(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024131929
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】センサー回路
(51)【国際特許分類】
G08C 15/06 20060101AFI20240920BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
G08C15/06 H
G08C15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042505
(22)【出願日】2023-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】五味 正揮
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA03
2F073AA11
2F073AB01
2F073AB02
2F073AB03
2F073BB04
2F073BC01
2F073CC03
2F073CC10
2F073CD11
2F073DD07
2F073DE17
2F073EF08
2F073FG02
2F073FG04
(57)【要約】
【課題】複数のセンサーの検出結果の比較精度の向上。
【解決手段】物理量を検出する第1センサー素子と、前記第1センサー素子からの信号が入力され、同期信号に基づいて、前記物理量を示す第1検出データを出力する第1検出回路と、前記物理量を検出する第2センサー素子と、前記第2センサー素子からの信号が入力され、前記同期信号に基づいて、前記第1検出データが示す前記物理量と同一タイミングの前記物理量を示す第2検出データを出力する第2検出回路と、前記第1検出データおよび前記第2検出データを取り込む、レジスターと、前記第1検出データおよび前記第2検出データを前記レジスターから読み出し、読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データを比較する比較部と、を備えるセンサー回路を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出する第1センサー素子と、
前記第1センサー素子からの信号が入力され、同期信号に基づいて、前記物理量を示す第1検出データを出力する第1検出回路と、
前記物理量を検出する第2センサー素子と、
前記第2センサー素子からの信号が入力され、前記同期信号に基づいて、前記第1検出データが示す前記物理量と同一タイミングの前記物理量を示す第2検出データを出力する第2検出回路と、
前記第1検出データおよび前記第2検出データを取り込む、レジスターと、
前記第1検出データおよび前記第2検出データを前記レジスターから読み出し、読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データを比較する比較部と、
を備えるセンサー回路。
【請求項2】
前記比較部は、
読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データの差分が閾値以下である場合に、読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データの一方または統計値を出力する、
請求項1に記載のセンサー回路。
【請求項3】
前記比較部は、
読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データの差分が閾値より大きい場合に故障であることを示す故障検出信号を出力する、
請求項1または請求項2に記載のセンサー回路。
【請求項4】
前記物理量を検出する第3センサー素子と、
前記第3センサー素子からの信号が入力され、前記同期信号に基づいて、前記第1検出データが示す前記物理量と同一タイミングの前記物理量を示す第3検出データを出力する第3検出回路と、をさらに備え、
前記レジスターは、前記第1検出データと、前記第2検出データと、前記第3検出データと、を取り込み、
前記比較部は、前記第1検出データと、前記第2検出データと、前記第3検出データと、を前記レジスターから読み出し、
読み出した前記第1検出データと、前記第2検出データと、前記第3検出データと、から選択された2つのデータを比較し、差分が閾値以下であるデータの一つまたは統計値を出力する、
請求項1に記載のセンサー回路。
【請求項5】
前記第1センサー素子と前記第2センサー素子は、
前記物理量を異なる精度で検出するセンサーであり、
前記比較部は、
前記第1検出データと、前記第2検出データと、の少なくとも一方の信号レベルを調整し、比較する、
請求項1または請求項2に記載のセンサー回路。
【請求項6】
前記第1検出回路と前記第2検出回路は、
前記同期信号に基づいて生成されたトリガーが入力された後、前記物理量を検出するまでの所要時間が異なり、
前記第1検出回路に入力される前記トリガーと前記第2検出回路に入力される前記トリガーには、前記所要時間の差分に相当する遅延時間が与えられている、
請求項1または請求項2に記載のセンサー回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサーを冗長化する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、第1の慣性力センサーと同一の慣性力を検出する第2の慣性力センサーが検出した慣性力を相互比較し、比較結果に基づいて故障を診断する故障診断部を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、複数のセンサーが独立に動作しているため、各センサーによって測定されたデータが異なるタイミングにおける物理量を示している可能性がある。異なるタイミングにおける物理量が検出された場合、当該物理量を比較しても、不正確な結論になり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための一実施形態としてのセンサー回路は、物理量を検出する第1センサー素子と、前記第1センサー素子からの信号が入力され、同期信号に基づいて、前記物理量を示す第1検出データを出力する第1検出回路と、前記物理量を検出する第2センサー素子と、前記第2センサー素子からの信号が入力され、前記同期信号に基づいて、前記第1検出データが示す前記物理量と同一タイミングの前記物理量を示す第2検出データを出力する第2検出回路と、前記第1検出データおよび前記第2検出データを取り込む、レジスターと、前記第1検出データおよび前記第2検出データを前記レジスターから読み出し、読み出した前記第1検出データおよび前記第2検出データを比較する比較部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係るセンサーモジュールの構成例。
【
図2】センサーモジュールの動作を説明するタイミングチャート。
【
図3】マイクロコントローラーの動作を説明するフローチャート。
【
図5】第2実施形態に係るセンサーモジュールの構成例。
【
図6】第2実施形態に係る比較処理を説明するフローチャート。
【
図7】第3実施形態に係るセンサーデバイスの構成例。
【
図8】第4実施形態に係るセンサーデバイスの構成例。
【
図9】第5実施形態に係るセンサーデバイスの構成例。
【
図10】第6実施形態に係るセンサーデバイスの構成例。
【
図11】第6実施形態の動作を説明するタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0008】
(1)第1実施形態
図1に本実施形態のセンサーモジュール10の構成例を示す。センサーモジュール10は複数のセンサーデバイスにより構成される物理量検出モジュールであり、このセンサーモジュール10によりセンサーシステムやセンサーユニットが実現される。
図1のセンサーモジュール10は、第1センサーデバイス20Xと、第2センサーデバイス20Yと、マイクロコントローラー80を含む。なおセンサーモジュール10は
図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形が可能である。例えば
