(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131896
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】基板搬送用ロボットシステム、および、基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240920BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042419
(22)【出願日】2023-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】芝田 武士
(72)【発明者】
【氏名】橋崎 知
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707BS15
3C707DS01
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5F131CA32
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5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間を短縮することが可能な基板搬送用ロボットシステム、および、基板搬送方法を提供する。
【解決手段】この基板搬送用ロボットシステム100は、上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材21と、ターゲット部材21を検出する検出部14と、基板載置部と、基板搬送用ロボットとを備える。基板搬送用ロボットシステム100は、検出部14を移動させるとともに、水平面内において、ターゲット部材21の外周縁部の円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線である接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得し、ターゲット部材21の水平面内における位置に基づいて、基板載置部の水平面内における位置を取得する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材と、
前記ターゲット部材を検出する検出部と、
基板が載置される基板載置部と、
前記ターゲット部材とは別個に配置され、前記基板載置部に対する前記基板の搬送動作を行う基板搬送用ロボットと、
前記基板搬送用ロボットにより前記検出部を移動させるロボット制御部と、
前記基板載置部の位置を取得する基板載置位置算出部と、を備え、
前記基板載置位置算出部は、
前記検出部を移動させながら前記ターゲット部材を検出した検出結果に基づいて、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、
取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、基板搬送用ロボットシステム。
【請求項2】
前記基板載置位置算出部は、取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置と、前記ターゲット部材に対する前記基板載置部の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項3】
前記基板搬送用ロボットは、前記基板を保持するハンドを含み、
前記検出部は、前記ハンドに配置されており、
前記ロボット制御部は、前記ハンドを移動させることによって前記検出部を移動させる、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項4】
前記基板載置位置算出部は、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する4つの前記接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得する、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項5】
前記検出部は、検出光が遮られたか否かに基づいて、前記ターゲット部材を検出する透過型センサである、請求項4に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項6】
前記基板載置位置算出部は、前記検出光の照射方向に沿う直線を、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して接する前記接線として取得する、請求項5に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項7】
前記ロボット制御部は、前記ターゲット部材を検出するために互いに異なる第1の方向および第2の方向に沿って前記検出部を移動させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記第1の方向に沿って移動している前記検出部の前記検出光が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、前記検出光が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第1の前記接線および第2の前記接線を取得し、
前記第2の方向に沿って移動している前記検出部の前記検出光が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、前記検出光が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第3の前記接線および第4の前記接線を取得する、請求項5に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項8】
前記基板載置位置算出部は、
互いに平行な第1の前記接線および第2の前記接線を取得するとともに、前記第1の接線および前記第2の接線とは異なる方向に沿って互いに平行な第3の前記接線および第4の前記接線を取得し、
前記第1の接線および前記第2の接線から等距離の直線と、前記第3の接線および前記第4の接線から等距離の直線との交点を、前記ターゲット部材の水平面内における位置として取得する、請求項4に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項9】
前記基板載置位置算出部は、4つの前記接線のうちの異なる組み合わせの3つの前記接線に接する4種類の円を取得するとともに、取得された4種類の円の各々の中心位置の平均の位置を、前記ターゲット部材の水平面内における位置として取得する、請求項4に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項10】
前記ターゲット部材は、上下方向から見て円形状の前記外周縁部を含み、
前記基板載置位置算出部は、水平面内において、前記ターゲット部材の円形状の前記外周縁部に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの前記接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得する、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項11】
前記ターゲット部材は、前記基板載置部の水平面内における位置と上下方向における位置とを取得するために配置され、
前記ロボット制御部は、前記検出部を前記ターゲット部材に対して上下方向に移動させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記ターゲット部材に対して上下方向に移動している前記検出部により前記ターゲット部材が検出される状態と検出されない状態とが切り換わることに基づいて、前記ターゲット部材の上下方向における位置を取得するとともに、
取得された前記ターゲット部材の上下方向における位置と、前記ターゲット部材に対する前記基板載置部の上下方向における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の上下方向における位置を取得する、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項12】
前記ターゲット部材は、第1の前記ターゲット部材と、水平面内において前記第1のターゲット部材とは異なる位置に配置された第2の前記ターゲット部材と、を含み、
前記基板載置位置算出部は、前記第1のターゲット部材の水平面内における位置と、前記第2のターゲット部材の水平面内における位置と、前記第1のターゲット部材および前記第2のターゲット部材の各々に対する前記基板載置部の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、請求項1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項13】
前記ハンドは、二股状に分岐した第1先端部および第2先端部を含み、
前記検出部は、前記第1先端部と前記第2先端部との間の空間を通過する検出光が遮られたか否かに基づいて、前記ターゲット部材を検出する透過型センサであり、
前記ロボット制御部は、前記ハンドの位置を変えながら、前記ターゲット部材に対して前記ハンドを接近させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記検出部の前記検出光が遮られた前記ハンドの複数の位置に基づいて、前記ハンドに対する前記検出光の照射方向を取得するとともに、
前記検出部により前記ターゲット部材を検出する場合に、取得された前記検出光の照射方向に直交する方向に沿って前記検出部が移動するように前記ハンドを移動させる、請求項3に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【請求項14】
上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材を検出する検出部を移動させながら前記ターゲット部材を検出した検出結果を取得し、
前記検出部を移動させながら取得された前記検出結果に基づいて、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、
