(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131925
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20240920BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240920BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240920BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240920BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/34
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042501
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】593106918
【氏名又は名称】株式会社ファンケル
(72)【発明者】
【氏名】梅原 美奈
(72)【発明者】
【氏名】寺西 諒真
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 明子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 理一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 蓉子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB051
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC132
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC642
4C083AC712
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD242
4C083AD332
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD492
4C083AD532
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】
ナイアシンアミドを高含有する化粧料であって、べたつき感がなく、塗布後に肌になじませる際に感じられるキシミ感を抑制し、さらに肌のやわらかさが感じられる優れた使用感の化粧料を提供すること。
【解決手段】
次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する化粧料。
(A)ナイアシンアミドを化粧料全量に対し3質量%以上
(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%
(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%
(D)多価アルコール
(E)水
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する化粧料。
(A)ナイアシンアミドを化粧料全量に対し3質量%以上
(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%
(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%
(D)多価アルコール
(E)水
【請求項2】
(D)多価アルコールがエチレングリコール、ブチレングリコール(BG)、ポリエチレングリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールから選ばれる1以上を含むものである請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
(E)水を化粧料全量に対し60~96質量%含有する請求項1又は2に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナイアシンアミドを高含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ナイアシンアミドは、別名ニコチンアミド(nicotinamide)/ナイアシン/ビタミンB3とも呼ばれる、ニコチン酸のアミド化合物である。ナイアシンアミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである。ナイアシンアミドが欠乏するとペラグラなどの欠乏症となる。ナイアシンアミドは、外用薬の成分としてニキビ(尋常性ざ瘡)の治療や、美容目的で化粧品に配合される。日本では、医薬部外品の化粧品に、シワ改善の有効成分(リンクルナイアシン)、美白作用の有効成分(ニコチン酸アミド)として承認されている。
【0003】
ナイアシンアミドは、上記の通りシワ改善の有効成分としてスキンケア化粧料等にしばしば配合されてきた。シワ改善、肌のハリ感や弾力を付与するためには、3~7質量%ほどの高い配合が求められる。しかし、ナイアシンアミドを高含有すると使用感が低下することが知られており、経験的には3質量%以上含有すると使用感の低下が認識された。例えば、塗布中に感じられるべたつき感、および塗布後肌に馴染ませる際に感じられるキシミ感などが代表的である。一般的にこうした化粧料のべたつき感やキシミなどの使用感を改善するためには、各種油剤、増粘剤、保湿剤、界面活性剤などの成分を組み合わせて配合することで改善させることが試みられている。