図1ではセンサーデバイスの個数が2個の場合の例を示しているが、センサーデバイスの個数は3個以上であってもよい。例えば本実施形態のセンサーモジュール10は第1センサーデバイス~第nセンサーデバイス(nは2以上の整数)を含むことができる。
【0009】
第1センサーデバイス20Xは、第1センサー素子50Xと、第1センサー素子50Xからの信号が入力されて検出処理を行う第1検出回路60Xと、第1検出回路60Xからの第1検出データSD1を出力する第1インターフェース70Xを含む。第1センサーデバイス20Xは、第1センサー素子50Xと、第1検出回路60X及び第1インターフェース70Xを含む集積回路装置とが、パッケージに収容されたデバイスである。集積回路装置は半導体により実現されるICチップである。第2センサーデバイス20Yは、第2センサー素子50Yと、第2センサー素子50Yからの信号が入力されて検出処理を行う第2検出回路60Yと、第2検出回路60Yからの第2検出データSD2を出力する第2インターフェース70Yを含む。第2センサーデバイス20Yは、第2センサー素子50Yと、第2検出回路60Y及び第2インターフェース70Yを含む集積回路装置とが、パッケージに収容されたデバイスである。
【0010】
第1センサー素子50X、第2センサー素子50Yは、物理量を検出するセンサー素子であり、物理量トランスデューサーとも言うことができる。物理量は、例えば角速度、加速度、角加速度、速度、距離、圧力、音圧又は磁気量等である。第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yは、同一の物理量を検出する。角速度を例にとれば、第1センサー素子50Xが第1軸回りの角速度を検出する場合、第2センサー素子50Yも第1軸回りの角速度を検出する。但し、第1センサー素子50Xと、第2センサー素子50Yとの一方において測定可能な物理量が他方において測定不可能であっても良い。例えば、一方において3軸や6軸についての物理量を検出可能であり、他方において1軸についての物理量を検出可能である構成等が想定される。
【0011】
第1検出回路60X、第2検出回路60Yは、アナログ回路と、アナログ回路からのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路を含むことができる。アナログ回路は、センサー素子からの信号を増幅する増幅回路や、同期検波回路などの検波回路や、ゲイン調整回路や、或いはオフセット調整回路などを含むことができる。A/D変換回路は、デジタルの検出データをインターフェースに出力する。A/D変換回路のA/D変換方式としては、逐次比較型、デルタシグマ型、フラッシュ型、パイプライン型又は二重積分型等を採用できる。
【0012】
第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yは、例えばデジタルのインターフェース処理を行う回路であり、例えばシリアルデータの送信や受信を行う。具体的には、これらのインターフェースは、SPI又はI2Cの通信規格のインターフェース処理を行う。或いはSPI又はI2Cを発展した通信規格や、SPI又はI2Cの規格の一部を改良又は改変した通信規格のインターフェース処理を行ってもよい。
【0013】
マイクロコントローラー80は、第1センサーデバイス20Xからの第1検出データSD1及び第2センサーデバイス20Yからの第2検出データSD2が入力される。センサーモジュール10は、第1センサーデバイス20X及び第2センサーデバイス20Yとマイクロコントローラー80とを電気的に接続するデジタルインターフェースバスBSを含む。デジタルインターフェースバスBSは第1インターフェース70X及び第2インターフェース70Yが行うインターフェース処理の通信規格に準拠したバスである。デジタルインターフェースバスBSはデータ信号線、クロック信号線等を含む。またチップセレクト信号を含んでもよい。マイクロコントローラー80には、デジタルインターフェースバスBSを介して、第1センサーデバイス20Xから第1検出データSD1が入力され、第2センサーデバイス20Yから第2検出データSD2が入力される。なお第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yは、各々、端子TD1、端子TD2を介してデジタルインターフェースバスBSに電気的に接続される。ここで電気的に接続とは電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。マイクロコントローラー80は、第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yに対してマスターとなるコントローラーである。マイクロコントローラー80は、集積回路装置であり、例えばMPU、CPUなどのプロセッサーにより実現できる。或いはマイクロコントローラー80を、ゲートアレイなどの自動配置配線によるASICにより実現してもよい。
【0014】
本実施形態では、第1センサーデバイス20Xが、同期信号SYCが入力される第1同期端子TS1を有する。そして第1インターフェース70Xは、第1同期端子TS1に入力された同期信号SYCに基づいて、第1検出データSD1をマイクロコントローラー80に出力する。また第2センサーデバイス20Yは、同期信号SYCが入力される第2同期端子TS2を含む。そして第2インターフェース70Yは、第2同期端子TS2に入力された同期信号SYCに基づいて、第2検出データSD2をマイクロコントローラー80に出力する。
【0015】
ここで同期信号SYCは、外部同期信号又は外部同期信号に基づく信号である。外部同期信号EXSYCは、センサーモジュール10に接続される外部機器からセンサーモジュール10に入力される信号であり、同期タイミング毎にアクティブになる信号である。例えば外部同期信号EXSYCは一定期間毎にアクティブになる信号である。アクティブとは、正論理の場合にはHレベル(ハイレベル)であり、負論理の場合にはLレベル(ローレベル)である。第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yに入力される同期信号SYCは、外部同期信号EXSYCそのものであってもよいし、外部同期信号EXSYCに基づく信号であってもよい。外部同期信号EXSYCに基づく信号とは、外部同期信号EXSYCを用いて生成された信号である。例えば外部同期信号EXSYCに基づく信号は、マイクロコントローラー80などの他の回路が、外部同期信号EXSYCをサンプリングすることなどにより生成される信号である。第1同期端子TS1、第2同期端子TS2は、例えば第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yのパッケージに設けられる端子であり、外部接続用の端子である。
【0016】
以上のように本実施形態のセンサーモジュール10では、第1センサーデバイス20Xが第1同期端子TS1を含み、第2センサーデバイス20Yが第2同期端子TS2を含むというように、各々のセンサーデバイスが専用の同期端子を有している。そして第1センサーデバイス20Xは、第1同期端子TS1に入力された同期信号SYCに基づいて第1検出データSD1をマイクロコントローラー80に出力し、第2センサーデバイス20Yは、第2同期端子TS2に入力された同期信号SYCに基づいて第2検出データSD2をマイクロコントローラー80に出力する。従って、第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yの各々のセンサーデバイスは、同期端子に入力された同期信号SYCを用いて、同一タイミングにおいて同一の物理量を検出した検出データを取得し、マイクロコントローラー80に出力できるようになる。これにより、センサーモジュール10を用いて計測される情報の高精度化等を図れるようになる。
【0017】
