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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013191
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240124BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K3/46 G
H05K3/46 U
H05K1/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034727
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0088935
(32)【優先日】2022-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】閔 太泓
(72)【発明者】
【氏名】權 垠需
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA04
5E316AA22
5E316AA33
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316BB20
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC16
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316CC54
5E316DD02
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE33
5E316FF03
5E316FF04
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316FF36
5E316GG13
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG27
5E316HH17
5E316HH32
5E316JJ02
5E316JJ15
5E316JJ28
5E338AA03
5E338AA16
5E338AA18
5E338BB03
5E338BB14
5E338BB19
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338CC08
5E338EE02
5E338EE11
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】半導体チップが実装されるフロント面の平坦度に優れてCMPなどの高価な工程が不要であるため、価格競争力に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示は、第1ビルドアップ絶縁層と、上記第1ビルドアップ絶縁層の上側に内蔵され、1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体と、上記第1ビルドアップ絶縁層の上面と上記連結構造体の上面との間に配置され、上面が上記第1ビルドアップ絶縁層の上面から露出する接着剤と、上記接着剤を貫通するビア部及び上記接着剤の上面上に突出した突出部を含む金属バンプと、を含むプリント回路基板、及び上記プリント回路基板の製造方法に関するものである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ビルドアップ絶縁層と、
前記第1ビルドアップ絶縁層の上側に内蔵され、1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体と、
前記第1ビルドアップ絶縁層の上面と前記連結構造体の上面との間に配置され、上面が前記第1ビルドアップ絶縁層の上面から露出する接着剤と、
前記接着剤を貫通するビア部及び前記接着剤の上面上に突出した突出部を含む金属バンプと、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記ビア部及び前記突出部は互いに境界なしに一体化された、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1ビルドアップ絶縁層及び前記接着剤は、上面が互いに実質的に同じ平面上にある、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1ビルドアップ絶縁層及び前記接着剤上に配置され、前記突出部の少なくとも一部を覆うレジスト層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記レジスト層は、前記突出部の一部をオープンさせる溝部を有し、
前記溝部の底面は、前記突出部の上面と下面との間のレベルに配置される、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1ビルドアップ絶縁層は、
前記連結構造体及び前記接着剤が配置されるキャビティを有する第1-1ビルドアップ絶縁層と、
前記第1-1ビルドアップ絶縁層上に配置され、前記連結構造体及び前記接着剤を埋め込んで、前記キャビティを充填する第1-2ビルドアップ絶縁層と、を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記キャビティの壁面は段差構造を有する、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1ビルドアップ絶縁層の上側に埋め込まれ、上面が前記第1ビルドアップ絶縁層の上面から露出する第1ビルドアップ配線層と、をさらに含み、
前記第1ビルドアップ配線層の上面は、前記第1ビルドアップ絶縁層の上面及び前記接着剤の上面とそれぞれ互いに実質的に同じ平面上にある、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記第1ビルドアップ絶縁層の上側に埋め込まれ、上面が前記第1ビルドアップ絶縁層の上面から露出する放熱金属層と、をさらに含み、
前記放熱金属層は、前記第1ビルドアップ配線層より厚さが厚い、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1ビルドアップ絶縁層の下面上に配置される第2ビルドアップ配線層と、
前記第1ビルドアップ絶縁層を貫通し、前記第1及び第2ビルドアップ配線層を互いに電気的に連結する第1ビルドアップビア層と、をさらに含む、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1ビルドアップ絶縁層の下面上に配置され、前記第2ビルドアップ配線層を埋め込む第2ビルドアップ絶縁層と、
