には、第3半導体素子60用のパターンとパッドが省略されてもよい。これらのこと以外は第1実施形態の半導体装置100の製造方法と第2実施形態の半導体装置200の製造方法は同様である。
【0128】
第1実施形態と第2実施形態は、同様の製造方法で半導体装置100及び半導体装置200を製造できる。半導体装置200の第1半導体素子20は、第2半導体素子30と第3半導体素子60に挟まれていない。第1半導体素子20のc面c側にのみ半導体メモリチップが備えられた構成である。第1半導体素子20の片側に半導体素子が載置されている構成の半導体装置200でも第1実施形態の半導体装置100と同様の効果が得られる。
【0129】
(第3実施形態)
第3実施形態は、半導体装置と半導体装置の製造方法に関する。第3実施形態の半導体装置300は、第1実施形態の半導体装置100から第2実施形態の半導体装置200の変形例である。第2実施形態の半導体装置200に第3実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第3実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0130】
図12に半導体装置300の模式断面図を示す。第3実施形態の半導体装置300は、第2半導体素子30の上に第4半導体素子80を有し、第3半導体素子60の上に第5半導体素子90を有する。
【0131】
第4半導体素子80及び第5半導体素子90は、例えば、半導体メモリチップである。第2半導体素子30、第3半導体素子60、第4半導体素子80及び第5半導体素子90は、個体差を除き同一回路を有する同一構造の半導体チップであることが好ましい。
【0132】
第4半導体素子80と第2半導体素子30の間に存在する第3中間層81で第2半導体素子30と第4半導体素子80が接着している。第4半導体素子80の第7パッド82は、第3ボンディングワイヤ83を介して第2半導体素子30の第5パッド32と接続している。第4半導体素子80は、第3ボンディングワイヤ83、第1ボンディングワイヤ33及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0133】
第5半導体素子90と第3半導体素子60の間に存在する第4中間層91で第5半導体素子90と第3半導体素子60が接着している。第5半導体素子90の第8パッド92は、第4ボンディングワイヤ93を介して第3半導体素子60の第6パッド62と接続している。第5半導体素子90は、第4ボンディングワイヤ93、第2ボンディングワイヤ63及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0134】
第4半導体素子80及び第5半導体素子90は、第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)、第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体を塗布する工程(S04)の間、又は、第1樹脂組成物40の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体を硬化させる工程(S05)と、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)の間に載置されることが好ましい。
【0135】
第3ボンディングワイヤ83及び第4ボンディングワイヤ93は、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)において形成されることが好ましい。
【0136】
第2半導体素子30の上に第4半導体素子80を有し、第3半導体素子60の上に第5半導体素子90を有する半導体装置300も第1実施形態の半導体装置100と同様の効果が得られる。
【0137】
(第4実施形態)
第4実施形態は、半導体装置と半導体装置の製造方法に関する。第4実施形態の半導体装置400は、第1実施形態の半導体装置100から第3実施形態の半導体装置300の変形例である。第1実施形態の半導体装置100から第3実施形態の半導体装置300に第4実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第4実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0138】
第4実施形態では複数の変形例を示す。第4実施形態は、第1樹脂組成物40と第2半導体素子30との関係及び第1樹脂組成物40と第3半導体素子60との関係について複数の例示を示す。
【0139】
図13に半導体装置400の模式断面図を示す。図14に半導体装置400の模式上面図を示す。第4実施形態の半導体装置400の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30、第1中間層31、第3半導体素子60及び第2中間層61の側面を囲む。
【0140】