マイクロコントローラー80は、デジタルインターフェース82、処理回路90、信号処理回路92、割り込みコントローラー94、外部インターフェース96を含む。デジタルインターフェース82は、第1センサーデバイス20X,第2センサーデバイス20Yとのインターフェース処理を行う回路である。即ち、第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yとの間でマスターとしてのインターフェース処理を行う。デジタルインターフェース82は、端子TMを介してデジタルインターフェースバスBSに接続される。デジタルインターフェース82は、第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yと同様に、SPI又はI2Cの通信規格、又はこれを発展させたり一部を改良又は改変させたりした通信規格のインターフェース処理を行う。
【0018】
処理回路90は、マイクロコントローラー80のコアCPUに対応する回路であり、各種の演算処理や制御処理を実行する。処理回路90は、各種のレジスターを有するレジスター91を含む。信号処理回路92は、比較処理やフィルター処理、補正処理などのデジタル信号処理を行う回路であり、DSPなどにより実現できる。具体的には信号処理回路92は、レジスター91に取り込まれた検出データを読み出して比較する。当該処理を実行するため、本実施形態においては、信号処理回路92が比較部に相当する。
【0019】
さらに、信号処理回路92は、レジスター91を参照し、検出データに対して最新のJ個の検出データの移動平均を計算した後、1/Kのレート(J、Kは2以上の整数)にダウンサンプリングする処理を行う。また信号処理回路92は、フィルター処理後の検出データに対する温度補正等の補正処理を行う。そして処理回路90は、補正処理後の検出データを、レジスター91に書き込む。そして処理回路90は、検出データの準備完了信号である信号DRDYを生成して、端子TRを介して、外部機器に信号DRDYを出力する。この信号DRDYは、信号処理回路92でのデジタル信号処理が完了したことを知らせる信号である。
【0020】
信号処理回路92における各種処理の順序は、種々の順序であって良い。例えば、信号処理回路92が、レジスター91から読み出した第1検出データおよび第2検出データに対して移動平均、ダウンサンプリング、フィルター処理、温度補正などの信号処理を行い、処理後の第1検出データおよび第2検出データに対して比較や故障検出などをおこなってもよい。この場合、信号処理回路92は、レジスター91に取り込まれた検出データを読み出し、読み出した第1検出データおよび第2検出データに対して、最新のJ個の検出データの移動平均を計算する。さらに、信号処理回路92は、移動平均後のデータを1/Kのレート(J、Kは2以上の整数)にダウンサンプリングする処理を行い、温度補正等の補正処理を行う。そして、信号処理回路92は、処理後の第1検出データおよび第2検出データの差分を取得する。さらに、信号処理回路92は、差分が閾値以下である場合に、読み出した第1検出データおよび第2検出データの統計値である平均値を算出し、レジスター91に出力し、書き込む。書き込まれたデータは、センサーが正常である場合の検出データと見なされる。一方、信号処理回路92は、差分が閾値より大きい場合に、故障であることを示す故障検出信号をレジスター91に出力し、書き込む。
【0021】
なお、信号処理回路92が、レジスター91から読み出した第1検出データおよび第2検出データに対して比較や故障検出などを行い、処理後の第1検出データおよび第2検出データに対して移動平均、ダウンサンプリング、フィルター処理、温度補正などの信号処理を行う構成を採用可能してもよい。
【0022】
レジスター91は、外部よりアクセス可能な複数のレジスターを有する。例えば、外部機器は、外部インターフェース96を介してレジスター91のデータレジスターにアクセスして、検出データを読み出すことができる。なお処理回路90は、検出データのデータレジスターの更新回数のカウント処理を行う。そしてカウントされた更新回数を、レジスター91の更新回数レジスターに書き込む。これにより外部機器は、マイクロコントローラー80から読み出した検出データが、何番目のデータであるのかを特定できる。
【0023】
割り込みコントローラー94は各種の割り込み要求を受け付ける。そして優先順位と割り込みレベルに従って、処理回路90に対して、割り込み要求、割り込みレベル、ベクター番号を知らせる信号を出力する。割り込みコントローラー94には、割り込み要求信号の1つとして同期端子TSを介して外部同期信号EXSYCが入力される。処理回路90は、外部同期信号EXSYCによる割り込み要求が受け付けられると、対応する割り込み処理を実行する。なお割り込み要求としては、外部インターフェース96のSPIやUARTによる割り込み要求、各種タイマーによる割り込み要求、I2Cによる割り込み要求などがある。外部インターフェース96は、端子THを介して、外部機器とのデジタルのインターフェース処理を行う回路である。例えば外部インターフェース96は、SPIやUARTなどのシリアルデータ通信を、外部機器とのインターフェース処理として行う。
【0024】
図2はセンサーモジュール10の動作を説明する信号波形図である。
図2に示すように外部同期信号EXSYCが同期タイミング毎にアクティブになる。即ち所定の時間間隔毎にアクティブになる。そして外部同期信号EXSYCは、同期信号SYCとして第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yの第1同期端子TS1、第2同期端子TS2に入力される。すると外部同期信号EXSYCである同期信号SYCがアクティブ(Hレベル)になる同期タイミングt1において、
図2のE2に示すように第1検出回路60Xの第1検出データSSD1、第2検出回路60Yの第2検出データSSD2が、出力される。具体的には、第1インターフェース70X,第2インターフェース70Yに取り込まれる。
【0025】
本実施形態では第1センサーデバイス20Xと第2センサーデバイス20Yは、別個のクロック信号に基づいて動作している。例えば各センサーデバイスが内蔵する発振回路からのクロック信号や、各センサーデバイスが有する水晶振動子などの振動子を用いて生成されたクロック信号に基づいて、各センサーデバイスが動作する。このため
図2のE2に示すように、各センサーデバイスの検出回路からは、お互いに非同期で検出データが出力される。
【0026】
但し、本実施形態にかかる第1検出回路60Xおよび第2検出回路60Yは、遅延が無い(またはほぼ無視できる)状態で、物理量を検出する回路である。従って、同一タイミングにおいてアクティブになる同期信号SYCが第1センサーデバイス20Xおよび第2センサーデバイス20Yに入力されることにより、同一タイミングの物理量を示す第1検出データおよび第2検出データが、第1インターフェース70Xおよび第2インターフェース70Yのそれぞれに取り込まれる。
【0027】
そこで、本実施形態では、これらの第1検出データSSD1,第2検出データSSD2を、同一の同期信号SYCをトリガーにしてラッチし、取り込む。この結果、同一タイミングの物理量を示す第1検出データおよび第2検出データが取り込まれる。そしてE3に示すように、取り込まれた検出データは、第1検出データSD1、第2検出データSD2として、第1センサーデバイス20X、第2センサーデバイス20Yからマイクロコントローラー80に出力される。なお、実際には後述するようにマイクロコントローラー80が読み出しコマンドを発行し、この読み出しコマンドに基づいて、第1検出データSD1、第2検出データSD2が出力される。
【0028】
一方、本実施形態では、外部同期信号EXSYCは同期端子TSを介してマイクロコントローラー80にも入力されている。そして
図2のE1で外部同期信号EXSYCがアクティブになると、割り込みコントローラー94がこれを受け付け、E4に示すように信号SYCINTによる割り込み処理が開始する。そしてE3で出力された検出データが、E5に示すように、検出データSDATとしてデジタルインターフェース82を介してマイクロコントローラー80に取り込まれる。次にE6に示すように信号処理回路92によるデジタル信号処理が開始される。例えば、移動平均などのフィルター処理、温度補正などの補正処理、比較処理等が実行され、E7に示すように処理後の検出データSDATCが生成される。するとデジタル信号処理が完了し、データの準備完了を知らせる信号DRDYが、端子TRを介して外部機器に出力される。そして外部機器が外部インターフェース96を介してレジスター91にアクセスすることで、E9に示すように検出データSDATQが外部機器に出力される。