前記第2ビルドアップ絶縁層の下面上に配置される第3ビルドアップ配線層と、
前記第2ビルドアップ絶縁層を貫通し、前記第2及び第3ビルドアップ配線層を互いに電気的に連結する第2ビルドアップビア層と、をさらに含む、請求項10に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
少なくとも一面に金属層が配置されたキャリア基板を用意する段階と、
前記金属層上に第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階と、
前記第1-1ビルドアップ絶縁層にキャビティを形成する段階と、
前記キャビティに接着剤を媒介として1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体を付着する段階と、
前記第1-1ビルドアップ絶縁層上に、前記連結構造体を埋め込んで、前記キャビティの少なくとも一部を満たす第1-2ビルドアップ絶縁層を形成する段階と、
前記キャリア基板を分離する段階と、
前記金属層の少なくとも一部を除去する段階と、
前記接着剤を貫通するビア部及び前記接着剤の一面上に突出する突出部を含む金属バンプを形成する段階と、を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記金属層は、第1金属層、及び前記第1金属層上に配置され、前記第1金属層とは異なる金属を含む第2金属層と、を含み、
前記金属層の少なくとも一部を除去する段階において、互いに異なるエッチング液を用いて前記第1及び第2金属層を順に除去する、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記金属層上に第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階の前に、前記金属層上にダミー金属層を形成し、
前記金属層上に第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階において、前記ダミー金属層は、前記第1-1ビルドアップ絶縁層に埋め込まれ、
前記第1-1ビルドアップ絶縁層にキャビティを形成する段階において、前記ダミー金属層を除去して前記キャビティを形成する、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記金属層上に第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階の前に、前記金属層上に第1ビルドアップ配線層及び放熱金属層をさらに形成し、
前記金属層上に前記第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階において、前記第1ビルドアップ配線層及び前記放熱金属層は、前記第1-1ビルドアップ絶縁層に埋め込まれ、
前記放熱金属層は前記第1ビルドアップ配線層より厚さが厚い、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項16】
前記第1-1ビルドアップ絶縁層、前記第1-2ビルドアップ絶縁層及び前記接着剤上に前記突出部の少なくとも一部を覆うレジスト層を形成する段階と、
前記レジスト層に前記突出部の一部をオープンさせる溝部を形成する段階と、をさらに含み、
前記溝部は、底面が前記突出部の上面と下面との間のレベルに配置されるように形成される、請求項12に記載のプリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブリッジ、パッチなどの連結構造体が内蔵されたプリント回路基板、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
サーバ製品のCPU、GPUのコア数が急激に増加することによって、効果的にコア数を増加させることができるダイスプリット技術が普遍化されている。また、HBM(High Bandwidth Memory)を含むパッケージの要求が増大するにつれて、ダイツーダイを微細回路の線幅に連結する技術が求められている。このような技術要求を満たすために、シリコンブリッジを内蔵する技術、シリコンインターポーザを利用する技術などが開発されたが、値段の問題及び複雑な組み立て工程などにより商品化に限界がある。例えば、シリコンブリッジを内蔵する技術は、ダイが実装される基板のフロント面にエンカプセレーションが必要であるため、CMPなどの高価な工程が必要となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、半導体チップが実装されるフロント面の平坦度に優れてCMPなどの高価な工程が不要であるため、価格競争力に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示によって提案する様々な解決手段の一つは、基板のビルドアップ絶縁層の最外側に接着剤を媒介として連結構造体を付着及び内蔵し、このような接着剤上にビア部及び突出部を含む金属バンプを形成するものである。
【0005】
例えば、一例に係るプリント回路基板は、第1ビルドアップ絶縁層と、上記第1ビルドアップ絶縁層の上側に内蔵され、1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体と、上記第1ビルドアップ絶縁層の上面と上記連結構造体の上面との間に配置され、上面が上記第1ビルドアップ絶縁層の上面から露出する接着剤と、上記接着剤を貫通するビア部及び上記接着剤の上面上に突出した突出部を含む金属バンプと、を含むものであることができる。
【0006】
例えば、一例に係るプリント回路基板の製造方法は、少なくとも一面に金属層が配置されたキャリア基板を用意する段階と、上記金属層上に第1-1ビルドアップ絶縁層を形成する段階と、上記第1-1ビルドアップ絶縁層にキャビティを形成する段階と、上記キャビティに接着剤を媒介として1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体を付着する段階と、上記第1-1ビルドアップ絶縁層上に、上記連結構造体を埋め込んで上記キャビティの少なくとも一部を満たす第1-2ビルドアップ絶縁層を形成する段階と、上記キャリア基板を分離する段階と、上記金属層の少なくとも一部を除去する段階と、上記接着剤を貫通するビア部及び上記接着剤の一面上に突出する突出部を含む金属バンプを形成する段階と、を含むものであることができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の様々な効果のうち一効果として、半導体チップが実装されるフロント面の平坦度に優れてCMPなどの高価な工程が不要であるため、価格競争力に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3】BGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図4】シリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図5】有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
