(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131926
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】プレキャストコンクリート用膨張材及びそれを用いたプレキャストコンクリート
(51)【国際特許分類】
C04B 22/06 20060101AFI20240920BHJP
C04B 22/14 20060101ALI20240920BHJP
C04B 20/00 20060101ALI20240920BHJP
C04B 18/08 20060101ALI20240920BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20240920BHJP
C04B 14/28 20060101ALI20240920BHJP
C04B 22/08 20060101ALI20240920BHJP
C04B 40/02 20060101ALI20240920BHJP
B28B 11/24 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
C04B22/06 Z
C04B22/14 B
C04B20/00 B
C04B18/08 Z
C04B18/14 A
C04B14/28
C04B22/08 Z
C04B40/02
B28B11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042502
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】501173461
【氏名又は名称】太平洋マテリアル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】竹下 永造
【テーマコード(参考)】
4G055
4G112
【Fターム(参考)】
4G055AA01
4G055BA04
4G112MA00
4G112MB01
4G112MB06
4G112MB12
4G112RA05
(57)【要約】
【課題】プレキャストコンクリートに使用され、良好な膨張性能と強度増進効果を有するプレキャストコンクリート用膨張材を提供する。
【解決手段】プレキャストコンクリートに使用する膨張材であって、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰と、石膏類と、無機微粉末とを含有し、且つ、前記膨張材中の前記硬焼生石灰の粒度が、粒子含有率として、150μm以上が0.1質量%、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%であるプレキャストコンクリート用膨張材。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャストコンクリートに使用する膨張材であって、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰と、石膏類と、無機微粉末とを含有し、
且つ、前記膨張材中の前記硬焼生石灰の粒度が、粒子含有率として、150μm以上が0.1質量%以下、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%であるプレキャストコンクリート用膨張材。
【請求項2】
前記無機微粉末が、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末及びポルトランドセメントの群から選ばれる1種以上である請求項1記載のプレキャストコンクリート用膨張材。
【請求項3】
前記膨張材中、硬焼生石灰の含有率が20~40質量%、石膏類の含有率が40~60%、無機微粉末が5~30質量%である請求項1又は2に記載のプレキャストコンクリート用膨張材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリート。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリートの製造方法であって、
前記プレキャストコンクリートを型枠に充填後、蒸気養生を行うことを特徴とするプレキャストコンクリートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリートに用いる膨張材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリートの収縮応力を緩和してひび割れの発生を抑制するために、コンクリートに膨張材等の膨張性混和材が使用されている。この膨張性混和材としては、遊離石灰の水和膨張を利用した石灰系膨張材(例えば特許文献1参照)、カルシウムサルホアルミネートなどのエトリンガイト生成物質を主成分としたエトリンガイト系膨脹材(例えば特許文献2参照)などが知られている。これら膨張材は、一般的に土木分野における一般構造物コンクリート、水理構造物などの構築、あるいはヒューム管やボックスカルバート等のコンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)の製造に主に使用されている。
【0003】
しかしながら、プレキャストコンクリートに汎用の膨張材を使用した場合、蒸気養生によって、早期に膨張量が過大になりすぎるため、所定の強度が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭62-61548号公報