【0029】
同様に、次の同期タイミングt2でE11に示すように外部同期信号EXSYCがアクティブになると、E12に示すように各センサーデバイスの検出回路からの検出データが取り込まれ、E13に示すように各センサーデバイスから各検出データが出力される。そしてE14、E15、E16、E17に示すように、マイクロコントローラー80では割り込み処理やデジタル信号処理が行われ、E18、E19に示すように信号DRDYが出力されて、検出データSDATQが出力される。また次の同期タイミングt3でE21に示すように外部同期信号EXSYCがアクティブになると、E22、E23に示すように各センサーデバイスでの検出データの取り込みと出力が行われ、E24に示すようにマイクロコントローラー80での各処理が行われる。
図2のE25、E26、E27、E28においても同様の処理が行われる。
【0030】
以上のように本実施形態では、E2、E12、E22、E26に示すように、複数のセンサーデバイスの各センサーデバイスが、外部同期信号EXSYCによる同一の同期タイミングで、検出回路からの検出データを取り込む。従って複数のセンサーデバイスからの検出データが、同一タイミングで検出された物理量を示している。
【0031】
図3はマイクロコントローラー80の動作を説明するフローチャートである。マイクロコントローラー80の処理回路90は割り込み要求が発生したか否かを判断する(ステップS11)。具体的には割り込みコントローラー94に割り込み要求信号が入力されたか否かを判断する。そして割り込み要求が発生した場合、処理回路90は、当該割り込み要求の割り込み要因を判断する(ステップS12)。割り込み要求が、外部同期信号EXSYCによる割り込み要求であった場合、処理回路90は、外部同期信号EXSYCによる割り込み処理として、センサーデバイス20の検出データの読み出しコマンドの発行処理を行う(ステップS14)。割り込み要求が、優先順位が高い他の割り込み要求(外部同期信号による割り込み要求以外の割り込み要求)であった場合、処理回路90は、当該他の割り込み要求の処理を行う(ステップS13)。優先順位が高い他の割り込み要求としては、例えば外部インターフェース96のSPIやUARTによる割り込み要求がある。また、例えば外部機器がレジスター91にアクセスするための割り込み要求がある。このような優先順位が高い割り込み要求がある場合には、外部同期信号EXSYCによる割り込み処理の実行をウェイトする。そして優先順位が高い割り込み要求の処理が終了した後に、外部同期信号EXSYCによる割り込み処理を実行する。このようなウェイト時間が原因で、検出データの読み出しコマンドの発行のタイミングに時間的なゆらぎが発生する。
【0032】
マイクロコントローラー80の処理回路90は、読み出しコマンドの発行後、センサーデバイス20からの検出データの読み出し処理を行う(ステップS15)。これにより
図2のE3に示すように、センサーデバイス20からの検出データが読み出され、レジスター91に記録される。読み出される検出データは、E2に示すように同期信号SYCの同期タイミングにおいて第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yに取り込まれたデータである。従って、ステップS14の読み出しコマンドの発行タイミングに時間的なゆらぎが発生しても、第1センサーデバイス20X,第2センサーデバイス20Yからの検出データの取得タイミングには、時間的なゆらぎが発生しない。
【0033】
次にマイクロコントローラー80の信号処理回路92は、センサーデバイス20から読み出された検出データに対するデジタル信号処理を実行する(ステップS16)。具体的には比較処理、フィルター処理や温度補正処理を実行する。比較処理については、後述する。そして、処理回路90は、デジタル信号処理が終了したか否かを判断し(ステップS17)、終了した場合には、デジタル信号処理後の検出データの準備完了を知らせる信号DRDYを、外部機器に出力する(ステップS18)。外部機器は、当該信号を受け付けると、端子THを介してマイクロコントローラー80のレジスター91にアクセスし、検出データを読み出す。
【0034】
図4は、ステップS16において実行される比較処理を示すフローチャートである。比較処理が開始されると、信号処理回路92は、第1検出データと第2検出データの差分を取得する(ステップS160)。次に、信号処理回路92は、差分が閾値以下であるか否か判定する(ステップS161)。ここで、閾値は、第1検出データと第2検出データとが実質的に同じ物理量であるか否かを判定するための値であり、両検出データが実質的に同じ物理量であると見なせるように設定された小さい値である。
【0035】
ステップS161において、差分が閾値以下であると判定された場合、信号処理回路92は、第1検出データおよび第2検出データの統計値である平均値を算出し、出力する(ステップS162)。すなわち、信号処理回路92は、平均値をレジスター91に書き込む。
【0036】
本実施形態において、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yは、同一の物理量を検出するように構成されている。従って、異常が無ければ第1検出データおよび第2検出データは実質的に同一の値になるはずである。また、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yとが同時に故障する可能性は低い。このため、第1検出データと第2検出データの差分が閾値以下である場合、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yは故障しておらず、かつ、適正に物理量を検出していると推定することができる。
【0037】
そこで、信号処理回路92は、第1検出データと第2検出データの差分が閾値以下である場合には、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yによる検出結果を出力する。この際、信号処理回路92は、第1検出データと第2検出データの平均値を取得することにより、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yによる検出値のばらつきを抑制するように構成されている。以上の構成によれば、検出対象の物理量を正確に検出することが可能である。
【0038】
一方、ステップS161において、差分が閾値以下であると判定されない場合、信号処理回路92は、エラー割り込み信号を出力し、故障フラグをオンに設定する(ステップS163)。具体的には、信号処理回路92は、レジスター91を制御し、センサーモジュール10が故障したことを示す故障フラグをオンにする。さらに、信号処理回路92は、処理回路90にエラー割り込み信号の出力を指示する。この場合、処理回路90は、外部インターフェース96を介して、外部機器に対してエラー割り込み信号を出力する。この場合において、外部機器は、センサーモジュール10のレジスター91を読み出し、故障フラグがオンになっていることを確認することでセンサーモジュール10が故障したと判断する。以上の構成においては、同一タイミングにおいて検出された第1検出データおよび第2検出データを比較しているため、センサーモジュール10が故障しているか否かを正確に判定することが可能である。
【0039】
(2)第2実施形態
上述の実施形態は一例であり、他にも種々の構成が採用されてよい。例えば、センサーモジュール10が搭載するセンサーデバイスは2個に限定されない。
図5は、センサーデバイスが3個である構成例を示す図である。
図5において、
図1と同様の構成は
図1と同様の符号を付して示している。本実施形態は、
図1に示す構成に対して第3センサーデバイス20Zが追加された構成である。
【0040】