図6】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
図7図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図8図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図9図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図10図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図11図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図12図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図13図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図14図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
図15図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)などが挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0017】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されないこともできる他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0019】
インターポーザを含む半導体パッケージ
一般的に、半導体チップは多数の微細電気回路が集積されているが、それ自体としては半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的または化学的衝撃によって損傷する可能性が存在する。そして、半導体チップ自体をそのまま用いずに、半導体チップをパッケージングしてパッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0020】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅に差があるためである。具体的には、半導体チップの場合、接続パッドのサイズと接続パッドとの間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードの場合、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッドの間隔が半導体チップのスケールよりも著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上に直接装着することは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和させることができるパッケージング技術が要求される。
【0021】
以下では、図面を参照して、このようなパッケージング技術で製造されるインターポーザを含む半導体パッケージについてより詳細に調べる。
【0022】
図3は、BGAパッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0023】
半導体チップのうち、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU:Graphics Processing Unit)などの特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)は、一つのチップの価格が非常に高いため、高い歩留まりでパッケージングを行うことが非常に重要である。この目的のために、半導体チップの実装前に数千から数十万個の接続パッドを再配線することができるボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)基板2210などを先に用意し、GPU2220などの高価の半導体チップを後続的にBGA基板2210上に表面実装技術(SMT:Surface Mounting Technology)などで実装及びパッケージングし、その後、最終的にメインボード2110上に実装している。
【0024】
一方、GPU2220の場合、高帯域幅メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などのメモリ(Memory)との信号経路を最小化することが必要であり、このために、HBM2240などの半導体チップをインターポーザ2230上に実装した後にパッケージングし、これをGPU2220が実装されたパッケージ上にパッケージオンパッケージ(POP:Package on Package)形態で積層して用いられている。但し、この場合、装置の厚さが非常に厚くなるという問題があり、信号経路も最小化するには限界がある。
【0025】
図4は、シリコンインターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0026】
上述した問題点を解決するための方案として、シリコンインターポーザ2250上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップを並んで(Side-by-Side)表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術を用いて有機インターポーザを含む半導体パッケージ2310を製造することを考慮することができる。この場合、インターポーザ2250を介して数千から数十万個の接続パッドを有するGPU2220及びHBM2240を再配線することもでき、これらを最小限の経路で電気的に連結することができる。また、このような有機インターポーザを含む半導体パッケージ2310を再びBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。
【0027】
但し、シリコンインターポーザ2250の場合、シリコン貫通ビア(TSV:Through Silicon Via)などの形成が非常に厳しいだけでなく、製造費用もかなり高いため、大面積化及び低コスト化に不利である。
【0028】