ところが、ナイアシンアミドを高含有する化粧料は、このような成分を含有することで一時的に使用感が改善しても、塗布後に一定時間が経過すると、キシミなどの好ましくない使用感が、再度顕著に感じられることが指摘されている。
このような中、ナイアシンアミドを高含有した化粧料の技術が開示されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ナイアシンアミドと、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールを含有させた、べたつかず、油のような肌馴染みの良さと、ハリ感等の仕上がり実感に優れた化粧料が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ナイアシンアミドを高含有し、さらに水溶性多糖類、両親媒性の化合物を含有する化粧料が記載されている。ナイアシンアミドによる組成物の粘度安定性の不良が改善されている。
しかし、これらの従来技術では、ある程度べたつきは改善しているものの、キシミ感が改善しているとは言い難い。
【0006】
べたつきの改善に加えてキシミ感がある程度改善している技術として、(A)ニコチン酸アミドと、(B)シロキクラゲ多糖体、コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびプロテオグリカンからなる群から選ばれる1種または2種以上の水溶性多糖類と、(C)多価アルコールと、(D)1価の低級アルコールとを含有する水性組成物(特許文献3、特許文献4)が開示されている。しかしながらこの技術もまた十分満足できるものではない。さらにエタノールで刺激を感じてしまう消費者には受け入れられにくいという問題もある。
【0007】
一方、化粧料を塗布した後に、肌(例えば頬)を手のひら全体で覆うように触る化粧行動が知られているが、この時に肌のやわらかさが感じられると、消費者は使用した商品そのものを高く評価する傾向にある、すなわち数多くの使用感の評価項目において「肌のやわらかさ」が購入動機に高く寄与しているとの気づきから、本発明者らは肌にやわらかさが感じられるかどうかに特に注力して処方開発に取り組んでいる。このような中、ナイアシンアミドを高含有した系において、特定量の(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、特定量のシロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上と、多価アルコールと水を含む化粧料とすることで、べたつき、キシミ感がなく、かつ、肌にやわらかさが感じられる優れた使用感の化粧料になることを見出し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-131553号公報
【特許文献2】特開2020-128363号公報
【特許文献3】特開2019-131547号公報
【特許文献4】特開2022-82669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ナイアシンアミドを高含有する化粧料であって、べたつき感がなく、塗布後に肌になじませる際に感じられるキシミ感を抑制し、さらに肌のやわらかさが感じられる優れた使用感の化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以下の構成である。
(1)次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する化粧料。
(A)ナイアシンアミドを化粧料全量に対し3質量%以上
(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%
(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%
(D)多価アルコール
(E)水
(2)(D)多価アルコールがエチレングリコール、ブチレングリコール(BG)、ポリエチレングリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール及びキシリトールから選ばれる1以上を含むものである(1)に記載の化粧料。
(3)(E)水を化粧料全量に対し60~96質量%含有する(1)又は(2)に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ナイアシンアミドを高含有する化粧料であって、べたつき感、キシミ感がなく、肌のやわらかさが感じられる、使用感に優れた化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願明細書において、「べたつき感」とは、化粧料を肌に塗布する際に粘りつくような不快感のある使用感を感じる状態の官能評価をいう。
また本願明細書において「キシミ感」とは、肌に指を滑らせた際に、肌の表面と指の間に強い摩擦感を与え、滑らかさのない使用感を感じる状態の官能評価をいう。
さらにまた本願明細書において「肌のやわらかさ」とは、化粧料塗布後5分ほど経過した化粧料が十分に馴染んだ肌を、指・手のひらで覆った時に、やわらかく感じる状態の官能評価をいう。
【0013】
本発明は、(A)成分としてナイアシンアミドを化粧料全量に対し3質量%以上、(B)成分として(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%、(C)成分としてシロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%、(D)成分として多価アルコール、(E)成分として水を含有する化粧料に関する。
以下に、本発明の構成成分について詳細に説明する。
【0014】
<(A)成分 ナイアシンアミド>