第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1、C1面C1、E1面E1及びF1面F1と直接的に接している。第2半導体素子30の複数の側面と複数の角が第1樹脂組成物40と直接的に接していることで、超音波振動によって、第2半導体素子30が動くことが効果的に抑制されている。
【0141】
第1樹脂組成物40は、第1中間層31のA2面A2、C2面C2、E2面E2及びF2面F2と直接的に接している。第1中間層31の複数の側面と複数の角が第1樹脂組成物40と直接的に接していることで、超音波振動によって、第1中間層31及び第2半導体素子30が動くことが効果的に抑制されている。
【0142】
第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60のA3面A3、C3面C3、E3面E3及びF3面F3と直接的に接している。第3半導体素子60の複数の側面と複数の角が第1樹脂組成物40と直接的に接していることで、超音波振動によって、第3半導体素子60が動くことが効果的に抑制されている。
【0143】
第1樹脂組成物40は、第2中間層61のA4面A4、C4面C4、E4面E4及びF4面F4と直接的に接している。第2中間層61の複数の側面と複数の角が第1樹脂組成物40と直接的に接していることで、超音波振動によって、第2中間層61及び第3半導体素子60が動くことが効果的に抑制されている。
【0144】
第1樹脂組成物40の前駆体41の塗布量及び塗布位置を調整することで、第2半導体素子30及び第3半導体素子60を囲み、かつ、第2パッド15及び第3パッド16と直接的に接しない第1樹脂組成物40を形成することができる。また、第1中間層31及び第2中間層61の下面に第1樹脂組成物40が存在しないため、第2半導体素子30及び第3半導体素子60は高い平坦性を備えることができる。
【0145】
第4実施形態の変形例について図15から図19の上面模式図を示して説明する。いずれの形態において、超音波振動によって、第2半導体素子30及び第3半導体素子60が動くことが効果的に抑制されていて、第2半導体素子30及び第3半導体素子60は高い平坦性を備えることができる。
【0146】
図15の上面模式図に示す半導体装置401の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30の1つの側面(1面のみ)であるA1面A1と直接的に接し、第1中間層31の1つの側面(1面のみ)であるA2面A2と直接的に接し、第3半導体素子60の1つの側面(1面のみ)であるA3面A3と直接的に接し、かつ、第2中間層61の1つの側面(1面のみ)であるA4面A4と直接的に接している。
【0147】
図16の上面模式図に示す半導体装置402の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1、第2半導体素子30のE1面E1、第2半導体素子30のF1面F1、第2半導体素子30のA1面A1とE1面E1とがなす角、第2半導体素子30のA1面A1とF1面F1とがなす角、第2半導体素子30のC1面C1とE1面E1とがなす角、及び、第2半導体素子30のC1面C1とF1面F1とがなす角と直接的に接している。
【0148】
半導体装置402の第1樹脂組成物40は、第1中間層31のA2面A2、第1中間層31のE2面E2、第1中間層31のF2面F2、第1中間層31のA2面A2とE2面E2とがなす角、第1中間層31のA2面A2とF2面F2とがなす角、第1中間層31のC2面C2とE2面E2とがなす角、及び、第1中間層31のC2面C2とF2面F2とがなす角と直接的に接している。
【0149】
半導体装置402の第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60のA3面A3、第3半導体素子60のE3面E3、第3半導体素子60のF3面F3、第3半導体素子60のA3面A3とE3面E3とがなす角、第3半導体素子60のA3面A3とF3面F3とがなす角、第3半導体素子60のC3面C3とE3面E3とがなす角、及び、第3半導体素子60のC3面C3とF3面F3とがなす角と直接的に接している。
【0150】
半導体装置402の第1樹脂組成物40は、第2中間層61のA4面A4、第2中間層61のE4面E4、第2中間層61のF4面F4、第2中間層61のA4面A4とE4面E4とがなす角、第2中間層61のA4面A4とF4面F4とがなす角、第2中間層61のC4面C4とE4面E4とがなす角、及び、第2中間層61のC4面C4とF4面F4とがなす角と直接的に接している。
【0151】
図17の上面模式図に示す半導体装置403の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1、第2半導体素子30のA1面A1とE1面E1とがなす角、及び、第2半導体素子30のA1面A1とF1面F1とがなす角と直接的に接している。
【0152】