図5は、有機インターポーザパッケージがメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0029】
上述した問題点を解決するための方案として、シリコンインターポーザ2250の代わりに有機インターポーザ2260を用いることを考慮することができる。例えば、有機インターポーザ2260上にGPU2220などの第1半導体チップとHBM2240などの第2半導体チップを並んで表面実装した後にパッケージングするインターポーザ技術を用いて有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320を製造することを考慮することができる。この場合、インターポーザ2260を介して数千から数十万個の接続パッドを有するGPU2220及びHBM2240を再配線することもでき、これらを最小限の経路で電気的に連結することができる。また、このような有機インターポーザを含む半導体パッケージ2320を再びBGA基板2210などに実装して再配線すると、最終的にメインボード2110に実装することができる。また、大面積化及び低コスト化に有利である。
【0030】
但し、有機インターポーザ2260を用いる場合にも、有機インターポーザ2260に半導体チップ2220、2240を実装し、これを再びBGA基板2210に実装する必要があるため、工程が多少複雑である可能性があり、パッケージングの歩留まりが低下するおそれがある。
【0031】
連結構造体が内蔵されたプリント回路基板
図6は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【0032】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100は、第1ビルドアップ絶縁層111、第1ビルドアップ絶縁層111の上側に内蔵され、1層以上の絶縁層151、1層以上の配線層152、及び1層以上のビア層153を含む連結構造体150、第1ビルドアップ絶縁層111の上面と連結構造体150の上面との間に配置され、上面が第1ビルドアップ絶縁層111の上面から露出する接着剤160、接着剤160を貫通するビア部171、及び接着剤160の上面上に突出した突出部172を含む金属バンプ170を含む。金属バンプ170を構成するビア部171及び突出部172は、互いに境界なしに一体化することができる。
【0033】
このように、一例に係るプリント回路基板100は、連結構造体150が接着剤160を媒介として第1ビルドアップ絶縁層111の上側に内蔵されるため、連結構造体150が基板の最外側の実装面を提供することができ、さらに接着剤160に半導体チップの実装のための金属バンプ170が直接形成されるため、結果的には半導体チップが実装されるフロント面の平坦度に優れてCMPなどの高価な工程が不要であることができ、パッケージングの歩留まりの改善により効果的であることができる。また、半導体チップの実装後のインターコネクション経路が最短経路で提供されることができるため、信号品質などに有利であることができる。
【0034】
一方、第1ビルドアップ絶縁層111及び接着剤160は、上面が互いに実質的に同じ平面上にあることができる。実質的に同じ平面上にあるということは、対象が互いに完全に同一平面に存在する場合だけでなく、工程誤差などによってほぼ同一平面に存在する場合を含むことができる。すなわち、工程誤差などによる微細な差異を含むことができる。この場合、基板のプロント面の平坦度がより優れることができる。
【0035】
一方、プリント回路基板100は、第1ビルドアップ絶縁層111及び接着剤160上に配置され、突出部172の少なくとも一部を覆う第1レジスト層180をさらに含むことができる。第1レジスト層180は、突出部172の一部をオープンさせる溝部hを有することができ、溝部hの底面は突出部172の上面と下面との間のレベルに配置されることができる。すなわち、第1レジスト層180は、溝部hによって上面が段差を有することができる。この場合、溝部hにより安定して半導体チップを実装することができ、半導体チップの実装後のパッケージの全体の厚さをより効果的に薄型化することができる。
【0036】
一方、プリント回路基板100は、ETS(Embedded Trace Substrate)構造を有することができる。例えば、プリント回路基板100は、第1ビルドアップ絶縁層111の上側に埋め込まれ、上面が第1ビルドアップ絶縁層111の上面から露出する第1ビルドアップ配線層121、第1ビルドアップ絶縁層111の下面上に配置される第2ビルドアップ配線層122、第1ビルドアップ絶縁層111を貫通し、第1及び第2ビルドアップ配線層121、122を互いに電気的に連結する第1ビルドアップビア層131、第1ビルドアップ絶縁層111の下面上に配置され、第2ビルドアップ配線層122を埋め込む第2ビルドアップ絶縁層112、第2ビルドアップ絶縁層112の下面上に配置される第3ビルドアップ配線層123、及び/又は第2ビルドアップ絶縁層112を貫通し、第2及び第3ビルドアップ配線層122、123を互いに電気的に連結する第2ビルドアップビア層132をさらに含むことができる。このとき、第1ビルドアップ配線層121の上面は、第1ビルドアップ絶縁層111の上面及び接着剤160の上面とそれぞれ互いに実質的に同じ平面上にあることができる。実質的に同じ平面上にあるということは、対象が互いに完全に同一平面に存在する場合だけでなく、工程誤差などによってほぼ同一平面に存在する場合も含むことができる。すなわち、工程誤差などによる微細な差異を含むことができる。この場合、基板のフロント面の平坦度がより優れることができる。
【0037】
一方、プリント回路基板100は、第1ビルドアップ絶縁層111の上側に埋め込まれ、上面が第1ビルドアップ絶縁層111の上面から露出する放熱金属層125をさらに含むことができる。放熱金属層125は、第1ビルドアップ配線層121と同じ層に配置されるが、第1ビルドアップ配線層121より厚さが厚いことがある。この場合、連結構造体及びその周囲の熱放出により効果的であることができる。厚さは、プリント回路基板100の研磨または切断断面を基準に走査顕微鏡または光学顕微鏡、例えば、Olympus社の光学顕微鏡(×1000)を用いて測定することができる。
【0038】
一方、プリント回路基板100は、第2ビルドアップ絶縁層112の下面上に配置され、第3ビルドアップ配線層123の少なくとも一部を覆う第2レジスト層190をさらに含むことができる。第2レジスト層190は、第3ビルドアップ配線層123の少なくとも一部をオープンさせる開口を複数個有することができる。
【0039】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100の構成要素についてより詳細に説明する。