取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板が載置される基板載置部の水平面内における位置を取得する、基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、基板搬送用ロボットシステム、および、基板搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を搬送するロボットが知られている。たとえば、特許文献1には、基板を搬送するために、ハンドに配置されたマッピングセンサによって基板の位置を検出するロボットが開示されている。このロボットでは、マッピングセンサを用いてロボットの基準座標系におけるターゲットの座標位置が特定されることによって、ターゲットが配置された教示位置に対応するハンドの位置がロボットに対して教示される。ターゲットは、たとえば、基板が収納されるカセットなどにおいて予め定められた教示位置に配置されている。特許文献1に記載のロボットは、まず、ターゲットがマッピングセンサにより検出されるまで、ハンドをターゲットに対して接近させる。そして、このロボットは、ターゲットがマッピングセンサにより検出された状態で、ハンドを左右に揺動する。ハンドの左右の揺動により変化するマッピングセンサの検出信号に基づいて、ハンドの長手方向の中心軸とターゲットの位置とのズレ量であるオフセット量が算出される。そして、算出されたオフセット量に基づいて、ロボットは、ハンドの中心軸上にターゲットが配置されるように、ハンドの位置を左右にシフトする。特許文献1に記載のロボットでは、ターゲットの位置が特定されるまで、マッピングセンサが配置されたハンドの揺動、ハンドのオフセット量の算出、および、ハンドの位置のシフトが繰り返される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のロボットでは、ターゲットの水平面内における位置の特定を行うために、検出部としてのマッピングセンサが配置されたハンドの揺動、ハンドのオフセット量の算出、および、ハンドの位置のシフトを繰り返す必要があるので、水平面内におけるターゲットの位置の特定を行うために検出部を移動させる時間が比較的長くなると考えられる。そのため、ターゲットの位置の特定を行うことによって基板が載置される基板載置部の水平面内における位置が取得されるため、ターゲットの位置の特定を行うために検出部を移動させる時間が比較的長くなることに起因して、基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間が比較的長くなると考えられる。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間を短縮することが可能な基板搬送用ロボットシステム、および、基板搬送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この開示の第1の局面による基板搬送用ロボットシステムは、上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材と、ターゲット部材を検出する検出部と、基板が載置される基板載置部と、ターゲット部材とは別個に配置され、基板載置部に対する基板の搬送動作を行う基板搬送用ロボットと、基板搬送用ロボットにより検出部を移動させるロボット制御部と、基板載置部の位置を取得する基板載置位置算出部と、を備え、基板載置位置算出部は、検出部を移動させながらターゲット部材を検出した検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材の外周縁部の円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、取得されたターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板載置部の水平面内における位置を取得する。
【0007】
この開示の第1の局面による基板搬送用ロボットシステムでは、上記のように、基板載置位置算出部は、検出部を移動させながらターゲット部材を検出した検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材の外周縁部の円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得する。ここで、少なくとも3つの接線を取得することによって3つの接線に接する円形の位置を取得できる。そのため、少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得できるので、検出部が配置されたハンドの揺動、ハンドのオフセット量の算出、および、ハンドの位置のシフトを繰り返す場合に比べて、ターゲット部材の水平面内における位置を取得するための検出部の移動に要する時間を短縮できる。その結果、取得されたターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板載置部の水平面内における位置を取得することによって、基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間を短縮できる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、この開示の第2の局面による基板搬送方法は、上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材を検出する検出部を移動させながらターゲット部材を検出した検出結果を取得し、検出部を移動させながら取得された検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材の外周縁部の円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、取得されたターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板が載置される基板載置部の水平面内における位置を取得する。
【0009】
この開示の第2の局面による基板搬送方法では、上記のように、検出部を移動させながら取得された検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材の外周縁部の円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得することが行われる。ここで、少なくとも3つの接線を取得することによって3つの接線に接する円形の位置を取得できる。そのため、少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得できるので、検出部が配置されたハンドの揺動、ハンドのオフセット量の算出、および、ハンドの位置のシフトを繰り返す場合に比べて、ターゲット部材の水平面内における位置を取得するための検出部の移動に要する時間を短縮できる。その結果、取得されたターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板載置部の水平面内における位置を取得することによって、基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間を短縮することが可能な基板搬送方法を提供できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、上記のように、基板載置部の水平面内における位置を取得するための時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第1実施形態の基板搬送用ロボットシステムの全体構成を示した平面図である。
【
図2】第1実施形態の基板搬送用ロボットを示した斜視図である。
【
図3】ターゲット部材の水平面内における位置の取得を説明するための図である。
【
図4】第1の方向に沿ったハンドの移動を説明するための図である。
【
図5】第2の方向に沿ったハンドの移動を説明するための図である。
【
図6】水平面内における基板搬送用ロボットの座標系に対する基板載置部の座標系の傾きを説明するための図である。
【
図7】ターゲット部材の上下方向における位置の取得を説明するための図である。
【
図8】ターゲット部材に対するハンドの移動方向が検出光の照射方向に直交しない状態を示した図である。
【
図9】検出光の照射方向の傾きを説明するための図である。
【
図10】ターゲット部材に対するハンドの移動方向が検出光の照射方向に直交する状態を示した図である。
【
図11】第1実施形態の基板搬送用ロボットシステムにおける基板搬送方法を説明するためのフローチャート図である。
【
図12】第2実施形態による基板搬送用ロボットシステムの全体構成を示したブロック図である。
【
図13】4種類の円の取得を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
図1から
図10までを参照して、本開示の第1実施形態による基板搬送用ロボットシステム100の構成について説明する。
【0014】
(基板搬送用ロボットシステムの全体構成)
図1に示すように、基板搬送用ロボットシステム100は、基板搬送用ロボット10と、ターゲット部材21と、ターゲット部材22と、基板載置部30とを備える。なお、ターゲット部材21は、ターゲット部材、および、第1のターゲット部材の一例である。また、ターゲット部材22は、ターゲット部材、および、第2のターゲット部材の一例である。
【0015】
基板搬送用ロボット10は、基板Wが載置される基板載置部30に、基板Wを搬送するロボットである。基板搬送用ロボット10は、基板載置部30に基板Wを搬入することと、基板載置部30に載置された基板Wを搬出することとの両方を含む基板Wの搬送動作を行う。基板Wは、たとえば、円板状のシリコンウエハである。基板載置部30は、たとえば、FOUP(Front Opening Unify Pod)において基板Wが載置される位置である。なお、
図1において、座標系C1は、基板搬送用ロボット10の座標系を示しており、座標系C2は、基板載置部30の座標系を示している。
【0016】
ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々は、基板搬送用ロボット10とは別個に配置されており、基板搬送用ロボット10による基板載置部30の水平面内における位置と上下方向における位置とを取得するために配置されている部材である。すなわち、ターゲット部材21およびターゲット部材22は、基板搬送用ロボット10による基板Wの搬送動作において、基板載置部30の3次元的な位置に対応する制御量を取得するための部材である。ターゲット部材22は、水平面内において、ターゲット部材21とは異なる位置に配置されている。具体的には、ターゲット部材22は、基板載置部30の座標系C2のY方向から見て、基板載置部30に対してターゲット部材21の反対側に配置されている。ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々は、基板載置部30に対して、予め設定された所定の位置に配置されている。すなわち、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係は変化しない。
【0017】
ターゲット部材21は、上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部21bを含む。具体的には、ターゲット部材21は、上下方向から見て円形状の外周縁部21bを含む。ターゲット部材22も同様に、上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部22bを含む。すなわち、ターゲット部材22は、上下方向から見て円形状の外周縁部22bを含む。したがって、ターゲット部材21は、外周縁部21bの全周に渡って円弧状の部分を有する。ターゲット部材22も同様に、外周縁部22bの全周に渡って円弧状の部分を有する。また、ターゲット部材21およびターゲット部材22は、上下方向から見て、同様の形状を有している。すなわち、円形状の外周縁部21bの直径と、円形状の外周縁部22bの直径とは、互いに等しい大きさである。ターゲット部材21およびターゲット部材22は、水平面内において、ターゲット部材21の中心位置21aとターゲット部材22の中心位置22aとを結ぶ直線が基板載置部30の座標系C2のX方向と平行となるように、基板載置部30に対して相対的に位置が固定された状態で配置されている。なお、中心位置21aは、円形の外周縁部21bの円の中心の位置である。中心位置22aは、円形の外周縁部22bの円の中心の位置である。
【0018】