本発明の(A)成分であるナイアシンアミドは、ニコチン酸のアミド化合物であり、別名ニコチン酸アミド(ビタミンB3/ナイアシン)ともいう水溶性ビタミンである。ナイアシンアミドは、天然物からの抽出物であっても良いし、公知の方法によって合成した物でも良い。具体的には、日本薬局方に収載されているものを用いることができる。ナイアシンアミドには、シワ改善効果に加えて血行促進作用や、肌荒れ改善作用、メラニン生成抑制作用や美白効果が知られている。
【0015】
本発明の化粧料において、(A)成分の含有量は、3質量%以上である。本発明の化粧料は、目的に応じてシワ改善化粧料とすることができる。医薬部外品に近いレベルの肌のシワの改善効果を得るためには、(A)成分の含有量は、化粧料全量に対して、3質量%以上であり、好ましくは3~10質量%、より好ましくは3~8質量%である。
【0016】
<(B)成分(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー>
本発明の化粧料に含まれる(B)成分は分子内にアクリルアミド構造(CH2=CH-CO-NH-)に由来する構造を有する有機高分子であり、構成単位が2種以上のコポリマーである。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーはアクリル酸NaとアクリルジメチルタウリンNaの共重合体であり、市販品されているものを使用することができる。例えば、SEPPIC社(フランス)製のSIMULGEL EG等を使用することが出来る。SIMULGEL EGは、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとして37.5%、イソヘキサデカン22.5質量%、ポリソルベート80が7.5質量%、オレイン酸ソルビタン2.5質量%、水30質量%からなる混合原料である。
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、ヒドロキシエチルアクリル酸とアクリルジメチルタウリンナトリウムの共重合体であり、市販されているものを使用することができる。例えば、SEPPIC社(フランス)製のSIMULGEL NS、SEPINOV EMT10等を使用することができる。SIMULGEL NSは、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー37.5質量%、スクワラン25.5質量%、ポリソルベート60が5.5質量%、水30質量%、イソステアリン酸ソルビタン1.5質量%からなる混合原料である。SEPINOV EMT10は、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー100質量%である。
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、一般的には、水相と油相とを混合する際に、いわゆる、乳化剤としての作用を期待して配合される。
本発明の化粧料は、任意成分として油を、1~20質量%程度含有させてもよい。その場合に(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは乳化剤として機能する。任意で含有する油の量にもよるが、油が化粧料全量に対し3質量%を超えると新たに乳化目的で別の界面活性剤を含有させる可能性が高まる。
【0017】
一方、ほとんど油を配合しない化粧水や化粧液、エッセンス、ジェル等のいわゆる水系の組成〔油が化粧料全量に対し1質量%未満(全く油を含有しない場合を含む)〕の化粧料も本発明である。本発明は、任意の油を含む・含まないにかかわらず、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料に含有させる点に特徴がある。(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、後述する(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムと共に、化粧料全量に対し0.15~1.5質量%含有させることで、肌のやわらかさを実現する。(B)成分である(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、化粧料全量に対し0.15~1.5質量%、好ましくは0.15~1質量%、より好ましくは0.15~0.6質量%、より一層好ましくは0.18~0.6質量%、さらにより一層好ましくは0.18~0.5質量%含有すると好ましい。
なお(B)成分である(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが化粧料全量に対し0.1質量%以下だと、後述する(C)成分と組み合わせて含有しても肌のやわらかさを実感することが難しいことを確認した。発明者らは、油による肌のやわらかさの向上効果を期待して油を少し多めの4質量%程度配合した組成としても、(B)成分が0.1質量%では肌のやわらかさが実感できないことを確認した。
【0018】
本発明の化粧料を、ほとんど油を配合しない化粧水や化粧液、エッセンス、ジェル等のいわゆる水系の組成とする場合は、(B)成分は1質量%を超えて配合する必要はなく、0.15~1質量%で肌のやわらかさが実感できる。