【0040】
第1及び第2ビルドアップ絶縁層111、112はそれぞれ絶縁物質を含むことができる。絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーと共にガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、プリプレグ(Prepreg)などが用いられることができるが、これらに限定されるものではない。制限されない一例として、第1及び第2ビルドアップ絶縁層111、112は、互いに実質的に同じ絶縁物質、例えばABFを含むことができるが、これらに限定されるものではない。実質的に同じ絶縁材料は、同じ商品名の絶縁材料を用いる場合であることができる。
【0041】
第1ビルドアップ絶縁層111は複数の層で構成されることができる。例えば、第1ビルドアップ絶縁層111は、後述するようにキャビティが形成された第1-1ビルドアップ絶縁層と第1-1ビルドアップ絶縁層を覆い、キャビティを充填する第1-2ビルドアップ絶縁層を含むことができる。第1-1ビルドアップ絶縁層と第1-2ビルドアップ絶縁層は互いに実質的に同じ絶縁物質、例えば、ABFを含むことができるが、これに限定されるものではない。実質的に同じ絶縁材料は、同じ商品名の絶縁材料を用いる場合であることができる。
【0042】
第1~第3ビルドアップ配線層121、122、123はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。第2及び第3ビルドアップ配線層122、123は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。第1ビルドアップ配線層121は、シード層として用いられる金属層が除去され、電解めっき層(または電気銅)のみを含むことができる。第1~第3ビルドアップ配線層121、122、123は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランドパターン、パワーパターンなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを含むことができる。これらのパターンは、それぞれライン(line)パターン、プレーン(Plane)パターン及び/またはパッド(Pad)パターンを含むことができる。
【0043】
放熱金属層125は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。放熱金属層125は、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。必要に応じて、銅箔をさらに含むことができる。放熱金属層125は、必要に応じて、第1ビルドアップ配線層121のグランドパターンと電気的に連結されることができる。
【0044】
第1及び第2ビルドアップビア層131、132はそれぞれ金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。第1及び第2ビルドアップビア層131、132は、それぞれ第2及び第3ビルドアップ配線層122、123を形成する際に一緒に形成されることができ、したがってそれぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1及び第2ビルドアップビア層131、132は、それぞれビアホールが金属物質で充填されたフィールドタイプであることができるが、これに限定されるものではなく、ビアホールの壁面に沿って金属物質が配置されたコンフォーマルタイプであることもできる。第1及び第2ビア層131、132は、それぞれ断面上で上面の幅が下面の幅より狭いテーパー状を有することができ、いずれも同一方向のテーパー状であることができる。第1及び第2ビルドアップビア層131、132は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。信号ビアは、グランドビア、パワービアなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などを伝達するためのビアを含むことができる。
【0045】
ビルドアップ絶縁層111、112、ビルドアップ配線層121、122、123、ビルドアップビア層131、132などの層数は、図示したものより多くするもでき、これらに対して上述した内容を実質的に同様に適用することができる。
【0046】
連結構造体150は、シリコンダイオキシドを絶縁本体とし、蒸着工程などを介して配線を形成して製造されるシリコンブリッジ、または有機絶縁物質を絶縁本体とし、めっき工程などを介して配線を形成して製造される有機ブリッジなどであることができる。好ましくは、連結構造体150は有機ブリッジであることができ、この場合、CTEミスマッチによる信頼性の問題がほとんど発生しない可能性がある。また、連結構造体150を製造するための工程難易度及び原価も下げることができる。また、プリント回路基板100をほとんど有機構造とすることができるため、パワー抵抗及び信号品質に有利であることができる。また、ETS構造を有することができる。このように、連結構造体150をコアレス基板の形態で形成する場合、本体微細ピッチで配線設計が可能であることができる。また、シリコンブリッジに比べて少ない費用で製造することができ、工程もより簡単であることができる。有機絶縁物質としては、感光性絶縁物質(PID:Photo Imageable Dielectric)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
絶縁層151は絶縁物質を含むことができる。絶縁物質は、感光性絶縁物質(PID)などの有機絶縁物質であることができる。絶縁層151の材料として感光性絶縁物質(PID)を用いる場合、それぞれの絶縁層151の厚さを最小化することができ、フォトビアホールを形成することができるため、配線層152を高密度で設計することができる。但し、材料がこれに限定されるものではなく、その他にもABFなどの他の有機絶縁物質が用いられることもできる。また、シリコンなどの無機絶縁物質を含むこともできる。絶縁層151は、複数層で構成されることができ、層数は特に制限されない。複数の絶縁層151は互いに境界を区分することもでき、不確実とすることもできる。
【0048】
配線層152は、ダイツーダイのインターコネクション、ダイツー基板のインターコネクションなどの微細回路の経路を提供することができる。配線層152は複数の層で構成されることができ、層数は特に制限されない。配線層152は、該当層の設計に応じて様々な機能を行うことができ、少なくとも信号パターンを含むことができる。パターンはラインパターン及び/またはパッドパターンを含むことができる。配線層152は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの金属物質を含むことができる。配線層152は、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができ、最上側の配線層152は電解めっき層(または電気銅)のみを含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0049】