(基板搬送用ロボットの構成)
図2に示すように、基板搬送用ロボット10は、ロボットアーム11と、ハンド12と、制御部13と、を備える。制御部13は、ロボット制御部と基板載置位置算出部との一例である。
【0019】
ロボットアーム11は、複数の関節部を有する水平多関節型のロボットアームである。ロボットアーム11は、制御部13に制御されることによって、複数の関節部を動作させる。
【0020】
ハンド12は、ロボットアーム11の先端に取り付けられている。ハンド12は、基板Wを保持する。ハンド12は、二股状に分岐した第1先端部12aおよび第2先端部12bを含む。第1先端部12aおよび第2先端部12bは、水平面に沿って分岐している。ハンド12は、第1先端部12aおよび第2先端部12bに基板Wを載置するようにして、基板Wを保持する。
【0021】
制御部13は、ロボットアーム11の動作、および、ハンド12の動作などの基板搬送用ロボット10の各部の動作を制御する。制御部13は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)などの記憶装置とを含む。
【0022】
制御部13は、基板Wの搬送動作において、ロボットアーム11およびハンド12の動作を制御する。また、制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の位置を取得することによって、基板載置部30の位置を取得する。制御部13は、たとえば、ロボットコントローラである。制御部13は、ロボットアーム11の駆動を制御するサーボ制御部と、基板載置部30の位置の算出の制御を行う本体制御部とを含む。
【0023】
基板搬送用ロボット10は、検出部14を備えている。検出部14は、基板載置部30における基板Wの有無を検出するマッピングセンサである。また、検出部14は、ターゲット部材21およびターゲット部材22を検出する。検出部14は、ハンド12に配置されている。検出部14は、ハンド12の移動に伴って、ハンド12と一体的に移動する。すなわち、制御部13は、基板搬送用ロボット10によりハンド12を移動させることによって検出部14を移動させる。検出部14は、第1先端部12aと第2先端部12bとの間の空間を通過する検出光D1が遮られたか否かに基づいて、ターゲット部材21およびターゲット部材22を検出する透過型センサである。検出部14は、たとえば、透過型の光電センサである。検出部14は、第2先端部12bに配置され、検出光D1を出射する投光部と、第1先端部12aに配置され、検出光D1を検出する受光部とを含む。検出部14は、投光部として、たとえば、レーザーダイオードなどの投光素子を有する。検出部14は、受光部として、たとえば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの受光素子を有する。検出部14は、第2先端部12b側から第1先端部12a側へ向かう検出光D1が透過している状態であることと、遮られている状態であることとを示す検出結果を制御部13に対して出力する。なお、
図2では、検出光D1が、第2先端部12b側から第1先端部12a側へ向かう例を示したが、検出光D1が、第1先端部12a側から第2先端部12b側へ向かってもよい。
【0024】
(基板載置部の水平方向における位置の取得)
第1実施形態では、制御部13は、基板載置部30の水平面内における位置を取得するために、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置を取得する。なお、制御部13によるターゲット部材21の水平面内における位置の取得と、ターゲット部材22の水平面内における位置の取得との各々において、互いに同様の制御処理により同様の動作が行われるため、以下の説明では、ターゲット部材21の水平面内における位置の取得の動作のみを図面を用いて説明するとともに、ターゲット部材22の水平面内における位置の取得の動作については、説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、制御部13は、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得するために、ハンド12を移動させることによって検出部14を移動させる。制御部13は、検出部14を移動させながらターゲット部材21を検出した検出部14による検出結果に基づいて、ターゲット部材21の円形状の外周縁部21bに接する接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得する。制御部13は、検出部14によりターゲット部材21の外周縁部21bが検出された時点のハンド12の位置における検出光D1の照射方向に沿った直線を、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4として取得する。接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4は、水平面内において、ターゲット部材21の円形状の外周縁部21bに対して、互いに異なる接点において接する。なお、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4は、それぞれ、第1の接線、第2の接線、第3の接線、および、第4の接線の一例である。
【0026】
具体的には、
図4に示すように、制御部13は、ターゲット部材21に対して水平面内の第1の方向から接近させるようにハンド12を移動させることによって、検出部14を用いてターゲット部材21の外周縁部21bに対応する接線T1および接線T2を取得する。制御部13は、ターゲット部材21を検出するために、第1の方向に沿ってハンド12を移動させることによって検出部14を移動させるとともに、第1の方向に沿って移動している検出部14の検出光D1が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、検出光D1が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、接線T1および接線T2を取得する。
【0027】
詳細には、制御部13は、検出部14によりターゲット部材21の外周縁部21bが検出されるまでハンド12をターゲット部材21に対して水平面内の第1の方向から接近させるように、ロボットアーム11の動作を制御する。制御部13は、第1の方向に沿ってハンド12を移動させながら、検出部14により検出光D1が透過している状態から、検出光D1がターゲット部材21に遮られた状態に切り替わった時点において、検出光D1の照射方向に沿う直線を外周縁部21bに接する接線T1として取得する。そして、制御部13は、検出光D1が遮られた状態のまま、第1の方向に沿ってハンド12を移動させる。その後、制御部13は、ハンド12を第1の方向に沿って移動させながら、ターゲット部材21により検出光D1が遮られた状態から、検出光D1が透過している状態に切り替わった時点において、検出光D1の照射方向に沿う直線を外周縁部21bに接する接線T2として取得する。したがって、接線T1および接線T2は、互いに平行な直線となる。たとえば、ターゲット部材21に対してハンド12が接近する第1の方向は、基板搬送用ロボット10の座標系C1のY方向に対して平行となっている。
【0028】
また、
図5に示すように、制御部13は、ターゲット部材21に対して第1の方向とは異なる水平面内の第2の方向から接近させるようにハンド12を移動させることによって、検出部14を用いてターゲット部材21の外周縁部21bに対応する接線T3および接線T4を取得する。制御部13は、ターゲット部材21を検出するために、第2の方向に沿ってハンド12を移動させることによって検出部14を移動させるとともに、第2の方向に沿って移動している検出部14の検出光D1が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、検出光D1が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、接線T3および接線T4を取得する。
【0029】
接線T1および接線T2の取得と同様に、制御部13は、第2の方向に沿ってハンド12を移動させながら、検出部14により検出光D1が透過している状態から、検出光D1がターゲット部材21に遮られた状態に切り替わった時点において、検出光D1の照射方向に沿う直線を外周縁部21bに接する接線T3として取得する。そして、制御部13は、ハンド12を第2の方向に沿って移動させながら、ターゲット部材21により検出光D1が遮られた状態から、検出光D1が透過している状態に切り替わった時点において、検出光D1の照射方向に沿う直線を外周縁部21bに接する接線T4として取得する。接線T3および接線T4は、接線T1および接線T2とは異なる方向に沿って互いに平行な直線となる。
【0030】
制御部13は、ターゲット部材21を検出する場合に、ターゲット部材21に対するハンド12の移動方向に対して、検出光D1の照射方向が直交した方向となるように、ハンド12を移動させる。すなわち、制御部13は、第1の方向および第2の方向の各々に対して、検出光D1の照射方向が直交した状態で、検出部14がターゲット部材21に対して移動するように、ハンド12を移動させる。また、制御部13は、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得するために、第1の方向と第2の方向との各々の方向に沿って、検出部14を直線的に移動させるように、ハンド12を直線的に移動させる。
【0031】
なお、制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22のおよその位置を予め取得している。制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内の位置を取得する場合に、予め取得されているターゲット部材21およびターゲット部材22の位置に基づいて、ハンド12の第1先端部12aと第2先端部12bとの間の空間にターゲット部材21およびターゲット部材22の各々が位置するように、第1方向および第2方向の各々に沿って、ハンド12を移動させる。制御部13は、検出部14からの検出結果に基づいて、予め取得されているターゲット部材21およびターゲット部材22の位置を補正するようにしてもよい。
【0032】
そして、
図3に示すように、制御部13は、接線T1および接線T2から等距離の直線L1と、接線T3および接線T4から等距離の直線L2とを取得する。そして、制御部13は、直線L1と直線L2との交点を、ターゲット部材21の水平面内における位置として取得する。具体的には、制御部13は、接線T1が取得された時点におけるハンド12の位置から、接線T2が取得された時点におけるハンド12の位置までの第1の方向に沿った移動における中間点において、検出光D1の照射方向に沿う直線L1を取得する。すなわち、制御部13は、上下方向から見て円形のターゲット部材21の中心位置21aを通り、接線T1および接線T2の両方に平行な直線L1を取得する。同様に、制御部13は、接線T3が取得された時点におけるハンド12の位置から、接線T4が取得された時点におけるハンド12の位置までの第2の方向に沿った移動における中間点において、検出光D1の照射方向に沿う直線L2を取得する。すなわち、制御部13は、上下方向から見て円形のターゲット部材21の中心位置21aを通り、接線T3および接線T4の両方に平行な直線L2を取得する。そして、制御部13は、直線L1および直線L2の交点である中心位置21aを、ターゲット部材21の水平面内における位置として取得する。なお、制御部13は、ターゲット部材21と同様に、水平面内におけるターゲット部材22の中心位置22aを取得することによって、中心位置22aを、ターゲット部材22の水平面内における位置として取得する。このように、制御部13は、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置を取得する。