第3センサーデバイス20Zは、第3センサー素子50Zと、第3センサー素子50Zからの信号が入力されて検出処理を行う第3検出回路60Zと、第3検出回路60Zからの第3検出データSD3を出力する第3インターフェース70Zを含む。第3センサーデバイス20Zは、第3センサー素子50Zと、第3検出回路60Z及び第3インターフェース70Zを含む集積回路装置とが、パッケージに収容されたデバイスである。集積回路装置は半導体により実現されるICチップである。
【0041】
第3センサー素子50Zは、物理量を検出するセンサー素子である。物理量は、例えば角速度、加速度、角加速度、速度、距離、圧力、音圧又は磁気量等であるが、本実施形態においても、第3センサー素子50Zによって検出される物理量は、第1センサー素子50Xおよび第2センサー素子50Yと同一の物理量である。角速度を例にとれば、第3センサー素子50Zが検出する角速度の軸と、第1センサー素子50Xおよび第2センサー素子50Yが検出する角速度の軸は同一である。むろん、第1センサー素子50X,第2センサー素子50Y,第3センサー素子50Zの少なくともいずれかは、多軸の物理量が検出可能であっても良い。
【0042】
第3検出回路60Zは、第1検出回路60X,第2検出回路60Yと同様に、アナログ回路と、アナログ回路からのアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換回路を含むことができる。第3インターフェース70Zは、第1インターフェース70X,第2インターフェース70Yと同様に、デジタルのインターフェース処理を行う回路であり、例えばシリアルデータの送信や受信を行う。第3インターフェース70Zは、端子TD3を介してデジタルインターフェースバスBSに電気的に接続される。
【0043】
以上の構成において、デジタルインターフェース82は、第1センサーデバイス20X,第2センサーデバイス20Yおよび第3センサーデバイス20Zとのインターフェース処理を行う。マイクロコントローラー80等によって信号処理が行われる際のタイミングチャートは、
図2と同様であるが、本実施形態においては、センサーデバイスが3個存在するため、第1検出データSSD1,第2検出データSSD2と類似の第3検出データSSD3が存在する。但し、第3検出データSSD3は、第1検出データSSD1,第2検出データSSD2と非同期である。
【0044】
本実施形態によれば、外部同期信号EXSYCによって同一タイミングで第1検出データSSD1,第2検出データSSD2および第3検出データSSD3がラッチされる。このため、第1インターフェース70X、第2インターフェース70Yおよび第3インターフェース70Zから、第1検出データSD1,第2検出データSD2および第3検出データSD3が出力されると、これらは同一タイミングの物理量を各センサー素子で検出した検出値を示している。
【0045】
以上の構成において、マイクロコントローラー80の処理回路90および信号処理回路92が実行する処理は
図3に示す処理と一部が共通している。具体的には、
図3に示すステップS11~S14は本実施形態においても同様である。一方、ステップS15において、処理回路90は、検出データの読み出し処理を行うが、この際、処理回路90は、同期信号SYCの同期タイミングにおいて第1インターフェース70X、第2インターフェース70Y、第3インターフェース70Zに取り込まれた検出データを読み出し、レジスター91に記録させる。ステップS16において、信号処理回路92は、検出データに対するデジタル信号処理を実行する。この際、信号処理回路92は、第1検出データ,第2検出データ,第3検出データに基づいてデジタル信号処理を実行する。当該デジタル信号処理に含まれる比較処理は、後述する。さらに、処理回路90は、デジタル信号処理が終了したか否かを判断し(ステップS17)、終了した場合には、デジタル信号処理後の検出データの準備完了を知らせる信号DRDYを、外部機器に出力する(ステップS18)。この結果、外部機器から、検出データを読み出し可能になる。
【0046】
図6は、本実施形態にかかる比較処理のフローチャートである。比較処理が開始されると、信号処理回路92は、第1検出データと第2検出データと第3検出データとから選択した2個の検出データの差分を取得する(ステップS165)。すなわち、信号処理回路92は、3個の検出データから2個の検出データを選択する組合せの全てについて、差分を取得する。具体的には、以下の差分を取得する。
第1検出データ-第2検出データ
第2検出データ-第3検出データ
第3検出データ-第1検出データ
なお、差分は絶対値である。
【0047】
次に、信号処理回路92は、差分と閾値とを比較する(ステップS166)。すなわち、信号処理回路92は、3個の差分のそれぞれと閾値とを比較する。当該閾値は、第1実施形態と同様の閾値である。なお、差分の絶対値を閾値と比較したが、これに限られず、差分の偶数乗を閾値の偶数乗と比較してもよい。なお、偶数乗とは、差分を偶数回乗算したものである。
【0048】
ステップS166において、3個の差分の全てが閾値以下であると判定された場合、信号処理回路92は、3個の検出データの統計値である平均値を算出し、出力する(ステップS167)。すなわち、信号処理回路92は、第1検出データ,第2検出データ,第3検出データの平均値をレジスター91に書き込む。
【0049】
本実施形態において、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yと第3センサー素子50Zは、同一の物理量を検出するように構成されている。従って、異常が無ければ第1検出データ、第2検出データおよび第3検出データは実質的に同一の値になるはずである。また、第1検出データ,第2検出データ,第3検出データの全てが実質的に同一の値である場合、第1センサー素子50X,第2センサー素子50Y,第3センサー素子50Zが故障している可能性は低い。このため、3個の差分の全てが閾値以下である場合、第1センサー素子50Xと第2センサー素子50Yと第3センサー素子50Zとは故障しておらず、かつ、適正に物理量を検出していると推定することができる。
【0050】
そこで、信号処理回路92は、3個の差分の全てが閾値以下である場合には、第1検出データ,第2検出データ,第3検出データの平均値を検出結果として出力する。以上の構成によれば、検出対象の物理量を正確に検出することが可能である。
【0051】
一方、ステップS166において、1個または2個の差分が閾値以下であると判定された場合、信号処理回路92は、故障していないセンサーと故障しているセンサーとを区別して出力を行う。このために、信号処理回路92は、ステップS168において、差分が最小となる2個の検出データの平均を出力する。また、信号処理回路92は、残りの検出データに対応するセンサー番号と、エラー割り込み信号を出力する。さらに、信号処理回路92は、一部故障フラグをオンに設定する。
【0052】
ステップS166において、3個の差分のうち、1個が閾値以下であり、2個が閾値より大きいと判定された場合、差分が閾値以下となる2個の検出データは正常値であり、残りの検出データは異常値であると推定することができる。例えば、差分「第1検出データ-第2検出データ」が閾値以下であり、他の差分「第2検出データ-第3検出データ」「第3検出データ-第1検出データ」が閾値より大きい場合、第1検出データおよび第2検出データが正常値である。また、「第1検出データ-第2検出データ」が最小となる。このため、これらを検出した第1センサー素子50X、第2センサー素子50Yは故障していないと推定される。一方、第3検出データは異常値であるため、第3センサー素子50Zが故障していると推定される。
【0053】
3個の差分のうち、2個が閾値以下であり、1個が閾値より大きい場合、差分が閾値以下となる検出データのうち、少なくとも差分が最小となる2個の検出データは正常値であり、残りの検出データは異常値であると推定することができる。例えば、差分「第1検出データ-第2検出データ」と「第2検出データ-第3検出データ」が閾値以下であり、差分「第3検出データ-第1検出データ」が閾値より大きい場合、少なくとも第2検出データを検出した第2センサー素子50Yは故障していないと推定される。従って、「第1検出データ-第2検出データ」と「第2検出データ-第3検出データ」のうち、小さい方の差分は正常値に基づいて算出されたと推定することができる。このため、当該差分を検出したセンサー素子は故障していないと推定される。一方、残りの検出データを検出したセンサー素子は故障していると推定される。