配線層152は、第1~第3ビルドアップ配線層121、122、123に比べて回路密度がさらに高いことができる。すなわち、より高密度回路を含むことができる。例えば、配線層152に含まれる配線の平均ピッチは、第1~第3ビルドアップ配線層121、122、123に含まれる配線の平均ピッチよりさらに小さいことができる。また、配線層152間の層間平均絶縁距離は、第1~第3ビルドアップ配線層121、122、123間の層間平均絶縁距離よりさらに小さいことができる。ピッチは、プリント回路基板100の切断断面を走査顕微鏡または光学顕微鏡などで撮影して測定することができ、平均ピッチは任意の5個の地点で測定した配線間のピッチの平均値であることができる。層間絶縁距離もプリント回路基板100の切断断面を走査顕微鏡や光学顕微鏡などで撮影して測定することができ、層間平均絶縁距離は任意の5個の地点で測定した隣接した配線または再配線間の絶縁距離の平均値であることができる。
【0050】
ビア層153は、互いに異なる層に配置された配線層152を電気的に連結することができる。ビア層153の該当層の設計に応じて様々な機能を行うことができ、少なくとも信号ビアを含むことができる。ビア層153は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの金属物質を含むことができる。ビア層153は、第1~第3ビルドアップビア層132、132、133と同様に、それぞれ断面上で上面の幅が下面の幅より狭いテーパー状を有することができ、全て同一方向のテーパー状であることができる。ビア層153は、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。
【0051】
接着剤160は公知の接着物質を含むことができる。例えば、接着剤160は、公知のエポキシ系列の接着物質を含むことができるが、これに限定されるものではない。接着剤160はフィルムタイプであることができ、例えば、DAF(Die Attach Film)、B/S(Bonding Sheet)などであることができるが、これに限定されるものではない。接着剤160は、誘電損失Df値がビルドアップ絶縁層111、112、絶縁層151などより小さいLow Df B/Sであることができ、この場合、信号損失の低減に優れることができる。
【0052】
金属バンプ170は、設計に応じて様々な機能を行うことができ、少なくとも信号バンプを含むことができる。金属バンプ170を構成するビア部171及び突出部172は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの金属物質を含むことができる。金属バンプ170を構成するビア部171及び突出部172は、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができ、互いに一体化された構成であることができる。ビア部171は、接着剤160を貫通して最上側の配線層152と連結されることができ、断面上で上面の幅が下面の幅より狭いテーパー状を有することができる。
【0053】
第1及び第2レジスト層180、190は、プリント回路基板100の最外側に配置されて内部構成要素を保護することができる。第1及び第2レジスト層180、190の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができるが、このとき、絶縁物質としてはソルダーレジスト(Solder Resist)が用いられることができる。
【0054】
プリント回路基板100は、それ自体で1つ以上の半導体チップが実装されるパッケージ基板であることができる。または、プリント回路基板100は、1つ以上の半導体チップが実装される微細回路基板であることができる。このような微細回路基板は、別のパッケージ基板上に実装されるか、別のパッケージ基板の最外側に付着されるか、または別のパッケージ基板内に内蔵されることができる。このような別途のパッケージ基板内には受動部品などが内蔵されることができ、また、反り制御のために内部にその他の補強層が配置されることができる。補強層は、メタル、グラファイト、炭素素材など様々な材質を有することができる。
【0055】
半導体チップは、プリント回路基板100の第1レジスト層180上に実装されることができ、はんだバンプなどを用いて金属バンプ170と電気的に連結されることができる。例えば、半導体チップは、溝部h上に配置されて金属バンプ170と連結されることができる。または、半導体チップは、第1レジスト層180の溝部h以外の領域上にも配置されることができる。この場合、第1レジスト層180には必要に応じて第1ビルドアップ配線層121をオープンさせる開口が形成されることができ、このような開口上にはんだバンプなどを形成して半導体チップが第1ビルドアップ配線層121とも電気的に連結されることができる。または、第1ビルドアップ配線層121上に金属バンプや金属パッドなどがさらに配置されることもでき、この場合、第1レジスト層180に金属バンプや金属パッドをオープンさせる開口が形成されることができ、このような開口上にはんだバンプなどを形成して半導体チップが第1ビルドアップ配線層121とも電気的に連結されることができる。半導体チップは複数個であることができ、各半導体チップは上述した形態で配置されることができる。但し、半導体チップの配置がこの形態に限定されるものではない。
【0056】
半導体チップは、それぞれ数百~数百万個以上の素子が1つのチップ内に集積化している集積回路(IC:Integrated Circuit)ダイ(Die)を含むことができる。このとき、集積回路は、例えば、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アプリケーションプロセッサ(例えば、AP)、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップであることができるが、これに限定されるものではなく、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、HBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ、またはPMIC(Power Management IC)などのように異なる種類であることもできる。
【0057】