【0033】
図6に示すように、制御部13は、ターゲット部材21の中心位置21aとターゲット部材22の中心位置22aとを取得することによって、基板載置部30の中心位置30aを取得する。制御部13は、取得された中心位置30aを、基板載置部30の水平面内における位置として取得する。具体的には、制御部13は、取得されたターゲット部材21の水平面内における位置である中心位置21aと、取得されたターゲット部材22の水平面内における位置である中心位置22aと、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得する。ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係は、予め取得されている。たとえば、制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係を、基板Wの搬送動作が行われる前に予め取得するとともに、記憶装置に記憶している。
【0034】
なお、
図6に示すように、水平面内における基板搬送用ロボット10の座標系C1に対する基板載置部30の座標系C2が傾いている場合がある。1つのターゲット部材21の水平面内における位置を取得することによって基板載置部30の水平面内における位置を取得する場合には、水平面内における基板搬送用ロボット10の座標系C1に対する基板載置部30の座標系C2の傾きαに起因して、基板載置部30の水平面内における位置の取得の精度が低下する。ここで、上記のように、第1実施形態による基板搬送用ロボットシステム100では、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の配置されている位置は、基板載置部30に対して予め設定された所定の位置であるとともに、水平面内において、ターゲット部材21の中心位置21aとターゲット部材22の中心位置22aとを結ぶ直線が基板載置部30の座標系C2のX方向と平行となる位置である。したがって、中心位置21aと中心位置22aとを取得することによって、座標系C1のX方向に対する座標系C2のX方向の傾きαが考慮された状態で基板載置部30の位置が取得される。制御部13は、ターゲット部材21の水平面内における位置に加えて、ターゲット部材22の水平面内における位置を取得することによって、傾きαが考慮された状態で基板載置部30の水平面内における位置を取得する。なお、水平面内における基板搬送用ロボット10の座標系C1に対する基板載置部30の座標系C2の傾きαが小さい場合には、1つのターゲット部材21の水平面内における位置に基づいて基板載置部30の水平面内における位置を取得するようにしてもよい。
【0035】
(基板載置部の上下方向における位置の取得)
図7に示すように、制御部13は、検出部14による検出結果に基づいて、基板載置部30の上下方向における位置を取得する。具体的には、ターゲット部材21およびターゲット部材22は、所定の高さを有する円柱状の部材である。制御部13は、ハンド12をターゲット部材21に対して上下方向に移動させることによって検出部14をターゲット部材21に対して上下方向に移動させる。制御部13は、ターゲット部材21に対して上下方向に移動している検出部14によりターゲット部材21が検出される状態と検出されない状態とが切り換わることに基づいて、ターゲット部材21の上下方向における位置を取得する。制御部13は、検出部14によりターゲット部材21の外周縁部21bが検出されている状態から、検出部14によりターゲット部材21が検出されない状態となるまで、ハンド12を上方に向かって移動させる。そして、検出部14によりターゲット部材21が検出されている状態と検出されていない状態とが切り換わるタイミングにおけるハンド12の上下方向における位置に基づいて、ターゲット部材21の上下方向における位置21cを取得する。すなわち、制御部13は、検出光D1がターゲット部材21により遮られている状態から、ハンド12を上方に移動させることによって検出光D1が透過している状態に切り替わった時点におけるハンド12の位置に基づいて、ターゲット部材21の上下方向における位置21cを取得する。ターゲット部材21の上下方向における位置21cは、ターゲット部材21の上下方向における上端面の位置を示す。
【0036】
そして、制御部13は、取得されたターゲット部材21の上下方向における位置21cと、ターゲット部材21に対する基板載置部30の上下方向における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の上下方向における位置を取得する。ターゲット部材21に対する基板載置部30の上下方向における相対的な位置関係は、予め取得されている。たとえば、制御部13は、ターゲット部材21の上下方向における位置21cと基板載置部30との間の上下方向における相対的な位置関係を、基板Wの搬送動作が行われる前に予め取得するとともに、記憶装置に記憶している。なお、制御部13は、ターゲット部材22の上下方向における位置も、ターゲット部材21と同様に取得するようにしてもよい。そして、制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の上下方向における位置に基づいて、基板載置部30の上下方向における位置を取得するようにしてもよい。
【0037】
(基板搬送用ロボットの座標系のキャリブレーション)
図8に示すように、ハンド12に対して検出部14が設計位置からずれるように取付けられている場合、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対してハンド12が接近する場合のハンド12の移動方向である検出部14の移動方向と、検出光D1の照射方向とが互いに直交しない場合がある。この場合、ターゲット部材21およびターゲット部材22に対する検出部14の移動方向と検出光D1の照射方向との相対的な角度関係にばらつきがあることに起因して、ターゲット部材21およびターゲット部材22の水平面内における位置の取得の精度が低下するため、基板載置部30の水平面内における位置の取得の精度が低下する。これに対して、第1実施形態の基板搬送用ロボットシステム100では、基板Wの搬送動作を行う前に、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置を取得する場合に、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対するハンド12の移動方向である検出部14の移動方向と、検出光D1の照射方向とが直交するように、基板搬送用ロボット10の座標系C1のキャリブレーションが行われる。
【0038】
図9に示すように、制御部13は、検出光D1が遮られるハンド12の位置を変えながら、ターゲット部材21に対してハンド12を接近させる。制御部13は、検出部14の検出光D1が遮られたハンド12の複数の位置に基づいて、ハンド12に対する検出光D1の照射方向を取得する。具体的には、制御部13は、ターゲット部材21に対してハンド12を接近させて、検出光D1が遮られるハンド12の第1の位置P1を取得する。そして、制御部13は、ハンド12をX方向に移動させるとともに、再度ターゲット部材21に対して接近させる。これにより、制御部13は、検出光D1が遮られるとともに第1の位置P1とは異なるハンド12の第2の位置P2を取得する。そして、制御部13は、基板搬送用ロボット10の座標系C1のX方向と、ハンド12の第1の位置P1と第2の位置P2とを結ぶ直線とのなす角を、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対するハンド12の移動方向と直交する方向に対する検出光D1の照射方向の傾きβとして取得する。なお、ハンド12に対する検出光D1の照射方向の傾きβを取得するために、検出光D1が遮られるハンド12の位置を3つ以上取得してもよい。
【0039】
そして、
図10に示すように、制御部13は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対するハンド12の移動方向である検出部14の移動方向と検出光D1の照射方向とが直交するように、基板搬送用ロボット10の座標系C1をキャリブレーションする。すなわち、制御部13は、取得された検出光D1の照射方向の傾きβに基づいて、検出部14によりターゲット部材21およびターゲット部材22を検出する場合に、取得された検出光D1の照射方向に直交する方向に沿って検出部14が移動するようにハンド12を移動させる。言い換えれば、制御部13は、検出部14によりターゲット部材21およびターゲット部材22を検出する場合に、キャリブレーションされた座標系C1に基づいて、検出光D1の照射方向に直交する方向に沿ってハンド12を移動させる。
【0040】
(基板搬送用ロボットシステムによる基板搬送方法)
図11を参照して、基板搬送用ロボットシステム100による基板搬送方法について説明する。なお、以下の基板搬送方法の制御処理は、制御部13により実行される。
【0041】
まず、ステップS1において、基板Wを保持するハンド12を移動させることによって検出部14を移動させながら、ハンド12に配置された検出部14により、ターゲット部材21を検出した検出結果が取得される。具体的には、第1の方向および第2の方向の各々に沿ってハンド12を移動させることによって、ターゲット部材21を検出した検出結果が取得される。
【0042】
次に、ステップS2において、ステップS1において取得された検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材21の外周縁部21bに対して互いに異なる接点において接する接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置が取得される。
【0043】
次に、ステップS3において、ステップS1と同様に、ハンド12を移動させながら、検出部14により、ターゲット部材22を検出した検出結果が取得される。
【0044】
次に、ステップS4において、ステップS2と同様に、ステップS3において取得された検出結果に基づいて、ターゲット部材22の水平面内における位置が取得される。
【0045】
次に、ステップS5において、取得された水平面内におけるターゲット部材21およびターゲット部材22の位置と、予め取得されている、基板Wが載置される基板載置部30のターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の水平面内における位置が取得される。
【0046】
次に、ステップS6において、ハンド12をターゲット部材21に対して上下方向に移動させながらターゲット部材21の上下方向における位置21cが取得されるとともに、取得されたターゲット部材21の上下方向における位置21cと、予め取得されている、ターゲット部材21に対する基板載置部30の上下方向における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の上下方向における位置が取得される。
【0047】