半導体装置403の第1樹脂組成物40は、第1中間層31のA2面A2、第1中間層31のA2面A2とE2面E2とがなす角、及び、第1中間層31のA2面A2とF2面F2とがなす角と直接的に接している。
【0153】
半導体装置403の第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60のA3面A3、第3半導体素子60のA3面A3とE3面E3とがなす角、及び、第3半導体素子60のA3面A3とF3面F3とがなす角と直接的に接している。
【0154】
半導体装置403の第1樹脂組成物40は、第2中間層61のA4面A4、第2中間層61のA4面A4とE4面E4とがなす角、及び、第2中間層61のA4面A4とF4面F4とがなす角と直接的に接している。
【0155】
図18の上面模式図に示す半導体装置404の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1、第2半導体素子30のC1面C1とE1面E1とがなす角、及び、第2半導体素子30のC1面C1とF1面F1とがなす角と直接的に接している。
【0156】
半導体装置404の第1樹脂組成物40は、第1中間層31のA2面A2、第1中間層31のC2面C2とE2面E2とがなす角、及び、第1中間層31のC2面C2とF2面F2とがなす角と直接的に接している。
【0157】
半導体装置404の第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60のA3面A3、第3半導体素子60のC3面C3とE3面E3とがなす角、及び、第3半導体素子60のC3面C3とF3面F3とがなす角と直接的に接している。
【0158】
半導体装置404の第1樹脂組成物40は、第2中間層61のA4面A4、第2中間層61のC4面C4とE4面E4とがなす角、及び、第2中間層61のC4面C4とF4面F4とがなす角と直接的に接している。
【0159】
図19の上面模式図に示す半導体装置405の第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1、第2半導体素子30のA1面A1とE1面E1とがなす角、及び、第2半導体素子30のC1面C1とF1面F1とがなす角と直接的に接している。
【0160】
半導体装置405の第1樹脂組成物40は、第1中間層31のA2面A2、第1中間層31のA2面A2とE2面E2とがなす角、及び、第1中間層31のC2面C2とF2面F2とがなす角と直接的に接している。
【0161】
半導体装置405の第1樹脂組成物40は、第3半導体素子60のA3面A3、第3半導体素子60のA3面A3とE3面E3とがなす角、及び、第3半導体素子60のC3面C3とF3面F3とがなす角と直接的に接している。
【0162】
半導体装置405の第1樹脂組成物40は、第2中間層61のA4面A4、第2中間層61のA4面A4とE4面E4とがなす角、及び、第2中間層61のC4面C4とF4面F4とがなす角と直接的に接している。
【0163】
(第5実施形態)
第5実施形態は、半導体装置と半導体装置の製造方法に関する。第5実施形態の半導体装置500は、第1実施形態の半導体装置100から第4実施形態の半導体装置400(400~405)の変形例である。より具体的には、第5実施形態の半導体装置500は、第3実施形態の半導体装置300の変形例である。第1実施形態の半導体装置100から第4実施形態の半導体装置400(400~405)に第5実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第5実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0164】
図20に半導体装置500の模式断面図を示す。第5実施形態の半導体装置500の第1樹脂組成物40は、第4半導体素子80、第3中間層81、第5半導体素子90及び第4中間層91の側面と直接的に接している。
【0165】
第4半導体素子80、第3中間層81、第5半導体素子90及び第4中間層91の側面にも第1樹脂組成物40が設けられていることで、超音波振動によって、第4半導体素子80、第3中間層81、第5半導体素子90及び第4中間層91の動きが効果的に抑制されている。
【0166】
第1樹脂組成物40の前駆体41の塗布量及び塗布位置を調整することで、第4半導体素子80、第3中間層81、第5半導体素子90及び第4中間層91の側面に第1樹脂組成物40が設けられた半導体装置500を製造することができる。また、第1中間層31及び第2中間層61の下面に第1樹脂組成物40が存在せず、かつ、第1樹脂組成物40が第3中間層81と第2半導体素子30に挟まれず、第1樹脂組成物40が第4中間層91と第3半導体素子60に挟まれないため、第2半導体素子30、第3半導体素子60、第4半導体素子80及び第5半導体素子90は高い平坦性を備えることができる。
【0167】
(第6実施形態)