【0054】
以上のように、故障していないセンサー素子と、故障しているセンサー素子とが推定されると、信号処理回路92は、故障しているセンサーに対応付けられたセンサー番号を示すセンサー番号をレジスター91に記憶させる。また、信号処理回路92は、レジスター91を制御し、センサーモジュール10が備えるセンサーの一部が故障したことを示す一部故障フラグをオンにする。さらに、信号処理回路92は、処理回路90にエラー割り込み信号の出力を指示する。この場合、処理回路90は、外部インターフェース96を介して、外部機器に対してエラー割り込み信号を出力する。この場合において、外部機器は、センサーモジュール10のレジスター91を読み出し、一部故障フラグがオンになっていることを確認することでセンサーモジュール10の一部が故障したと判断する。また、外部機器は、センサーモジュール10のレジスター91を読み出し、センサー番号を取得することで故障しているセンサー素子を特定する。以上の構成においては、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データおよび第3検出データを比較しているため、センサーモジュール10が故障しているか否かを正確に判定することが可能である。
【0055】
ステップS166において、3個の差分の全てが閾値より大きいと判定された場合、信号処理回路92は、エラー割り込み信号を出力し、全故障フラグをオンに設定する(ステップS169)。具体的には、信号処理回路92は、レジスター91を制御し、センサーモジュール10が備えるセンサー素子の全てが故障したことを示す全故障フラグをオンにする。さらに、信号処理回路92は、処理回路90にエラー割り込み信号の出力を指示する。この場合、処理回路90は、外部インターフェース96を介して、外部機器に対してエラー割り込み信号を出力する。この場合において、外部機器は、センサーモジュール10のレジスター91を読み出し、全故障フラグがオンになっていることを確認することでセンサーモジュール10が備えるセンサー素子の全てが故障したと判断する。以上の構成においては、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データおよび第3検出データを比較しているため、センサーモジュール10が故障しているか否かを正確に判定することが可能である。
【0056】
(3)第3実施形態
上述の実施形態は一例であり、他にも種々の構成が採用されてよい。例えば、センサーデバイスが複数のセンサー素子を備え、センサーデバイスが比較部を備えていても良い。
図7は、2個のセンサー素子を備え、各センサー素子の検出データを比較する比較部を備えたセンサーデバイス200の構成例である。センサーデバイス200は、第1センサー素子500,第2センサー素子510,第1検出回路600,第2検出回路610,第1インターフェース700,第2インターフェース710,平均演算器800,比較器810,インターフェース900を備える。また、センサーデバイス200は、第1センサーデバイス20Xと同一の端子TS1,TD1を備える。端子TS1には、上述の実施形態と同様に同期信号SYCが入力される。端子TD1はバスに接続される端子であり、センサーデバイス200はバスを介して外部機器やマイクロコントローラー80と通信可能である。
【0057】
第1センサー素子500,第2センサー素子510,第1検出回路600,第2検出回路610,第1インターフェース700,第2インターフェース710は、
図1に示す第1センサー素子50X,第2センサー素子50Y,第1検出回路60X,第2検出回路60Y,第1インターフェース70X,第2インターフェース70Yと同様の回路で実現可能である。従って、センサーデバイス200は、第1センサー素子500および第2センサー素子510によって同一の物理量を検出するデバイスである。なお、第1インターフェース700は、第1検出回路600が検出した第1検出データを取り込むレジスターを備え、第2インターフェース710は、第2検出回路610が検出した第2検出データを取り込むレジスターを備えている。
【0058】
平均演算器800は、第1インターフェース700にバッファされている第1検出データと、第2インターフェース710にバッファされている第2検出データと、の統計値である平均値を演算する回路である。演算された平均値はインターフェース900が備えるレジスターに取り込まれる。
【0059】
比較器810は、第1インターフェース700にバッファされている第1検出データと、第2インターフェース710にバッファされている第2検出データと、を比較する回路である。具体的には、比較器810は、第1検出データおよび第2検出データの差分を取得し、閾値以下であるか否か判定する。閾値は、上述の実施形態と同一である。従って、第1検出データおよび第2検出データの差分が閾値以下である場合には、第1センサー素子500,第2センサー素子510が故障しておらず、正常であると推定することができる。
【0060】
比較器810は、第1検出データおよび第2検出データの差分が閾値以下である場合、センサーデバイス200が故障していないことを示すフラグを出力する。一方、比較器810は、第1検出データおよび第2検出データの差分が閾値より大きい場合、センサーデバイス200が故障したことを示すフラグを出力する。出力されたフラグは、インターフェース900が備えるレジスターに取り込まれる。なお、平均演算器800や比較器810は、素子を組み合わせて演算を実行する回路で実現されても良いし、プロセッサーによって実現されても良い。
【0061】
インターフェース900は、同期信号SYCの同期タイミングにおいて第1インターフェース700、第2インターフェース710に取り込まれた検出データの読み出しを開始する。この結果、平均演算器800によって平均化された値と、比較器810による比較結果を示す情報が図示しないレジスターに取り込まれる。この状態において、外部機器やマイクロコントローラー80が、端子TD1を介してレジスターに記録された情報を読み出す。以上の構成によれば、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データに基づいて取得された平均値をセンサーデバイス200による検出結果として用いることができる。また、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データに基づいて比較が行われるため、センサーデバイス200が故障しているか否かを正確に判定することが可能である。なお、以上の構成は一例であり、例えば、センサーデバイス200が割り込み信号出力端子を備える構成とし、センサーデバイス200が故障していると判定される場合、当該割り込み信号出力端子から故障したことを示す割り込み信号が出力されるように構成されていても良い。
【0062】
(4)第4実施形態
センサーデバイスが備えるセンサー素子の数は、2個に限定されない。
図8は、3個のセンサー素子を備え、各センサー素子の検出データを比較する比較部を備えたセンサーデバイス201の構成例である。センサーデバイス201は、第1センサー素子501,第2センサー素子511,第3センサー素子521,第1検出回路601,第2検出回路611,第3検出回路621,第1インターフェース701,第2インターフェース711,第3インターフェース721,インターフェース901を備える。また、センサーデバイス201は、第1センサーデバイス20Xと同一の端子TS1,TD1と、エラー割り込み信号の出力を行う端子TEを備える。本実施形態においても、端子TS1には、上述の実施形態と同様に同期信号SYCが入力される。端子TD1はバスに接続され、センサーデバイス201はバスを介して外部機器やマイクロコントローラー80と通信可能である。
【0063】
第1センサー素子501,第2センサー素子511,第1検出回路601,第2検出回路611,第1インターフェース701,第2インターフェース711は、