【特許文献2】特開2003-63847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、プレキャストコンクリート用膨張材として好適な膨張材について検討を行ったものであり、プレキャストコンクリート用として、良好な膨張性能と強度増進効果を有する膨張材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、プレキャストコンクリート用の膨張材としては、ゆっくりと時間をかけて反応する膨張材が好適であることが分かった。そこで、膨張材に使用される硬焼生石灰の反応性に着目して検討した結果、上記課題を解決できるプレキャストコンクリート用膨張材を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔5〕である。
〔1〕プレキャストコンクリートに使用する膨張材であって、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰と、石膏類と、無機微粉末とを含有し、且つ、前記膨張材中の前記硬焼生石灰の粒度が、粒子含有率として、150μm以上が0.1質量%以下、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%であるプレキャストコンクリート用膨張材。
〔2〕前記無機微粉末が、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末及びポルトランドセメントの群から選ばれる1種以上である〔1〕のプレキャストコンクリート用膨張材。
〔3〕前記膨張材中、硬焼生石灰の含有率が20~40質量%、石膏類の含有率が40~60%、無機微粉末が5~30質量%である〔1〕又は〔2〕のプレキャストコンクリート用膨張材。
〔4〕〔1〕~〔3〕のいずれかのプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリート。
〔5〕〔1〕~〔3〕のいずれかのプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリートの製造方法であって、前記プレキャストコンクリートを型枠に充填後、蒸気養生を行うことを特徴とするプレキャストコンクリートの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の膨張材をプレキャストコンクリートに使用した場合、良好な膨張性能と強度増進効果を有するプレキャストコンクリートを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のプレキャストコンクリート用膨張材(以下、単に膨張材と記載する場合がある。)は、プレキャストコンクリートに使用する膨張材であって、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰と、石膏類と、無機微粉末とを含有する。以下、詳細に説明する。
【0009】
(硬焼生石灰)
生石灰には、その焼成度に応じて、軽焼生石灰、中焼生石灰、硬焼生石灰があるが、本発明のプレキャストコンクリート用膨張材に用いる生石灰は、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰である。硬焼生石灰の全気孔率が5%未満では、反応が遅くなりすぎるため膨張量が大きくなる。一方、全気孔率が10%を超えると、反応が早くなりすぎるため膨張量が小さくなる。硬焼生石灰の全気孔率を5~10%となるよう調製することによって、良好な膨張性能と、優れた強度増進効果を有するプレキャストコンクリート用膨張材を得ることができる。
【0010】
硬焼生石灰の全気孔率は、硬焼生石灰の真密度と嵩密度から、下記式(1)により算出される。
全気孔率(%)=100×((真密度-嵩密度)/真密度) (1)
なお、真密度及び嵩密度は、JIS Z 8807「固体の密度及び比重の測定方法」に準じて測定することができる。具体的には、嵩密度は幾何学的測定による方法等によって測定することができ、真密度は気体置換法等によって測定することができる。
【0011】
硬焼生石灰は、粉砕、分級し、粉末として膨張材に使用される。膨張材中の硬焼生石灰の粒度は、粒子含有率として、150μm以上が0.1質量%以下、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%である。50~150μmの粒子含有率が25質量%を未満であると、所定の膨張量が得られない虞がある。一方、40質量%を超えると、膨張量が過多になり、圧縮強度の低下を招く虞がある。また、10~50μmの粒子含有率が25質量%を未満であると、強度増進効果が得られない虞がある。一方、40質量%を超えると強度増加による膨張量の低下を引き起こす虞がある。150μm以上については、0.1質量%を超えると、良好なコンクリートの肌面を得ることができなくなる虞がある。硬焼生石灰の粒子含有率については、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。
【0012】
本発明のプレキャストコンクリート用膨張材中の硬焼生石灰の含有量は、膨張性能及び強度増進性の点から、20~40質量%が好ましく、25~35質量%がより好ましい。
【0013】
(石膏類)
本発明のプレキャストコンクリート用膨張材は、膨張性能の調整あるいは強度増進性の向上の点から、石膏類を含有する。石膏類としては、無水石膏、二水石膏、半水石膏等が挙げられる。特に強度増進性の点から無水石膏が好ましい。また、石膏には天然石膏、人工的に製造又は副産される化学石膏があるが、いずれも使用することができる。副産される化学石膏としては、排煙脱硫石膏、リン酸石膏、フッ酸石膏、チタン石膏等が挙げられる。石膏類の粉末度は、ブレーン比表面積で3000~12000cm2/gが好ましく、4000~10000cm2/gがより好ましい。膨張材中の石膏類の含有量は、膨張性能及び強度増進性の点から、40~60質量%が好ましく、45~55質量%がより好ましい。