第6実施形態は、半導体装置と半導体装置の製造方法に関する。第6実施形態の半導体装置600は、第1実施形態の半導体装置100から第5実施形態の半導体装置500の変形例である。より具体的には、第6実施形態の半導体装置600は、第3実施形態の半導体装置300の変形例である。第1実施形態の半導体装置100から第5実施形態の半導体装置500に第6実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第6実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0168】
図21に半導体装置600の模式断面図を示す。第6実施形態の半導体装置600は、第2半導体素子30の上に第4半導体素子80、第4半導体素子80の上に第6半導体素子84、第6半導体素子84の上に第7半導体素子88、第3半導体素子60の上に第5半導体素子90、第5半導体素子90の上に第8半導体素子94及び第8半導体素子94の上に第9半導体素子98を有する。
【0169】
第6半導体素子84、第7半導体素子88、第8半導体素子94及び第9半導体素子98は、例えば、半導体メモリチップである。第2半導体素子30、第3半導体素子60、第4半導体素子80、第5半導体素子90、第6半導体素子84、第7半導体素子88、第8半導体素子94及び第9半導体素子98は、個体差を除き同一回路を有する同一構造の半導体チップであることが好ましい。
【0170】
第6半導体素子84と第4半導体素子80の間に存在する第5中間層85で第4半導体素子80と第6半導体素子84が接着している。第6半導体素子84の第9パッド86は、第5ボンディングワイヤ87を介して第4半導体素子80の第7パッド82と接続している。第6半導体素子84は、第5ボンディングワイヤ87、第3ボンディングワイヤ83、第1ボンディングワイヤ33及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0171】
第7半導体素子88と第6半導体素子84の間に存在する第6中間層89で第6半導体素子84と第7半導体素子88が接着している。第7半導体素子88の第10パッド89Aは、第6ボンディングワイヤ89Bを介して第6半導体素子84の第9パッド86と接続している。第7半導体素子88は、第6ボンディングワイヤ89B、第5ボンディングワイヤ87、第3ボンディングワイヤ83、第1ボンディングワイヤ33及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0172】
第8半導体素子94と第5半導体素子90の間に存在する第7中間層95で第8半導体素子94と第5半導体素子90が接着している。第8半導体素子94の第11パッド96は、第7ボンディングワイヤ97を介して第5半導体素子90の第8パッド92と接続している。第8半導体素子94は、第7ボンディングワイヤ97、第4ボンディングワイヤ93、第2ボンディングワイヤ63及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0173】
第9半導体素子98と第8半導体素子94の間に存在する第8中間層99で第9半導体素子98と第8半導体素子94が接着している。第9半導体素子98の第12パッド99Aは、第8ボンディングワイヤ99Bを介して第8半導体素子94の第11パッド96と接続している。第9半導体素子98は、第8ボンディングワイヤ99B、第7ボンディングワイヤ97、第4ボンディングワイヤ93、第2ボンディングワイヤ63及び配線基板10を介して第1半導体素子20と電気的に接続している。
【0174】
第4半導体素子80、第5半導体素子90、第6半導体素子84、第7半導体素子88、第8半導体素子94及び第9半導体素子98は、第1半導体素子20が接合された配線基板10に第2半導体素子30を載置する工程(S03)、第1半導体素子20が接合され第2半導体素子30が載置された配線基板10に第1樹脂組成物40の前駆体を塗布する工程(S04)の間、又は/及び、第1樹脂組成物40の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して第1樹脂組成物40の前駆体を硬化させる工程(S05)と、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)の間に載置されることが好ましい。
【0175】
第3ボンディングワイヤ83、第4ボンディングワイヤ93、第5ボンディングワイヤ87、第6ボンディングワイヤ89B、第7ボンディングワイヤ97及び第8ボンディングワイヤ99Bは、第1樹脂組成物40の前駆体が硬化した部材の第2半導体素子30と配線基板10間に第1ボンディングワイヤ33を形成する工程(S06)において形成されることが好ましい。
【0176】
第1半導体素子20と配線基板10の積層方向において、半導体装置600の第1半導体素子20上に半導体素子(例えば、第6半導体素子84、第7半導体素子88、第8半導体素子94及び第9半導体素子98)が重なる。
【0177】
片側に4段ずつの半導体メモリチップが積層された半導体装置600も第1実施形態の半導体装置100と同様の効果が得られる。