図6に示す第1センサー素子500,第2センサー素子510,第1検出回路600,第2検出回路610,第1インターフェース700,第2インターフェース710と同様の回路で実現可能である。
【0064】
また、第3センサー素子521は、第1センサー素子501および第2センサー素子511と同一の物理量を検出するセンサーである。第3検出回路621は第1検出回路600と同様の回路で実現可能であり、第3インターフェース721は第1インターフェース700と同様の回路で実現可能である。
【0065】
インターフェース901は、多数決演算を行う多数決演算部801とレジスター910とを備える。なお、インターフェース901は、素子を組み合わせて演算を実行する回路で実現されても良いし、プロセッサーによって実現されても良い。多数決演算部801は、第1インターフェース701,第2インターフェース711,第3インターフェース721から取り込んだ第1検出データ,第2検出データ,第3検出データに基づいて、多数決演算を実行する回路である。多数決演算は、種々の処理によって実現されてよく、例えば、
図6に示す処理によって実現可能である。
【0066】
レジスター910は、各種のデータを保存する回路である。
図8においては、多数決演算部801が
図6に示す処理で実現される場合において、当該処理で用いられる閾値、平均値によって求められた検出データ、当該処理で出力され得る故障センサー番号、一部故障フラグ、全故障フラグがレジスター910に保存される例が示されている。
【0067】
インターフェース901は、同期信号SYCの同期タイミングにおいて第1インターフェース701、第2インターフェース711、第3インターフェースに取り込まれた検出データの読み出しを開始する。そして、多数決演算部801は、第2実施形態と同様の処理を実行する。この結果、センサー素子が故障していないか、一部故障している状態であれば、検出データがレジスター910に書き込まれる。また、センサー素子が一部故障している場合には、故障センサー番号と、一部故障フラグとがレジスター910に書き込まれる。さらに、全てのセンサー素子が故障している場合には、全故障フラグがレジスター910に書き込まれる。さらに、外部機器やマイクロコントローラー80が、端子TD1を介してレジスター910に記録された情報を読み出す。
【0068】
以上の構成によれば、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データ、第3検出データに基づいて、故障していないセンサー素子から得られた平均値をセンサーデバイス201による検出結果として用いることができる。また、同一タイミングにおいて検出された第1検出データ、第2検出データ、第3検出データに基づいて比較が行われるため、センサーデバイス201が故障しているか否かを正確に判定することが可能である。
【0069】
(5)第5実施形態
上述の実施形態は一例であり、他にも種々の構成が採用されてよい。例えば、センサーデバイスにおいて各種の補正が可能であってもよい。
図9は、複数のセンサー素子の精度が異なる事に起因して各センサー素子が検出する検出データの信号レベルが異なっている場合のセンサーデバイス202を示している。センサーデバイス202は、第1センサー素子502,第2センサー素子512,第1検出回路602,第2検出回路612,第1インターフェース702,第2インターフェース712,平均演算器802,比較器812,インターフェース902を備える。また、センサーデバイス202は、第1センサーデバイス20Xと同一の端子TS1,TD1を備える。端子TS1には、上述の実施形態と同様に同期信号SYCが入力される。端子TD1はバスに接続される端子であり、センサーデバイス202はバスを介して外部機器やマイクロコントローラー80と通信可能である。
【0070】
以上の回路の構成は、
図7に示すセンサーデバイス200と同様である。但し、センサーデバイス202は、さらに、第1乗算回路822、第2乗算回路832を備える。第1乗算回路822は、第1検出回路602から出力される第1検出データが入力され、所定のゲインを乗じて出力する回路である。ゲインが乗じられた後の第1検出データは、第1インターフェース702が備えるレジスターに保存される。第2乗算回路832は、第2検出回路612から出力される第2検出データが入力され、所定のゲインを乗じて出力する回路である。ゲインが乗じられた後の第2検出データは、第2インターフェース712が備えるレジスターに保存される。
【0071】
本実施形態において、ゲインは、インターフェース902が備えるレジスターに保存される。第1スケール値は、第1検出回路602が出力する第1検出データに乗じられるゲインを示し、第2スケール値は、第2検出回路612が出力する第2検出データに乗じられるゲインを示している。本実施形態にかかる第1センサー素子502と第2センサー素子512は、同一の物理量を検出するセンサー素子であるが、その検出精度は異なっている。また、検出精度が異なることに起因して、両センサー素子によって検出される検出データの信号レベルが異なっている。
【0072】
本実施形態においては、平均演算器802および比較器812によって第1検出データおよび第2検出データを平均化したり、直接比較したりする必要がある。このため、本実施形態においては、第1検出データおよび第2検出データの信号レベルを調整し、同一のスケールで直接的に比較等ができるように構成されている。この調整を行うために、第1スケール値および第2スケール値は、第1検出データと第2検出データとの信号レベルが同一になるように決定されている。すなわち、ゲインを乗じた後の第1検出データおよび第2検出データにおいて、0レベルから最大値レベルまでの範囲が一致するように第1スケール値および第2スケール値が決定されている。以上の構成によれば、異なる精度のセンサー素子が用いられたとしても、各センサー素子において同一タイミングで検出された検出データを用いて検出結果を出力するセンサーデバイス202を提供することができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、第1スケール値および第2スケール値によるゲイン調整の結果、第1検出データと第2検出データとの信号レベルが同一になればよい。従って、第1スケール値および第2スケール値の少なくとも一方のゲインが1ではない値であり他方のゲインが1であっても良いし、両者のゲインが1ではない値であっても良い。さらに、第1スケール値および第2スケール値は定数でなくても良い。例えば、第1検出データや第2検出データに応じて変化する値であっても良い。このような値は、第1検出データや第2検出データに応じて変化する多項式等によって定義可能である。
【0074】
(6)第6実施形態
上述の実施形態は一例であり、他にも種々の構成が採用されてよい。例えば、同期信号SYCに基づいて、センサー素子毎に検出データの取り込みタイミングが調整されても良い。
図10は、センサー素子の検出結果を検出データとして生成するまでの所要時間がセンサー素子毎に異なっている構成において、取り込みのタイミングを調整するセンサーデバイス203を示している。センサーデバイス203は、第1センサー素子503,第2センサー素子513,第1検出回路603,第2検出回路613,第1インターフェース703,第2インターフェース713,平均演算器803,比較器813,インターフェース903を備える。また、センサーデバイス203は、第1センサーデバイス20Xと同一の端子TS1,TD1を備える。端子TS1には、上述の実施形態と同様に同期信号SYCが入力される。端子TD1はバスに接続される端子であり、センサーデバイス203はバスを介して外部機器やマイクロコントローラー80と通信可能である。
【0075】
以上の回路の構成は、
図7に示すセンサーデバイス200と同様である。但し、センサーデバイス203においては、センサー素子の検出結果を検出回路で検出する際に要する所要時間が、センサー素子毎に異なる。これらの所要時間の差異を相殺するため、本実施形態においては、インターフェース903によって遅延時間が異なるトリガーが生成され、第1検出回路603、第2検出回路613に入力される。
【0076】