そして、ステップS7において、ステップS5において取得された基板載置部30の水平面内における位置と、ステップS6において取得された基板載置部30の上下方向における位置とに基づいて、基板載置部30に対する基板Wの搬送動作が実行される。
【0048】
なお、ステップS3によるターゲット部材22を検出した検出結果の取得の制御処理を、ステップS2によるターゲット部材21の水平面内における位置の取得の制御処理よりも前に実行してもよい。また、ステップS6による基板載置部30の上下方向における位置の取得の制御処理を、ステップS3によるターゲット部材22を検出した検出結果の取得の制御処理よりも前に実行してもよい。また、ターゲット部材21の水平面内における位置の取得のための第1の方向および第2の方向の各々に沿ったハンド12の移動を行った後に、ターゲット部材21の上下方向における位置の取得のための上下方向に沿ったハンド12の移動を行うようにしてもよい。また、第1の方向に沿ったハンド12の移動と、第2の方向に沿ったハンド12の移動との間に、上下方向に沿ったハンド12の移動を行うようにしてもよい。
【0049】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
第1実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13は、検出部14を移動させながらターゲット部材21を検出した検出結果に基づいて、水平面内において、ターゲット部材21の外周縁部21bの円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線としての接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得する。ここで、少なくとも3つの接線を取得することによって3つの接線に接する円形の位置を取得できる。そのため、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得できるので、検出部14が配置されたハンド12の揺動、ハンド12のオフセット量の算出、および、ハンド12の位置のシフトを繰り返す場合に比べて、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得するための検出部14の移動に要する時間を短縮できる。その結果、取得されたターゲット部材21の水平面内における位置に基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得することによって、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を短縮できる。
【0051】
また、第1実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13は、取得されたターゲット部材21の水平面内における位置と、ターゲット部材21に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得する。これにより、ターゲット部材21と基板載置部30との水平面内における相対的な位置関係を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置に基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を容易に取得できる。そのため、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を容易に短縮できる。
【0052】
また、第1実施形態では、基板搬送用ロボット10は、基板Wを保持するハンド12を含む。検出部14は、ハンド12に配置されている。ロボット制御部としての制御部13は、ハンド12を移動させることによって検出部14を移動させる。これにより、基板Wを保持するハンド12を移動させることによって検出部14を移動できるので、検出部14を移動する構成を、ハンド12を移動する構成とは別個に配置する場合に比べて、基板搬送用ロボットシステム100の構成の複雑化を抑制できる。そのため、検出部14を移動しながらターゲット部材21を検出するために、基板搬送用ロボットシステム100の構成が複雑化することを抑制できる。
【0053】
また、第1実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13は、水平面内において、ターゲット部材21の外周縁部21bの円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する4つの接線としての接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得する。これにより、3つの接線T1、接線T2、および、接線T3を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得する場合に比べて、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置をより精度よく取得することができる。また、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得するように検出部14を移動させる場合にも、検出部14が配置されたハンド12の揺動、ハンド12のオフセット量の算出、および、ハンド12の位置のシフトを繰り返す場合に比べて、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得するための検出部14の移動に要する時間を短縮できる。これらの結果、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を短縮しながら、基板載置部30の位置をより精度よく取得できる。
【0054】
また、第1実施形態では、検出部14は、検出光D1が遮られたか否かに基づいて、ターゲット部材21を検出する透過型センサである。これにより、検出光D1を用いる透過型センサである検出部14によって、非接触によりターゲット部材21を精度よく検出できる。そのため、ターゲット部材21の水平面内における位置を精度よく取得できるので、基板載置部30の水平面内における位置を精度よく取得できる。
【0055】
また、第1実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13は、検出光D1の照射方向に沿う直線を、ターゲット部材21の外周縁部21bの円弧状の部分に対して接する接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4として取得する。これにより、検出光D1の位置に基づいて、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を容易に取得できるので、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を容易に短縮できる。
【0056】
また、第1実施形態では、ロボット制御部としての制御部13は、ターゲット部材21を検出するために互いに異なる第1の方向および第2の方向に沿って検出部14を移動させる。基板載置位置算出部としての制御部13は、第1の方向に沿って移動している検出部14の検出光D1が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、検出光D1が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第1の接線としての接線T1および第2の接線としての接線T2を取得する。また、基板載置位置算出部としての制御部13は、第2の方向に沿って移動している検出部14の検出光D1が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、検出光D1が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第3の接線としての接線T3および第4の接線としての接線T4を取得する。これにより、第1の方向に沿った検出部14の移動と、第2の方向に沿った検出部14の移動との2つの方向に沿った検出部14の移動によって、ターゲット部材21の外周縁部21bに対する4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得できる。そのため、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得するために互いに異なる4つの方向に検出部14を移動させる場合に比べて、検出部14の移動量をより一層小さくできる。その結果、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得するための検出部14の移動に要する時間をより一層短縮できるので、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間をより一層短縮できる。
【0057】
また、第1実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13は、互いに平行な第1の接線としての接線T1および第2の接線としての接線T2を取得するとともに、接線T1および接線T2とは異なる方向に沿って互いに平行な第3の接線としての接線T3および第4の接線としての接線T4を取得する。また、基板載置位置算出部としての制御部13は、接線T1および接線T2から等距離の直線L1と、接線T3および接線T4から等距離の直線L2との交点を、ターゲット部材21の水平面内における位置として取得する。これにより、互いに平行な接線T1および接線T2から等距離の直線L1と、互いに平行な接線T3および接線T4から等距離の直線L2との交点を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を容易に取得できる。その結果、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を容易に短縮できる。
【0058】
また、第1実施形態では、ターゲット部材21は、上下方向から見て円形状の外周縁部21bを含む。基板載置位置算出部としての制御部13は、水平面内において、ターゲット部材21の円形状の外周縁部21bに対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線としての接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を取得する。これにより、ターゲット部材21の外周縁部21bが円形状であるため、ターゲット部材21の外周縁部21bの全周において、外周縁部21bに接する接線を取得できる。そのため、外周縁部21bの一部が円弧状である場合に比べて、複数の接線を容易に取得できるので、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を容易に短縮できる。
【0059】