【0178】
(第7実施形態)
第7実施形態は、半導体装置に関する。第7実施形態の半導体装置700は、第1実施形態の半導体装置100から第6実施形態の半導体装置600の変形例である。より具体的には、第7実施形態の半導体装置700は、第1実施形態の半導体装置100の変形例である。第1実施形態の半導体装置100から第6実施形態の半導体装置600に第7実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第7実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0179】
図22に半導体装置700の模式断面図を示す。第7実施形態の半導体装置700は、第1半導体素子20と配線基板10の積層方向において、第2半導体素子30下面(B1面B1)、第1中間層31の下面(B2面B2)、第3半導体素子60の下面(B3面B3)及び第2中間層61の下面(B4面B4)は、配線基板10の第2面10B側から第1半導体素子20の上面(b面b)よりも遠い。
【0180】
第2半導体素子30の下の配線基板10の、例えば、第1絶縁層13に凸部が存在し、凸部上に第2半導体素子30及び第3半導体素子60が支持されるように設けられている。第1絶縁層13の凸部は、例えば、厚いレジスト膜やポリイミドなどの絶縁膜である。凸部は、第1半導体素子20と配線基板10の積層方向において、第2半導体素子30下面(B1面B1)、第1中間層31の下面(B2面B2)、第3半導体素子60の下面(B3面B3)及び第2中間層61の下面(B4面B4)は、配線基板10の第2面10B側から第1半導体素子20の上面(b面b)よりも遠い半導体装置の一例であり、これを実現する構成は凸部に限定されない。
【0181】
第1半導体素子20と配線基板10の積層方向において、半導体装置600の第1半導体素子20上に第2半導体素子30及び第3半導体素子60が重なる。半導体装置700は、X方向のパッケージサイズを縮小することができ、超音波振動による第2半導体素子30及び第3半導体素子60の動きを抑制することができる。
【0182】
第1樹脂組成物40は、第1中間層31の下面(B2面B2)にも一部設けられている。配線基板10が第2半導体素子30を支持している部分において、第1樹脂組成物40は第1中間層31と配線基板10の間及び第2中間層61と配線基板10の間に存在しないため、第2半導体素子30及び第3半導体素子60は、高い平坦性を備えることができる。
【0183】
(第8実施形態)
第8実施形態は、半導体装置に関する。第8実施形態の半導体装置800は、第1実施形態の半導体装置100から第7実施形態の半導体装置700の変形例である。より具体的には、第7実施形態の半導体装置700は、第1実施形態の半導体装置100の変形例である。第1実施形態の半導体装置100から第7実施形態の半導体装置700に第8実施形態の構成を採用することができる。第1実施形態から第8実施形態において共通する内容については、その説明を省略する。
【0184】
図23に半導体装置800の模式断面図を示す。図24に半導体装置800の上面模式図を示す。第8実施形態の半導体装置800は、第1半導体素子20と直接的に接した第1樹脂組成物40と第2半導体素子30と直接的に接した第1樹脂組成物40が分断し、第1半導体素子20と直接的に接した第1樹脂組成物40と第3半導体素子60と直接的に接した第1樹脂組成物40が分断している。
【0185】
第1半導体素子20は第1樹脂組成物40に囲まれていて、第1半導体素子20を囲む第1樹脂組成物40と分離した第1樹脂組成物40が第2半導体素子30の側面及び第3半導体素子60の側面並びに第1中間層31の側面及び第2中間層61の側面に設けられている。第8実施形態においても、第1半導体素子20を囲む第1樹脂組成物40と分離した第1樹脂組成物40が存在し、分離した第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30の角及び第3半導体素子60の角と直接的に接している。
【0186】
第1半導体素子20を囲む第1樹脂組成物40とは分離している第1樹脂組成物40は、第2半導体素子30のA1面A1を含む側面及び第3半導体素子60のA3面A3を含む側面に設けられていることが好ましい。
【0187】
第1半導体素子20を囲む第1樹脂組成物40とは分離していて、第2半導体素子30の側面及び第3半導体素子60の側面に設けられている第1樹脂組成物40は、超音波振動による第2半導体素子30及び第3半導体素子60の動きを抑制することができる。
【0188】
第1半導体素子20を囲む第1樹脂組成物40と第2半導体素子30の側面及び第3半導体素子60の側面に設けられている第1樹脂組成物40が分離していても第2半導体素子30及び第3半導体素子60は高い平坦性を備えることができる。
【0189】
以下、実施形態の半導体装置の製造方法及び半導体装置の技術案を記載する。
技術案1
配線基板と、
前記配線基板の第1面側に設けられた第1半導体素子と、