一般的に油を含有する化粧料を皮膚に塗布すると、塗布後の肌はやわらかさを感じる傾向にある。これに対して、本発明の化粧料は油を含有しないか1質量%未満でも肌のやわらかさを実感できる。したがって、油が化粧料全量に対し1質量%未満(全く含まない場合を含む)〕の化粧料である時に、本発明の優れた効果が顕著に発揮される。本発明の肌のやわらかさが顕著に実感できるのは、油が化粧料全量に対し1質量%未満(全く含まない場合を含む)であって、(B)成分である(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが、化粧料全量に対し0.15~1質量%、好ましくは0.15~0.6質量%、より好ましくは0.18~0.6質量%、より一層好ましくは0.18~0.5質量%のときである。なお油を含有する組成の化粧料においても塗布後の肌のやわらかさは実現するので、化粧料の組成から1質量%以上の油の配合を排除するものではない。
【0019】
<(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガム>
(シロキクラゲ多糖体)
本発明の化粧料に含まれるシロキクラゲ多糖体は、シロキクラゲ科に属するキノコから溶媒を用いて抽出される水溶性多糖類であり、市販されているものを使用することができる。例えば、日本精化株式会社製のTremoist-TP、Tremoist-SL、Tremoist-SLB、オリザ油化社製の白キクラゲ多糖体-P等を使用することが出来る。Tremoist-TPはシロキクラゲ多糖体100%である。Tremoist-SLはシロキクラゲ多糖体の水溶液である。Tremoist-SLBはシロキクラゲ多糖体とBGと水の混合原料である。白キクラゲ多糖体-Pはシロキクラゲ科シロキクラゲの子実体から熱水抽出で得られた粉末でシロキクラゲ多糖体80%以上とグルクロン酸の混合原料である。
(スクレロチウムガム)
本発明の化粧料に含まれるスクレロチウムガムは、真菌の一種であるスクレロチウム・ロルフシー(Sclerotium rolfsii)から産生される多糖類であり、グルコース3分子がβ-1,3結合したグルコピラノシルユニットを主鎖骨格として、側鎖に1,6結合したグルコースを有している水溶性高分子である。スクレロチウムガムは、市販されているものを使用することができ、例えば、Alban Muller International社製のGRANULATEDAMIGELを使用することができる。GRANULATEDAMIGELはスクレロチウムガムが100%の単一原料であるが、混合原料を使用することも可能である。前記混合原料としては、スクレロチウムガムの水溶液であるBASFジャパン株式会社製のチノケア GL GREENが例示できる。
(ジュランガム)
本発明の化粧料に含まれるジュランガムは、スフィンゴモナス・エロディア(Sphingomonas elodea)から産生される多糖類を分離精製して得られる天然多糖類である。直鎖上の多糖類でグルコース2分子、グルクロン酸1分子、ラムノース1分子が結合した主鎖骨格を有している。ジュランガムは、市販されているものを使用することができ、例えば、CP Kelco U.S., Inc.社製のケルコゲルやケルコゲルHMを使用することができる。
(カラギーナン)
本発明の化粧料に含まれるカラギーナンは、紅藻類から抽出された多糖類であり、D-ガラクトースがα-1,3結合またはβ-1,4結合を交互に繰り返した構造を有している。本発明においてカラギーナンは市販品を使用することができ、CP Kelco Inc.社製のGENUVISCO type PJ-JPEや住友ファーマフード&ケミカル株式会社製のシーピーガムFAが挙げられる。
(ローカストビーンガム)
本発明の化粧料に含まれるローカストビーンガムは、カロブ樹の種子から得られる多糖類であり、主成分としてガラクトマンナンを有している。マンノースとガラクトースの比率が4:1であることを特徴とする。ローカストビーンガムは市販品を使用することができ、CP Kelco Inc.社製のGENUGUM RL-200-Jが例示できる。
(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を、前述した(B)成分と共に化粧料全量に対し0.005~0.3質量%含有させることで、肌のやわらかさを実現する。(C)成分であるシロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上は化粧料全量に対し0.005~0.3質量%、好ましくは0.01~0.25質量%、より好ましくは0.02~0.25質量%となるように含有すると好ましい。(C)成分であるシロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる2以上を含有させる場合はその合計量が化粧料全量に対し0.005~0.3質量%、好ましくは0.01~0.25質量%、より好ましくは0.02~0.25質量%となるように含有すると好ましい。好ましい配合量の範囲だと肌のやわらかさとべたつき感のなさの観点で特に好ましい。
【0020】
<(D)多価アルコール>
本発明の化粧料は、多価アルコールを含有する。多価アルコールは化粧料に含有できるものであれば、いずれでもよい。(D)多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール(BG)、ポリエチレングリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール等が挙げられる。中でも、ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、マンニトールから選ばれる少なくとも1種以上を含有すると好ましい。多価アルコールは、化粧料全量に対し0.5~20質量%、好ましくは0.5~17質量%、より好ましくは1~13質量%含有すると好ましい。
【0021】
<(E)水>
水は化粧料に含有できるものであれば、いずれでもよい。精製水が好ましい。水は、化粧料全量に対し60~96質量%含有すると好ましい。