また、第1実施形態では、ターゲット部材21は、基板載置部30の水平面内における位置と上下方向における位置とを取得するために配置されている。そして、ロボット制御部としての制御部13は、検出部14をターゲット部材21に対して上下方向に移動させる。基板載置位置算出部としての制御部13は、ターゲット部材21に対して上下方向に移動している検出部14によりターゲット部材21が検出される状態と検出されない状態とが切り換わることに基づいて、ターゲット部材21の上下方向における位置を取得する。また、基板載置位置算出部としての制御部13は、取得されたターゲット部材21の上下方向における位置と、ターゲット部材21に対する基板載置部30の上下方向における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の上下方向における位置を取得する。これにより、基板載置部30の水平面内における位置の取得に加えて、上下方向における位置も取得できる。この場合にも、検出部14が配置されたハンド12の揺動、ハンド12のオフセット量の算出、および、ハンド12の位置のシフトを繰り返す場合に比べて、基板載置部30の水平面内および上下方向における位置を取得するための時間を短縮できる。また、基板載置部30の水平面内における位置の取得と、基板載置部30の上下方向における位置の取得とが、共通のターゲット部材21を検出することによって行われるため、基板載置部30の水平面内における位置の取得に加えて、基板載置部30の上下方向における位置の取得を行う場合に、新たな部材を追加することなく、基板載置部30の上下方向における位置を取得できる。そのため、基板載置部30の上下方向における位置の取得のために構成が複雑化することを抑制できる。
【0060】
また、第1実施形態では、基板搬送用ロボットシステム100は、第1のターゲット部材としてのターゲット部材21と、水平面内においてターゲット部材21とは異なる位置に配置された第2のターゲット部材としてのターゲット部材22と、を含む。また、基板載置位置算出部としての制御部13は、ターゲット部材21の水平面内における位置と、ターゲット部材22の水平面内における位置と、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得する。これにより、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の位置を検出することによって、制御部13は、水平面内における基板搬送用ロボット10の座標系C1に対して基板載置部30の座標系C2が傾いている場合にも、基板載置部30の座標系C2の傾きαが考慮された状態で、基板載置部30の水平面内における位置を取得できる。そのため、水平面内における基板搬送用ロボット10の座標系C1に対して基板載置部30の座標系C2が傾いていることに起因して基板載置部30の水平面内における位置の取得の精度が低下することを抑制できる。なお、ターゲット部材21、および、ターゲット部材22の2つの部材の水平面内における位置を取得する場合には、検出部14が配置されたハンド12の揺動、ハンド12のオフセット量の算出、および、ハンド12の位置のシフトを繰り返す動作を2つの部材の位置の取得のために行う場合に比べて、検出部14の移動に要する時間をより効果的に短縮できる。そのため、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間をより効果的に短縮できる。
【0061】
また、第1実施形態では、ハンド12は、二股状に分岐した第1先端部12aおよび第2先端部12bを含む。検出部14は、第1先端部12aと第2先端部12bとの間の空間を通過する検出光D1が遮られたか否かに基づいて、ターゲット部材21を検出する透過型センサである。ロボット制御部としての制御部13は、ハンド12の位置を変えながら、ターゲット部材21に対してハンド12を接近させる。基板載置位置算出部としての制御部13は、検出部14の検出光D1が遮られたハンド12の複数の位置に基づいて、ハンド12に対する検出光D1の照射方向を取得する。また、基板載置位置算出部としての制御部13は、検出部14によりターゲット部材21を検出する場合に、取得された検出光D1の照射方向に直交する方向に沿って検出部14が移動するようにハンド12を移動させる。ここで、ターゲット部材21に対する検出部14の移動方向と検出光D1の照射方向との相対的な角度関係にばらつきがある場合には、基板載置部30の水平面内における位置の取得の精度が低下する。これに対して、第1実施形態では、ハンド12に対する検出光D1の照射方向が取得されることによって、検出部14によりターゲット部材21を検出する場合に、取得された検出光D1の照射方向に直交する方向に沿って検出部14が移動するようにハンド12が移動する。これにより、検出光D1の照射方向に直交する方向に沿って、ターゲット部材21に対してハンド12を接近させることができるので、ターゲット部材21に対する検出部14の移動方向と検出光D1の照射方向との相対的な角度関係にばらつきがあることに起因して、基板載置部30の水平面内における位置の取得の精度が低下することを抑制できる。
【0062】
[第2実施形態]
次に、
図12および
図13を参照して、第2実施形態による基板搬送用ロボットシステム200の構成について説明する。基板搬送用ロボットシステム200では、接線T1および接線T2から等距離の直線L1と、接線T3および接線T4から等距離の直線L2との交点を、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置として取得した上記第1実施形態とは異なり、4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4から4種類の円を取得することによって、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置が取得される。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
図12に示すように、基板搬送用ロボットシステム200は、基板搬送用ロボット210、ターゲット部材21、ターゲット部材22、および、基板載置部30を備える。基板搬送用ロボット210は、ロボットアーム11、ハンド12、制御部213、および、検出部14を備えている。ターゲット部材21、ターゲット部材22、および、基板載置部30の各々の構成は、第1実施形態と同様である。また、ロボットアーム11、ハンド12、検出部14の構成も、第1実施形態と同様である。なお、制御部213は、ロボット制御部と基板載置位置算出部との一例である。
【0064】
制御部213は、第1実施形態の制御部13と同様に、基板搬送用ロボット210の各部の動作を制御する。制御部213は、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置を取得することによって、基板載置部30の水平面内における位置を取得する。また、制御部213のハードウェア的な構成は、第1実施形態の制御部13と同様である。
【0065】
図13に示すように、第2実施形態では、制御部213は、4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4を取得することによって、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置を取得する。なお、制御部213によるターゲット部材21の水平面内における位置の取得と、ターゲット部材22の水平面内における位置の取得との各々において、互いに同様の制御処理により同様の動作が行われるため、以下の説明では、ターゲット部材21の水平面内における位置の取得の動作のみを図面を用いて説明するとともに、ターゲット部材22の水平面内における位置の取得の動作については、説明を省略する。
【0066】
制御部213は、第1実施形態の制御部13と同様に、第1の方向および第2の方向の各々にハンド12を移動させることによって、ターゲット部材21の外周縁部21bに接する4つの接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4を取得する。第2実施形態では、制御部213は、接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4のうちの異なる組み合わせの3つの接線に接する4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4を取得する。具体的には、制御部213は、4つの接線のうちの接線T1、接線T2、および、接線T3の3つの接線に接する円A1を取得する。制御部213は、4つの接線のうちの接線T1、接線T2、および、接線T4の3つの接線に接する円A2を取得する。制御部213は、4つの接線のうちの接線T1、接線T3、および、接線T4の3つの接線に接する円A3を取得する。制御部213は、4つの接線のうちの接線T2、接線T3、および、接線T4の3つの接線に接する円A4を取得する。
【0067】
そして、制御部213は、取得された4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4の各々の中心位置の平均の位置を、ターゲット部材21の中心位置21aとして取得する。すなわち、制御部213は、4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4の各々の中心位置の平均の位置を、ターゲット部材21の水平面内における位置として取得する。制御部213は、ターゲット部材22の水平面内における位置の取得においても同様に、異なる組み合わせの3つの接線に接する4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4を取得するとともに、取得された4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4の各々の中心位置の平均の位置を、ターゲット部材22の水平面内における位置として取得する。
【0068】
制御部213は、第1実施形態の制御部13と同様に、取得されたターゲット部材21およびターゲット部材22の各々の水平面内における位置に基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得する。そして、制御部213は、取得された基板載置部30の水平面内における位置に基づいて、基板Wの搬送動作の制御を行う。
【0069】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0070】
第2実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部213は、4つの接線としての接線T1、接線T2、接線T3、および、接線T4のうちの異なる組み合わせの3つの接線に接する4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4を取得するとともに、取得された4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4の各々の中心位置の平均の位置を、ターゲット部材21の水平面内における位置として取得する。これにより、異なる組み合わせの3つの接線に接する4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4の中心位置の平均の位置を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置を容易、かつ、精度よく取得できる。その結果、基板載置部30の水平面内における位置を取得するための時間を容易に短縮できるとともに、基板載置部30の水平面内における位置を精度よく取得できる。