半導体チップは、それぞれアクティブウェハーをベースに形成されたものであることができ、この場合、それぞれの本体をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体には、様々な回路が形成されていることができる。各本体には、接続パッドが形成されることができ、接続パッドはアルミニウム(Al)、銅(Cu)などの導電性物質を含むことができる。半導体チップはベアダイ(bare die)であることができ、この場合、接続パッド上には金属バンプが配置されることができる。半導体チップは、パッケージングダイ(packaged die)であることもでき、この場合、接続パッド上にさらに再配線層が形成され、再配線層上に金属バンプが配置されることができる。
【0058】
半導体チップは、はんだバンプを用いてプリント回路基板100に実装されることができ、はんだバンプは低融点金属、例えば、スズ(Sn)-アルミニウム(Al)-銅(Cu)などのはんだなどで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、半導体チップが必ずしもはんだバンプを介して実装される必要はない。はんだバンプは、それぞれ多重層または単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には、銅ピラー(pillar)及びはんだを含むことができ、単一層で形成される場合には、スズ-銀はんだ又は銅を含むことができるが、これにも限定されるものではない。
【0059】
半導体チップはモールディング材で覆われることができ、モールディング材は半導体チップを保護することができる。モールディング材の材料は特に限定されず、EMC(Epoxy Molding Compound)などの公知のモールディング材が用いられることができる。
【0060】
図7図15は、図6のプリント回路基板の製造の一例を概略的に示した工程図である。
【0061】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板10の製造方法は、少なくとも一面に金属層210、220、230が配置されたキャリア基板200を用意する段階、金属層210、220、230上に第1-1ビルドアップ絶縁層111-1を形成する段階、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1にキャビティCを形成する段階、キャビティCに接着剤160を媒介として1層以上の絶縁層、1層以上の配線層、及び1層以上のビア層を含む連結構造体150を付着する段階、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1上に連結構造体150を埋め込んで、キャビティCの少なくとも一部を満たす第1-2ビルドアップ絶縁層111-2を形成する段階、キャリア基板200を分離する段階、金属層210、220、230の少なくとも一部を除去する段階、接着剤160にビアホール171hを加工する段階、及び接着剤160を貫通するビア部171及び接着剤160の一面上に突出する突出部172を含む金属バンプ170を形成する段階を含む。
【0062】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100の製造方法についてより詳細に説明する。
【0063】
図7を参照すると、上面と下面にそれぞれ複数の金属層210、220、230が配置されたキャリア基板200を用意する。例えば、キャリア基板200の両面にキャリア銅箔210とベース銅層220がそれぞれ積層された銅箔積層板を用意した後、ベース銅層220上にニッケルめっき層230を形成し、キャリア基板200上に複数の金属層210、220、230を形成することができる。すなわち、複数の金属層210、220、230は、キャリア銅箔210上に互いに異なる金属を含む第1及び第2金属層220、230が配置された形態であることができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
図8を参照すると、ニッケルめっき層230上に第1ビルドアップ配線層121を形成する。第1ビルドアップ配線層121は、AP(Additive Process)、SAP(Semi AP)、MSAP(Modified SAP)、TT(Tenting)などのめっき工程で形成することができる。次に、ドライフィルム310を用いてAP、SAP、MSAPなどのめっき工程で放熱金属層125及びダミー金属層127を形成する。次に、ドライフィルム310を除去する。ドライフィルム310の除去としては、公知の剥離液が用いられることができる。
【0065】
図9を参照すると、ニッケルめっき層230上に第1-1ビルドアップ絶縁層111-1を形成する。第1-1ビルドアップ絶縁層111-1は、例えばABFラミネーション工程などで形成することができる。次に、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1の厚さを薄くしてダミー金属層127を露出させる。ダミー金属層127を露出させる方法としては、CMPなどの研磨方式や、プラズマを用いたエッチング方式や、デスミア処理などを用いることができる。次に、エッチング工程でダミー金属層127を除去する。ダミー金属層127が除去されると、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1に第1キャビティc1が形成されることができる。
【0066】
図10を参照すると、ニッケルめっき層230上に第1-1ビルドアップ絶縁層111-1を形成した後、ローカルスカイビング(local skiving)工程やローカルシンニング(local thinning)工程を用いて第1-1ビルドアップ絶縁層111-1を部分的に除去してダミー金属層127を露出させることもできる。この場合、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1にダミー金属層127を露出させる第2-1キャビティc2が形成されることができる。次に、エッチング工程でダミー金属層127を除去する。ダミー金属層127が除去されると、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1に第2-2キャビティc3が形成されることができる。すなわち、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1に第2-1キャビティc2と第2-2キャビティc3が連結された形態の第2キャビティc4が形成されることもできる。第2-1キャビティc2と第2-2キャビティc3は幅が相違することがあり、よって第2キャビティc4は壁面が段差構造を有することができる。