本発明の効果が顕著に実感できるのは油が少ない組成の時であるが、ほとんど油を含有しない化粧水や化粧液、エッセンス、ジェル等のいわゆる水系の組成〔油が化粧料全量に対し1質量%未満(全く油を含有しない場合を含む)〕の化粧料とする場合は、(E)水は化粧料全量に対し80~96質量%、より好ましくは85~96質量%含有すると好ましい。
【0022】
(A)3質量%以上のナイアシンアミドと共に(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%、(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%、(D)多価アルコールを化粧料全量に対し0.5~20質量%、(E)水を化粧料全量に対し60~96質量%含有する化粧料とすることで、3質量%以上の高濃度の(A)ナイアシンアミドを含有した化粧料の塗布時のべたつきを解消し、さらに塗布後のキシミを解消し、塗布後の肌のやわらかさを実現する。
【0023】
(任意成分)
本発明の化粧料は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で界面活性剤、油、高級アルコール、増粘剤、キレート剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、他の機能性成分(生理活性成分)、香料、色素、溶剤、天然物の抽出物等を含んでもよい。任意で含有する油としては、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、エステル油、シリコーン油等が例示できる。
例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、メドウフォーム油、アルガニアスピノサ核油、プルケネチアボルビリス種子油、アボカド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素油としては、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン、スクワラン、スクワレン、ミネラルオイル、オレフィンオリゴマー、水添ポリデセン、ワセリン、トリデカン、ウンデカン等が例示できる。エステル油としては、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸グリコール、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、イソデシルベンゾエート、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリット、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(イソステアリン酸/ミリスチン酸)グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3-ブチレングリコール、ジ2-エチルヘキサン酸1,3-ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリエチルヘキサノイン、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル等が例示できる。シリコーン油としては、ジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、アミノ変性シリコーン、シクロヘキサシロキサン、シクロペンタシロキサン等が例示できる。
【0024】
本発明の化粧料は、乳液、クリーム、化粧水、化粧液、美容液又はジェルとすることができる。中でも化粧水に代表される水を80~96質量%含有する化粧料にすると、本発明の優れた使用感(べたつきがない、キシミがない、肌がやわらかい)がより一層実感されるので最適である。また任意に配合される油の含有量が少ない化粧料であっても、本発明の優れた使用感(べたつきがない、キシミがない、肌がやわらかい)は実感されるので、油が1~3質量%、或いは1質量%未満の化粧料に最適である。
【実施例0025】
以下に実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
<実施例1~13、比較例1~4の組成による化粧料の比較試験>
1.試験方法
下記の表1、表2に示す組成の化粧料を常法により調製した。なお表中の数字は、化粧料全量を100質量%とする質量%で表示した。
また表に記載のシマルゲルEG(SIMULGEL EG)は、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとして37.5質量%、イソヘキサデカン22.5質量%%、ポリソルベート80が7.5質量%、オレイン酸ソルビタン2.5質量%、水30質量%からなる混合原料であり、シマルゲルEGを0.5質量%含有した組成では油であるイソヘキサデカンが0.1125質量%、シマルゲルEGを1.3質量%含有した組成(実施例6)では油であるイソヘキサデカンが0.2925質量%、シマルゲルEGを1.5質量%含有した組成(実施例7)では油であるイソヘキサデカンが0.3375質量%含有される。
【0026】
【0027】
【0028】
実施例1~13は(A)ナイアシンアミドを3~8質量%含有し、(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを0.1875~0.5625質量%含有し、(C)シロキクラゲ多糖体を0.01~0.3質量%含有し、(D)多価アルコールを2~5質量%含有し、(E)水を88.45~92.45質量%含有した化粧料(化粧水)である。