【0071】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0072】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、第1の接線としての接線T1、第2の接線としての接線T2、第3の接線としての接線T3、および、第4の接線としての接線T4の4つの接線を取得することによって、ターゲット部材21の水平面内における位置と、ターゲット部材22の水平面内における位置とを取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ターゲット部材の外周縁部に対して、互いに異なる接点において接する3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得するようにしてもよい。その場合に、互いに異なる3つの方向に沿って検出部を移動させることによって、3つの接線を取得するようにしてもよい。また、第1の方向に沿って検出部を移動させることによって2つの接線を取得するとともに、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って検出部を移動させることによって1つの接線を取得して、3つの接線を取得するようにしてもよい。3つの接線を取得する場合には、3つの接線のうち少なくとも1つは、残りの2つの接線に対して交差している。また、5つ以上の接線を取得することによって、水平面内におけるターゲット部材の位置を取得するようにしてもよい。すなわち、少なくとも2方向に沿った検出部の移動によって、少なくとも3つの接線を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置が取得される。
【0073】
また、上記第1および第2実施形態では、第1の方向に沿って検出部14を移動させることによって、互いに平行な第1の接線としての接線T1および第2の接線としての接線T2を取得するとともに、第2の方向に沿って検出部14を移動させることによって、互いに平行な第3の接線としての接線T3および第4の接線としての接線T4を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、互いに平行ではない4つの接線を取得するようにしてもよい。その場合には、4つの方向に沿って検出部を移動させることによって、互いに異なる4つの接線を取得するようにしてもよい。
【0074】
また、上記第1および第2実施形態では、ターゲット部材21が、上下方向から見て円形状の外周縁部21bを有している例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ターゲット部材は、上下方向から見て、一部分だけが円弧状の外周縁部を有していてもよい。たとえば、ターゲット部材を、上下方向から見て、扇形または半円形状の外周縁部を有するようにしてもよい。その場合にも、外周縁部のうちの円弧状の部分における少なくとも3つの接線を取得することによって、取得された少なくとも3つの接線に基づいて円形を取得できるので、ターゲット部材の水平面内における位置を取得できる。
【0075】
また、上記第2実施形態では、4つの接線のうちから異なる組み合わせの3つの接線に接する4種類の円A1、円A2、円A3、および、円A4を取得することによって、ターゲット部材21およびターゲット部材22の水平面内における位置を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、異なる組み合わせの3つの接線に接する1種類の円を取得するとともに、取得された円の中心をターゲット部材の水平面内における位置として取得するようにしてもよい。また、2種類、または、3種類の円を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得するようにしてもよい。また、ターゲット部材の外周縁部の円弧状の部分に接する接線を5つ以上取得する場合には、5種類以上の円を取得することによって、ターゲット部材の水平面内における位置を取得するようにしてもよい。また、複数種類の円を取得する場合に、中心位置の平均ではなく、中心位置の中央値、または、最頻値に対応する位置をターゲット部材の水平面内における位置として取得するようにしてもよい。
【0076】
また、上記第1および第2実施形態では、基板載置部30の水平面内における位置と上下方向における位置とを取得するためのターゲット部材21が配置されており、基板載置位置算出部としての制御部13および213が、基板載置部30の水平面内における位置の取得に加えて、基板載置部30の上下方向における位置の取得も行う例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板載置位置算出部が、基板載置部の上下方向における位置の取得を行わずに、基板載置部の水平面内における位置の取得のみを行ってもよい。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、ターゲット部材21が、基板載置位置算出部としての制御部13および213による基板載置部30の水平面内および上下方向における位置を取得するための部材である例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板載置部の水平面内における位置を取得するための水平用ターゲット部材と、基板載置部の上下方向における位置を取得するための上下用ターゲット部材との、互いに別個の2つのターゲット部材が配置されていてもよい。
【0078】
また、上記第1および第2実施形態では、基板搬送用ロボットシステム100および200が、第1のターゲット部材としてのターゲット部材21に加えて、水平面内においてターゲット部材21とは異なる位置に配置された第2のターゲット部材としてのターゲット部材22を備える例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板搬送用ロボットシステムが、1つのターゲット部材のみを備えていてもよい。その場合には、基板搬送用ロボットの座標系と、基板載置部の座標系との差異が、小さいほうが好ましい。
【0079】
また、上記第1および第2実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13および213が、水平面内におけるターゲット部材21の中心位置21aと、水平面内におけるターゲット部材22の中心位置22aと、ターゲット部材21およびターゲット部材22の各々に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、水平面内における基板搬送用ロボット10および210の座標系C1に対する基板載置部30の座標系C2の傾きαが考慮された状態で、基板載置部30の水平面内における位置を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板載置位置算出部が、水平面内における基板搬送用ロボットの座標系に対する基板載置部の座標系の傾きを上記の方法以外の方法によって取得してもよい。また、基板載置位置算出部が、水平面内における基板搬送用ロボットの座標系に対する基板載置部の座標系の傾きを取得しなくてもよい。その場合、水平面内における基板搬送用ロボットの座標系に対して基板載置部の座標系が傾かないように、ロボットアームおよび基板載置部が配置されていることが好ましい。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、ターゲット部材21に対して検出部14が配置されているハンド12が接近する移動方向と検出光D1の照射方向とが直交するように、基板搬送用ロボット10および210の座標系C1をキャリブレーションする例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板載置位置算出部が、取得された検出光の照射方向に基づいて、ターゲット部材に対する検出部の移動方向と検出光の照射方向とが直交するように、基板搬送用ロボットの座標系をキャリブレーションしなくてもよい。その場合、ターゲット部材に対する検出部の移動方向と検出光の照射方向とが直交するように、ハンドに対して検出部が配置されていることが好ましい。また、基板搬送用ロボットの座標系をキャリブレーションする場合において、検出光の照射方向に対して、検出部の移動方向が直交した状態から所定の角度分傾いた状態となるようにキャリブレーションするようにしてもよい。
【0081】
また、上記第1および第2実施形態では、検出部14が、第1先端部12aと第2先端部12bとの間の空間を通過する検出光D1が遮られたか否かに基づいて、ターゲット部材21およびターゲット部材22を検出する透過型センサである例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、検出部が、反射型センサであってもよい。また、検出部は、検出光を用いないセンサであってもよい。たとえば、接触式のセンサによってターゲット部材を検出してもよい。また、ハンドは、二股状に分岐していなくてもよい。また、検出部は、基板の有無を検出するマッピングセンサとは別個に配置されたセンサであってもよい。
【0082】
また、上記第1および第2実施形態では、基板載置位置算出部としての制御部13および213を、基板載置部30に基板Wを搬入することと、基板載置部30に載置された基板Wを搬出することとの両方を含む基板Wの搬送動作が行われる場合に、ターゲット部材21の位置を取得するとともに、ターゲット部材22の位置を取得することによって、水平面内および上下方向における基板載置部30の位置を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、基板載置部に基板を搬入することと、基板載置部に載置された基板を搬出することとのいずれか一方のみを含む基板の搬送動作が行われる場合に、ターゲット部材の位置を取得することによって、基板載置部の位置を取得するようにしてもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、基板搬送用ロボット10および210に備えられたロボットアーム11の動作等を制御するロボット制御部としての制御部13および213が、水平面内におけるターゲット部材21の位置を取得するとともに、基板載置部30の水平面内における位置を取得する基板載置位置算出部としての制御部13および213と共通の構成である例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボットアームの動作等を制御するロボット制御部と、水平面内におけるターゲット部材の位置を取得するとともに、基板載置部の水平面内における位置を取得する基板載置位置算出部とは、互いに異なるハードウェアとして配置されていてもよいし、一体的に配置されていてもよい。また、水平面内におけるターゲット部材の位置を取得するとともに、基板載置部の水平面内における位置を取得する基板載置位置算出部を、基板搬送用ロボットが備えていなくてもよい。基板載置位置算出部は、基板搬送用ロボットとは別個の制御装置として配置されているとともに、算出された基板載置部の位置を基板搬送用ロボットに対して出力するようにしてもよい。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、ターゲット部材21を検出する検出部14が基板Wを保持するハンド12に配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ターゲット部材を検出する検出部が、基板を保持するハンドとは別個に配置されていてもよい。たとえば、検出部を、基板を保持するハンドとは異なる治具に配置するとともに、基板搬送用ロボットのロボットアームによって移動されながら、ターゲット部材を検出するようにしてもよい。