【0014】
(無機微粉末)
本発明のプレキャストコンクリート用膨張材は、膨張性能の調整あるいは長期的な乾燥収縮の抑制効果の点から、無機微粉末を含有する。無機微粉末としては、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末及びポルトランドセメントの群から選ばれる1種以上が好ましい。これら無機微粉末の粉末度は、ブレーン比表面積で2000~10000cm2/gが好ましく、3000~8000cm2/gがより好ましい。膨張材中の無機微粉末の含有量は、膨張性能及び長期的な乾燥収縮の抑制効果の点から、5~30質量%が好ましく、10~25質量%がより好ましい。
【0015】
本発明のプレキャストコンクリート用膨張材には、本発明の効果を損なわない範囲で、一般的なセメント用混和剤として使用されている各種粉末状混和剤が添加されていてもかまわない。このような混和剤としては、例えば、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、流動化剤AE剤、高性能AE減水剤、収縮低減剤、発泡剤、起泡剤、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、水和熱抑制剤等が挙げられる。
【0016】
(プレキャストコンクリート)
本発明のプレキャストコンクリートは、上記のプレキャストコンクリート用膨脹材を含有する。プレキャストコンクリート用膨張材の配合量は、膨張性能及び強度増進性の点から、10~30kg/m3とすることが好ましい。
【0017】
本発明のプレキャストコンクリートに使用するセメントは、一般のコンクリートに使用する水硬性セメントであれば特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、低熱、中庸熱、白色等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、各種ポルトランドセメントにフライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム等を混合した各種混合セメント等を用いることができ、これら1種または2種以上を使用することができる。セメントの配合量(単位セメント量)は、250~550kg/m3が好ましく、300~500kg/m3がより好ましい。
【0018】
本発明のプレキャストコンクリートに使用する骨材は、一般のコンクリートに使用する骨材であれば特に限定されない。具体的には、細骨材は、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、及び人工細骨材等から選ばれる1種以上が挙げられ、粗骨材は川砂利、山砂利、砕石、及び人工粗骨材等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、天然骨材に限定されず、スラグ骨材等の人工骨材や再生骨材も用いることができる。また、前記細骨材および粗骨材の配合量は、いずれの骨材も、良好なワーカビリティの観点から、500~1100kg/m3が好ましく、600~1000kg/m3がより好ましい。
【0019】
本発明のプレキャストコンクリートに使用する水は、特に限定されるものではなく、上水道水等を使用することができる。水の配合量(単位水量)は、100~300kg/m3が好ましく、さらに150~250kg/m3が好ましい。
【0020】
本発明のプレキャストコンクリートには、本発明の膨脹材、骨材及び水以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常のモルタルやコンクリートに使用できる混和剤を添加することができる。この混和材料としては、例えば、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤、流動化剤を含む減水剤、防水剤、急結剤、急硬剤、顔料、撥水剤、発泡剤、起泡剤、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、防錆剤、水中不分離性混和剤、セメント用ポリマー、繊維、シリカフューム、フィラー等が挙げられる。
【0021】
本発明のプレキャストコンクリートは、良好な膨張性能を有する。具体的には、材齢7日における拘束膨張率が300~450×10-6の範囲となる。また、強度増進性に優れる。具体的には、膨張材無添加のプレーンコンクリートの強度以上の強度発現性を有する。
【0022】
(プレキャストコンクリートの製造方法)
本発明におけるプレキャストコンクリートの製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なプレキャストコンクリートにおける製造方法を用いることができるが、特に本発明のプレキャストコンクリート用膨張材を用いる場合は、プレキャストコンクリートを型枠に充填後、蒸気養生を行うことが好ましい。蒸気養生条件は、特に制限されるものではないが、養生温度は45~85℃であることが好ましい。
【実施例0023】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
(硬焼生石灰の作製)
石灰石(奥多摩工業社製)を原料として、焼成温度1300~1500℃で電気炉焼成を行い、全気孔率が3~12%の硬焼生石灰を得た。この硬焼生石灰の焼成物を粉砕、分級することによって、所定の粒度分布を有する粉末とした。