一方、比較例1~4は(A)ナイアシンアミドを5質量%、(D)多価アルコールを5質量%含有し、(E)水を89.45~89.95質量%含有した化粧料(化粧水)であるが、(B)成分か(C)成分のいずれかを含有しない組成である。比較例3、比較例4は、実施例3の(C)シロキクラゲ多糖体0.05質量%に替えて、キサンタンガム、ヒアルロン酸Naを夫々0.05質量%、0.02質量%配合した組成である 。
【0029】
実施例1~13、比較例1~4の化粧料は、以下の基準で肌に塗布して評価を行った。なお官能評価は、熟練した専門の官能評価員5名により、塗布後の使用感を協議して決定した。
【0030】
<塗布中のべたつきの評価>
化粧料を皮膚に適量塗布し、指で円を描くように馴染ませる際に発生するべたつき感について官能評価を行った。
○;べたつきが感じられなかった
△;僅かにべたつきを感じた
×;べたつきを感じた
【0031】
<塗布後のキシミ感の評価>
化粧料を皮膚に十分に馴染ませてから5分放置し、塗布部位を指で軽く擦るようにしてキシミの官能評価を行った。
○;キシミが感じられなかった
△;僅かにキシミを感じた
×;強いキシミを感じた
【0032】
<塗布後の肌のやわらかさの評価>
化粧料を皮膚に十分に馴染ませてから5分放置し、十分に馴染んだ肌を、指・手のひらで覆った時に、やわらかく感じるかどうか官能評価を行った。
◎;肌がとても柔らかく感じた
○;肌が柔らかく感じた
△;僅かに肌が柔らかく感じた
×;肌が柔らかく感じられなかった
【0033】
2.試験結果
各項目の評価結果は、表1、表2の下段に示す通りであった。実施例1~13の化粧料は、ナイアシンアミドを3~8質量%と高配合したことに起因するべたつきが抑制されていると感じられた。実施例8は(C)シロキクラゲ多糖体を0.3質量%含有するが、僅かにべたつきが感じられた(△評価)。これはシロキクラゲ多糖体を多く配合したことに起因すると考えられたが、特にべたつきを気にする消費者向けの商品でなければ、許容範囲であると判断した。また実施例1~13の化粧料はいずれもキシミは感じられなかった。肌のやわらかさに関しては、実施例1~13の化粧料はいずれも優れていた(◎評価、〇評価)。
やわらかさの評価結果をより詳細に見ると(B)成分が0.5625質量%の実施例7は〇評価であり(C)成分が0.3質量%の実施例8は〇評価であり、(C)成分が0.01質量%の実施例1は〇評価であった。つまり実施例1、7、8の化粧料は、実施例1~6、9~13の化粧料〔(B)成分が0.1875~0.48質量%であり(C)成分が0.02~0.25質量%〕と比べると評価が劣っていた。肌のやわらかさの評価項目において〇評価は化粧料の品質として十分であるが、(B)成分或いは(C)成分の配合量が多くなるほど肌が柔らかく感じられるというものではないことがわかった。経済面を考慮すると、(A)ナイアシンアミドを3~8質量%と多く含有した化粧料において、(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1質量%、(C)シロキクラゲ多糖体を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%含有すると、べたつかず、キシミもなく、肌が柔らかくなるという優れた使用感の化粧料が得られることがわかった。
一方、(B)成分を欠く比較例1、(C)成分を欠く比較例2、(C)成分をキサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウムに置き換えた比較例3、比較例4は、いずれかの項目が×評価となり好ましい使用感が得られなかった。
【0034】
次に実施例3の組成から(C)成分:シロキクラゲ多糖体を、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムに置き換えた実施例14~17を示す。各化粧料の調製、評価は前述の試験と同様に行った。
【0035】
【0036】
表3に示したとおり、実施例3のシロキクラゲ多糖体をスクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムのいずれかの成分に置き換えても、官能評価結果は〇以上であった。本発明の構成をとることにより、ナイアシンアミドを高含有する化粧料において、べたつき感、キシミ感がなく、肌のやわらかさが感じられる、使用感に優れた化粧料が提供できることがわかった。
【0037】
以上示した通り、本発明の構成をとることにより、ナイアシンアミドを高含有する化粧料において、べたつき感、キシミ感がなく、肌のやわらかさが感じられる、使用感に優れた化粧料が提供できた。
【0038】
以下に各種化粧料の処方例と評価を示す。
<処方例1 化粧液>
配合量(質量%)
ナイアシンアミド 5
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー0.5
シロキクラゲ多糖体 0.1
ブチレングリコール(BG) 5
ジグリセリン 1.5
ベタイン 0.5
グリセレス-26 3
エチルへキシルグリセリン 0.05
ペンチレングリコール 2
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー 0.05
変性コーンスターチ 0.4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
水酸化K 0.2
クエン酸 0.02
クエン酸Na 0.1
精製水 残余
(評価)
処方例1の化粧液を常法により調製した。得られた化粧液は、べたつき感、キシミ感、肌のやわらかさのいずれの評価も優れていた。
【0039】
<処方例2 化粧水>
配合量(質量%)
ナイアシンアミド 5
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.15
スクレロチウムガム 0.1
ブチレングリコール(BG) 6
グリセリン 2
エチルへキシルグリセリン 0.05