前記配線基板の前記第1面側に設けられた第2半導体素子と、
前記配線基板の前記第1面側と前記第1半導体素子の前記配線基板側を向く面側との間、及び、前記第2半導体素子の側面に設けられた第1樹脂組成物と、有する半導体装置。
技術案2
前記第1半導体素子は、フリップチップである技術案1に記載の半導体装置。
技術案3
前記第2半導体素子と前記配線基板は、ボンディングワイヤで接続される技術案1又は2に記載の半導体装置。
技術案4
前記第2半導体素子のアスペクト比は、1以上10以下である技術案1ないし3のいずれか1案に記載の半導体装置。
技術案5
前記第1樹脂組成物は、前記第2半導体素子の角に設けられている技術案1ないし4のいずれか1案に記載の半導体装置。
技術案6
前記第2半導体素子は、半導体メモリチップであり、
前記第1半導体素子は、前記第2半導体素子を制御するコントローラチップである技術案1ないし5のいずれか1案に記載の半導体装置。
技術案7
前記第1樹脂組成物は、前記半導体装置の外表面に露出していない技術案1ないし6のいずれか1案に記載の半導体装置。
技術案8
前記第2半導体素子と前記配線基板の間には、中間層を有し、
前記中間層と配線基板の間には、前記第1樹脂組成物が存在しない技術案1ないし7のいずれか1案に記載の半導体装置。
技術案9
前記中間層の側面に前記第1樹脂組成物が設けられている技術案1ないし8のいずれか1案に記載の半導体装置
技術案10
第1半導体素子が接合され第2半導体素子が載置された配線基板に第1樹脂組成物の前駆体を塗布する工程と、
前記第1樹脂組成物の前駆体が塗布された部材を加圧加熱処理して前記第1樹脂組成物の前駆体を硬化させる工程と、
前記第1樹脂組成物の前駆体が硬化した部材の前記第2半導体素子と前記配線基板間にボンディングワイヤを形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
技術案11
前記第1半導体素子は、フリップチップである技術案10に記載の半導体装置の製造方法。
技術案12
前記配線基板上に前記ボンディングワイヤと接続するパッドを有し、
前記パッドに前記第1樹脂組成物の前駆体41が付着しない技術案10又は11に記載の半導体装置の製造方法。
技術案13
前記配線基板上に前記ボンディングワイヤと接続するパッドを有し、
前記パッドに前記硬化した第1樹脂組成物が形成されない技術案10ないし12のいずれか1案記載の半導体装置の製造方法。
【0190】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発 明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0191】
10 :配線基板
10A :第1面
10B :第2面
11 :基板
12 :技術案
12 :配線
13 :第1絶縁層
14 :第1パッド
15 :第2パッド
16 :第3パッド
17 :第2絶縁層
18 :第4パッド
20 :第1半導体素子
21 :導電性接合剤
30 :第2半導体素子
31 :第1中間層
32 :第5パッド
33 :第1ボンディングワイヤ
40 :第1樹脂組成物
41 :前駆体
50 :第2樹脂組成物
60 :第5半導体素子
60 :第3半導体素子
61 :第2中間層
62 :第6パッド
63 :第2ボンディングワイヤ
70 :半田ボール
71 :コレット
80 :第4半導体素子
81 :第3中間層
82 :第7パッド
83 :第3ボンディングワイヤ
84 :第6半導体素子
85 :第5中間層
86 :第9パッド
87 :第5ボンディングワイヤ
88 :第7半導体素子
89 :第6中間層
89A :第10パッド
89B :第6ボンディングワイヤ
90 :第5半導体素子
91 :第4中間層
92 :第8パッド
93 :第4ボンディングワイヤ
94 :第8半導体素子
95 :第7中間層
96 :第11パッド
97 :第7ボンディングワイヤ
98 :第9半導体素子
99 :第8中間層
99A :第12パッド
99B :第8ボンディングワイヤ
100 :半導体装置
200 :半導体装置
300 :半導体装置
400 :半導体装置
401 :半導体装置
402 :半導体装置
403 :半導体装置
404 :半導体装置
405 :半導体装置
500 :半導体装置
600 :半導体装置
630 :第3半導体素
700 :半導体装置
800 :半導体装置
A1 :A1面
A2 :A2面
A3 :A3面
A4 :A4面
B1 :B1面
B2 :B2面
B3 :B3面
B4 :B4面
C1 :C1面
C2 :C2面
C3 :C3面
C4 :C4面
D1 :D1面
D2 :D2面
D3 :D3面
D4 :D4面
E1 :E1面
E2 :E2面
E3 :E3面
E4 :E4面
F1 :F1面
F2 :F2面
F3 :F3面
F4 :F4面
a :a面
b :b面
c :c面
d :d面
e :e面
f :f面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24