また、検出部は、基板搬送用ロボットのロボットアームに配置されていてもよい。また、基板搬送用ロボットは、水平多関節型のロボットアームを備えていなくともよい。基板搬送用ロボットは、垂直多関節型のロボットアームを備えていてもよいし、直線移動機構などのロボットアーム以外の移動機構を備えていてもよい。その場合には、ロボットアーム以外の移動機構に検出部が配置されていてもよい。また、検出部は、基板搬送用ロボットとは別個に配置されていてもよい。たとえば、基板搬送用ロボットとは異なる移動機構によって検出部を移動させるようにしてもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、ターゲット部材21およびターゲット部材22の水平面内における位置と、ターゲット部材21およびターゲット部材22に対する基板載置部30の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、基板載置部30の水平面内における位置を取得する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ターゲット部材に対する基板載置部の水平面内における相対的な位置関係を取得せずに、ターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板載置部の水平面内における位置を取得するようにしてもよい。たとえば、ターゲット部材の水平面内における位置と、基板載置部の水平面内における位置とが、互いに同一である場合には、取得されたターゲット部材の水平面内の位置を、基板載置部の水平面内における位置として取得するようにしてもよい。すなわち、水平面内において、基板載置部の中心位置にターゲット部材が配置されている場合には、ターゲット部材の水平面内における位置を、基板載置部の水平面内における位置として取得するようにしてもよい。また、取得されたターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板搬送用ロボットの座標系を補正することによって基板載置部の水平面内における位置が取得されるようにしてもよい。
【0086】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0087】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0088】
(項目1)
上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材と、
前記ターゲット部材を検出する検出部と、
基板が載置される基板載置部と、
前記ターゲット部材とは別個に配置され、前記基板載置部に対する前記基板の搬送動作を行う基板搬送用ロボットと、
前記基板搬送用ロボットにより前記検出部を移動させるロボット制御部と、
前記基板載置部の位置を取得する基板載置位置算出部と、を備え、
前記基板載置位置算出部は、
前記検出部を移動させながら前記ターゲット部材を検出した検出結果に基づいて、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、
取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、基板搬送用ロボットシステム。
【0089】
(項目2)
前記基板載置位置算出部は、取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置と、前記ターゲット部材に対する前記基板載置部の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、項目1に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0090】
(項目3)
前記基板搬送用ロボットは、前記基板を保持するハンドを含み、
前記検出部は、前記ハンドに配置されており、
前記ロボット制御部は、前記ハンドを移動させることによって前記検出部を移動させる、項目1または2に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0091】
(項目4)
前記基板載置位置算出部は、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する4つの前記接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得する、項目1~3のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0092】
(項目5)
前記検出部は、検出光が遮られたか否かに基づいて、前記ターゲット部材を検出する透過型センサである、項目1~4のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0093】
(項目6)
前記基板載置位置算出部は、前記検出光の照射方向に沿う直線を、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して接する前記接線として取得する、項目5に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0094】
(項目7)
前記ロボット制御部は、前記ターゲット部材を検出するために互いに異なる第1の方向および第2の方向に沿って前記検出部を移動させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記第1の方向に沿って移動している前記検出部の前記検出光が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、前記検出光が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第1の前記接線および第2の前記接線を取得し、
前記第2の方向に沿って移動している前記検出部の前記検出光が透過している状態から遮られた状態に切り替わることと、前記検出光が遮られた状態から透過している状態に切り替わることとに基づいて、第3の前記接線および第4の前記接線を取得する、項目5または6に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0095】
(項目8)
前記基板載置位置算出部は、
互いに平行な第1の前記接線および第2の前記接線を取得するとともに、前記第1の接線および前記第2の接線とは異なる方向に沿って互いに平行な第3の前記接線および第4の前記接線を取得し、
前記第1の接線および前記第2の接線から等距離の直線と、前記第3の接線および前記第4の接線から等距離の直線との交点を、前記ターゲット部材の水平面内における位置として取得する、項目1~7のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0096】
(項目9)
前記基板載置位置算出部は、4つの前記接線のうちの異なる組み合わせの3つの前記接線に接する4種類の円を取得するとともに、取得された4種類の円の各々の中心位置の平均の位置を、前記ターゲット部材の水平面内における位置として取得する、項目1~8のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0097】
(項目10)
前記ターゲット部材は、上下方向から見て円形状の前記外周縁部を含み、
前記基板載置位置算出部は、水平面内において、前記ターゲット部材の円形状の前記外周縁部に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの前記接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得する、項目1~9のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0098】
(項目11)
前記ターゲット部材は、前記基板載置部の水平面内における位置と上下方向における位置とを取得するために配置され、
前記ロボット制御部は、前記検出部を前記ターゲット部材に対して上下方向に移動させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記ターゲット部材に対して上下方向に移動している前記検出部により前記ターゲット部材が検出される状態と検出されない状態とが切り換わることに基づいて、前記ターゲット部材の上下方向における位置を取得するとともに、
取得された前記ターゲット部材の上下方向における位置と、前記ターゲット部材に対する前記基板載置部の上下方向における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の上下方向における位置を取得する、項目1~10のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0099】
(項目12)
前記ターゲット部材は、第1の前記ターゲット部材と、水平面内において前記第1のターゲット部材とは異なる位置に配置された第2の前記ターゲット部材と、を含み、
前記基板載置位置算出部は、前記第1のターゲット部材の水平面内における位置と、前記第2のターゲット部材の水平面内における位置と、前記第1のターゲット部材および前記第2のターゲット部材の各々に対する前記基板載置部の水平面内における相対的な位置関係とに基づいて、前記基板載置部の水平面内における位置を取得する、項目1~11のいずれか1項に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0100】
(項目13)
前記ハンドは、二股状に分岐した第1先端部および第2先端部を含み、
前記検出部は、前記第1先端部と前記第2先端部との間の空間を通過する検出光が遮られたか否かに基づいて、前記ターゲット部材を検出する透過型センサであり、
前記ロボット制御部は、前記ハンドの位置を変えながら、前記ターゲット部材に対して前記ハンドを接近させ、
前記基板載置位置算出部は、
前記検出部の前記検出光が遮られた前記ハンドの複数の位置に基づいて、前記ハンドに対する前記検出光の照射方向を取得するとともに、
前記検出部により前記ターゲット部材を検出する場合に、取得された前記検出光の照射方向に直交する方向に沿って前記検出部が移動するように前記ハンドを移動させる、項目3に記載の基板搬送用ロボットシステム。
【0101】
(項目14)
上下方向から見て円弧状の部分を有する外周縁部を含むターゲット部材を検出する検出部を移動させながら前記ターゲット部材を検出した検出結果を取得し、
前記検出部を移動させながら取得された前記検出結果に基づいて、水平面内において、前記ターゲット部材の前記外周縁部の前記円弧状の部分に対して、互いに異なる接点において接する少なくとも3つの接線を取得することによって、前記ターゲット部材の水平面内における位置を取得し、
取得された前記ターゲット部材の水平面内における位置に基づいて、基板が載置される基板載置部の水平面内における位置を取得する、基板搬送方法。
【符号の説明】
【0102】
10、210 基板搬送用ロボット
11 ロボットアーム
12 ハンド
12a 第1先端部
12b 第2先端部
13、213 制御部(ロボット制御部、基板載置位置算出部)
14 検出部
21 ターゲット部材(ターゲット部材、第1のターゲット部材)
21b 外周縁部
21c ターゲット部材の上下方向における位置
22 ターゲット部材(ターゲット部材、第2のターゲット部材)
22b 外周縁部
30 基板載置部
100、200 基板搬送用ロボットシステム