ペンチレングリコール 1.5
精製水 残余
(評価)
処方例2の化粧水を常法により調製した。得られた化粧水は、べたつき感、キシミ感、肌のやわらかさのいずれの評価も優れていた。
また処方例2のスクレロチウムガム0.1質量%を、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムのいずれかの成分0.1質量%に置き換えた組成(処方例3~5)で、同様にして化粧水を調製したが、得られた化粧水は、いずれもべたつき感、キシミ感、肌のやわらかさの評価において優れていた。
【0040】
<処方例6 美容液>
配合量(質量%)
ナイアシンアミド 5
グリチルリチン酸ステアリル 0.1
トリエチルヘキサノイン 4
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 1
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル
0.2
パルミチン酸セチル 0.5
SIMULGEL EG 2
ステアリン酸ソルビタン 0.2
フィトステロールズ 0.01
セラミドII 0.01
加水分解ヒアルロン酸 0.05
シロキクラゲ多糖体 0.02
ヒアルロン酸Na 0.01
エチルへキシルグリセリン 0.1
ペンチレングリコール 2
マンニトール 1
グリセリン 8
精製水 残余
(評価)
処方例6の美容液を常法により調製した。得られた美容液は、べたつき感、キシミ感、肌のやわらかさのいずれの評価も優れていた。
また処方例6のシロキクラゲ多糖体0.02質量%を、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムのいずれかの成分0.02質量%に置き換えた組成(処方例7~10)で、同様にして美容液を調製したが、得られた美容液は、いずれもべたつき感、キシミ感、肌のやわらかさの評価において優れていた。
【0041】
<処方例11 乳液>
配合量(質量%)
ナイアシンアミド 5
SIMULGEL EG 3
マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 2
リンゴ酸ジイソステアリル 1
べへニルアルコール 0.5
水添ポリデセン 5
トリエチルヘキサノイン 5
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 2
ステアリル酸グリセリル 0.5
オレイン酸ソルビタン 0.35
ポリソルベート60 0.5
ポリクオタニウム-51 0.05
シロキクラゲ多糖体 0.05
カルボマーK 0.1
フェノキシエタノール 0.2
BG 5
グリセリルグルコシド 2
グリセリン 10
香料 0.1
精製水 残差
(評価)
処方例11の乳液を常法により調製した。得られた乳液は、べたつき感、キシミ感、肌のやわらかさのいずれの評価も優れていた。
また処方例11のシロキクラゲ多糖体0.05質量%を、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムのいずれかの成分0.05質量%に置き換えた組成(処方例12~15)で、同様にして乳液を調製したが、得られた乳液は、いずれもべたつき感、キシミ感、肌のやわらかさの評価において優れていた。
【0042】
<処方例16 オールインワンゲル化粧料>
配合量(質量%)
ナイアシンアミド 5
グリセリン 5
BG 5
ペンチレングリコール 2
ローズマリー葉エキス 0.1
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.75
ポリソルベート60 0.3
ポリソルベート80 0.05
オレイン酸ソルビタン 0.01
イソヘキサデカン 1
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.5
ジメチコン 2
テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 3
スクワラン 2
シロキクラゲ多糖体 0.07
ノバラ油 0.03
精製水 残余
(評価)
処方例16のオールインワンゲル化粧料を常法により調製した。得られたオールインワンゲル化粧料は、べたつき感、キシミ感、肌のやわらかさのいずれの評価も優れていた。
また処方例16のシロキクラゲ多糖体0.07質量%を、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムのいずれかの成分0.07質量%に置き換えた組成(処方例17~20)で、同様にしてオールインワンゲル化粧料を調製したが、得られたオールインワンゲル化粧料は、いずれもべたつき感、キシミ感、肌のやわらかさの評価において優れていた。
【0043】
以上、実施例1~17、比較例1~4、処方例1~20で示した通り、(A)ナイアシンアミドを化粧料全量に対し3質量%以上と多く含有した化粧料において、(B)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び/又は(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料全量に対し0.15~1.5質量%、(C)シロキクラゲ多糖体、スクレロチウムガム、ジュランガム、カラギーナン及びローカストビーンガムから選ばれる1以上を化粧料全量に対し0.005~0.3質量%、(D)多価アルコール、(E)水を含有すると、べたつかず、キシミもなく、肌がやわらかくなるという優れた使用感の化粧料が得られることを確認した。
本発明によりナイアシンアミドを高含有する化粧料であって、べたつき感がなく、塗布後に肌になじませる際に感じられるキシミ感を抑制し、さらに肌のやわらかさが感じられる優れた使用感の化粧料が提供できた。