図11は、遅延時間による所要時間の相殺を説明するためのタイミングチャートである。TR1は、第1検出回路603に対して取り込みの開始を指示するトリガーとなる同期信号を示している。
図11に示す例においては、同期信号TR1の立ち下がりに応じて第1検出回路603の動作が開始される。第1検出回路603は、動作開始後、所要時間ST1(例えば200μs)が経過すると第1検出データをサンプリングする。第1検出データがサンプリングされると、当該第1検出データが第1インターフェース703に書き込まれる。すなわち、第1検出データが第1インターフェース703のレジスターに書き込まれ、以後、平均演算器803,比較器813による演算が可能な状態になる。
【0077】
TR2は、第2検出回路613に対して取り込みの開始を指示するトリガーとなる同期信号を示している。
図11に示す例においては、同期信号TR2の立ち下がりに応じて第2検出回路613の動作が開始される。第2検出回路613は、動作開始後、所要時間ST2(例えば300μs)が経過すると第2検出データをサンプリングする。第2検出データがサンプリングされると、当該第2検出データが第2インターフェース713に書き込まれる。すなわち、第2検出データが第2インターフェース713のレジスターに書き込まれ、以後、平均演算器803,比較器813による演算が可能な状態になる。
【0078】
このように、本実施形態においては、第1検出回路603および第2検出回路613に対してトリガーが与えられた後、サンプリングが行われるまでの所要時間が異なるため、同一のトリガーに応じて動作すると、サンプリングタイミングが異なってしまう。そこで、本実施形態においては、所要時間ST1,ST2の差分に相当する遅延時間をトリガーに対して与えることで、所要時間のずれを相殺するように構成されている。
【0079】
具体的には、所要時間ST1,ST2の差分である遅延時間DL1が予め特定され、所要時間が短い方のセンサー素子の検出回路へのトリガーには、所要時間が長い方のセンサー素子の検出回路へのトリガーより遅延時間DL1だけ遅くなるようにトリガーが与えられる。すなわち、インターフェース903は、端子TS1に対して供給される同期信号SYCに応じて、遅延時間を調整して同期信号TR1を生成し、第1検出回路603に出力する。また、インターフェース903は、端子TS1に対して供給される同期信号SYCに応じて、遅延時間を調整して同期信号TR2を生成し、第2検出回路613に出力する。
【0080】
遅延時間の調整のためにインターフェース903はレジスターを備えており、同期信号SYCに対して、第1検出回路603へのトリガーを遅延させるための時間が第1トリガー遅延時間として保存されている。また、レジスターには、同期信号SYCに対して、第2検出回路613へのトリガーを遅延させるための時間が第2トリガー遅延時間として保存されている。この構成により、第1検出回路603に与えられるトリガーは、第2検出回路613に与えられるトリガーに対して、第1トリガー遅延時間-第2トリガー遅延時間だけ遅延するように構成されている。
【0081】
図11においては、第1トリガー遅延時間が遅延時間DL1であって所要時間ST2-所要時間ST1に等しく、第2トリガー遅延時間が0である例を示している。この構成によれば、同期信号SYCに基づいて、インターフェース903が遅延時間0で同期信号TR2を生成する(立ち下がりに変化させる)。この結果、第2検出回路613は、同期信号SYCに同期して動作を開始し、所要時間ST2だけ経過するとタイミングTsで第2検出データをサンプリングする。
【0082】
また、同期信号SYCの立ち下がりが発生すると、インターフェース903は遅延時間DL1だけ遅延させた後に同期信号TR1を生成する(立ち下がりに変化させる)。この結果、第1検出回路603は、同期信号SYCよりも遅延時間DL1だけ遅延したタイミングで動作を開始し、所要時間ST1だけ経過するとタイミングTsで第1検出データをサンプリングする。以上の構成により、第1検出回路603および第2検出回路613は、同一タイミングでサンプリングを行って第1検出データおよび第2検出データのそれぞれを生成する。
【0083】
図11においては、第1検出回路603および第2検出回路613によって第1検出データおよび第2検出データが生成された後、しばらく後に平均演算器803によって平均値が出力され、比較器813によって比較結果による故障フラグが出力される様子も示されている。インターフェース903は、これらの値を取り込んでレジスターに保存する。この状態において、外部機器やマイクロコントローラー80は、端子TD1を介してレジスター910に記録された情報を読み出す。以上の構成によれば、各センサー素子において同一タイミングで物理量を検出し、検出された検出データを用いて平均化されたことにより、高精度化された検出結果を出力するセンサーデバイス203を提供することができる。
【0084】
なお、本実施形態においては、第1トリガー遅延時間および第2トリガー遅延時間による遅延時間調整の結果、同一タイミングでサンプリングされて第1検出データと第2検出データが生成されれば良い。従って、第1トリガー遅延時間および第2トリガー遅延時間の少なくとも一方が0ではない値であり他方が0であっても良いし、両者が0ではない値であっても良い。
【0085】
(7)他の実施形態等
上述の実施形態は本発明を実施するための例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、検出データの統計値は平均値に限定されず、最頻値や中央値等であっても良い。さらに、センサーデバイス、センサーモジュールは、種々の用途に使用されて良い。例えば、各種の電子機器や車載機器等に使用されて良い。車載機器としては、各種のナビゲーション機器や自動運転の制御機器等が挙げられる。また、車両の位置を測位する測位機器に使用されても良い。
【0086】
第1検出回路および第2検出回路は、同期信号に基づいて第1検出データおよび第2検出データを出力することができればよく、同期信号がインターフェースを介して供給される構成に限定されず、同期信号が直接供給される構成等であっても良い。また、同期信号は、第1検出データおよび第2検出データが同一タイミングの物理量となるように制御する信号であれば良く、同期信号に対して各種の処理が行われた信号によってタイミングが制御されても良い。
【0087】
レジスターは、第1検出データおよび第2検出データを取り込む回路であれば良く、センサーデバイスに設けられても良いし、センサーデバイスの外部の回路、例えばマイクロコントローラーに設けられても良い。さらに、センサーモジュールの外部機器にレジスターが設けられても良い。
【0088】
比較部は、少なくとも第1検出データと第2検出データとを比較可能であれば良く、比較に関連した各種の処理が行われてもよい、平均化や多数決演算は比較に関連した処理である。信号処理回路92,平均演算器800,平均演算器802,平均演算器803,比較器810,比較器812,比較器813,多数決演算部801,第1乗算回路822,第2乗算回路832は、それぞれの演算の前後で、移動平均等の各種の統計演算,ダウンサンプリング,フィルター処理,温度補正処理,多項式演算処理,故障診断処理のいずれかの処理、または、複数の処理を組み合わせて実行してもよい。他にも、移動平均等の各種の統計演算が行われても良いし、故障診断のための各種の処理、例えば、検出データのドリフトの特定処理や変化傾向の特定処理等が実行されてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…センサーモジュール、20…センサーデバイス、20X…第1センサーデバイス、20Y…第2センサーデバイス、20Z…第3センサーデバイス、50X…第1センサー素子、50Y…第2センサー素子、50Z…第3センサー素子、60X…第1検出回路、60Y…第2検出回路、60Z…第3検出回路、70X…第1インターフェース、70Y…第2インターフェース、70Z…第3インターフェース、80…マイクロコントローラー、82…デジタルインターフェース、90…処理回路、91…レジスター、92…信号処理回路、94…割り込みコントローラー、96…外部インターフェース