【0025】
(硬焼生石灰の全気孔率の測定)
硬焼生石灰の焼成物(塊状)を直方体(約5×5×10mm)の形に加工し、これを約110℃の乾燥機で乾燥させた。この乾燥試料の重量及び寸法を正確に測って、嵩密度を求めた(幾何学的測定による方法)。次に、硬焼生石灰の焼成物を指で触ってもざらつかない程度(50μm以下)に粉砕し、乾式自動密度計(島津製作所製;アキュピックII1340)にて真密度を測定した(気体置換法)。10回測定し平均値を真密度とした。嵩密度と真密度より、全気孔率を算定した。
【0026】
(硬焼生石灰の粒子含有率の測定)
硬焼生石灰の粉末の粒子含有率は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日本レーザー社製;HEROS)にて測定した。
【0027】
(膨張材の作製)
作製した硬焼生石灰と、石膏及び無機微粉末を配合し、膨張材(EX)を作製した。石膏として無水石膏(市販品;ブレーン7000cm2/g)を、無機微粉末として早強ポルトランドセメント(太平洋セメント社製;ブレーン4600cm2/g、密度3.14g/cm3)を使用した。
【0028】
(モルタル試験体による評価試験)
プレキャストコンクリート用膨張材としての性能を評価するため、モルタル試験体による評価試験を実施した。20℃環境下にて、作製した各種膨張材を添加したモルタル試験体を作製した。使用材料を下記に示す。また、モルタル配合を表1に示す。モルタルは型枠(寸法;4×4×16cm)に充填後、蒸気養生を行った。養生条件は、20℃で前置き時間3時間とし、15℃/hで昇温し、最高温度65℃で3時間保持、5℃/hで降温し、20℃で3時間冷却した。このモルタル試験体を用いて、膨張性能及び強度増進性を評価した。
【0029】
(使用材料)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント、太平洋セメント社製、密度3.16g/cm3
・砂(S):JIS標準砂
・水(W):上水道水
【0030】
【0031】
(評価試験)
評価試験方法を下記に示す。
(1)拘束膨張率
JIS A 6202「コンクリート用膨張材」の附属書Aに準じて試験を行い、材齢7日の拘束膨張率を求めた。
(2)圧縮強度
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて試験を行い、材齢1日の圧縮強度を測定した。
【0032】
[実施例1]
全気孔率の異なる硬焼生石灰を用いて試験を実施した。膨張材の配合は、硬焼生石灰30質量%、石膏50質量%、無機微粉末20質量%とした。硬焼生石灰の全気孔率及び粒度分布と、試験結果を表2に示す。全気孔率が5~10質量%の範囲で、良好な膨張性能と強度増進効果を示した。なお、膨張材無添加の配合における圧縮強度は30.9N/mm2であった。
【0033】
【0034】
[実施例2]
粒度分布の異なる硬焼生石灰を使用して実験を行った。膨張材は実施例1と同じ配合で調製した。硬焼生石灰の全気孔率及び粒度分布と、試験結果を表3に示す。粒子含有率として、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%の範囲において、良好な膨張性能と強度増進効果を有することが分かった。
【0035】
【0036】
[実施例3]
膨張材の配合を変えて実験を行った。硬焼生石灰は、試験No.1-3と同じものを使用した。膨張材の配合と、試験結果を表4に示す。いずれの配合においても、良好な膨張性能と強度増進効果を有することが分かる。
【0037】
前記無機微粉末が、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末及びポルトランドセメントの群から選ばれる1種以上である請求項1記載のプレキャストコンクリート用膨張材。
本発明者らは、鋭意検討した結果、プレキャストコンクリート用の膨張材としては、ゆっくりと時間をかけて反応する膨張材が好適であることが分かった。そこで、膨張材に使用される硬焼生石灰の反応性に着目して検討した結果、上記課題を解決できるプレキャストコンクリート用膨張材を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔6〕である。
〔1〕プレキャストコンクリートに使用する膨張材であって、全気孔率が5~10%となる硬焼生石灰と、石膏類と、無機微粉末とを含有し、且つ、前記膨張材中の前記硬焼生石灰の粒度が、粒子含有率として、150μm以上が0.1質量%以下、50~150μmが25~40質量%、10~50μmが25~40質量%であるプレキャストコンクリート用膨張材。
〔2〕前記無機微粉末が、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末及びポルトランドセメントの群から選ばれる1種以上である〔1〕のプレキャストコンクリート用膨張材。
〔3〕前記膨張材中、硬焼生石灰の含有率が20~40質量%、石膏類の含有率が40~60%、無機微粉末が5~30質量%である〔1〕のプレキャストコンクリート用膨張材。
〔4〕前記膨張材中、硬焼生石灰の含有率が20~40質量%、石膏類の含有率が40~60%、無機微粉末が5~30質量%である〔2〕のプレキャストコンクリート用膨張材。
〔5〕〔1〕~〔4〕のいずれかのプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリート。
〔6〕〔1〕~〔4〕のいずれかのプレキャストコンクリート用膨張材を含有するプレキャストコンクリートの製造方法であって、前記プレキャストコンクリートを型枠に充填後、蒸気養生を行うことを特徴とするプレキャストコンクリートの製造方法。