【0067】
図11を参照すると、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1のキャビティcに接着剤160を媒介として連結構造体150を付着する。キャビティcは、上述した第1キャビティc1または第2キャビティc4であることができるが、これに限定されるものではない。連結構造体150は、ETS工程などを用いて別途製造されることができ、その後、最外側配線層152である埋め込みパターンが接着剤160と付着される形態でキャビティCに配置されることができる。次に、第1-1ビルドアップ絶縁層111-1上に連結構造体150を埋め込んで、キャビティcを充填する第1-2ビルドアップ絶縁層111-2を形成する。第1-2ビルドアップ絶縁層111-2は、例えばABFラミネーション工程などで形成することができる。その結果、第1ビルドアップ絶縁層111が形成されることができる。第1-1ビルドアップ絶縁層111-1と第1-2ビルドアップ絶縁層111-2は、互いに境界を明確にすることもでき、または互いに境界を不明確にすることもできる。
【0068】
図12を参照すると、第1ビルドアップ絶縁層111にAP、SAP、MSAP、TTなどのめっき工程で第2ビルドアップ配線層122及び第1ビルドアップビア層131を形成する。また、第1ビルドアップ絶縁層111上にABFラミネーションなどによって第2ビルドアップ絶縁層112を形成する。また、第2ビルドアップ絶縁層112にAP、SAP、MSAP、TTなどのめっき工程で第3ビルドアップ配線層123及び第2ビルドアップビア層132を形成する。その後、キャリア基板200を分離する。キャリア基板200の分離は、キャリア銅箔210とベース銅層220が互いに分離されるものであることができる。次に、ベース銅層220をエッチングによって除去する。このとき、ニッケルめっき層230が第1ビルドアップ配線層121、放熱金属層125などのエッチングを防止することができる。次に、ニッケルめっき層230をエッチングにより除去する。ベース銅層220の除去に用いられるエッチング液とニッケルめっき層230の除去に用いられるエッチング液とは互いに異なる場合があり、複数のエッチングは順に行われることができる。
【0069】
図13を参照すると、接着剤160にビアホール171hを加工する。ビアホール171h加工としては、レーザ加工、機械的ドリルなどを用いることができる。ビアホール171hは、連結構造体150の最外側に配置される配線層の少なくとも一部を露出させることができる。次に、第1ビルドアップ絶縁層111及びビアホール171h上に無電解めっきなどでシード層sを形成する。
【0070】
図14を参照すると、シード層s上にパターニングされたドライフィルム320を形成する。また、反対側にもドライフィルム330を形成する。次に、電解めっきなどによりドライフィルム320のパターニングされた開口を介して露出するシード層s上にめっき層pを形成する。次に、ドライフィルム320、330を剥離液などを用いて除去し、めっき層pが形成された領域以外のシード層sをエッチングによって除去してビア部171及び突出部172を含む金属バンプ170を形成する。
【0071】
図15を参照して、第1ビルドアップ絶縁層111及び接着剤160上に突出部172の少なくとも一部を覆う第1レジスト層180を形成する。また、第2ビルドアップ絶縁層112上に第3ビルドアップ配線層123の少なくとも一部を覆う第2レジスト層190を形成する。第1及び第2レジスト層180、190は、インクタイプのはんだレジストを塗布した後、硬化して形成するか、又はドライフィルム状のはんだレジストをラミネーションして形成することができる。次に、第1レジスト層180に突出部172の一部をオープンさせる溝部hを形成する。溝部hは、底面が突出部172の上面と下面との間のレベルに配置されるように形成されることができる。例えば、溝部hは、第1レジスト層180の部分的なシンニング(thinning)工程を介して形成されることができる。また、第2レジスト層190に第3ビルドアップ配線層123の少なくとも一部をオープンさせる開口を形成する。
【0072】
一連の過程を介して、上述した一例に係るプリント回路基板100が製造されることができる。その他の内容、例えば、上述した一例に係るプリント回路基板100で説明した内容は矛盾しない限り、上述した製造の一例にも適用されることができ、したがってこれに対する重複する内容の説明は省略する。
【0073】
本開示において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断したときの形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューで見たときの平面形状であることができる。
【0074】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に有機インターポーザを含む半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向に用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこの方向に対する記載によって特に限定されるものではない。
【0075】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0076】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0077】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0078】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
2110 メインボード
2210 BGA基板
2220、2240 半導体チップ
2230 インターポーザ
2250 シリコンインターポーザ
2260 有機インターポーザ
2310、2320 インターポーザを含む半導体パッケージ
100 プリント回路基板
111-1、111-2、111、112 ビルドアップ絶縁層
121、122、123 ビルドアップ配線層
125 放熱金属層
127 ダミー金属層
131、132 ビルドアップビア層
150 連結構造体
151 絶縁層
152 配線層
153 ビア層
160 接着剤
170 金属バンプ
171 ビア部
171h ビアホール
172 突出部
180、190 レジスト層
C、c1、c2、c3、c4 キャビティ
h 溝部
200 キャリア基板
210、220、230 金属層
310、320、330 ドライフィルム
図1
図2
図3
図4
図5
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